JP2006179623A - 窒化物半導体基板の製造方法および窒化物半導体装置の製造方法 - Google Patents

窒化物半導体基板の製造方法および窒化物半導体装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】光照射による窒化物半導体の熱分解を効率良く行い,安定した基板の分離を行うことを目的とする。
【解決手段】サファイア基板101上に,GaN緩衝層,GaN層102,Al0.15Ga0.85N層とGaN層とを交互に積層した多層膜103,さらに多層膜103上にGaN層104を形成し,レーザ光をサファイア基板101側から全面にわたって走査することにより,GaN層102を分解し,自立基板105を得て,更に多層膜103をGaN層104の表面が露出するまで研磨することで,GaN基板106を得る。
【効果】多層膜103の熱伝導率が低いために,効率的かつ安定してGaN層102の熱分解が可能となり,光照射によるGaN層102の熱分解を効率良く安定に行い,安定したGaN層104の分離を行うことができる。
【選択図】図1

Description

本発明は,窒化物半導体基板の製造方法および短波長半導体レーザや発光ダイオードなどの窒化物半導体装置の製造方法に関するものである。
AlGaIn1−x−yN(0≦x≦1,0≦y≦1,0≦x+y≦1)で表されるIII族窒化物半導体(以下単に窒化物半導体という)は,赤外から紫外までの波長をカバーできる材料であり,発光・受光デバイスへの応用が期待されている。これまでに比較的良質の窒化物半導体は主としてサファイア基板上に結晶成長することにより形成されてきた。しかし,サファイア基板は電気的に絶縁体であるため,このサファイア基板上の窒化物半導体を半導体レーザやトランジスタとして用いる場合にはすべての電極を窒化物半導体表面に形成する必要があり,製造プロセスが複雑になっていた。窒化物系デバイスのさらなる高性能化を目指すうえでは,サファイア基板を除去する技術の確立が強く望まれている。このような背景から,窒化物半導体を一旦サファイア等の異種基板上に成長したのち,基板を除去する各種方法が提案されている。
例えば,強いレーザ光を照射してサファイア基板とGaN層を分離する方法である。以下,この方法について図11の従来の光照射による基板分離技術を説明する工程断面図を用いて説明する。
ハイドライドVPE(HVPE)法を用いて,C面を主面とする2インチ径のサファイア基板701上に厚さ200〜300μmのGaN層702を形成する(図11(a))。次に,エピタキシャルウェハをHVPE反応炉内から取り出し,波長355nmのレーザ光をサファイア基板701側から照射する(図11(b))。サファイア基板701を透過したレーザ光はサファイア基板701との界面付近にあるGaN層702で吸収され,そのときに発生する熱により,GaN層702は分解される。その結果,照射部のサファイア基板701とGaN層702が分離される。このレーザ光を2インチ全面にわたって走査することにより,サファイア基板701とGaN層702とを分離し,自立基板703を得ることができる(図11(c))(例えば,非特許文献1参照)。
Michael K.Kelly et al.,Japanese Journal of Applied Physics,Vol.38 p.L217 1999
しかしながら,上記従来の方法では,光吸収により発生した熱が拡散してしまい,熱分解が不安定になるという課題があった。
GaNの熱伝導率は1.3W/cm・Kであり,代表的なIII−V族化合物半導体であるGaAs(0.54W/cm・K)やInP(0.68W/cm・K)の熱伝導率よりも大きい。放熱用のサブマウントに使用されるSiの熱伝導率は1.5W/cm・Kであるので,GaNは比較的熱を伝えやすい材料であるといえる。したがって,例えばレーザ照射によりGaNを熱分解する場合,光吸収によりGaN内部に発生した熱は拡散しやすく,熱分解が安定しない。この場合,例えば熱分解した箇所の凹凸が大きくなったり,不均一な応力が加わることによりクラックが発生したりするという問題点があった。
また,活性層を含む試料を光照射により熱分解する場合に,活性層に損傷が入る恐れがある。分解層で吸収されずに透過してきた光は,バンドギャップの小さい活性層で吸収されやすい。吸収時に発生した熱により,分解されないまでも量子井戸構造が崩れたり,不純物が拡散したりといったことが起こりデバイス特性上の悪化を招くという問題点があった。
上記問題点に鑑み,本発明は,光照射による窒化物半導体の熱分解を効率良く安定に行い,安定した基板の分離を行うことができる窒化物半導体基板の製造方法および窒化物半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明の請求項1記載の窒化物半導体基板の製造方法は,母材基板上に第1の窒化物半導体および,窒化物半導体基板となる第2の窒化物半導体を形成したのち,光照射により前記第1の窒化物半導体を分解して前記母材基板と前記第2の窒化物半導体を分離する窒化物半導体基板の製造方法であって,前記第1の窒化物半導体に隣接して,かつ少なくとも2種類以上の窒化物半導体が積層された多層膜を形成する工程を有することを特徴とする。
請求項2記載の窒化物半導体基板の製造方法は,母材基板に第1の窒化物半導体を形成する工程と,前記第1の窒化物半導体上に少なくとも2種類以上の窒化物半導体が積層された多層膜を形成する工程と,前記多層膜上に第2の窒化物半導体を形成する工程と,光照射を行って前記第1の窒化物半導体を分解することにより前記第2の窒化物半導体を分離することを特徴とする。
請求項3記載の窒化物半導体基板の製造方法は,請求項2に記載の窒化物半導体基板の製造方法において,前記多層膜を構成する窒化物半導体のうち,少なくとも1種類の窒化物半導体の熱伝導率は,前記第1の窒化物半導体の熱伝導率よりも小さいことを特徴とする。
請求項4記載の窒化物半導体基板の製造方法は,請求項2に記載の窒化物半導体基板の製造方法において,前記多層膜を構成する窒化物半導体のうち,少なくとも1種類の窒化物半導体のバンドギャップエネルギーは,光照射に用いる光源のエネルギーよりも小さいことを特徴とする。
請求項5記載の窒化物半導体基板の製造方法は,請求項2または請求項3または請求項4のいずれかに記載の窒化物半導体基板の製造方法において,前記多層膜を構成する窒化物半導体の少なくとも1種類はAlまたはInを含む窒化物半導体であることを特徴とする。
請求項6記載の窒化物半導体基板の製造方法は,請求項2または請求項3または請求項4または請求項5のいずれかに記載の窒化物半導体基板の製造方法において,前記第2の窒化物半導体の分離後,前記多層膜を除去する工程を有することを特徴とする。
請求項7記載の窒化物半導体基板の製造方法は,請求項6に記載の窒化物半導体基板の製造方法において,前記多層膜を除去する工程が研磨であることを特徴とする。
請求項8記載の窒化物半導体基板の製造方法は,請求項6に記載の窒化物半導体基板の製造方法において,前記多層膜を除去する工程がエッチングであることを特徴とする。
請求項9記載の窒化物半導体装置の製造方法は,母材基板上に第1の窒化物半導体および,第2の窒化物半導体を窒化物半導体基板とする窒化物半導体装置形成したのち,光照射により前記第1の窒化物半導体を分解して前記母材基板と前記窒化物半導体装置を分離する窒化物半導体装置の製造方法であって,前記第1の窒化物半導体に隣接して,かつ少なくとも2種類以上の窒化物半導体が積層された多層膜を形成する工程を有することを特徴とする。
請求項10記載の窒化物半導体装置の製造方法は,母材基板に第1の窒化物半導体を形成する工程と,前記第1の窒化物半導体上に少なくとも2種類以上の窒化物半導体が積層された多層膜を形成する工程と,前記多層膜上に窒化物半導体装置の基板となる第2の窒化物半導体を形成する工程と,前記第2の窒化物半導体上に活性層を備える窒化物半導体装置を形成する工程と,光照射を行って前記第1の窒化物半導体を分解することにより前記窒化物半導体装置を分離することを特徴とする。
請求項11記載の窒化物半導体装置の製造方法は,請求項10に記載の窒化物半導体装置の製造方法において,前記多層膜を構成する窒化物半導体のうち,少なくとも1種類の窒化物半導体の熱伝導率は,前記第1の窒化物半導体の熱伝導率よりも小さいことを特徴とする。
請求項12記載の窒化物半導体装置の製造方法は,請求項10に記載の窒化物半導体装置の製造方法において,前記多層膜を構成する窒化物半導体のうち,少なくとも1種類の窒化物半導体のバンドギャップエネルギーは,光照射に用いる光源のエネルギーよりも小さいことを特徴とする。
請求項13記載の窒化物半導体装置の製造方法は,請求項10または請求項11または請求項12のいずれかに記載の窒化物半導体装置の製造方法において,前記多層膜を構成する窒化物半導体の少なくとも1種類はAlまたはInを含む窒化物半導体であることを特徴とする。
請求項14記載の窒化物半導体装置の製造方法は,請求項9または請求項10または請求項11または請求項12または請求項13のいずれかに記載の窒化物半導体装置の製造方法において,前記窒化物半導体装置を分離後,前記多層膜を除去する工程を有することを特徴とする。
請求項15記載の窒化物半導体装置の製造方法は,請求項14に記載の窒化物半導体装置の製造方法において,前記多層膜を除去する工程が研磨であることを特徴とする。
請求項16記載の窒化物半導体装置の製造方法は,請求項14に記載の窒化物半導体装置の製造方法において,前記多層膜を除去する工程がエッチングであることを特徴とする。
請求項17記載の窒化物半導体装置の製造方法は,母材基板に少なくとも2種類以上の窒化物半導体が積層された多層膜を形成する工程と,前記多層膜上に第1の窒化物半導体を形成する工程と,前記第1の窒化物半導体上に窒化物半導体装置の基板となる第2の窒化物半導体を形成する工程と,前記第2の窒化物半導体上に活性層を備える窒化物半導体装置を形成する工程と,光照射を行って前記第1の窒化物半導体を分解することにより前記窒化物半導体装置を分離することを特徴とする。
請求項18記載の窒化物半導体装置の製造方法は,請求項17に記載の窒化物半導体装置の製造方法において,前記多層膜を構成する窒化物半導体のバンドギャップエネルギーは,光照射に用いる光源のエネルギーよりも大きいことを特徴とする。
請求項19記載の窒化物半導体装置の製造方法は,請求項17または請求項18のいずれかに記載の窒化物半導体装置の製造方法において,前記多層膜を構成する窒化物半導体の少なくとも1種類はAlまたはInを含む窒化物半導体であることを特徴とする。
請求項20記載の窒化物半導体装置の製造方法は,母材基板に少なくとも2種類以上の窒化物半導体が積層された第1の多層膜を形成する工程と,前記多層膜上に第1の窒化物半導体を形成する工程と,前記第1の窒化物半導体上に少なくとも2種類以上の窒化物半導体が積層された第2の多層膜を形成する工程と,前記第2の多層膜上に窒化物半導体装置の基板となる第2の窒化物半導体を形成する工程と,前記第2の窒化物半導体上に活性層を備える窒化物半導体装置を形成する工程と,光照射を行って前記第1の窒化物半導体を分解することにより前記窒化物半導体装置を分離することを特徴とする。
請求項21記載の窒化物半導体装置の製造方法は,請求項20に記載の窒化物半導体装置の製造方法において,前記第1の多層膜を構成する窒化物半導体のバンドギャップエネルギーは,照射に用いる光源のエネルギーよりも大きいことを特徴とする。
請求項22記載の窒化物半導体装置の製造方法は,請求項20に記載の窒化物半導体装置の製造方法において,前記第2の多層膜を構成する窒化物半導体のうち,少なくとも1種類の窒化物半導体の熱伝導率は,前記第1の窒化物半導体の熱伝導率よりも小さいことを特徴とする。
請求項23記載の窒化物半導体装置の製造方法は,請求項20に記載の窒化物半導体装置の製造方法において,前記第2の多層膜を構成する窒化物半導体のうち,少なくとも1種類の窒化物半導体のバンドギャップエネルギーは,光照射に用いる光源のエネルギーよりも小さいことを特徴とする。
請求項24記載の窒化物半導体装置の製造方法は,請求項20または請求項21または請求項22または請求項23のいずれかに記載の窒化物半導体装置の製造方法において,前記第1の多層膜および前記第2の多層膜を構成する窒化物半導体の少なくとも1種類はAlまたはInを含む窒化物半導体であることを特徴とする。
請求項25記載の窒化物半導体装置の製造方法は,請求項20に記載の窒化物半導体装置の製造方法において,前記窒化物半導体装置を分離後,前記第2の多層膜を除去する工程を有することを特徴とする。
請求項26記載の窒化物半導体装置の製造方法は,請求項25に記載の窒化物半導体装置の製造方法において,前記第2の多層膜を除去する工程が研磨であることを特徴とする。
請求項27記載の窒化物半導体装置の製造方法は,請求項25に記載の窒化物半導体装置の製造方法において,前記第2の多層膜を除去する工程がエッチングであることを特徴とする。
以上により,光照射による窒化物半導体の熱分解を効率良く安定に行い,安定した基板の分離を行うことができる窒化物半導体基板の製造方法および窒化物半導体装置の製造方法を提供することができる。
母材基板上に窒化物半導体層を介して形成された窒化物半導体基板または窒化物半導体装置を,窒化物半導体層を光照射により熱分解して切り離す際に,窒化物半導体層上にあらかじめ多層膜を形成することにより,多層膜の熱伝導率が低いために,効率的かつ安定して窒化物半導体層の熱分解が可能となり,光照射による窒化物半導体の熱分解を効率良く安定に行い,安定した基板の分離を行うことができる窒化物半導体基板の製造方法および窒化物半導体装置の製造方法を提供することができる。
以下,本発明の実施の形態について,詳しく説明する。
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1における窒化物半導体基板の製造方法について,図1,図2,図3を参照しながら説明する。
図1は本発明の実施の形態1に係る窒化物半導体基板の製造方法を説明するための工程断面図,図2は本発明の実施の形態1に係る多層膜の周期数に対するGaN分解量および表面粗さの関係を示す図,図3は本発明の実施の形態1に係る多層膜の特性調査に用いた試料の断面図である。
図1に示すように,まず,直径2インチのC面を主面とする厚さ300μmのサファイア基板101上に,MOVPE法により,厚さ20nmのGaN緩衝層(図示せず),厚さ2μmのGaN層102,多層膜103を順次形成する(図1(a))。図示はしていないが,多層膜103は厚さが50ÅのAl0.15Ga0.85N層と厚さが50ÅのGaN層とが交互に積層され,それが30回繰り返されたものである。なお,以下ではGaN緩衝層を含めて,GaN層102といい,サファイア基板101上にGaN層102等を形成したものを単にエピタキシャル基板という。
その後,エピタキシャル基板を室温まで冷却し,MOVPE炉内から取り出し,次いでHVPE炉内に搬送する。900℃に加熱したGaメタルが充填されたボートに,ハロゲンラインから窒素をキャリアガスとしてHClガスを導入し,GaClを生成させ,同じくV族ラインから窒素キャリアガスとともにアンモニアガスを供給して,多層膜103上にGaN層104を形成する。エピタキシャル基板の温度は1050℃とし,50μm/時で6時間成長を行い,GaN層104の厚さを300μmとする(図1(b))。GaN層104成長後,室温まで冷却し,エピタキシャル基板をHVPE炉内から取り出す。
次に,図1(c)に示すように,YAGレーザ光をエピタキシャル基板のサファイア基板101側から照射する。使用するレーザはNd:YAGレーザの3次高調波(355nm)で,照射エネルギー0.3J/cm,パルス幅5ns,照射時のレーザ径は1mmである。YAGレーザの波長に対して,サファイア基板101は透明であるので,レーザ光はサファイア基板101を透過する。透過したレーザはサファイア基板101上部のGaN層102で吸収され,界面付近のGaN層102は分解される。
この構成によると,熱の伝導に寄与する自由電子がGaN層102上部にある多層膜103の界面で散乱されるため,多層膜103は熱伝導率の小さい層として機能する。そのため,光吸収でGaN層101に生じた熱の多層膜103への拡散は抑制され,その多くはGaN層102の分解に寄与することになり,効率良く分解することが可能となる。さらに,本実施の形態では,熱伝導率が0.46W/cm・KとGaNの熱伝導率よりも小さなサファイアを基板として用いているので,基板への熱の伝導も抑えることができる。
なお,界面での散乱を利用するので,多層膜103の積層数が多いほど効果が顕著になるので好ましい。
図2は,多層膜の効果を調べるため,多層膜の周期数(積層数)を変化させたときのGaN層の分解量(深さ),表面粗さの関係を示した図である。ここでは,図3に示すようなサファイア基板901上に厚さ1μmのGaN層902,AlGaN/GaN多層膜903,厚さ10μmのGaN層904を順次形成した試料を用い,これに光照射することで,GaN層902を分解させている。
図2に示すように,周期数が増加するにつれ,分解量が増加しているのがわかる。これは周期数を増やすことで,熱伝導に寄与する自由電子がGaN層902と多層膜903の界面で拡散されて多層膜903への透過が抑制されるため,自由電子が多層膜903中で減少し,多層膜903の熱伝導率が低下したためである。また,周期数が増加するにつれ,表面粗さも小さくなっている。これは周期数の増加により,多層膜903の熱伝導率が低下したために熱分解が安定して行われたためである。図2に示す調査結果からわかるように,本実施の形態で用いたAlGaN/GaN多層膜による熱拡散抑制の効果を発現させる周期数は20周期以上が好ましく,30周期以上がさらに好ましい。
このような条件下で,レーザ光を2インチ全面にわたって走査することにより,サファイア基板101とGaN層102を完全に分離することができ,自立基板105を得る(図1(d))。
自立基板105の,サファイア基板101側の面には,図示していないがGaN102の一部が未分解のまま残っている。これと多層膜103をGaN層104の表面が露出するまで研磨することで,窒化物半導体基板となるGaN基板106を得る(図1(e))。多層膜103は熱伝導率が小さいので,多層膜103が除去されていない自立基板105にデバイスを作製する場合には,放熱が悪くなり,デバイスの特性に影響を及ぼす可能性があるからである。なお,未分解のGaN層102と多層膜103を除去する方法は研磨に限定されるものではなく,強アルカリ水溶液によるウエットエッチング,あるいはドライエッチングなどでもよい。
以上のように,サファイア基板上にGaN層を介して形成された窒化物半導体基板を,GaN層をレーザ光にて熱分解して切り離す際に,GaN層上にあらかじめAlGaN/GaN多層膜を形成することにより,多層膜の熱伝導率が低いために,効率的かつ安定してGaN層の熱分解が可能となり,光照射による窒化物半導体の熱分解を効率良く安定に行い,安定した基板の分離を行うことができる窒化物半導体基板の製造方法を提供することができる。
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2における窒化物半導体基板の製造方法について,図4,図5,図6を参照しながら説明する。
図4は本発明の実施の形態2に係る窒化物半導体基板の製造方法を説明するための工程断面図,図5は本発明の実施の形態2に係る多層膜の周期数に対するGaN分解量および表面粗さの関係を示す図,図6は本発明の実施の形態2に係る多層膜の特性調査に用いた試料の断面図である。
図4に示すように,まず,直径2インチのC面を主面とする厚さ300μmのサファイア基板201上に,MOVPE法により,厚さ20nmのGaN緩衝層(図示せず),厚さ2μmのGaN層202,多層膜203を順次形成する(図4(a))。図示していないが,多層膜203は厚さが50ÅのIn0.15Ga0.85N層と厚さが50ÅのGaN層とが交互に積層され,それが5回繰り返されたものである。なお,以下ではGaN緩衝層を含めて,GaN層202といい,サファイア基板201上にGaN層202等を形成したものを単にエピタキシャル基板という。
その後,エピタキシャル基板を室温まで冷却し,MOVPE炉内から取り出し,次いでエピタキシャル基板をHVPE炉内に搬送する。そして,実施の形態1と同様に,多層膜203上に300μm厚のGaN層204を形成する(図4(b))。GaN層204成長後,室温まで冷却し,エピタキシャル基板をHVPE炉内から取り出す。
次いで,実施の形態1と同様に,YAGレーザ光を図4(c)に示すように,エピタキシャル基板のサファイア基板201側から2インチ全面にわたって走査することにより,サファイア基板201とGaN層202を完全に分離することができ,自立基板205を得る(図4(d))。
ところで,InNの熱伝導率は0.8W/cm・Kであり,AlN(2.9W/cm・K),GaN(1.3W/cm・K)よりも小さい。本実施の形態で用いたInGaN層のような混晶半導体の熱伝導率は,混晶半導体を構成する2元化合物に比べて小さくなる傾向があるので,Inの組成にかかわらず,InGaNの熱伝導率はGaNの熱伝導率よりも小さくなる。したがって,界面が存在することによる自由電子の散乱効果に加え,多層膜を構成する半導体自体の熱伝導率が小さいので,熱の拡散を抑制する効果があがる。
図5は,多層膜の効果を調べるため,多層膜の周期数を変化させたときのGaN層の分解量(深さ),表面粗さの関係を示した図である。ここでは,図6に示すようなサファイア基板1101上に厚さ1μmのGaN層1102,InGaN/GaN多層膜1103,厚さ10μmのGaN層1104を順次形成した試料を用い,これに光照射することで,GaN層1102を分解させている。
図5に示すように,周期数が増加するにつれ,分解量が増加しているのがわかる。これは周期数を増やすことで,レーザ光の自由電子がGaN層1102と多層膜1103の界面で拡散されて多層膜1103への透過が抑制されるため,熱伝導に寄与する自由電子が多層膜1103中で減少し,多層膜1103の熱伝導率が低下したためである。また,周期数を増加するにつれ,表面粗さも小さくなっている。これは周期数の増加により,多層膜1103の熱伝導率が低下したために熱分解が安定して行われたためである。以上のように,本実施の形態で用いたInGaN/GaN多層膜による熱拡散抑制の効果を発現させる周期数は5周期以上が好ましく,10周期以上がさらに好ましい。
多層膜203が除去されていない自立基板205にデバイスを作製した場合に,放熱が悪くなり,デバイスの特性に影響を及ぼす可能性がある。このため,サファイア基板201を分離後,未分解のGaN層202と多層膜203をGaN層204の表面が露出するまで研磨することにより,自立したGaN基板206を得る(図4(e))。
本実施の形態では,InGaNのバンドギャップエネルギーはレーザ光よりも小さいので,GaN層202を透過してきた光は多層膜203中で吸収される。そのため,GaN層204の損傷が起こらない。また,熱伝導率が0.46W/cm・KとGaNの熱伝導率よりも小さなサファイアを基板として用いているので,基板への熱の伝導も抑えることができる。
以上のように,サファイア基板上にGaN層を介して形成された窒化物半導体基板を,GaN層をレーザ光にて熱分解して切り離す際に,GaN層上にあらかじめInGaN/GaN多層膜を形成することにより,多層膜の熱伝導率が低いために,効率的かつ安定してGaN層の熱分解が可能となり,光照射による窒化物半導体の熱分解を効率良く安定に行い,安定した基板の分離を行うことができる窒化物半導体基板の製造方法を提供することができる。
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3における窒化物半導体装置の製造方法について,図7を参照しながら説明する。
図7は本発明の実施の形態3に係る窒化物半導体装置の製造方法を説明するための工程断面図である。
図7に示すように,まず,直径2インチのC面を主面とする厚さ300μmのサファイア基板301上に,MOVPE法により,厚さ20nmのGaN緩衝層(図示せず),厚さ2μmのGaN層302,多層膜303を順次形成する(図7(a))。図示はしていないが,多層膜303は厚さが50ÅのAl0.15Ga0.85N層と厚さが50ÅのGaN層とが交互に積層され,それが30回繰り返されたものである。次いで,多層膜の上にn型GaN層304,n型GaNクラッド層305,InGaN活性層306,p型AlGaNクラッド層307,p型GaNコンタクト層308を順次形成する。なお,以下ではGaN緩衝層を含めて,GaN層302といい,サファイア基板301上に成長したGaN層302等をエピタキシャル層,サファイア基板301とエピタキシャル層をあわせてエピタキシャル基板という。
次いで,エピタキシャル基板のエピタキシャル層側の面にn型Si基板309を貼り合わせる(図7(b))。そして,YAGレーザ光を図7(c)に示すように,エピタキシャル基板のサファイア基板301側から照射する。使用するレーザはNd:YAGレーザの3次高調波(355nm)で,照射エネルギー0.3J/cm,パルス幅5ns,照射時のレーザ径は1mmである。YAGレーザの波長に対して,サファイア基板301は透明であるので,レーザ光はサファイア基板301を透過する。透過したレーザはサファイア基板301上部のGaN層302で吸収され,界面付近のGaN層302は分解される。
この構成によると,熱の伝導に寄与する自由電子がGaN層302上部にある多層膜303の界面で散乱されるため,多層膜303は熱伝導率の小さい層として機能する。そのため,光吸収でGaN層302に生じた熱の多層膜303への拡散は抑制され,その多くはGaN層302の分解に寄与することになり,効率良く分解することが可能となる。なお,界面での散乱を利用するので,多層膜303の積層数が多いほど効果が顕著になる。さらに,本実施の形態では,熱伝導率が0.46W/cm・KとGaNの熱伝導率よりも小さなサファイアを基板として用いているので,基板への熱の伝導も抑えることができる。
このような条件下で,レーザ光を2インチ全面にわたって走査することにより,サファイア基板301とエピタキシャル層を完全に分離することができ,n型Si基板309にエピタキシャル層が転写される(図7(d))。
エピタキシャル層のn型Si基板309と反対側の表面には,図示していないがGaN302の一部が未分解のまま残っている。最後に,これと多層膜303をn型GaN層304の表面が露出するまで研磨し,さらにn型GaN層304上に正電極310,n型Si基板309上に負電極311を形成することで発光ダイオード312を得る(図7(e))。多層膜303を除去する理由は,多層膜303は熱伝導率が小さいので,放熱が悪くなり,デバイスの特性に影響を及ぼす可能性があるからである。
以上のように,サファイア基板上にGaN層を介して形成された窒化物半導体装置を,GaN層をレーザ光にて熱分解して切り離す際に,GaN層上にあらかじめAlGaN/GaN多層膜を形成することにより,多層膜の熱伝導率が低いために,効率的かつ安定してGaN層の熱分解が可能となり,光照射による窒化物半導体の熱分解を効率良く安定に行い,安定した基板の分離を行うことができる窒化物半導体装置の製造方法を提供することができる。
(実施の形態4)
本発明の実施の形態4における窒化物半導体装置の製造方法について,図8を参照しながら説明する。
図8は本発明の実施の形態4に係る窒化物半導体装置の製造方法を説明するための工程断面図である。
図8に示すように,まず,直径2インチのC面を主面とする厚さ300μmのサファイア基板401上に,MOVPE法により,厚さ20nmのGaN緩衝層(図示せず),厚さ2μmのGaN層402,多層膜403を順次形成する(図8(a))。図示していないが,多層膜403は厚さが50ÅのIn0.15Ga0.85N層と厚さが50ÅのGaN層とが交互に積層され,それが5回繰り返されたものである。次いで,多層膜403の上にn型GaN層404,n型GaNクラッド層405,InGaN活性層406,p型AlGaNクラッド層407,p型GaNコンタクト層408を順次形成する。以下ではGaN緩衝層を含めて,GaN層402といい,サファイア基板401上に成長したGaN層402等をエピタキシャル層,サファイア基板401とエピタキシャル層をあわせてエピタキシャル基板という。
次いで,実施の形態3と同様に,エピタキシャル基板とn型Si基板409を貼り合わせ(図8(b)),レーザ光を2インチ全面にわたって走査することにより,サファイア基板401とエピタキシャル層を完全に分離し,n型Si基板409にエピタキシャル層を転写する(図8(c))。
ところで,InNの熱伝導率は0.8W/cm・Kであり,AlN(2.9W/cm・K),GaN(1.3W/cm・K)よりも小さい。本実施の形態で用いたInGaN層のような混晶半導体の熱伝導率は,混晶半導体を構成する2元化合物に比べて小さくなる傾向があるので,Inの組成にかかわらず,InGaNの熱伝導率はGaNの熱伝導率よりも小さくなる。したがって,界面が存在することによる自由電子の散乱効果に加え,多層膜を構成する半導体自体の熱伝導率が小さいので,熱の拡散を抑制する効果はあがる。
さらに,InGaNのバンドギャップエネルギーはレーザ光よりも小さいので,GaN層402を透過してきた光は多層膜403中で吸収される。そのため,InGaN活性層406の損傷を抑えることができる。
さらに,本実施の形態では,熱伝導率が0.46W/cm・KとGaNの熱伝導率よりも小さなサファイアを基板として用いているので,基板への熱の伝導も抑えることができる。
実施の形態3と同様に,多層膜403をn型GaN層404の表面が露出するまで研磨し,さらにn型GaN層404上に正電極410,n型Si基板409上に負電極411を形成することで発光ダイオード412を得る(図5(d))。
以上のように,サファイア基板上にGaN層を介して形成された窒化物半導体装置を,GaN層をレーザ光にて熱分解して切り離す際に,GaN層上にあらかじめInGaN/GaN多層膜を形成することにより,多層膜の熱伝導率が低いために,効率的かつ安定してGaN層の熱分解が可能となり,光照射による窒化物半導体の熱分解を効率良く安定に行い,安定した基板の分離を行うことができる窒化物半導体装置の製造方法を提供することができる。
(実施の形態5)
本発明の実施の形態5における窒化物半導体装置の製造方法について,図9を参照しながら説明する。
図9は本発明の実施の形態5に係る窒化物半導体装置の製造方法を説明するための工程断面図である。
図9に示すように,まず,直径2インチのC面を主面とする厚さ300μmのサファイア基板501上に,MOVPE法により,厚さ1μmのAlN層502,多層膜503を順次形成する(図9(a))。図示はしていないが,多層膜503は厚さが50ÅのAl0.15Ga0.85N層と厚さが50ÅのAlGaN層とが交互に積層され,それが30回繰り返されたものである。次いで,多層膜の上にn型GaN層504,n型GaNクラッド層505,InGaN活性層506,p型AlGaNクラッド層507,p型GaNコンタクト層508を順次形成する。なお,以下ではサファイア基板501上に成長したAlN層502等をエピタキシャル層,サファイア基板501とエピタキシャル層をあわせてエピタキシャル基板という。
次いで,実施の形態3と同様にエピタキシャル基板のエピタキシャル層側の面にn型Si基板509を貼り合わせ(図9(b)),サファイア基板側からレーザ光を照射する。
この場合,レーザ光の波長に対して,サファイア基板501は透明であるので,レーザ光はサファイア基板501を透過する。さらにAlN層502,および多層膜503を構成する2種類のAlGaN層もレーザ光に対して透明である。したがって,サファイア基板501,AlN層502,多層膜503を透過したレーザはn型GaN層504で吸収され,多層膜503との界面付近のn型GaN層504は分解される。
レーザ光を2インチ全面にわたって走査することにより,サファイア基板501とエピタキシャル層を分離し,n型Si基板509にエピタキシャル層を転写する(図9(c))。
AlNの熱伝導率は2.9W/cm・Kと大きい。したがって,光吸収により生じた熱はAlN層を介して逃げてしまう。本実施の形態では分解されるGaN層とAlN層の間に熱伝導率の低い多層膜を形成しているので,AlN層への熱の拡散を抑えることができる。
実施の形態3と同様に,n型GaN層504の表面を研磨により平坦化し,さらにn型GaN層504上に正電極510,n型Si基板509上に負電極511を形成することで発光ダイオード512を得る(図9(d))。
以上のように,サファイア基板上にAlN層を介して形成された窒化物半導体装置を,窒化物半導体装置のn型GaN層界面をレーザ光にて熱分解して切り離す際に,サファイア基板上にあらかじめAlGaN/GaN多層膜を形成することにより,多層膜の熱伝導率が低いために,効率的かつ安定してn型GaN層の熱分解が可能となり,光照射による窒化物半導体の熱分解を効率良く安定に行い,安定した基板の分離を行うことができる窒化物半導体装置の製造方法を提供することができる。
(実施の形態6)
本発明の実施の形態6における窒化物半導体装置の製造方法について,図10を参照しながら説明する。
図10は本発明の実施の形態6に係る窒化物半導体装置の製造方法を説明するための工程断面図である。
図10に示すように,まず,直径2インチのC面を主面とする厚さ300μmのサファイア基板601上に,MOVPE法により,厚さ1μmのAlN層602,多層膜603を順次形成する(図10(a))。図示はしていないが,多層膜603は厚さが50ÅのAl0.15Ga0.85N層と厚さが50ÅのAlGaN層とが交互に積層され,それが30回繰り返されたものである。次いで,多層膜603の上にGaN層604,多層膜605,n型GaNクラッド層606,InGaN活性層607,p型AlGaNクラッド層608,p型GaNコンタクト層609を順次形成する。なお,図示していないが,多層膜605は厚さが50ÅのIn0.15Ga0.85N層と厚さが50ÅのGaN層とが交互に積層され,それが5回繰り返されたものである。以下ではサファイア基板601上に成長したAlN層602等をエピタキシャル層,サファイア基板601とエピタキシャル層をあわせてエピタキシャル基板という。
次いで,実施の形態3と同様にエピタキシャル基板のエピタキシャル層側の面にn型Si基板610を貼り合わせ(図10(b)),サファイア基板側からレーザ光を照射する。
この場合,実施の形態5と同様に,レーザ光の波長に対して,サファイア基板601,AlN層602,および多層膜603を構成する2種類のAlGaN層は透明である。したがって,サファイア基板601,AlN層602,多層膜603を透過したレーザはGaN層604で吸収され,界面付近のGaN層604は分解される。
この構成では,熱分解されるGaN層604の上下を,熱伝導率の低い多層膜で挟み込むことにより熱の拡散を抑制し,効率よくGaN層604の分解が可能である。
レーザ光を2インチ全面にわたって走査することにより,サファイア基板601とエピタキシャル層を分離し,n型Si基板610にエピタキシャル層を転写する(図10(c))。
実施の形態3と同様に,多層膜605をn型GaNクラッド層606の表面が露出するまで研磨し,さらにn型GaNクラッド層606上に正電極611,n型Si基板610上に負電極612を形成することで発光ダイオード613を得る(図10(d))。
以上のように,サファイア基板上にGaN層を介して形成された窒化物半導体装置を,窒化物半導体装置のGaN層をレーザ光にて熱分解して切り離す際に,サファイア基板上にあらかじめAlN層,AlGaN/GaN多層膜,GaN層およびInGaN/GaN多層膜を形成することにより,多層膜の熱伝導率が低いために,効率的かつ安定してGaN層の熱分解が可能となり,光照射による窒化物半導体の熱分解を効率良く安定に行い,安定した基板の分離を行うことができる窒化物半導体装置の製造方法を提供することができる。
以上に述べた実施の形態1〜6において,以下に示す置き換えを行っても同様の効果が得られる。
多層膜などを除去する方法は研磨に限定されるものではなく,強アルカリ水溶液によるウエットエッチング,あるいはドライエッチングなどでもよい。
転写用の母材基板にはn型Si基板を用いたが,導電性のあるものであればよく,GaAs基板などの導電性基板,あるいは金メッキなどでもよい。
多層膜に用いた窒化物半導体は,AlGaN/GaN,InGaN/GaNの組み合わせに限定されるものではなく,例えばAlGaN/AlGaN,InGaN/InGaN,AlGaN/InGaN,AlGaInN/AlGaNなどでもよく,また3種類以上の窒化物半導体を用いても同様の効果が得られる。
また,レーザ等の光照射により分解される窒化物半導体層として,GaN層を例に説明したが,その他の窒化物半導体層を用いても同様の効果が得られる。
本発明の窒化物半導体基板の製造方法および窒化物半導体装置の製造方法は,光照射による窒化物半導体の熱分解を効率良く安定に行い,安定した基板の分離を行うことができ,窒化物半導体基板の製造方法および短波長半導体レーザや発光ダイオードなどの窒化物半導体装置の製造方法等に有用である。
本発明の実施の形態1に係る窒化物半導体基板の製造方法を説明するための工程断面図 本発明の実施の形態1に係る多層膜の周期数に対するGaN分解量および表面粗さの関係を示す図 本発明の実施の形態1に係る多層膜の特性調査に用いた試料の断面図 本発明の実施の形態2に係る窒化物半導体基板の製造方法を説明するための工程断面図 本発明の実施の形態2に係る多層膜の周期数に対するGaN分解量および表面粗さの関係を示す図 本発明の実施の形態2に係る多層膜の特性調査に用いた試料の断面図 本発明の実施の形態3に係る窒化物半導体装置の製造方法を説明するための工程断面図 本発明の実施の形態4に係る窒化物半導体装置の製造方法を説明するための工程断面図 本発明の実施の形態5に係る窒化物半導体装置の製造方法を説明するための工程断面図 本発明の実施の形態6に係る窒化物半導体装置の製造方法を説明するための工程断面図 従来の光照射による基板分離技術を説明する工程断面図
符号の説明
101 サファィア基板
102 多層膜
103 多層膜
104 GaN層
105 自立基板
106 GaN基板
201 サファィア基板
202 GaN層
203 多層膜
204 GaN層
205 自立基板
206 GaN基板
301 サファィア基板
302 GaN層
303 多層膜
304 n型GaN層
305 n型GaNクラッド層
306 InGaN活性層
307 p型AlGaNクラッド層
308 p型GaNコンタクト層
309 n型Si基板
310 正電極
311 負電極
312 発光ダイオード
401 サファィア基板
402 GaN層
403 多層膜
404 n型GaN層
405 n型GaNクラッド層
406 InGaN活性層
407 p型AlGaNクラッド層
408 p型GaNコンタクト層
409 n型Si基板
410 正電極
411 負電極
412 発光ダイオード
501 サファィア基板
502 AlN層
503 多層膜
504 n型GaN層
505 n型GaNクラッド層
506 InGaN活性層
507 p型AlGaNクラッド層
508 p型GaNコンタクト層
509 n型Si基板
510 正電極
511 負電極
512 発光ダイオード
601 サファィア基板
602 AlN層
603 多層膜
604 GaN層
605 多層膜
606 n型GaNクラッド層
607 InGaN活性層
608 p型AlGaNクラッド層
609 p型GaNコンタクト層
610 n型Si基板
611 正電極
612 負電極
613 発光ダイオード
701 サファィア基板
702 GaN層
703 自立基板
901 サファィア基板
902 GaN層
903 AlGaN/GaN多層膜
904 GaN層
1101 サファィア基板
1102 GaN層
1103 InGaN/GaN多層膜
1104 GaN層

Claims (27)

  1. 母材基板上に第1の窒化物半導体および,窒化物半導体基板となる第2の窒化物半導体を形成したのち,光照射により前記第1の窒化物半導体を分解して前記母材基板と前記第2の窒化物半導体を分離する窒化物半導体基板の製造方法であって,
    前記第1の窒化物半導体に隣接して,かつ少なくとも2種類以上の窒化物半導体が積層された多層膜を形成する工程を有することを特徴とする窒化物半導体基板の製造方法。
  2. 母材基板に第1の窒化物半導体を形成する工程と,
    前記第1の窒化物半導体上に少なくとも2種類以上の窒化物半導体が積層された多層膜を形成する工程と,
    前記多層膜上に第2の窒化物半導体を形成する工程と,
    光照射を行って前記第1の窒化物半導体を分解することにより前記第2の窒化物半導体を分離することを特徴とする窒化物半導体基板の製造方法。
  3. 前記多層膜を構成する窒化物半導体のうち,少なくとも1種類の窒化物半導体の熱伝導率は,前記第1の窒化物半導体の熱伝導率よりも小さいことを特徴とする請求項2に記載の窒化物半導体基板の製造方法。
  4. 前記多層膜を構成する窒化物半導体のうち,少なくとも1種類の窒化物半導体のバンドギャップエネルギーは,光照射に用いる光源のエネルギーよりも小さいことを特徴とする請求項2に記載の窒化物半導体基板の製造方法。
  5. 前記多層膜を構成する窒化物半導体の少なくとも1種類はAlまたはInを含む窒化物半導体であることを特徴とする請求項2または請求項3または請求項4のいずれかに記載の窒化物半導体基板の製造方法。
  6. 前記第2の窒化物半導体の分離後,前記多層膜を除去する工程を有することを特徴とする請求項2または請求項3または請求項4または請求項5のいずれかに記載の窒化物半導体基板の製造方法。
  7. 前記多層膜を除去する工程が研磨であることを特徴とする請求項6に記載の窒化物半導体基板の製造方法。
  8. 前記多層膜を除去する工程がエッチングであることを特徴とする請求項6に記載の窒化物半導体基板の製造方法。
  9. 母材基板上に第1の窒化物半導体および,第2の窒化物半導体を窒化物半導体基板とする窒化物半導体装置形成したのち,光照射により前記第1の窒化物半導体を分解して前記母材基板と前記窒化物半導体装置を分離する窒化物半導体装置の製造方法であって,
    前記第1の窒化物半導体に隣接して,かつ少なくとも2種類以上の窒化物半導体が積層された多層膜を形成する工程を有することを特徴とする窒化物半導体装置の製造方法。
  10. 母材基板に第1の窒化物半導体を形成する工程と,
    前記第1の窒化物半導体上に少なくとも2種類以上の窒化物半導体が積層された多層膜を形成する工程と,
    前記多層膜上に窒化物半導体装置の基板となる第2の窒化物半導体を形成する工程と,
    前記第2の窒化物半導体上に活性層を備える窒化物半導体装置を形成する工程と,
    光照射を行って前記第1の窒化物半導体を分解することにより前記窒化物半導体装置を分離することを特徴とする窒化物半導体装置の製造方法。
  11. 前記多層膜を構成する窒化物半導体のうち,少なくとも1種類の窒化物半導体の熱伝導率は,前記第1の窒化物半導体の熱伝導率よりも小さいことを特徴とする請求項10に記載の窒化物半導体装置の製造方法。
  12. 前記多層膜を構成する窒化物半導体のうち,少なくとも1種類の窒化物半導体のバンドギャップエネルギーは,光照射に用いる光源のエネルギーよりも小さいことを特徴とする請求項10に記載の窒化物半導体装置の製造方法。
  13. 前記多層膜を構成する窒化物半導体の少なくとも1種類はAlまたはInを含む窒化物半導体であることを特徴とする請求項10または請求項11または請求項12のいずれかに記載の窒化物半導体装置の製造方法。
  14. 前記窒化物半導体装置を分離後,前記多層膜を除去する工程を有することを特徴とする請求項9または請求項10または請求項11または請求項12または請求項13のいずれかに記載の窒化物半導体装置の製造方法。
  15. 前記多層膜を除去する工程が研磨であることを特徴とする請求項14に記載の窒化物半導体装置の製造方法。
  16. 前記多層膜を除去する工程がエッチングであることを特徴とする請求項14に記載の窒化物半導体装置の製造方法。
  17. 母材基板に少なくとも2種類以上の窒化物半導体が積層された多層膜を形成する工程と,
    前記多層膜上に第1の窒化物半導体を形成する工程と,
    前記第1の窒化物半導体上に窒化物半導体装置の基板となる第2の窒化物半導体を形成する工程と,
    前記第2の窒化物半導体上に活性層を備える窒化物半導体装置を形成する工程と,
    光照射を行って前記第1の窒化物半導体を分解することにより前記窒化物半導体装置を分離することを特徴とする窒化物半導体装置の製造方法。
  18. 前記多層膜を構成する窒化物半導体のバンドギャップエネルギーは,光照射に用いる光源のエネルギーよりも大きいことを特徴とする請求項17に記載の窒化物半導体装置の製造方法。
  19. 前記多層膜を構成する窒化物半導体の少なくとも1種類はAlまたはInを含む窒化物半導体であることを特徴とする請求項17または請求項18のいずれかに記載の窒化物半導体装置の製造方法。
  20. 母材基板に少なくとも2種類以上の窒化物半導体が積層された第1の多層膜を形成する工程と,
    前記多層膜上に第1の窒化物半導体を形成する工程と,
    前記第1の窒化物半導体上に少なくとも2種類以上の窒化物半導体が積層された第2の多層膜を形成する工程と,
    前記第2の多層膜上に窒化物半導体装置の基板となる第2の窒化物半導体を形成する工程と,
    前記第2の窒化物半導体上に活性層を備える窒化物半導体装置を形成する工程と,
    光照射を行って前記第1の窒化物半導体を分解することにより前記窒化物半導体装置を分離することを特徴とする窒化物半導体装置の製造方法。
  21. 前記第1の多層膜を構成する窒化物半導体のバンドギャップエネルギーは,光照射に用いる光源のエネルギーよりも大きいことを特徴とする請求項20に記載の窒化物半導体装置の製造方法。
  22. 前記第2の多層膜を構成する窒化物半導体のうち,少なくとも1種類の窒化物半導体の熱伝導率は,前記第1の窒化物半導体の熱伝導率よりも小さいことを特徴とする請求項20に記載の窒化物半導体装置の製造方法。
  23. 前記第2の多層膜を構成する窒化物半導体のうち,少なくとも1種類の窒化物半導体のバンドギャップエネルギーは,光照射に用いる光源のエネルギーよりも小さいことを特徴とする請求項20に記載の窒化物半導体装置の製造方法。
  24. 前記第1の多層膜および前記第2の多層膜を構成する窒化物半導体の少なくとも1種類はAlまたはInを含む窒化物半導体であることを特徴とする請求項20または請求項21または請求項22または請求項23のいずれかに記載の窒化物半導体装置の製造方法。
  25. 前記窒化物半導体装置を分離後,前記第2の多層膜を除去する工程を有することを特徴とする請求項20に記載の窒化物半導体装置の製造方法。
  26. 前記第2の多層膜を除去する工程が研磨であることを特徴とする請求項25に記載の窒化物半導体装置の製造方法。
  27. 前記第2の多層膜を除去する工程がエッチングであることを特徴とする請求項25に記載の窒化物半導体装置の製造方法。
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