JP2006176849A - 溶鉱炉内溶融物レベル計測方法および装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】溶鉱炉内における溶融物のレベルを精度よく確実に計測するための溶鉱炉内溶融物レベル計測方法および装置を提供することを目的とする。
【解決手段】炉下部側面に設置する電極は、電流印加用が2本、電圧検出用に少なくとも3本必要であり、ここでは簡単のため、2本の電流印加用の電極(電極5aと電極5e)と、3本の電圧検出用の電極(電極5b、電極5c、および電極5d)を設置するものとし、電圧検出用の電極のうち2本は出銑口よりも上部に設置(電極5bと電極5c)し、1本は出銑口よりも下側に設置(電極5d)する。また、炉内の溶銑の液面は出銑口の上で高々数十cm程度しか変化しないと考えられることから、出銑口の上に設置する2本の電極のうち、下側の電極は溶銑レベルよりも常に上になるような位置に設置するものとする。
【選択図】図1

Description

本発明は、溶鉱炉内における溶融物のレベルを計測するための溶鉱炉内溶融物レベル計測方法および装置に関するものである。
製鉄業における高炉は、最上流工程に位置するため、その操業の安定化技術が重要視されている。高炉では、炉頂部より原料となる鉄鉱石とともにコークスを投入し、羽口から圧送される熱風により鉄鉱石が還元され、溶銑を作っている。この際できる溶銑滓は炉底部に貯留され、一定時間間隔毎に出銑口を穿孔し、溶銑とともに高炉外へ排出している。
高炉の炉下部の通気性を確保することは、高炉の安定操業において大変重要である。すなわち、羽口先に存在するレースウェイ形状は、液面レベルが低いときには、安定した形状を保っているが、液面が上昇すると、形状は徐々に変化する。そしてこの結果、炉心を流れていた熱風は、徐々に外側を流れるようになり、方角によって送風圧が異なる差圧変動状態となる。このような状態では、均一な造銑ができなくなるなど、炉況に不具合が生じる。このように炉況に不具合が生じた場合は、複数の出銑口を開孔して、残銑滓を排出し送風圧を適正に戻すなど、炉下部の通気性を確保するアクションをとる必要がある。
また、残銑滓レベルは過度に上昇しすぎると、最悪の場合には、羽口溶損トラブルが発生することも懸念される。このようなトラブルが発生した場合は、長時間操業に影響が出るのはもちろんのこと、作業員の安全面に関しても問題となると考えられる。
残銑滓レベル計測についての従来技術としては、例えば特開昭59−140309号公報(特許文献1)に開示された技術がある。これは、高炉炉底部を構成するカーボンレンガに4電極を設け、交流電流印加の4端子法によって得られた電気抵抗から残銑滓レベルを知る方法であり、溶銑の有無によって電気抵抗は約25%変化することから、この抵抗値を連続的に測定するものである。
また、他の残銑滓レベル計測についての従来技術としては、例えば特開2000−192123号公報(特許文献2)に開示された技術がある。高炉炉床内の炉壁レンガ内に、その先端を炉壁内に露出させた電極を垂直方向に少なくとも2個配設し、該電極の他端を高炉炉外に取り出して電圧調整機構を介してそれぞれの電極を接続し、前記電極同士によって電気回路を形成し、前記電圧調整機構から前記電気回路に電流を流し、該電気回路を流れる電流量を計測することにより、高炉内における溶融体レベルを把握するという技術である。
さらに、同様の従来技術として、特開2000−192124号公報(特許文献3)に開示された技術がある。高炉炉床内の炉壁レンガ内に埋設した少なくとも2個の電極のうち、溶銑に接する最下部の電極と他の電極とで電気回路を形成し、高炉炉外において電気回路に流れる電流量を計測することにより、高炉内における溶融体のレベルを把握するという技術である。
特開昭59−140309号公報 特開2000−192123号公報 特開2000−192124号公報
しかしながら、特許文献1で示される技術では、測定する抵抗値が小さいため、印加する電流は大きくしないと測定が行えない。ところが交流電流を大きくすると、交流電流が作り出す磁束の時間変化によって誘導起電力を発生させ、その誘導起電力がノイズとして検出され、大きな誘導起電力ノイズにより真の信号との判別ができなくなる。従って、十分な計測精度が得られないという問題がある。
また、特許文献2および特許文献3で示される技術では、電極を炉壁レンガ内部に埋め込まなければならないため、施工時の安全性等を考慮すると、電極の設置は高炉建設時または耐火レンガ積み替え改修時に行わなくてはならず、操業中の高炉に対して即座に適用することは非常に困難である。そして、高炉建設、耐火レンガ積み替え補修は、莫大なコストがかかり頻繁に行うことは不可能であり、操業中の高炉で、これらの技術を適用することは現実的ではない。
さらに、特許文献1ないし特許文献3で示される技術では、高炉内部で発生する起電力、高炉上の場所の違いによる温度差に起因する熱起電力、および炉体等を通して現れるランダムなノイズなどで信号がうまく測定できないという共通の問題もある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、溶鉱炉内における溶融物のレベルを精度よく確実に計測するための溶鉱炉内溶融物レベル計測方法および装置を提供することを目的とする。
本発明の請求項1に係る発明は、溶鉱炉側面に高さ方向に少なくとも4本の電極を設け、該電極のうち最上部および最下部に設けた2本の電極を電流印加用電極として電流を印加し、該電流印加用電極以外の電極を電圧検出用電極として電圧を計測することによって、該計測した電圧または該電圧にもとづき算出した電気抵抗の変化から溶鉱炉内の溶融物レベルを把握する溶鉱炉内溶融物レベル計測方法において、前記電圧検出用電極を、前記溶鉱炉の出銑口より上部に設けて、溶融物レベルを計測することを特徴とする溶鉱炉内溶融物レベル計測方法である。
また本発明の請求項2に係る発明は、前記出銑口よりも下部に、さらに前記電圧検出用電極を設けて、各電極間の電圧を計測して、溶鉱炉内のスラグレベルおよび溶銑レベルを計測することを特徴とする請求項1に記載の溶鉱炉内溶融物レベル計測方法である。
また本発明の請求項3に係る発明は、前記電流印加用電極に印加する電流信号として擬似ランダム信号を用い、前記電圧検出用電極間にて計測された電圧信号波形中の誘導起電力成分と信号成分を時間的に分離して、該分離した信号成分のみの電圧信号波形に対して、前記印加した擬似ランダム信号波形を参照信号として相関演算処理を行い、該相関演算処理の演算値にもとづいて電極間の電圧を計測することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の溶鉱炉内溶融物レベル計測方法である。
また本発明の請求項4に係る発明は、前記各電極の先端部を、前記溶鉱炉の炉底部を構成している炉底レンガに電気的に接触させることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の溶鉱炉内溶融物レベル計測方法である。
また本発明の請求項5に係る発明は、前記各電極は、その先端部を導電性の材料を用いてバネ形状とし、該先端部以外の部分を絶縁体で覆うことを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の溶鉱炉内溶融物レベル計測方法である。
また本発明の請求項6に係る発明は、溶鉱炉側面に高さ方向に少なくとも4本の電極を配置して、該電極のうち最上部および最下部に設けた2本の電極を電流印加用電極として電流を印加し、該電流印加用電極以外の電極を電圧検出用電極として電圧を計測する電圧検出装置と、該計測した電圧または該電圧にもとづき算出した電気抵抗の変化から溶鉱炉内の溶融物レベルを算出する信号処理装置とを有する溶鉱炉内溶融物レベル計測装置において、前記電圧検出用電極を、前記溶鉱炉の出銑口より上部に設けて、溶融物レベルを計測することを特徴とする溶鉱炉内溶融物レベル計測装置である。
また本発明の請求項7に係る発明は、前記電圧検出装置は、さらに電圧検出用電極を前記出銑口よりも下部に設けて、前記溶鉱炉の出銑口より上部に該電流印加用電極とからなる各電極間の電圧を計測し、前記信号処理装置は、前記各電極間の電圧にもとづいて溶鉱炉内のスラグレベルおよび溶銑レベルを算出することを特徴とする請求項6に記載の溶鋼炉内溶融物レベル計測装置である。
さらに本発明の請求項8に係る発明は、溶鉱炉内溶融物レベル計測装置において、前記信号処理装置は、前記電流印加用電極に印加する電流信号として擬似ランダム信号を用い、前記電圧検出用電極間にて計測された電圧信号波形中の誘導起電力成分と信号成分を時間的に分離して、該分離した信号成分のみの電圧信号波形に対して、前記印加した擬似ランダム信号波形を参照信号として相関演算処理を行うことを特徴とする請求項7または請求項8に記載の溶鉱炉内溶融物レベル計測装置である。
本発明によれば、溶鉱炉内における溶融物のレベルを精度よく確実に計測することが可能になる。さらにこのことにより、溶鉱炉の安定した操業が行えるようになるという効果がある。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図および式を用いて詳細に説明する。図1は、本発明を実施するためのシステム構成の一例を示す図である。図中、1は鉄皮、2はスタンプ材、3は炉底レンガ、4は出銑口、5a〜5eは電極、6は電圧検出装置、7は電流波形検出装置、8は擬似ランダム信号発生装置、9は信号処理装置、および10は警報表示装置をそれぞれ示す。
図1の左側は、溶鉱炉(高炉)の炉下部を模式的に表しており、炉の外側から鉄皮1、スタンプ材2、炉底レンガ3で構成されており、溶銑および溶銑滓を一定周期で排出するための出銑口4が設けられている。
炉下部側面に設置する電極は、電流印加用が2本、電圧検出用が3本である。ここでは簡単のため、2本の電流印加用の電極(電極5aと電極5e)と、3本の電圧検出用の電極(電極5b、電極5c、および電極5d)を設置するものとし、電圧検出用の電極のうち2本は出銑口よりも上部に設置(電極5bと電極5c)し、1本は出銑口よりも下側に設置(電極5d)する。また、炉内の溶銑の液面は出銑口の上で高々数十cm程度しか変化しないと考えられることから、出銑口の上に設置する2本の電極のうち、下側の電極は溶銑レベルよりも常に上になるような位置に設置するものとする。このような配置にすることで、出銑口より上部に設置された電極間での検出電圧、または検出電圧から算出される電気抵抗値から溶滓(スラグ)のレベルを計測が可能となる。ここで、溶滓(スラグ)は溶鉱炉内の溶融物の上面に存在するので、溶鉱炉内の溶融物のレベルを計測していることに該当する。さらに出銑口より下に設置する電極を加えることで、電流検出用電極3本の間での検出電圧、または検出電圧から算出される電気抵抗値から溶銑のレベルの計測を可能とする。
電流印加用の電極5aおよび5eは、ケーブルを介して擬似ランダム信号発生装置8に接続されている。電極5aへの電流は、電流波形検出装置7で計測される。擬似ランダム信号発生装置8での擬似ランダム信号の駆動周波数は、発振器によって制御される。また、電圧検出用電極は、それぞれケーブルを介して、電圧検出装置6に接続され、さらにその出力は信号処理装置9に接続されている。信号処理装置9では、検出電圧と印加電流データを連続的に取り込み、これらのデータに関して後段で詳述するような信号処理を行うとともに記録されて、警報表示装置10にも送られる。なお、信号処理装置としては、データのA/D変換を行い、計算機を用いて演算および記録するようにすれば簡便である。
図1に示した電極の設置位置と単純化した等価回路を、図2および図3に示す。図2および図3ともそれぞれ、図の左側に(a)として、電極の設置位置と、溶銑および溶滓(スラグ)の液面との関係を示し、図の右側に(b)として、対応する等価回路を示している。図2と図3の違いは、3本の電圧検出用の電極(図1の5a、5b、および5c)のうち、図2は最上部と最下部の電極(5aと5c)に着目し、図3は最上部と真中の電極(5aと5b)に着目している点である。
高炉の炉下部を構成するカーボンレンガの単位長さあたりの電気抵抗をr、スラグの単位長さあたりの電気抵抗をr、溶銑の単位長さあたりの電気抵抗をrとし、電圧検出用電極を上から、V+、V0、Vと呼ぶことにする。いま、溶銑の炉底からのレベルをx1、スラグの厚みをx2、スラグ液面から最上部の電極V+までの高さをx3、最上部の電極V+から最下部の電極Vまでの距離をL、炉底から真中の電極V0までの距離をLDOWN、および、真中の電極V0から最上部の電極V+までの距離をLUPとする。
先ず、図2に示す電極V+−V間で検出される電気抵抗をRとすると、図2(b)の等価回路から以下の(1)式で求めることができる。
Figure 2006176849
溶銑の電気抵抗r2は、カーボンレンガの電気抵抗r0およびスラグの電気抵抗r1と比べて小さい、すなわち、r2<<r0、r1と考えられるので、(1)式は、以下の(2)式のように変形ができる。
Figure 2006176849
(2)式の第1項は、カーボンレンガの電気抵抗をrと最上部の電極V+から最下部の電極Vまでの距離Lとの掛け算で決まる定数である。したがって、電気抵抗Rは、溶銑のレベル(x1)、および溶銑レベルとスラグ厚みをあわせたトータルのレベル(x1+x2)に従うことが分かる。
次に、図3に示す電極V+−V0間で検出される電気抵抗をR’とすると、図3(b)の等価回路から以下の(3)式で求めることができる。
Figure 2006176849
(3)式の第1項および第2項は、それぞれ定数であり、電気抵抗R’は、溶銑レベルとスラグ厚みをあわせたトータルのレベル(x1+x2)のみに依存することが分かる。したがって、電極V+−V0間で検出される電気抵抗R’ を得ることによって、トータルレベルを知ることが可能で、さらに電極V+−V0間の電圧から電気抵抗Rを得て、(2)式と(3)式の連立方程式を解くことによって、溶銑レベルx1およびスラグ厚みx2を求めることが可能である。
本実施形態では、電圧検出用電極を3本として説明したが、溶融物の最上面のレベル、すなわち実質的には溶融物の上部に存在する溶滓(スラグ)のレベルを計測する目的で、出銑口より下側に電極を設置せず、出銑口より上に2本の電極を設置し、電流印加電極と合わせて4本とする構成としてもよい。また、前記実施形態の説明の本数に限定されず、電圧検出用電極を3本より多く配置して計測してもよい。
図4は、電極の先端部の構造を模式的に示す図である。鉄皮を開孔し、鉄皮とレンガの間にあるスタンプ材を取り除いた上で、電極の設置を行う。電極の先端部を、例えば導電性の材料を用いてバネ形状とすることによって、カーボンレンガに常時密着させることができて、確実な電気的接触が図れるようにする。また、この先端部だけを露出させるようにし、その他部分の外側はセラミックスなどの絶縁体のカバーで覆うようにする。これは、鉄皮への電流の流れ込みを防止するためのものである。
検出電圧の波形は、印加信号(擬似ランダム信号)の波形に相似形をなすと期待されるが、実際には図5に示すように、誘導起電力がノイズとして本来検出すべき電圧に重乗された状態で検出される。また、ランダムなノイズも検出電圧信号上に現れる可能性があり、ノイズを取り除くための信号処理が必要である。以下に信号処理の手順を、ステップを追って図8の処理フローで説明する。なお、これらの信号処理は、計算機に波形を記録されるともに、計算機内部で行われる。
(Step1)
誘導起電力によるノイズは、図5に示したように、電圧検出波形の符号の切り換り直後に現れる。電圧の時間変化率ΔV/Δtの絶対値は、符号が変化した瞬間非常に大きい値をとる。その後徐々に減少し0に近い値となる。図6は、誘導起電力ノイズ部分と信号部分の決定方法を説明する図である。所定の閾値を設定し、その閾値に対して、ΔV/Δtの絶対値が大きい時間区間を誘導ノイズ区間と決定し、閾値よりも絶対値が小さい部分を信号成分区間とするものである。
(Step2)
誘導ノイズは計測を行う際の検出系の構成で決定されるため、検出系のケーブルや電極の構成を変更しない限り符号の切り換り後同じ時間だけ現れる。従って、Step1で決定した誘導ノイズ区間の一定時間を、検出電圧波形の各符号切り換り時点から除去する。このとき、計算を容易にするため、この区間の電圧を0[V]とするのがよい。このとき、0[V]としたデータの数nを数えて記録しておく。ここでの信号処理後の波形の一例を、図7に示す。
(Step3)
擬似ランダム信号は、入力(印加)信号波形と検出電圧波形の相関計算処理を行って、S/Nのよい測定結果が得られる。次にデータ数NとStep2で記録された0[V]としたデータの数nとの差をとる。印加信号波形のi番目のデータをf(i)、検出電圧波形のi番目のデータをg(i)とすると、自己相関関数V(j)は次のような式で表される。
Figure 2006176849
整数jを0〜Nの間で変化させたときのV(j)の最大値が、求めたい検出電圧Vである。また、数周期の擬似ランダム信号に関して相関演算を行い、各周期でのV(j)の最大値の平均をとることによってS/Nをさらに向上することができる。
以上の手順で、S/Nよく電気抵抗を求めることが可能である。なお、印加信号に矩形波を用いた場合は、検出電圧波形から誘導ノイズ部を取り除いた後、各データの絶対値を平均化し、電流値で割ることにより電気抵抗を求めることが可能である。
このようにして得られた電圧または電気抵抗は、溶鉱炉内の溶融物レベルと密接に関連している。出銑滓時には徐々にレベルが低下し、出銑口が塞がれているときにはレベルは徐々に増加する。溶鉱炉の炉下部は、溶銑、溶滓、および炉内の積層コークスなどを含めて導電体の塊とみなすと、レベルが低下すると導電体の体積が小さくなるため電気抵抗は増加する。また、レベルが増加すると導電体の体積は増加するため電気抵抗は減少する。印加する電流が一定であれば、レベルが下がるに従って検出される電圧も増加し、レベルが上昇するにつれて電圧は降下する。
残銑滓レベルの増加が操業上の問題となることから、差圧変動が発生する状況を作っておき、このときの電気抵抗値よりも下がらないような操業を行うことで、安定した高炉操業を行うことが可能である。図9は、本発明を利用した炉況安定のための操業アクションの一例を示す図である。
残銑滓レベルの上昇に伴って、検出される電気抵抗(または電圧)は減少する。設定した閾値よりも電気抵抗が減少し、管理残銑滓レベルを超えた場合には、警報表示装置に警報を表示する。そして、高炉に送風する送風量を減らしたり、出銑口を開口するなどのアクションをとることによって、炉内の溶融物レベルを下げて、安定した操業状態に戻す。
なお、前記実施形態で説明した製鉄用溶鉱炉である高炉において説明したが、本願発明は導電性を有するレンガや材料を用いて、構成された銅や鉛などを精錬する溶鉱炉などの溶鉱炉にも同様に適用可能であり、前記実施形態で説明した製鉄用溶鉱炉である高炉に限定されるものではない。
以下に、本発明の一実施例を示す。本実施例では、炉容約5000[m3]の大型高炉を計測対象とした。擬似ランダム信号の符号長を127、クロック周波数を625[Hz]、電流を3[A]として、AD変換器のサンプリング周波数を12.5[kHz]として高炉の炉下部における電気抵抗計測を行った。検出電圧波形には誘導ノイズが観測され、電圧の時間変化率の絶対値に関する閾値を1[V/se]とした。誘導ノイズ以外のノイズが大きい場合はより長周期の擬似ランダム信号を用いることでS/Nを向上することが可能である。
電流印加用電極は羽口下1[m]の位置に設置し、その1[m]下に電圧検出用電極V+を設置した。出銑口の上1[m]の位置にV0を設置した。出銑口よりも2[m]下の位置に電圧検出用電極Vを設置し、その1[m]下に最下部の電流印加用電極を設置した。以上5本の電極は、高炉の高さ方向の直線上に並ぶように配置するのが好ましい。以上の諸元で計測された電気抵抗は、出銑のタイミングを周期とした時間変動を示しており、高炉内溶融物のレベル変動を確実に捉えることが可能であった。
本発明を実施するためのシステム構成の一例を示す図である。 電極(最上部と最下部)の設置位置と単純化した等価回路を示す図である。 電極(最上部と真中)の設置位置と単純化した等価回路を示す図である。 電極の先端部の構造を模式的に示す図である。 検出電圧波形の一例を示す図である。 誘導起電力ノイズ部分と信号部分の決定方法を説明する図である。 Step2での信号処理後の波形の一例を示す図である。 信号処理の処理フローの一例を示す図である。 本発明を利用した炉況安定のための操業アクションの一例を示す図である。
符号の説明
1 鉄皮
2 スタンプ材
3 炉底レンガ
4 出銑口
5a〜5e 電極
6 電圧検出装置
7 電流波形検出装置
8 擬似ランダム信号発生装置
9 信号処理装置
10 警報表示装置

Claims (8)

  1. 溶鉱炉側面に高さ方向に少なくとも4本の電極を設け、該電極のうち最上部および最下部に設けた2本の電極を電流印加用電極として電流を印加し、該電流印加用電極以外の電極を電圧検出用電極として電圧を計測することによって、該計測した電圧または該電圧にもとづき算出した電気抵抗の変化から溶鉱炉内の溶融物レベルを把握する溶鉱炉内溶融物レベル計測方法において、
    前記電圧検出用電極を、前記溶鉱炉の出銑口より上部に設けて、溶融物レベルを計測することを特徴とする溶鉱炉内溶融物レベル計測方法。
  2. 前記出銑口よりも下部に、さらに前記電圧検出用電極を設けて、各電極間の電圧を計測して、溶鉱炉内のスラグレベルおよび溶銑レベルを計測することを特徴とする請求項1に記載の溶鉱炉内溶融物レベル計測方法。
  3. 前記電流印加用電極に印加する電流信号として擬似ランダム信号を用い、前記電圧検出用電極間にて計測された電圧信号波形中の誘導起電力成分と信号成分を時間的に分離して、該分離した信号成分のみの電圧信号波形に対して、前記印加した擬似ランダム信号波形を参照信号として相関演算処理を行い、該相関演算処理の演算値にもとづいて電極間の電圧を計測することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の溶鉱炉内溶融物レベル計測方法。
  4. 前記各電極の先端部を、前記溶鉱炉の炉底部を構成している炉底レンガに電気的に接触させることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の溶鉱炉内溶融物レベル計測方法。
  5. 前記各電極は、その先端部を導電性の材料を用いてバネ形状とし、該先端部以外の部分を絶縁体で覆うことを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の溶鉱炉内溶融物レベル計測方法。
  6. 溶鉱炉側面に高さ方向に少なくとも4本の電極を配置して、該電極のうち最上部および最下部に設けた2本の電極を電流印加用電極として電流を印加し、該電流印加用電極以外の電極を電圧検出用電極として電圧を計測する電圧検出装置と、
    該計測した電圧または該電圧にもとづき算出した電気抵抗の変化から溶鉱炉内の溶融物レベルを算出する信号処理装置とを有する溶鉱炉内溶融物レベル計測装置において、
    前記電圧検出用電極を、前記溶鉱炉の出銑口より上部に設けて、溶融物レベルを計測することを特徴とする溶鉱炉内溶融物レベル計測装置。
  7. 前記電圧検出装置は、さらに電圧検出用電極を前記出銑口よりも下部に設けて、前記溶鉱炉の出銑口より上部に該電流印加用電極とからなる各電極間の電圧を計測し、
    前記信号処理装置は、前記各電極間の電圧にもとづいて溶鉱炉内のスラグレベルおよび溶銑レベルを算出することを特徴とする請求項6に記載の溶鋼炉内溶融物レベル計測装置。
  8. 溶鉱炉内溶融物レベル計測装置において、
    前記信号処理装置は、
    前記電流印加用電極に印加する電流信号として擬似ランダム信号を用い、前記電圧検出用電極間にて計測された電圧信号波形中の誘導起電力成分と信号成分を時間的に分離して、該分離した信号成分のみの電圧信号波形に対して、前記印加した擬似ランダム信号波形を参照信号として相関演算処理を行うことを特徴とする請求項7または請求項8に記載の溶鉱炉内溶融物レベル計測装置。
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