JP2006178199A - 暗視野照明部品および顕微鏡 - Google Patents

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Abstract

【課題】 一般的な対物レンズ(各レンズ素子の外側に暗視野照明用の光路を備えていないもの)を用いて反射型の暗視野照明を実現する。
【解決手段】 対物レンズ14の像面側に配置される暗視野照明部品13であって、光源11側からの照明光L1を全反射して対物レンズの瞳面16内の周縁領域に導くと共に、該瞳面内の周縁領域と標本10Aとの間を往復した後の戻り光を全反射して光源側に導く反射部材22と、反射部材に設けられ、対物レンズから標本に入射した照明光によって標本から発生する観察光のうち、瞳面内の周縁領域より内側の領域に到達する観察光L2を、反射部材より像面側に向けて通過させる開口部2Aとを備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、標本に対する反射型の暗視野照明に用いられる暗視野照明部品および顕微鏡に関する。
例えばシリコンウエハなどの不透明な標本を観察する装置として金属顕微鏡が知られている。金属顕微鏡の照明系は、対物レンズを介して標本の落射照明を行う構成(つまり反射型)である。反射型の照明系では、一般的な明視野照明の他に、暗視野照明も行えるようになっていることが多い。暗視野照明を行う場合は、専用の対物レンズが必要であり、対物レンズの像面側に専用の部品を配置することも必要である。
反射型の暗視野照明に用いられる専用の対物レンズは、対物レンズの鏡筒が2重構造になっている(例えば特許文献1を参照)。内筒は対物レンズの各レンズ素子を保持する鏡筒である。そして、内筒と外筒との間に暗視野照明用の光路が設けられる。また、この照明光路に輪帯状の照明光を導くため、対物レンズの像面側に専用の部品(つまり中空の全反射ミラー)を配置する。
中空の全反射ミラーを介して対物レンズの内筒と外筒との間(照明光路)に導かれた輪帯状の照明光は、この照明光路を通って対物レンズの物体面側に出射した後、中空の円錐状の光となって斜め方向から標本に入射し、標本を照明する。照明された標本の微細な構造で回折した光や散乱した光(総じて観察光という)は、対物レンズの各レンズ素子(内筒の中)を通過し、全反射ミラーの中空部分を通過した後、像面側に導かれる。
このように、反射型の暗視野照明を行うことにより、不透明な標本の微細な構造にコントラストを付けて暗い背景の中で良好に観察することができる。上記した専用の部品(つまり中空の全反射ミラー)は、対物レンズの内筒と外筒との間(照明光路)に輪帯状の照明光を導くと共に、標本からの観察光を像面側に向けて通過させるものである。
特開2003−121753号公報
しかしながら、上記した反射型の暗視野照明を実現するには、専用の対物レンズ(内筒と外筒との間に暗視野照明用の光路を備えたもの)が必要である。このため、暗視野照明用の光路を備えていない一般的な対物レンズを用いると、反射型の暗視野照明を実現することはできない。つまり、従来では、反射型の暗視野照明を実現可能な対物レンズの種類が限定され、標本の観察条件(例えば倍率など)を変更する際の自由度が低かった。さらに、所望の対物レンズの外側に暗視野照明用の光路を設けて反射型の暗視野照明を実現させることも考えられるが、作動距離の短い高倍率の対物レンズや液浸系の対物レンズにおいて、その実現は困難であった。
本発明の目的は、一般的な対物レンズ(各レンズ素子の外側に暗視野照明用の光路を備えていないもの)を用いる場合でも反射型の暗視野照明を実現できる暗視野照明部品および顕微鏡を提供することにある。
請求項1に記載の発明は、対物レンズの像面側に配置される暗視野照明部品であって、光源側からの照明光を反射して前記対物レンズの瞳面内の周縁領域に導くと共に、該瞳面内の周縁領域と標本との間を往復した後の戻り光を反射して前記光源側に導く反射部材と、前記反射部材に設けられ、前記対物レンズから前記標本に入射した照明光によって前記標本から発生する観察光のうち、前記瞳面内の周縁領域より内側の領域に到達する観察光を、前記反射部材より前記像面側に向けて通過させる開口部とを備えたものである。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の暗視野照明部品において、前記光源側からの照明光を集光して前記光源の像を前記瞳面または該瞳面の近傍に形成する輪帯状の光学素子を備えたものである。
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の暗視野照明部品において、前記開口部の近傍または前記開口部より前記像面側に配置され、前記対物レンズの光軸に対して回転対称な開口形状の絞り部材を備えたものである。
請求項4に記載の顕微鏡は、請求項1から請求項3の何れか1項に記載の暗視野照明部品と、前記光源と、前記対物レンズとを備え、前記暗視野照明部品は、前記光源と前記対物レンズとの間に挿脱可能に配置されるものである。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の顕微鏡において、前記開口部の大きさが異なる複数の前記暗視野照明部品を保持すると共に、該複数の暗視野照明部品のうち何れか1つを、前記光源と前記対物レンズとの間に選択的に配置する切替部を備えたものである。
請求項6に記載の発明は、請求項4または請求項5に記載の顕微鏡において、複数の前記対物レンズを保持するレボルバ可動部と、前記顕微鏡の本体に固定されて、前記レボルバ可動部を回転可能に支持するレボルバ固定部とを備え、前記切替部によって選択された1つの前記暗視野照明部品は、前記レボルバ固定部の中の空間に配置されるものである。
本発明の暗視野照明部品および顕微鏡によれば、一般的な対物レンズ(各レンズ素子の外側に暗視野照明用の光路を備えていないもの)を用いる場合でも反射型の暗視野照明を実現することができる。
以下、図面を用いて本発明の実施形態を詳細に説明する。
本実施形態の顕微鏡10は、図1(a)に示す通り、光源11と、コリメートレンズ12と、暗視野照明ブロック13(請求項の暗視野照明部品)と、対物レンズ14と、結像レンズ15とで構成される。暗視野照明ブロック13は、対物レンズ14の像面側であって対物レンズ14と結像レンズ15の間に配置される。また、暗視野照明ブロック13は、輪帯状の集光レンズ21と、中空の全反射ミラー22と、絞り部材23とで構成される。
本実施形態の顕微鏡10の照明系は、対物レンズ14を介して標本10Aの落射照明を行うと共に、対物レンズ14の像面側に配置された暗視野照明ブロック13を用いて標本10Aの暗視野照明を行うもの、つまり、標本10Aに対する反射型の暗視野照明を行うものである。上記した構成要素(11〜15)のうち、光源11とコリメートレンズ12と暗視野照明ブロック13と対物レンズ14が、顕微鏡10の照明系として機能する。
また、本実施形態の顕微鏡10の対物レンズ14は、一般的な対物レンズ(各レンズ素子4Aの外側に暗視野照明用の光路を備えていないもの)である。顕微鏡10では、対物レンズ14の瞳面16を、図2(a)に示す輪帯状の外側領域6Aと円形状の内側領域6Bとに分け、外側領域6Aを照明光の通過領域(照明光路)として用い、内側領域6Bを観察光の通過領域(観察光路)として用いる。内側領域6Bには、対物レンズ14の光軸4Bが含まれる。
顕微鏡10の暗視野照明ブロック13について具体的に説明する。この説明に当たり、図1(a)に点ハッチングで示した照明光L1に注目する。照明光L1は、光源11から出射した照明光のうち、標本10Aまで到達し得る有効な光である。照明光L1の断面形状は、図1(b)のAA断面図に示す通り、輪帯状である。また、暗視野照明ブロック13の説明に当たり、図3に点ハッチングで示した観察光L2にも注目する。観察光L2は、照明光L1によって照明された標本10Aの微細な構造で回折した光や散乱した光のうち、顕微鏡10の像面10Bに到達し得る有効な光である。さらに、暗視野照明ブロック13を対物レンズ14の光軸4Bの方向から見た図(図4)も参照して説明を行う。
暗視野照明ブロック13の前段では、図1(a)に示すように、光源11から出射した輪帯状の照明光L1が、コリメートレンズ12を介して平行光となり、暗視野照明ブロック13に入射する。暗視野照明ブロック13では、コリメートレンズ12からの照明光L1が、輪帯状の集光レンズ21(請求項の光学素子)を介して集光され、中空の全反射ミラー22に入射する。なお、集光レンズ21の光源側には、コリメートレンズ12からの光(照明光L1を含む)の内周側を遮光する遮光部材(不図示)が設けられる。この遮光部材によって内周側を遮光することにより、輪帯状の照明光L1を得ることができる。
中空の全反射ミラー22(請求項の反射部材)は、集光レンズ21の中心軸2B(コリメートレンズ12の光軸と一致)に対して45度に傾けて、かつ、対物レンズ14の光軸4Bに対して45度に傾けて、双方の軸上に配置されている。
全反射ミラー22の反射面は輪帯状であり、集光レンズ21の中心軸2Bの方向(または対物レンズ14の光軸4Bの方向)から見ると図4に示す円形状、正面から見ると楕円形状となっている。また、全反射ミラー22の中空部分(開口部2A)も、同様に、集光レンズ21の中心軸2Bの方向(または対物レンズ14の光軸4Bの方向)から見ると図4に示す円形状、正面から見ると楕円形状となっている。開口部2Aの反射面側の中心2Cは、集光レンズ21の中心軸2Bと対物レンズ14の光軸4Bとの交点に一致する。
さらに、本実施形態の暗視野照明ブロック13では、全反射ミラー22の開口部2Aの近傍に絞り部材23が配置されている。この絞り部材23は、対物レンズ14の光軸4Bに対して回転対称な開口形状を有する円筒状の部材であり、開口部2Aに嵌め込まれている。また、絞り部材23の長さ(光軸4Bに沿った長さ)は、集光レンズ21側から全反射ミラー22に入射する輪帯状の照明光L1を遮断しないように設定されている。
上記構成の暗視野照明ブロック13において、中空の全反射ミラー22は、集光レンズ21からの輪帯状の照明光L1を全反射して、対物レンズ14の瞳面16の外側領域6A(図2(a))に導く。具体的には、図2(b)に示す通り、輪帯状の照明光L1を対物レンズ14の瞳面16内の周縁領域に導く。このとき、集光レンズ21の作用によって、対物レンズ14の瞳面16には、光源11の輪帯状の像が形成される。
暗視野照明ブロック13を介して対物レンズ14の瞳面16内の周縁領域に導かれた照明光L1は、対物レンズ14の各レンズ素子4Aの周縁領域を通って対物レンズ14の先端から物体面側に出射した後、中空の円錐状の照明光L1となる。そして斜め方向から標本10Aに入射する。これにより、標本10Aに対する反射型の暗視野照明が実現する。
また、対物レンズ14の瞳面16には光源11の像が形成され、その後の照明光L1が標本10Aに入射するため、本実施形態の反射型の暗視野照明は、所謂ケーラー照明となる。ケーラー照明では、標本10Aに入射する照明光L1が平行光となり、照明光L1の入射方向が視野の全体で一定となる。視野の大きさは、対物レンズ14の瞳面16に向かう照明光L1の広がり角と対物レンズ14の焦点距離によって決まる。
標本10Aに入射した照明光L1の多くは、標本10Aで反射した後、標本10Aの観察には不要な光として、再び対物レンズ14の各レンズ素子4Aの周縁領域を通って瞳面16内の周縁領域に到達する。このように瞳面16内の周縁領域と標本10Aとの間を往復した後の戻り光は、照明光L1と同様の輪帯状であり、再び全反射ミラー22に導かれる。全反射ミラー22は、輪帯状の戻り光を全反射して光源11側に導く。
これに対し、標本10Aに入射した照明光L1の一部は、標本10Aの微細な構造で回折または散乱され、上記の観察光L2(図3)となる。標本10Aから発生する観察光L2は、対物レンズ14の各レンズ素子4Aの中心領域を通った後、図2(c)に示す通り、瞳面16の内側領域6B(図2(a)参照)に到達する。この内側領域6Bは、照明光L1が導かれる瞳面16内の周縁領域(図2(b)参照)より内側の領域である。
標本10Aから発生して瞳面16の内側領域6Bに到達した観察光L2(図2(c))は、その後、上記の戻り光とは異なり、全反射ミラー22に設けられた開口部2A(および絞り部材23)を通過する。すなわち、全反射ミラー22より像面側に向けて通過する。そして結像レンズ15を介した後、顕微鏡10の像面10Bに到達する。
本実施形態では、対物レンズ14が無限遠系であり、結像レンズ15が第2対物レンズとして機能する。このため、対物レンズ14と結像レンズ15の作用によって、顕微鏡10の像面10Bには、標本10Aの暗視野像が形成される。標本10Aの暗視野像は、観察光L2に起因する像であり、標本10Aの微細な構造を表している。
像面10Bに例えばイメージセンサの撮像面を配置する場合、イメージセンサによる撮像信号をモニタに表示することで、標本10Aの暗視野像を観察することができる。接眼レンズを用いて目視観察してもよい。何れにしても、標本10Aに対する反射型の暗視野照明を行うことにより、標本10Aの微細な構造にコントラストを付けて暗い背景の中で良好に観察することができる。
さらに、本実施形態の顕微鏡10では、暗視野照明ブロック13の全反射ミラー22によって輪帯状の照明光L1を対物レンズ14の瞳面16内の周縁領域(図2(b))に導き、対物レンズ14の各レンズ素子4Aの周縁領域を介して標本10Aを照明するため、対物レンズ14として一般的な対物レンズ(各レンズ素子4Aの外側に暗視野照明用の光路を備えていないもの)を用いる場合でも、反射型の暗視野照明を実現することができる。
そして、標本10Aからの観察光L2を瞳面16の内側領域6B(図2(c))に導き、全反射ミラー22の開口部2Aを介して像面側に導くことにより、標本10Aの暗視野像を観察することができる。このとき、標本10Aの観察に不要な戻り光を全反射ミラー22によって全反射して光源11側に導く(つまり像面側には導かないようにする)ため、標本10Aの暗視野像をコントラスト良く観察できる。
また、本実施形態の顕微鏡10では、暗視野照明ブロック13の集光レンズ21の作用によって対物レンズ14の瞳面16に光源11の像を形成し、標本10Aに対する照明光L1の入射方向を一定にするため、標本10Aからの戻り光を照明光L1の経路に沿って戻すことができる。そして、全反射ミラー22を介して確実に光源11側に戻すことができ、全反射ミラー22の開口部2Aを介して像面側に導かれる観察光L2への戻り光の混入を確実に低減できる。
なお、観察光L2と戻り光との分離は、全反射ミラー22の開口部2Aによって行われる。その分離を確実に行うためには、対物レンズ14の瞳面16において、開口部2Aに対応する内側領域6B(図2(a))から半径方向に一定の距離だけ離れた箇所に、例えば図2(b)に示す瞳面16内の周縁領域に、輪帯状の照明光L1を導くことが好ましい。内側領域6Bと周縁領域との間に一定の距離を確保することで、暗視野照明ブロック13の位置ずれがあっても確実に観察光L2と戻り光とを分離することができる。
さらに、本実施形態の顕微鏡10では、全反射ミラー22の開口部2Aの近傍に絞り部材23を設けたことにより、対物レンズ14の光軸4Bに対して回転対称な状態で、観察光L2と戻り光とを分離することができる。したがって、観察光L2に関しては、周辺光量の低下分(絞り部材23によるケラレ分)を光軸4Bに対して回転対称にすることができる。戻り光に関しては、暗視野照明ブロック13が位置ずれ状態となった場合でも、確実に遮断する(観察光L2への混入を防止する)ことができる。
同様の効果は、絞り部材23に代えて図5に示す絞り部材25を用いる場合にも得ることができる。図5に示す通り、絞り部材25は、全反射ミラー22の開口部2Aより像面側に配置された円盤状の部材であり、対物レンズ14の光軸4Bに対して回転対称な開口形状を有する。絞り部材25を用いる場合、戻り光の一部が開口部2Aを通過しても、絞り部材25によって確実に遮断することができる。
また、本実施形態の顕微鏡10では、対物レンズ14として一般的な対物レンズ(各レンズ素子4Aの外側に暗視野照明用の光路を備えていないもの)を用いることができるため、全ての対物レンズ(例えば作動距離の短い高倍率の対物レンズや液浸系の対物レンズなどを含む)で、反射型の暗視野照明を実現できる。したがって、標本10Aの観察条件(例えば倍率など)を変更する際の自由度が格段に向上する。さらに、不透明な標本(例えばシリコンウエハなど)に限らず、透明な標本(例えば生体細胞など)であっても、反射型の暗視野照明による観察を行うことができる。
近年、生物や医学の分野の発展に伴って、生体細胞を観察することが増えている。特に生体細胞を生きた状態で観察することは、例えば創薬などで非常に有用である。生体細胞は透明なものが多く、一般的な明視野照明では観察が難しい。また、倒立顕微鏡を用いた透過型の暗視野照明によって生体細胞にコントラストを付けて観察することも考えられるが、生体細胞の培養に用いられる容器(ディッシュ)と照明系の暗視野コンデンサレンズとが干渉してしまうため、実現は困難である。
さらに、一般的な液浸系の対物レンズの外側に暗視野照明用の光路を設けて反射型の暗視野照明を実現させることも考えられるが、対物レンズの先端と標本との間の照明光路が浸液で満たされない可能性もあり、反射型の暗視野照明を実現できるとは限らない。
しかし、本実施形態の顕微鏡10では、対物レンズ14として一般的な液浸系の対物レンズを用いることができ、その場合、液浸系の対物レンズの先端と標本10Aとの間の照明光路を確実に浸液で満たすことができる。液浸系の対物レンズとディッシュとが干渉することもない。したがって、液浸系の対物レンズを用いた反射型の暗視野照明が実現し、ディッシュ内の生体細胞にコントラストを付けて良好に観察することができる。
また、生物学研究の分野では、蛍光観察も多用されている。蛍光観察は、標本に蛍光試料を導入した状態で、または、蛍光を発する蛋白質などを生体細胞内に発現させた状態で、波長の短い光(例えば紫外光)を標本に照射し、この照射光によって励起された分子や蛋白質などから発せられる蛍光を取り込むことによって、標本の蛍光像を観察する手法である。本実施形態の顕微鏡10における反射型の暗視野照明は、このような蛍光観察にも用いることができる。この場合、標本10Aからの蛍光による暗視野像が像面10Bに形成され、これを観察することになる。
さらに、本実施形態の顕微鏡10における反射型の暗視野照明は、この照明下で標本10Aの暗視野像の観察を行う場合に限らず、標本10Aのオートフォーカス動作を行う場合にも用いることができる。オートフォーカス動作を行う場合、上記の観察光L2は、標本10Aと対物レンズ14の焦点との相対位置(標本10Aの合焦状態)に応じた信号光として顕微鏡10の像面10B(または像面10Bに共役な他の像面)に到達し、標本10Aの暗視野像を形成する。そして、この暗視野像のコントラストに基づいて標本10Aと対物レンズ14の焦点との相対位置(標本10Aの合焦状態)を調整し、コントラストが最大となる状態に位置決めすることにより、オートフォーカスを掛けることができる。
このような本実施形態の顕微鏡10における反射型の暗視野照明を用いたオートフォーカス動作の後、同様の反射型の暗視野照明による標本10Aの蛍光観察に切り替える場合は、顕微鏡10の光源11として蛍光観察時の励起光(例えば紫外光)を出射するものを用い、標本10Aにオートフォーカスを掛ける際にも、標本10Aに対して観察時と同じ励起光を照射し、標本10Aからの蛍光を取り込めばよい。この場合、顕微鏡10の構成を変更することなく、反射型の暗視野照明によるオートフォーカス動作と標本10Aの蛍光観察とを連続的に行うことができる。
ただし、励起光の照射は生体にダメージを与えることが多く、生体細胞を生きた状態で観察しようとしても励起光の照射によって細胞が死んでしまったり、退色して蛍光を発しなくなることもある。そのため、長時間の励起光照射は避けることが好ましい。
したがって、標本10Aにオートフォーカスを掛ける際には、光源11として、生体にダメージを与えないような光(例えば赤外光など)を出射するものを用いればよい。この場合、顕微鏡10の光源11をオートフォーカス動作時(例えば赤外光源)と蛍光観察時(例えば紫外光源)とで入れ替えることにより、生体へのダメージを軽減しつつ良好なピント状態で標本10Aの蛍光観察を行うことができる。
また、標本10Aの蛍光観察を一般的なフィルタブロック(ダイクロイックミラーなどを含む)を用いて行う前に、本実施形態の顕微鏡10における反射型の暗視野照明(光源11は例えば赤外光源などの生体にダメージを与えないもの)を用いて、標本10Aにオートフォーカスを掛けることもできる。
この場合、図6に示す通り、顕微鏡10の暗視野照明ブロック13と結像レンズ15との間に、蛍光観察用のフィルタブロック26を配置すると共に、このフィルタブロック26の前段に、励起光(例えば紫外光)を出射する光源27を配置することが必要となる。さらに、暗視野照明ブロック13を対物レンズ14の光軸4Bから退避可能とすることも必要である。
そして、対物レンズ14の光軸4Bに暗視野照明ブロック13を挿入した状態で、生体へのダメージを軽減しつつオートフォーカスを掛け、その後、暗視野照明ブロック13を光軸4Bから退避させた状態で、光源27とフィルタブロック26とを用いた蛍光観察に切り替えればよい。このような蛍光観察によれば、対物レンズ14の瞳面16の全体(または図2(a)の内側領域6Bよりも広い範囲)を使って、標本10Aからの蛍光を取り込むことができる。したがって、高解像度での蛍光観察が可能となる。
また、本実施形態の顕微鏡10では、複数の一般的な対物レンズ(倍率の異なるもの)を予め用意しておき、暗視野照明ブロック13と標本10Aとの間に対物レンズ14として1つずつ選択的に配置することで、標本10Aの暗視野像の観察を変倍しながら行うことができる。
対物レンズ14の切替機構としては、図7に示す一般的なレボルバを用いればよい。レボルバの可動部31は、倍率の異なる複数の対物レンズ14(1),14(2),…を保持している。また、レボルバの固定部32は、顕微鏡10の本体33に固定されて、上記の可動部31を回転可能に支持している。そして、固定部32に対して可動部31を回転させることにより、複数の対物レンズ14(1),14(2),…のうち何れか1つを選択的に光軸4Bに配置することができる。
図7に示すレボルバを顕微鏡10に設ける場合、暗視野照明ブロック13は、図7(a)に示す通り、顕微鏡10の本体33の中に配置してもよいし、図7(b)に示す通り、レボルバの固定部32の中の空間に配置してもよい。固定部32の中の空間はデッドスペースとなっているため、図7(b)のように配置することで、顕微鏡10の本体33を小型化することができ、装置全体もコンパクトになる。また、図7(b)のように配置することで、暗視野照明ブロック13を対物レンズ14の瞳面16に近づけることができ、光学性能の面でも好ましい(例えば周辺光量の低下を防止できる)。
さらに、対物レンズ14を交換可能とする場合、各々の対物レンズ14の瞳面16の大きさに応じて、暗視野照明ブロック13を交換することが好ましい。傾向としては、瞳面16が小さい場合には全反射ミラー22の開口部2Aが小さい暗視野照明ブロック13を用い、瞳面16が大きい場合には開口部2Aが大きい暗視野照明ブロック13を用いることになる。
暗視野照明ブロック13を交換するためには、例えば図8に示すような切替機構を顕微鏡10に設けることが好ましい。図8は、切替機構を対物レンズ14の光軸4Bの方向から見た模式図である。切替機構の可動部(不図示)は、全反射ミラー22の開口部2Aの大きさφ12,…が異なる複数の暗視野照明ブロック13(1),13(2),…を保持している。切替機構の固定部(不図示)は、顕微鏡10の本体に固定されて、上記の可動部を回転可能に支持している。そして、固定部に対して可動部を回転させることにより、複数の暗視野照明ブロック13(1),13(2),…のうち何れか1つを、対物レンズ14と光源11との間(本実施形態では対物レンズ14とコリメートレンズ12との間で且つ対物レンズ14と結像レンズ15との間)に選択的に配置することができる。暗視野照明ブロック13の切替機構は、図8のような回転式に限らず、スライド式でも構わない。
例えば図8に示す切替機構を用いて暗視野照明ブロック13(1),13(2),…を交換して、全反射ミラー22の開口部2Aの大きさφ12,…を変更することにより、対物レンズ14の瞳面16の大きさに応じて、瞳面16の内側領域6B(図2(a))の大きさを変更することができる。このため、各々の対物レンズ14における瞳面16の内側領域6Bと外側領域6Aとの区分けを適切に行うことができる。
上記した図7(b)に示すレボルバを備え、暗視野照明ブロック13(1),13(2),…を交換可能とする場合、レボルバの固定部32の中の空間には、例えば図8の切替機構によって選択された1つの暗視野照明ブロック13を配置すればよい。
また、本実施形態の顕微鏡10では、暗視野照明ブロック13を対物レンズ14の光軸4Bから退避可能とし、暗視野照明ブロック13を光軸4Bに挿入させた状態と光軸4Bから退避させた状態とで切り替えることにより、1つの対物レンズ14で標本10Aの暗視野観察と明視野観察との双方を順に行うことができる。
(変形例)
なお、上記した実施形態では、無限遠系の対物レンズ14を例に説明したが、本発明はこれに限定されない。有限系の対物レンズを用いる場合にも、本発明を適用できる。対物レンズが有限系の場合、結像レンズ15を省略してもよい。
また、上記した実施形態では、暗視野照明ブロック13の集光レンズ21の作用によって対物レンズ14の瞳面16に光源像を形成する例を説明したが、本発明はこれに限定されない。光源像の形成位置が瞳面16の近傍である場合にも、本発明を適用できる。そして、上記と同様に、標本10Aからの戻り光を全反射ミラー22を介して確実に光源11側に戻すことができ、観察光L2への戻り光の混入を確実に低減できる。
さらに、上記した実施形態では、暗視野照明ブロック13に輪帯状の集光レンズ21を設ける例を説明したが、本発明はこれに限定されない。同様の集光レンズを暗視野照明ブロックの外(前段)に配置しても構わない。
また、上記した実施形態では、絞り部材23(または絞り部材25)を全反射ミラー22の開口部2Aの近傍(または開口部2Aより像面側)に配置したが、本発明はこれに限定されない。絞り部材は省略しても構わない。省略した場合でも、一般的な対物レンズ(各レンズ素子の外側に暗視野照明用の光路を備えていないもの)を用いた反射型の暗視野照明を実現できる。
さらに、上記した実施形態では、輪帯状の照明光L1(図1(b))を中空の全反射ミラー22に導く例を説明したが、本発明はこれに限定されない。図9(a),(b)に示す通り、照明光L1の断面形状を中心に対して360度より小さい範囲とする場合にも、本発明を適用できる。このような照明光L1の断面形状は、集光レンズ21の光源側に配置される遮光部材(不図示)の開口形状により変更することができる。
本実施形態の顕微鏡10と暗視野照明ブロック13の全体構成を示すと共に照明光L1の経路を説明する図である。 対物レンズ14の瞳面16における照明光L1と観察光L2の通過領域を説明する図である。 観察光L2の経路を説明する図である。 暗視野照明ブロック13を光軸4Bの方向から見た図である。 変形例の絞り部材25について説明する図である。 蛍光観察用のフィルタブロック26の配置を説明する図である。 対物レンズ14の交換に用いられるレボルバの構成と暗視野照明ブロック13の配置を説明する図である。 暗視野照明ブロック13の切替機構を説明する図である。 照明光L1の断面形状の他の例について説明する図である。
符号の説明
10 顕微鏡
10A 標本
10B 像面
11,27 光源
12 コリメートレンズ
13 暗視野照明ブロック
14 対物レンズ
15 結像レンズ
16 瞳面
6A 外側領域
6B 内側領域
21 集光レンズ
22 全反射ミラー
2A 開口部
23,25 絞り部材
26 蛍光観察用のフィルタブロック
31 レボルバの可動部
32 レボルバの固定部
33 本体

Claims (6)

  1. 対物レンズの像面側に配置される暗視野照明部品であって、
    光源側からの照明光を反射して前記対物レンズの瞳面内の周縁領域に導くと共に、該瞳面内の周縁領域と標本との間を往復した後の戻り光を反射して前記光源側に導く反射部材と、
    前記反射部材に設けられ、前記対物レンズから前記標本に入射した照明光によって前記標本から発生する観察光のうち、前記瞳面内の周縁領域より内側の領域に到達する観察光を、前記反射部材より前記像面側に向けて通過させる開口部とを備えた
    ことを特徴とする暗視野照明部品。
  2. 請求項1に記載の暗視野照明部品において、
    前記光源側からの照明光を集光して前記光源の像を前記瞳面または該瞳面の近傍に形成する輪帯状の光学素子を備えた
    ことを特徴とする暗視野照明部品。
  3. 請求項1または請求項2に記載の暗視野照明部品において、
    前記開口部の近傍または前記開口部より前記像面側に配置され、前記対物レンズの光軸に対して回転対称な開口形状の絞り部材を備えた
    ことを特徴とする暗視野照明部品。
  4. 請求項1から請求項3の何れか1項に記載の暗視野照明部品と、
    前記光源と、
    前記対物レンズとを備え、
    前記暗視野照明部品は、前記光源と前記対物レンズとの間に挿脱可能に配置される
    ことを特徴とする顕微鏡。
  5. 請求項4に記載の顕微鏡において、
    前記開口部の大きさが異なる複数の前記暗視野照明部品を保持すると共に、該複数の暗視野照明部品のうち何れか1つを、前記光源と前記対物レンズとの間に選択的に配置する切替部を備えた
    ことを特徴とする顕微鏡。
  6. 請求項4または請求項5に記載の顕微鏡において、
    複数の前記対物レンズを保持するレボルバ可動部と、
    前記顕微鏡の本体に固定されて、前記レボルバ可動部を回転可能に支持するレボルバ固定部とを備え、
    前記切替部によって選択された1つの前記暗視野照明部品は、前記レボルバ固定部の中の空間に配置される
    ことを特徴とする顕微鏡。
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