JP2006179227A - ボタン形アルカリ電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】無水銀かつ鉛無添加の亜鉛合金を含む負極を備えたボタン形アルカリ電池の漏液発生率を低減させることにある。
【解決手段】正極容器1と、無水銀かつ鉛無添加の亜鉛合金及びアルカリ電解液を含むゲル状負極9と、前記正極容器1の開口部にかしめ固定され、前記ゲル状負極の集電体を兼ねている負極容器10と、前記負極容器10の開口部の端面12を被覆し、かつ前記開口部の外周面と前記正極容器の開口部の内周面との間に介在された絶縁ガスケット15とを具備するボタン形アルカリ電池であって、前記負極容器10の内周面と前記開口部端面12にSn及び/またはInが配されており、前記開口部端面12の表面粗さRaが0.3μm以下であることを特徴とするボタン形アルカリ電池。
【選択図】図1

Description

本発明は、ボタン形アルカリ電池に関するものである。
アルカリ電池の負極には比容量の大きい亜鉛が用いられているが、アルカリ水溶液中に浸漬すると水素ガスを発生して腐食が進行するので金属亜鉛のままでは使えない。そこで従来は、水銀で汞化したり、さらに鉛などを金属亜鉛に添加することで水素発生を抑制して腐食を防ぐ方法が取られてきた。
ところが近年、地球環境問題から水銀、鉛などの有害物質の排除が要望されるようになり、マンガン乾電池、アルカリ乾電池などの負極には汞化しなくても水素発生を抑制できる亜鉛合金が開発され、すでに代替化がなされている。
しかしながら、同様に亜鉛を負極に使用し、正極作用物質に二酸化マンガン、酸化銀や酸素等を用いるボタン形のアルカリ電池においては低水銀化までは図られたが無水銀化は達成されていない。
これは、マンガン乾電池、筒形アルカリマンガン乾電池は電池内に空隙を有する筒形構造であるために多少の水素が発生したとしても影響を受けないが、上記ボタン形アルカリ電池はボタン形状であるがゆえに空隙がほとんどなく、その上、サイズが小さいので少しでも水素が発生すると缶が膨らみ、さらには漏液といった問題が生じてしまうためである。
この水素ガス発生の問題を解決するため、特許文献1では、無水銀の亜鉛と接する負極キャップの少なくともアルカリ電解液と接する内面を、In,Pb,Sn,Zn及びBiから選ばれるいずれかもしくはこれらの合金からなる金属層で被覆することを開示している。
しかしながら、特許文献1に記載の金属層によると、水素ガスの発生を抑制できるものの、電池の封口部分からの電解液の這い上がりによる漏液という新たな問題が生じた。
特開平7−94154号公報
本発明の目的は、無水銀かつ鉛無添加の亜鉛合金を含む負極を備えたボタン形アルカリ電池の漏液発生率を低減させることにある。
本発明者らは上記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、特許文献1に記載の電池によると、負極容器の内面に形成された金属層の電解液との濡れ性が高いことに加え、金属層の表面の微細な凹凸により絶縁ガスケットとの間に隙間が形成されたため、電解液がこの隙間を伝って外部に放出されて漏液に至ったことを究明した。漏液は、無電解めっきで金属層を形成した際に特に多くなった。
本発明者らは、負極容器の内面から開口部の端面までをSn及び/またはInで形成すると共に、開口部の端面の表面粗さRaを0.3μm以下にすると、負極容器の開口部の端面と絶縁ガスケットとの密着性が改善され、放電特性を損なわずに漏液発生率が少なくなることを見出し、本発明に至ったのである。
すなわち、本発明に係るボタン形アルカリ電池は、正極容器と、
無水銀かつ鉛無添加の亜鉛合金及びアルカリ電解液を含むゲル状負極と、
前記正極容器の開口部にかしめ固定され、前記ゲル状負極の集電体を兼ねている負極容器と、
前記負極容器の開口部の端面を被覆し、かつ前記開口部の外周面と前記正極容器の開口部の内周面との間に介在された絶縁ガスケットと
を具備するボタン形アルカリ電池であって、
前記負極容器の内周面と前記開口部端面にSn及び/またはInが配されており、前記開口部端面の表面粗さRaが0.3μm以下であることを特徴とするものである。
本発明によれば、無水銀かつ鉛無添加の亜鉛合金を含む負極を備えたボタン形アルカリ電池の漏液を抑制することができる。
まず、ゲル状負極と負極容器について説明する。
1)ゲル状負極
ゲル状負極は、例えば、無水銀且つ鉛無添加の亜鉛合金粉末と、アルカリ電解液と、増粘剤(ゲル化剤)とを混合することにより形成される。
無水銀かつ鉛無添加の亜鉛合金は、アルミニウム、ビスマス及びインジウムよりなる群から選択される少なくとも1種類を含有するものが望ましい。かかる無水銀かつ鉛無添加の亜鉛合金の中でも、Bi含有量が50〜1000ppm、In含有量が100〜1000ppmで、Al及びCaから選択される少なくとも1種類の含有量が10〜100ppmの亜鉛合金が好ましい。Bi含有量のさらに好ましい範囲は100〜500ppmで、In含有量のさらに好ましい範囲は300〜700ppmで、Al及びCaから選択される少なくとも1種類の含有量のさらに好ましい範囲は20〜50ppmである。
アルカリ電解液としては、例えば、水酸化カリウムを含むアルカリ水溶液等を挙げることができる。アルカリ電解液中の水酸化カリウム濃度は30〜45重量%の範囲にすることが好ましい。
増粘剤(ゲル化剤)としては、アルカリ電解液の粘性を増加させてゲル化させる機能を有するものを使用することができる。このような増粘剤としては、例えば、ポリアクリル酸のような吸水性高分子を挙げることができる。
また、負極中に酸化インジウム、水酸化インジウム及び酸化ビスマスよりなる群から選択される少なくとも1種類の無機系インヒビターを含有することが望ましい。これにより、電池が使用されて一時休止状態になった場合の水素ガス発生を抑制することができ、実用上膨れや漏液の問題の無いボタン形アルカリ電池とすることが出来る。
2)負極容器
負極容器は、少なくとも内面及び開口部端面にSn及び/またはInが配されている。また、負極容器の開口部の端面の表面粗さRaは、0.3μm以下である。
Sn及び/またはInからなる表面層を、InとSnから形成する場合には、In−Sn合金層か、In層とSn層を積層したものを使用することができる。表面層は、Sn及び/またはInである限り、特に限定されるものではないが、水素ガス発生量を抑制して漏液発生率をさらに低くする観点から、Snが好ましい。
表面層の形成方法には、例えば、クラッド加工、電解めっき、無電解めっき等を採用することができる。中でも、無電解めっきが好ましい。
無電解めっきで形成されたSn層及びIn層の厚さは、それぞれ、0.05μm以上、0.5μm以下にすることが望ましい。これは以下に説明する理由によるものである。めっき厚さを0.05μm未満にすると、めっき層の電解液への溶出により基材が表出して水素ガス発生量が多くなる恐れがある。一方、めっき層の厚さが0.5μmを超えると、かしめ固定による封口強度が低下して漏液の発生が助長される恐れがある。さらに好ましい範囲は0.1μm以上、0.3μm以下である。
負極容器の開口部端面の表面粗さRaを0.3μm以下とするのは、0.3μmを超えると、負極容器の開口部端面と絶縁ガスケットとの密着性が低下して漏液発生率が多くなるからである。表面粗さRaのより好ましい範囲は、0.2μm以下である。
ここで、表面粗さRaとは、JIS B0601で制定されている算術平均粗さのことである。
Sn及び/またはInからなる表面層が形成される負極容器基材としては、例えば、Ni/SUS/Cuの3層クラッドの板材、Ni/SUS等、電気的特性、強度や電池としての外観等に問題がなければ、その使用目的に応じて特に限定されるものではない。なお、Ni層はクラッド加工あるいはめっきにより形成することが可能である。
基材の厚さは、50μm以上、150μm以下にすることが望ましい。さらに好ましい範囲は、50μm以上、120μm以下である。
本発明に係わる一実施形態を図面を参照して説明する。
図1は本発明に係るボタン形アルカリ電池の一実施形態である空気亜鉛電池を示す模式的な断面図である。図2は図1の空気亜鉛電池の要部拡大断面図である。
図1に示すように、有底円筒形をなす正極容器1は、その開口部の上端2がかしめ加工により内方に折り曲げられている。正極容器1は、底部に空気孔3を有する。この正極容器1は、例えばステンレス鋼などの金属から形成されており、正極端子を兼ねているものである。この正極容器1内には、正極触媒層4が収納されている。正極触媒層4に含まれる正極触媒としては、例えば、活性炭及び二酸化マンガンのようなマンガン酸化物の混合物を使用することができる。正極触媒層4は、例えば、活性炭と、マンガン酸化物と、導電性材料として膨張化黒鉛と、結着剤としてポリテトラフルオロエチレン粉末とを混合し、シート状に成型することにより得られる。
正極触媒層4に空気を均一に拡散させるための拡散紙5は、正極容器1の底部内面に配置されている。拡散紙5には、例えば、クラフト紙を使用することができる。拡散紙5の厚さは50〜100μmの範囲にすることが望ましい。酸素透過性を有する撥水膜6は、拡散紙5と正極触媒層4の間に介装されている。この撥水膜6は、アルカリ電解液が正極容器1の空気孔3から外部に漏れ出すのを防止するためのものである。撥水膜6は、例えば、ポリテトラフルオロエチレンフィルムのようなフッ素樹脂フィルムから形成することができる。なお、撥水膜6は、1枚に限らず、2枚以上重ねて使用することも可能である。
正極集電体7は、正極触媒層4上に配置されている。正極集電体7の周縁部は正極容器1の内面と接している。これにより、正極と正極容器1との導通が確保される。正極集電体7は、例えば、金属ネットのような導電性の多孔質板から形成することができる。
正極集電体7には、セパレータ8及びゲル状の負極9がこの順番に積層されている。セパレータ8は、例えば、ポリプロピレンのようなポリオレフィン製の微多孔膜と不織布とから形成されている。微多孔膜の方を負極9と対向させ、不織布を正極集電体7と対向させる。微多孔膜は、酸化亜鉛の析出による内部短絡を防止するためのものである。アルカリ電解液の保持に寄与しているのは、主に不織布である。
負極容器10は、負極集電体と負極端子を兼ねているものである。負極容器10は、有底円筒形状で、外周面に折り返されたリバース部11を有する。
負極容器10は、基材13と、In及び/またはSnから形成された表面層14とが積層された板材から形成されており、表面層14が負極容器10の内周面、リバース部11の底面12及びリバース部11の外周面に位置している。リバース部11の底面12が負極容器10の開口部の端面に相当し、表面粗さRaは0.3μm以下であることが望ましい。
負極容器10は、例えば、基材13をNi面が外表面となるように絞り加工により有底円筒形に成型した後、その開口端を外周面に折り返してリバース部11を形成し、次いで、容器の内周面とリバース部11の底面12及び外周面とに無電解めっきで表面層14を形成することによって得ることが可能である。具体的には、Ni/SUS/Cuの3層クラッドの板材をCu面が内面となるように絞り加工を施し、リバース部を形成した後、Cu面に研磨処理後、無電解めっきを施すことが可能であるが、その製法は特に限定されるものではない。
このような負極容器10は、正極容器1の開口部に配置され、封口部材として機能する。負極容器10のリバース部11の外周面は、正極容器1の開口部付近の内周面と対向している。
リング状の絶縁ガスケット15は、内周面に環状に段差16が形成されており、この段差16に負極容器10のリバース部11が嵌合されている。絶縁ガスケット15は、正極容器1の内周面とこれと対向する負極容器10との間、並びに正極容器1の内周面とゲル状負極9の外周面との間に圧縮状態で介在されている。絶縁ガスケット15は、例えばナイロン製で、その表面が例えばポリアミド系樹脂などのシール剤でコーティングされている。このような材料から形成された絶縁ガスケット15は、耐アルカリ性を向上することができる。
正極容器1の空気孔3は、未使用時の無駄な放電を防ぐため、正極容器1の底面に貼られたシールテープ17で一時的に塞がれている。
上述したような構造の空気亜鉛電池によれば、負極容器10の内周面、リバース部11の底面12及び外周面が、Sn及びInよりなる群から選択される少なくとも一種類の金属元素からなる表面層14で形成されているため、使用前及び放電停止時に、無水銀かつ鉛無添加の負極作用物質と負極容器10とが局部電池を形成するのを抑制することができ、水素ガスの発生を抑えることができる。
負極容器10の開口部の端面であるリバース部11の底面12の表面粗さRaを0.3μm以下にすることによって、リバース部11の底面12と絶縁ガスケット15の表面のシール剤との密着性を高くすることができるため、ゲル状負極9中の電解液が負極容器10の表面層14を伝って、リバース部11の底面12と絶縁ガスケット15との隙間に侵入するのを、抑制することができる。これにより、放電特性を損なうことなく、漏液発生率を低減することができる。なお、表面粗さRaによる漏液抑制効果は、表面層14を無電解めっきで形成した際に最も大きくなる。
本発明に係わる別の実施形態を図面を参照して説明する。
図3は本発明に係るボタン形アルカリ電池の別な実施形態である空気亜鉛電池を示す模式的な断面図である。なお、図1,2に記載したのと同様な部材については同符号を付して説明を省略する。
図3に示すように、負極容器20は、負極集電体と負極端子を兼ねているものである。負極容器20は、有底円筒形状で、リバース部を持たないものである。
負極容器20は、基材21と、In及び/またはSnから形成された表面層22とが積層された板材から形成されており、表面層22が負極容器20の内周面と開口端23に位置している。負極容器20の開口端23(開口部の端面)の表面粗さRaは0.3μm以下であることが望ましい。
負極容器20は、例えば、基材21をNi面が外表面となるように絞り加工により有底円筒形に成型し、次いで、容器の内周面と開口端に無電解めっきで表面層22を形成することによって得ることが可能である。具体的には、Ni/SUS/Cuの3層クラッドの板材をCu面が内面となるように絞り加工を施した後、Cu面に研磨処理後、無電解めっきを施すことが可能であるが、その製法は特に限定されるものではない。
このような負極容器20は、正極容器1の開口部に配置され、封口部材として機能する。負極容器20の開口部の外周面は、正極容器1の開口部付近の内周面と対向している。
リング状の絶縁ガスケット24は、下端が内側にU字状に折り曲げられている。絶縁ガスケット24のU字状の部分に負極容器20の開口端23が挿入され、これにより絶縁ガスケット24に負極容器20が一体化されている。絶縁ガスケット24は、正極容器1の内周面とこれと対向する負極容器20との間に圧縮状態で介在されている。絶縁ガスケット24は、例えばナイロン製で、その表面が例えばポリアミド系樹脂等のシール剤でコーティングされている。このような材料から形成された絶縁ガスケット24は、耐アルカリ性を向上することができる。
上述したような構造の空気亜鉛電池によれば、負極容器20の内周面から開口端23までが、Sn及びInよりなる群から選択される少なくとも一種類の金属元素からなる表面層22で形成されているため、使用前及び放電停止時の水素ガスの発生を抑えることができる。
負極容器20の開口端23(開口部の端面)の表面粗さRaを0.3μm以下にすることによって、開口端23と絶縁ガスケット24の表面のシール剤との密着性を高くすることができるため、ゲル状負極9中の電解液が負極容器20の表面層22を伝って、開口端23と絶縁ガスケット24との隙間に侵入するのを、抑制することができる。これにより、放電特性を損なうことなく、漏液発生率を低減することができる。なお、表面粗さRaによる漏液抑制効果は、表面層22を無電解めっきで形成した際に最も大きくなる。
本発明は集電体も兼ねる負極容器を用いるボタン形電池であれば、種類とサイズに関係なく適用することが可能である。例えば、前述した図1〜図3では、正極作用物質として酸素を使用する例を説明したが、正極作用物質として二酸化マンガンあるいは酸化銀を使用するボタン形アルカリ電池にも同様に適用することが可能である。
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
[実施例]
以下、本発明の実施例を前述した図面を参照して詳細に説明する。
(実施例1)
前述した図1,2に示すようにリバース部を有する負極容器を用意した。負極容器の内面、リバース部の底面及びリバース部の外周面には、めっき厚が0.2μmのSn無電解めっきが施されている。また、負極容器のリバース部の底面の表面粗さRaは、0.28μmであった。
ナイロン製で、表面がポリアミド系樹脂でコーティングされた絶縁ガスケットを用意した。この絶縁ガスケットは、リング状をなし、その内周面に環状に段差が設けられている。この絶縁ガスケット内に負極容器を挿入し、リバース部の底面を段差に嵌合させ、負極容器と絶縁ガスケットを一体化した。
電解液の増粘作用を持つゲル化剤としてのポリアクリル酸の微粉末9.0重量部にインヒビターとしての酸化インジウム(In23)1.0重量部を均一になるまで混合・攪拌した。次いで、Inを498ppm、Biを397ppm、Alを32ppm含有する平均粒径が205μmで粒径75〜300μmの粒子が85wt%以上を占める粒度分布を持った無汞化亜鉛合金粉末200重量部を、KOH 30%とZnO 1%からなるアルカリ電解液54重量部、前記ポリアクリル酸と酸化インジウムの混合物1.0重量部を混合・攪拌して、ゲル状の亜鉛負極を調製した。
こうして得られたゲル状亜鉛負極を負極容器に充填後、正極触媒層が収納された正極容器にかしめ加工により固定し、前述した図1に示す構造を有するJIS規格PR48型のボタン形空気亜鉛電池を製造した。
(実施例2〜4)
負極容器の開口端の表面粗さRaを下記表1に示すように変更すること以外は実施例1と同様にしてボタン形空気亜鉛電池を製造した。
(実施例5)
Sn無電解めっきの代わりにめっき厚が0.24μmのIn無電解めっきを施すこと以外は実施例1と同様にしてボタン形空気亜鉛電池を製造した。
(実施例6)
負極容器の開口端の表面粗さRaを下記表1に示すように変更すること以外は実施例5と同様にしてボタン形空気亜鉛電池を製造した。
(比較例1〜2)
負極容器の開口端の表面粗さRaを下記表1に示すように変更すること以外は実施例1と同様にしてボタン形空気亜鉛電池を製造した。
(比較例3)
負極容器の開口端の表面粗さRaを下記表1に示すように変更すること以外は実施例5と同様にしてボタン形空気亜鉛電池を製造した。
なお、実施例1〜6及び比較例1〜3において、表面粗さRaの大きさは、無電解めっき前に行うバレル研磨処理の条件により調整した。
また、実施例1〜6及び比較例1〜3において、表面粗さRaの測定は、KEYENCE製 超深度カラー3D形状測定顕微鏡(VK−9500)を用いた。測定条件は、線長さ120μm、カットオフ値0.08nmで行った。得られた測定データからJIS B0601で制定されている算術平均粗さを算出し、表面粗さRaを得た。
得られた実施例1〜6および比較例1〜3で作製した各PR48形空気亜鉛電池について、放電容量試験(620Ω定抵抗連続放電・1.0Vまでの放電容量、n=10の平均)と、耐漏液試験(45℃−93% RH の恒温恒湿槽で60日間、100日間の貯蔵、n=100)を行った。その結果を下記表1に示す。
Figure 2006179227
表1から明らかなように、負極容器の内面から開口端に亘ってSn及び/またはInが配され、かつ開口端の表面粗さRaが0.3μm以下である実施例1〜6の電池は、放電容量が高く、45℃のような高温かつ93%RHという高湿度での60日間貯蔵後の漏液数が皆無で、100日貯蔵後の漏液も極めて少なかった。
これに対し、表面粗さRaが0.3μmを超えている比較例1〜3では、実施例1〜6と同様に高容量が得られているにも拘わらず、60日貯蔵で漏液が確認され、100日貯蔵に至っては漏液数が極めて多くなった。これは、SnまたはIn無電解めっきされためっき面の絶縁性封口ガスケットと接する面の表面粗さRaが0.3μmを超えると、その隙間に電解液が進入しやすく、その結果漏液に至ったと考えられる。
無電解めっきの種類がSnである実施例1〜4の比較により、表面粗さRaが小さくなる程、漏液数が減少する傾向があることがわかる。また、無電解めっきの種類がInである実施例5〜6の比較からも、同様な傾向がうかがえる。いずれの場合も、表面粗さRaが0.1μm付近で60日貯蔵と100日貯蔵の双方の漏液数が皆無となっていることから、十分な耐漏液特性を得るために表面粗さRaを0.2μm以下、より好ましくは0.15μm以下とするのが望ましい。
なお、本実施例では説明していないが、前述した図3に示すようなリバース部を持たない形状の負極容器を用いた電池であっても同様の効果が得られたことを確認している。
以上説明したように、本発明によれば亜鉛合金に汞化も鉛添加も行わなくても水素ガス発生が少なく耐漏液性に優れた、安全で環境にやさしい高容量なボタン形アルカリ電池を提供することができる。
なお、前述した実施例では、ボタン型空気亜鉛電池の例を説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の形態をとることができる。たとえば、コイン型、主面の形状が四角もしくは略四角形の扁平形等にすることが可能である。
本発明に係るボタン形アルカリ電池の一実施形態である空気亜鉛電池を示す模式的な断面図。 図1の空気亜鉛電池の要部拡大断面図。 本発明に係るボタン形アルカリ電池の別な実施形態である空気亜鉛電池を示す模式的な断面図。
符号の説明
1…正極容器、2…開口部の上端、3…空気孔、4…正極触媒層、5…空気拡散紙、6…撥水膜、7…正極集電体、8…セパレータ、9…ゲル状亜鉛負極、10,20…負極容器、11…リバース部、12…リバース部の底面(負極容器の開口部の端面)、13,21…基材、14,22…表面層、15,24…絶縁性ガスケット、16…段差、17…シールテープ、23…負極容器の開口部の端面。

Claims (2)

  1. 正極容器と、
    無水銀かつ鉛無添加の亜鉛合金及びアルカリ電解液を含むゲル状負極と、
    前記正極容器の開口部にかしめ固定され、前記ゲル状負極の集電体を兼ねている負極容器と、
    前記負極容器の開口部の端面を被覆し、かつ前記開口部の外周面と前記正極容器の開口部の内周面との間に介在された絶縁ガスケットと
    を具備するボタン形アルカリ電池であって、
    前記負極容器の内周面と前記開口部端面にSn及び/またはInが配されており、前記開口部端面の表面粗さRaが0.3μm以下であることを特徴とするボタン形アルカリ電池。
  2. 前記負極容器の前記内面と前記開口部端面には、SnまたはInが無電解めっきで形成されていることを特徴とする請求項1記載のボタン形アルカリ電池。
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