JP2006174796A - ビートパルプ糖蜜飼料 - Google Patents

ビートパルプ糖蜜飼料 Download PDF

Info

Publication number
JP2006174796A
JP2006174796A JP2004373726A JP2004373726A JP2006174796A JP 2006174796 A JP2006174796 A JP 2006174796A JP 2004373726 A JP2004373726 A JP 2004373726A JP 2004373726 A JP2004373726 A JP 2004373726A JP 2006174796 A JP2006174796 A JP 2006174796A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
feed
molasses
beet pulp
rumen
ratio
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2004373726A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4687872B2 (ja
Inventor
Tadashi Sato
忠 佐藤
Kimiaki Sato
公昭 佐藤
Tsutomu Aritsuka
勉 有塚
Etsuo Imura
悦夫 井村
Tetsuo Nanbu
哲男 南部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Beet Sugar Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Nippon Beet Sugar Manufacturing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Beet Sugar Manufacturing Co Ltd filed Critical Nippon Beet Sugar Manufacturing Co Ltd
Priority to JP2004373726A priority Critical patent/JP4687872B2/ja
Publication of JP2006174796A publication Critical patent/JP2006174796A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4687872B2 publication Critical patent/JP4687872B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P60/00Technologies relating to agriculture, livestock or agroalimentary industries
    • Y02P60/80Food processing, e.g. use of renewable energies or variable speed drives in handling, conveying or stacking
    • Y02P60/87Re-use of by-products of food processing for fodder production

Landscapes

  • Feed For Specific Animals (AREA)
  • Fodder In General (AREA)
  • Medicines Containing Plant Substances (AREA)

Abstract

【課題】アシドーシスが多発することなしに高い栄養要求量を満たすことができ、また貯蔵や給与時の取り扱い性の面でも問題を有さない飼料を提供する。
【解決手段】ビートパルプと廃糖蜜との重量割合で100:5〜60の混合物からなる粉粒体の糖蜜飼料であって、その含水量が5〜10%であることを特徴とする糖蜜飼料。該粉粒体の粒度は、好ましくは2400μ以下の割合が99%以上であり、かつ1500μ以下の割合が40%以上である。本発明の糖蜜飼料は、アシドーシスを発生させずに高い要求栄養量を満たすことができ、また吸湿性が低いため保管が容易で品質劣化や固化の発生もない。さらに微細な粉粒体であるため各種飼料と容易で均一な混合が可能であり、選び食いや固め食いも減り、ルーメン発酵が安定するためルーメン内pHの低下が少なく、微生物の増殖効率や飼料の消化性が改善されて乳量も増加する。
【選択図】なし

Description

本発明は、ビートパルプと廃糖蜜との混合物からなるビートパルプ糖蜜飼料(以下、糖蜜飼料ともいう)に関する。
近年、乳牛の年間産乳量は8500kgを超え、10000kg以上の乳牛も珍しくなくなった。乳牛は乳量が増加すると採食量も増加するが、乳量増加による栄養要求量の増加率は採食量増加率よりも大きく、このため、乳量が多くなればなるほど飼料中の栄養濃度を高める必要がある。しかしながら、栄養濃度を高めるために濃厚飼料を多給すると第一胃内のpHが低下し、ルーメンアシドーシス(以下、アシドーシスという)が発生することがあった。
アシドーシスは、第一胃過酸症ともいい、発酵し易い炭水化物に富む穀類、青刈り作物、生粕類等を一時に大量に摂取した際に起こる第一胃発酵異常と定義されている(例えば、非特許文献1参照)。アシドーシスでは、易発酵性の穀類の大量摂取により胃内微生物叢が乱れて乳酸菌群が急激に増殖し、乳酸(特にD型)生成が著しく高まるため、胃内容pHは5またはそれ以下となる。そして、発酵酸の生成量が牛の持つ緩衝能力(唾液による緩衝)とルーメンからの吸収能力を超えて発酵酸が過剰な状態となると、採食量が多い場合には、多量の乳酸が吸収され代謝性アシドーシスを起こし、さらに胃内容浸透圧の上昇に伴い体液が大量に胃内に移動するため脱水が進み、短時間で死亡することもある。アシドーシスの牛の症状としては、採食量の急激な低下、乳脂肪率の低下、軟便、強い酸臭、跛行牛の増加等があり、これらの徴候を示すときアシドーシスの可能性があると注意する必要がある。
アシドーシスの予防にはルーメン発酵の安定化(pHの変動を少なくする)と、十分な反芻により唾液分泌のできる飼料給与が必要である。しかしながら、アシドーシスを恐れ発酵を抑制しすぎてpHを高く維持すると、エネルギーが不足して牛乳の生産量が低下することとなる。
以上の理由により、乳量増加による栄養要求量の増加を満足するために、飼料の栄養濃度を高めるには限界がある。そこで採食量を高める管理技術が重要になっており、様々な対策が提案されている。
ところで、ビートパルプは、ビートから砂糖を分離する際に製造される副産物であり、一般に乾燥したものが、また一部は水分を含んだ生パルプのまま家畜用飼料として利用されている。ビートパルプは、乳牛の嗜好性が良い、良質な繊維を多量に含む、ルーメンでの分解が早い、採食量の向上に効果的である等の特徴を持つ。また、ルーメン微生物によるビートパルプの発酵産物は酢酸が主体であり、プロピオン酸を主体とするデンプン質飼料よりもルーメン内のpHを高く維持できる。
他方、糖蜜(廃糖蜜ともいう)も製糖副産物であり、ビートやサトウキビ等から砂糖を製造する際に製造される。糖蜜中のショ糖を含めた全糖分含量は50〜60%で、嗜好性が良く、採食量を高めるために飼料に添加して使用されることがある。しかしながら、糖蜜は発酵速度が速いショ糖や単糖類を多く含有し、そしてこれらの発酵産物は乳酸やプロピオン酸が主体であり、ルーメンpHを低下させる作用が強い。従って、ルーメン微生物の増殖や飼料全体の発酵性の観点から、乳牛の総給与飼料中の糖分は4〜8%であることが推奨されている。
前記糖蜜と各種基材との混合物からなる糖蜜飼料は既に知られており、乾燥処理したもの、あるいは混合したままのもの等、様々な形態で製造されている。該糖蜜飼料に使用する基材はトウモロコシ胚芽、小麦フスマ、大麦籾殻、小麦籾殻、ラッカセイ殻、ビール粕、澱粉粕、ビートパルプ等があり、糖蜜と基材との混合割合も様々である。
例えば、サイレージ原料に乳酸菌および糖蜜等の糖類を添加して発酵させることを特徴とするサイレージの調製方法が知られている(特許文献1参照)。サイレージ原料の含水量が高くなり糖分含量が低下すると、糖分を多量に必要とする乳酸菌よりもむしろ酪酸菌の発酵が活発となり、好ましくない酪酸が増加する傾向にあったが、該調製方法では、糖類を添加することにより、乳酸菌の発酵を活発化させることができる。
同様に、ビートパルプに糖蜜を加えた糖蜜飼料も知られており、該糖蜜飼料を他の飼料に添加混合して嗜好性を改善し、採食量を高めるために使用されている。該糖蜜飼料は主に、乾燥したビートパルプに糖蜜を添加し、その後、得られた固化物を乾燥処理を行わずにプラスチックの袋に詰めたものが流通している。またこれをペレット加工したものも知られている。
しかしながら従来の糖蜜飼料は、嗜好性の面で添加飼料として良好な飼料であるが、貯蔵性や、酪農家が実際に牛に給与する際の取り扱い性の面で問題があった。即ち、糖蜜飼料は、糖蜜の持つ粘調性および飼料自体の吸湿性のために貯蔵中に糖蜜が糖蜜飼料より染み出し、飼料全体がベトベトになったり、飼料全体が固化して塊になったりする惧れがあった。そしてこれを砕いて他の飼料に均一に混ぜることは酪農家にとって大きな負担となり、また実際には殆ど不可能であった。
獣医学大辞典(獣医学大事典編集委員会、909,1989、チクサン出版社) 特開平2−257837号公報
本発明の目的は、近年の牛の乳量増加に伴い、アシドーシスが多発することなしに栄養濃度および採食量を高めて栄養要求量を満たすことができ、また貯蔵や給与時の取り扱い性の面でも問題を有さない飼料を提供することにある。
本発明者等は、上記課題に鑑み種々検討した結果、ビート糖生産の際の副産物として産出され繊維成分を豊富に含有するビートパルプと、嗜好性と栄養バランスを保持する利点を有する廃糖蜜に着目し、これらの混合物が牛のアシドーシスを改善および/または予防するために有効であることを究明した。また貯蔵および取り扱い性の面から双方の混合割合を検討し、同様の混合物が従来有していた製品製造過程や販売後に酪農家が牛へ給与する際の取り扱い性に関する難点も解決して本発明を完成させた。
即ち、本発明は、ビートパルプと廃糖蜜との重量割合で100:5〜60の混合物からなる粉粒体の糖蜜飼料であって、その含水量が5〜10%であることを特徴とする糖蜜飼料に関する。
該糖蜜飼料の好ましい態様は、前記粉粒体の粒度は、2400μ以下の割合が99%以上であり、かつ1500μ以下の割合が40%以上であることを特徴とする前記糖蜜飼料である。
また本発明は、ビートパルプと廃糖蜜との重量割合で100:5〜60の混合物からな
る粉粒体の糖蜜飼料が包装体の中に充填された飼料製品であって、該包装体に、その中の該粉粒体が牛のルーメンアシドーシスの予防、改善作用を有する旨の表示を付したことを特徴とする糖蜜飼料製品に関する。
本発明の糖蜜飼料は、アシドーシスの危険を冒すことなく増加した要求栄養量を満たすことができ、高い生産性と収益を得ることができる。また吸湿性が低いため、雨や水、雪等に直接曝されなければ良く、保管が容易であり、品質劣化や固化の発生もない。さらに微細な粉粒体であるため各種飼料と容易で均一な混合が可能であり、これにより様々な給与方法を行うことができ省力と精密な栄養管理が可能となるばかりか、選び食いや固め食いも減り、ルーメン発酵が安定するためルーメン内pHの低下が少なく、微生物の増殖効率や飼料の消化性が改善されて乳量も増加する。
本発明で使用されるビートパルプは、例えばビートを細片状に切断し、次いで温湯に浸漬し、主としてショ糖よりなる可溶性成分を抽出した後の残査である。該残査はそのまま、もしくは乾燥して、または乾燥パルプを圧搾、成形しベール状またはペレット状にしたものを使用できる。好ましいのは、含水量が5から20%程度のものである。このようなビートパルプは繊維成分を豊富に含有しており、嗜好性が良くルーメンの発酵特性に優れた家畜、特に乳牛用の飼料基材として使用されている他、食物繊維の原料として利用されている。
ビートパルプの組成は、ビート種子、生育土壌、生育時の天候、肥料、収穫時期により多少は変動するが、その典型例を表1に示す。表1に示す通り、ビートパルプの主成分はヘミセルロース、ペクチンおよびセルロースである。
Figure 2006174796
もう1つの原料として本発明で使用される廃糖蜜は、固形分濃度が50〜90w/w%であって、例えばビート由来、ケイン(甘蔗)由来のものが使用可能である。廃糖蜜の組成の一例を表2に示す。廃糖蜜の主成分は、ショ糖、転化糖等の糖分であり、それに加えて有機酸(主に乳酸、PCA、酢酸等)、アミノ酸(主にグルタミン酸、アスパラギン酸、セリン等)、ベタイン、ミネラル等を含有している。廃糖蜜には特有の匂い(香り)があり、飼料の嗜好性を高める1つの要因である。
Figure 2006174796
*同一含水量に換算した時の100g中のg数で表す。
本発明の糖蜜飼料は上記のビートパルプと廃糖蜜を混合してなり、その混合割合は重量基準で100:5〜60が適当である。混合割合がビートパルプ100に対して廃糖蜜5未満であると、廃糖蜜のもつ嗜好性の利点効果がなく、また60以上になるとサラサラな性状の粉粒状の糖蜜飼料を製造することが困難となる。
本発明の糖蜜飼料は、一例として次のように製造される。先ず、乾燥させたビートパルプを粉砕し、廃糖蜜と混合機で均一に混合する。ここでビートパルプ粉砕物の粒度が、2400μ以下のものが99%以上であって、かつ1500μ以下のものが40%以上となる程度まで粉砕することが好ましい。この程度までビートパルプを粉砕することにより、ビートパルプに糖蜜が良好に吸着して糖蜜飼料がサラサラな性状となり、混合ムラもなく、乾燥処理後の吸湿も生じない。さらに粉砕したビートパルプについて、その含水量が5〜20%となるように予備乾燥することが好ましい。これにより糖蜜と混合した後の乾燥時間が短縮され、長時間の乾燥により風味が損なわれず、より嗜好性の高い糖蜜飼料を製造することができる。
次いで粉砕処理したビートパルプを廃糖蜜と混合する。ここで廃糖蜜の固形分濃度は一般に50〜90w/w%程度であり、約45℃の温度として混合を行うことが好ましい。得られた混合物を1から5日程度、室温放置し熟成させる。該熟成は、乾燥処理時の機械への付着を軽減し、作業効率や乾燥効率を高める等の製造時に多くの利点があるため必須である。
熟成後、解砕機で解砕しながら熱風乾燥機を使用して50〜110℃で、20分以上(60℃の場合)〜10分前後(110℃の場合)乾燥する。乾燥後、室温送風で室温+10℃以下まで冷却して本発明の糖蜜飼料が得られる。このように製造した本発明の糖蜜飼料は、含水量が5〜10%でサラサラとした粉粒体であり、貯蔵時に固化することがなく、取り扱い性が大幅に向上する。
本発明の糖蜜飼料は、添加飼料として給与することにより、牛の採食量を高めることができると同時に、牛の第一胃のpH低下を抑制することに効果がある。これにより、従来大きな問題となっていたアシドーシスを改善・予防し得る飼料として利用でき、本発明の糖蜜飼料は酪農家に一層普及、提供できるものと期待される。
本発明の糖蜜飼料を、包装体の中に充填することにより糖蜜飼料製品とすることができる。該包装体とは例えば、包装袋、包装容器等であって、その中の糖蜜飼料の品質を良好
のまま保つために適宜選択できる。例えば、紙袋または0.5〜1トンバック等の形態が挙げられる。該包装体としては、その中の糖蜜飼料が牛のルーメンアシドーシスの予防、改善作用を有する旨の表示を該包装体に付すことが好ましい。
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明する。
糖蜜飼料の製造、並びにその含水量および破断力
1.糖蜜飼料の製造
以下の手順に従い、本発明の糖蜜飼料を製造した:
1)乾燥パルプを圧縮成形し梱包したベールパルプを、粒度2400μ以下のものが99%以上で、かつ粒度1500μ以下のものが40%以上となるまで粉砕した。粉砕処理後のビートパルプを乾燥し、その含水量を5〜20%とした。
2)粉砕処理したビートパルプと糖蜜(固形分濃度85w/w%、温度45℃)をインパクト流量計および電磁流量計で各々計量しながら連続的に高速ミキサー(江戸川産業製)中に投入し、攪拌混合した。
3)得られた混合物を糖蜜とビートパルプが馴染みベタ付きが収まるまで3日間保管貯蔵した。貯蔵後の混合物は固化状態となった。
4)固化状態の混合物をホッパーに投入し、次に解砕機(槇野産業製)で解砕し、下部ホッパーより供給コンベヤにて熱風乾燥機(神鋼電気製)に投入した。
5)熱風乾燥後の混合物を、振動式流動層方式の乾燥冷却機を用い、何れも吸気フィルターを用い清浄空気を送気して行う前・後段2段で乾燥冷却処理した。該乾燥冷却処理の前段は3ブロックで構成し、高圧飽和蒸気で熱交換後、約110℃の熱風温度を確保し、ダクトで振動トラフの下部より送気して原料を加熱し、水分を蒸発させた。また後段は1ブロックで構成し、室内空気を取り込み、前段同様、振動トラフの下部より送気して原料を冷却した。
6)乾燥冷却は約10分程度行い、混合物の初期含水量が約20%であったところ、約10%程度まで乾燥し、後段でさらに室温+10℃程度以下まで冷却した。
7)乾燥冷却機からの排気は、ダクトで4ブロック分をファンで吸い込み、バグフィルターにて集塵後屋外へ排気した。集塵した粉末は回収して再利用した。
8)乾燥冷却機から排出された本発明の糖蜜飼料を、紙袋、トランスバック等にて包装した。
2.含水量および破断力の測定
ベールパルプを粉砕したビートパルプ(含水量17%)を廃糖蜜(固形分濃度66%)と65:35の重量割合で混合したところ、混合物の含水量は約23%となった。通風乾燥機を使用し60℃の設定温度で該混合物を乾燥し、0(未乾燥)、1、2、4、6および24時間乾燥処理した試料とし、各試料の含水量を測定した。
次いで、各試料を直径30mm、高さ45mm底なしフィルムケースに入れ、4kg/cm2の圧力で圧縮した後、フィルムケースに入れたまま5℃の冷蔵庫で3日間保存した。試料を冷蔵庫から取り出し、室温で6時間放置した後に試料の破断力を測定した。測定にはレオメーター:NRM−2002J(不動工業株式会社製)を用い、直径3mmの円柱形プランジャーをフィルムケースから取り出した試料に試料側面から貫入し、試料が崩壊するまでの最大応力を破断力とした。試料台上昇スピードは0.1mm/秒とした。測定は各試料について10点行った。
結果を表3に示す。
Figure 2006174796
表3に示すように、試料の含水量は、10%までは乾燥時間に比例して直線的に低下した。しかし、その後の低下は非常に緩慢となった。
また、試料の含水量と破断力の間には一定の傾向は見られず、含水量12.4%(4時間乾燥試料)で破断力は最大となった。一方、含水量が10%を下回った6および24時間乾燥した試料は全く粘性を有さず、フィルムケースから取り出すときに崩壊した。
以上の結果より、含水量10%付近を境として試料の物性は大きく変化するものと考えられ、乾燥効率および取り扱い性の観点より、糖蜜飼料を製造するための好ましい含水量は10%以下と考えられた。
得られた糖蜜飼料の組成の一例を表4に示す。
Figure 2006174796
糖蜜飼料によりアシドーシスの改善
粉砕したビートパルプを糖蜜と65:35の重量割合で混合し、その後乾燥処理して得た糖蜜飼料と、未乾燥の糖蜜飼料との2種類の飼料を使用し、糖蜜飼料のアシドーシス改善効果を調査した。
乳牛は、ルーメンと十二指腸にカニューレを装着した6頭(2〜4産、分娩後75〜143日、平均乳量30.7kg)を使用し、2頭を1群とした。給与飼料は乾物割合でグラスサイレージ34%、コーンサイレージ23%、圧片トウモロコシ25%、大豆粕15%、ミネラルビタミン剤3%を基礎飼料とし、基礎飼料に乾燥処理糖蜜飼料または未乾燥
処理糖蜜飼料を各々12%混合した。なお、基礎飼料のみ給与した対照群についても調査を行った。試験は予備期15日、本期5日を1期とする3×3ラテン方格法により実施した。給与飼料の成分(乾物中)を表5に示す。
Figure 2006174796
1NFC:非繊維性炭水化物
2NDF:中性デタージェント繊維
3NEl:産乳に必要な正味エネルギー
飼料は残飼が5〜10%となる量を1日1回午前8時に給与した。搾乳は午前7時と午後6時の2回行った。本期にはルーメンおよび十二指腸カニューレから内容液を飼料給与直前並びに2、6、12および18時間後に採取した。十二指腸カニューレから採取された内容液から微生物由来の蛋白質を測定し、微生物生産量を推定した。乳牛の乾物摂取量、ル−メン内溶液性状並びに乳量および乳成分を表6に示す。
Figure 2006174796
表6
表6から明らかなように、乾物摂取量は糖蜜飼料を混合することによって増加し、また乾燥処理糖蜜飼料の方がより多く採食した。乾燥処理した糖蜜飼料は、一時に大量に飼料を摂取する固め食いや、濃厚飼料等を選んで食べる選び食い等の問題行動が見られず、糖蜜飼料が飼料中に均一に分散し、飼料全体の嗜好性が向上したものと考えられた。
また、乾燥処理糖蜜飼料は採食行動が安定しており、ルーメン内容液の組成および微生物生産量の日内変動が小さかった。さらに、総酸含量は3処理の中で最も高く、飼料がより多くルーメンで消化されていることが示唆された。この結果、乳量は乾燥処理糖蜜飼料が最も多く、未乾燥処理糖蜜飼料、対照飼料の順となった。
他方、未乾燥処理糖蜜飼料では、ルーメン内容液のpHおよびA/P比(酢酸/プロピオン酸比)は低下した。特に、給餌直後に大きく低下する傾向がみられ、給餌時に選び食いおよび固め食いがあったものと考えられた。また、微生物生産量も1日の変動が大きく、乾燥処理した糖蜜飼料より少ない値となった。
糖蜜飼料の品質安定性
乾燥ビートパルプの粉砕粒度が糖蜜飼料の品質に及ぼす影響を調査した。製糖工場で熱風乾燥したビートパルプを対照とし、これを圧縮梱包した60kgのベールパルプをインペラーブレーカーで粗粉砕(1次粉砕)し、さらにハンマーミルで微粉砕(2次粉砕)した。ビートパルプを粉砕することによるそれぞれの粒度分布(%)を表7に示す。
Figure 2006174796
未粉砕、粗粉砕後および微粉砕後の各ビートパルプと糖蜜とを65:35の重量割合で混合し、4日間の熟成後、含水量9%まで乾燥した。得られた糖蜜飼料2トンを容量3トンのFRP製飼料タンクに貯蔵し、20日間放置後、固化の状態、含水量、取り出し易さ、カビの程度を調査した。なお、この期間の平均気温は23℃(31〜18℃)、平均湿度は70%(95〜63%)であった。結果を表8に示す。
Figure 2006174796
表8に示されるように、微粉砕した糖蜜飼料は表面含水量がやや増加したものの、10%を下回り、取り出し易さやカビ発生等にも問題はなく品質は安定していた。これはビートパルプを微粉砕した糖蜜飼料では飼料間の空隙が少なく、通気がないため、内部の含水量が上昇しないためと考えられる。また、含水量の変化は表面だけで起こるので、空気中の湿度が低下すると容易に表面の含水量も低下し、この結果、固化とカビの発生が抑制されると思われる。
他方、対照および粗粉砕した糖蜜飼料では、20日間貯蔵後、空気と接する表面部分の含水量は約12%となり、中央部分でも対照は10%を超える値となった。また、これらの糖蜜飼料は極めて堅く固化し、飼料タンクの下部ホッパーから取り出すことができず、カビも発生し、品質に著しい低下が見られた。

Claims (3)

  1. ビートパルプと廃糖蜜との重量割合で100:5〜60の混合物からなる粉粒体の糖蜜飼料であって、その含水量が5〜10%であることを特徴とする糖蜜飼料。
  2. 前記粉粒体の粒度は、2400μ以下の割合が99%以上であり、かつ1500μ以下の割合が40%以上であることを特徴とする、請求項1記載の糖蜜飼料。
  3. ビートパルプと廃糖蜜との重量割合で100:5〜60の混合物からなる粉粒体の糖蜜飼料が包装体中に充填された飼料製品であって、該包装体に、その中の該粉粒体が牛のルーメンアシドーシスの予防、改善作用を有する旨の表示を付したことを特徴とする糖蜜飼料製品。
JP2004373726A 2004-12-24 2004-12-24 ビートパルプ糖蜜飼料 Expired - Fee Related JP4687872B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004373726A JP4687872B2 (ja) 2004-12-24 2004-12-24 ビートパルプ糖蜜飼料

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004373726A JP4687872B2 (ja) 2004-12-24 2004-12-24 ビートパルプ糖蜜飼料

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006174796A true JP2006174796A (ja) 2006-07-06
JP4687872B2 JP4687872B2 (ja) 2011-05-25

Family

ID=36729453

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004373726A Expired - Fee Related JP4687872B2 (ja) 2004-12-24 2004-12-24 ビートパルプ糖蜜飼料

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4687872B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011083281A (ja) * 2009-09-18 2011-04-28 Nippon Paper Chemicals Co Ltd 反芻動物用飼料
JPWO2010113886A1 (ja) * 2009-03-30 2012-10-11 出光興産株式会社 家畜の増体促進剤、増体促進飼料および増体促進方法

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4012535A (en) * 1974-09-03 1977-03-15 A. E. Staley Manufacturing Company Molasses impregnated bagasse pith animal feed
JPH053758A (ja) * 1991-06-27 1993-01-14 Nippon Beet Sugar Mfg Co Ltd ラフイノース含有家畜飼料

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4012535A (en) * 1974-09-03 1977-03-15 A. E. Staley Manufacturing Company Molasses impregnated bagasse pith animal feed
JPH053758A (ja) * 1991-06-27 1993-01-14 Nippon Beet Sugar Mfg Co Ltd ラフイノース含有家畜飼料

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2010113886A1 (ja) * 2009-03-30 2012-10-11 出光興産株式会社 家畜の増体促進剤、増体促進飼料および増体促進方法
JP2011083281A (ja) * 2009-09-18 2011-04-28 Nippon Paper Chemicals Co Ltd 反芻動物用飼料

Also Published As

Publication number Publication date
JP4687872B2 (ja) 2011-05-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4357358A (en) Feedstuff or feedstuff additive and process for its production
US20220174987A1 (en) Palm-based animal feed
JP2007306887A (ja) 飼料サイレージの製造方法
RU2767790C2 (ru) Гель, содержащий жидкий побочный продукт агропромышленности, и его применение для разведения насекомых
JPS60210953A (ja) 飼料およびその製造法
KR20160045073A (ko) 반추동물용 고형 식이 조성물 및 이의 제조 방법 및 사용 방법
US20150118349A1 (en) Processes for producing animal feed from biomass
US20090130291A1 (en) Dried Citrus Peels as an Absorbent Carrier for Commercial Animal Feed Additives
JPH06500473A (ja) 糖密、ベントナイト、ゼオライトを含有する動物飼料
US11071313B2 (en) Palm-based animal feed
JP4687872B2 (ja) ビートパルプ糖蜜飼料
CN103892036A (zh) 一种酒糟颗粒状种猪复合饲料的制备方法
CN103719613B (zh) 一种瘦肉型繁殖母猪专用的日粮及其制作方法
WO2016007173A1 (en) Ruminant feed compositions for reducing methane generation
JP7054142B2 (ja) 茶粕発酵飼料、およびその製造方法
KR20120005317A (ko) 보리펠렛 사료제조방법
CN110637926A (zh) 一种半干草料的制备方法及半干草料和饲料
CN103907780A (zh) 一种酒糟颗粒状种猪复合饲料
KR102148420B1 (ko) 반추가축용 조사료 제조방법
KR101512605B1 (ko) 익스펜딩 가공 사료 제조방법
US20220183321A1 (en) Palm-based animal feed
JP2019004872A (ja) 家畜飼料の製造方法及び家畜飼料
CN107183357A (zh) 一种香蕉茎叶全组分联产青贮饲料和植物鞣剂的方法
Garcia et al. Storage of wet distillers grains
CN106538850A (zh) 一种羊只混合饲草配方及制作方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070524

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100609

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100730

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110126

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110201

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140225

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees