JP2006180612A - ガス絶縁開閉装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】SF6ガスを含まない絶縁ガスを用いて十分な消弧性能および絶縁性能を保持すると共に、小型化が可能なガス絶縁開閉装置を提供する。
【解決手段】遮断部11を構成した遮断器用密閉容器21内には、ガス圧が0.9〜1.5MPaのCO2を封入し、遮断器用密閉容器21以外のその他のガス区画、上部断路器用密閉容器22、ケーブルヘッド用密閉容器28、第一の下部断路器用密閉容器23、第二の下部断路器用密閉容器25、第一の主母線用密閉容器26および第二の主母線用密閉容器27の内部には、SF6およびCO2以外の他の負性ガス、例えばN2とO2の混合ガスを封入している。
【選択図】図1
【解決手段】遮断部11を構成した遮断器用密閉容器21内には、ガス圧が0.9〜1.5MPaのCO2を封入し、遮断器用密閉容器21以外のその他のガス区画、上部断路器用密閉容器22、ケーブルヘッド用密閉容器28、第一の下部断路器用密閉容器23、第二の下部断路器用密閉容器25、第一の主母線用密閉容器26および第二の主母線用密閉容器27の内部には、SF6およびCO2以外の他の負性ガス、例えばN2とO2の混合ガスを封入している。
【選択図】図1
Description
本発明は、変電所や開閉所に用いられるガス絶縁開閉装置に係わり、特に、地球環境への負荷を考慮して六弗化硫黄ガス(以下、SF6ガスと称する)以外の絶縁ガスを使用したガス絶縁開閉装置に関する。
一般に、ガス絶縁開閉装置は、絶縁ガスを封入した密閉容器内に電気的に絶縁した状態で主回路導体を支持して遮断器や断路器などを構成している。従来、この絶縁ガスとしてSF6ガスを用いたガス絶縁開閉装置は、その内部に遮断部を構成した遮断器用密閉容器、その内部に断路部を構成した断路器用密閉容器、その内部にケーブルヘッドを配置したケーブルヘッド用密閉容器等をそれぞれ使用し、各密閉容器間にそれぞれ絶縁スペーサを配置して連結することによってそれぞれの機器毎にガス区画を形成し、それぞれのガス区画内にSF6ガスを封入していた。各ガス区画内に封入したSF6ガスのガス圧は、0.4〜0.6MPaであった。
このようなガス絶縁開閉装置は、SF6ガスの優れた絶縁性能や消弧性能により小型および高性能化が図られ、変電所や開閉所等で広く用いられている。このSF6ガスは通常の状態では、無色、無臭、無味、不燃性の非常に安定した気体で無毒である。一方、SF6ガスは上述したように化学的に極めて安定で大気中寿命が3200年と長いため、環境面から考えると大気中に放出された場合の赤外線吸収量が大きく、GWP(Global Warming Potential)は23900と極めて大きく温暖化ガスに指定されている。加えて、SF6ガスは硫黄Sやフッ素Fを含んでいることから、万一、大気中で分解した場合には環境への影響が懸念される。これらの問題解決として完全ガス回収等が検討されているが、SF6ガスを完全に封じ込めることが困難であることから、一般に使用量に対し年0.1%のリークが許容されている。ただし、地球温暖化への寄与の大きさはGWPと大気中濃度の積で与えられ、現時点ではSF6ガスの大気中濃度が極めて低くSF6ガスの影響力は二酸化炭素(以下、CO2と称する)に比べると極めて小さい。しかし、SF6ガス使用量が増えると、機器の解体点検時のガス抜き時およびガス漏れ発生時に、大量のSF6ガスが大気中に放出されることになり地球温暖化に大きな影響を与える可能性もある。
このようなことから、現在、SF6ガス使用量を削減する検討が進められており、例えば、ガス絶縁電気機器に、SF6ガスと、窒素N2(以下、N2と称する)または乾燥空気またはCO2等を混合した絶縁性混合ガスを封入することにより、SF6ガスの使用量を減少しても絶縁性能と消弧性能を従来と同等にするもの(例えば、特許文献1を参照)や、遮断器を構成した密閉容器内にSF6ガスを封入し、その他のガス区画には温暖化係数の小さいガス、例えばN2、乾燥空気、CO2等を封入することで絶縁性能と消弧性能を従来と同等にする方法(例えば、特許文献2を参照)が提案されている。
しかしながら、従来のガス絶縁開閉装置は、全体としてのSF6ガス使用量を減らすことができるが、少量でもSF6ガスを使用することで地球温暖化に寄与する危険性があるため、環境負荷低減にはより一層のSF6ガス使用量の低減が必要である。また、乾燥空気、CO2はSF6ガスと比較するとガス自体の絶縁耐力は約1/3しかなく、絶縁性能を確保するために密閉容器の大型化が避けられず、また遮断性能も著しく低下してしまう。
本発明の目的は、SF6ガスを含まない絶縁ガスを用いて十分な消弧性能および絶縁性能を保持すると共に、小型化が可能なガス絶縁開閉装置を提供することにある。
本発明は上述の目的を達成するために、遮断部を収納した遮断器用密閉容器に、絶縁スペーサを介して他の密閉容器を接続し、これら各密閉容器内に絶縁ガスを封入すると共に、上記密閉容器から電気的に絶縁した状態で主回路導体を配置して構成したガス絶縁開閉装置において、上記遮断器用密閉容器内にガス圧が0.9〜1.5MPaとしたCO2を封入し、上記他の密閉容器内にSF6およびCO2以外の他の負性ガスを封入したことを特徴とする。
請求項2に記載の本発明は、請求項1に記載のものにおいて、上記他の密閉容器内に封入した負性ガスとして、N2とO2の混合ガスを用いたことを特徴とする。
また請求項3に記載の本発明は、請求項2に記載のものにおいて、上記混合ガスは、酸素の混合割合を5〜60%としたことを特徴とする。
また請求項4に記載の本発明は、請求項2に記載のものにおいて、上記混合ガスは、上記CO2のガス圧よりも低いガス圧で封入したことを特徴とする。
さらに請求項5に記載の本発明は、請求項2に記載のものにおいて、上記混合ガスとして、乾燥空気を用いたことを特徴とする。
さらに請求項6に記載の本発明は、請求項1〜5のいずれか一つに記載のものにおいて、上記遮断器用密閉容器を収納する第二の密閉容器を設けて二重構造とし、上記遮断器用密閉容器と上記第二の密閉容器間にSF6以外の負性ガスを封入したことを特徴とする。
さらに請求項7に記載の本発明は、請求項1〜6のいずれか一つに記載のものにおいて、上記遮断器用密閉容器と上記他の密閉容器間にガス区画を形成する絶縁スペーサを設け、この絶縁スペーサは、上記他の密閉容器内に配置した絶縁スペーサと異なる肉厚のものを使用したことを特徴とする。
さらに請求項8に記載の本発明は、請求項1〜6のいずれか一つに記載のものにおいて、上記遮断器用密閉容器と上記他の密閉容器の間に両端部をそれぞれ絶縁スペーサでガス区分した中間密閉容器を接続し、この中間密閉容器内に、上記遮断器用密閉容器内と上記他の密閉容器内との中間のガス圧の上記他の負性ガスを封入したことを特徴とする。
本発明のガス絶縁開閉装置は、遮断器用密閉容器内にガス圧は0.9〜1.5MPaとしたCO2を封入し、他の密閉容器内に他の負性ガスを封入したため、CO2の気体状態の限界密度を保持しながら遮断性能および絶縁性能に優れ、しかも、絶縁ガスとしてSF6を全く含まないため地球環境負荷低減型とすることができる。
請求項2に記載の本発明によるガス絶縁開閉装置は、他の密閉容器内に封入した負性ガスとして、N2とO2の混合ガスを用いたため、遮断器用密閉容器内に封入したCO2よりも低いガス圧で優れた絶縁性を保持することができ、しかも、絶縁ガスとしてSF6を全く含まないため地球環境負荷低減型とすることができる。
また請求項3に記載の本発明によるガス絶縁開閉装置は、混合ガスとして、酸素の混合割合を5〜60%としたN2とO2の混合ガスを使用したため、遮断器用密閉容器内に封入したCO2よりも低いガス圧で優れた絶縁性を保持することができ、しかも、絶縁ガスとしてSF6を全く含まないため地球環境負荷低減型とすることができる。
また請求項4に記載の本発明によるガス絶縁開閉装置は、混合ガスとして、N2とO2の混合ガスを用いると共に、CO2のガス圧よりも低いガス圧で封入したため、他の密閉容器の構造を簡単にして小型軽量で、絶縁ガスとしてSF6を全く含まないため地球環境負荷低減型とすることができる。
さらに請求項5に記載の本発明によるガス絶縁開閉装置は、混合ガスとして乾燥空気を用いたため、取り扱いおよび入手が容易で、絶縁ガスとしてSF6を全く含まないため地球環境負荷低減型とすることができる。
さらに請求項6に記載の本発明によるガス絶縁開閉装置は、遮断器用密閉容器を収納する第二の密閉容器を設けて二重構造とし、遮断器用密閉容器と第二の密閉容器間にSF6以外の負性ガスを封入したため、遮断器用密閉容器での機密漏れが発生しても第二の密閉容器で外部への漏れを防止することができ、しかも、遮断器用密閉容器と第二の密閉容器間の負性ガスのガス圧によって絶縁スペーサに加わる圧力負担を軽減し、その構成を簡単にすることができる。
さらに請求項7に記載の本発明によるガス絶縁開閉装置は、遮断器用密閉容器と他の密閉容器間にガス区画を形成する絶縁スペーサを設け、この絶縁スペーサは、他の密閉容器内に配置した絶縁スペーサと異なる肉厚のものを使用したため、この肉厚の絶縁スペーサでCO2と他の負性ガスとの圧力差を受けるようにできるので、それぞれのガス圧を望ましいものに選定できると共に、その他の絶縁スペーサの構成を簡単にすることができる。
さらに請求項8に記載の本発明によるガス絶縁開閉装置は、遮断器用密閉容器と他の密閉容器の間に両端部をそれぞれ絶縁スペーサでガス区分した中間密閉容器を接続し、この中間密閉容器内に、遮断器用密閉容器内と他の密閉容器内との中間のガス圧の他の負性ガスを封入したため、CO2と他の負性ガスとをそれぞれ望ましいガス圧に選定しても、中間密閉容器部分で圧力差を吸収することができ、それぞれの絶縁スペーサに加わるガス圧差を軽減することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施の形態によるガス絶縁開閉装置を示す断面図である。
縦型の遮断器用密閉容器21内には遮断部11を配置して遮断器を構成しており、この遮断器用密閉容器21の上部には絶縁スペーサ14aによってガス的に区分した状態で上部断路器用密閉容器22を接続し、この上部断路器用密閉容器22には絶縁スペーサ14cによってガス的に区分した状態でケーブルヘッド用密閉容器28が接続されている。また遮断器用密閉容器21の下部には絶縁スペーサ14bによってガス的に区分した状態で第一の下部断路器用密閉容器23が接続され、この第一の下部断路器用密閉容器23には絶縁スペーサ14dによってガス的に区分した状態で接続用密閉容器24が、さらに絶縁スペーサ14fによってガス的に区分した状態で第二の下部断路器用密閉容器25が順次接続されている。第一の下部断路器用密閉容器26の下部側には絶縁スペーサ14eによってガス的に区分した状態で第一の主母線用密閉容器26が接続され、第二の下部断路器用密閉容器25の下部側には絶縁スペーサ14gによってガス的に区分した状態で第二の主母線用密閉容器27が接続されている。
図1は、本発明の一実施の形態によるガス絶縁開閉装置を示す断面図である。
縦型の遮断器用密閉容器21内には遮断部11を配置して遮断器を構成しており、この遮断器用密閉容器21の上部には絶縁スペーサ14aによってガス的に区分した状態で上部断路器用密閉容器22を接続し、この上部断路器用密閉容器22には絶縁スペーサ14cによってガス的に区分した状態でケーブルヘッド用密閉容器28が接続されている。また遮断器用密閉容器21の下部には絶縁スペーサ14bによってガス的に区分した状態で第一の下部断路器用密閉容器23が接続され、この第一の下部断路器用密閉容器23には絶縁スペーサ14dによってガス的に区分した状態で接続用密閉容器24が、さらに絶縁スペーサ14fによってガス的に区分した状態で第二の下部断路器用密閉容器25が順次接続されている。第一の下部断路器用密閉容器26の下部側には絶縁スペーサ14eによってガス的に区分した状態で第一の主母線用密閉容器26が接続され、第二の下部断路器用密閉容器25の下部側には絶縁スペーサ14gによってガス的に区分した状態で第二の主母線用密閉容器27が接続されている。
上部断路器用密閉容器22内には断路部10aが詳細を省略した操作器によって開閉可能に構成され、この断路部と電気的に接続して主回路を形成する上部導体18はケーブルヘッド用密閉容器28内のケーブルヘッド12に接続されている。第一の下部断路器用密閉容器23内には断路部10cが詳細を省略した操作器によって開閉可能に構成され、同様に第二の下部断路器用密閉容器25内には断路部10bが詳細を省略した操作器によって開閉可能に構成されている。遮断部11の下方に位置した端子は断路部10cを介して第一の主母線用密閉容器26内の主母線導体13aに接続されており、また遮断部11の下方に位置した端子は断路部10bを介して第二の主母線用密閉容器27内の主母線導体13bに接続されている。
遮断部11を構成した遮断器用密閉容器21内には、ガス圧が0.9〜1.5MPaのCO2を封入し、遮断器用密閉容器21以外のその他のガス区画、つまり上部断路器用密閉容器22、ケーブルヘッド用密閉容器28、第一の下部断路器用密閉容器23、第二の下部断路器用密閉容器25、第一の主母線用密閉容器26および第二の主母線用密閉容器27の内部には、SF6およびCO2以外の負性ガス、例えばN2とO2の混合ガスを封入している。この混合ガスのガス圧は、定格ガス圧または最低保障ガス圧0.2〜1.0MPa程度を選定するが、ここではCO2と混合ガスのガス圧をほぼ同じの1MPaとしている。
図2は、上述した遮断部11の消弧媒体として使用するCO2のガス圧と電流遮断性能および絶縁性能の関係を示す特性図である。
同図では電流遮断性能および絶縁性能の必要性能を1として規格化して示しており、絶縁性能特性曲線2から絶縁性能の必要性能を満足するために範囲5として示すようにガス圧を0.8MPa以上とし、また遮断性能特性曲線3から遮断性の必要性能を満足するために範囲6として示すようにガス圧は0.9MPa以上としている。また、同図に示した気体状態の限界密度特性曲線4から、液化を考慮した場合の最低使用温度時のガス密度から条件を満足するガス圧力として範囲7を1.5MPa以下としている。これらの全ての条件を考慮し、それら満たすガス圧力として範囲8で示す0.9〜1.5MPaを設定している。従って、この範囲8で示す0.9〜1.5MPaのCO2を遮断器用密閉容器21内に封入することにより、CO2の気体状態の限界密度を保持しながら遮断性能および絶縁性能に優れ、しかも、絶縁ガスとしてSF6を全く含まないため地球環境負荷低減型のガス絶縁開閉装置とすることができる。
同図では電流遮断性能および絶縁性能の必要性能を1として規格化して示しており、絶縁性能特性曲線2から絶縁性能の必要性能を満足するために範囲5として示すようにガス圧を0.8MPa以上とし、また遮断性能特性曲線3から遮断性の必要性能を満足するために範囲6として示すようにガス圧は0.9MPa以上としている。また、同図に示した気体状態の限界密度特性曲線4から、液化を考慮した場合の最低使用温度時のガス密度から条件を満足するガス圧力として範囲7を1.5MPa以下としている。これらの全ての条件を考慮し、それら満たすガス圧力として範囲8で示す0.9〜1.5MPaを設定している。従って、この範囲8で示す0.9〜1.5MPaのCO2を遮断器用密閉容器21内に封入することにより、CO2の気体状態の限界密度を保持しながら遮断性能および絶縁性能に優れ、しかも、絶縁ガスとしてSF6を全く含まないため地球環境負荷低減型のガス絶縁開閉装置とすることができる。
図3は、上述した遮断部以外の絶縁媒体として使用するN2とO2の混合ガスに対するO2混合割合と、準平等電界中の破壊電圧との関係を示す特性図である。
特性曲線1から分かるように、O2の混合割合が約10〜50%のとき、絶縁耐力が最大となる傾向を示しており、絶縁ガスに使用するO2混合の割合が5〜60%の間で使用するとき効果的に絶縁耐力を確保することができる。このことから通常、O2濃度が約21%の乾燥空気もO2とN2の混合ガスと見ることができる。また、N2とO2の混合ガスは、N2単独の場合よりも絶縁耐力が高く、かつCO2と比べて消弧性能は低いが絶縁耐力は高いという特徴がある。
特性曲線1から分かるように、O2の混合割合が約10〜50%のとき、絶縁耐力が最大となる傾向を示しており、絶縁ガスに使用するO2混合の割合が5〜60%の間で使用するとき効果的に絶縁耐力を確保することができる。このことから通常、O2濃度が約21%の乾燥空気もO2とN2の混合ガスと見ることができる。また、N2とO2の混合ガスは、N2単独の場合よりも絶縁耐力が高く、かつCO2と比べて消弧性能は低いが絶縁耐力は高いという特徴がある。
ガス絶縁開閉装置の場合、基本的には消弧および遮断性能が要求される遮断器と、絶縁性能が要求されるその他の部分とに大別することができ、ここでは前者の消弧および遮断媒体にはCO2を使用し、しかもCO2の定格ガス圧または最低保障ガス圧は0.9〜1.5MPaとし、一方、後者の絶縁媒体にはN2とO2の混合ガスを用いることで、CO2や乾燥空気のみでガス絶縁装置を構成した場合よりも小型軽量化を図ることができるようになる。また、CO2、N2とO2の混合ガスの絶縁は、水分量が多くなると絶縁耐力が急激に低下するため、封入するガス圧の露点は−40℃以下としなければならい。
このようなガス絶縁開閉装置によれば、遮断器用密閉容器21内にはガス圧を0.9〜1.5MPaとしたCO2を使用しているので消弧性能に優れた遮断器と、遮断器以外の他の密閉容器21〜27内にはN2とO2の混合ガスを用いるため絶縁性能に優れた断路器などを有して構成することができ、CO2や乾燥空気のみでガス絶縁装置を構成した場合よりも小型軽量化を図ることができる。各密閉容器自体の圧力容器としての構造は従来のものに比べると強固にする必要があるが、各ガス区画を形成する密閉容器内のガス圧をほぼ同じにしているため、絶縁スペーサ14a〜14gを薄肉化できる。絶縁スペーサが厚くなると剥離やボイドの発生する危険性が高くなるが、このように薄肉化することによって、これを防止して機器の信頼性を向上することができる。各密閉容器21〜27には機械強度が要求されることから鉄もしくはステンレス(SUS)の使用が適している。
また上述したガス絶縁開閉装置では、遮断器用密閉容器21以外の他の密閉容器内に封入した負性ガスとして、N2とO2の混合ガスを用いたため、遮断器用密閉容器21内に封入したCO2よりも低いガス圧で優れた絶縁性を保持することができ、しかも、絶縁ガスとしてSF6を全く含まないため地球環境負荷低減型とすることができる。また混合ガスとして、酸素の混合割合を5〜60%としたN2とO2の混合ガスを使用すると、遮断器用密閉容器21内に封入したCO2よりも低いガス圧で優れた絶縁性を保持することができる。さらに遮断器用密閉容器21以外の他の密閉容器内に封入した負性ガスとして、N2とO2の混合ガスを用いると共に、CO2のガス圧よりも低いガス圧で封入すると、他の密閉容器の構造を簡単にして小型軽量とすることができる。また、遮断器用密閉容器21以外の他の密閉容器内に封入した負性ガスとして乾燥空気を用いると、取り扱いおよび入手が容易である。
図4は、本発明の他の実施の形態によるガス絶縁開閉装置を示す断面図であり、図3に示した実施の形態との同等物には同一符号を付けて詳細な説明を省略する。
遮断器用密閉容器21と上部断路器用密閉容器22間のガス区画用として設けた絶縁スペーサ14aと、遮断器用密閉容器21と第一の下部断路器用密閉容器23間のガス区画用として設けた絶縁スペーサ14bは、その他の絶縁スペーサ14c〜14gの肉厚よりも大きくして機械強度を高め、しかも、遮断器を構成した遮断器用密閉容器21内のガス圧を1.0MPa程度とし、その他のガス区画を形成する密閉容器22〜27内のガス圧をそれよりも低い圧力、例えば0.6MPaにしている。
遮断器用密閉容器21と上部断路器用密閉容器22間のガス区画用として設けた絶縁スペーサ14aと、遮断器用密閉容器21と第一の下部断路器用密閉容器23間のガス区画用として設けた絶縁スペーサ14bは、その他の絶縁スペーサ14c〜14gの肉厚よりも大きくして機械強度を高め、しかも、遮断器を構成した遮断器用密閉容器21内のガス圧を1.0MPa程度とし、その他のガス区画を形成する密閉容器22〜27内のガス圧をそれよりも低い圧力、例えば0.6MPaにしている。
このようなガス絶縁開閉装置によれば、先の実施の形態の場合と同様に遮断器用密閉容器21内にはガス圧を0.9〜1.5MPaとしたCO2を使用しているので消弧性能に優れた遮断器と、遮断器以外の他の密閉容器21〜27内にはN2とO2の混合ガスを用いるため絶縁性能に優れた断路器などを有して構成することができ、CO2や乾燥空気のみでガス絶縁装置を構成した場合よりも小型軽量化を図ることができる。また、絶縁スペーサ14a,14bの両側面に位置する密閉容器内のガス圧力がそれぞれ異なるために、絶縁スペーサ14a,14bには差圧力が加わり、これに耐える機械強度を有する厚みにするが、遮断器用密閉容器21との連結部以外に使用される絶縁スペーサ14c〜14gについては、それらの両側面に作用するガス圧力が等しく差圧力がかからず機械強度を高める必要がなく、薄肉化が可能であり、先の実施の形態の場合とほぼ同様の効果を期待することができる。
図5は、本発明のさらに他の実施の形態によるガス絶縁開閉装置を示す断面図であり、図3に示した実施の形態との同等物には同一符号を付けて詳細な説明を省略する。
遮断器を構成した遮断器用密閉容器21内にCO2を封入し、そのガス圧を1.0MPa程度とし、その他のガス区画を形成する密閉容器22〜27内にはN2とO2の混合ガスを封入し、そのガス圧をCO2よりも低い圧力、例えば0.6MPaにしている。また、ガス圧を1.0MPa程度の遮断器用密閉容器21と、ガス圧が0.6MPaの上部断路器用密閉容器22および第一の下部断路器用密閉容器23との間に、中間のガス圧力例えば0.8MPaのN2とO2の混合ガスを封入した中間密閉容器22a,23aを接続し、この中間密閉容器22aの軸方向両側に絶縁スペーサ14a,15aを配置し、また中間密閉容器23aの軸方向両側に絶縁スペーサ14b,15bを配置している。
遮断器を構成した遮断器用密閉容器21内にCO2を封入し、そのガス圧を1.0MPa程度とし、その他のガス区画を形成する密閉容器22〜27内にはN2とO2の混合ガスを封入し、そのガス圧をCO2よりも低い圧力、例えば0.6MPaにしている。また、ガス圧を1.0MPa程度の遮断器用密閉容器21と、ガス圧が0.6MPaの上部断路器用密閉容器22および第一の下部断路器用密閉容器23との間に、中間のガス圧力例えば0.8MPaのN2とO2の混合ガスを封入した中間密閉容器22a,23aを接続し、この中間密閉容器22aの軸方向両側に絶縁スペーサ14a,15aを配置し、また中間密閉容器23aの軸方向両側に絶縁スペーサ14b,15bを配置している。
このように遮断器用密閉容器21と上部断路器用密閉容器22および第一の下部断路器用密閉容器23の間にそれぞれ中間密閉容器22a,23aを配置したため、遮断器用密閉容器21内のガス圧を1.0MPa程度とし、その他のガス区画を形成する密閉容器22〜27内のガス圧をそれよりも低い圧力、例えば0.6MPaにしながらも、絶縁スペーサ14a,14bの両側面に作用するガス圧力の差は、図4の場合よりも小さくなり、絶縁スペーサ14a,14bも肉厚を薄くすることができる。その他、先の実施の形態の場合とほぼ同様の効果を期待することができる。
図6は、本発明のさらに他の実施の形態によるガス絶縁開閉装置を示す断面図であり、図3に示した実施の形態との同等物には同一符号を付けて詳細な説明を省略する。
この実施の形態では、遮断部11を収納した遮断器用密閉容器21内にCO2を封入し、そのガス圧を1.0MPa程度とし、上部断路器用密閉容器22および第一の下部断路器用密閉容器23を含めてこれより反遮断器用密閉容器側に位置するその他のガス区画を形成する密閉容器22〜27内にはN2とO2の混合ガスを封入し、そのガス圧をCO2よりも低い圧力、例えば0.6MPaにしている。また、遮断器用密閉容器21の外側には絶縁物19によって電気的に絶縁した状態で第二の密閉容器21aを配置している。遮断部11の両端子側は第二の遮断器用密閉容器21aから導出する際に、絶縁スペーサ16a,16bによって気密に封じながら主回路を形成する導体を導出するようにしている。このようにして遮断器用密閉容器21と第二の密閉容器21a間に形成した空間には、第二の密閉容器21aを遮断器用とみなした場合は0.9MPa程度のCO2を封入し、一方、第二の密閉容器21aを遮断器以外の圧力容器とみなした場合には0.6〜1.0程度のN2とO2の混合ガスを封入する。
この実施の形態では、遮断部11を収納した遮断器用密閉容器21内にCO2を封入し、そのガス圧を1.0MPa程度とし、上部断路器用密閉容器22および第一の下部断路器用密閉容器23を含めてこれより反遮断器用密閉容器側に位置するその他のガス区画を形成する密閉容器22〜27内にはN2とO2の混合ガスを封入し、そのガス圧をCO2よりも低い圧力、例えば0.6MPaにしている。また、遮断器用密閉容器21の外側には絶縁物19によって電気的に絶縁した状態で第二の密閉容器21aを配置している。遮断部11の両端子側は第二の遮断器用密閉容器21aから導出する際に、絶縁スペーサ16a,16bによって気密に封じながら主回路を形成する導体を導出するようにしている。このようにして遮断器用密閉容器21と第二の密閉容器21a間に形成した空間には、第二の密閉容器21aを遮断器用とみなした場合は0.9MPa程度のCO2を封入し、一方、第二の密閉容器21aを遮断器以外の圧力容器とみなした場合には0.6〜1.0程度のN2とO2の混合ガスを封入する。
このような構成のガス絶縁開閉装置によれば、第二の密閉容器21aを遮断器用とみなした場合、遮断器用密閉容器21のガス圧力よりも低く上部断路器用密閉容器22および第一の下部断路器用密閉容器23のガス圧力よりも高い中間のガス圧力のCO2を封入することができるので、先の実施の形態の場合と同様に絶縁スペーサ15a,15b,16a,16bの肉厚を薄くすることができる。一方、第二の密閉容器21aを遮断器以外の圧力容器とみなした場合、遮断器用密閉容器21と上部断路器用密閉容器22および第一の下部断路器用密閉容器23におけるガス圧力の丁度中間のガス圧力、もしくは上部断路器用密閉容器22および第一の下部断路器用密閉容器23と同じガス圧力のN2とO2の混合ガスを封入することができるので、先の実施の形態の場合と同様に絶縁スペーサ15a,15b,16a,16bの肉厚を薄くすることができる。
また、第二の密閉容器21aを遮断器用とみなした場合、万一、遮断器用密閉容器21でガス漏れが生じたとしても第二の密閉容器21aで外部へのガス漏れを阻止するため、機器の信頼性を向上することができる。さらに、遮断部11を収納した遮断器用密閉容器21を第二の密閉容器21a内に支持する際に絶縁物19を用いているので、第二の密閉容器21aを接地し、遮断器用密閉容器21を中間電位にすることができる。これにより遮断部11と第二の密閉容器21a間の絶縁距離を短く取れるのでガス絶縁開閉装置の小型軽量化を図ることができる。
本発明によるガス絶縁開閉装置は、上述した実施の形態に限らず他の構成のガス絶縁開閉装置にも適用することができる。例えば、遮断器用密閉容器21以外の密閉容器には、N2とO2の混合ガスを封入したが、遮断器用密閉容器21に封入したSF6およびCO2以外の他の負性ガスを使用してもほぼ同様の効果を期待することができる。
2 絶縁性能特性曲線
3 遮断性能特性曲線
4 限界密度特性曲線
8 範囲
10a〜10d 断路部
11 遮断部
12 ケーブルヘッド
13a、13b 母線
14a〜14g 絶縁スペーサ
21 遮断部用密閉容器
22 上部断路器用密閉容器
23 第一の断路器用密閉容器
24 第二の断路器用密閉容器
3 遮断性能特性曲線
4 限界密度特性曲線
8 範囲
10a〜10d 断路部
11 遮断部
12 ケーブルヘッド
13a、13b 母線
14a〜14g 絶縁スペーサ
21 遮断部用密閉容器
22 上部断路器用密閉容器
23 第一の断路器用密閉容器
24 第二の断路器用密閉容器
Claims (8)
- 遮断部を収納した遮断器用密閉容器に、絶縁スペーサを介して他の密閉容器を接続し、これら各密閉容器内に絶縁ガスを封入すると共に、上記密閉容器から電気的に絶縁した状態で主回路導体を配置して構成したガス絶縁開閉装置において、上記遮断器用密閉容器内にガス圧が0.9〜1.5MPaとしたCO2を封入し、上記他の密閉容器内にSF6およびCO2以外の他の負性ガスを封入したことを特徴とするガス絶縁開閉装置。
- 請求項1に記載のものにおいて、上記他の密閉容器内に封入した負性ガスとして、N2とO2の混合ガスを用いたことを特徴とするガス絶縁開閉装置。
- 請求項2に記載のものにおいて、上記混合ガスは、酸素の混合割合を5〜60%としたことを特徴とするガス絶縁開閉装置。
- 請求項2に記載のものにおいて、上記混合ガスは、上記CO2のガス圧よりも低いガス圧で封入したことを特徴とするガス絶縁開閉装置。
- 請求項2に記載のものにおいて、上記混合ガスとして、乾燥空気を用いたことを特徴とするガス絶縁開閉装置。
- 請求項1〜5のいずれか一つに記載のものにおいて、上記遮断器用密閉容器を収納する第二の密閉容器を設けて二重構造とし、上記遮断器用密閉容器と上記第二の密閉容器間にSF6以外の絶縁ガスを封入したことを特徴とするガス絶縁開閉装置。
- 請求項1〜6のいずれか一つに記載のものにおいて、上記遮断器用密閉容器と上記他の密閉容器間にガス区画を形成する絶縁スペーサを設け、この絶縁スペーサは、上記他の密閉容器内に配置した絶縁スペーサと異なる肉厚のものを使用したことを特徴とするガス絶縁開閉装置。
- 請求項1〜6のいずれか一つに記載のものにおいて、上記遮断器用密閉容器と上記他の密閉容器の間に両端部をそれぞれ絶縁スペーサでガス区分した中間密閉容器を接続し、この中間密閉容器内に、上記遮断器用密閉容器内と上記他の密閉容器内との中間のガス圧の上記他の負性ガスを封入したことを特徴とするガス絶縁開閉装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004370685A JP2006180612A (ja) | 2004-12-22 | 2004-12-22 | ガス絶縁開閉装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2006180612A true JP2006180612A (ja) | 2006-07-06 |
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JP2004370685A Pending JP2006180612A (ja) | 2004-12-22 | 2004-12-22 | ガス絶縁開閉装置 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019534535A (ja) * | 2016-10-10 | 2019-11-28 | スーパーグリッド インスティテュート | 高電圧dcグリッドのためのco2スイッチ |
-
2004
- 2004-12-22 JP JP2004370685A patent/JP2006180612A/ja active Pending
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JP2019534535A (ja) * | 2016-10-10 | 2019-11-28 | スーパーグリッド インスティテュート | 高電圧dcグリッドのためのco2スイッチ |
JP7377105B2 (ja) | 2016-10-10 | 2023-11-09 | スーパーグリッド インスティテュート | 高電圧dcグリッドのためのco2スイッチ |
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