JP2006179386A - 燃料電池システム - Google Patents
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Abstract
【課題】固体電解質形燃料電池からの排熱を有効に利用でき、固体電解質形燃料電池の壁面温度を安全な温度まで下げることのできる燃料電池システムを提供する。
【解決手段】壁面を具備する固体電解質形燃料電池と、湯水を貯える貯湯タンクと、第一の熱交換器と、固体電解質形燃料電池の壁面に取り付けられた第二の熱交換器と、貯湯タンクの底部と第一の熱交換器と第二の熱交換器と貯湯タンクの上部とを順に接続する水循環配管と、固体電解質形燃料電池と第二の熱交換器とを接続する排ガス配管とを含む燃料電池システムであって、固体電解質形燃料電池から流出する排ガスが前記第一の熱交換器を通過して排出されるとともに、貯湯タンクから流出する水が前記第一の熱交換器を通過することにより、排ガスと水との間で熱交換が行われ、第一の熱交換器を通過した水が第二の熱交換器を通過することにより、固体電解質形燃料電池の壁面と水との間で熱交換が行われる。
【選択図】図1
【解決手段】壁面を具備する固体電解質形燃料電池と、湯水を貯える貯湯タンクと、第一の熱交換器と、固体電解質形燃料電池の壁面に取り付けられた第二の熱交換器と、貯湯タンクの底部と第一の熱交換器と第二の熱交換器と貯湯タンクの上部とを順に接続する水循環配管と、固体電解質形燃料電池と第二の熱交換器とを接続する排ガス配管とを含む燃料電池システムであって、固体電解質形燃料電池から流出する排ガスが前記第一の熱交換器を通過して排出されるとともに、貯湯タンクから流出する水が前記第一の熱交換器を通過することにより、排ガスと水との間で熱交換が行われ、第一の熱交換器を通過した水が第二の熱交換器を通過することにより、固体電解質形燃料電池の壁面と水との間で熱交換が行われる。
【選択図】図1
Description
本発明は、固体電解質形燃料電池から排出される排ガスと貯湯タンクに貯えられる水を熱交換器に通過させることにより、排ガスの熱を回収するようにしてなる燃料電池システムに関する。
従来の高分子電解質形燃料電池システムでは、図4に示すような排熱回収システムが採用されている。このものは、燃料電池31より生じた熱を回収する冷却水の温度を検出するサーミスタ等の電池温度検出器33が、冷却配管35の燃料電池31からの出口側に設置されている。そして制御装置36は、電池温度検出器33が検出する冷却水の温度が運転温度の上限値未満の時は、燃料電池31の発電量に応じて排熱回収配管37内の水の流量が所定流量になるように循環ポンプ39の出力を制御し、貯湯タンク全体の湯温が所定の温度に達し、電池温度検出器33が運転温度の上限値以上となると燃料電池31の発電量に関係なく発電を停止させるようになっている。
この燃料電池システムの運転時には、燃料処理装置43は天然ガスなどの原料を水蒸気改質し、水素を主成分とするガスを生成して燃料電池31に供給する。また、空気供給装置45により、酸化剤ガスは酸化側加湿器47で加湿され、燃料電池31に供給される。一方、燃料電池31の発電により生じた熱は、冷却配管35内を流れる冷却水に回収される。冷却水はポンプ41により循環し、冷却水に回収された熱は、熱交換器49を介して排熱回収配管37内を循環する水に移動する。
即ち、高分子電解質形燃料電池システムでは、高分子電解質を用いるため燃料電池を冷却する必要があり、そのために冷却水を用いており、この冷却水による冷却が行われなくなると、燃料電池自体が破損するため、冷却水の温度を制御する必要があり、図4に示すような構造になっているものである。
このように、高分子電解質形燃料電池システムの排熱回収システムは知られているが、1kw級の固体電解質形燃料電池システムでは、電解質が固体電解質タイプという異なるものであるため、高分子電解質形燃料電池システムの排熱回収システムをそのまま適用することはできなかった。
ここで、固体電解質型燃料電池の排熱回収システムとしては、酸素含有ガス供給管を、排気管及び固体電解質形燃料電池の燃焼室を形成する反応容器の壁面に沿って設けてなる構造が知られている(特許文献1参照)。
特開2000−268839
しかしながら、排気管及び固体電解質形燃料電池の燃焼室を形成する反応容器の壁面に酸素含有ガス供給管を設けたとしても、まだまだ排熱回収率(エネルギー効率)としては満足できるものではなく、さらなるエネルギー効率の向上が必要である。
一方、固体電解質形燃料電池の運転温度は通常800℃前後と高温であるため、この放熱を少なくして800℃前後の運転温度を維持するために、燃料電池の壁面を断熱材で覆うことが一般に行われている。ここで、放熱量を少なくするためには、断熱材を厚くすれば良いが、コストや寸法から限界がある。一方、断熱材が薄いと、燃料電池壁面の表面温度が高くなって危険であるという問題がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、固体電解質形燃料電池からの排熱を有効に利用でき、固体電解質形燃料電池の壁面温度を安全な温度まで下げることのできる燃料電池システムを提供することを目的とする。
本発明は、壁面を具備する固体電解質形燃料電池と、湯水を貯える貯湯タンクと、第一の熱交換器と、前記固体電解質形燃料電池の壁面に取り付けられた第二の熱交換器と、前記貯湯タンクの底部と前記第一の熱交換器と前記第二の熱交換器と前記貯湯タンクの上部とを順に接続する水循環配管と、前記固体電解質形燃料電池と前記第一の熱交換器とを接続する排ガス配管とを具備し、前記固体電解質形燃料電池から流出する排ガスが前記第一の熱交換器を通過して排出されるとともに、前記貯湯タンクからの水が前記第一の熱交換器を通過することにより、排ガスと水との間で熱交換が行われ、前記第一の熱交換器を通過した水が前記第二の熱交換器を通過することにより、前記固体電解質形燃料電池の壁面と水との間で熱交換が行われることを特徴とする燃料電池システムである。
このように、固体電解質形燃料電池より排出された排ガス及び貯湯タンク内に貯えられる湯水を第一の熱交換器に流通させることにより排ガスの凝縮潜熱にて湯水を加熱し、さらに第一の熱交換器を通過した湯水を固体電解質形燃料電池の壁面に配置された第二の熱交換器に流通させることにより、固体電解質形燃料電池壁面からの放熱で湯水をさらに加熱できるので、確実に温度成層を形成して高温の湯水を貯えることができるようになると共に、固体電解質形燃料電池の壁面温度を安全な温度まで下げることができる。
ここで、第二の熱交換器が、高熱伝導性金属板と該高熱伝導性金属板に密着させた水流通配管とからなるもの、または、高熱伝導性金属板により水流通経路を形成させたプレート式熱交換器であるのが好ましい。固体電解質形燃料電池の運転温度は700℃〜1000℃であるため、一般に固体電解質形燃料電池本体を断熱材で覆っているが、それでも極めて高温であるために断熱材を通して熱が放出されている。したがって、この放熱している断熱材に上記構成の第二の熱交換器を取り付けることにより、水流通配管(水流通経路)内を流通する湯水をさらに加熱することができる。
さらに、第二の熱交換器が、側面上方または上面に設けられているのが好ましい。また、複数の側面に設けられているのが好ましい。これにより、さらに熱交換効率及び冷却効果を高めることができ、より安全な燃料電池システムを構築することができる。
本発明の燃料電池システムによれば、固体電解質形燃料電池を駆動させることにより発生した排熱を効率よく有効に回収でき、高温の水を安定して供給することができると共に、第二の熱交換器によって、発電電池外表面の温度を60℃以下に下げることが出来、安全な燃料電池システムが供給できる。
本発明の燃料電池システムの実施形態を図面に基づいて説明する。
図1に示す燃料電池システムは、壁面を具備する固体電解質形燃料電池1と、湯水を貯える貯湯タンク6と、第一の熱交換器5と、前記固体電解質形燃料電池1の壁面に取り付けられた第二の熱交換器10と、前記貯湯タンク6の底部と前記第一の熱交換器5と前記第二の熱交換器10と前記貯湯タンク6の上部とを順に接続する水循環配管7と、前記固体電解質形燃料電池1と前記第二の熱交換器10とを接続する排ガス配管9とを含む燃料電池システムであって、前記固体電解質形燃料電池1から流出する排ガスが前記第一の熱交換器5を通過して排出されるとともに、前記貯湯タンク6から流出する水が前記第一の熱交換器5を通過することにより、排ガスと水との間で熱交換が行われ、前記第一の熱交換器5を通過した水が前記第二の熱交換器10を通過することにより、前記固体電解質形燃料電池1の壁面と水との間で熱交換が行われるようになっている。
この燃料電池システムは、固体電解質形燃料電池1に都市ガス、天然ガスなどの燃料ガスを供給するための燃料ガス供給装置2、固体電解質形燃料電池1に供給する燃料ガスを加湿する燃料加湿器4、固体電解質形燃料電池1に酸化剤としての空気を供給するための空気供給装置3を有している。
固体電解質形燃料電池1は、燃料極と空気極が固体電解質層を介して対向するように設けられ、空気極側に空気を供給するとともに、燃料極側に燃料ガス(水素)を供給することにより、空気極で下記式(1)の電極反応を生じ、また燃料極で下記式(2)の電極反応を生じることによって発電するものである。
空気極: 1/2O2+2e− → O2− (固体電解質) …(1)
燃料極: O2− (固体電解質)+ H2 → H2O+2e− …(2)
燃料ガス供給装置2及び空気供給装置3は、燃料ガス及び空気の流量をコントロールしながら燃料ガス及び空気を固体電解質形燃料電池1に送るように設定されたものである。そして、燃料ガス供給装置2から送り出された燃料ガスは、改質に適した水素/水蒸気比となるように燃料加湿器4で加湿され、改質器(図示しない)を経て固体電解質形燃料電池1へ送られる。
空気極: 1/2O2+2e− → O2− (固体電解質) …(1)
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燃料ガス供給装置2及び空気供給装置3は、燃料ガス及び空気の流量をコントロールしながら燃料ガス及び空気を固体電解質形燃料電池1に送るように設定されたものである。そして、燃料ガス供給装置2から送り出された燃料ガスは、改質に適した水素/水蒸気比となるように燃料加湿器4で加湿され、改質器(図示しない)を経て固体電解質形燃料電池1へ送られる。
そして、固体電解質形燃料電池1には、この燃料電池の発電により生じる排ガスの熱量を回収するための第一の熱交換器5が排ガス配管9を介して接続されており、固体電解質形燃料電池1から流出した排ガスが第一の熱交換器5を通過して排出されるようになっている。
一方、貯湯タンク6の底部と、第一の熱交換器5と、第二の熱交換器10と、貯湯タンク6の上部とが順に水循環配管7を介して接続されている。水循環配管7には、うず巻きポンプからなる循環ポンプ8が設けられており、貯湯タンク6の底部から流出した水がそれぞれの熱交換器を通過してお湯となり、貯湯タンク6の上部から流入するようになっている。
第一の熱交換器5には、図2に示すように、筐体53で囲まれた排ガスの流通する内部空間(シェル側)と、排ガス流れ方向を軸として蛇行形状の水の流通する水流通流路51が設けられている。図2では、第一の熱交換器5の上部から下部に向かって排ガスが流れ、逆に下部から上部に向かって水が流れるようになっており、いわゆる対向流となっている。
水流通流路51は、熱交換の効率を上げるために密に収納されているのが好ましく、このような効果を得るために本発明においては蛇行若しくは螺旋状になっている。特に、第一の熱交換器5をなるべくコンパクトにするために図2のような蛇行形状であるのが好ましい。尚、水流通流路51の材質としては、銅、アルミ、ステンレスなどが挙げられるが、特に限定はされない。
そして、水流通流路51の外側(内部空間)を流れる排ガスから水流通流路51の内側を流れる水への伝熱面積を増加させるために、排ガス流れ方向に略平行に水流通流路51の壁面に接して複数のフィン52が設けられている。このフィン52は、排ガスの圧力損失をなるべく少なくするように、配管2の屈曲部位には設けられずに、排ガス流れ方向に垂直な方向の直線部位に、排ガス流れ方向に略平行に配置されているのが好ましい。また、複数のフィン52は、所定の間隔で配置されているが、この間隔が狭すぎると、後述の排ガス中の水蒸気が液化してなる凝縮水がフィンの間隙に溜まり熱交換率が低下してしまうおそれがあり、間隔が広すぎると集熱が悪く熱交換率が低下してしまうおそれがあるので、フィン52の間隔は1〜数mm程度であるのが好ましい。
また、フィン52は、排ガス流れ方向に対して連続しておらず、複数に分割されているのが好ましい。
具体的には、上下に隣接する水流通流路51の間で分割されている。この分割形状は、排ガス流れ方向に連続するような従来よりあるフィン形状を単に分割したような形状でもよく、水流通流路51の周囲に円盤状の部材を付設したようなものであってもよい。このように排ガス流れ方向に対して分割されていることにより、排ガス流れ方向(水の流れに垂直な方向)への熱伝導が悪くなり、第一の熱交換器5内で温度勾配ができることにより、第一の熱交換器5全体で均等に熱交換が行なわれるようになるため、排ガスの凝縮潜熱を充分回収でき、排ガスを有効に利用できるようになる。このようなフィン52の材質としては、銅、アルミニウムなどが好ましく採用されるが、特にこれらに限定されるものではない。
尚、この第一の熱交換器5に流入する排ガス温度としては、250℃以下であるのが好ましい。固体電解質形燃料電池の運転温度は一般に700℃〜1000℃であるために、酸化剤ガスが排ガスとの熱交換により高温ガスとなって供給される。その為、熱交換により250℃以下まで冷却されて排出された排ガスを、水との熱交換のための熱交換器に流入させることができる。ここで350℃以上の燃焼ガス(排ガスを含む)を熱源とするものが温水ボイラーと定義されるが、上述のように第一の熱交換器に流入する排ガス温度が250℃以下であることにより、ボイラーではないので、貯湯圧力を高く設定したとしても、危険性の少ないシステムを提供できる。
また、固体電解質形燃料電池1の運転温度が800℃以下であるとともに、第一の熱交換器5において熱交換により排ガス中の水蒸気が液化してなる凝縮水が固体電解質形燃料電池1に供給されるのが好ましい。熱交換により潜熱の熱量が回収されるが、このとき排ガス中の水蒸気は液化されて水(凝縮水)となる。運転温度1000℃以上で排出される排ガス中の水蒸気が熱交換により水になると、その水は酸性となっており、中和剤を入れてから廃棄しなければならないが、運転温度800℃以下である固体電解質形燃料電池における電気化学反応によって発生する水は純水に近く、NOxやSOx等が含まれていないため、廃棄の問題もない。さらに、燃料ガスを改質して水素を取り出すために、従来、イオン交換水を蒸気にして供給する必要があったが、イオン交換水にかえて、上述のように発生した水が水蒸気となって含まれる排ガスが熱交換器を通過することにより得られる凝縮水を用いることができるようになり、イオン交換水を精製する装置が不要となり、燃料電池を小型化できる。
第二の熱交換器10は、図1に示すように、固体電解質形燃料電池1の壁面に接するように設けられており、第一の熱交換器5の下流側に位置して、第一の熱交換器5と水循環配管7を介して接続されている。
第二の熱交換器10の具体的構成は、図3に示すように、高熱伝導性の金属板102と、この金属板102に密着させた水流通配管101とから構成され、固体電解質形燃料電池1の壁面に金属板102を取り付けるようにして配置されている。この水流通配管101は、金属板102から放出される熱を広い範囲で吸収するように、蛇行状に配置され密着されているのが好ましい。ここで、高熱伝導性の金属板102の材質としては、銅、アルミニウムなどが挙げられるが、特に限定されない。また、水流通配管101の径としては、5〜10mm、金属板の1〜5mm程度が採用される。
図3に示す第二の熱交換器10は、金属板102に水流通配管101を密着させた構成であるが、上記構成の他、高熱伝導性金属板により水流通経路を形成させたプレート式熱交換器も好ましく採用できる。このものは、金属板からなる伝熱プレート2枚を所定の間隙を設けて配置することにより、伝熱プレート間に湯水を流すことができるというものである。固体電解質形燃料電池の壁面から放出される熱は、壁面に接触する側の伝熱プレートを介して、2枚の伝熱プレート間を流れる湯水に吸収され、熱交換が行われる。尚、2枚の伝熱プレート間を流れる湯水の偏りを防止するために、ちょうど段ボールの横断面形状にみられるような波板を介在させるなどしてもよい。
図1では、固体電解質形燃料電池1の一つの側面に第二の熱交換器10を設けたが、複数の側面、特に側面全面にわたって設けることにより、より熱交換効率を高めることができる。また、図1に示すように、固体電解質形燃料電池1の容器内部の上方において余剰の水素が燃焼するので、側面の上方の位置に第二の熱交換器を設けることにより、さらに熱交換効率及び冷却効果を発揮させることができる。さらに、固体電解質形燃料電池1の上部側が最も高温になるので、固体電解質形燃料電池1の上面に設けることにより、またさらに熱交換効率及び冷却効果を高めることができる。このように、固体電解質形燃料電池1の壁面と水との間で熱交換が行われる、言い換えると、固体電解質形燃料電池1からの放熱を循環水で吸収することにより、断熱材の厚みを厚くすることなく、固体電解質形燃料電池1の壁面温度を安全な温度、具体的には60℃以下にまで下げることができる。
尚、より安全を期すために第二の熱交換器10の外側に断熱材を設けるのが好ましい。
また、第一の熱交換器5及び第二の熱交換器10内の配管を流れる水の流量が0.2リットル/分以下であるのが好ましい。これらの熱交換器内の水の流量を0.2リットル/分以下とすることにより、第二の熱交換器10の出口水温を非常に高温にすることができる。なお、貯湯タンク6の容量が100リットルだとすると、0.2リットル/分の流量で8〜10時間程度で貯湯タンク内の水が全てお湯になってしまい(上側の高温層と底部側の低温層の境界が下端まで達してしまい)、第一の熱交換器5の入口水温が高くなってしまうのではないかという懸念に対し、家庭において本発明の燃料電池システムが使用される場合には、8〜10時間のうちにお風呂等定期的にお湯が使用されるので、上記懸念は解消される。
以上のような燃料電池システムの運転は、燃料供給装置2で燃料となる都市ガス、天然ガスなどを固体電解質形燃料電池1に供給する。また、空気供給装置3により酸化剤ガスが燃料電池1に供給される。最初に固体電解質形燃料電池1内部で燃料ガスを燃焼させ、その燃焼熱で固体電解質形燃料電池1自体を発電可能な温度まで加熱する。所定の温度になると発電が始まり、発電により発生する熱により固体電解質形燃料電池1の温度を維持する。さらに、発電により発生する熱が余り、外部に排熱として放出されるようになる。このとき、固体電解質形燃料電池1から流出する排ガスを第一の熱交換器5へ導き、第一の熱交換器5を介して水循環配管7内を循環する水に熱を移動せしめる。固体電解質形燃料電池1より流出する排ガスが第一の熱交換器5のシェル側(内部空間)を下方に向かって流れ、水側は水流通流路51を下から上方に向かって対向流で流れ、水流通流路51に付設されたフィン52で熱を吸収して集熱管51へ伝達する。この時、フィンが排ガスの流れ方向に対して分割されているため、循環流量が0.2リットル/分以下でもフィンを通して第一の熱交換器5低温側への熱伝導がなくなり、第一の熱交換器5全体で均等に熱交換が行われるようになり、排ガスを有効に利用できるようになる。
さらに、第二の熱交換器10で燃料電池1の壁面より放熱している熱を吸収して循環する水に熱を移動せしめる。このことにより固体電解質形燃料電池1の壁面温度(断熱材外表面温度)は約150℃から約60℃まで温度が下がるために、断熱材を厚くすることなく固体電解質形燃料電池1の壁面温度(断熱材外表面温度)を安全な60℃以下にすることができる。
循環する湯水の熱交換器を通過した後の温度が低いと、貯湯タンク内の湯水全体の温度が徐々に上昇していき、貯湯タンクの下側に貯められた水温が40℃を越えてしまう。すなわち、熱交換器入口水温と熱交換器出口水温の差が小さいと、貯湯タンク内で底部側の水と上部側のお湯が混ざり合い、貯湯タンクの底部側の水温が徐々に上昇してしまうので、熱交換効率が悪化する。これに対し、熱交換器入口水温と熱交換器出口水温の差が大きいと、貯湯タンク内で底部側の低温層(水)と上部側の高温層(お湯)、いわゆる温度成層が形成され、貯湯タンクの底部側の水温が上昇しにくくなり、熱交換効率が良好となる。
本発明では、第一の熱交換器5と第二の熱交換器10の二つの熱交換器を用いているので、第一の熱交換器5入口水温と第二の熱交換器10出口水温の差を大きくすることができ、貯湯タンク内で底部側の低温層(水)と上部側の高温層(お湯)、いわゆる温度成層が形成され、貯湯タンクの底部側の水温が上昇しにくくなり、熱交換効率が良好となる。
尚、貯湯タンクの上部側(高温層)に貯められたお湯は要時に給湯させることができる。また、本発明は、小型の(発熱量が少ない)固体電解質形燃料電池から有効に熱を回収して給湯システムに用いることができるため、家庭用として用いられる3kw以下の固体電解質形燃料電池に好適に用いることができる。
1 :燃料電池
2 :燃料ガス供給装置
3 :空気供給装置
4 :燃料加湿器
5 :第一の熱交換器
6 :貯湯タンク
7 :水循環配管
8 :循環ポンプ
10:第二の熱交換器
101:水流通配管
102:金属板
11:熱交換器入口水温検出器
12:熱交換器出口水温検出器
13:制御装置
14:タンク温度検出器
2 :燃料ガス供給装置
3 :空気供給装置
4 :燃料加湿器
5 :第一の熱交換器
6 :貯湯タンク
7 :水循環配管
8 :循環ポンプ
10:第二の熱交換器
101:水流通配管
102:金属板
11:熱交換器入口水温検出器
12:熱交換器出口水温検出器
13:制御装置
14:タンク温度検出器
Claims (5)
- 壁面を具備する固体電解質形燃料電池と、湯水を貯える貯湯タンクと、第一の熱交換器と、前記固体電解質形燃料電池の壁面に取り付けられた第二の熱交換器と、前記貯湯タンクの底部と前記第一の熱交換器と前記第二の熱交換器と前記貯湯タンクの上部とを順に接続する水循環配管と、前記固体電解質形燃料電池と前記第一の熱交換器とを接続する排ガス配管とを具備し、
前記固体電解質形燃料電池から流出する排ガスが前記第一の熱交換器を通過して排出されるとともに、前記貯湯タンクからの水が前記第一の熱交換器を通過することにより、排ガスと水との間で熱交換が行われ、
前記第一の熱交換器を通過した水が前記第二の熱交換器を通過することにより、前記固体電解質形燃料電池の壁面と水との間で熱交換が行われることを特徴とする燃料電池システム。 - 第二の熱交換器が、高熱伝導性金属板と該高熱伝導性金属板に密着させた水流通配管とからなることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
- 第二の熱交換器が、高熱伝導性金属板により水流通経路を形成させたプレート式熱交換器であることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
- 第二の熱交換器が、側面上方または上面に設けられてなる請求項1〜4のいずれかに記載の燃料電池システム。
- 第二の熱交換器が、複数の側面に設けられてなる請求項1〜3のいずれかに記載の燃料電池システム。
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JP2004373179A JP2006179386A (ja) | 2004-12-24 | 2004-12-24 | 燃料電池システム |
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-
2004
- 2004-12-24 JP JP2004373179A patent/JP2006179386A/ja not_active Withdrawn
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A761 | Written withdrawal of application |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761 Effective date: 20100622 |