JP2006176735A - カラムスペーサ用硬化性樹脂組成物、カラムスペーサ及び液晶表示素子 - Google Patents

カラムスペーサ用硬化性樹脂組成物、カラムスペーサ及び液晶表示素子 Download PDF

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Abstract

【課題】液晶表示素子の製造に使用するカラムスペーサとして用いた際に、低温発泡を生ずることなく、重力不良による色ムラの発生を効果的に抑制できるカラムスペーサ用硬化性樹脂組成物、該カラムスペーサ用硬化性樹脂組成物を用いてなるカラムスペーサ及び液晶表示素子を提供する。
【解決手段】液晶表示素子を製造する際に用いられるカラムスペーサ用硬化性樹脂組成物であって、分子内に2以上のカプロラクトン変性された重合性不飽和結合を有する化合物、重合性不飽和結合を有しポリエチレングリコール骨格を有する化合物、アルカリ可溶性カルボキシル基含有高分子化合物、及び、光反応開始剤を含有するカラムスペーサ用硬化性樹脂組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は、液晶表示素子の製造に使用するカラムスペーサとして用いた際に、低温発泡を生ずることなく、重力不良による色ムラの発生を効果的に抑制できるカラムスペーサ用硬化性樹脂組成物、該カラムスペーサ用硬化性樹脂組成物を用いてなるカラムスペーサ及び液晶表示素子に関する。
一般に、液晶表示素子は、2枚のガラス基板の間隙を一定に維持するためのスペーサを具備し、これらの他に透明電極や偏光板及び液晶物質を配向させる配向層等から構成されている。現在スペーサとしては、主に粒子径が数μm程度の微粒子スペーサが用いられている。しかし、従来の液晶表示素子の製造方法では、ガラス基板上に微粒子スペーサをランダムに散布していたことから、画素部内に微粒子スペーサが配置されてしまうことがあった。画素部内に微粒子スペーサがあると、スペーサ周辺の液晶配向の乱れから光が漏れて画像のコントラストが低下したりする等、画像品質を低下させることがあるという問題がある。これに対して、微粒子スペーサが画素部に配置されないような微粒子スペーサの配置方法が種々検討されているが、いずれも操作が煩雑であり実用性に乏しいものであった。
また、近年、液晶表示素子の生産性を上げるために、ワンドロップフィル法(One Drop Fill Technology:ODF法)が提案されている。この方法は、ガラス基板の液晶封入面上に、所定量の液晶を滴下し、もう一方の液晶パネル用基板を真空下で所定のセルギャップを維持できる状態で対峙させ、貼り合わせることにより液晶表示素子を製造する方法である。この方法によれば、従来の方法に比べて液晶表示素子が大面積化し、セルギャップが狭小化しても、液晶の封入が容易であることから、今後はODF法が液晶表示素子の製造方法の主流になると考えられる。
しかし、ODF法において微粒子スペーサを用いると、液晶の滴下時、又は、対向基板の貼り合わせ時に散布した微粒子スペーサが液晶の流動とともに流されて、基板上における微粒子スペーサの分布が不均一となる問題が生じる。微粒子スペーサの分布が不均一になると、液晶セルのセルギャップにバラツキが生じ、液晶表示に色ムラが発生してしまうという問題があった。
これに対して、従来の微粒子スペーサに代って、液晶基板上にフォトリソグラフの手法によってセルギャップを均一保持するための凸型パターンを形成したカラムスペーサが提案され、実用化されるようになってきている(例えば、特許文献1等)。
このようなカラムスペーサを用いれば、画素部内にスペーサが配置されてしまう問題や、ODF法においてスペーサムラが生じてしまう問題を解決することができる。
しかしながら、カラムスペーサを用いてODF法により製造した大型液晶表示素子においては、表示装置の使用中に液晶セル内の液晶が下方へ流動することにより、表示パネルの上半面と下半面において色ムラが生じる「重力不良」と呼ばれる欠陥が発生することがあり、大きな問題となっていた。この「重力不良」の現象は、バックライトより発生する熱によって液晶セル内の液晶が膨張してセルギャップを押し広げ、その際にカラムスペーサから基板が浮き上がってしまい、このスペーサによって保持されなくなった体積分の液晶が重力によって下方への流動することにより生じると考えられる。
このような「重力不良」を解消するためには、バックライトより発生する熱によって液晶セル内の液晶が膨張してセルギャップを押し広げる際に、いったん圧縮されていたカラム
スペーサを圧縮変形からの弾性回復によりセルギャップの変化に追随できるようにし、基板とカラムスペーサとの間に隙間が生じないようにすれば解決可能であると考えられる。しかし、従来の方法では、カラムスペーサに高い変形回復力を持たせるためには、カラムスペーサを形成する樹脂を高度に架橋し圧縮時に塑性変形を起こりにくくする必要があるところ、このような高度な架橋構造を有する樹脂は一般的に圧縮弾性率が高く、硬くなってしまう傾向にある。このような硬い樹脂によりカラムスペーサを形成した場合には、カラムスペーサを圧縮変形させる課程において、大きな圧力が必要であり、得られた液晶表示素子においては、圧縮されたカラムスペーサによる液晶セルを押し広げようとする大きな力を内包することになる。このようなカラムスペーサが液晶セルを押し広げようとする力が大きい場合、低温時に液晶セル内の液晶の体積収縮が起こると液晶セル内の内圧が急激に低下して気泡が発生する「低温発泡」という現象を生じてしまうという問題があった。
特開2001−91954号公報
本発明は、上記現状に鑑み、液晶表示素子の製造に使用するカラムスペーサとして用いた際に、低温発泡を生ずることなく、重力不良による色ムラの発生を効果的に抑制できるカラムスペーサ用硬化性樹脂組成物、該カラムスペーサ用硬化性樹脂組成物を用いてなるカラムスペーサ及び液晶表示素子を提供することを目的とする。
本発明は、液晶表示素子を製造する際に用いられるカラムスペーサ用硬化性樹脂組成物であって、分子内に2以上のカプロラクトン変性された重合性不飽和結合を有する化合物、重合性不飽和結合を有しポリエチレングリコール骨格を有する化合物、アルカリ可溶性カルボキシル基含有高分子化合物、及び、光反応開始剤を含有するカラムスペーサ用硬化性樹脂組成物である。
以下に本発明を詳述する。
本発明者らは、鋭意検討の結果、カラムスペーサ用硬化性樹脂として、分子内に2以上のカプロラクトン変性された重合性不飽和結合を有する化合物と、アルカリ可溶性カルボキシル基含有高分子化合物とを併用することにより圧縮変形からの高い回復性を有するとともに、柔軟で低弾性率であるカラムスペーサが得られることを見出し、更に、重合性不飽和結合を有しポリエチレングリコール骨格を有する化合物を加えることにより、パターン形成の解像性を向上させることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
このようなカラムスペーサ用硬化性樹脂組成物を用いてなるカラムスペーサによれば加熱時の液晶の膨張による「重力不良」と、低温時の液晶の収縮による「低温発泡」とを同時に抑制可能であり、また、カラムスペーサとなるパターンを形成する際にシャープな解像性を得ることができる。
本発明のカラムスペーサ用硬化性樹脂組成物は、分子内に2以上のカプロラクトン変性された重合性不飽和結合を有する化合物を含有する。
上記分子内に2以上のカプロラクトン変性された重合性不飽和結合を有する化合物としては特に限定されないが、例えば、多官能(メタ)アクリレート化合物のカプロラクトン変性体が好適であり、カプロラクトン変性された3官能以上の(メタ)アクリレート化合物を含有することが好ましい。このような化合物を含有することにより、本発明のカラムスペーサ用硬化性樹脂組成物を硬化してなるカラムスペーサは、圧縮変形からの高い回復性と、柔軟で低弾性率であることとを両立させることができる。
なお、本明細書において、カプロラクトン変性とは、(メタ)アクリレート化合物のアル
コール由来部位と(メタ)アクリロイルオキシ基との間に、カプロラクトンの開環体又は開環重合体が導入されることを指す。また、カプロラクトン変性体とは、このようなカプロラクトン変性が施された化合物を意味する。
上記(メタ)アクリレート化合物をカプロラクトン変性する具体的な方法としては特に限定されないが、例えば、触媒の存在下に高温でアルコールとカプロラクトンとを反応させ、カプロラクトン変性アルコールを合成した後に、このカプロラクトン変性アルコールと(メタ)アクリル酸とを酸性触媒の存在下脱水溶媒を使用してエステル化反応させる方法や、(メタ)アクリル酸とカプロラクトンとを反応させ、カプロラクトン変性(メタ)アクリル酸を合成した後に、アルコールとエステル化反応させる方法等が挙げられる。
分子内に2以上の重合性不飽和結合を有する多官能(メタ)アクリレート化合物としては特に限定されず、2官能のものとしては、例えば、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、3−メチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、トリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート等のカプロラクトン変性体が挙げられる。
また、分子内に2以上の重合性不飽和結合を有する多官能(メタ)アクリレート化合物のうち、3官能のものとしては特に限定されないが、例えば、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタン(メタ)アクリレートジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等のカプロラクトン変性体が好適である。
更に、分子内に2以上の重合性不飽和結合を有する多官能(メタ)アクリレート化合物のうち、4官能以上のものとしては特に限定されないが、例えば、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトール(メタ)テトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等のカプロラクトン変性体が好適である。これらのカプロラクトン変性された3官能以上の(メタ)アクリレート化合物は単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記カプロラクトン変性された3官能以上の(メタ)アクリレート化合物は、上述の方法により(メタ)アクリレート化合物をカプロラクトン変性して用いてもよいし、例えば、日本化薬社製の「KAYARAD DPCA−120」(カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート)、新中村化学工業社製の「NKエステル AD−TMP−4CL」(カプロラクトン変性ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート)等の市販品を用いてもよい。
上記分子内に2以上のカプロラクトン変性された重合性不飽和結合を有する化合物のカプロラクトン変性の変性度としては、ベースとなる多官能(メタ)アクリレート化合物の官能基数をnとした場合、多官能(メタ)アクリレート化合物1モルに対して好ましい下限は0.5nモル、好ましい上限は5nモルである。0.5nモル未満であると、製造するカラムスペーサの柔軟性が不充分となり、5nモルを超えると、カラムスペーサを製造する際の露光時の反応性が低下し、製造するカラムスペーサのパターニングが困難となる。より好ましい下限は1nモル、より好ましい上限は3nモルである。
また、本発明のカラムスペーサ用硬化性樹脂組成物は、上記分子内に2以上のカプロラクトン変性された重合性不飽和結合を有する化合物に加えて、反応性等を調整するためにカ
プロラクトン変性されていない重合性不飽和結合を有する化合物を、製造するカラムスペーサの柔軟性を損なわない範囲で併用してもよい。
本発明のカラムスペーサ用硬化性樹脂組成物は、重合性不飽和結合を有しポリエチレングリコール骨格を有する化合物を含有する。
上記重合性不飽和結合を有しポリエチレングリコール骨格を有する化合物としては特に限定されず、例えば、ジエチレングリコール(メタ)アクリレート、トリエチレングリコール(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、ヘキサエチレングリコール(メタ)アクリレート、ノナエチレングリコール(メタ)アクリレート等のポリエチレングリコール(メタ)アクリレート;ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ノナエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等のポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
また、重合性不飽和結合を有しポリエチレングリコール骨格を有する化合物のうち、3官能以上のものとして、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレート化合物のポリエチレングリコール変成体等も用いることができる。
なかでも、2以上の重合性不飽和結合を有するものは、本発明のカラムスペーサ用硬化性樹脂組成物を硬化させてなるカラムスペーサに対する架橋構造に由来する圧縮物性への影響が小さいことから好適である。
本発明のカラムスペーサ用硬化性樹脂組成物において、上記重合性不飽和結合を有しポリエチレングリコール骨格を有する化合物の配合量としては特に限定されないが、上記分子内に2以上のカプロラクトン変性された重合性不飽和結合を有する化合物との合計のうち、好ましい下限は2重量%、好ましい上限は40重量%である。2重量%未満であると、上記分子内に2以上のカプロラクトン変性された重合性不飽和結合を有する化合物と、後述するアルカリ可溶性カルボキシル基含有高分子化合物との相溶性が低下し、カラムスペーサとなるスペーサパターンを形成する際の解像性の改善が不充分となることがある。40重量%を超えると、本発明のカラムスペーサ用硬化性樹脂組成物を用いてカラムスペーサを製造する際に使用するアルカリ現像液に対する密着耐久性が低下し、現像パターンを安定的に得ることが困難になることがある。より好ましい下限は5重量部、より好ましい上限は30重量部である。
本発明のカラムスペーサ用硬化性樹脂組成物は、アルカリ可溶性カルボキシル基含有高分子化合物を含有する。
上記アルカリ可溶性カルボキシル基含有高分子化合物としては特に限定されず、例えば、カルボキシル基含有単官能不飽和化合物と不飽和二重結合を有する単官能化合物とを共重合した共重合体(以下、単に共重合体ともいう)等が挙げられる。
上記カルボキシル基含有単官能不飽和化合物としては特に限定されず、例えば、アクリル酸、メタクリル酸等が挙げられる。
上記不飽和二重結合を有する単官能化合物としては特に限定されず、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル等の(メタ)アクリル酸エステル系単量体が挙げられる。
また、上記共重合体は、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−クロロスチレン等の芳香族ビニル系単量体;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル化合物;無水マレイン酸等の不飽和ジカルボン酸無水物;フェニルマレイミド、ベンジルマレイミド、ナフチルマレイミド、o−クロロフェニルマレイミド等の芳香族置換マレイミド;メチルマレイミド、エチルマレイミド、プロピルマレイミド、イソプロピルマレイミド等のアルキル置換マレイミド等からなる成分を含有してもよい。
上記共重合体において、カルボキシル基含有単官能不飽和化合物に起因する成分の比の好ましい下限は10重量%、好ましい上限は40重量%である。10重量%未満であると、アルカリ可溶性を付与することが困難であり、40重量%を超えると、本発明のカラムスペーサ用硬化性樹脂組成物を用いてカラムスペーサを製造する際の現像時の膨潤が著しく、カラムスペーサパターンの形成が困難となることがある。より好ましい下限は15重量%、より好ましい上限は30重量%である。
上記共重合体の重量平均分子量としては特に限定されないが、好ましい下限は3000、好ましい上限は10万である。3000未満であると、本発明のカラムスペーサ用硬化性樹脂組成物を用いてカラムスペーサを製造する際の現像性が低下することがあり、10万を超えると、本発明のカラムスペーサ用硬化性樹脂組成物を用いてカラムスペーサを製造する際の解像度が低下することがある。より好ましい下限は5000、より好ましい上限は5万である。
上記カルボキシル基含有単官能不飽和化合物と不飽和二重結合を有する単官能化合物とを共重合する方法としては特に限定されず、例えば、ラジカル重合開始剤及び必要に応じて分子量調節剤を用いて、塊状重合、溶液重合、懸濁重合、分散重合、乳化重合等の従来公知の方法により重合する方法が挙げられる。なかでも、溶液重合が好適である。
溶液重合法により上記共重合体を製造する場合の溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、グリコール等の脂肪族アルコール類;セロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ類;カルビトール、ブチルカルビトール等のカルビトール類;酢酸セロソルブ、酢酸カルビトール、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエステル類;ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類;テトラヒドロフラン等の環状エーテル、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド等の極性を有する有機溶剤等を用いることができる。
また、懸濁重合、分散重合、乳化重合等の非水系の分散重合により上記共重合体を製造する場合の媒体としては、例えば、ベンゼン、トルエン、ヘキサン、シクロヘキサン等の液状の炭化水素や、その他の非極性の有機溶剤等を用いることができる。
上記共重合体を製造する場合に用いるラジカル重合開始剤としては特に限定されず、例えば、過酸化物、アゾ開始剤等の従来公知のラジカル重合開始剤を用いることができる。
上記重合開始剤の使用量としては特に限定されないが、例えば、上記共重合体の全単量体成分100重量部に対して好ましい下限は0.001重量部、好ましい上限は5.0重量部であり、より好ましい下限は0.5重量部、より好ましい上限は3.0重量部である。
上記分子量調節剤としては、例えば、α−メチルスチレンダイマー、メルカプタン系の連鎖移動剤等を用いることができる。なかでも、炭素数8以上の長鎖アルキルメルカプタンが、臭気や着色の少なさの点で好ましい。
本発明のカラムスペーサ用硬化性樹脂組成物における上記分子内に2以上の重合性不飽和結合を有する化合物とアルカリ可溶性カルボキシル基含有高分子化合物との配合比としては特に限定されないが、上記アルカリ可溶性カルボキシル基含有高分子化合物100重量部に対する上記分子内に2以上の重合性不飽和結合を有する化合物の配合量の好ましい下限は25重量部、好ましい上限は900重量部である。25重量部未満であると、充分に光硬化せずにフォトリソグラフィーによりカラムスペーサのパターンを形成することができないことがあり、900重量部を超えると、本発明のカラムスペーサ用硬化性樹脂組成物を用いてカラムスペーサを製造する際に使用するアルカリ現像液への溶解性が不足し、製造するカラムスペーサのパターンの現像性が不充分となる。好ましい下限は50重量部、好ましい上限は500重量部である。
本発明のカラムスペーサ用硬化性樹脂組成物は、光反応開始剤を含有する。
上記光反応開始剤としては特に限定されず、例えば、ベンゾイン、ベンゾフェノン、ベンジル、チオキサントン及びこれらの誘導体等の従来公知の光反応開始剤が挙げられる。具体的には、例えば、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ミヒラーケトン、(4−(メチルフェニルチオ)フェニル)フェイルメタノン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−メチル−1(4−メチルチオ)フェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン等が挙げられる。これらの光反応開始剤は単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
本発明のカラムスペーサ用硬化性樹脂組成物における上記光重合開始剤の配合量としては、上記分子内に2以上のカプロラクトン変性された重合性不飽和結合を有する化合物100重量部に対して好ましい下限が0.01重量部、好ましい上限が50重量部である。0.01重量部未満であると、本発明のカラムスペーサ用硬化性樹脂組成物が光硬化しないことがあり、50重量部を超えると、フォトリソグラフィーにおいてアルカリ現像できないことがある。より好ましい下限は0.05重量部、より好ましい上限は20重量部である。
本発明のカラムスペーサ用硬化性樹脂組成物は、酸素による反応障害を軽減するために反応助剤を含有してもよい。このような反応助剤と水素引き抜き型の光反応開始剤とを併用することにより光照射したときの硬化速度を向上させることができる。
上記反応助剤としては、n−ブチルアミン、ジ−n−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリエチレンテトラミン、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル等のアミン系;トリ−n−ブチルホスフィン等のホスフィン系;s−ベンジルイソチウロニウム−p−トルエンスルフィネート等のスルホン酸のもの等を用いることができる。これらの反応助剤は単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明のカラムスペーサ用硬化性樹脂組成物は、更に、2以上のブロックイソシアネート基を有する化合物を含有することが好ましい。上記2以上のブロックイソシアネート基を有する化合物は、熱架橋剤として働き、このような2以上のブロックイソシアネート基を有する化合物を含有することで、本発明のカラムスペーサ用硬化性樹脂組成物に熱硬化性
を付与することができる。
上記2以上のブロックイソシアネート基を有する化合物としては特に限定されず、例えば、トリレンジイソシアネート、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、及び、これらのオリゴマーからなる多官能イソシアネートを、活性メチレン系、オキシム系、ラクタム系、アルコ−ル系等のブロック剤化合物によりブロック化することにより得られるものが挙げられる。これらの2以上のブロックイソシアネート基を有する化合物は単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
また、このような2以上のブロックイソシアネート基を有する熱架橋剤のうち市販されているものとしては、例えば、デュラネート17B−60PX、デュラネートE−402−B80T(以上、旭化成ケミカルズ社製)等が挙げられる。
本発明のカラムスペーサ用硬化性樹脂組成物に上記2以上のブロックイソシアネート基を有する化合物が含有されている場合、その配合量としては、上記アルカリ可溶性カルボキシル基含有高分子化合物100重量部に対して好ましい下限が0.01重量部、好ましい上限が50重量部である。0.01重量部未満であると、本発明のカラムスペーサ用硬化性樹脂組成物が充分に熱硬化しないことがあり、50重量部を超えると、得られる硬化物の架橋度が高くなりすぎて後述する弾性特性を満たさないことがある。より好ましい下限は0.05重量部、より好ましい上限は20重量部である。
本発明のカラムスペーサ用硬化性樹脂組成物は、粘度を調整するために希釈剤により希釈されてもよい。
上記希釈剤としては、本発明のカラムスペーサ用硬化性樹脂組との相溶性、塗工方法、乾燥時の膜均一性、乾燥効率等を考慮して選択すればよく特に限定されないが、本発明のカラムスペーサ用硬化性樹脂組をスピンコーター、スリットコーターを用いて塗工する場合には、例えば、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、エチルセルソルブアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、イソプロピルアルコール等の有機溶媒が好適である。これらの希釈剤は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明のカラムスペーサ用硬化性樹脂組成物は、必要に応じて、基板との密着性を向上するためのシランカップリング剤等の従来公知の添加剤が含有されていてもよい。
本発明のカラムスペーサ用硬化性樹脂組成物を用いれば、光硬化(又は熱硬化)させることにより圧縮変形からの高い回復性と、柔軟で低弾性率であることとを両立したカラムスペーサを製造することができる。また、このようなカラムスペーサを用いれば、低温発泡を生ずることなく、重力不良による色ムラの発生を効果的に抑制した液晶表示素子を得ることができる。
このような本発明のカラムスペーサ用光熱硬化性樹脂組成物は、光照射及び加熱により硬化させたときの硬化物の25℃における15%圧縮時の弾性係数の好ましい下限が0.2GPa、好ましい上限が1.0GPaである。0.2GPa未満であると、軟らかすぎてセルギャップの保持が困難となることがあり、1.0GPaを超えると、硬すぎて基板貼り合わせ時にカラーフィルター層に突入してしまったり、回復に必要な充分な弾性変形が得られなかったりすることがある。より好ましい下限は0.3GPa、より好ましい上限は0.9GPaであり、更に好ましい下限は0.5GPa、更に好ましい上限は0.7GPaである。
なお、本明細書において硬化物とは、光照射及び加熱により本発明のカラムスペーサ用光熱硬化性樹脂組成物をほぼ完全に硬化させたときの硬化物を意味する。ほぼ完全に硬化させる条件は、少なくとも、50mJ/cmの紫外線を照射し、更に、200〜250℃の温度で20分程度熱処理を加えることによりほぼ完全に硬化させることができる。
また、本発明において15%圧縮とは、カラムスペーサの高さの変形率が15%となるように圧縮することを意味する。また、弾性係数及び回復率は、以下の方法により測定したものである。
即ち、まず、基板上に形成したカラムスペーサを10mN/sの荷重印加速度で圧縮し、初期高さHの85%に相当する高さになるまで圧縮する。ここで1mNの荷重を印加した際のカラムスペーサ高さをH、Hの85%に相当するカラムスペーサ高さをH、Hに達した時点での荷重をFとする。次いで、この荷重Fを5秒間保持し、定荷重での変形を与えた後、10mN/秒の荷重印加速度で負荷を取り除き弾性回復によるカラムスペーサ高さの回復変形を測定する。この間の圧縮変形が最大となった時点のカラムスペーサ高さをHとし、カラムスペーサの変形を回復する過程における1mNの荷重印可時のカラムスペーサ高さをHとする。弾性計数及び回復率は、下記式(1)及び下記式(2)により算出することができる。
弾性係数E=F/(D×S) (1)
回復率R=(H−H)/(H−H)×100 (2)
式(1)中、Fは荷重(N)を表し、Dはカラムスペーサの高さの変形率を表し、Sはカラムスペーサの断面積(m)を表す。
本発明のカラムスペーサ用硬化性樹脂組成物を製造する方法としては特に限定されず、例えば、分子内に2以上のカプロラクトン変性された重合性不飽和結合を有する化合物、重合性不飽和結合を有しポリエチレングリコール骨格を有する化合物、アルカリ可溶性カルボキシル基含有高分子化合物、及び、必要に応じて添加される2以上のブロックイソシアネート基を有する化合物、希釈剤等を従来公知の方法により混合する方法が挙げられる。
次に、本発明のカラムスペーサ用硬化性樹脂組成物を用いてカラムスペーサを製造する方法を説明する。
本発明のカラムスペーサ用硬化性樹脂組成物を用いてカラムスペーサを製造する場合には、まず、本発明のカラムスペーサ用硬化性樹脂組成物を所定の厚さになるように基板上に塗工して被膜を形成する。
上記塗工の方法としては特に限定されず、例えば、スピンコート、スリットコート、スプレーコート、ディップコート、バーコート等の従来公知の塗工法を用いることができる。
次いで、形成した被膜上に、所定のパターンが形成されたマスクを介して、紫外線等の活性光線を照射する。これにより、光照射部においては、本発明のカラムスペーサ用硬化性樹脂組成物中に含まれる分子内に2以上のカプロラクトン変性された重合性不飽和結合を有する化合物と光反応開始剤とが反応して光硬化する。これをアルカリ現像すれば、基板上に光硬化したカラムスペーサ用硬化性樹脂組成物からなる所定のパターンが得られる。
本発明のカラムスペーサ用硬化性樹脂組成物が2以上のブロックイソシアネート基を有する化合物を含有する場合には、更に加熱することにより、含有されるアルカリ可溶性カルボキシル基含有高分子化合物と2以上のブロックイソシアネート基を有する化合物とが反応する。
本発明のカラムスペーサ用硬化性樹脂組成物を用いてなるカラムスペーサもまた、本発明の1つである。
本発明のカラムスペーサの高さをセルギャップより若干高くなるように設計して、ODF法等の従来公知の方法により製造することにより、重力不良による色ムラのない液晶表示素子が得られる。
本発明のカラムスペーサ用硬化性樹脂組成物、又は、本発明のカラムスペーサを用いてなる液晶表示素子もまた、本発明の1つである。
本発明によれば、液晶表示素子の製造に使用するカラムスペーサとして用いた際に、低温発泡を生ずることなく、重力不良による色ムラの発生を効果的に抑制できるカラムスペーサ用硬化性樹脂組成物、該カラムスペーサ用硬化性樹脂組成物を用いてなるカラムスペーサ及び液晶表示素子を提供することができる。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
(1)アルカリ可溶性カルボキシル基含有高分子化合物の重合
3L容のセパラブルフラスコに、溶媒としてジエチレングリコールジメチルエーテル(DMDG)60重量部を仕込み、窒素雰囲気下にて90℃に昇温した後、メタクリル酸メチル10重量部、メタクリル酸8重量部、メタクリル酸n−ブチル12重量部、メタクリル酸ヒドロキシエチル10重量部、アゾビスバレロニトリル0.4重量部、及び、n−ドデシルメルカプタン0.8重量部を3時間かけて連続的に滴下した。その後、90℃にて30分間保持した後、温度を105℃に昇温し、3時間重合を継続し、アルカリ可溶性カルボキシル基含有高分子化合物溶液を得た。
得られたアルカリ可溶性カルボキシル基含有高分子化合物をサンプリングし、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)にて分子量を測定したところ、重量平均分子量(Mw)は約20000であった。
(2)カラムスペーサ用硬化性樹脂組成物の調製
得られたアルカリ可溶性カルボキシル基含有高分子化合物溶液100重量部、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬製、DPCA−120)65重量部、ノナエチレングリコールジアクリレート(共栄社化学製、9EG−A)15重量、光反応開始剤としてイルガキュアー907(チバスペシャリティケミカルズ社製)10重量部とDETX−S(日本化薬製)10重量部、及び、溶剤としてジエチレングリコールジメチルエーテル70重量部を混合してカラムスペーサ用硬化性樹脂組成物を調製した。
(実施例2)
実施例1で得られたアルカリ可溶性カルボキシル基含有高分子化合物溶液100重量部、カプロラクトン変性ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート(新中村化学工業社製、NKエステル AD−TMP−4CL)70重量部、テトラエチレングリコールジアクリレート(共栄社化学社製、ライトアクリレート4EG−A)10重量部、光反応開始剤(チバスペシャリティケミカルズ社製、イルガキュアー369)15重量部、及び、溶剤としてジエチレングリコールジメチルエーテル60重量部を混合してカラムスペーサ用硬化性樹脂組成物を調製した。
(実施例3)
実施例1で得られたアルカリ可溶性カルボキシル基含有高分子化合物溶液100重量部、
カプロラクトン変性ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート(新中村化学工業社製、NKエステル AD−TMP−4CL)70重量部、テトラエチレングリコールジアクリレート(共栄社化学社製、ライトアクリレート4EG−A)10重量部、光反応開始剤(チバスペシャリティケミカルズ社製、イルガキュアー369)15重量部、熱架橋剤(旭化成ケミカルズ社製、デュラネートE−402−B80T)8重量部、及び、溶剤としてジエチレングリコールジメチルエーテル60重量部を混合してカラムスペーサ用硬化性樹脂組成物を調製した。
(比較例1)
実施例1で得られたアルカリ可溶性カルボキシル基含有高分子化合物溶液100重量部、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬製、DPCA−120)80重量部、光反応開始剤としてイルガキュアー907(チバスペシャリティケミカルズ社製)10重量部とDETX−S(日本化薬製)10重量部、熱架橋剤(旭化成ケミカルズ社製、デュラネート17B−60PX)8重量部、及び、溶剤としてジエチレングリコールジメチルエーテル70重量部を混合してカラムスペーサ用硬化性樹脂組成物を調製した。
(比較例2)
実施例1で得られたアルカリ可溶性カルボキシル基含有高分子化合物溶液100重量部、カプロラクトン変性ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート(新中村化学工業社製、NKエステル AD−TMP−4CL)80重量部、光反応開始剤(チバスペシャリティケミカルズ社製、イルガキュアー369)15重量部、及び、溶剤としてジエチレングリコールジメチルエーテル60重量部を混合してカラムスペーサ用硬化性樹脂組成物を調製した。
(評価)
実施例1、2及び比較例1、2で得られたカラムスペーサ用硬化性樹脂組成物について以下の方法により評価を行った。
結果を表1に示した。
(1)カラムスペーサの作製
透明導電膜が形成されたガラス基板上に得られたカラムスペーサ用硬化性樹脂組成物をスピンコートにより塗布し、80℃、3分間乾燥して塗膜を得た。得られた塗膜に、30μm角のドットパターンマスクを介して200mJ/cmのし紫外線を照射した後、0.04%KOH溶液により60秒間現像し、純水にて30秒間洗浄してカラムスペーサのパターンを形成した。220℃、1時間のベーキング処理を行った後、カラムスペーサの断面積は30μm×30μm(900μm)、高さは4.5μmであった。
(2)カラムスペーサの評価
(解像性)
光学顕微鏡により、カラムスペーサパターンのエッジのシャープさ、および、パターン表面の荒れを観察した。
(圧縮特性)
温度25℃に調整した室内において、カラムスペーサを10mN/sの荷重印加速度で圧縮し、初期高さHの85%に相当する高さになるまで圧縮した。ここで1mNの荷重を印加した際のカラムスペーサ高さをH、Hの85%に相当するカラムスペーサ高さをH、Hに達した時点での荷重をFとした。次いで、この荷重Fを5秒間保持し、定荷重での変形を与えた後、10mN/秒の荷重印加速度で負荷を取り除き弾性回復によるカラムスペーサ高さの回復変形を測定した。この間の圧縮変形が最大となった時点のカラムスペーサ高さをHとし、カラムスペーサの変形を回復する過程における1mNの荷重印
可時のカラムスペーサ高さをHとした。得られた各値を用いて、下記式(1)及び下記式(2)により15%圧縮時の圧縮弾性係数E及び15%圧縮変形したときの回復率Rを算出した。なお、式(1)中、Eは圧縮弾性係数(Pa)を表し、Fは、荷重(N)を表し、Dは、カラムスペーサの高さ変形率=(H−H)/Hを表し、Sは、カラムスペーサの断面積(m)を表す。
E=F/(D×S) (1)
R=(H−H)/(H−H)×100 (2)
(3)液晶表示素子の製造
得られたカラムスペーサが形成されたガラス基板上に、シール剤(積水化学工業社製)を長方形の枠を描く様にディスペンサーで塗布した。続いて、液晶(チッソ社製、JC−5004LA)の微小滴をガラス基板の枠内全面に滴下塗布し、すぐに他方のガラス基板を重ねあわせてシール部に高圧水銀ランプを用い紫外線を50mW/cmで60秒照射した。その後、液晶アニールを120℃にて1時間行い熱硬化させ、液晶表示素子を作製した。
(4)液晶表示素子の評価
液晶表示素子を点灯表示し、セルギャップの均一性を表示画面を目視にて観察して、以下の基準により評価した。
また、液晶表示素子を垂直に立てた状態で、60℃の条件下にて2日間放置した。放置後、クロスニコル間に液晶表示装置を設置し、目視により表示画像を観察し、重力不良の発生について以下の基準により評価した。
更に、液晶表示素子を0℃の条件下にて24時間放置した。放置後、クロスニコル間に液晶表示装置を設置し、目視により観察し、低温発泡の発生について以下の基準により評価した。
セルギャップの評価
〇:均一
×:色ムラあり
重力不良の評価
〇:均一
×:色ムラあり
低温発泡の評価
〇:発泡なし
×:発泡あり
Figure 2006176735
本発明によれば、液晶表示素子の製造に使用するカラムスペーサとして用いた際に、低温発泡を生ずることなく、重力不良による色ムラの発生を効果的に抑制できるカラムスペーサ用硬化性樹脂組成物、該カラムスペーサ用硬化性樹脂組成物を用いてなるカラムスペー
サ及び液晶表示素子を提供できる。

Claims (5)

  1. 液晶表示素子を製造する際に用いられるカラムスペーサ用硬化性樹脂組成物であって、
    分子内に2以上のカプロラクトン変性された重合性不飽和結合を有する化合物、重合性不飽和結合を有しポリエチレングリコール骨格を有する化合物、アルカリ可溶性カルボキシル基含有高分子化合物、及び、光反応開始剤を含有する
    ことを特徴とするカラムスペーサ用硬化性樹脂組成物。
  2. 重合性不飽和結合を有しポリエチレングリコール骨格を有する化合物は、2以上の重合性不飽和結合を有することを特徴とする請求項1記載のカラムスペーサ用硬化性樹脂組成物。
  3. 更に、2以上のブロックイソシアネート基を有する化合物を含有することを特徴とする請求項1又は2記載のカラムスペーサ用硬化性樹脂組成物。
  4. 請求項1、2又は3記載のカラムスペーサ用硬化性樹脂組成物を用いてなることを特徴とするカラムスペーサ。
  5. 請求項1、2又は3記載のカラムスペーサ用硬化性樹脂組成物又は請求項4記載のカラムスペーサを用いてなることを特徴とする液晶表示素子。
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