JP2006175331A - 水可溶性有機物の回収方法及び回収システム - Google Patents

水可溶性有機物の回収方法及び回収システム Download PDF

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Abstract

【課題】 水可溶性有機物及び無機酸を含む被処理水から水可溶性有機物を高濃度、且つ高回収率で分離・回収する方法、及び回収システムを提供すること。
【解決手段】 水可溶性有機物の回収方法は、水可溶性有機物及び無機酸を含む被処理水に、無機酸と反応してできた塩の溶解度が回収する水可溶性有機物に対して1質量%以下となる水酸化物、酸化物、炭酸塩あるいは炭酸水素塩のうち少なくとも1種類以上を、当該被処理水中に含まれる無機酸に相当する化学量論量添加して前記被処理水を中和する第1工程と、前記第1工程の後に、水に対する溶解度が30質量%以上で、且つ回収する水可溶性有機物に対する溶解度が1質量%以下である塩のうち少なくとも1種類以上を添加して、水可溶性有機物と水を分離する第2工程とを備えている。
【選択図】 なし

Description

本発明は、水可溶性有機物及び無機酸を含む被処理水を、無機酸を中和させた後、水可溶性有機物層と水層に分離させ、水可溶性有機物を高濃度、且つ高回収率で回収する方法、及びその回収システムに関する。
水可溶性有機物を含む被処理水からの水可溶性有機物を分離・回収する方法としては、溶媒抽出方法と蒸留法が従来から一般的に広く用いられている。しかしながら、これらの方法はそれぞれ以下に述べるような問題点がある。
まず、溶媒抽出法についてであるが、この方法は主に水に溶解しにくい有機物を水から除去する場合に広く用いられ、水に溶解している有機物を有機溶媒側に抽出分離し、回収する方法として知られている。しかし、この方法は水に溶解している成分をある一定の比率(分配係数)で溶媒側に抽出する方法であり、不純物の一部はその比率に従って水側に残留する。このため、アルコール類やケトン類などの水に易溶な有機物を分離・回収する場合には、分離効率は悪い。
そのため、アルコール類やケトン類などの水に易溶な有機物は蒸留法を用いて分離・回収する。この方法は沸点の違いを利用して、当該液を加熱して水と有機物を分離する方法である。例えば、メタノールやアセトン、2−プロパノールなどの有機物が含まれている水の場合、これらの成分は水より沸点が低い物質であるため、この蒸留法を適用すれば、これらの成分を水から分離・回収することができる。しかしながら、この蒸留方法では、処理対象の液体全体を、一旦分離される液体の沸点まで加熱する操作と、気化した分離対象を再度凝集させるための冷却操作が必要であり、加熱と冷却に多くのエネルギーを必要とする。蒸留法を利用した有機物の回収方法としては、例えば、特許文献1がある。
また、水可溶性有機物を含む被処理水から水可溶性有機物を分離・回収する方法として、塩析が用いられる場合がある。しかし、従来用いられていた食塩を添加して水可溶性有機物を分離・回収する方法も可溶性有機物を高濃度、且つ高回収率で分離・回収するには至っておらず、また、特許文献2には、アルカリ金属水酸化物及び電解質を添加して水可溶性有機物を分離・回収する方法が提案されているが、水可溶性有機物を高濃度、且つ高回収率で分離・回収するには至っていない。
さらに、水可溶性有機物及び無機酸を含む被処理水から水可溶性有機物を分離・回収する場合、蒸留法や溶媒抽出法だけでは無機酸を水層側に固定することが難しく、回収する水可溶性有機物中に無機酸が含まれるため、水可溶性有機物を高濃度、且つ高回収率で分離・回収することが困難である。
そのため、水可溶性有機物及び酸を含む被処理水からの水可溶性有機物の回収に、多量のエネルギーを消費する蒸留を用いず、またアルコール類やケトン類などの水に易溶な有機物を分離・回収する場合には分離効率の悪い溶媒抽出を用いずに、水可溶性有機物及び酸を含む被処理水から水可溶性有機物を高濃度、且つ高回収率で分離・回収する方法が切望されている。
特開平11−35504号公報「イソプロピルアルコールの回収方法」 特開昭59−62540号公報「アルコールの乾燥法」 「化学便覧、基礎編II(改訂4版)」日本化学会編(1993年)
本発明の技術的課題は、水可溶性有機物及び無機酸を含む被処理水からの水可溶性有機物の回収に、多量のエネルギーを消費する蒸留を用いず、またアルコール類やケトン類などの水に易溶な有機物を分離・回収する場合には分離効率の悪い溶媒抽出を用いずに、水可溶性有機物及び無機酸を含む被処理水から水可溶性有機物を高濃度、且つ高回収率で分離・回収する方法、及び回収システムを提供することにある。
本発明者等は上記の現況に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、水可溶性有機物及び無機酸を含む被処理水に、下記第1工程の後、第2工程を施すことにより、被処理水を水可溶性有機物層と水層に分離させ、水可溶性有機物を高濃度、且つ高回収率で回収する方法を見出し、本発明を為すに至ったものである。第1工程;第1手段により、水可溶性有機物及び無機酸を含む被処理水に、無機酸と反応してできた塩の回収する水可溶性有機物に対する溶解度が1質量%以下となる水酸化物、酸化物、炭酸塩あるいは炭酸水素塩のうち少なくとも1種類以上を、被処理水中に含まれる無機酸に相当する化学量論量添加して被処理水を中和する工程である。第2工程;第2手段によって水に対する溶解度が30質量%以上で、且つ回収する水可溶性有機物に対する溶解度が1質量%以下である塩のうち少なくとも1種類以上を添加して、水可溶性有機物と水を分離する工程である。
即ち、本発明によれば、水可溶性有機物及び無機酸を含む被処理水に、前記無機酸と反応してできた塩の溶解度が回収する水可溶性有機物に対して1質量%以下となる水酸化物、酸化物、炭酸塩あるいは炭酸水素塩のうち少なくとも1種を、当該被処理水中に含まれる無機酸に相当する化学量論量添加して前記被処理水を中和する第1工程と、前記第1工程の後に、水に対する溶解度が30質量%以上で、且つ回収する水可溶性有機物に対する溶解度が1質量%以下である塩のうち少なくとも1種類以上を添加して、水可溶性有機物と水を分離する第2工程とを備えていることを特徴とする水可溶性有機物の回収方法が得られる。
また、本発明によれば、前記水可溶性有機物の回収方法において、前記第1工程は、水可溶性有機物及び無機酸を含む被処理水に、前記無機酸と反応してできた塩の溶解度が回収する水可溶性有機物に対して0.5質量%以下となる水酸化物、酸化物、炭酸塩あるいは炭酸水素塩のうち少なくとも1種を、当該被処理水中に含まれる無機酸に相当する化学量論量添加して前記被処理水を中和することを含むことを特徴とする水可溶性有機物の回収方法が得られる。
また、本発明によれば、前記いずれか一つの水可溶性有機物の回収方法において、前記第1工程は、水可溶性有機物及び無機酸を含む被処理水に、前記無機酸と反応してできた塩の溶解度が回収する水可溶性有機物に対して0.1質量%以下となる水酸化物、酸化物、炭酸塩あるいは炭酸水素塩のうち少なくとも1種類以上を、当該被処理水中に含まれる無機酸に相当する化学量論量添加して前記被処理水を中和することを含むことを特徴とする水可溶性有機物の回収方法が得られる。
また、本発明によれば、前記水可溶性有機物の回収方法において、前記第2工程は、溶解度が水に対して40質量%以上で、且つ回収する水可溶性有機物に対して0.5質量%以下である塩のうち少なくとも1種を添加して、水可溶性有機物と水を分離することを含むことを特徴とする水可溶性有機物の回収方法が得られる。
また、本発明によれば、前記いずれか一つの水可溶性有機物の回収方法において、前記第2工程は、溶解度が水に対して50質量%以上で、且つ回収する水可溶性有機物に対して0.1質量%以下である塩のうち少なくとも1種を添加して、水可溶性有機物と水を分離することを含むことを特徴とする水可溶性有機物の回収方法が得られる。
また、本発明によれば、前記いずれか一つの水可溶性有機物の回収方法において、前記第2工程は、溶解度が水に対して30質量%以上で、且つ回収する水可溶性有機物に対して1質量%以下である塩のうち少なくとも1種を、飽和状態になるように添加することを含むことを特徴とする水可溶性有機物の回収方法が得られる。
また、本発明によれば、前記いずれか一つの水可溶性有機物の回収方法において、前記第2工程は、溶解度が水に対して30質量%以上で、且つ回収する水可溶性有機物に対して1質量%以下である塩のうち少なくとも1種を、過飽和状態となるように添加することを含むこと特徴とする水可溶性有機物の回収方法が得られる。
また、本発明によれば、前記いずれか一つの水可溶性有機物の回収方法において、前記第1工程は、無機酸と反応してできた塩によって水可溶性有機物と水を分離することを含むことを特徴とする水可溶性有機物の回収方法が得られる。
また、本発明によれば、前記いずれか一つの水可溶性有機物の回収方法において、前記第1工程は、更に、無機酸と反応してできた塩によって水可溶性有機物と水を分離することを含むことで前記第2工程を省略したことを特徴とする水可溶性有機物の回収方法が得られる。
また、本発明によれば、前記いずれか一つの水可溶性有機物の回収方法において、前記第1工程は、水可溶性有機物及び無機酸を含む被処理水に、前記無機酸と反応してできた塩の溶解度が水に対して30質量%以上で、且つ回収する水可溶性有機物に対して1質量%以下となる水酸化物、酸化物、炭酸塩あるいは炭酸水素塩のうち少なくとも1種を、当該被処理水中に含まれる前記無機酸に相当する化学量論量添加して前記被処理水を中和することを特徴とする水可溶性有機物の回収方法が得られる。
また、本発明によれば、前記いずれか一つの水可溶性有機物の回収方法において、前記第1工程は、水可溶性有機物及び無機酸を含む被処理水に、前記無機酸と反応してできた塩の溶解度が水に対して40質量%以上で、且つ回収する水可溶性有機物に対して0.5質量%以下となる水酸化物、酸化物、炭酸塩あるいは炭酸水素塩のうち少なくとも1種を、当該被処理水中に含まれる前記無機酸に相当する化学量論量添加して前記被処理水を中和することを含むことを特徴とする水可溶性有機物の回収方法が得られる。
また、本発明によれば、前記いずれか一つの水可溶性有機物の回収方法において、前記第1工程は、水可溶性有機物及び無機酸を含む被処理水に、前記無機酸と反応してできた塩の溶解度が水に対して50質量%以上で、且つ回収する水可溶性有機物に対して0.1質量%以下となる水酸化物、酸化物、炭酸塩あるいは炭酸水素塩のうち少なくとも1種を、当該被処理水中に含まれる無機酸に相当する化学量論量添加して前記被処理水を中和することを含むことを特徴とする水可溶性有機物の回収方法が得られる。
また、本発明によれば、前記いずれか一つの水可溶性有機物の回収方法において、前記第1工程は、更に、無機酸と反応してできた塩の溶解度が水に対して30質量%以上で、且つ回収する水可溶性有機物に対して1質量%以下である塩のうち少なくとも1種類以上を、前記被処理水中で飽和状態にして行われることを特徴とする水可溶性有機物の回収方法が得られる。
また、本発明によれば、前記いずれか一つの水可溶性有機物の回収方法において、前記第1工程は、無機酸と反応してできた塩の溶解度が水に対して30質量%以上で、且つ回収する水可溶性有機物に対して1質量%以下である塩のうち少なくとも1種を、被処理水中で過飽和状態にして行うことを含むことを特徴とする水可溶性有機物の回収方法が得られる。
また、本発明によれば、前記水可溶性有機物の回収方法において、前記水可溶性有機物は、比誘電率82以下の化合物のうち少なくとも1種であることを特徴とする水可溶性有機物の回収方法が得られる。
また、本発明によれば、前記水可溶性有機物の回収方法において、前記水可溶性有機物は、アルコール、ケトン、エーテル、エポキシド、アルデヒド、アミン、ニトリル、有機酸、フェノール、チオール、及びスルフィドのうち少なくとも1種であることを特徴とする水可溶性有機物の回収方法が得られる。
また、本発明によれば、前記いずれか一つの水可溶性有機物の回収方法において、前記水可溶性有機物は、2−プロパノールを含むことを特徴とする水可溶性有機物の回収方法が得られる。
また、本発明によれば、前記いずれか一つの水可溶性有機物の回収方法において、前記水可溶性有機物は、アセトンを含むことを特徴とする水可溶性有機物の回収方法が得られる。
また、本発明によれば、前記水可溶性有機物の回収方法において、前記水可溶性有機物及び無機酸を含む被処理水の有機物濃度が、0.5〜99.5質量%であることを特徴とする水可溶性有機物の回収方法が得られる。
また、本発明によれば、前記いずれか一つの水可溶性有機物の回収方法において、前記水可溶性有機物及び無機酸を含む被処理水の有機物濃度が、1〜99質量%であることを特徴とする水可溶性有機物の回収方法が得られる。
また、本発明によれば、前記いずれか一つの水可溶性有機物の回収方法において、前記水可溶性有機物及び無機酸を含む被処理水の有機物濃度が、2〜98質量%であることを特徴とする水可溶性有機物の回収方法が得られる。
また、本発明によれば、前記水可溶性有機物の回収方法において、前記無機酸は、フッ化水素酸を含むことを特徴とする水可溶性有機物の回収方法が得られる。
また、本発明によれば、前記いずれか一つの水可溶性有機物の回収方法において、前記水可溶性有機物及び無機酸を含む被処理水の前記無機酸の濃度が、0.001〜99.5質量%であることを特徴とする水可溶性有機物の回収方法が得られる。
また、本発明によれば、前記いずれか一つの水可溶性有機物の回収方法において、前記水可溶性有機物及び無機酸を含む被処理水の前記無機酸の濃度が、0.01〜99質量%であることを特徴とする水可溶性有機物の回収方法が得られる。
また、本発明によれば、前記いずれか一つの水可溶性有機物の回収方法において、前記水可溶性有機物及び無機酸を含む被処理水の前記無機酸の濃度が、0.1〜90質量%であることを特徴とする水可溶性有機物の回収方法が得られる。
また、本発明によれば、前記いずれか一つの水可溶性有機物の回収方法において、前記第1工程における2−プロパノール及びフッ化水素酸を含む被処理水に対して、当該被処理水に含まれるフッ化水素酸に相当する化学量論量添加する塩が、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、水酸化セシウム、炭酸セシウム、及び炭酸水素セシウムのうち少なくとも1種を含むことを特徴とする水可溶性有機物の回収方法が得られる。
また、本発明によれば、前記いずれか一つの水可溶性有機物の回収方法において、前記第2工程における2−プロパノールを含む被処理水に対して、添加する塩が、フッ化カリウム、炭酸カリウム、及びフッ化セシウムのうち少なくとも1種を含むことを特徴とする水可溶性有機物の回収方法が得られる。
また、本発明によれば、水可溶性有機物及び無機酸を含む被処理水に、前記無機酸と反応してできた塩の溶解度が回収する水可溶性有機物に対して1質量%以下となる水酸化物、酸化物、炭酸塩あるいは炭酸水素塩のうち少なくとも1種類以上を、当該被処理水中に含まれる無機酸に相当する化学量論量添加して前記被処理水を中和する第1の手段と、前記第1の手段を行った後に、水に対する溶解度が30質量%以上で、且つ回収する水可溶性有機物に対する溶解度が1質量%以下である塩のうち少なくとも1種を添加して、水可溶性有機物と水を分離する第2の手段とを備えていることを特徴とする水可溶性有機物の回収システムが得られる。
また、本発明によれば、前記水可溶性有機物の回収システムにおいて、前記第1手段は、水可溶性有機物及び無機酸を含む被処理水に、前記無機酸と反応してできた塩の溶解度が回収する水可溶性有機物に対して0.5質量%以下となる水酸化物、酸化物、炭酸塩あるいは炭酸水素塩のうち少なくとも1種を、当該被処理水中に含まれる無機酸に相当する化学量論量添加して前記被処理水を中和することを特徴とする水可溶性有機物の回収システムが得られる。
また、本発明によれば、前記いずれか一つの水可溶性有機物の回収システムにおいて、前記第1手段は、水可溶性有機物及び無機酸を含む被処理水に、前記無機酸と反応してできた塩の溶解度が回収する水可溶性有機物に対して0.1質量%以下となる水酸化物、酸化物、炭酸塩あるいは炭酸水素塩のうち少なくとも1種を、当該被処理水中に含まれる無機酸に相当する化学量論量添加して前記被処理水を中和することを特徴とする水可溶性有機物の回収システムが得られる。
また、本発明によれば、前記水可溶性有機物の回収システムにおいて、前記第2工程は、溶解度が水に対して40質量%以上で、且つ回収する水可溶性有機物に対して0.5質量%以下である塩のうち少なくとも1種類以上を添加して、水可溶性有機物と水を分離することを特徴とする水可溶性有機物の回収システムが得られる。
また、本発明によれば、前記いずれか一つの水可溶性有機物の回収システムにおいて、前記第2工程は、溶解度が水に対して50質量%以上で、且つ回収する水可溶性有機物に対して0.1質量%以下である塩のうち少なくとも1種を添加して、水可溶性有機物と水を分離することを特徴とする水可溶性有機物の回収システムが得られる。
また、本発明によれば、前記いずれか一つの水可溶性有機物の回収システムにおいて、前記第2手段は、溶解度が水に対して30質量%以上で、且つ回収する水可溶性有機物に対して1質量%以下である塩のうち少なくとも1種を、飽和状態になるように添加することを含むことを特徴とする水可溶性有機物の回収システムが得られる。
また、本発明によれば、前記いずれか一つの水可溶性有機物の回収システムにおいて、溶解度が水に対して30質量%以上で、且つ回収する水可溶性有機物に対して1質量%以下である塩のうち少なくとも1種を、過飽和状態になるように添加することを含むことを特徴とする水可溶性有機物の回収システムが得られる。
また、本発明によれば、前記いずれか一つの水可溶性有機物の回収システムにおいて、前記第1手段は、無機酸と反応してできた塩によって水可溶性有機物と水を分離することを特徴とする水可溶性有機物の回収システムが得られる。
また、本発明によれば、前記いずれか一つの水可溶性有機物の回収システムにおいて、前記第1手段は、無機酸と反応してできた塩によって水可溶性有機物と水を分離することで前記第2手段を省略したことを特徴とする水可溶性有機物の回収システムが得られる。
また、本発明によれば、前記いずれか一つの水可溶性有機物の回収システムにおいて、前記第1手段は、水可溶性有機物及び無機酸を含む被処理水に、前記無機酸と反応してできた塩の溶解度が水に対して30質量%以上で、且つ回収する水可溶性有機物に対して1質量%以下となる水酸化物、酸化物、炭酸塩あるいは炭酸水素塩のうち少なくとも1種類以上を、当該被処理水中に含まれる無機酸に相当する化学量論量添加して前記被処理水を中和することを特徴とする水可溶性有機物の回収システムが得られる。
また、本発明によれば、前記いずれか一つの水可溶性有機物の回収システムにおいて、前記第1手段は、水可溶性有機物及び無機酸を含む被処理水に、前記無機酸と反応してできた塩の溶解度が水に対して40質量%以上で、且つ回収する水可溶性有機物に対して0.5質量%以下となる水酸化物、酸化物、炭酸塩あるいは炭酸水素塩のうち少なくとも1種を、当該被処理水中に含まれる無機酸に相当する化学量論量添加して前記被処理水を中和することを特徴とする水可溶性有機物の回収システムが得られる。
また、本発明によれば、前記いずれか一つの水可溶性有機物の回収システムにおいて、前記第1手段は、水可溶性有機物及び無機酸を含む被処理水に、前記無機酸と反応してできた塩の溶解度が水に対して50質量%以上で、且つ回収する水可溶性有機物に対して0.1質量%以下となる水酸化物、酸化物、炭酸塩あるいは炭酸水素塩のうち少なくとも1種を、当該被処理水中に含まれる無機酸に相当する化学量論量添加して前記被処理水を中和することを特徴とする水可溶性有機物の回収システムが得られる。
また、本発明によれば、前記いずれか一つの水可溶性有機物の回収システムにおいて、前記第1手段は、更に、無機酸と反応してできた塩の溶解度が水に対して30質量%以上で、且つ回収する水可溶性有機物に対して1質量%以下である塩のうち少なくとも1種が、被処理水中で飽和であることを特徴とする水可溶性有機物の回収システムが得られる。
また、本発明によれば、前記いずれか一つの水可溶性有機物の回収システムにおいて、前記第1手段は、無機酸と反応してできた塩の溶解度が水に対して30質量%以上で、且つ回収する水可溶性有機物に対して1質量%以下である塩のうち少なくとも1種類以上を、当該被処理水中で過飽和状態にして行うことを特徴とする水可溶性有機物の回収システムが得られる。
また、本発明によれば、前記いずれか一つの水可溶性有機物の回収システムにおいて、前記水可溶性有機物は、比誘電率82以下の化合物の内の少なくとも一種を含むことを特徴とする水可溶性有機物の回収システムが得られる。
また、本発明によれば、前記いずれか一つの水可溶性有機物の回収システムにおいて、前記水可溶性有機物は、アルコール、ケトン、エーテル、エポキシド、アルデヒド、アミン、ニトリル、有機酸、フェノール、チオール、及びスルフィドのうちの少なくとも一種であることを特徴とする水可溶性有機物の回収システムが得られる。
また、本発明によれば、前記いずれか一つの水可溶性有機物の回収システムにおいて、前記水可溶性有機物は、2−プロパノールを含むことを特徴とする水可溶性有機物の回収システムが得られる。
また、本発明によれば、前記いずれか一つの水可溶性有機物の回収システムにおいて、前記水可溶性有機物は、アセトンを含むことを特徴とする水可溶性有機物の回収システムが得られる。
また、本発明によれば、前記いずれか一つの水可溶性有機物の回収システムにおいて、前記水可溶性有機物及び無機酸を含む被処理水の有機物濃度が、0.5〜99.5質量%であることを特徴とする水可溶性有機物の回収システムが得られる。
また、本発明によれば、前記いずれか一つの水可溶性有機物の回収システムにおいて、前記水可溶性有機物及び無機酸を含む被処理水の有機物濃度が、1〜99質量%であることを特徴とする水可溶性有機物の回収システムが得られる。
また、本発明によれば、前記いずれか一つの水可溶性有機物の回収システムにおいて、前記水可溶性有機物及び無機酸を含む被処理水の有機物濃度が、2〜98質量%であることを特徴とする水可溶性有機物の回収システムが得られる。
また、本発明によれば、前記いずれか一つの水可溶性有機物の回収システムにおいて、前記無機酸は、フッ化水素酸を含むことを特徴とする水可溶性有機物の回収システムが得られる。
また、本発明によれば、前記いずれか一つの水可溶性有機物の回収システムにおいて、前記水可溶性有機物及び無機酸を含む被処理水の前記無機酸の濃度が、0.001〜99.5質量%であることを特徴とする水可溶性有機物の回収システムが得られる。
また、本発明によれば、前記いずれか一つの水可溶性有機物の回収システムにおいて、前記水可溶性有機物及び無機酸を含む被処理水の前記無機酸の濃度が、0.01〜99質量%であることを特徴とする水可溶性有機物の回収システムが得られる。
また、本発明によれば、前記いずれか一つの水可溶性有機物の回収システムにおいて、前記水可溶性有機物及び無機酸を含む被処理水の前記無機酸の濃度が、0.1〜90質量%であることを特徴とする水可溶性有機物の回収システムが得られる。
また、本発明によれば、前記いずれか一つの水可溶性有機物の回収システムにおいて、前記第1手段における2−プロパノール及びフッ化水素酸を含む被処理水に対して、当該被処理水に含まれるフッ化水素酸に相当する化学量論量添加する塩が、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、水酸化セシウム、炭酸セシウム、及び炭酸水素セシウムのうち少なくとも1種を含むことを特徴とする水可溶性有機物の回収システムが得られる。
また、本発明によれば、前記いずれか一つの水可溶性有機物の回収システムにおいて、前記第2手段における2−プロパノールを含む被処理水に対して、添加する塩が、フッ化カリウム、炭酸カリウム、及びフッ化セシウムのうち少なくとも1種を含むことを特徴とする水可溶性有機物の回収システムが得られる。
本発明では、水可溶性有機物及び無機酸を含む被処理水からの水可溶性有機物の回収に、多量のエネルギーを消費する蒸留を用いず、またアルコール類やケトン類などの水に易溶な有機物を分離・回収する場合には分離効率の悪い溶媒抽出を用いずに、水可溶性有機物及び無機酸を含む被処理水から水可溶性有機物を高濃度、且つ高回収率で分離・回収する方法、及び回収システムを提供することができる。
以下、本発明について更に詳しく説明する。
本発明では、は水可溶性有機物及び無機酸を含む被処理水に、下記第1工程(第1手段)の後、第2工程(第2手段)を施すことにより、被処理水を水可溶性有機物層と水層に分離させ、水可溶性有機物を回収する方法及び回収システムにより、水可溶性有機物及び無機酸を含む被処理水から水可溶性有機物を高濃度、且つ高回収率で分離・回収するものである。
第1工程;第1手段によって行われる工程で、水可溶性有機物及び無機酸を含む被処理水に、無機酸と反応してできた塩の回収する水可溶性有機物に対する溶解度が1質量%以下となる水酸化物、酸化物、炭酸塩あるいは炭酸水素塩のうち少なくとも1種類以上を、被処理水中に含まれる無機酸に相当する化学量論量添加して被処理水を中和する工程である。
第2工程;第2手段によって行われる工程で、水に対する溶解度が30質量%以上で、且つ回収する水可溶性有機物に対する溶解度が1質量%以下である塩のうち少なくとも1種類以上を添加して、水可溶性有機物と水を分離する工程である。
ここで、本発明において、第1手段及び第2手段に係る装置は、使用される薬品に対して耐性があり、攪拌可能な容器中に収容された被処理水に添加物を夫々添加できる部位と生成物を回収できる部位を備え、上記第1工程及び第2工程を行えるものであるならば、その機器、器具、装置等の構造や種類に限定されるものではない。
本発明では、上記第1工程において、第1手段により水可溶性有機物及び無機酸を含む被処理水に、被処理水中に含まれる無機酸に相当する化学量論量添加する水酸化物、酸化物塩、炭酸塩あるいは炭酸水素塩のうち少なくとも1種類以上の塩は、酸と反応してできた塩の回収する水可溶性有機物に対する溶解度が1質量%以下であり、好ましくは回収する水可溶性有機物に対する溶解度が0.5質量%以下であり、より好ましくは回収する水可溶性有機物に対する溶解度が0.1質量%以下である。また、水及び水可溶性有機物に対する塩の溶解度を上記溶解度範囲に変化させるために、被処理水を加熱、または冷却してもよい。
また、本発明では、高濃度で且つ高回収率で分離・回収するために、上記第2工程において、第2手段によって、添加する塩は、水に対する溶解度が30質量%以上で、且つ回収する水可溶性有機物に対する溶解度が1質量%以下であり、好ましくは水に対する溶解度が40質量%以上で、且つ回収する水可溶性有機物に対する溶解度が0.5質量%以下であり、より好ましくは水に対する溶解度が50質量%以上で、且つ回収する水可溶性有機物に対する溶解度が0.1質量%以下である。また、水及び水可溶性有機物に対する塩の溶解度を上記溶解度範囲に変化させるために、被処理水を加熱、または冷却してもよい。
また、本発明では、上記第2工程において第2手段により添加する塩は、水に対する溶解度が30質量%以上で、且つ回収する水可溶性有機物に対する溶解度が1質量%以下である塩のうち少なくとも1種類以上を添加することにより、水可溶性有機物を高濃度、且つ高回収率で分離・回収することを特徴とする回収方法、及びそれらを使用した回収システムであり、塩としては、好ましくは飽和状態に、さらに好ましくは過飽和状態になるように添加することが好ましい。また、塩を添加した被処理水を飽和あるいは過飽和状態にするために、被処理水溶液を加熱、または冷却してもよい。
また、本発明では、上記第1工程において、第1手段は、水可溶性有機物及び無機酸を含む被処理水に、被処理水中に含まれる無機酸に相当する化学量論量添加する水酸化物、酸化物、炭酸塩あるいは炭酸水素塩のうち少なくとも1種類以上の塩を添加して、無機酸と反応してできた塩によって水可溶性有機物と水を分離してもよく、また水可溶性有機物及び無機酸を含む被処理水に、被処理水中に含まれる無機酸に相当する化学量論量添加する水酸化物、酸化物、炭酸塩あるいは炭酸水素塩のうち少なくとも1種類以上の塩を添加して、酸と反応してできた塩によって水可溶性有機物と水を分離することにより、第2手段による第2工程を省いてもよい。
また、本発明では、上記第1工程において、第1手段は、水可溶性有機物及び無機酸を含む被処理水に、被処理水中に含まれる無機酸に相当する化学量論量添加する水酸化物、酸化物、炭酸塩あるいは炭酸水素塩のうち少なくとも1種類以上の塩を添加して、無機酸と反応してできた塩の水に対する溶解度が30質量%以上で、且つ回収する水可溶性有機物に対する溶解度が1質量%以下であり、好ましくは水に対する溶解度が40質量%以上で、且つ回収する水可溶性有機物に対する溶解度が0.5質量%以下であり、より好ましくは水に対する溶解度が50質量%以上で、且つ回収する水可溶性有機物に対する溶解度が0.1質量%以下である。また、水及び回収する有機物に対する塩の溶解度を上記溶解度範囲に変化させるために、被処理水を加熱、または冷却してもよい。
また、本発明では、上記第1工程において、第1手段は、水可溶性有機物及び酸を含む被処理水に、被処理水中に含まれる酸に相当する化学量論量添加する水酸化塩、酸化塩、炭酸塩あるいは炭酸水素塩のうち少なくとも1種類以上の塩を添加して、酸と反応してできた塩の水に対する溶解度が30質量%以上で、且つ回収する水可溶性有機物に対する溶解度が1質量%以下である塩であり、塩としては、好ましくは飽和状態、さらに好ましくは過飽和状態であることが好ましい。また、塩を添加した被処理水を飽和あるいは過飽和状態にするために、被処理水溶液を加熱、または冷却してもよい。
また、本発明では、水可溶性有機物及び無機酸を含む被処理水から水可溶性有機物を高濃度、且つ高回収率で分離・回収する水可溶性有機物の回収方法、及びそれらを使用した回収システムであり、水可溶性有機物としては比誘電率が82以下であり、好ましくは例えばメチルアルコール、エチルアルコール、ジエチルケトンなどであり、さらに好ましくは2−プロパノール、アセトンなどがある。
また、本発明は、水可溶性有機物及び無機酸を含む被処理水から水可溶性有機物を高濃度、且つ高回収率で分離・回収する水可溶性有機物の回収方法、及びそれらを使用した回収システムであり、水可溶性有機物としては、好ましくは例えばアルコール、ケトン、エーテル、エポキシド、アルデヒド、アミン、二トリル、有機酸、フェノール、チオール、スルフィドなどである。
アルコールとしては、好ましくは、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、1−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、t−ブチルアルコール、アリルアルコール、アルドール、フルフリールアルコール、2−アミノエタノールなどであり、さらに好ましくは、2−プロパノールである。
また、ヒドロキシル基を2個以上有する多価アルコールであってもよく、好ましくは、例えば、エチレングリコール、グリセリン、トリエタノールアミン、トリエチレングリコール、1,2−プロパンジオールなどがある。ケトンとしては、好ましくは、例えば、エチルメチルケトン、ジエチルケトンなどであり、さらに好ましくはアセトンである。
エーテルとしては、好ましくは例えばジメチルエーテル、メチルエチルエーテル、1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサンなどである。エポキシドとしては、好ましくは例えばエチレンオキシド、1,2−プロピレンオキシドなどである。
アルデヒドとしては、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ホルムアミドなどである。
アミンとしては、好ましくは例えばエチルアミン、トリエチルアミン、ベンジルアミンなどである。ニトリルとしては、好ましくは、例えば、アセトニトリルなどである。
有機酸としては、好ましくは、例えば、ギ酸、グリセリン酸、酢酸、ビニル酢酸、ピリジン酸、プロピオン酸、酪酸などである。また、部分的にフッ素などのハロゲン原子に置換されたものでもよく、好ましくは例えば2−クロロエタノールなどである。また、被処理水に含まれる水可溶性有機物は1種類のもではなく、2種類以上を混合したものでもよい。例えば、組み合わせとしてアルコールより1種類、ケトンより1種類混合したものでもよい。
また、本発明では、水可溶性有機物及び無機酸を含む被処理水中の水可溶性有機物の濃度が0.5〜99.5質量%であることを特徴とし、好ましくは1〜99質量%、より好ましくは2〜98質量%である。
また、本発明では、水可溶性有機物及び無機酸を含む被処理水から水可溶性有機物を高濃度、且つ高回収率で分離・回収する水可溶性有機物の回収方法、及びそれらを使用した回収システムであり、無機酸としては、好ましくは例えば塩化水素酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硝酸などであり、さらに好ましくは、フッ化水素酸である。また、プロトンを2個以上有する多価の酸であってもよく、好ましくは例えば硫酸などがある。また、被処理水に含まれる酸は1種類のもではなく、2種類以上を混合したものでもよい。例えば、組み合わせとして単価の無機酸より1種類、多価の無機酸より1種類混合したものでもよい。
また、本発明では、水可溶性有機物及び無機酸を含む被処理水中の無機酸の濃度が0.001〜99.5質量%以上であることを特徴とし、好ましくは0.01〜99質量%以上、より好ましくは0.1〜90質量%以上である。
また、本発明では、上記第1工程において、第1手段は、水可溶性有機物及び無機酸を含む被処理水に、無機酸と反応してできた塩の回収する水可溶性有機物に対する溶解度が1質量%以下となる水酸化物、酸化物、炭酸塩あるいは炭酸水素塩のうち少なくとも1種類以上の塩を、被処理水中に含まれる無機酸に相当する化学量論量を添加することを特徴とする水可溶性有機物の回収方法、及びそれらを使用した回収システムであり、2−プロパノール及びフッ化水素酸を含む被処理水の場合、水酸化物、酸化物、炭酸塩あるいは炭酸水素塩としては、好ましくは例えば炭酸水素カリウム、水酸化セシウム、炭酸セシウム、炭酸水素セシウムなどであり、さらに好ましくは水酸化カリウム、炭酸カリウムである。
また、本発明では、上記第2工程において、第2手段は、水可溶性有機物及び無機酸を含む被処理水に、水に対する溶解度が30質量%以上で、且つ回収する水可溶性有機物に対する溶解度が1質量%以下である塩のうち少なくとも1種類以上を添加することにより、水可溶性有機物を高濃度、且つ高回収率で分離・回収することを特徴とする水可溶性有機物の回収方法、及びそれらを使用した回収システムであり、2−プロパノールを含む被処理水の場合、塩としては、好ましくは例えばフッ化セシウムなどであり、さらに好ましくはフッ化カリウム、炭酸カリウムである。
要するに、本発明では、水可溶性有機物及び無機酸を含む被処理水に、下記第1手段による第1工程の後、第2手段による第2工程を施すことにより、被処理水を水可溶性有機物層と水層に分離させ、水可溶性有機物を回収する方法及び回収システムにより、水可溶性有機物及び無機酸を含む被処理水から水可溶性有機物を高濃度、且つ高回収率で分離・回収する回収方法、及びそれらを使用した回収システムであり、求められる水可溶性有機物の純度によっては、回収した水可溶性有機物を蒸留、溶媒抽出、イオン交換樹脂、イオン交換膜、電気透析などを用いてさらに精製してもよい。
第1工程;第1手段により水可溶性有機物及び無機酸を含む被処理水に、無機酸と反応してできた塩の回収する水可溶性有機物に対する溶解度が1質量%以下となる水酸化塩、酸化塩、炭酸塩あるいは炭酸水素塩のうち少なくとも1種類以上を、被処理水中に含まれる無機酸に相当する化学量論量添加して被処理水を中和する工程である。
第2工程;第2手段により水に対する溶解度が30質量%以上で、且つ回収する水可溶性有機物に対する溶解度が1質量%以下である塩のうち少なくとも1種類以上を添加して、水可溶性有機物と水を分離する工程である。
以下、例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明は、これらの例に限定されるものではない。また、以下の例1〜3、及び比較例1〜2では、次の表1に示した塩を用いた。
(参考例)
下記表1に示したNo.1〜7の塩の2−プロパノールに対する溶解度を測定した。測定方法は100mlのPFA容器に2−プロパノールを入れた後、過剰の塩を入れ、攪拌しながら一定温度下で6時間放置した。その後、1時間静置させてから、濾過した上澄み液約5gを白金シャーレに採り、重量を測定した。重量変化がなくなるまで、150℃のホットプレート上で蒸発乾固した後、重量を測定し、蒸発前後の重量から濃度を計算して溶解度を求めた。
また、下記表1に示したNo.1〜7の塩の水に対する溶解度は、非特許文献1に記載のものによった。
Figure 2006175331
(例1)
被処理水として2−プロパノールを30質量%、フッ化水素酸を10質量%含むモデル被処理水を用いた。このモデル被処理水50gを入れたPFA容器を用意した。次いで、第1工程;モデル被処理水中のフッ化水素酸と同規定量の水酸化カリウム:14.0gを添加し、一定温度下で2時間攪拌した。第2工程;モデル被処理水が過飽和になるようにフッ化カリウム:15.6gを添加し、一定温度下で2時間攪拌した。
その後、1時間静置して上層と下層に分離させてから、上層中の2−プロパノール含有量、上層の体積を測定して、2−プロパノールの濃度及び回収率を求めた。その結果を下記表2に示す。
(例2)
被処理水として2−プロパノールを30質量%、フッ化水素酸を10質量%含むモデル被処理水を用いた。このモデル被処理水50gを入れたPFA容器を用意した。次いで、第1工程;モデル被処理水中のフッ化水素酸と同規定量の炭酸カリウム:17.3gを添加し、一定温度下で2時間攪拌した。第2工程;モデル被処理水が過飽和になるように炭酸カリウム:22.5gを添加し、一定温度下で2時間攪拌した。
その後、1時間静置して上層と下層に分離させてから、上層中の2−プロパノール含有量、上層の体積を測定して、2−プロパノールの濃度及び回収率を求めた。その結果を下記表2に示す。
Figure 2006175331
(例3)
被処理水として2−プロパノールを30質量%、フッ化水素酸をそれぞれ6質量%、8質量%、11質量%及び13質量%含むモデル被処理水を用いた。このモデル被処理水をそれぞれ50g入れたPFA容器を用意した。次いで、第1工程;モデル被処理水中のフッ化水素酸と同規定量の水酸化カリウム:8.4g、11.2g、15.4g及び18.2gを添加し、一定温度下で2時間攪拌した。
その後、1時間静置して上層と下層に分離させてから、上層中の2−プロパノール含有量、上層の体積を測定して、2−プロパノールの濃度及び回収率を求めた。その結果を下記表3に示す。
Figure 2006175331
(比較例1)
被処理水として2−プロパノールを30質量%、塩化水素酸を2質量%含むモデル被処理水を用いた。このモデル被処理水50gを入れたPFA容器を用意した。次いで、第1工程;モデル被処理水中の塩化水素酸と同規定量の水酸化カルシウム:1.0gを添加し、一定温度下で2時間攪拌した。第2工程;モデル被処理水が過飽和になるように塩化カルシウム:30.0gを添加し、一定温度下で2時間攪拌した。その後、1時間静置して上層と下層に分離させてから、上層中の2−プロパノール含有量、上層の体積を測定して、2−プロパノールの濃度及び回収率を求めた。その結果を下記表4に示す。
(比較例2)
被処理水として2−プロパノールを30質量%、塩化水素酸を2質量%含むモデル被処理水を用いた。このモデル被処理水50gを入れたPFA容器を用意した。次いで、第1工程;モデル被処理水中の塩化水素酸と同規定量の水酸化ナトリウム:1.1gを添加し、一定温度下で2時間攪拌した。第2工程;モデル被処理水が過飽和になるように塩化ナトリウム:10.2gを添加し、一定温度下で2時間攪拌した。その後、1時間静置して上層と下層に分離させてから、上層中の2−プロパノール含有量、上層の体積を測定して、2−プロパノールの濃度及び回収率を求めた。その結果を下記表4に示す。
Figure 2006175331
以上説明したように、本発明の実施の形態による水可溶性有機物の回収方法及び回収システムは、水可溶性有機物及び無機酸を含む被処理水に、下記第1工程を施し、その後、第2工程を施すことにより、被処理水を水可溶性有機物層と水層に分離させ、水可溶性有機物を分離・回収するため、蒸留法のように加熱と冷却に多くのエネルギーを必要とせず、また水に易溶な有機物に対して分離効率の悪いアルコール類やケトン類などに対しても高濃度、且つ高回収率で分離・回収することができるものである。
第1工程;第1手段による水可溶性有機物及び無機酸を含む被処理水に、無機酸と反応してできた塩の回収する水可溶性有機物に対する溶解度が1質量%以下となる水酸化物、酸化物、炭酸塩あるいは炭酸水素塩のうち少なくとも1種類以上を、被処理水中に含まれる無機酸に相当する化学量論量添加して被処理水を中和する工程である。第2工程;第2手段による水に対する溶解度が30質量%以上で、且つ回収する水可溶性有機物に対する溶解度が1質量%以下である塩のうち少なくとも1種類以上を添加して、水可溶性有機物と水を分離する工程である。
以上説明したように、本発明の水可溶性有機物の回収方法及び回収システムは、化学工業製品や化学薬品の製造における水可溶性有機物の精製、回収等や、産業の廃水における有機物の回収、処理、水の精製、例えば、半導体装置製造における処理水からの有機物の回収及び水の精製等に適用することができる。

Claims (54)

  1. 水可溶性有機物及び無機酸を含む被処理水に、前記無機酸と反応してできた塩の溶解度が回収する水可溶性有機物に対して1質量%以下となる水酸化物、酸化物、炭酸塩あるいは炭酸水素塩のうち少なくとも1種を、当該被処理水中に含まれる無機酸に相当する化学量論量添加して前記被処理水を中和する第1工程と、前記第1工程の後に、水に対する溶解度が30質量%以上で、且つ回収する水可溶性有機物に対する溶解度が1質量%以下である塩のうち少なくとも1種を添加して、水可溶性有機物と水を分離する第2工程とを備えていることを特徴とする水可溶性有機物の回収方法。
  2. 請求項1記載の水可溶性有機物の回収方法において、前記第1工程は、水可溶性有機物及び無機酸を含む被処理水に、前記無機酸と反応してできた塩の溶解度が回収する水可溶性有機物に対して0.5質量%以下となる水酸化物、酸化物、炭酸塩あるいは炭酸水素塩のうち少なくとも1種を、前記被処理水中に含まれる前記無機酸に相当する化学量論量添加して被処理水を中和することを含むことを特徴とする水可溶性有機物の回収方法。
  3. 請求項1又は2に記載の水可溶性有機物の回収方法において、前記第1工程は、水可溶性有機物及び無機酸を含む被処理水に、前記無機酸と反応してできた塩の溶解度が回収する水可溶性有機物に対して0.1質量%以下となる水酸化物、酸化物、炭酸塩あるいは炭酸水素塩のうち少なくとも1種を、前記被処理水中に含まれる無機酸に相当する化学量論量添加して当該被処理水を中和することを含むことを特徴とする水可溶性有機物の回収方法。
  4. 請求項1記載の水可溶性有機物の回収方法において、前記第2工程は、溶解度が水に対して40質量%以上で、且つ回収する水可溶性有機物に対して0.5質量%以下である塩のうち少なくとも1種を添加して、水可溶性有機物と水を分離することを含むことを特徴とする水可溶性有機物の回収方法。
  5. 請求項1又は4に記載の水可溶性有機物の回収方法において、前記第2工程は、溶解度が水に対して50質量%以上で、且つ回収する水可溶性有機物に対して0.1質量%以下である塩のうち少なくとも1種を添加して、水可溶性有機物と水を分離することを含むことを特徴とする水可溶性有機物の回収方法。
  6. 請求項1、4及び5の内のいずれか一つに記載の水可溶性有機物の回収方法において、前記第2工程は、溶解度が水に対して30質量%以上で、且つ回収する水可溶性有機物に対して1質量%以下である塩のうち少なくとも1種を、飽和状態となるように添加することを含むことを特徴とする水可溶性有機物の回収方法。
  7. 請求項1、及び4乃至6の内のいずれか一つに記載の水可溶性有機物の回収方法において、前記第2工程は、溶解度が水に対して30質量%以上で、且つ回収する水可溶性有機物に対して1質量%以下である塩のうち少なくとも1種を、過飽和状態となるように添加することを含むことを特徴とする水可溶性有機物の回収方法。
  8. 請求項1乃至3の内のいずれか一つに記載の水可溶性有機物の回収方法において、前記第1工程は、更に、前記無機酸と反応してできた塩によって水可溶性有機物と水を分離することを含むことを特徴とする水可溶性有機物の回収方法。
  9. 請求項1乃至3、及び8の内のいずれか一つに記載の水可溶性有機物の回収方法において、前記第1工程は、更に、前記無機酸と反応してできた塩によって水可溶性有機物と水を分離することを含むことで、前記第2工程を省略したことを特徴とする水可溶性有機物の回収方法。
  10. 請求項1乃至3、8及び9の内のいずれか一つに記載の水可溶性有機物の回収方法において、前記第1工程は、水可溶性有機物及び無機酸を含む被処理水に、前記無機酸と反応してできた塩の溶解度が水に対して30質量%以上で、且つ回収する水可溶性有機物に対して1質量%以下となる水酸化物、酸化物、炭酸塩あるいは炭酸水素塩のうち少なくとも1種を、前記被処理水中に含まれる前記無機酸に相当する化学量論量添加して当該被処理水を中和することを含むこと特徴とする水可溶性有機物の回収方法。
  11. 請求項1乃至3、及び8乃至10の内のいずれか一つに記載の水可溶性有機物の回収方法において、前記第1工程は、水可溶性有機物及び無機酸を含む被処理水に、無機酸と反応してできた塩の溶解度が水に対して40質量%以上で、且つ回収する水可溶性有機物に対して0.5質量%以下となる水酸化物、酸化物、炭酸塩あるいは炭酸水素塩のうち少なくとも1種類以上を、前記被処理水中に含まれる無機酸に相当する化学量論量添加して当該被処理水を中和することを含むことを特徴とする水可溶性有機物の回収方法。
  12. 請求項1乃至3、及び8乃至11の内のいずれか一つに記載の水可溶性有機物の回収方法において、前記第1工程は、水可溶性有機物及び無機酸を含む被処理水に、無機酸と反応してできた塩の溶解度が水に対して50質量%以上で、且つ回収する水可溶性有機物に対して0.1質量%以下となる水酸化物、酸化物、炭酸塩あるいは炭酸水素塩のうち少なくとも1種を、前記被処理水中に含まれる無機酸に相当する化学量論量添加して当該被処理水を中和することを含むことを特徴とする水可溶性有機物の回収方法。
  13. 請求項1乃至3、及び8乃至12の内のいずれか一つに記載の水可溶性有機物の回収方法において、前記第1工程は、無機酸と反応してできた塩の溶解度が水に対して30質量%以上で、且つ回収する水可溶性有機物に対して1質量%以下である塩のうち少なくとも1種を、当該被処理水中において飽和状態にして行われることを特徴とする水可溶性有機物の回収方法。
  14. 請求項1乃至3、及び8乃至13の内のいずれか一つに記載の水可溶性有機物の回収方法において、前記第1工程は、無機酸と反応してできた塩の溶解度が水に対して30質量%以上で、且つ回収する水可溶性有機物に対して1質量%以下である塩のうち少なくとも1種を、当該被処理水中において過飽和状態にして行われることを特徴とする水可溶性有機物の回収方法。
  15. 請求項1記載の水可溶性有機物の回収方法において、前記水可溶性有機物は、比誘電率82以下の化合物のうち少なくとも1種であることを特徴とする水可溶性有機物の回収方法。
  16. 請求項1記載の水可溶性有機物の回収方法において、前記水可溶性有機物は、アルコール、ケトン、エーテル、エポキシド、アルデヒド、アミン、ニトリル、有機酸、フェノール、チオール、及びスルフィドのうち少なくとも1種であることを特徴とする水可溶性有機物の回収方法。
  17. 請求項1、15及び16の内のいずれか一つに記載の水可溶性有機物の回収方法において、前記水可溶性有機物は、2−プロパノールを含むことを特徴とする水可溶性有機物の回収方法。
  18. 請求項1、15及び16の内のいずれか一つに記載の水可溶性有機物の回収方法において、前記水可溶性有機物は、アセトンを含むことを特徴とする水可溶性有機物の回収方法。
  19. 請求項1、及び15乃至18記載の水可溶性有機物の回収方法において、前記水可溶性有機物及び無機酸を含む被処理水の有機物濃度が、0.5〜99.5質量%であることを特徴とする水可溶性有機物の回収方法。
  20. 請求項1、及び15乃至19の内のいずれか一つに記載の水可溶性有機物の回収方法において、前記水可溶性有機物及び無機酸を含む被処理水の有機物濃度が、1〜99質量%であることを特徴とする水可溶性有機物の回収方法。
  21. 請求項1、及び15乃至20の内のいずれか一つに記載の水可溶性有機物の回収方法において、前記水可溶性有機物及び無機酸を含む被処理水の有機物濃度が、2〜98質量%であることを特徴とする水可溶性有機物の回収方法。
  22. 請求項1記載の水可溶性有機物の回収方法において、前記無機酸は、フッ化水素酸を含むことを特徴とする水可溶性有機物の回収方法。
  23. 請求項1又は22に記載の水可溶性有機物の回収方法において、前記水可溶性有機物及び無機酸を含む被処理水の前記無機酸の濃度が、0.001〜99.5質量%であることを特徴とする水可溶性有機物の回収方法。
  24. 請求項1、22及び23の内のいずれか一つに記載の水可溶性有機物の回収方法において、前記水可溶性有機物及び無機酸を含む被処理水の前記無機酸の濃度が、0.01〜99質量%であることを特徴とする水可溶性有機物の回収方法。
  25. 請求項1、及び22乃至24の内のいずれか一つに記載の水可溶性有機物の回収方法において、前記水可溶性有機物及び無機酸を含む被処理水の前記無機酸の濃度が、0.1〜90質量%であることを特徴とする水可溶性有機物の回収方法。
  26. 請求項1乃至3、8乃至17、及び19乃至25の内のいずれか一つに記載の水可溶性有機物の回収方法において、前記第1工程における2−プロパノール及びフッ化水素酸を含む被処理水に対して、当該被処理水に含まれるフッ化水素酸に相当する化学量論量添加する塩が、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、水酸化セシウム、炭酸セシウム、及び炭酸水素セシウムのうち少なくとも1種を含むことを特徴とする水可溶性有機物の回収方法。
  27. 請求項1、4乃至7、15乃至17、及び19乃至25の内のいずれか一つに記載の水可溶性有機物の回収方法において、前記第2工程における2−プロパノールを含む被処理水に対して、添加する塩が、フッ化カリウム、炭酸カリウム、及びフッ化セシウムのうち少なくとも1種を含むことを特徴とする水可溶性有機物の回収方法。
  28. 水可溶性有機物及び無機酸を含む被処理水に、前記無機酸と反応してできた塩の溶解度が回収する水可溶性有機物に対して1質量%以下となる水酸化物、酸化物、炭酸塩あるいは炭酸水素塩のうち少なくとも1種を、当該被処理水中に含まれる無機酸に相当する化学量論量添加して前記被処理水を中和する第1の手段と、前記中和後に、水に対する溶解度が30質量%以上で、且つ回収する水可溶性有機物に対する溶解度が1質量%以下である塩のうち少なくとも1種類以上を添加して、水可溶性有機物と水を分離する第2の手段とを備えていることを特徴とする水可溶性有機物の回収システム。
  29. 請求項28記載の水可溶性有機物の回収システムにおいて、前記第1手段は、水可溶性有機物及び無機酸を含む被処理水に、前記無機酸と反応してできた塩の溶解度が回収する水可溶性有機物に対して0.5質量%以下となる水酸化物、酸化物、炭酸塩あるいは炭酸水素塩のうち少なくとも1種類を、当該被処理水中に含まれる無機酸に相当する化学量論量添加して前記被処理水を中和することを特徴とする水可溶性有機物の回収システム。
  30. 請求項28又は29に記載の水可溶性有機物の回収システムにおいて、前記第1手段は、水可溶性有機物及び無機酸を含む被処理水に、前記無機酸と反応してできた塩の溶解度が回収する水可溶性有機物に対して0.1質量%以下となる水酸化物、酸化物、炭酸塩あるいは炭酸水素塩のうち少なくとも1種を、当該被処理水中に含まれる無機酸に相当する化学量論量添加して前記被処理水を中和することを特徴とする水可溶性有機物の回収システム。
  31. 請求項28に記載の水可溶性有機物の回収システムにおいて、前記第2手段は、溶解度が水に対して40質量%以上で、且つ回収する水可溶性有機物に対して0.5質量%以下である塩のうち少なくとも1種を添加して、水可溶性有機物と水を分離することを特徴とする水可溶性有機物の回収システム。
  32. 請求項28又は31に記載の水可溶性有機物の回収システムにおいて、前記第2手段は、溶解度が水に対して50質量%以上で、且つ回収する水可溶性有機物に対して0.1質量%以下である塩のうち少なくとも1種を添加して、水可溶性有機物と水を分離することを特徴とする水可溶性有機物の回収システム。
  33. 請求項28、31及び32の内のいずれか一つに記載の水可溶性有機物の回収システムにおいて、前記第2手段は、溶解度が水に対して30質量%以上で、且つ回収する水可溶性有機物に対して1質量%以下である塩のうち少なくとも1種を、飽和状態になるように添加することを含むことを特徴とする水可溶性有機物の回収システム。
  34. 請求項28、及び31乃至33の内のいずれか一つに記載の水可溶性有機物の回収システムにおいて、溶解度が水に対して30質量%以上で、且つ回収する水可溶性有機物に対して1質量%以下である塩のうち少なくとも1種を、過飽和状態になるように添加することを含むことを特徴とする水可溶性有機物の回収システム。
  35. 請求項28乃至30の内のいずれか一つに記載の水可溶性有機物の回収システムにおいて、前記第1手段は、無機酸と反応してできた塩によって水可溶性有機物と水を分離することを特徴とする水可溶性有機物の回収システム。
  36. 請求項28乃至30、及び35の内のいずれか一つに記載の水可溶性有機物の回収システムにおいて、前記第1手段は、更に、前記無機酸と反応してできた塩によって水可溶性有機物と水を分離することを含むことで前記第2手段を省略したことを特徴とする水可溶性有機物の回収システム。
  37. 請求項28乃至30、35及び36の内のいずれか一つに記載の水可溶性有機物の回収システムにおいて、前記第1手段は、水可溶性有機物及び無機酸を含む被処理水に、前記無機酸と反応してできた塩の溶解度が水に対して30質量%以上で、且つ回収する水可溶性有機物に対して1質量%以下となる水酸化物、酸化物、炭酸塩あるいは炭酸水素塩のうち少なくとも1種を、当該被処理水中に含まれる無機酸に相当する化学量論量添加して前記被処理水を中和することを特徴とする水可溶性有機物の回収システム。
  38. 請求項28乃至30、及び35乃至37の内のいずれか一つに記載の水可溶性有機物の回収システムにおいて、前記第1手段は、水可溶性有機物及び無機酸を含む被処理水に、前記無機酸と反応してできた塩の溶解度が水に対して40質量%以上で、且つ回収する水可溶性有機物に対して0.5質量%以下となる水酸化物、酸化物、炭酸塩あるいは炭酸水素塩のうち少なくとも1種を、当該被処理水中に含まれる無機酸に相当する化学量論量添加して当該被処理水を中和することを特徴とする水可溶性有機物の回収システム。
  39. 請求項28乃至30、及び35乃至38の内のいずれか一つに記載の水可溶性有機物の回収システムにおいて、前記第1手段は、水可溶性有機物及び無機酸を含む被処理水に、前記無機酸と反応してできた塩の溶解度が水に対して50質量%以上で、且つ回収する水可溶性有機物に対して0.1質量%以下となる水酸化物、酸化物、炭酸塩あるいは炭酸水素塩のうち少なくとも1種を、当該被処理水中に含まれる無機酸に相当する化学量論量添加して前記被処理水を中和することを特徴とする水可溶性有機物の回収システム。
  40. 請求項28乃至30、及び35乃至39の内のいずれか一つに記載の水可溶性有機物の回収システムにおいて、前記第1手段は、無機酸と反応してできた塩の溶解度が水に対して30質量%以上で、且つ回収する水可溶性有機物に対して1質量%以下である塩のうち少なくとも1種を、当該被処理水中で飽和状態にして行われることを特徴とする水可溶性有機物の回収システム。
  41. 請求項28乃至30、及び35乃至40の内のいずれか一つに記載の水可溶性有機物の回収システムにおいて、前記第1手段は、無機酸と反応してできた塩の溶解度が水に対して30質量%以上で、且つ回収する水可溶性有機物に対して1質量%以下である塩のうち少なくとも1種が、当該被処理水中で過飽和状態にして行われることを特徴とする水可溶性有機物の回収システム。
  42. 請求項28に記載の水可溶性有機物の回収システムにおいて、前記水可溶性有機物のうち少なくとも1種類が比誘電率82以下の化合物であることを特徴とする水可溶性有機物の回収システム。
  43. 請求項28記載の水可溶性有機物の回収システムにおいて、前記水可溶性有機物は、アルコール、ケトン、エーテル、エポキシド、アルデヒド、アミン、ニトリル、有機酸、フェノール、チオール、及びスルフィドのうちの少なくとも一種であることを特徴とする水可溶性有機物の回収システム。
  44. 請求項28、42、及び43の内のいずれか一つに記載の水可溶性有機物の回収システムにおいて、前記水可溶性有機物は、2−プロパノールを含むことを特徴とする水可溶性有機物の回収システム。
  45. 請求項28、42、及び43の内のいずれか一つに記載の水可溶性有機物の回収システムにおいて、前記水可溶性有機物は、アセトンを含むことを特徴とする水可溶性有機物の回収システム。
  46. 請求項28、及び32乃至35の内のいずれか一つに記載の水可溶性有機物の回収システムにおいて、前記水可溶性有機物及び無機酸を含む被処理水の有機物濃度が、0.5〜99.5質量%であることを特徴とする水可溶性有機物の回収システム。
  47. 請求項28、及び42乃至46の内のいずれか一つに記載の水可溶性有機物の回収システムにおいて、前記水可溶性有機物及び無機酸を含む被処理水の有機物濃度が、1〜99質量%であることを特徴とする水可溶性有機物の回収システム。
  48. 請求項28、及び32乃至47の内のいずれか一つに記載の水可溶性有機物の回収システムにおいて、前記水可溶性有機物及び無機酸を含む被処理水の有機物濃度が、2〜98質量%であることを特徴とする水可溶性有機物の回収システム。
  49. 請求項28に記載の水可溶性有機物の回収システムにおいて、前記無機酸は、フッ化水素酸を含むことを特徴とする水可溶性有機物の回収システム。
  50. 請求項28又は49に記載の水可溶性有機物の回収システムにおいて、前記水可溶性有機物及び無機酸を含む被処理水の無機酸濃度が、0.001〜99.5質量%であることを特徴とする水可溶性有機物の回収システム。
  51. 請求項28、49及び50の内のいずれか一つに記載の水可溶性有機物の回収システムにおいて、前記水可溶性有機物及び無機酸を含む被処理水の無機酸濃度が、0.01〜99質量%であることを特徴とする水可溶性有機物の回収システム。
  52. 請求項28、及び49乃至51の内のいずれか一つに記載の水可溶性有機物の回収システムにおいて、前記水可溶性有機物及び無機酸を含む被処理水の無機酸濃度が、0.1〜90質量%であることを特徴とする水可溶性有機物の回収システム。
  53. 請求項28乃至30、35乃至44、及び46乃至52の内のいずれか一つに記載の水可溶性有機物の回収システムにおいて、前記第1手段における2−プロパノール及びフッ化水素酸を含む被処理水に対して、当該被処理水に含まれるフッ化水素酸に相当する化学量論量添加する塩が、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、水酸化セシウム、炭酸セシウム、及び炭酸水素セシウムのうち少なくとも1種を含むことを特徴とする水可溶性有機物の回収システム。
  54. 請求項28、31乃至34、42乃至44、及び46乃至52の内のいずれか一つに記載の水可溶性有機物の回収システムにおいて、前記第2手段における2−プロパノールを含む被処理水に対して、添加する塩が、フッ化カリウム、炭酸カリウム、及びフッ化セシウムのうちの少なくとも1種を含むことを特徴とする水可溶性有機物の回収システム。
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