JP2006183517A - 膨張機 - Google Patents

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Masaki Ota
太田  雅樹
Giyouriyo O
暁亮 王
Shigeru Suzuki
鈴木  茂
Takahiro Moroi
隆宏 諸井
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Abstract

【課題】システムの圧力比が変動する場合と、外部の要因によって回転数が強制的に変動する場合とにおいて、動力発生効率の低下を回避する膨張機を提供する。
【解決手段】斜板式膨張機において、膨張行程終了直前のシリンダボア16内の圧力と、膨張機の下流側となる位置において検出される圧力とを比較し、等しくなるようにクランク室6内の作動流体の圧力を変動させ、斜板11の傾斜角度を変更することで膨張比を制御する。また、ロータリバルブ本体50内でスプール弁76を軸方向前後に摺動させることによって吸入ポート52、54、56を開閉し、吸入行程に相当する角度を変更することで流量を制御する。
【選択図】図1

Description

この発明は、膨張機に係る。
膨張機は、高圧の作動流体を膨張させることにより動力を発生させるものである。たとえば、ランキンサイクルにおける高圧ガスのエネルギーを回転する動力として取り出す容積型膨張機がある。このような膨張機の例として、特許文献1に示されるものがある。
特開2004−190559号公報
しかしながら、従来の容積型膨張機では、システムの圧力比、すなわち、外部の循環経路に最適に合致する当該膨張機の膨張比に相当する値が変動する場合と、外部の要因によって回転数が強制的に変動する場合とにおいて、効率が低下する問題があった。
システムの圧力比が変動する場合には、膨張機の膨張比とシステムの圧力比が一致しなくなり、過膨張および膨張不足が発生する。過膨張の状態では、膨張機内の圧力を定圧より下げるために、余分な動力を必要とするので、膨張機が動力源でなく抵抗として作用してしまう場合があり、動力発生効率が下がるという問題が発生する。
なお、ここで膨張比とは、膨張前に膨張機に供給される作動流体の容積と、膨張後に膨張機から吐出される作動流体の容積との比である。
また、膨張不足の状態では、膨張による動力を十分に取り出す前に作動流体が吐出され、得られるはずのエネルギーを無駄に捨ててしまう場合があり、動力発生効率が下がるという問題が発生する。
特許文献1では、逆止弁を取り付けて過膨張を緩和することが開示されているが、逆止弁は十分な通路断面積が取れないので、抵抗による損失を発生してしまう。また、この方法では膨張不足による効率低下は回避できない。
また、外部の要因によって回転数が強制的に変動する場合では、膨張機の流量が、回転数の変動に伴って変動する。このため、高回転時に流量が過大になると、システムの圧力差が小さくなり、動力発生効率が下がるという問題が発生する。逆に低回転時に流量が不足すると、流体の圧力が高くなり、膨張機の内部リークや摩擦損失が増加し、動力発生効率が低下するという問題が発生する。
このような外部の要因によって回転数が強制的に変動させられる例は、自動車の廃熱回収システムにおいて、エアコン用圧縮機やオルタネータ等に組み込まれた膨張機である。この場合、膨張機の回転数はエンジンの回転数に応じて変化する等、走行状態によって決まってしまい、上記のような問題が発生する。
この発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、システムの圧力比が変動する場合と、外部の要因によって膨張機の回転数が強制的に変動する場合とにおいて、所望の膨張比と流量とを与える膨張機を提供することを目的とする。
上述の問題点を解決するため、この発明に係る膨張機は、少なくとも一つのシリンダボアに流入する作動流体を膨張させ、シリンダボアから吐出する膨張機であって、出力シャフトと、出力シャフトに垂直な面に対して傾斜角度をもって取り付けられ、出力シャフトと一体的に回転する斜板と、クランク室とシリンダボアとにそれぞれ面する部分を有し、斜板に連結され、その回転によって、シリンダボア内において傾斜角度に応じた範囲を摺動し、それによって作動流体の膨張を行う、少なくとも一つのピストンと、を備えた膨張機において、クランク室内における作動流体の圧力と、シリンダボアに流入する作動流体の圧力とに応じて傾斜角度を変更し、膨張比を可変させる
ことを特徴とするものである。
クランク室の圧力が変動すると、それに応じて斜板の傾斜角度とピストンのストロークが変動し、これによって膨張比が変動する。
また、出力シャフトと一体的に回転し、出力シャフトの回転角度に対応した回転角度範囲で、シリンダボアに作動流体を流入させるロータリバルブを備えることを特徴としてもよい。
さらに、ロータリバルブは、バルブ本体と、このバルブ本体の内部で摺動可能なスプール弁とを有し、バルブ本体には、出力シャフトの軸方向に向かうに従って、異なる回転角度に対応する位置に、少なくとも一つの吸入ポートが形成され、シリンダボアに作動流体を流入させる回転角度範囲の変更は、スプール弁が、バルブ本体を摺動して、吸入ポートを開閉することにより行われることを特徴としてもよい。
また、膨張行程終了直前のシリンダボア内の圧力と膨張機の下流側において検出される圧力との圧力差に基いてクランク室内の圧力を制御する圧力制御機構を有することを特徴としてもよい。
この発明によれば、斜板の傾斜角度が変動可能に制御されて、ピストンのストロークが変動するので、これによって作動流体の膨張比を可変とすることができる。
また、異なる位置に設けられた吸入ポートのいずれかまたはすべての開閉が制御されるので、吸入行程の長さが変動し、これによって作動流体の流量を可変とすることができる。
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
実施の形態1.
図1に示されるように、この実施の形態1に係る斜板式膨張機1は、シリンダブロック2、フロントハウジング3、隔壁4及びリヤハウジング5で形成されるハウジングを備えている。シリンダブロック2の前端にはフロントハウジング3が接合し、後端には隔壁4を介してリヤハウジング5が接合している。シリンダブロック2とフロントハウジング3とによってクランク室6が形成されている。
クランク室6内には、フロントハウジング3及びシリンダブロック2の中央に、出力シャフト7が回転可能に設けられている。出力シャフト7の前端側外周とフロントハウジング3との間にはリップシール8が設けられ、クランク室6とフロントハウジング3の外部とをシールしている。クランク室6において、出力シャフト7上には、回転支持体9が出力シャフト7と固定されて、一体として回転可能に固定されている。回転支持体9とフロントハウジング3の内壁面との間には、スラストベアリング10が設けられている。
また、クランク室6内には、円盤状の斜板11が、その中心を出力シャフト7が貫通するようにして、出力シャフト7に取り付けられている。さらに、斜板11は、出力シャフト7に垂直な面に対する傾斜角度を変更可能に、リンク部12を介して回転支持体9に接続されており、フロントハウジング3内、すなわちクランク室6内の圧力に応じてその角度が変動する。このような構成により、斜板11は、出力シャフト7の軸方向へのスライド移動を伴いながら、出力シャフト7と一体的に回転するようになっている。
斜板11の外周部には、複数のピストン13が、出力シャフト7を中心として円周上に複数配置され、シュー14を介して連結されている。ピストン13は、シリンダブロック2に形成されたシリンダボア16に、往復動可能に収容されている。斜板11が回転することにより、ピストン13はシリンダボア16内の、斜板の傾斜角度に応じた範囲を往復動するようになっている。
このように、斜板式膨張機1は、ピストンタイプの可変ストローク構造を持つ。
シリンダブロック2およびリヤハウジング5の中央部には、出力シャフト7の後端と嵌合して、略中空円筒形のロータリバルブ本体50が配置される。このロータリバルブ本体50の内部では、スプール弁76が取り付けられ、出力シャフト7との間にばね73を挟持する。ロータリバルブ本体50と、スプール弁76とは、ロータリバルブを構成する。このロータリバルブ本体50の中空部分のうち、出力シャフト7、スプール弁76、およびばね73によって囲まれる空間が制御ガス室72である。また、スプール弁76より後側の部分が作動流体が流入する吸入室17である。制御ガス室72内の圧力および吸入室17の圧力に応じ、スプール弁76がばね73を伸縮させつつロータリバルブ本体50内を摺動するようになっている。
また、制御ガス室72と吸入室17とは、ロータリバルブ本体50の内周面とスプール弁76の外周面とによって挟持されるOリング80によってシールされる。
リヤハウジング5の後端中央部には吸入開口17aが設けられ、外部から作動流体が導入される吸入室17と外部の作動流体回路とに接続している。一方、リヤハウジング5内には、吐出室18が環状に設けられ、図示しない吐出開口を介して外部の作動流体回路に接続されている。
隔壁4の近傍には、シリンダボア16ごとに、シリンダボア16を吐出室18に連通するための吐出ポート19と、シリンダボア16を吸入室17に連通するための連通ポート20とが設けられている。
また、クランク室6と吐出室18とは、絞り89を有する通路88によって連通されている。この絞り89を有する通路88により、クランク室6内の作動流体は吐出室18に流れる。
図2に、ロータリバルブ本体50の斜視図を示す。ロータリバルブ本体50の前端近傍には、ロータリバルブ本体50の外周面に沿う環状の溝である制御ガス溝68が形成され、この制御ガス溝68は制御ガス孔70を介して制御ガス室72と連通する。制御ガス溝68よりも後側には、同じくロータリバルブ本体50の外周面に沿う環状の溝である圧力検出用周溝66が形成される。この圧力検出用周溝66の一部からは、ロータリバルブ本体50の軸に平行に、圧力検出用直線溝74が伸びる。
また、ロータリバルブ本体50の後端近傍には、外周面に沿う切り欠きである経路切り欠き64が設けられるが、この経路切り欠き64は、環状の溝である環状切り欠き部64aと、略半環状の溝である経路切り欠き半環状部64bとを有する。切り欠き64は、シリンダブロック2およびリヤハウジング5の内周面との間に経路62を構成する。
軸方向において経路切り欠き半環状部64bが存在する範囲であり、周方向において経路切り欠き半環状部64bではない部分に、吸入ポート52、54、56が設けられ、吸入室17とロータリバルブ本体50の外部とを連通する。なお、吸入ポート52、54、56は、周方向に異なった回転角度で配置され、後述する動作説明において示すように、ロータリバルブ本体50の回転とスプール弁76の摺動とによって作動流体の流入を制御できるように構成される。
また、図1において、上記の圧力検出用周溝66と連通する位置に、圧力検出用経路84が設けられ、図1には示されない圧力制御機構100に連通している。また、上記の制御ガス溝68と連通する位置に、制御ガス経路82が設けられ、圧力制御機構100に連通している。
次に、図8を用いて、実施の形態1に係る斜板式膨張機1の膨張比制御を行う圧力制御機構100を説明する。
中空円筒状の圧力制御機構本体120に、大径部101aと小径部101bとを有する略円筒状の制御弁体101が摺動可能に嵌合している。制御弁体101の軸方向両側からは、下流側における作動流体の圧力と、膨張行程終了直前のシリンダボア16内の圧力が供給される。たとえば、図中E側からは下流側における作動流体の圧力が、図中B側からは膨張行程終了直前のシリンダボア16内の圧力が供給される。膨張行程終了直前のシリンダボア16内の圧力は、下死点のシリンダボア16内の圧力とほぼ同じである。また、圧力制御機構100の径方向には、C側に上流側すなわち高圧の作動流体が供給される高圧通路110が連通し、またD側にはクランク室6に連通する高圧通路112が連通している。
次に、この実施の形態1に係る斜板式膨張機1の動作概要について説明する。
作動流体の膨張によってピストン13がシリンダボア16内を往復動すると、斜板11が回転することにより、出力シャフト7が回転する。外部の作動流体回路内を循環する高圧の作動流体が、吸入室17から吸入ポート52、54、56および連通ポート20を介して各シリンダボア16内に入り、ピストン13の運動を伴ってシリンダボア16内で膨張する。膨張した作動流体は、再び連通ポート20を通り、経路62に達する。さらに作動流体は、吐出ポート19から吐出室18に放出され、外部の作動流体回路を循環する。
図3〜5を用いて、ロータリバルブ本体50周辺の流体の流れの詳細を、一つのシリンダボア16における行程に沿って説明する。
図3は、ロータリバルブ本体50と、ロータリバルブ本体50に接するシリンダの一部とを示す。図3において、出力シャフト7およびロータリバルブ本体50が回転する方向は、矢印A方向からみて反時計回りである。すなわち、手前側に見える吸入ポート52、54、56が下方向に向かって動く。
出力シャフト7の回転に伴いロータリバルブ本体50が回転すると、上死点段付部58がシリンダに向かって近づく。上死点段付部58がシリンダに接する前は、シリンダボア16と吐出室18とが連通ポート20、経路62、吐出ポート19を介して連通しているが、上死点段付部58がシリンダに接すると、連通ポート20が塞がれ、シリンダボア16と吐出室18とは隔絶される。
シリンダボア16と吐出室18とが隔絶される時点は、図5に示される膨張機上死点、すなわちピストン13が最後方、すなわち隔壁4に最も近づく点と一致するように構成される。さらにロータリバルブ本体50が回転すると、行程は図5において時計回りに進み、吸入行程に入る。このとき図1においてピストン13は前方に動き始める。
吸入行程においては、シリンダボア16と吐出室18とが隔絶されたまま、シリンダボア16と吸入室17とが吸入ポート52、54、56を介して連通する。ただしこのとき、ロータリバルブ本体50内を摺動するスプール弁76の位置によって、吸入ポート52、54、56のうちいずれかもしくはすべてが内部から塞がれ閉じるので、これによって吸入行程の範囲が変動する。たとえば、スプール弁76が、最前位置の吸入ポート56にかからない位置にあれば、連通ポート20に吸入ポート52が連通してから吸入ポート56が連通しなくなるまでが吸入行程である。また、スプール弁76が、吸入ポート56を塞ぐが吸入ポート52、54を塞がない位置にあれば、連通ポート20に吸入ポート52が連通してから吸入ポート54が連通しなくなるまでが吸入行程である。さらに、スプール弁76が、吸入ポート54、56を塞ぐが吸入ポート52を塞がない位置にあれば、連通ポート20に吸入ポート52が連通してから吸入ポート52が連通しなくなるまでが吸入行程である。
このように、吸入ポート52、54、56のいずれかもしくはすべてを選択的に開閉することで、吸入行程に相当する出力シャフト7の回転角度を増減することができる。これにより、回転角度によってピストン13の行程容積が増減し、吸入流量が可変となる。
すなわち、ロータリバルブは、出力シャフト7と一体的に回転し、出力シャフト7の回転角度に対応した回転角度範囲で、シリンダボア16に作動流体を流入させる。
また、ロータリバルブは、ロータリバルブ本体50と、このロータリバルブ本体50の内部で摺動可能なスプール弁76とを有し、ロータリバルブ本体50には、出力シャフト7の軸方向に向かうに従って、異なる回転角度に対応する位置に、吸入ポート52、54、56が形成され、シリンダボア16に作動流体を流入させる回転角度範囲の変更は、スプール弁76が、ロータリバルブ本体50を摺動して、吸入ポート52、54、56を開閉することにより行われる。
図5においてさらに行程が時計回りに進むと、シリンダは膨張行程に入る。図4は、膨張行程の途中にあるシリンダの一部と、ロータリバルブ本体50とを示す。シリンダボア16は、吸入室17とも吐出室18とも連通せず、隔絶されている。この状態でピストン13が前方に移動するので、シリンダボア16内の作動流体は上記のように膨張する。
図5においてさらに行程が時計回りに進むと、図4に示される、下死点段付部60の近傍に伸びる圧力検出用直線溝74と連通ポート20とが連通する。圧力検出用直線溝74、圧力検出用周溝66、圧力検出用経路84を経由して、この時点におけるシリンダボア16内の作動流体の圧力が後述する圧力制御機構100に伝わる。
図5においてさらに行程が時計回りに進むと、図4の下死点段付部60が連通ポート20に達し、シリンダボア16と吐出室18とが連通ポート20、経路62、吐出ポート19を介して再び連通するようになる。この点において、ピストン13は最前方、すなわち隔壁4から最も離れた位置にある。この時点が膨張機下死点である。
なお、上記において、圧力検出用直線溝74は、下死点段付部60の近傍に設けられるので、圧力制御機構100において検出される作動流体の圧力は、下死点における圧力にほぼ等しい。
図5においてさらに行程が時計回りに進むと、シリンダは吐出行程に入る。ピストン13が後方に向かって動き始め、シリンダボア16内の容積が減少する。このき、シリンダボア16は上記のように吐出室18と連通しているので、膨張した作動流体は吐出室18へと放出される。ロータリバルブ本体50および連通ポート20の位置関係は再び図3のようになり、行程は上死点に向かって進む。
以上の行程が繰り返される。
図3におけるVI−VI断面図を図6に示す。吸入ポート52、経路62、およびセンサ直線溝74の断面が示される。また、図示されるように、吸入ポート52と吸入ポート54、および吸入ポート54と吸入ポート56とは軸方向から見て互いに一部重なっており、吸入行程の途中において吸入ポート52、54、56のいずれかと連通ポート20との連通が途切れることはない。
上記のように、吸入行程の長さ、すなわち図5における角度θ1は、スプール弁76の位置によって変動するが、このスプール弁76の位置は、制御ガスの圧力によって制御される。圧力制御機構100から、制御ガス経路82、制御ガス溝68、制御ガス孔70を介して制御ガス室72に流入する制御ガスは、その圧力に応じて、ばね73に支持されるスプール弁76をロータリバルブ本体50内で移動させる。
また、上記のように、斜板11は、傾斜角度が変更可能となっている。この傾斜角度に応じて、膨張機の上死点および下死点におけるピストン13の位置が変動し、結果として作動流体の膨張比が変化する。たとえば、斜板11と出力シャフト7の軸とのなす角がより小さくなると、ピストン13はより前方からより後方まで摺動するので、より小さい容積の作動流体がより大きく膨張される。すなわち膨張比が大きくなる。
次に、上記の斜板式膨張機1の制御について説明する。
膨張比の制御は、上記のように検出される、膨張行程終了直前のシリンダボア16内の圧力と、膨張機の下流側となる位置において検出される圧力とに基づく。この圧力を検出する下流側の位置の例としては、吐出室18がある。これらの圧力を比較し、等しくなるようにクランク室6内の作動流体の圧力を変動させる。
たとえば、膨張不足、すなわち膨張行程終了直前のシリンダボア16内の圧力が比較的高い場合は、クランク室6内の作動流体の圧力を低下させるように制御する。これによって、シリンダボア16に吸入される高圧の作動流体と、クランク室6内の作動流体との圧力差が大きくなる。このため、シリンダボア16内の作動流体はより大きい容積にまで膨張する。このため、ストロークすなわちピストン13の摺動範囲は大きくなり、またこれに伴って膨張比も大きくなる。逆に、過膨張、すなわち膨張行程終了直前のシリンダボア16内の圧力が比較的低い場合は、クランク室6内の作動流体の圧力を上昇させるように制御する。これによって、シリンダボア16に吸入される高圧の作動流体と、クランク室6内の作動流体との圧力差が小さくなる。このため、シリンダボア16内の作動流体はより小さい容積にまでしか膨張しなくなる。このため、ストロークおよび膨張比は小さくなる。
なお、クランク室6内の圧力を上昇させるためには、高圧の作動流体を図示されない経路によってクランク室に流入させる。これは図8に示される圧力制御機構100によって行われる。
B側の圧力がE側より高いか、ほぼ同じ場合は、制御弁体101はE側端に接し、高圧通路110が大径部101aによって塞がれるので、クランク室6への高圧作動流体の供給は行われない。
B側の圧力がE側より低くなると、制御弁体101がB側に摺動し、高圧通路110の一部が圧力制御機構100の内部に連通する。こうして高圧の作動流体が高圧通路112を介してクランク室6に供給される。
また、クランク室6から吐出室18へと向かう、絞り89を有する通路88を閉鎖することで昇圧させてもよい。
また、クランク室6内の圧力を低下させるためには、クランク室6への高圧の作動流体の流入を止め、ブローバイによってクランク室6内部の作動流体を吐出室18へと放出させる。これは図8において制御弁体101がE側端に移動することによって実現する。
流量の制御は、上記のように、ロータリバルブ本体50内でスプール弁76を軸方向前後に摺動させることによって行われる。たとえば、高回転時には、制御ガス室72に作動流体を流入させ、スプール弁76を後方に摺動させて吸入ポート52、54、56のうちより多くのものを閉じる。これによってシリンダサイクルにおける吸入行程に相当する角度が小さくなり、流量が少なくなり、システムの圧力差が大きく保たれる。逆に、低回転時には、スプール弁76を前方に摺動させ、吸入ポート52、54、56のうちより多くのものを開く。これによってシリンダサイクルにおける吸入行程に相当する角度が大きくなり、流量が多くなり、圧力を抑えて膨張機の内部リークおよび摩擦損失を防ぐ。
このように、上述する実施の形態1においては、斜板11の傾斜角度が変動可能に制御されるので、ピストン13のストローク制御を介して、膨張比を所望の値に制御することができ、動力発生効率の低下を回避する。
また、異なる位置に設けられた吸入ポート52、54、56のいずれかまたはすべての開閉が制御されるので、吸入行程の長さの制御を介して、作動流体の流量を所望の値に制御することができ、動力発生効率の低下を回避する。
さらに、流体経路において追加の逆止弁を必要としないので、構成上の制約を少なくする。
なお、実施の形態1において、吸入ポート52、54、56は、複数の円形の孔であるが、形状はこれに限定されず、スプール弁76の摺動に伴って吸入行程に相当する角度が変化するものであればよい。たとえば、図7に示すように、スプールの外周面上に設けられた細長開口である吸入ポート52’であってもよい。
また、膨張比の制御において、膨張行程終了直前のシリンダボア16内の圧力と、膨張機の下流側の圧力とは、異なる値に制御される場合があってもよい。たとえば、膨張機の動力出力が過剰な場合には、膨張不足の状態にすることによって膨張機の出力を抑えるように制御されてもよい。またこの際、膨張不足となった作動流体は、異なる膨張機によって再び膨張されてもよい。このようにすることにより、膨張機の動力をより自由に制御することができる。
さらに、圧力制御機構100は、図8に示す構造のものに限らず、ベローズやダイアフラムを用いた構造のものであってもよい。
この発明の実施の形態1に係る斜板式膨張機1の断面図である。 図1の斜板式膨張機のロータリバルブ本体50の斜視図である。 吐出行程におけるロータリバルブ本体50とシリンダの関係を説明する図である。 膨張行程におけるロータリバルブ本体50とシリンダの関係を説明する図である。 図1の斜板式膨張機のサイクルを説明する図である。 図1の斜板式膨張機のロータリバルブ本体50の断面図である。 図1の斜板式膨張機のロータリバルブ本体50の変形例の図である。 圧力センサ100の構造を示す図である。
符号の説明
1 膨張機、6 クランク室、7 出力シャフト、11 斜板、13 ピストン、16 シリンダボア、50 ロータリバルブ本体(バルブ本体)、52、54、56 吸入ポート、76 スプール弁。

Claims (4)

  1. 少なくとも一つのシリンダボアに流入する作動流体を膨張させ、前記シリンダボアから吐出する膨張機であって、
    出力シャフトと、
    前記出力シャフトに垂直な面に対して傾斜角度をもって、前記出力シャフトと一体的に回転する斜板と、
    クランク室と前記シリンダボアとにそれぞれ面する部分を有し、前記斜板に連結され、その回転によって、前記シリンダボア内において前記傾斜角度に応じた範囲を摺動し、それによって前記作動流体の前記膨張を行う、少なくとも一つのピストンと、
    を備え、
    前記クランク室内における作動流体の圧力と、前記シリンダボアに流入する前記作動流体の圧力とに応じて前記傾斜角度を変更し、膨張比を可変させる
    ことを特徴とする膨張機。
  2. 前記出力シャフトと一体的に回転し、前記出力シャフトの回転角度に対応した回転角度範囲で、前記シリンダボアに前記作動流体を流入させるロータリバルブを備える
    ことを特徴とする、請求項1に記載の膨張機。
  3. 前記ロータリバルブは、バルブ本体と、このバルブ本体の内部で摺動可能なスプール弁とを有し、
    前記バルブ本体には、前記出力シャフトの軸方向に向かうに従って、異なる回転角度に対応する位置に、少なくとも一つの吸入ポートが形成され、
    前記シリンダボアに前記作動流体を流入させる前記回転角度範囲の変更は、前記スプール弁が、前記バルブ本体を摺動して、前記吸入ポートを開閉することにより行われる
    ことを特徴とする、請求項2に記載の膨張機。
  4. 膨張行程終了直前の前記シリンダボア内の圧力と膨張機の下流側において検出される圧力との圧力差に基いて前記クランク室内の圧力を制御する圧力制御機構を有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の膨張機。
JP2004376487A 2004-12-27 2004-12-27 膨張機 Pending JP2006183517A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101238659B1 (ko) 2011-03-08 2013-03-04 비아이피 주식회사 유체의 감압을 이용한 발전 시스템
CN103206253A (zh) * 2012-09-06 2013-07-17 祥天控股(集团)有限公司 用于可变多缸空气动力发动机的电控片

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