JP2006181548A - 化粧板及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】鏡面性、深み感、透明感等の優れた高級感ある化粧板を、サンディング工程を要することなく高い生産性で製造できるようにする。
【解決手段】2つの硬化型樹脂塗料を塗布して硬化させる際、その下側の第1の樹脂塗料4が半硬化の状態にあるときに上側の第2の樹脂塗料5を塗布し、最終的に全ての樹脂塗料4,5を同時に硬化させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、鏡面性と高級感及び深み感とのある化粧板、及びその化粧板を生産性良く製造するための製造方法に関するものである。
従来より、建築物の内装に使用される化粧板は、合板、MDF、パーティクルボード等の木質系基板や、珪酸カルシウム板、石膏板、「ダイライト」(大建工業株式会社の商品名)等の無機質系基板の表面上に塗装を施す方法、或いは該基板に単板、化粧紙、樹脂シートを貼る方法等により製造されており、この方法によって、要求される色柄表面を実現するようにしている。
また、特許文献1〜3に示されるように、紫外線硬化型樹脂や電子線硬化型樹脂を利用して、化粧表面の硬度や耐傷性、耐熱性、耐汚染性等を高めたり、鏡面性に優れたものを実現したりする方法も知られている。
一般に、樹脂を用いる方法において、鏡面性を持たせるためには、下地となる基板の表面の影響を受けないように、予め、例えばサンディングやシーラー処理、コーティング処理等の各種処理を施すことが行われている。
これらの処理は、平滑性を保つための一定の効果が得られるものの、必ずしも十分とはいえない。そのため、従来、その改善方法として、特許文献4に示されるように、樹脂層で平滑性を保ち、その上に化粧含浸紙を載せて紫外線照射にて硬化させたものが提案されている。
特開昭56−168857号公報 特公平6―400号公報 特公平6―79845号公報 特開平5−277431号公報
上記提案の方法では、比較的簡易に平滑性が実現するため、鏡面性のある化粧板は製造可能である。
ところが、その表面はあくまでも最上層の含浸紙に依存し、その紙質や色柄に伴うものであるため、鏡面性や高級感、また深み感や透明感等を高い次元で実現するのは困難であった。
また、深み感や透明感を実現するために、硬化させた樹脂にさらに樹脂を重ねて厚みを持たせる方法もあるが、樹脂層間での密着不良を避けるために、サンディング工程を入れて平滑面を得た上で、第2の樹脂を載せる必要があり、生産性に問題がある。
本発明は斯かる諸点に鑑みてなされたものであり、その目的は、鏡面性、深み感、透明感等の優れた高級感ある化粧板を、サンディング工程を要することなく高い生産性で製造できるようにすることにある。
上記の目的を達成するために、この発明では、複数の樹脂塗料を塗布して硬化させる際、その下側の塗料層が半硬化の状態にあるときに上側の樹脂塗料を塗布し、最終的に全ての塗料層を同時に硬化させるようにした。
具体的には、請求項1の発明の化粧板の製造方法では、基板上にシートを接着し、このシートの表面に第1の樹脂塗料を塗布し、この第1の樹脂塗料の塗布面にフィルムを密着させた状態で、該樹脂塗料を半硬化させた後、上記フィルムを剥離する。次いで、その半硬化した第1の樹脂塗料の表面に第2の樹脂塗料を塗布し、この第2の樹脂塗料の塗布面にフィルムを密着させた状態で、上記第1及び第2の樹脂塗料を硬化させることを特徴とする。
また、請求項2の発明の化粧板の製造方法では、基板上にシートを接着し、このシートの表面に樹脂塗料を塗布し、この樹脂塗料の塗布面にフィルムを密着させた状態で、該樹脂塗料を半硬化させた後、上記フィルムを剥離する。次いで、上記半硬化した樹脂塗料の表面への樹脂塗料の塗布と、該樹脂塗料の塗布面へフィルムを密着させた状態での樹脂塗料の半硬化処理と、該フィルムの剥離とを少なくとも1回以上繰り返すことにより、1層以上の半硬化した樹脂塗料層を形成する。最後に、上記表層の半硬化した樹脂塗料の表面に樹脂塗料を塗布し、その樹脂塗料の塗布面にフィルムを密着させた状態で、全層の樹脂塗料を硬化させることを特徴とする。
これら発明の上記構成によると、基板上に接着されたシートの表面に2層以上の樹脂塗料が塗布されて硬化される際、シートの表面に下側の樹脂塗料が塗布され、その樹脂塗料が塗布面にフィルムを密着させた状態で半硬化した後にフィルムが剥離されて、その半硬化状態にある塗料表面上に上側の樹脂塗料が塗布され、その樹脂塗料の塗布面にフィルムが密着され、最終的に、半硬化状態にある塗料を含めて全ての層の塗料が同時に硬化される。このため、複数層の塗料により、鏡面性、深み感、透明感等の優れた高級感のある化粧板が得られる。しかも、基板上に接着されたシート表面の凹凸や紙質の影響を受け難いため、そのシートの選択の自由度も高くなる。
また、樹脂塗料をその塗布面にフィルムを密着させた状態で半硬化させるので、そのフィルムが剥離された樹脂塗料の表面の平面性が高く、樹脂塗料層間での密着不良を避けるためのサンディング工程やその設備が不要となり、上記化粧板の生産性を高くすることができる。
請求項3の発明では、樹脂塗料は紫外線硬化型樹脂塗料であり、フィルムは紫外線透過性フィルムとする。また、請求項4の発明では、樹脂塗料は電子線硬化型樹脂塗料であり、フィルムは電子線透過性フィルムとする。さらに、請求項5の発明では、樹脂塗料は熱硬化型樹脂塗料とする。これら発明によれば、本発明の効果が有効に発揮される最適な樹脂塗料が得られる。
請求項6の発明では、上記樹脂塗料の半硬化状態は完全硬化条件の1〜10%とする。このことで、樹脂塗料の望ましい半硬化状態が具体的に得られる。
請求項7の発明は化粧板の発明であり、この発明の化粧板は、請求項1〜6のいずれか1つの化粧板の製造方法により製造されたものとする。このことで、化粧板の鏡面性、深み感、透明感等を高めて、その高級感の向上を図ることができる。
以上説明したように、請求項1、2、3、4、5又は7の発明によると、基板上にシートを接着し、このシートの表面に複数の樹脂塗料を塗布して硬化させる際、その下側の樹脂塗料層が半硬化の状態にあるときに上側の樹脂塗料を塗布し、最終的に全ての樹脂塗料層を同時に硬化させるようにしたことにより、鏡面性、深み感、透明感等の優れた高級感があり、しかもシート表面の凹凸や紙質の影響を受け難くてシートの選択の自由度が高い化粧板を製造できるとともに、その化粧板の製造時にサンディング工程やその設備を不要にして生産性の向上を図ることができる。
請求項6の発明によると、樹脂塗料の半硬化状態は完全硬化条件の1〜10%としたことにより、樹脂塗料の望ましい半硬化状態が具体的に得られる。
以下、本発明の最良の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものでは全くない。
図1は、本発明の実施形態に係る化粧板の製造方法の工程を示し、図2は製造された化粧板Aを示す。この製造方法の工程は、(1)シート接着工程、(2)第1の樹脂塗料の塗布工程、(3)第1のプレス工程、(4)第1の紫外線照射工程、(5)第2の樹脂塗料の塗布工程、(6)第2のプレス工程、及び(7)第2の紫外線照射工程からなっている。各工程について以下に説明する。
(1) シート接着工程
このシート接着工程では、図1(a)及び(b)に示すように、化粧板Aの基材をなす基板1上にシート2を接着剤3により接着する。基板1は、火山性ガラス質複層板(例えば大建工業株式会社の商品名「ダイライト」等)、珪酸カルシウム板、石膏板、合板、パーティクルボード等、通常のものが用いられる。
上記シート2としては特に限定はないが、このシート2の目的が、化粧板Aの化粧色柄を現出することと、基板1への樹脂塗料4の吸込みを防ぐこととにあるので、望ましくは、メラミンやフェノール等の樹脂含浸紙(既に硬化済みのものでも熱圧硬化させることができる)、一般化粧紙、コート紙、フィルム等が用いられる。上記接着剤3は特に限定されない。
(2) 第1の樹脂塗料の塗布工程
この工程では、図1(c)に示すように、上記シート2の表面に紫外線硬化型の第1の樹脂塗料4を塗布する。第1の樹脂塗料4は無溶剤の紫外線硬化型で、シリコン等の密着阻害要素が添加されていないものが用いられる。
また、この第1の樹脂塗料4の塗布量は5〜200g/cm2がよい。5g/cm2よりも少ないと、所定の平滑性が失われ、化粧板Aの鏡面性が劣る一方、200g/cm2よりも多いと、厚みにばらつきが生じ易く、紫外線照射時の硬化収縮による内部応力の差等によってクラックも発生し易くなるからである。
この第1の樹脂塗料4に顔料、染料、パール等の添加剤を添加すれば、さらに意匠性の高い鏡面塗装が可能となる。
(3) 第1のプレス工程
次いで、図1(d)に示すように、上記第1の樹脂塗料4の塗布面に紫外線透過性フィルム7を密着させた後、その状態で、基板1毎、ロールプレス等のプレス装置10に通過させてプレス工程を行う。このプレス工程は、上記第1の樹脂塗料4の塗布面の平滑性を高めるためのものである。
上記紫外線透過性フィルム7についても、第1の樹脂塗料4の塗布面の平滑性を高めるために用いられるもので、例えばPP(ポリプロピレン)、PE(ポリエチレン)、PET(ポリエチレンテレフタラート)等が好ましい。
また、このフィルム7は、クリア(透明)であると、紫外線が透過し易くて望ましい。また、このフィルム7としてエンボス加工が施されたものを用いると、化粧板Aに対しインナエンボス模様を形成することができる。
フィルム7の厚さは、10〜300μmがよい。10μmよりも薄いと、仕上がりが悪くなるばかりでなく、扱い難くて生産性が悪化する一方、300μmよりも厚いと、高コストにつくし、紫外線の透過率も低くなってやはり生産性が悪くなるからである。
このように第1の樹脂塗料4の塗布面の平滑性を上げることで、化粧板Aの鏡面性や深み感の向上が図られる。
(4) 第1の紫外線照射工程
こうしてプレスされた基板1の樹脂塗料4の塗布面に紫外線透過性フィルム7を密着させた状態で、図1(e)に示すように、その樹脂塗料4に紫外線照射装置11により紫外線透過性フィルム7を透過させて紫外線を照射し、該樹脂塗料4を半硬化させる。
この樹脂塗料4を半硬化させるためには、紫外線の照射量に関して完全硬化条件の1〜10%、つまり1%以上でかつ10%以下とする(より望ましくは5%程度)。例えば完全硬化条件が400mJ/cm2であるとすると、4mJ/cm2(1%)〜40mJ/cm2(10%)とする。紫外線の照射量が完全硬化条件の1%よりも少ないと、樹脂塗料4の硬化が得られず、後の工程で塗布される第2の樹脂塗料5と同化してしまい、所定の効果が得られなくなる一方、10%よりも多いと、第2の樹脂塗料5との界面で密着性が悪くなって層間剥離を起こすからである。
尚、紫外線の照射量は紫外線照射装置11の光源で調整するようにしてもよいが、その光源の照射量を一定とし、かつ光源の下を、基板1が載置されたコンベア(図示せず)を通過させるようにして、そのコンベアの搬送速度を変えることで、照射時間で調整するようにしてもよい。例えば、光の強さが一定(80W/cm)であるときに0.5〜1秒の照射時間とする。具体的には、出力80W/cm、長さ370mm、有効幅300mmのメタルハライドB型の紫外線ランプと、焦点距離100mmの反射板とを備えた紫外線照射装置11がコンベアに対し距離290mm離して設置されているとき、0.5〜1秒の照射時間となるようにコンベアの搬送速度が設定される。
また、紫外線の照射量は上記フィルム7で遮られる照射量を考慮して照射する必要がある。因みに、100μmのPETフィルムでは30%程度遮られる。
(5) 第2の樹脂塗料の塗布工程
上記紫外線照射工程が済むと、図1(f)に示すように、表面のフィルム7を剥離した後、図1(g)に示すように、上記半硬化した第1の樹脂塗料4の表面に紫外線硬化型の第2の樹脂塗料5を塗布する。そのとき、上記第1の樹脂塗料4は半硬化状態にあるので、その表面に塗布される第2の樹脂塗料5が第1の樹脂塗料4に馴染んでその良好な密着性が確保される。
この第2の樹脂塗料5も第1の樹脂塗料4と同様に無溶剤の紫外線硬化型のものが用いられるが、第1の樹脂塗料4と異なり、シリコン等の密着阻害要素が若干添加されていても密着性低下の問題はさほど生じない。従って、樹脂塗料の選択幅は第1の樹脂塗料4と比べ大きくなる。
第2の樹脂塗料5は第1の樹脂塗料4と同じものでもよく、或いは異なるものでもよい。また、この第2の樹脂塗料5の塗布量は、第1の樹脂塗料4と同様に5〜200g/cm2がよい。5g/cm2よりも少ないと、所定の平滑性が失われ、化粧板Aの鏡面性が劣る一方、200g/cm2よりも多いと、厚みにばらつきが生じ易く、クラックも発生し易くなる。また、第1の樹脂塗料4との関係では、第2の樹脂塗料5の塗布量は第1の樹脂塗料4と同じでなくてもよいが、第1及び第2の樹脂塗料4,5の合計で200g/cm2以下が好ましい。
(6) 第2のプレス工程
図1(h)に示すように、上記第2の樹脂塗料5の塗布面に、例えばPP、PE、PET等の紫外線透過性フィルム8を密着させ、その状態で、基板1毎、ロールプレス等のプレス装置12(上記第1のプレス工程のプレス装置10を兼用してもよい)に通過させてプレス工程を行う。このプレス工程は、第2の樹脂塗料5の塗布面の平滑性を高めるためのものである。
このフィルム8についても、第2の樹脂塗料5の塗布面の平滑性を高めるために用いられる。また、フィルム8は、クリアであると、紫外線が透過し易くて望ましい。また、フィルム8の厚さは、10μmよりも薄いと、仕上がりが悪くなるとともに、扱い難くて生産性が悪化する一方、300μmよりも厚いと、コストアップし、紫外線の透過率も低くなって生産性が悪くなるので、10〜300μmが好ましい。
このように第2の樹脂塗料5の塗布面の平滑性をも上げることで、化粧板Aの鏡面性や深み感の向上が図られる。
(7) 第2の紫外線照射工程
図1(i)に示すように、上記プレスされた基板1の第2の樹脂塗料5の塗布面にフィルム8を密着させた状態で、その樹脂塗料5及び第1の樹脂塗料4に紫外線照射装置13(上記第1の紫外線照射工程の紫外線照射装置11を兼用してもよい)により紫外線透過性フィルム8を透過させて紫外線を照射し、第2の樹脂塗料5を上記半硬化状態にある第1の樹脂塗料4と共に、つまり第1及び第2の樹脂塗料4,5の双方を完全硬化させる。この第1及び第2の樹脂塗料4,5の硬化後、図1(j)に示すように、上記表面のフィルム8を剥離する。尚、この場合も、上記フィルム8で遮られる照射量を考慮して照射する必要がある。
以上で、図2に示すように、基板1に接着剤3により接着されたシート2上に第1及び第2の2つの樹脂塗料層4′,5′が形成された化粧板Aが得られる。このようにして得られた化粧板Aは、2層の樹脂塗料層4′,5′により、鏡面性、深み感、透明感等の優れた高級感のあるものとなる。しかも、シート2上に2層の樹脂塗料層4′,5′が形成されているので、そのシート2表面の凹凸や紙質の影響を受け難く、そのシート2の選択の自由度も増加する。
また、第1の紫外線照射工程では、第1の樹脂塗料4をその塗布面にフィルム7を密着させた状態で半硬化させるので、そのフィルム7が剥離された樹脂塗料4の表面の平面性は高く、2層の樹脂塗料層4′,5′間での密着不良を避けるためのサンディング工程やその設備が不要となる。このことで、上記化粧板Aを高い生産性で製造することができる。
また、紫外線硬化型樹脂塗料4,5を紫外線の照射によって半硬化及び完全硬化させるので、化粧板Aが受ける熱は紫外線照射時の熱程度のみとなり、熱による基板1の歪みや変形が抑えられて、表面性の仕上がりをさらに高めることができる。
(その他の実施形態)
尚、上記実施形態は、シート2上に第1及び第2の2つの樹脂塗料層4′,5′が形成された化粧板Aを製造する方法であるが、本発明は、3層以上の樹脂塗料層が形成された化粧板を製造する場合にも適用することができる。すなわち、その場合、まず、上記実施形態と同様に、基板上にシートを接着し、このシートの表面に紫外線硬化型の樹脂塗料を塗布し、この樹脂塗料の塗布面に紫外線透過性フィルムを密着させた状態で、該樹脂塗料を紫外線の照射によって半硬化させた後、上記フィルムを剥離する。次に、上記半硬化した樹脂塗料の表面への紫外線硬化型の樹脂塗料の塗布と、この樹脂塗料の塗布面へ紫外線透過性フィルムを密着させた状態での紫外線照射による樹脂塗料の半硬化処理と、該フィルムの剥離とを少なくとも2回以上繰り返すことにより、2層以上の半硬化した樹脂塗料層を形成した後、上記表層の半硬化した樹脂塗料の表面に紫外線硬化型樹脂塗料を塗布し、この樹脂塗料の塗布面に紫外線透過性フィルムを密着させた状態で、全層の樹脂塗料を紫外線の照射によって硬化させた後、上記表面のフィルムを剥離する工程を行えばよい。
また、上記実施形態では、最終の工程でフィルム8を剥離しているが、そのフィルム8を剥離せずにそのままプロテクトフィルムとして残してもよい。そうすれば、剥離工程が不要となり、コストダウンを図ることができて好ましい。
さらに、上記実施形態では、樹脂塗料4,5を紫外線硬化型樹脂塗料とし、フィルム7,8は紫外線透過性フィルムとしているが、その他、樹脂塗料として電子線硬化型樹脂塗料を用い、フィルムは電子線透過性フィルムとしてもよい。さらには、樹脂塗料として熱硬化型樹脂塗料を用いることもできる。
次に、具体的に実施した実施例について説明する。
(実施例1)
厚さ3mmの火山性ガラス質複層板からなる基板上にメラミン樹脂含浸紙をビニルウレタン系接着剤で接着して、その含浸紙の表面に無溶剤の第1の紫外線硬化型樹脂塗料(表1参照)を60g/cm2の塗布量で塗布し、その塗布面に厚さ100μmの紫外線透過性PETフィルムを載せて、ロールプレスで圧締、脱気させながら密着させた後、紫外線照射装置(アイグラフィックス社製の商品名「UE031−203」)により30mJ/cm2の照射量で樹脂塗料を照射して半硬化状態にした。
次いで、上記表層のフィルムを剥離し、上記半硬化状態の第1の樹脂塗料の表面に第2の紫外線硬化型樹脂塗料(表1参照)を60g/cm2の塗布量で塗布し、その塗布面に厚さ100μmの紫外線透過性PETフィルムを載せて、ロールプレスで圧締、脱気させながら密着させた後、上記と同様の紫外線照射装置により400mJ/cm2の照射量で第1及び第2の樹脂塗料を照射して完全硬化状態にした。しかる後に表層のフィルムを剥離することで、化粧板が得られた。
(実施例2)
上記実施例1において、表1のように、第1及び第2の樹脂塗料の種類のみを変えたものであり、その他は実施例1と同じである。両実施例1,2間の樹脂塗料は実質的な差がないが、実施例2における第2の樹脂塗料にはシリコンが含まれている。上述の如く、このシリコンが第1の樹脂塗料に入っていると、主に基板やメラミン樹脂含浸紙との密着性が悪くなるので、第1の樹脂塗料には、シリコンの含まれていないものを用いた。
Figure 2006181548
(比較例1)
厚さ3mmの火山性ガラス質複層板からなる基板上にメラミン樹脂含浸紙をビニルウレタン系接着剤で接着して、その含浸紙の表面に紫外線硬化型サンディングシーラー(大日本塗料製の商品名「ルーセン#300#50SS」)を塗布し、そのシーラーを紫外線照射によって硬化させてからサンディング処理によって下地調整を行った。さらに、この下地面上に紫外線硬化型樹脂を120g/cm2の塗布量で塗布し、その塗布面に紫外線透過性フィルムを載せて、ロールプレスで密着させた後、樹脂塗料を紫外線照射により完全硬化状態にし、しかる後にフィルムを剥離することで、単層の樹脂塗料層を持つ化粧板が得られた。
(比較例2)
厚さ3mmの火山性ガラス質複層板からなる基板上にメラミン樹脂含浸紙をビニルウレタン系接着剤で接着して、その含浸紙の表面に無溶剤の第1の紫外線硬化型樹脂塗料(中国塗料製の商品名「オーレックスNo.230−7s」)を60g/cm2の塗布量で塗布し、その塗布面に厚さ100μmの紫外線透過性PETフィルムを載せて、ロールプレスで圧締、脱気させながら密着させた後、紫外線照射装置(アイグラフィックス社製の商品名「UE031−203」)により400mJ/cm2の照射量で樹脂塗料を照射して完全硬化状態にした。
次いで、上記表層のフィルムを剥離し、上記硬化状態の第1の樹脂塗料の表面に、該第1の樹脂塗料と同じ第2の紫外線硬化型樹脂塗料を60g/cm2の塗布量で塗布し、その塗布面に厚さ100μmの紫外線透過性PETフィルムを載せて、ロールプレスで圧締、脱気させながら密着させた後、上記と同様の紫外線照射装置により400mJ/cm2の照射量で第2の樹脂塗料を照射して完全硬化状態にした。しかる後に表層のフィルムを剥離することで、化粧板が得られた。
以上の実施例1,2と比較例1,2とを比較すると、実施例1,2については、鏡面性に優れ、高級感や深み感、透明感のある化粧板が得られた。
これに対し、比較例1により得られた化粧板は、実施例1,2に比べ鏡面性や高級感に劣る化粧板であった。
また、比較例2については、第1の樹脂塗料層と第2の樹脂塗料層との間で一部剥離が見られた。これは、下側の第1の樹脂塗料を紫外線照射によって完全硬化させていることから、その表面に塗布される第2の樹脂塗料との馴染み(密着性)が悪くなっている理由による。
(密着性試験)
また、基板上のシート表面に塗布される硬化型の第1の樹脂塗料(1層目)を半硬化させる際の、完全硬化に対する割合を変化させ、そのときの第2の樹脂塗料(2層目)に対する密着性について試験した。この密着性試験は、化粧板における上側の樹脂塗料層(第2の樹脂塗料層)に下側の樹脂塗料層(第1の樹脂塗料層)に届く深さの碁盤目状の切れ目を入れて、一辺が4mmの正方形の25のマスを区画し、その上側の樹脂塗料層表面に粘着性テープを粘着させた後に引き剥がしたときに、そのテープに付着せずに下側の樹脂塗料層上に残ったマスの数を調べたものであり、その残存マスの数が多いほど密着性が高いことを表している。この試験を3回行った結果を表2に示す。照射量の括弧内の数値はフィルム遮蔽による30%カットされた実質の照射量である。
Figure 2006181548
この表2を考察すると、紫外線の照射量が完全硬化条件の10%を越えると、密着性が悪くなり、15%では25のマスが全て剥がれて密着性が完全になくなっている。これに対し、紫外線の照射量が完全硬化条件の10%以下では、高い密着性が確保されていることが判る。
本発明は、鏡面性、深み感、透明感等の優れた高級感ある化粧板が高い生産性で製造できるので、極めて有用で産業上の利用可能性が高い。
図1は、本発明の実施形態に係る化粧板の製造方法の工程図である。 図2は、製造された化粧板の断面図である。
符号の説明
A 化粧板
1 基板
2 シート
3 接着剤
4 第1の樹脂塗料
4′ 第1の樹脂塗料層
5 第2の樹脂塗料
5′ 第2の樹脂塗料層
7 紫外線透過性フィルム
8 紫外線透過性フィルム
10 プレス装置
11 紫外線照射装置
12 プレス装置
13 紫外線照射装置

Claims (7)

  1. 基板上にシートを接着し、
    上記シートの表面に第1の樹脂塗料を塗布し、
    上記第1の樹脂塗料の塗布面にフィルムを密着させた状態で、該樹脂塗料を半硬化させた後、上記フィルムを剥離し、
    上記半硬化した第1の樹脂塗料の表面に第2の樹脂塗料を塗布し、
    上記第2の樹脂塗料の塗布面にフィルムを密着させた状態で、上記第1及び第2の樹脂塗料を硬化させることを特徴とする化粧板の製造方法。
  2. 基板上にシートを接着し、
    上記シートの表面に樹脂塗料を塗布し、
    上記樹脂塗料の塗布面にフィルムを密着させた状態で、該樹脂塗料を半硬化させた後、上記フィルムを剥離し、
    上記半硬化した樹脂塗料の表面への樹脂塗料の塗布と、該樹脂塗料の塗布面へフィルムを密着させた状態での樹脂塗料の半硬化処理と、該フィルムの剥離とを少なくとも1回以上繰り返すことにより、1層以上の半硬化した樹脂塗料層を形成した後、
    上記表層の半硬化した樹脂塗料の表面に樹脂塗料を塗布し、
    上記樹脂塗料の塗布面にフィルムを密着させた状態で、全層の樹脂塗料を硬化させることを特徴とする化粧板の製造方法。
  3. 請求項1又は2の化粧板の製造方法において、
    樹脂塗料は紫外線硬化型樹脂塗料であり、
    フィルムは紫外線透過性フィルムであることを特徴とする化粧板の製造方法。
  4. 請求項1又は2の化粧板の製造方法において、
    樹脂塗料は電子線硬化型樹脂塗料であり、
    フィルムは電子線透過性フィルムであることを特徴とする化粧板の製造方法。
  5. 請求項1又は2の化粧板の製造方法において、
    樹脂塗料は熱硬化型樹脂塗料であることを特徴とする化粧板の製造方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか1つの化粧板の製造方法において、
    樹脂塗料の半硬化状態は、完全硬化条件の1〜10%であることを特徴とする化粧板の製造方法。
  7. 請求項1〜6のいずれか1つの化粧板の製造方法により製造されたことを特徴とする化粧板。
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