JP2006179410A - 燃料電池用mea、およびこれを用いた燃料電池 - Google Patents

燃料電池用mea、およびこれを用いた燃料電池 Download PDF

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Abstract

【課題】内部抵抗を低減することでより発電性能に優れた燃料電池用MEAを提供する。
【解決手段】固体高分子電解質膜の両側に、電極触媒層およびガス拡散層を含む一対のガス拡散電極が配置されてなる燃料電池用MEAにおいて、 少なくとも一方の前記電極触媒層は、導電性繊維からなる電極基材と、前記電極基材に担持された触媒粒子と、前記電極基材および前記触媒粒子を被覆する固体高分子電解質と、を含み、かつ、前記電極触媒層と前記固体高分子電解質膜との間にプロトン伝導性を有する中間緩衝層を有している燃料電池用MEAにより上記課題を解決する。
【選択図】図1

Description

本発明は、燃料電池用MEAに関し、より詳細には内部抵抗が低減されることにより発電性能が向上された燃料電池用MEAに関する。
近年、エネルギー・環境問題を背景とした社会的要求や動向と呼応して、常温でも作動し高出力密度が得られる固体高分子型燃料電池が電気自動車用電源、定置型電源として注目されている。固体高分子型燃料電池は、フィルム状の固体高分子電解質膜を用いるのが特徴である。
固体高分子型燃料電池の構成は、一般的には、膜−電極接合体(以下、「MEA」とも記載する。)をセパレータで挟持した構造となっている。
MEAは、固体高分子電解質膜が一対のガス拡散電極、すなわち、アノード(燃料極)側ガス拡散電極およびカソード(酸素極)側ガス拡散電極により挟持されてなるものである。各ガス拡散電極は、固体高分子電解質および電極触媒を含む電極触媒層とガス拡散層とを有し、前記電極触媒層の少なくとも片面が固体高分子電解質膜に接している。
従来、前記ガス拡散電極を作製するには、カーボン粒子などの導電性担体に白金粒子などの触媒粒子が担持されてなる電極触媒および固体高分子電解質などを含む触媒スラリーを、スクリーンプリント法などを用いてカーボンペーパーなどからなるガス拡散層上に塗布・乾燥することにより、ガス拡散層上に電極触媒層を形成する方法が用いられていた。さらに、作製したガス拡散電極を用いて電極触媒層を内側にして固体高分子電解質膜を挟持した後、ホットプレスすることによりMEAを作製する方法などが一般的に用いられている。
前記MEAでは、以下のような電気化学的反応が進行する。まず、アノード側に供給された燃料ガスに含まれる水素は、触媒粒子により酸化され、プロトンおよび電子となる。次に、生成したプロトンは、アノード側電極触媒層に含まれる固体高分子電解質、さらにアノード側電極触媒層と接触している固体高分子電解質膜を通り、カソード側電極触媒層に達する。また、アノード側電極触媒層で生成した電子は、アノード側電極触媒層を構成している導電性担体、さらにアノード側電極触媒層の固体高分子電解質膜と異なる側に接触しているガス拡散層、ガスセパレータおよび外部回路を通してカソード側電極触媒層に達する。そして、カソード側電極触媒層に達したプロトンおよび電子はカソード側に供給されている酸化剤ガスに含まれる酸素と反応し水を生成する。燃料電池では、上述した電気化学的反応を通して、電気を外部に取り出すことが可能となる。
前記電気化学的反応は、主に、触媒粒子と、固体高分子電解質と、供給ガスとが接触する三相界面において生じる。従って、密度の高い三相界面を形成するために、燃料ガスおよび酸化剤ガスは電極触媒層内で均一に拡散している必要がある。
また、燃料電池の発電性能を向上させるためには、燃料電池の内部抵抗を低減することが重要となる。例えば、特許文献1には、電極触媒層とガス拡散層との間に導電性微粒子からなる層が配置された燃料電池が開示されている。該文献1によれば、密着性を向上させることにより電極触媒層とガス拡散層との間の接触抵抗を低減させ、これにより燃料電池の発電性能を向上させることが可能となり得る。
特開2000−123842号公報
しかしながら、該文献1のガス拡散電極によっても、未だ十分に高い発電性能が得られておらず、さらなる改善が所望されている。そこで、本発明が目的とするところは、内部抵抗を低減することでより発電性能に優れたMEAを提供することである。
本発明者は、上記課題に鑑みて鋭意検討した結果、導電性繊維からなる電極基材を用いることで、電極触媒層において連続した同一部材からなる電子伝導経路を確保することが可能となり、さらに、中間緩衝層を配置することで電極触媒層と固体高分子電解質膜との接触抵抗を低減させることも可能となり、上記課題を解決できることを見出した。
すなわち、本発明は、固体高分子電解質膜の両側に、電極触媒層およびガス拡散層を含む一対のガス拡散電極が配置されてなる燃料電池用MEAにおいて、少なくとも一方の前記電極触媒層は、導電性繊維からなる電極基材と、前記電極基材に担持された触媒粒子と、前記電極基材および前記触媒粒子を被覆する固体高分子電解質と、を含み、かつ、前記電極触媒層と前記固体高分子電解質膜との間に中間緩衝層を有している燃料電池用MEAにより上記課題を解決する。
本発明によれば、燃料電池用MEA内の構成部材間の内部抵抗などを低減することができる。従って、発電性能に優れる燃料電池用MEAを提供することができる。
本発明は、固体高分子電解質膜の両側に、電極触媒層およびガス拡散層を含む一対のガス拡散電極が配置されてなる燃料電池用MEAにおいて、少なくとも一方の前記電極触媒層は、導電性繊維からなる電極基材と、前記電極基材に担持された触媒粒子と、前記電極基材および前記触媒粒子を被覆する固体高分子電解質と、を含み、かつ、前記電極触媒層と前記固体高分子電解質膜との間に中間緩衝層を有している燃料電池用MEA(以下、単に「MEA」とも記載する)である。
まず、本発明のMEAの好適な一実施形態を図1に示す断面模式図を用いて説明する。図1において、MEA100は、固体高分子電解質膜110の両側に、アノード側電極触媒層131およびアノード側ガス拡散層132を有するアノード側ガス拡散電極130と、カソード側電極触媒層141およびカソード側ガス拡散層142を有するカソード側ガス拡散電極140が、それぞれ対向して配置された構成を有し、さらに、固体高分子電解質膜110とアノード側電極触媒層131およびカソード側電極触媒層141との間にそれぞれ中間緩衝層120を有する。
従来では、触媒粒子は、カーボン粒子などの導電性担体に担持させた電極触媒として電極触媒層中に含まれていた。電極触媒層内の電気化学的反応は触媒粒子表面で進行し、前記反応により生じた電子は導電性担体、ガス拡散層などを介して外部回路へと流れる。従って、電極触媒層を構成している構成部材による電気抵抗も、MEAの発電特性を低下させる要因となっていた。
これに対して、本発明のMEAは、電極触媒層に導電性繊維からなる電極基材を用い、前記導電性繊維に触媒粒子を担持させる。これにより、電極触媒層において、連続した同一部材からなる電子伝導経路を確保することが可能となり、構成部材による電気抵抗を低減させてMEAの発電性能を向上させることできる。また、電極基材を用いることで、電極触媒層を多孔質のシート状とすることができる。これにより、酸化剤ガスおよび燃料ガスを電極触媒層内で均一に分散させることができるだけでなく、電極触媒層内で生成した水分を外部へ速やかに排出させてフラッディング現象を抑制することもでき、良好な三相界面を形成することができる。
さらに、本発明のMEAは、上述した電極基材を用いた電極触媒層と固体高分子電解質膜との間に、プロトン伝導性を有する中間緩衝層が配置される。これにより、中間緩衝層は、電極触媒層と固体高分子電解質膜との接触性を向上させることができ、燃料電池用MEAの内部抵抗の低減が図れる。また、セルアッセンブリ時や燃料電池の運転中に加わる衝撃等により、ガス拡散電極を構成する導電性繊維などによる固体高分子電解質膜の破損を防止することができる。
以下、本発明をより詳細に説明する。
上記した電極触媒層に用いられる導電性繊維は、少なくとも炭素を含むものが好ましく用いられる。上述した通り、導電性繊維には触媒粒子が直接担持され、アノード側電極触媒層に含まれる触媒粒子表面で生成した電子を外部回路へ伝導させ、また、外部回路から移動してきた電子をカソード側電極触媒層に含まれる触媒粒子まで伝導させる必要がある。従って、電極触媒層を構成する部材には、少なくとも炭素を含むものなど、電子伝導性の高い繊維を用いるのが望ましい。
導電性繊維として、具体的には、アクリル繊維を原料とするPAN系炭素繊維;石油、ピッチまたはナフタレン系ピッチを原料とするピッチ系炭素繊維;フェノール樹脂を原料とするフェノール系炭素繊維;レーヨン系炭素繊維などのカーボン繊維などの炭素を含む導電性繊維などが挙げられる。
導電性繊維は、直径が1〜30μm、好ましくは5〜15μmであるものが好適に用いられる。直径が1μm未満であると得られる電極触媒層の機械的強度を低下させる恐れがあり、30μmを超えると得られる電極触媒層の空隙率などを低下させる恐れがある。なお、導電性繊維の直径は、例えば電子顕微鏡(SEM)を用いて観察像より測定することができる。
導電性繊維の目付量としては、10〜500g/m、好ましくは30〜200g/m程度のものを用いるのとよい。前記目付量が、10g/m未満では電極触媒層の強度が低下する恐れがあり、500g/mを超えると電極触媒層が厚くなりMEAの発電特性の低下や大型化などを招く恐れがある。
導電性繊維は、高い電子伝導性を有していればよいことから、上述した炭素繊維の他に、ステンレスなどの金属繊維を使用することもできる。
電極基材は、導電性繊維を用いた、織物、紙状抄紙体、不織布などの導電性及び多孔質性を有するシート状材料である。電極基材は、上述した導電性繊維を用いて作製してもよく、または、上述した導電性繊維からなる基材として市販されているものを用いてもよい。市販品としては、例えば、東レ株式会社製カーボンペーパTGPシリーズ、E−TEK社製カーボンクロス、SGLカーボン社製黒鉛繊維不織布などが挙げられる。
前記導電性繊維は、好ましくは、撥水性導電性繊維、および/または、親水性導電性繊維である。
電極触媒層には、電極反応により生成した水を外部へ迅速に排出させて、良好な三相界面を維持することが求められる。そこで、従来の電極触媒層では、PTFEなどの撥水剤の添加が行われていた。しかしながら、前記撥水剤は電気伝導性を有しないため、前記撥水剤を電極触媒層に添加するのは、MEAの内部抵抗の増加に繋がる恐れがあった。
これに対して、本発明では、電極触媒層に撥水性を付与するために、好ましくは撥水性導電性繊維を用いる。撥水性導電性繊維は、撥水性および導電性を兼ね備えた繊維であるため、電極触媒層に導電性を損ねることなく撥水性を付与することが可能となる。従って、MEAの内部抵抗の低減が図れ、高加湿、高電流密度など、多量の水が発生し易い運転条件下であっても、優れた性能を発揮することが可能なガス拡散電極が得られる。
また、低加湿、低電流運転密度などの運転条件下では、固体高分子電解質膜の乾燥が生じ易い。固体高分子電解質膜の乾燥は、プロトン伝導性を低下させ、結果として、発電性能の低下を招く。親水性導電繊維は、親水性および導電性を兼ね備えた繊維である。従って、電極触媒層に導電性繊維として前記親水性導電性繊維を用いることで、固体高分子電解質膜の高度な加湿の迅速な達成や固体高分子電解質膜の乾燥を防止することが可能となる。
電極基材には、MEAの運転条件や発電性能などを考慮して、前記撥水性導電性繊維または前記親水性導電性繊維のいずれか一方を用いればよい。しかしながら、電極基材には、前記撥水性導電性繊維および前記親水性導電性繊維の双方を用いるのが好ましい。これにより、撥水性および親水性を兼ね備えた電極触媒層とすることができ、広範な運転条件下にも耐えうるMEAとすることができる。
例えば、高電流密度、高加湿などの生成水が多く発生し易い運転条件下では、撥水性導電性繊維の密度を多くするのがよい。また、低加湿などの固体高分子電解質膜の乾燥を招き易い運転条件下では、親水性導電性繊維の密度を多くするのがよい。
前記撥水性導電性繊維と前記親水性導電性繊維とでは、表面状態が異なる。すなわち、前記導電性繊維に表面処理を行って繊維表面を改質することにより、導電性繊維に撥水性または親水性を付与するのである。
より具体的には、前記撥水性導電性繊維は、導電性繊維を、2000℃以上、特に2500℃以上で熱処理する方法などにより得られる。かような熱処理により、導電性繊維表面に存在するカルボキシル基、ラクトン基、ハイドロキノン基、およびキノン基等の親水性の表面官能基が減少し、導電性繊維に撥水性を付与することができる。熱処理雰囲気としては、窒素、ヘリウム、アルゴンなどの不活性ガス雰囲気中、水素、水素と不活性ガスとの混合ガスなどの還元性ガス雰囲気のいずれでもよい。撥水性導電性繊維を得る方法は上記方法に限定されず、導電性繊維の導電性を損なわずに表面を撥水性に改質できるのであれば、従来公知の方法を適宜参照して用いてもよい。
また、親水性導電性繊維に触媒粒子を担持した後、上記熱処理することにより触媒粒子が担持された撥水性導電性繊維としてもよい。親水性導電性繊維の方が触媒粒子を高分散担持できるため、前記手順によれば触媒粒子がより高分散担持された撥水性導電性繊維とすることができる。
前記親水性導電性繊維は、導電性繊維を、酸素ガス、水蒸気などによる気相法、プラズマ照射などの公知の技術を用いて、表面を酸化処理する方法などにより得られる。酸化処理することで導電性繊維表面のC−C結合の末端にカルボキシル基、フェノール基、ケトン基などの親水性の表面官能基が形成され、前記表面官能基は水分子の蒸気からの吸着を促進する活性サイトとして作用するとともに、吸着させた水分子間の水素結合を媒介として水の凝縮を促進することができ、これにより導電性繊維表面が改質されて親水性が付与されて濡れ性を向上させることができる。
気相法により親水性導電性繊維を得るには、350〜400℃の酸素ガス雰囲気下、または700〜1000℃の水蒸気中、などで導電性繊維表面を酸化処理すればよい。
また、プラズマ照射により親水性導電性繊維を得るには、従来一般的な装置を用いて行えばよく、簡便には常温常圧の空気中で放電するコロナ放電処理装置などを用いて行えばよい。
親水性導電性繊維を得る方法としては、上述した方法に限定されず、例えば、水素と酸素を反応させて発生した水蒸気を利用するパイロジェニック法(水素燃焼);過マンガン酸カリウム、硝酸、塩素酸塩、過硫酸塩、過硼酸塩、過炭酸塩、過酸化水素などを含む強酸化性水溶液による液相法;オゾン、窒素酸化物、空気などによる気相法など、導電性繊維表面を酸化処理する公知の各種技術を適宜用いることができる。
また、上述した説明において、撥水性導電性繊維および親水性導電性繊維として、炭素を含む導電性繊維を含むものを記載したが、これに限定されず、他にステンレスなどの金属繊維を含むものを用いることも可能である。導電性繊維として金属繊維を用いた場合、親水性導電性繊維は、上記と同様にして、酸素雰囲気でのプラズマ照射などにより金属繊維表面を酸化処理することにより得られる。また、撥水性導電性繊維は、フッ素系ガス雰囲気でのプラズマ照射などにより金属繊維表面を処理することにより得られる。
電極基材に、前記撥水性導電性繊維および前記親水性導電性繊維の双方を用いた場合、触媒粒子は、前記撥水性導電性繊維に担持されるのが好ましい。これにより、電極触媒層内の水を迅速に排除して触媒粒子に水素などのガスを効率的に接触させることができ、MEAの発電特性を向上させることができる。さらに、炭素を含む導電性繊維などは水分および触媒粒子が接触する部分で腐食を生じ易い。従って、撥水性導電性繊維に触媒粒子を担持させることにより前記腐食を抑制することもでき、長期に亘り安定した発電性能を示すことが可能となる。なお、触媒粒子は、前記撥水性導電性繊維および前記親水性導電性繊維の双方に担持されていてもよく、得られるMEAの特性を考慮して決定すればよい。
電極触媒層内では、外部から供給されたガスが均一に拡散されるのが望ましい。従って、電極触媒層内では生成水が局在化せずに、かつ、速やかに排出させる機能を備えているのが好ましい。しかしながら、酸化剤ガスなど外部から供給されるガスの流れに沿って電極触媒層内では生成水が局在化し易く、電極触媒層内でガスを均一に拡散させることが困難となり、発電性能の低下を招く恐れがある。従って、電極触媒層に用いる電極基材を、図1におけるa方向に示すように、ガス導入部からからガス排出部へ向かって撥水性導電性繊維の含有率を増加させてもよい。これにより、より効率的に生成水などを排除することが可能となる。かような場合には、撥水性導電性繊維および親水性導電性繊維からなる電極基材において触媒粒子を担持させる導電性繊維の種類は、特に制限されず、撥水性導電性繊維および親水性導電性繊維の双方またはどちらか一方に担持されていればよく、所望の発電性能が得られるように適宜決定すればよい。
前記触媒粒子としては、水素の酸化反応および/または酸素の還元反応に対して触媒作用を有するものであれば、特に限定されない。例えば、白金、ルテニウム、イリジウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、タングステン、鉛、鉄、クロム、コバルト、ニッケル、マンガン、バナジウム、モリブデン、ガリウム、アルミニウム等の金属、及びこれらの合金等からなる群から選択される少なくとも1種が挙げられる。また、前記触媒粒子は、白金単独で用いてもよいが、前記触媒粒子の安定性や活性を高めるために白金を主成分とする合金などであってもよい。
触媒粒子の平均粒径は、1〜30nmであることが好ましい。触媒粒子は、平均粒径が小さいほど比表面積が大きくなるため触媒活性も向上すると推測されるが、実際は、触媒粒子径を極めて小さくしても、比表面積の増加分に見合った触媒活性は得られない恐れがあるため、上記範囲とするのが好ましい。なお、本発明における「触媒粒子の平均粒径」は、X線回折における触媒金属の回折ピークの半値幅より求められる結晶子径あるいは透過型電子顕微鏡像より調べられる触媒粒子径の平均値により測定することができる。
電極触媒層における触媒粒子の担持量は、0.001〜10mg/cm、好ましくは0.005〜1mg/cm程度とするのがよい。担持量が少なすぎるとガス拡散電極の所望する発電量が得られない恐れがあり、担持量が多すぎても製造コストを増加させる恐れがある。なお、前記担持量は、電極触媒層に含まれる触媒粒子量(g)を、電極触媒層の固体高分子電解質膜と接触する面の面積(cm)で除した値とする。
電極触媒層では、固体高分子電解質が導電性繊維および触媒粒子の表面を被覆しているのが好ましい。これにより、高密度な三相界面を得ることが可能となる。固体高分子電解質が被覆する厚さは、得られるMEAの発電性能を考慮して適宜決定すればよいが、厚すぎると電極基材が有する空隙を閉塞する恐れがある。また、固体高分子電解質は、電極触媒層に含まれる導電性繊維および触媒粒子の表面の全てを被覆する必要はなく、少なくとも一部を被覆していればよい。
前記固体高分子電解質としては、従来の電極触媒層において一般的に用いられているのであれば特に限定されない。具体的には、Nafion(デュポン社登録商標)などのスルホン酸基を有するパーフルオロカーボン重合体、リン酸などの無機酸を炭化水素系高分子化合物にドープさせたもの、一部がプロトン伝導性の官能基で置換された有機/無機ハイブリッドポリマー、高分子マトリックスにリン酸溶液や硫酸溶液を含浸させたプロトン伝導体などの固体高分子電解質が挙げられる。
本発明のMEAでは、導電性繊維からなる電極基材を含む上述した電極触媒層と固体高分子電解質膜との間に、中間緩衝層を有する。これにより、電極触媒層と固体高分子電解質膜との接触性を向上させることができ、MEAの内部抵抗の低減が図れる。また、セルアッセンブリ時や燃料電池の運転中に加わる衝撃等により、電極触媒層を構成する導電性繊維などによる固体高分子電解質膜の破損を防止することができる。
前記中間緩衝層は、少なくともプロトン伝導性を有するプロトン伝導性電解質からなるものが挙げられ、具体的には、有機系化合物および/または無機系化合物を含むものなどが挙げられる。プロトン伝導性を有する材料で中間緩衝層を構成することにより、固体高分子電解質膜と触媒粒子とのプロトン伝導性を好適に確保することができる。
前記有機系化合物としては、従来からMEAなどにおいて固体高分子電解質などとして一般的に用いられているものであれば特に限定されずに用いることができ、スルホン酸基、またはカルボキシル基などの陽イオン交換基を少なくとも含むものが好ましく挙げられ、例えばNafion(デュポン社登録商標)などの前記陽イオン交換基を有するパーフルオロカーボン重合体などがある。
前記無機系化合物としては、P、SiO、B、GeO、またはAsのうちいずれか1つを含むのが好ましい。なかでも、P、SiOが好ましく挙げられる。また、得られる中間緩衝層の安定性などを確保するためにアルカリ金属、アルカリ土類金属などの第二成分等が含まれてもよい。例えば、P−ZrO−SiO含水ガラスは多量の水を吸収することによって高いプロトン伝導性を示し、水にも溶解することがないという特徴があり、無機系化合物特有の高温安定性が高いというメリットがある。
また、プロトン伝導性だけでなく、耐久性、柔軟性なども向上させるために、中間緩衝層は、前記有機系化合物および前記無機系化合物の混合物からなってもよい。
前記混合物の形態としては、特に限定されないが、有機系化合物から構成される膜に無機系化合物が分散されている形態などが挙げられる。かような場合において、無機系化合物の形状は粉末状、板状、針状、球状、繊維状などが挙げられ、無機系化合物の分散状態は中間緩衝層中に偏在してもよく均一に分散されていてもよい。無機系化合物の表面に有機系化合物が結合した形態など、有機系化合物と無機系化合物が共有結合などにより複合化されているのが好ましい。
中間緩衝層を構成する有機化合物および/または無機化合物などのプロトン伝導性電解質は、電極触媒層に含まれる固体高分子電解質と、接触しているのが好ましい。これにより、中間緩衝層と電極触媒層とで連通したプロトン伝導経路を確保でき、MEAのプロトン伝導性を向上させることができる。
中間緩衝層の厚さは、0.1〜20μm、好ましくは1〜10μm程度とするのがよい。厚さが、0.1μm未満であると中間緩衝層によって期待するほどの効果が得られない恐れがあり、20μmを超えると却ってプロトン伝導性を低下させる恐れがあるため、上記範囲内とするのが好ましい。
また、本発明のMEAにおいて、中間緩衝層の大きさを、前記電極触媒層よりも大きくするのが好ましい。これにより、中間緩衝層を電極触媒層の外淵部より外側まで配置させることができ、ガス拡散電極に含まれる親水性導電性繊維、撥水性導電性繊維などによる固体高分子電解質膜の破損をより効果的に防止することができる。
中間緩衝層は空隙を有していてもよい。これにより、応力の吸収性に優れた中間緩衝層が得られ、固体高分子電解質膜の破損をより効果的に防止することが可能となる。また、前記空隙内に水などを吸収できるため、中間緩衝層に保水性を付与することができ、ガス拡散電極の水分を制御することも可能となる。
本発明のMEAにおいて、上述した電極触媒層および中間緩衝層は、アノードおよびカソードの少なくとも一方に用いられればよいが、排水性およびガス拡散性などに優れることからカソードとして用いるのが好ましい。カソードに上述した電極触媒層および中間緩衝層を用いた場合、アノードには上述した電極触媒層および中間緩衝層の他、MEAに用いられる従来公知のアノード用電極触媒層を適用すればよい。しかし、電子伝導性およびガス透過性などに優れることからアノードおよびカソードの双方に、上述した電極触媒層および中間緩衝層が用いられるのがより好ましい。
本発明のMEAに用いられる固体高分子電解質膜としては、特に限定されず、電極触媒層に用いたものと同様のプロトン伝導性電解質からなる膜が挙げられる。また、デュポン社製の各種のNafion(登録商標)やフレミオン(登録商標)に代表されるパーフルオロスルホン酸膜、ダウケミカル社製のイオン交換樹脂、エチレン-四フッ化エチレン共重合体樹脂膜、トリフルオロスチレンをベースポリマーとする樹脂膜などのフッ素系高分子電解質や、スルホン酸基を有する炭化水素系樹脂系膜など、一般的に市販されている固体高分子型電解質膜、高分子微多孔膜に液体電解質を含浸させた膜、多孔質体に高分子電解質を充填させた膜などを用いてもよい。前記固体高分子電解質膜に用いられる固体高分子電解質と、電極触媒層に用いられるプロトン伝導性電解質とは、同じであっても異なっていてもよいが、電極触媒層と固体高分子電解質膜との密着性を向上させる観点から、同じものを用いるのが好ましい。
前記固体高分子電解質膜の厚さとしては、得られるMEAの特性を考慮して適宜決定すればよい。
本発明のMEAに用いられるガス拡散層としては、従来公知のものであれば特に制限なく用いることができる。具体的には、炭素製の織物、紙状抄紙体、フェルト、不織布といった導電性及び多孔質性を有するシート状材料を基材とするものなどが挙げられる。より具体機には、カーボンペーパ、カーボンクロス、カーボン不織布などが好ましく挙げられる。
前記ガス拡散層の厚さは、得られるガス拡散層の特性を考慮して適宜決定すればよいが、30〜500μm程度とすればよい。厚さが、30μm未満であると十分な機械的強度などが得られない恐れがあり、500μmを超えるとガスや水などが透過する距離が長くなり望ましくない。
前記ガス拡散層は、撥水性をより高めてフラッディング現象などを防ぐために、前記基材に撥水剤が含まれているのが好ましい。前記撥水剤としては、特に限定されないが、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリヘキサフルオロプロピレン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)などのフッ素系の高分子材料、ポリプロピレン、ポリエチレンなどが挙げられる。
また、撥水性をより向上させるために、前記ガス拡散層は、前記基材上に撥水剤を含むカーボン粒子の集合体からなる導電性微粒子層を有するものであってもよい。
前記カーボン粒子としては、特に限定されず、カーボンブラック、黒鉛、膨張黒鉛などの従来一般的なものであればよい。なかでも、電子伝導性に優れ、比表面積が大きいことから、オイルファーネスブラック、チャネルブラック、ランプブラック、サーマルブラック、アセチレンブラックなどのカーボンブラックが好ましく挙げられる。
前記カーボン粒子は、市販品を用いることができ、キャボット社製バルカンXC−72、バルカンP、ブラックパールズ880、ブラックパールズ1100、ブラックパールズ1300、ブラックパールズ2000、リーガル400、ライオン社製ケッチェンブラックEC、三菱化学社製#3150、#3250などのオイルファーネスブラック;電気化学工業社製デンカブラックなどのアセチレンブラック等が挙げられる。またカーボンブラックのほか、天然の黒鉛、ピッチ、コークス、ポリアクリロニトリル、フェノール樹脂、フラン樹脂などの有機化合物から得られる人工黒鉛や炭素などがある。
前記カーボン粒子の粒径は、10〜100nm程度とするのがよい。これにより、毛細管力による高い排水性が得られるとともに、電極触媒層との接触性も向上させることが可能となる。
前記導電性微粒子層に用いられる撥水剤としては、前記基材に用いられる上述した撥水剤と同様のものが挙げられる。なかでも、撥水性、電極反応時の耐食性などに優れることから、フッ素系の高分子材料が好ましく用いられる。
前記導電性微粒子層における、カーボン粒子と撥水剤との混合比は、カーボン粒子が多過ぎると期待するほど撥水性が得られない恐れがあり、撥水剤が多過ぎると十分な電子伝導性が得られない恐れがある。これらを考慮して、導電性微粒子層におけるカーボン粒子と撥水剤との混合比は、質量比で、90:10〜40:60程度とするのがよい。
前記導電性微粒子層の厚さは、得られるガス拡散層の撥水性を考慮して適宜決定すればよい。
本発明のMEAの製造方法について、以下に記載する。しかしながら、下記に記載する方法は、本発明の好適な一実施形態を示すものであり、本発明の方法が下記方法に限定されるわけではなく、従来公知の方法を適宜適用してもよい。
(電極基材の作製)
まず、電極触媒層に用いる電極基材を、導電性繊維を用いて作製する方法としては、例えば、導電性繊維を所定の数で一まとめに撚って束とし、この束を複数用いて平織りなどによりシート状に成形する方法などがある。
前記導電性繊維を一まとめに撚る本数としては、得られるガス拡散電極の厚さ、空隙率などを考慮して適宜決定すればよい。また、所望する太さが得られるように、一まとめに撚った2本以上の前記導電性繊維束をさらに束ねてもよい。
前記導電性繊維を一まとめに撚る本数として、具体的には、好ましくは20〜100本、より好ましくは40〜60本程度の導電性繊維を用いて一まとめに撚って束とするのがよい。20本未満の導電性繊維からなる束であると得られる電極触媒層の強度が低下する恐れがあり、100本を越える導電性繊維からなる束であると電極触媒層の空隙率が減少してガス透過性、生成水の排出性能などを低下させる恐れがある。
このようにして前記導電性繊維束を複数用意しこれをシート状に成形するには、導電性繊維束を経糸および緯糸として互いに交差させて織り込む平織りなどの方法を用いて行えばよい。また、所望する電極基材が得られるのであれば特に限定されず、平織りの他に、綾織り、繻子織りなど、公知の方法を用いてシート状に成形すればよい。得られた電極基材は、ローラー、プレス装置などを用いて表面を平滑にしてもよい。
撥水性導電性繊維または親水性導電性繊維を含む電極基材とする場合には、導電性繊維をシート状に成形した後、これを熱処理するなど上述した導電性繊維表面を改質する方法を用いて、導電性繊維表面を撥水性または親水性に改質すればよい。また、導電性繊維表面を予め改質して撥水性導電性繊維または親水性導電性繊維とした後、シート状に成形してもよい。
撥水性導電性繊維および親水性導電性繊維の双方を含む電極基材とする場合には、まず、導電性繊維を上述した方法を用いて表面改質を行うことにより、撥水性導電性繊維および親水性導電性繊維を作製し、この撥水性導電性繊維および親水性導電性繊維をそれぞれ所定の数で一まとめに撚って束にし、得られた撥水性導電性繊維からなる束と親水性導電性繊維からなる束とを撚ってさらに一本の束にする。この束を複数用いて平織りなどでシート状に成形して電極基材とする方法などが用いられる。撥水性導電性繊維からなる束と親水性導電性繊維からなる束とをよってさらに束にする際に、各導電性繊維の束の本数や割合などは、得られる電極基材の特性を考慮して適宜決定すればよい。
また、親水性導電性繊維からなる束と、撥水性導電性繊維からなる束と、を別々のまま用いて平織りなどすることにより、シート状に成形する方法などであってもよく、所望する電極基材が得られるように適宜決定すればよい。
電極基材において、ガス導入部からガス排出部に向かって撥水性導電性繊維の含有量を増加させるには、撥水性導電性繊維からなる束および親水性導電性繊維からなる束を平織りなどによりシート状に成形する際に、それぞれの束の編み込む密度などを適宜調整すればよい。
また、撥水性導電性繊維および親水性導電性繊維を含む電極基材において、撥水性導電性繊維のみに触媒粒子を担持させるには、電極基材に触媒粒子を担持させる後述の方法と同様の方法を用いて、撥水性導電性繊維に所定量の触媒粒子を予め担持させればよい。
(触媒粒子の担持)
電極基材に触媒粒子を担持させるには、例えば、触媒化合物溶液に、電極基材を浸漬させた後、還元剤などを添加することにより触媒粒子を担持させる方法が挙げられる。かような方法によれば、触媒粒子を導電性繊維表面に高分散担持することができ、触媒粒子の凝集を抑制することができる。前記電極基材は、上述した方法により作製した電極基材のほか、市販品を用いてもよい。
前記触媒化合物溶液としては、触媒粒子としてPtを用いる場合には、例えば、塩化白金酸、塩化アンミン白金、ジニトロジアンミン白金などの触媒粒子の元素を含む化合物を含有する溶液を用いることができる。触媒粒子を白金合金とするには、前記触媒化合物溶液に白金の他に所望する触媒粒子の硝酸塩、塩化物、硫酸塩などの化合物を分散させればよい。また、触媒粒子の元素を含む化合物を添加する溶媒としては、水、および/またはアルコール系溶媒などを用いることができる。また、触媒化合物溶液における触媒粒子濃度などは、得られる電極触媒層に所望する量の触媒粒子が担持されるように適宜決定すればよい。
還元剤としては、触媒粒子の元素を含む化合物を還元できるものであれば特に限定されず、チオ硫酸ナトリウム、クエン酸、クエン酸ナトリウム、L−アスコルビン酸、水素化ホウ素ナトリウム、ヒドラジン、ホルムアルデヒド、メタノール、エタノール、水素、エチレン、一酸化炭素などを用いることができる。前記還元剤を添加することにより、電極基材を構成する導電性繊維上に触媒化合物を触媒粒子として担持させることができる。
上述の触媒化合物溶液に電極基材を浸漬させた後、特に限定されないが、前記還元剤を適量加え、60〜100℃に加熱し、その後、室温まで放冷することにより触媒粒子の還元担持を行うことができる。
次に、上述の通りにして、触媒粒子を担持させた後、電極基材を乾燥させる。また、必要に応じて焼成を行ってもよい。
乾燥方法としては、真空乾燥、自然乾燥、ロータリーエバポレーター、沿送風乾燥機による乾燥など、公知の方法を用いればよく特に限定されない。乾燥時間などは、使用する方法に応じて適宜決定すればよい。
焼成方法としては、窒素、ヘリウム、アルゴンなどの不活性雰囲気中で、焼成温度300〜1000℃、好ましくは300〜600℃の範囲で、1〜6時間程度、行えばよい。
電極基材に触媒粒子を担持させる方法として、還元剤を用いる上述した方法の他、含浸法、共沈法、競争吸着法、マイクロエマルジョン(逆ミセル法)などの方法を適用することができる。また、スパッタ、蒸着などのPVD法を用いてもよい。
(固体高分子電解質の被覆)
触媒粒子が担持された電極基材を、固体高分子電解質で被覆するには、固体高分子電解質を含むスラリーを、フローコーティング法、スプレー法、スクリーン印刷法、ドクターブレード法などを用いて、電極基材に塗布した後、所望する深さまで含浸させ、乾燥させればよい。
前記スラリーとしては、固体高分子電解質を、水および/またはアルコールなどの溶媒に溶解させたもの等が用いられる。
固体高分子電解質が、電極基材の内部や表面を被覆する厚さなどが所望の値となるようにするには、前記スラリーを塗布・乾燥させる作業を繰り返したり、前記スラリーの濃度を調整したり、することにより行えばよい。また、前記スラリーを塗布した後に、アスピレータ等を用いて電極基材背面から前記スラリーを吸引してもよい。
塗布した前記スラリーを乾燥させるには、特に限定されないが、窒素、アルゴン、ヘリウムなどの不活性雰囲気下で、20〜120℃、好ましくは60〜100℃で行えばよい。これにより、固体高分子電解質の酸化劣化などを防止して、電極触媒層を形成する事が出来る。
また、固体高分子電解質を含浸させる方法としては、固体高分子電解質を含む前記スラリーに、電極基材を浸漬させた後に所定の速度で引き上げ、これを乾燥させる方法、前記スラリーを電極基材に塗布した後、ローラーなどで含浸させる方法、などを用いることもできる。
このように、電極基材に触媒粒子を担持させた後、固体高分子電解質を含浸させることにより、導電性繊維と触媒粒子との間に固体高分子電解質が介在しない好適な接触状態を維持することができ、さらに、導電性繊維および触媒粒子の表面を固体高分子電解質が被覆することにより、高密度の三相界面を形成することが可能となる。
(中間緩衝層の作製)
電極触媒層と固体高分子電解質膜との間に中間緩衝層を作製する方法として、有機系化合物のみからなる中間緩衝層を製造する場合には、有機系化合物を水やアルコールなどの溶媒に溶解させた溶液を、電極触媒層、固体高分子電解質膜上などの基材上に、塗布および乾燥させることにより得られる。
前記有機系化合物を溶解させた前記溶液としては、例えば、イソプロピルアルコールとNafion(デュポン社登録商標)の混合液のようなスルホン酸基を有するパーフルオロカーボン重合体が1〜20質量%程度溶解された溶液などが挙げられる。
前記塗布方法としては、特に限定されず、前記溶液の濃度を適宜調整することにより、フローコーティング法、スプレー法、スクリーン印刷法、ドクターブレード法など公知の方法を用いて行えばよい。また、得られる中間緩衝層が所望の厚さを有するように、前記溶液の濃度、塗布回数、塗布スピードなどを調整するとよい。
前記乾燥方法としては、特に限定されないが、窒素、アルゴン、ヘリウムなどの不活性雰囲気下で、20〜120℃、好ましくは60〜100℃程度で行えばよい。
また、無機系化合物からなる中間緩衝層を製造する場合には、P、SiO、B、GeO、またはAs等の無機系化合物を構成する金属を少なくとも1つ含む金属アルコキシドを含有するゾル溶液を、十分に乾燥させて乾燥ゲルを得る方法などが挙げられる。
前記金属アルコキシドとしては、例えば、テトラメトキシシラン(TMOS、Si(OCH)、テトラエトキシシラン(TEOS、Si(OC)、グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(GPTS、(OCHSiO(CHOCHCHO)、リン酸トリエチル(PO(OC)やリン酸トリメチル(PO(OCH)などが挙げられる。
前記ゾル溶液は、金属アルコキシドを水およびアルコールなどの溶媒に添加することにより得られる。また、前記ゾル溶液には、ゲル化速度を調整するために、塩酸、アンモニアなどの、酸や塩基を触媒として添加してもよい。
前記ゾル溶液を、固体高分子電解質膜または電極触媒層の基材上に、上記したのと同様の塗布方法で塗布した後、常温で数週間程度放置したり、あるいは150℃程度で1〜24時間ほど放置したり、することにより乾燥ゲルとしたものを中間緩衝層として用いることができる。
これに限定されず、前記ゾル溶液を30〜80℃程度に保持して加水分解によるゲル化反応を進行させることによって得られる湿潤ゲルを、固体高分子電解質膜または電極触媒層の基材上に塗布した後、これを30〜50℃程度で乾燥させ乾燥ゲルとしたものを中間緩衝層として用いることなどもできる。
得られる中間緩衝層が所望する厚さとなるように、前記ゾルまたは前記湿潤ゲルを塗布および乾燥させる工程を繰り返し行うとよい。
また、前記ゾルまたは前記湿潤ゲルを用いて、別途、シート状に作製した乾燥ゲル膜を、固体高分子電解質膜および電極触媒層とホットプレスなどで接合することにより、中間緩衝層を作製してもよい。前記乾燥ゲル膜は、安定した高いプロトン伝導性を得るために、500〜1000℃程度の温度でさらに熱処理してもよい。
無機系化合物と有機系化合物との混合物からなる中間緩衝層を製造する場合には、例えば、上述した有機系化合物のみからなる中間緩衝層の製造において用いる、水やアルコールなどの溶媒に有機系化合物を溶解させた溶液に、無機系化合物を添加して、これを塗布および乾燥させる方法などが挙げられる。
この時、前記無機系化合物の形状としては、粉末状、板状、針状、球状、繊維状などが挙げられ、特に限定されない。前記無機系化合物の添加量などは、得られる中間緩衝層の耐久性、柔軟性などを考慮して適宜決定すればよい。
塗布および乾燥方法としては、有機系化合物のみからなる中間緩衝層の製造においてした説明と同様であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
また、かような方法の他に、無機系化合物からなる中間緩衝層の製造において用いるゾル溶液に、有機系化合物溶液を添加し、これを乾燥させる方法により、無機系化合物と有機系化合物との混合物からなる中間緩衝層を製造してもよい。
前記有機系化合物溶液としては、水やアルコールなどの溶媒に有機系化合物を溶解させた溶液などが挙げられる。これは、上述した有機系化合物のみからなる中間緩衝層の製造においてした説明と同様であるため、ここではその説明を省略する。
前記ゾル溶液に、前記有機系化合物溶液を添加する以外は、上述の無機系化合物からなる中間緩衝層の製造と同様にして行えばよい。
本発明のMEAにおいて、中間緩衝層または電極触媒層の少なくとも一方に含まれる固体高分子電解質またはプロトン伝導性電解質が濡れている状態で中間緩衝層および電極触媒層を接触させる方法を用いるとよい。その後、固体高分子電解質膜を接触させ、ホットプレスなどの接合法によって接合させることにより、中間緩衝層、電極触媒層、および固体高分子電解質膜に含まれるプロトン伝導性電解質が連通した構成とすることができ、プロトン伝導性を向上させることができる。また、中間緩衝層と電極触媒層とを接触させる際に、電極触媒層は内部だけでなく表面まで固体高分子電解質が塗布されているとよい。
また、中間緩衝層を電極触媒層の外淵部より外側まで配置するためには、上述した有機系化合物溶液やゾル溶液などを固体高分子電解質膜に塗布する際に、得られる中間緩衝層が電極触媒層よりも大きくなるように塗布した後、電極触媒層の外淵部より外側まで配置されるように電極触媒層と接触させる方法などを用いればよい。
上述した電極触媒層および中間緩衝層の作製方法は、MEAの少なくともカソード側を作製する際に用いられる。この時、アノード側の作製方法としては、上述した方法の他、従来公知の方法を用いればよい。
(ガス拡散層の作製)
ガス拡散層に撥水剤を含有させる場合には、一般的な撥水処理方法を用いて行えばよい。例えば、ガス拡散層に用いられる基材を撥水剤の分散液に浸漬した後、オーブン等で加熱乾燥させる方法などが挙げられる。
基材上に導電性微粒子層を有するガス拡散層を形成する場合には、カーボン粒子、撥水剤等を、水、パーフルオロベンゼン、ジクロロペンタフルオロプロパン、メタノール、エタノール等のアルコール系溶媒などの溶媒中に分散させることによりスラリーを調製し、前記スラリーを基材上に塗布し乾燥、もしくは、前記スラリーを一度乾燥させ粉砕することで粉体にし、これを前記基材上に塗布する方法などを用いればよい。その後、マッフル炉や焼成炉を用いて250〜400℃程度で熱処理を施すのが好ましい。
MEAの製造方法としては、特に限定されないが、例えば、中間緩衝層、電極触媒層、およびガス拡散層などを用いて固体高分子電解質膜を挟持した後、これをホットプレス法などを用いて接合する方法などを適宜用いればよい。
ホットプレスは、好ましくは110〜170℃で、電極面に対して1〜5MPaのプレス圧力で行うのがよい。これにより接合性を高めることができる。
本発明のMEAは、上述した各種特性を有することから、燃料電池に用いることにより、高電流密度、高加湿、低加湿、および低電流密度などの広範な運転条件に対して優れた発電特性を示す燃料電池を提供することが可能となる。従って、前記燃料電池によれば、燃料電池システムの高効率化、小型化、軽量化を図ることができ、定置用電源の他、搭載スペースが限定される車両などの移動体用電源などとして有用である。
前記燃料電池の種類としては、特に限定されず、上記した説明中では固体高分子型燃料電池を例に挙げて説明したが、この他にも、アルカリ型燃料電池、リン酸型燃料電池などが挙げられる。なかでも小型かつ高密度・高出力化が可能であるから、固体高分子型燃料電池が好ましく挙げられる。また、前記燃料電池は、搭載スペースが限定される車両などの移動体用電源などとして有用である。
前記燃料電池の構成としては、特に限定されず、従来公知の技術を適宜利用すればよいが、一般的にはMEAをセパレータで挟持した構造を有する。MEAを挟持するセパレータとしては、緻密カーボングラファイト、炭素板等のカーボン製や、ステンレス等の金属製のものなど、従来公知のものであれば制限なく用いることができる。セパレータは、空気と燃料ガスとを分離する機能を有するものであり、それらの流路を確保するための流路溝が形成されてもよい。セパレータの厚さや大きさ、流路溝の形状などについては、特に限定されず、得られる燃料電池の出力特性などを考慮して適宜決定すればよい。
さらに、燃料電池が所望する電圧等を得られるように、セパレータを介してMEAを複数積層して直列に繋いだスタックを形成してもよい。燃料電池の形状などは、特に限定されず、所望する電圧などの電池特性が得られるように適宜決定すればよい。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明する。なお、本発明は、これらの実施例のみに限定されることはない。
<実施例1>
(1)電極触媒層の作製
カーボンペーパ(東レ株式会社製 TGP−H−030、厚さ110μm)を、50mm角に打ち抜き、電極基材を用意した。この電極基材を、ジニトロジアンミン白金水溶液(Pt濃度1.0質量%)に浸漬させ、前記溶液に還元剤としてエタノール50mlを混合して1時間攪拌した。その後、30分で85℃まで加温し、さらに、85℃で6時間撹拌・混合した後、1時間で室温まで降温した。次いで、電極基材を引き上げた後、減圧下85℃において12時間乾燥することにより、電極基材に白金粒子(平均粒径2.5nm)を担持させた。
白金粒子が担持された電極基材に、Nafion(登録商標)/イソプロピルアルコール溶液(デュポン社製、Nafion5wt%含有)をイソプロピルアルコールにより濃度3wt%に調整した固体高分子電解質溶液を窒素雰囲気下でフローコーティング法により塗布・含浸させた後、窒素雰囲気中で60℃、60分間乾燥させることにより、電極基材および白金粒子を固体高分子電解質により被覆し、電極触媒層を得た。
(2)中間緩衝層の作製
前記電極触媒層の片面に、上記と同様の固体高分子電解質溶液を、窒素雰囲気下でフローコーティング法により塗布させた後、窒素雰囲気中で60℃、60分間乾燥させる工程を3回繰り返すことにより、電極触媒層の片面に中間緩衝層を作製した。
(3)ガス拡散層の作製
カーボンペーパ(東レ株式会社製カーボンペーパTGP−H−060、厚さ190μm)を50mm角に打ち抜いたガス拡散基材を準備した。このガス拡散基材を、PTFEのフッ素系水性ディスパージョン溶液(ダイキン工業社製 ポリフロンD−1E、PTFE60wt%含有)を純水で所定の濃度に調整した溶液中に5分浸漬させた後、オーブン内にて60℃、30分間乾燥させることにより、カーボンペーパ中にPTFEを分散させた。このとき、PTFE含有量は25wt%であった。これにより、撥水処理されたガス拡散基材を得た。
続いて、カーボンブラック(CABOT社製 VULCAN(登録商標) XC−72R)5.4gと、上記で用いたのと同じPTFEのフッ素系水性ディスパージョン溶液1.0gと、水29.6gとを、ホモジナイザーにて3時間混合分散し、スラリーを調製した。このスラリーを、先に作製した撥水処理されたガス拡散基材の一方の面にバーコーターにより均一に塗布し、オーブン内にて60℃、1時間乾燥させた後、さらにマッフル炉にて350℃、1時間熱処理を行った。これにより、ガス拡散基材上に導電性微粒子層が形成されたガス拡散層を得た。導電性基材に形成された導電性微粒子層の重量は3mg/cmであった。
(4)MEAの作製
先に作製した中間緩衝層を有する電極触媒層を2枚を用いて中間緩衝層が内側になるようにして、固体高分子電解質膜としてNafion112(100mm角、厚さ約50μm)の両側に配置し、さらにその外側にガス拡散層を導電性微粒子層が内側となるようにして挟持した後、ホットプレス法により150℃、2MPaで300秒間プレスすることによりMEAを作製した。
その後、作製したMEAの両面にガス流路付きガスセパレータ、シール材を配置し所定の面圧になるように締め付け、固体高分子型燃料電池とした。
<実施例2>
直径7〜8μmのカーボン繊維を、水素雰囲気中、2800℃で、3時間熱処理することにより、撥水性導電性繊維を得た。前記撥水性導電性繊維を、ジニトロジアンミン白金水溶液(Pt濃度1.0質量%)に浸漬させ、前記溶液に還元剤としてエタノール50mlを混合して1時間攪拌した。その後、30分で85℃まで加温し、さらに、85℃で6時間撹拌・混合した後、1時間で室温まで降温した。次いで、前記撥水性導電性繊維を引き上げた後、減圧下85℃において12時間乾燥することにより、前記撥水性導電性繊維に白金粒子(平均粒子径2.5nm)を担持させた。
次に、直径7〜8μmのカーボン繊維を、水蒸気を含む不活性ガス雰囲気中で約900℃で、5時間熱処理することにより、親水性導電性繊維を得た。
白金粒子が担持された撥水性導電性繊維および親水性導電性繊維をそれぞれ25本を一まとめに撚り、さらにこの撚り糸2本をひとまとめに撚り、前記撥水性導電性繊維および前記親水性導電性繊維からなる束を複数用意した。これらの束を用いて平織りする事により、カーボンクロスを作製した。この作製したカーボンクロスを50mm角に打ち抜いて電極基材とした。
上記の通りにして得られた電極基材を用いた以外は、実施例1と同様にしてMEAおよび燃料電池を作製した。
<実施例3>
実施例2の電極基材の作製において、撥水性導電性繊維および親水性導電性繊維からなる束を複数用意する際に、撥水性導電性繊維と親水性導電性繊維との割合が異なる束を複数用意し、これらの束を平織りする際に、得られるカーボンクロスのガス排出部における撥水性導電性繊維の密度が高くなるようにして、カーボンクロスを作製した。カーボンクロスにおける撥水性導電性繊維および親水性導電性繊維の密度は、ガス導入部側(50mm×25mm)では撥水性導電性繊維と親水性導電性繊維の割合を繊維本数比で1:2とし、ガス排出部側(50mm×25mm)では撥水性導電性繊維と親水性導電性繊維の割合を繊維本数比で2:1とした。
上記の通りにして得られた電極基材を用いた以外は、実施例1と同様にしてMEAおよび燃料電池を作製した。
<実施例4>
カーボンペーパ(東レ株式会社製 TGP−H−030、厚さ110μm)を、50mm角に打ち抜いた後、水蒸気を含む不活性ガス雰囲気中で約900℃で、約5時間熱処理することにより、親水性導電性繊維からなる電極基材を得た。
得られた電極基材を用いた以外は、実施例1と同様にしてMEAおよび燃料電池を作製した。
<実施例5>
カーボンペーパ(東レ株式会社製 TGP−H−030、厚さ110μm)を、50mm角に打ち抜いた後、水素雰囲気中、2800℃で、3時間熱処理することにより、撥水性導電性繊維からなる電極基材を得た。
得られた電極基材を用いた以外は、実施例1と同様にしてMEAおよび燃料電池を作製した。
<比較例1>
白金担持カーボン(田中貴金属工業社製 TEC10E50E、白金含量46.5wt%)10g、ナフィオン/イソプロピルアルコール溶液(デュポン社製、ナフィオン5wt%含有、イオン交換基当量重量1100g/mol)90g、純水25g、イソプロピルアルコール(和光純薬工業社製 特級試薬)10gを、20℃で保持するよう設定したウォーターバス中のガラス容器にて、ホモジナイザーを用いて3時間混合分散することで、電極触媒インクとした。
実施例1と同様にして作製したガス拡散層の導電性微粒子層が形成された面上に、スクリーンプリンターを用いて先に調製した電極触媒インクを塗布し、オーブン中で100℃、30分間乾燥させた後、一辺50mmの正方形に切り出すことにより、ガス拡散層上に電極触媒層が形成されたガス拡散電極を得た。
電解質膜としてNafion112(100mm角、厚さ約50μm)を用い、これを先に作製したガス拡散電極2枚を用いて、電極触媒層が内側となるようにして挟持した後、ホットプレス法により150℃、圧力2MPaで300秒間プレスして、固体高分子電解質膜の両面にガス拡散電極を接合一体化し、MEAを形成した。
その後、作製したMEAの両面にガス流路付きガスセパレータ、シール材を配置し所定の面圧になるように締め付け、固体高分子型燃料電池とした。
内部抵抗などが低減された、本発明のMEAは、長期に亘って高い発電性能が所望される燃料電池に有用である。
本発明のMEAの断面模式図を示す。
符号の説明
100…MEA、110…固体高分子電解質膜、120…中間緩衝層、130…アノード側ガス拡散電極、131…アノード側電極触媒層、132…アノード側ガス拡散層、140…カソード側ガス拡散電極、141…カソード側電極触媒層、142…カソード側ガス拡散層。

Claims (10)

  1. 固体高分子電解質膜の両側に、電極触媒層およびガス拡散層を含む一対のガス拡散電極が配置されてなる燃料電池用MEAにおいて、
    少なくとも一方の前記電極触媒層は、導電性繊維からなる電極基材と、前記電極基材に担持された触媒粒子と、前記電極基材および前記触媒粒子を被覆する固体高分子電解質と、を含み、かつ、前記電極触媒層と前記固体高分子電解質膜との間にプロトン伝導性を有する中間緩衝層を有している燃料電池用MEA。
  2. 前記導電性繊維は、少なくとも炭素を含む請求項1記載の燃料電池用MEA。
  3. 前記導電性繊維は、撥水性導電性繊維および/または親水性導電性繊維である、請求項1または2記載の燃料電池用MEA。
  4. 前記電極基材が前記撥水性導電性繊維および前記親水性導電性繊維を含み、前記撥水性導電性繊維に前記触媒粒子が担持されてなる、請求項3記載の燃料電池用MEA。
  5. 前記電極基材は、ガス導入部からガス排出部へ向かって前記撥水性導電性繊維の含有率が増加する、請求項3または4に記載の燃料電池用MEA。
  6. 前記触媒粒子は、水素の酸化および/または酸素の還元に触媒作用を示す、請求項1〜5のいずれかに記載の燃料電池用MEA。
  7. 前記触媒粒子は、白金、ルテニウム、イリジウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、タングステン、鉛、鉄、クロム、コバルト、ニッケル、マンガン、バナジウム、モリブデン、ガリウム、アルミニウム、銅、銀、およびこれらを含む合金からなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1〜6のいずれかに記載の燃料電池用MEA。
  8. 前記中間緩衝層は、有機系化合物および/または無機系化合物を含むプロトン伝導性電解質からなることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の燃料電池用MEA。
  9. 前記有機系化合物がスルホン酸基またはカルボキシル基を少なくとも含み、前記無機系化合物がP、SiO、B、GeO、およびAsからなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項8記載の燃料電池用MEA。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載の前記燃料電池用MEAを用いた、燃料電池。
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JP2008140613A (ja) * 2006-11-30 2008-06-19 Equos Research Co Ltd 燃料電池用膜−電極接合体及びそれを備えた燃料電池。
JP2011198501A (ja) * 2010-03-17 2011-10-06 Toppan Printing Co Ltd 固体高分子形燃料電池、膜・電極接合体、電極触媒層、及びその製造方法
JP2011210563A (ja) * 2010-03-30 2011-10-20 Toppan Printing Co Ltd 固体高分子形燃料電池用膜電極接合体およびその製造方法

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