JP2006173526A - 固体レーザ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】
複数の波長のレーザ光線を射出可能であり、簡単な構成で切換えが可能であり、低コストで而も高精度を維持し、射出効率の向上が可能な固体レーザ装置を提供する。
【解決手段】
共有光軸部分を有すると共に光軸分離手段34によって分離される第1光軸と第2光軸と、前記第1光軸上に構成された第1共振器30と、前記第2光軸上に構成された第2共振器37と、前記共有光軸部分には前記第1共振器、第2共振器共通の出力鏡26と中間鏡24とを具備し、前記出力鏡と中間鏡との間に波長変換部25を設け、該波長変換部は可動体と該可動体に複数の結晶軸調整機構を介して設けられた複数の波長変換用光学部材25を有し、前記波長変換部は前記可動体を移動して所要の前記波長変換用光学部材を前記共有光軸部分上に位置決め可能とした。
【選択図】 図2

Description

本発明は複数の波長を持つレーザ光線を射出可能とした固体レーザ装置に関するものである。
近年では医学治療の分野でのレーザ光線の利用が普及し、例えばレーザ光線を患部に照射し治療する医療用レーザ手術装置がある。
レーザ光線を利用した医療機械は、非接触で治療部位の光凝固、除去、切開等しており、又治療の種類により使用されるレーザ光線の色、即ち波長が異なっており、医療機械のレーザ光線射出源であるレーザ装置では複数の波長のレーザ光線を医療機械に供給することが望まれる。
又、レーザ光源としては、従来のKrレーザ、色素レーザから小型でメンテナンスフリーのLD励起固体レーザへの代替が望まれている。
LD(Laser Diode)を励起光源とし、複数の波長のレーザ光線を射出可能な従来の固体レーザ装置として特許文献1に示されるものがある。
図12に於いて説明する。
図12中、1はレーザ発振器、2は制御部、3は操作部を示しており、前記制御部2は前記レーザ発振器1から発せられるレーザ光線の波長の変換、レーザ光線の強度等の制御を行い、前記操作部3は波長を選択するスイッチ、レーザ光線照射条件を設定入力する為の各種スイッチが設けられている。
前記レーザ発振器1は励起光源である半導体レーザ4を有し、該半導体レーザ4から発せられるレーザ光線は第1共振部5、第2共振部6、第3共振部7に導かれる様になっている。
前記第1共振部5は第1光軸8a上に配設された第1反射鏡9、レーザ結晶11、半透過鏡である出力鏡12、該出力鏡12の反射光軸13上に設けられた第1波長変換用光学部材(非線形結晶)14a、第2反射鏡15aとから構成されている。
前記第2共振部6は、第2光軸8bを有し、該第2光軸8bには該第2光軸8b上を移動可能に設けられた第2共振部用反射鏡16、前記第2光軸8b上に設けられた第2波長変換用光学部材(非線形結晶)14b、第3反射鏡15bを有し、前記第2共振部用反射鏡16は第2共振部用駆動部17によって移動され、前記反射光軸13と前記第2光軸8bとの交点に位置決めされる様になっている。
前記第3共振部7は、第3光軸8cを有し、該第3光軸8cには該第3光軸8c上を移動可能に設けられた第3共振部用反射鏡18、前記第3光軸8c上に設けられた第3波長変換用光学部材(非線形結晶)14c、第4反射鏡15cを有し、前記第3共振部用反射鏡18は第3共振部用駆動部19によって移動され、前記反射光軸13と前記第3光軸8cとの交点に位置決めされる様になっている。
上記レーザ装置に於いて、第1の波長を有するレーザ光線を射出する場合は、前記第2共振部用反射鏡16、前記第3共振部用反射鏡18を前記反射光軸13から後退させる。前記第1共振部5に入射したレーザ光線は、前記第1反射鏡9と前記第2反射鏡15aとの間で増幅され、前記出力鏡12を透過して射出される。
又、第2の波長を有するレーザ光線を射出する場合は、前記第2共振部用反射鏡16を前記反射光軸13と前記第2光軸8bとの交点に移動させ、前記第1反射鏡9と前記第3反射鏡15b間で構成される前記第2共振部6でレーザ光線を増幅させ、前記出力鏡12を透して射出させる。
又、第3の波長を有するレーザ光線を射出する場合は、前記第2共振部用反射鏡16を前記反射光軸13から後退させ、前記第3共振部用反射鏡18を前記反射光軸13と前記第3光軸8cとの交点に移動させ、前記第1反射鏡9と前記第4反射鏡15c間で構成される前記第3共振部7でレーザ光線を増幅させ、前記出力鏡12を透して射出させる。
而して、前記第2共振部用反射鏡16、前記第3共振部用反射鏡18の位置を選択することで、複数の波長を有するレーザ光線を射出することができる。
上記した従来のレーザ装置では、前記第2共振部用反射鏡16、前記第3共振部用反射鏡18を移動させる構成である為、前記第2共振部用駆動部17、前記第3共振部用駆動部19、前記第2共振部用反射鏡16、前記第3共振部用反射鏡18のガイド機構が必要となり、部品点数が多く、機構が複雑である。又、前記第2共振部用反射鏡16、前記第3共振部用反射鏡18の停止位置は共振軸に影響を及ぼし、本来シングルモードであった基本波の横モードがマルチモードに劣化、或は赤、緑、黄用の波長変換用光学部材(例えば、KTP:KTiOPO4 リン酸チタニルカリウム)に対する角度位相整合条件が変化する等してレーザ光線の射出効率に大きく影響する為、高精度が要求される。
この為、高精度が要求されるガイド機構、制御系等が必要となり、機構が複雑になる等製作コストが掛るという問題があった。
特開2002−151774号公報
本発明は斯かる実情に鑑み、複数の波長のレーザ光線を射出可能であり、簡単な構成で切換えが可能であり、低コストで而も高精度を維持し、射出効率の向上が可能な固体レーザ装置を提供するものである。
本発明は、共有光軸部分を有すると共に光軸分離手段によって分離される第1光軸と第2光軸と、前記第1光軸上に構成された第1共振器と、前記第2光軸上に構成された第2共振器と、前記共有光軸部分には前記第1共振器、第2共振器共通の出力鏡と中間鏡とを具備し、前記出力鏡と中間鏡との間に波長変換部を設け、該波長変換部は可動体と該可動体に複数の結晶軸調整機構を介して設けられた複数の波長変換用光学部材を有し、前記波長変換部は前記可動体を移動して所要の前記波長変換用光学部材を前記共有光軸部分上に位置決め可能とした固体レーザ装置に係り、又前記波長変換用光学部材の1つは第1共振器の第1基本波のSHGを発振し、前記波長変換用光学部材の1つは第2共振器の第2基本波のSHGを発振し、前記波長変換用光学部材の1つは前記第1基本波と前記第2基本波の和周波又は差周波を発振する固体レーザ装置に係り、又前記波長変換用光学部材は温度冷却手段と共に結晶支持体にそれぞれ支持され、該結晶支持体は前記結晶軸調整機構を介して前記可動体に設けられた固体レーザ装置に係り、又前記可動体は光軸と交差する方向にスライドする可動スライド体である固体レーザ装置に係り、又前記可動体は光軸と交差する方向に回転する可動回転体である固体レーザ装置に係り、更に又前記結晶支持体は、傾斜調整板に回転可能に設けられ、該傾斜調整板は前記可動スライド体に傾斜可能に設けられた固体レーザ装置に係るものである。
本発明によれば、共有光軸部分を有すると共に光軸分離手段によって分離される第1光軸と第2光軸と、前記第1光軸上に構成された第1共振器と、前記第2光軸上に構成された第2共振器と、前記共有光軸部分には前記第1共振器、第2共振器共通の出力鏡と中間鏡とを具備し、前記出力鏡と中間鏡との間に波長変換部を設け、該波長変換部は可動体と該可動体に複数の結晶軸調整機構を介して設けられた複数の波長変換用光学部材を有し、前記波長変換部は前記可動体を移動して所要の前記波長変換用光学部材を前記共有光軸部分上に位置決め可能としたので、出力するレーザ光線の波長を変換する場合は、波長変換用光学部材のみを移動すればよく、共振軸に殆ど変更はないので射出効率は低下することがない。
又本発明によれば、前記波長変換用光学部材は温度冷却手段と共に結晶支持体にそれぞれ支持され、該結晶支持体は前記結晶軸調整機構を介して前記可動体に設けられたので、複数の波長変換用光学部材に対して個々の調整が可能であると共に個々に温度制御が可能で高出力のレーザ光線の射出が可能である等の優れた効果を発揮する。
以下、図面を参照しつつ本発明を実施する為の最良の形態を説明する。
先ず、図1、図2に於いて、本発明に係る固体レーザ装置の基本構成について説明する。
第1光軸20上に第1集光レンズユニット21、第1凹面鏡22、第1固体レーザ媒質(第1レーザ結晶)23、中間鏡24、非線形光学媒質から構成される波長変換部(NLO)25、出力鏡26を配設する。前記第1集光レンズユニット21と対向してLD発光器27が配設され、該LD発光器27から発せられるレーザ光線41は前記第1集光レンズユニット21に入射される。
前記第1固体レーザ媒質23と中間鏡24との間で前記第1光軸20と、例えば90°で交差する第2光軸29上に第2集光レンズユニット31、第2凹面鏡32、第2固体レーザ媒質(第2レーザ結晶)33を配設し、前記第1光軸20と前記第2光軸29とが交差する位置には偏光ビームスプリッタ34が配設される。前記第2光軸29は前記偏光ビームスプリッタ34により屈曲され、該偏光ビームスプリッタ34と前記出力鏡26との間を前記第1光軸20と共用している。而して、前記波長変換部25は前記第1光軸20と第2光軸29の共有光軸部分に配置される。又前記偏光ビームスプリッタ34は前記第1光軸20と前記第2光軸29の光軸分離手段として機能する。
前記第2集光レンズユニット31と対向してLD発光器35が配設され、該LD発光器35から発せられるレーザ光線42は前記第2集光レンズユニット31に入射される。
前記第1凹面鏡22と前記出力鏡26間で第1基本波の波長λ1 用の第1共振器30が構成され、前記第2凹面鏡32と前記出力鏡26間で第2基本波の波長λ2 の第2共振器37が構成される。
前記第1凹面鏡22は励起光である波長λを高透過で、第1基本波の波長λ1 については高反射であり、前記中間鏡24は波長λ1 、第2基本波の波長λ2 について高透過であり、波長変換光の波長λ3 [(和周波(SFM)或は差周波(DFM)、又はSHG1 (λ1 /2)、SHG2 (λ2 /2)]については高反射であり、前記出力鏡26は波長λ1 、λ2 については高反射であり、波長変換光の波長λ3 [(和周波(SFM)或は差周波(DFM)、又はSHG1 (λ1 /2)、SHG2 (λ2 /2)]については高透過である。又、前記第2凹面鏡32は、励起光である波長λについては高透過で、第2基本波の波長λ2 については高反射となっており、前記偏光ビームスプリッタ34はP偏光を透過し、S偏光を反射する様になっている。
上記構成に於いて、前記LD発光器27、LD発光器35が発するレーザ光線41,42は励起光としてλ=809nmの波長を有し、前記第1固体レーザ媒質23、第2固体レーザ媒質33として1342nm、1064nmの発振線を有するNd:YVO4 が使用され、前記第1固体レーザ媒質23は前記LD発光器27から発せられるレーザ光線41が直線P偏光となる様に角度調整され、又前記第2固体レーザ媒質33は前記LD発光器35から発せられるレーザ光線42が直線S偏光となる様に角度調整されている。
尚、レーザ結晶としては、Nd:YVO4 の他に、Nd3+イオンをドープしたYAG(イットリウム アルミニウム ガーネット)等が採用され、YAGは、946nm、1064nm、1319nm等の発振線を有している。又、発振線が700〜900nmのTi(Sapphire)等を使用することができる。
前記波長変換部25に用いられる波長変換用光学部材としてKTP(KTiOPO4 リン酸チタニルカリウム)が使用される。該波長変換部25は複数の波長変換用光学結晶25a,25b,25cから構成され、それぞれ和周波SFM(又は差周波DFM)、SHG1 (λ1 /2)、SHG2 (λ2 /2)用に光軸に対する結晶の角度が調整されている。
尚、前記波長変換用光学部材としてはKTPの他に、BBO(β−BaB2 O4 β型ホウ酸バリウム)、LBO(LiB3 O5 トリホウ酸リチウム)、KNbO3 (ニオブ酸カリウム)等も採用される。又、周期分極反転素子(PPLN;Periodically Poled Lithium Niobate)等でも構わない。
前記波長変換部25は波長切換え手段36に支持され、該波長切換え手段36は前記波長変換部25を共有光軸部分に対して直角方向に移動可能であり、前記波長変換用光学結晶25a、波長変換用光学結晶25b、波長変換用光学結晶25cを個別に前記共有光軸部分上に位置決め可能となっている。
上記した固体レーザ装置の構成で、前記第1共振器30と第2共振器37とは前記中間鏡24、波長変換部25、出力鏡26以外は分離した構成となっているので、前記LD発光器27から前記第1共振器30内に入射したレーザ光線41は図中では前記第1凹面鏡22と偏光ビームスプリッタ34との間に集光点を形成し、この集光点が前記第1固体レーザ媒質23内又は近傍となる位置に設けられる。又、同様に前記LD発光器35から前記第2共振器37に入射したレーザ光線42は図中では前記第2凹面鏡32と偏光ビームスプリッタ34との間に集光点を形成し、この集光点が前記第2固体レーザ媒質33内又は近傍となる位置に設けられる。
前記第1固体レーザ媒質23、第2固体レーザ媒質33の励起効率は、レーザ光線のエネルギ密度、或は偏光方向に影響されるが、前記第1固体レーザ媒質23、第2固体レーザ媒質33の位置調整は個々に行えるので、最適な位置に設定でき、又偏光方向の調整についても、前記LD発光器27、LD発光器35それぞれ個別に行えるので、調整が容易である。又、光学部材の位置調整、例えば前記第1凹面鏡22、第2凹面鏡32の光軸合せについても、一方の調整が他方に影響しないので、一方の調整を完了した後、他方が調整できる等調整が容易である。更に、2つの励起光の偏光を平行或は直交させることが可能な為、波長変換用光学結晶に制限はなく、全ての波長変換用光学結晶の使用が可能である。
又、前記第1光軸20、第2光軸29の共有部分を完全に合致させることが可能であり、又完全に合致させることで、前記波長変換用光学結晶25aの変換効率が向上する。更に、前記波長変換部25を移動して、前記波長変換用光学結晶25a、波長変換用光学結晶25b、波長変換用光学結晶25cの切換えを行った場合でも、前記第1共振器30、第2共振器37の共振軸は変化しないので、発振効率が低下することはない。
上記した構成で前記第1固体レーザ媒質23には前記LD発光器27からのレーザ光線41、前記第2固体レーザ媒質33には前記LD発光器35からのレーザ光線42が単独で入射するので、前記第1固体レーザ媒質23、第2固体レーザ媒質33に掛る負荷が少なく、又2組のLD発光器27、LD発光器35からのレーザ光線41,42により波長変換光が得られるので高出力となる。
以下、図3〜図5を参照してレーザ光線の射出状態について説明する。尚、図3〜図5中、中間鏡24は省略している。
先ず、和周波変換用の波長変換用光学結晶25aが共有光軸部分に挿入された状態を図3を参照して説明する。
前記LD発光器27から射出されたレーザ光線41は前記第1集光レンズユニット21により前記第1固体レーザ媒質23に集光し、該第1固体レーザ媒質23によりP偏光の第1基本波の波長λ1 =1342nmに変換され、前記偏光ビームスプリッタ34を透過して前記第1凹面鏡22と前記出力鏡26間で発振される。又、前記LD発光器35から射出されたレーザ光線42は前記第2集光レンズユニット31により前記第2固体レーザ媒質33に集光し、該第2固体レーザ媒質33によりS偏光の第2基本波の波長λ2 =1064nmに変換され、該第2基本波の波長λ2 は前記偏光ビームスプリッタ34で反射され、前記第2凹面鏡32と前記出力鏡26間で発振される。
更に、第1基本波の波長λ1 、第2基本波の波長λ2 のレーザ光線が前記波長変換用光学結晶25aを透過することで、593nmの和周波が発生し、前記中間鏡24に向かう波長593nmのレーザ光線は、前記中間鏡24で反射され、前記出力鏡26より波長593nm(オレンジ色)のレーザ光線として射出される。
次に、前記波長切換え手段36により、前記波長変換用光学結晶25cが共有光軸部分に挿入され、SHG1 (λ1 /2)として671nm(赤色)のレーザ光線を照射する場合を図4を参照して説明する。
前記LD発光器35を停止して、前記LD発光器27からの励起光の波長λ(レーザ光線41)のみを入射させる。この場合、前記第1共振器30のみが作用する。励起光の波長λは、前記第1固体レーザ媒質23によりP偏光の基本波の波長λ1に変換され、該第1基本波の波長λ1は前記偏光ビームスプリッタ34を透過し、前記第1凹面鏡22と前記出力鏡26間で発振し、前記波長変換用光学結晶25cによりSHG1 (λ1 /2)に波長変換され、前記出力鏡26を透して射出される。
又、前記波長切換え手段36により、前記波長変換用光学結晶25bが共有光軸部分に挿入され、SHG2 (λ2 /2)として532nm(緑色)のレーザ光線を照射する場合を図5を参照して説明する。
前記LD発光器27を停止して、前記LD発光器35からの励起光の波長λ(レーザ光線42)のみを入射させる。この場合、前記第2共振器37のみが作用する。励起光の波長λは、前記第2固体レーザ媒質33によりS偏光の第2基本波の波長λ2 に変換され、前記偏光ビームスプリッタ34で反射され、前記第2凹面鏡32と前記出力鏡26間で発振し、第2基本波の波長λ2 は前記波長変換用光学結晶25bによりSHG2 (λ2 /2)に波長変換され、前記出力鏡26を透して射出される。
而して、前記波長変換用光学結晶25a,25b,25cの選択と、前記LD発光器27、LD発光器35のON/OFF制御で3種類の波長のレーザ光線を射出することができる。
又、前記中間鏡24、出力鏡26を省略し、前記波長変換用光学結晶25aの図2中左端面に第1基本波の波長λ1 、第2基本波の波長λ2 については高透過であり、593nmの和周波λ3 については高反射の反射膜を形成し、前記波長変換用光学結晶25aの右端面には波長λ1 ,λ2 については高反射であり、波長変換光の前記和周波(593nm)のλ3 については高透過の反射膜を形成してもよい。
又、前記波長変換用光学結晶25cの左端面に波長λ1 については高透過であり、671nmのSHG1 については高反射の反射膜を形成し、前記波長変換用光学結晶25bの右端面には波長λ1 、波長λ2 については高反射であり、SHG1 (671nm)の波長λ3 については高透過の反射膜を形成してもよい。
又、前記波長変換用光学結晶25bについては左端面に波長λ2 については高透過であり、532nmのSHG2 については高反射の反射膜を形成し、前記波長変換用光学結晶25b右端面には波長λ1 ,λ2 については高反射でありSHG2 (532nm)の波長λ3 については高透過の反射膜を形成する様にしてもよい。
前記波長変換用光学結晶25a,25b,25cの両端面に上記した反射膜を形成することで、前記中間鏡24、出力鏡26を省略でき小型化が可能となる。尚、上記説明では波長変換用光学結晶25aは和周波用であったが、差周波用としてもよい。
図6〜図8に於いて、前記波長切換え手段36、特に波長変換用光学結晶25a,25b,25cの支持機構について説明する。
固体レーザ装置のベース43にスライドガイド44を介して板状の可動スライド体45が前記第1光軸20、第2光軸29の共有部分に対して直角方向にスライド可能に設けられ、前記可動スライド体45には以下に述べる結晶軸調整機構46が設けられている。前記可動スライド体45には図示しないスライドアクチュエータが連結されている。例えば、モータの回転によって回転される螺子ロッドが前記可動スライド体45に螺合し、螺子ロッドの回転で前記可動スライド体45が共有部分に対して直角方向に移動する等である。尚、前記可動スライド体45は共有部分に対して直交してなくとも交差していればよい。
前記可動スライド体45の上面に円筒座47が固着され、該円筒座47は上面が円筒面となったシリンダレンズ形状をしており、円筒面の中心線は前記第1光軸20、前記第2光軸29の共有部分と直交する。
前記可動スライド体45、前記円筒座47を貫通する通孔48a,48b,48cが設けられ、該通孔48a,48b,48cは前記可動スライド体45のスライド方向に所定の間隔で配置され、各通孔48a,48b,48c毎に結晶支持体49a,49b,49cが設けられる。
該結晶支持体49a,49b,49cは同一形状をしており、以下は結晶支持体49aについて説明する。
該結晶支持体49aは、フランジ付き円柱形状をしており、傾斜調整板51aに該傾斜調整板51aを貫通し、更に前記通孔48aを貫通する様に設けられ、前記結晶支持体49aの中心線を中心に回転可能に設けられており、該結晶支持体49aの下端には結晶支持体冷却手段、例えばペルチェ素子50aを介して結晶ホルダ53aが取付けられている。該結晶ホルダ53aは金属製、好ましくは銅、アルミニウム等の熱伝導性のよい金属製であり、前記波長変換用光学結晶25aが埋設されている。前記波長変換用光学結晶ホルダ49aの中心線が前記共有部分と交差する場合に、前記波長変換用光学結晶25aの中心は前記共有光軸部分と合致する様になっており、前記波長変換用光学結晶25aは前記中間鏡24と前記出力鏡26との間に位置決めされる。
前記傾斜調整板51aの下面には円筒凹部が形成され、該円筒凹部は前記円筒座47に摺動可能に嵌合している。前記傾斜調整板51aの両端部には傾斜調整螺子52,52が貫通し、該傾斜調整螺子52は前記可動スライド体45と螺合し、2本の傾斜調整螺子52の一方を弛め、一方を締めることで、前記傾斜調整板51aの傾斜、即ち前記結晶支持体49aの傾斜を調整可能となっている。
前記波長変換用光学結晶25aは図8に示される様に、前記結晶支持体49aの中心線を中心に回転可能であり、前記円筒座47の円筒面に沿って傾斜可能となっている。
而して、前記結晶支持体49aの回転、傾斜により前記波長変換用光学結晶25aの最適な状態に結晶位置が調整され、又同様に前記波長変換用光学結晶25b,25cについても結晶位置が調整される。前記波長変換用光学結晶25a,25b,25cの調整が完了すると前記結晶支持体49a,49b,49cの固定が行われる。
前記可動スライド体45が図示しないスライドアクチュエータにより移動され、前記波長変換用光学結晶25a,25b,25cのいずれかが前記共有光軸部分上に位置決めされる。前記結晶支持体49a,49b,49cを一体にスライドさせるので、位置決めの再現性は高く、又前記可動スライド体45の移動で前記第1光軸20、第2光軸29等の共振軸には影響を与えないので、前記波長変換用光学結晶25a,25b,25cを交換したことによる出力の低下は殆ど見られない。
図9、図10により他の波長切換え手段36について説明する。尚、図9、図10中、図6〜図8中で示したものと同等のものには同符号を付してある。
前記第1光軸20、前記第2光軸29の共有光軸部分と平行な回転軸55に断面が正三角形の可動回転体56を固着する。前記回転軸55は、前記可動回転体56の図形中心を貫通している。尚、前記回転軸55は必ずしも共有光軸部分と平行でなくてもよく、前記回転可動体56が共有光軸部分と交差する方向に回転すればよい。
該可動回転体56の前記回転軸55と平行な3面の各面に結晶軸調整機構57a,57b,57cを介して波長変換用光学結晶25a,25b,25cを取付ける。前記結晶軸調整機構57a,57b,57cは同一構造であるので、以下は結晶軸調整機構57aについて説明する。
傾斜調整基板58aは4本の締め螺子59によって前記可動回転体56に取付けられ、又前記締め螺子59に対応して4本の押し螺子61が前記傾斜調整基板58aに設けられている。又、該傾斜調整基板58aに中心軸62aを介して結晶支持体63aが回転可能に設けられ、該結晶支持体63aからは調整摘み64aが突設されている。前記結晶支持体63aは固定螺子65によって前記傾斜調整基板58aに固定される様になっており、前記固定螺子65が前記結晶支持体63aを貫通する孔は該結晶支持体63aが所要角度回転できる様に長孔となっている。
前記結晶支持体63aの上端にペルチェ素子50aを介して結晶ホルダ53aが取付けられ、該結晶ホルダ53aに波長変換用光学結晶25aが保持されている。
前記可動回転体56は図示しない回転アクチュエータ、例えばパルスモータ等位置決め可能なモータによって回転され、120°の回転位置で位置決めが可能となっている。又、位置決めされた状態では、例えば波長変換用光学結晶25aが前記共有光軸部分上に位置する様になっている。
前記4本の締め螺子59を締め或は弛め、前記4本の押し螺子61を弛め或は締めることで前記傾斜調整基板58aを前記可動回転体56の取付け面に対して2方向の傾斜調整が行え、前記固定螺子65を弛めた状態で前記調整摘み64aにより前記結晶支持体63aを回転でき、前記波長変換用光学結晶25aの光軸に対する傾斜を調整できる。尚、前記結晶支持体63aの調整後は前記固定螺子65により前記結晶支持体63aを前記傾斜調整基板58aに固定する。
尚、前記波長変換用光学結晶25b,25cについても光軸に対して同様に結晶の角度調整が行える。
前記可動回転体56を回転して前記波長変換用光学結晶25aを共有光軸部分上に位置決めし、前記LD発光器27、前記LD発光器35を駆動点灯すると前記出力鏡26からオレンジ色のレーザ光線が射出される(図3参照)。又、前記可動回転体56を回転して前記波長変換用光学結晶25cを共有光軸部分上に位置決めし、前記LD発光器27のみを駆動点灯すると前記出力鏡26から赤色のレーザ光線が射出され、同様に前記可動回転体56を回転して前記波長変換用光学結晶25bを共有光軸上に位置決めし、前記LD発光器35のみを駆動点灯すると緑色のレーザ光線が射出される。
尚、前記可動回転体56は断面を正三角形としたが、正四角形以上の正多角形とし、所要の面に前記結晶軸調整機構57を介して波長変換用光学結晶を取付ける様にしてもよい。
図11は本実施の形態に於ける制御系を示すブロック図であり、図11中、図1、図2中で示したものと同等のものには同符号を付し、その説明を省略する。
波長切換え手段36は駆動源としてモータ67を有し、該モータ67がシフト機構コントローラ68からの制御信号により駆動され、前記波長変換部25をスライド、或は回転させて波長変換用光学結晶25a,25b,25cの切換えを行う。
又、該波長変換用光学結晶25a,25b,25cにはそれぞれサーミスタ69a,69b,69cが設けられており、前記各波長変換用光学結晶25a,25b,25cは前記サーミスタ69a,69b,69cからの温度検出信号に基づき温度コントローラ71により前記ペルチェ素子50a,50b,50cが独立して制御され、前記波長変換用光学結晶25a,25b,25cが個々に所定の温度となる様に冷却される。
前記LD発光器27、前記LD発光器35はそれぞれペルチェ素子等の冷却器72,73によって冷却される様になっており、前記LD発光器27、前記LD発光器35の温度はサーミスタ74,75によって検出され、該サーミスタ74,75からの温度検出信号によって温度コントローラ76,77によって前記冷却器72,73が独立して制御され、前記LD発光器27、LD発光器35は個々に所定の温度に維持される。
前記出力鏡26から射出されるレーザ光線の一部が分離板70により分割され、フォトダイオード等の受光素子78によって受光され、受光結果はLDドライバ80,81にフィードバックされ、該LDドライバ80,81によって射出されるレーザ光線の強度が一定となる様に前記LD発光器27、前記LD発光器35が独立して制御される様になっている。
尚、上記実施の形態では、第1共振器の光軸と第2共振器の光軸とを分離する光軸分離手段として偏光板を用い、第1基本波と第2基本波とで偏光方向を変え、偏光方向の相違を利用して第1基本波と第2基本波とを分離したが、光軸分離手段として、第1基本波を高透過、第2基本波を高反射の波長分離板を使用し、波長の相違を利用して光軸を分離してもよい。
本発明の実施の形態の光学系の概略構成図である。 本発明の実施の形態の共振器部の構成図である。 本発明の実施の形態の作用を示す説明図である。 本発明の実施の形態の作用を示す説明図である。 本発明の実施の形態の作用を示す説明図である。 本発明の実施の形態に於ける波長切換え手段を示す斜視図である。 図6のA−A矢視図である。 図6のB−B矢視図である。 本発明の実施の形態に於ける他の波長切換え手段を示す正断面図である。 本発明の実施の形態に於ける他の波長切換え手段を示す側断面図である。 本発明の実施の形態に於ける制御部のブロック図である。 従来の固体レーザ装置を示す構成図である。
符号の説明
1 レーザ発振器
20 第1光軸
22 第1凹面鏡
23 第1固体レーザ媒質
24 中間鏡
25 波長変換部
26 出力鏡
27 LD発光器
29 第2光軸
33 第2固体レーザ媒質
34 偏光ビームスプリッタ
35 LD発光器
36 波長切換え手段
41 レーザ光線
42 レーザ光線
44 スライドガイド
45 可動スライド体
46 結晶軸調整機構
47 円筒座
49 結晶支持体
50 ペルチェ素子
51 傾斜調整板
55 回転軸
56 可動回転体
58 傾斜調整基板
63 結晶支持体

Claims (6)

  1. 共有光軸部分を有すると共に光軸分離手段によって分離される第1光軸と第2光軸と、前記第1光軸上に構成された第1共振器と、前記第2光軸上に構成された第2共振器と、前記共有光軸部分には前記第1共振器、第2共振器共通の出力鏡と中間鏡とを具備し、前記出力鏡と中間鏡との間に波長変換部を設け、該波長変換部は可動体と該可動体に複数の結晶軸調整機構を介して設けられた複数の波長変換用光学部材を有し、前記波長変換部は前記可動体を移動して所要の前記波長変換用光学部材を前記共有光軸部分上に位置決め可能としたことを特徴とする固体レーザ装置。
  2. 前記波長変換用光学部材の1つは第1共振器の第1基本波のSHGを発振し、前記波長変換用光学部材の1つは第2共振器の第2基本波のSHGを発振し、前記波長変換用光学部材の1つは前記第1基本波と前記第2基本波の和周波又は差周波を発振する請求項1の固体レーザ装置。
  3. 前記波長変換用光学部材は温度冷却手段と共に結晶支持体にそれぞれ支持され、該結晶支持体は前記結晶軸調整機構を介して前記可動体に設けられた請求項1の固体レーザ装置。
  4. 前記可動体は光軸と交差する方向にスライドする可動スライド体である請求項1の固体レーザ装置。
  5. 前記可動体は光軸と交差する方向に回転する可動回転体である請求項1の固体レーザ装置。
  6. 前記結晶支持体は、傾斜調整板に回転可能に設けられ、該傾斜調整板は前記可動スライド体に傾斜可能に設けられた請求項3又は請求項4の固体レーザ装置。
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