JP2006176803A - 鋼材の連続酸洗方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】鋼材のスケール除去をコンパクトな装置で安価に行うことができる連続酸洗方法を提供することである。
【解決手段】鋼線材Wを連続的に酸洗槽1に供給して硫酸溶液2中で走行させ、酸洗槽1内の上流側の所定の領域Aで電解酸洗を行い、下流側で化学酸洗を行うことにより、下流側の化学酸洗の領域Bにおいても、上流側の電解酸洗で生じた第二鉄イオンの還元反応に伴って鋼線材W表面の鉄の溶解が促進され、電解酸洗と同等のスケール除去能力が得られるようにして、通常の電解酸洗装置よりも酸洗槽1を長くすることなく電極数および使用電力を減らせるようにしたのである。
【選択図】図1
【解決手段】鋼線材Wを連続的に酸洗槽1に供給して硫酸溶液2中で走行させ、酸洗槽1内の上流側の所定の領域Aで電解酸洗を行い、下流側で化学酸洗を行うことにより、下流側の化学酸洗の領域Bにおいても、上流側の電解酸洗で生じた第二鉄イオンの還元反応に伴って鋼線材W表面の鉄の溶解が促進され、電解酸洗と同等のスケール除去能力が得られるようにして、通常の電解酸洗装置よりも酸洗槽1を長くすることなく電極数および使用電力を減らせるようにしたのである。
【選択図】図1
Description
本発明は、鋼材を連続的に酸洗槽に供給して鋼材表面のスケール(酸化皮膜)を除去する連続酸洗方法に関する。
鋼線材や鋼帯等の鋼材に連続的にめっき処理等を施す連続処理ラインでは、その前処理として、鋼材を連続的に酸洗槽に供給して硫酸溶液等の酸洗液中で走行させ、熱間加工や熱処理の際に鋼材表面に生じたスケールを除去する連続酸洗処理が行われる。この酸洗処理には、鋼材を酸洗液に浸漬するだけの化学酸洗と、酸洗液中の鋼材に対向させて配置した陽極と陰極に電源を接続して間接的に鋼材に電流を流す電解酸洗(例えば、特許文献1参照)とがある。
前記化学酸洗は、鋼材表面の鉄を酸洗液中に溶解させることによりスケールを鋼材表面から剥離させて除去するものであるが、スケール除去能力が小さく、スケールを十分に除去するには鋼材を比較的長時間にわたって酸洗液に浸漬しておく必要がある。このため、連続酸洗処理の場合は、酸洗槽がかなり長くなってメンテナンスの作業負荷が大きくなる問題がある。
一方、前記電解酸洗は、間接的に鋼材に電流を流すことにより、鉄の溶解を促進して化学酸洗よりも短時間で効率よくスケール除去を行えるようにしたもので、連続酸洗処理の場合でも酸洗槽をコンパクトなものにすることができる。しかし、高価な電極を定期的に交換する必要があるうえ、多大な電力を使用するため、化学酸洗に比べて処理コストが高いという難点がある。
特開平8−109499号公報
本発明の課題は、鋼材のスケール除去をコンパクトな装置で安価に行うことができる連続酸洗方法を提供することである。
上記の課題を解決するために、本発明の鋼材の連続酸洗方法は、鋼材を連続的に酸洗槽に供給して酸洗液中で走行させ、酸洗槽内の上流側の所定の領域で、鋼材に対向させて配置した陽極と陰極に電源を接続して間接的に鋼材に電流を流す電解酸洗を行い、この電解酸洗を行う領域を除いた酸洗槽内の下流側の領域で化学酸洗を行うようにした。
すなわち、酸洗槽内の上流側の所定の領域で電解酸洗を行い、下流側で化学酸洗を行うことにより、下流側の化学酸洗の領域においても、上流側の電解酸洗で生じた第二鉄イオンの還元反応に伴って鋼材表面の鉄の溶解が促進され、電解酸洗と同等のスケール除去能力が得られるようにして、通常の電解酸洗装置よりも酸洗槽を長くすることなく電極数および使用電力を減らせるようにしたのである。
本発明の鋼材の連続酸洗方法は、上述したように、酸洗槽内の上流側で電解酸洗を、下流側で化学酸洗を行うようにしたので、通常の電解酸洗装置と同程度のコンパクトな装置で、通常の電解酸洗よりも安価にスケール除去を行うことができる。従って、既設の電解酸洗装置に適用する場合は、下流側の一部の電極を取り外すだけで簡単に処理コストの大幅な削減を図ることができる。
以下、図面に基づき、本発明の実施形態を説明する。図1は、実施形態の連続酸洗方法を適用した酸洗装置の概略を示す。この酸洗装置は、熱処理(パテンティング)工程から供給される鋼線材Wに連続的にめっき処理を施すラインの前段に設置され、鋼線材Wを酸洗槽1に収容された酸洗液としての硫酸溶液2中で図中の矢印の方向に走行させて、熱処理の際に鋼線材W表面に生じたスケールを除去するものである。なお、鋼線材Wは直径が0.7〜2.5mmのものであり、この装置では複数の鋼線材Wを酸洗槽1に並列に通して同時に処理できるようになっている。また、酸洗液には塩酸溶液を用いてもよい。
前記酸洗槽1は、全長が5mで、槽1内の上流側の所定の領域Aに複数の陽極板3および陰極板4が鋼線材Wと対向するように配置され、これらの各電極板3、4に整流器が組み込まれた電源5が接続されている。
また、前記硫酸溶液2は、貯液槽6からポンプ7で送り配管8を通して酸洗槽1へ送られ、酸洗槽1から戻り配管9を通って貯液槽6に戻るようになっている。
そして、各電極板3、4に電流を流して、鋼線材Wの陰極板4と対向する部分をプラスに、陽極板3と対向する部分をマイナスに帯電させ、間接的に鋼線材Wに通電することにより、上流側領域Aで電解酸洗が行われる。一方、電解酸洗を行う領域Aを除いた槽1内の下流側の領域Bでは、化学酸洗が行われる。
このように、酸洗槽1内の上流側で電解酸洗を、下流側で化学酸洗を行うことにより、化学酸洗の領域Bにおいても、電解酸洗で生じた第二鉄イオンの還元反応に伴って鋼線材W表面の鉄の溶解が促進され、スケール除去が通常の化学酸洗よりも効率よく行われる。ただし、この化学酸洗領域Bのスケール除去能力を十分に向上させるには、第二鉄イオンの還元反応が活発に行われるように、電解酸洗領域Aの長さをある程度以上に設定する必要がある。
そこで、この実施形態では、以下の実験を行って電解酸洗領域Aの長さを決定した。実験は、まず、第二鉄イオンの還元反応が活発に行われる硫酸溶液の条件を求めるために、初期の鉄分濃度が一定で(第一鉄イオン:150g/L、第二鉄イオン:20g/L)、濃度および温度の異なる4種類の硫酸溶液に、鋼線材を一定時間(1分間または5分間)浸漬して、硫酸溶液中の第一鉄イオンおよび第二鉄イオンの増減量を比較した。その結果を表1に示す。
表1から、浸漬時間によらず、通常の電解酸洗条件の範囲内で硫酸溶液の濃度および温度が高いほど、第二鉄イオンの還元反応が活発に行われることがわかる。
次に、図1に示した酸洗装置において、下記の実験条件のように、硫酸溶液2の濃度および温度を表1中の最も良好な条件(No.4、No.8)に設定するとともに、硫酸溶液2中の鉄分濃度および各電極板3、4に流す電流は通常の電解酸洗が効果的に行われる値に設定し、電解酸洗領域Aの長さを変えて実際の酸洗作業を行った。各酸洗領域A、Bの長さの条件と、これらの各条件でスケール除去能力および処理コストを比較した結果を併せて表2に示す。なお、表2中のスケール除去能力の評価は、酸洗槽1出側において走行している鋼線材Wを白いろ紙で1秒間挟み、ろ紙の汚れの状態を見て、汚れなしを○、わずかな汚れがあるものを△、汚れの多いものを×とした。
(実験条件)
・硫酸溶液:濃度25%、温度50℃、鉄分濃度40g/L
・電解酸洗電流値:全電流値で6000A以上
・鋼線材走行速度:100〜200mpm
(実験条件)
・硫酸溶液:濃度25%、温度50℃、鉄分濃度40g/L
・電解酸洗電流値:全電流値で6000A以上
・鋼線材走行速度:100〜200mpm
表2から明らかなように、図1に示した酸洗装置においては、全長5mの酸洗槽1に対して電解酸洗領域Aの長さを3mに設定することにより(No.2)、十分なスケール除去能力を確保しつつ、電力および電極のコストを大幅に削減することができた。
なお、本発明の連続酸洗方法は、実施形態のような鋼線材を対象とするものに限らず、鋼帯の連続酸洗処理にももちろん適用できる。
1 酸洗槽
2 硫酸溶液
3 陽極板
4 陰極板
5 電源
6 貯液槽
7 ポンプ
8、9 配管
W 鋼線材
2 硫酸溶液
3 陽極板
4 陰極板
5 電源
6 貯液槽
7 ポンプ
8、9 配管
W 鋼線材
Claims (1)
- 鋼材を連続的に酸洗槽に供給して酸洗液中で走行させ、酸洗槽内の上流側の所定の領域で、鋼材に対向させて配置した陽極と陰極に電源を接続して間接的に鋼材に電流を流す電解酸洗を行い、この電解酸洗を行う領域を除いた酸洗槽内の下流側の領域で化学酸洗を行うようにした鋼材の連続酸洗方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004369094A JP2006176803A (ja) | 2004-12-21 | 2004-12-21 | 鋼材の連続酸洗方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004369094A JP2006176803A (ja) | 2004-12-21 | 2004-12-21 | 鋼材の連続酸洗方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006176803A true JP2006176803A (ja) | 2006-07-06 |
Family
ID=36731173
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004369094A Pending JP2006176803A (ja) | 2004-12-21 | 2004-12-21 | 鋼材の連続酸洗方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2006176803A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102766899A (zh) * | 2012-08-16 | 2012-11-07 | 无锡市新科冶金设备有限公司 | 封闭式电解酸洗机组 |
-
2004
- 2004-12-21 JP JP2004369094A patent/JP2006176803A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102766899A (zh) * | 2012-08-16 | 2012-11-07 | 无锡市新科冶金设备有限公司 | 封闭式电解酸洗机组 |
CN102766899B (zh) * | 2012-08-16 | 2014-10-15 | 无锡市新科冶金设备有限公司 | 封闭式电解酸洗机组 |
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