JP2006172791A - 電気光学素子、電気光学素子の製造方法、電気光学装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 生産性を落とすことなく濡れ広がり性を向上させる電気光学素子、電気光学素子の製造方法、電気光学装置を提供する。
【解決手段】 有機EL素子16は素子形成領域に陽極Pc、絶縁膜I、有機EL層及び陰極を積層して構成し、絶縁膜Iの四隅に髭状の機能液引込み突起Ipを素子形成領域の中央に向かって突出形成する。機能液引込み突起Ipは、専用のレイヤ及びそのレイヤの構成材料、製造工程を設けることなく二酸化ケイ素膜をパターニングすることによって絶縁膜Iと共に形成される。
【選択図】 図3
【解決手段】 有機EL素子16は素子形成領域に陽極Pc、絶縁膜I、有機EL層及び陰極を積層して構成し、絶縁膜Iの四隅に髭状の機能液引込み突起Ipを素子形成領域の中央に向かって突出形成する。機能液引込み突起Ipは、専用のレイヤ及びそのレイヤの構成材料、製造工程を設けることなく二酸化ケイ素膜をパターニングすることによって絶縁膜Iと共に形成される。
【選択図】 図3
Description
本発明は、電気光学素子、電気光学素子の製造方法、電気光学装置に関する。
近年、有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ装置(有機ELディスプレイ装置)等に搭載されている有機EL素子は基板上に形成された陽極、陰極とその間に形成された有機EL層を備えている。そして、その有機EL層は、インクジェット法により、陽極上に有機EL層の液体材料を吐出して形成されていた。
このインクジェット法においては、有機ELディスプレイ装置を構成する複数の画素にそれぞれ吐出された液体材料が隣接する画素に流出し、混色等が生じる問題があった。これに対し、画素毎に液体の流出を防ぐためのバンクを設け、そのバンクで囲まれた領域(素子形成領域)に液体材料を吐出して充填させていた。しかし、バンクに吐出される液滴の大きさとバンク表面やバンクに囲まれる領域(素子形成領域)の面積とのバランスによっては、吐出された液体材料が同様に隣接する画素に流出していた。さらに、図8に示すように、有機EL素子50の陽極52上に吐出された有機EL層の液体材料54が有機EL素子50の端まで濡れ広がらず、液体材料54が素子形成領域の中央に集まってしまうため、有機EL素子50の色抜けや膜厚ムラが生じる問題があった。
そこで、こうした有機EL素子の製造方法において、液体材料を吐出する前に予め陽極を親液性に、バンクを撥液性に処理する方法が提案されている(例えば、特許文献1)。この特許文献1の有機EL素子の製造方法では、陽極に対しては酸素ガスプラズマ処理を施して親液性を持たせ、バンクに対してはフッ素系ガスプラズマ処理を施して撥液性を持たせている。これにより、吐出された液体材料の隣接する画素への流出及び液体材料54が素子形成領域の端まで濡れ広がらないことを低減していた。
特開2002−334782号公報
しかしながら、この特許文献1の有機EL素子の製造方法では、充分に液体材料54が素子形成領域の端まで濡れ広がらないことがあった。これを解決するために、液体材料を吐出する液体噴射装置を細かく制御し、有機EL素子の端まで液体材料が到達するように液体材料の吐出位置を調整する方法も考えられるが、最適な液体材料の吐出位置を決定するために有機EL素子の製造時間が長くなっていた。また、液体材料が陽極に対して垂直に吐出されないこともあり、有機ELディスプレイ装置上の全ての画素の素子形成領域の端まで液体材料が到達するように液体噴射装置を制御するのは困難であった。
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、その目的は、生産性を落とすことなく濡れ広がり性を向上させることができる電気光学素子、電気光学素子の製造方法、電気光学装置を提供することである。
上記問題点を解決するために、本発明の電気光学素子は、基板上に形成される隔壁内の有機層形成領域に有機層の構成材料を含んだ機能液を吐出して有機層を形成する電気光学素子において、前記有機層を形成するために吐出された前記機能液を前記有機層形成領域の中央部から端部に向かって引き込むための引込み層を、前記有機層形成領域に形成した。
この発明によれば、有機層を形成するために吐出された機能液を有機層形成領域の中央部から端部に向かって引き込むための引込み層を、有機層形成領域に形成した。この結果、有機層形成領域に有機層の構成材料を含んだ機能液を吐出すると、その機能液は引込み層を伝って有機層形成領域の中央部から端部まで引き込まれて濡れ広がるので、有機層の構成材料が有機層形成領域の中心に集まるのを防止することができる。また、例えば、液滴吐出装置を細かく制御し、有機層形成領域の内壁に機能液が到達するようにその機能液の吐出位置を調整するときのように、最適な吐出位置を決定する時間が不要である。従って、生産性を落とすことなく濡れ広がり性を向上させることができる。
本発明の電気光学素子は、前記引込み層は、前記有機層を形成するために吐出された前記機能液を前記有機層形成領域の中央部から端部に向かって引き込むための突条であって、前記有機層形成領域の端部から中央部に向かって形成した。
この発明によれば、引込み層は、有機層を形成するために吐出された機能液を有機層形成領域の中央部から端部に向かって引き込むための突条であって、有機層形成領域の端部から中央部に向かって形成した。この結果、引込み層は簡単な形状であることから、生産性を落とすことなく濡れ広がり性を向上させることができる。
本発明の電気光学素子は、前記引込み層は、前記有機層を形成するために吐出された前記機能液を前記有機層形成領域の中央部から端部に向かって引き込むための島であって、前記有機層形成領域の端部の近傍位置に形成した。
この発明によれば、引込み層は、有機層を形成するために吐出された機能液を有機層形成領域の中央部から端部に向かって引き込むための島であって、有機層形成領域の端部の近傍位置に形成した。この結果、引込み層は簡単な形状であることから、生産性を落とすことなく濡れ広がり性を向上させることができる。
本発明の電気光学素子は、前記有機層は、発光層と、前記発光層の前記基板側に形成される正孔輸送層であって、前記引込み層は、前記正孔輸送層を形成するために吐出された前記正孔輸送層の構成材料を含んだ機能液を前記有機層形成領域の中央部から端部に向かって引き込む。
この発明によれば、有機層は、発光層と、その発光層の基板側に形成される正孔輸送層であって、引込み層は、正孔輸送層を形成するために吐出された正孔輸送層の構成材料を含んだ機能液を有機層形成領域の中央部から端部に向かって引き込む。この結果、有機層形成領域に正孔輸送層の構成材料を含んだ機能液を吐出すると、その機能液は引込み層を伝って有機層形成領域の中央部から端部まで引き込まれて濡れ広がるので、正孔輸送層の構成材料が有機層形成領域の中心に集まるのを防止することができる。従って、濡れ広がり性を向上させることができる。
本発明の電気光学素子は、前記有機層は、発光層と、前記発光層の前記基板側に形成される正孔輸送層であり、前記引込み層は、前記発光層を形成するために前記正孔輸送層上に吐出された前記発光層の構成材料を含んだ機能液を前記有機層形成領域の中央部から端部に向かって引き込む。
この発明によれば、有機層は、発光層と、その発光層の基板側に形成される正孔輸送層であり、引込み層は、発光層を形成するために正孔輸送層上に吐出された発光層の構成材料を含んだ機能液を有機層形成領域の中央部から端部に向かって引き込む。この結果、正孔輸送層上であって有機層形成領域に発光層の構成材料を含んだ機能液を吐出すると、そ
の機能液は引込み層を伝って有機層形成領域の中央部から端部まで引き込まれて濡れ広がるので、発光層の構成材料が有機層形成領域の中心に集まるのを防止することができる。従って、濡れ広がり性を向上させることができる。
の機能液は引込み層を伝って有機層形成領域の中央部から端部まで引き込まれて濡れ広がるので、発光層の構成材料が有機層形成領域の中心に集まるのを防止することができる。従って、濡れ広がり性を向上させることができる。
本発明の電気光学素子の製造方法は、基板上に形成される隔壁内の有機層形成領域に有機層の構成材料を含んだ機能液を吐出して有機層を形成する電気光学素子の製造方法において、前記有機層の構成材料を含んだ機能液を吐出する前に、当該機能液を前記有機層形成領域の中央部から端部に向かって引き込むための引込み層を形成した。
この発明によれば、有機層の構成材料を含んだ機能液を吐出する前に、その機能液を有機層形成領域の中央部から端部に向かって引き込むための引込み層を形成した。この結果、有機層形成領域に有機層の構成材料を含んだ機能液を吐出すると、その機能液は引込み層を伝って有機層形成領域の中央部から端部まで引き込まれて濡れ広がるので、有機層の構成材料が有機層形成領域の中心に集まるのを防止することができる。また、例えば、液滴吐出装置を細かく制御し、有機層形成領域の内壁に機能液が到達するようにその機能液の吐出位置を調整するときのように、最適な吐出位置を決定する時間が不要である。従って、生産性を落とすことなく濡れ広がり性を向上させることができる。
本発明の電気光学装置は、基板上に形成される隔壁内の発光層形成領域に発光層の構成材料を含んだ機能液を吐出して形成される発光層と、前記発光層の前記基板側に形成される正孔輸送層と、前記正孔輸送層の前記基板側に第1の電極と、前記第1の電極上であって前記正孔輸送層の外周に配置されて前記発光層と前記第1の電極とを絶縁する絶縁膜と、前記発光層の前記基板に遠い側に第2の電極とを形成し、前記第1及び第2の電極を介して前記発光層に電流を流すことによって前記発光層が発光する電気光学装置において、前記発光層を形成するために吐出された前記機能液を前記発光層形成領域の中央部から端部に向かって引き込むための引込み層を前記絶縁膜にて形成した。
この発明によれば、発光層を形成するために吐出された機能液を発光層形成領域の中央部から端部に向かって引き込むための引込み層を絶縁膜にて形成した。この結果、引込み層のために特別な層を増加させることなく、発光層形成領域に吐出された発光層の構成材料を含んだ機能液が引込み層を伝って発光層形成領域の中央部から端部まで引き込まれて濡れ広がり、発光層の構成材料が発光層形成領域の中心に集まるのを防止することができる。従って、生産性を落とすことなく濡れ広がり性を向上させることができる。
本発明の電気光学装置は、前記引込み層は、前記機能液を前記発光層形成領域の中央部から端部に向かって引き込むための突条であって、前記発光層形成領域の端部から中央部に向かって形成した。
この発明によれば、引込み層は、機能液を発光層形成領域の中央部から端部に向かって引き込むための突条であって、発光層形成領域の端部から中央部に向かって形成した。この結果、引込み層は簡単な形状であることから、生産性を落とすことなく濡れ広がり性を向上させることができる。
本発明の電気光学装置は、前記引込み層は、前記機能液を前記発光層形成領域の中央部から端部に向かって引き込むための島であって、前記発光層形成領域の端部の近傍位置に形成した。
この発明によれば、引込み層は、機能液を発光層形成領域の中央部から端部に向かって引き込むための島であって、発光層形成領域の端部の近傍位置に形成した。この結果、引込み層は簡単な形状であることから、生産性を落とすことなく濡れ広がり性を向上させる
ことができる。
ことができる。
以下、本発明を具体化した一実施形態を図1〜図4に従って説明する。図1は、表示モジュールとしての有機エレクトロルミネッセンス表示モジュール10(有機EL表示モジュール)の概略平面図を示す。
図1に示すように、有機EL表示モジュール10は、有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ(有機ELディスプレイ)11を有しており、その有機ELディスプレイ11の図中下側にはフレキシブル基板12が接続されている。
有機ELディスプレイ11は、本実施形態ではトップエミッション型のディスプレイであって、平面板状の基板としてのガラス基板13を備えている。そのガラス基板13の表面(画素形成面13a)の略中央位置には、四角形状の表示領域14が形成されている。その表示領域14内には、図1において上下方向(列方向)に延びる複数のデータ線Ldと、同データ線Ldに併設される電源線Lvが所定の間隔をおいて配列されている。そのデータ線Ldと直交する方向(行方向)には、同行方向に延びる複数の走査線Lsが所定の間隔をおいて配列されている。これらデータ線Ldと走査線Lsの交差する位置には、それぞれ赤色(R),緑色(G),青色(B)にそれぞれ対応したサブピクセル15R,15G,15Bが形成されている。つまり、サブピクセル15R,15G,15Bが、それぞれ対応するデータ線Ld、電源線Lv及び走査線Lsに接続されることによってマトリックス状に、繰り返し配列されている。そして、走査線Ls上の、順番に繰り返し配設される赤色、緑色、青色に対応したサブピクセル15R,15G,15Bをそれぞれ一つの組として、1つの画素15を構成している。
各サブピクセル15R,15G,15Bは、駆動電流が供給されることによって発光する電気光学装置としての有機エレクロトルミネッセンス素子(有機EL素子)16、その有機EL素子16の発光を制御する薄膜トランジスタ(TFT)17、さらには図示しない容量素子等からなる画素回路を有している。
画素形成面13aの一側端であって表示領域14の左側には、COG(Chip on glass )方式で実装される走査線駆動回路18が形成されている。走査線駆動回路18は、前記各走査線Lsに対して、走査線Ls上のサブピクセル15R,15G,15Bを選択するための走査信号を出力するようになっている。また、走査線駆動回路18は、図示しないプリント基板に接続されて、同プリント基板の制御用IC等から出力される制御信号に基づいて、前記走査信号を所定の走査線Lsに所定のタイミングで出力するようになっている。そして、画素形成面13aの略全面を四角形状の保護ガラス基板13b(図1における2点鎖線)で覆うことによって、これら走査線駆動回路18及び表示領域14が保護されるようになっている。
画素形成面13aの一側端であって表示領域14の下側には、データ線端子形成部19が形成されている。そのデータ線端子形成部19には、各データ線Ldに対応する複数のデータ線端子(図示しない)が形成されている。各データ線端子は、銅箔等で形成される端子であって、ガラス基板13の下側辺13cに沿って等ピッチで配列されてそれぞれ対応するデータ線Ldに電気的に接続されている。そして、各データ線端子が前記保護ガラス基板13bから露出することによって、各データ線Ldが、外部との電気的な接続を可能にする。
図1に示すように、画素形成面13aの一側端であってデータ線端子形成部19の表側には、フレキシブル基板12が接続されている。そのフレキシブル基板12には、基板本
体20が備えられている。基板本体20は、上下方向に長い長尺状に形成された可撓性基板であって電気的絶縁性を有するポリイミド樹脂で形成されている。そして、フレキシブル基板12は、その基板本体20の表面(図1における裏側の面)を画素形成面13aと向かい合わせるように配設されている。基板本体20の表面であって、前記データ線端子形成部19と対向する位置には、外部端子形成部23が設けられている。その外部端子形成部23には、複数の接続端子(図示しない)が前記データ線端子と相対するピッチ幅で形成されている。そして、フレキシブル基板12は、いわゆる異方性導電膜(ACF)方式によって各接続端子と対応するデータ線端子とを電気的に接続して有機ELディスプレイ11(有機EL表示モジュール10)に実装される。
体20が備えられている。基板本体20は、上下方向に長い長尺状に形成された可撓性基板であって電気的絶縁性を有するポリイミド樹脂で形成されている。そして、フレキシブル基板12は、その基板本体20の表面(図1における裏側の面)を画素形成面13aと向かい合わせるように配設されている。基板本体20の表面であって、前記データ線端子形成部19と対向する位置には、外部端子形成部23が設けられている。その外部端子形成部23には、複数の接続端子(図示しない)が前記データ線端子と相対するピッチ幅で形成されている。そして、フレキシブル基板12は、いわゆる異方性導電膜(ACF)方式によって各接続端子と対応するデータ線端子とを電気的に接続して有機ELディスプレイ11(有機EL表示モジュール10)に実装される。
外部端子形成部23の下側には、駆動用ICチップ27が配設されている。駆動用ICチップ27は、有機EL素子16を発光させるための駆動信号及び駆動電圧を生成し供給する。駆動用ICチップ27は、前記異方性導電膜(ACF)方式によって基板本体20(フレキシブル基板12)に実装されている。
そして、その駆動用ICチップ27の出力側(有機ELディスプレイ11側)に形成された図示しない接続端子と前記外部端子形成部23に形成された接続端子とが出力配線30によって接続されることによって、駆動用ICチップ27が、各データ線Ld及び電源線Lvと電気的に接続される。また、駆動用ICチップ27の入力側(図1中下側)に形成された図示しない接続端子と図示しないプリント基板の制御用ICが入力配線31によって接続されることによって、駆動用ICチップ27が、その制御用ICと電気的に接続される。
そして、駆動用ICチップ27は、制御用ICから出力される制御信号に基づいて、駆動電圧を電源線Lvに供給するとともに、データ信号を所定のデータ線Ldに所定のタイミングで出力する。すなわち、駆動用ICチップ27が前記走査信号によって選択された画素15(サブピクセル15R,15G,15B)に前記データ信号を出力すると、画素15(サブピクセル15R,15G,15B)の有機EL素子16が同データ信号に基づいて発光する。
図2は、有機ELディスプレイ11のガラス基板13上に形成されたサブピクセル15R,15G,15Bのうち、赤色に対応したサブピクセル15Rの断面図である。なお、他のサブピクセル15G,15Bもサブピクセル15Rと同様の構成であるため、その図示と説明を省略する。
図2に示すように、TFT17は、その最下層にチャンネル膜B1を備えている。チャンネル膜B1は、画素形成面13a上に形成される島状のp型ポリシリコン膜であって、図2における左右両側には、活性化した図示しないn型領域(ソース領域及びドレイン領域)を備えている。つまり、TFT17は、いわゆるポリシリコン形TFTである。
チャンネル膜B1の上側中央位置には、画素形成面13a側から順に、ゲート絶縁膜D0、ゲート電極Pg及びゲート配線M1が形成されている。ゲート絶縁膜D0は、シリコン酸化膜等の光透過性を有する絶縁膜であって、画素形成面13aの略全面に堆積されている。ゲート電極Pgは、タンタル等の低抵抗金属膜であって、チャンネル膜B1の略中央位置に形成されている。ゲート配線M1は、ITO等の光透過性を有する透明導電膜であって、ゲート電極Pgと駆動用ICチップ27(図1参照)とを電気的に接続している。そして、駆動用ICチップ27がゲート配線M1を介してゲート電極Pgにデータ信号を入力すると、TFT17は、そのデータ信号に基づいてオン状態となる。
チャンネル膜B1であって前記ソース領域及びドレイン領域の上側には、図2における
上側に延びるソースコンタクトSc及びドレインコンタクトDcが形成されている。各コンタクトSc,Dcは、チャンネル膜B1とのコンタクト抵抗を低くする金属シリサイド等の金属膜で形成されている。そして、これら各コンタクトSc,Dc及びゲート電極Pg(ゲート配線M1)は、シリコン酸化膜等からなる第1層間絶縁膜D1によってそれぞれ電気的に絶縁されている。
上側に延びるソースコンタクトSc及びドレインコンタクトDcが形成されている。各コンタクトSc,Dcは、チャンネル膜B1とのコンタクト抵抗を低くする金属シリサイド等の金属膜で形成されている。そして、これら各コンタクトSc,Dc及びゲート電極Pg(ゲート配線M1)は、シリコン酸化膜等からなる第1層間絶縁膜D1によってそれぞれ電気的に絶縁されている。
各コンタクトSc,コンタクトDcの上側には、それぞれアルミニウム等の低抵抗金属膜からなる電源線M2s及び陽極線M2dが形成されている。電源線M2sは、ソースコンタクトScと図示しない駆動電源とを電気的に接続している。陽極線M2dは、ドレインコンタクトDcと有機EL素子16とを電気的に接続している。これら電源線M2s及び陽極線M2dは、感光性ポリイミド等の絶縁性材料からなる平坦化膜D2によってそれぞれ電気的に絶縁されている。また、この平坦化膜D2を形成することで、同平坦化膜D2上に形成される有機EL素子16を平坦化することができる。そして、TFT17がデータ信号に基づいてオン状態となると、そのデータ信号に応じた駆動電流が、電源線M2s(駆動電源)から陽極線M2d(有機EL素子16)に供給される。
図2に示すように、平坦化膜D2の上側には、有機EL素子16が形成されている。その有機EL素子16の最下層には、第1の電極としての陽極Pcが形成されている。陽極Pcは、クロム等の金属材料で形成された金属電極であって、その一端が陽極線M2dに接続されている。
その陽極Pcの上側には、図2及び図3に示すように、その有機EL素子16の有機層形成領域、発光層形成領域としての素子形成領域の外周を縁取るように、平面視長四角枠形状の絶縁膜Iが有機層としての有機EL層Oeの中央に向かって張り出している。本実施形態では、この絶縁膜Iと有機EL層Oeとで電気光学素子を構成する。なお、図3は、有機EL素子16の平面図であるが、説明の便宜上、有機EL素子16のうち陽極Pcと絶縁膜Iを示している。絶縁膜Iは、光透過性を有する二酸化ケイ素等で形成され、陽極Pcと後記する発光層Or(図4参照)とを電気的に絶縁している。そして、図3及び図4に示すように、その絶縁膜Iの四隅には、髭状の引込み層としての機能液引込み突起Ipがそれぞれ有機EL素子16の中心方向に向かって突出形成されている。なお、図4は、図3のA−A線における断面図である。
陽極Pc及び絶縁膜Iの上側外周には、同陽極Pc及び絶縁膜Iを囲むように第3層間絶縁膜D3が堆積されている。第3層間絶縁膜D3は、感光性ポリイミドやアクリル等の樹脂膜で形成され、各有機EL素子16の陽極Pcを電気的に絶縁している。また、第3層間絶縁膜D3は、陽極Pcの上側を開放して、その内周面からなる隔壁D3aを形成している。
陽極Pc及び絶縁膜Iの上側であって隔壁D3aの内側には、有機材料からなる有機エレクトロルミネッセンス層(有機EL層)Oeが形成されている。有機EL層Oeは、図4に示すように、正孔輸送層Otと発光層Orの2層からなる有機化合物層である。その有機EL層Oeの上側には、ITO等の光透過性を有する透明導電膜と、有機EL層Oeとの界面に形成されたMg等の金属膜からなる第2の電極としての陰極Paが形成されている。図2に示すように、陰極Paは、画素形成面13a側全面を覆うように形成され、各画素15が共有することによって各有機EL素子16に共通する電位を供給するようになっている。すなわち、有機EL素子16は、これら陽極Pc、絶縁膜I、有機EL層Oe及び陰極Paによって形成される有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子)である。
陰極Paの上側には、樹脂等のコーティング材で形成され、各種金属膜や有機EL層O
eの酸化等を防止するための封止部P1が形成されている。
そして、データ信号に応じた駆動電流が陽極線M2dに供給されると、有機EL層Oeは、その駆動電流に応じた輝度で発光する。この際、有機EL層Oeから陰極Pa側(図2における上側)に向かって発光された光は、陰極Pa、封止部P1を通過する(以下、透過光という)。また、有機EL層Oeから陽極Pc側(図2における下側)に向かって発光された光は、陽極Pcによって反射され(以下、反射光という)、有機EL層Oe、陰極Pa、封止部P1を通過する。そして、前記透過光と反射光とが干渉した光が保護ガラス基板13b側に出射される。
eの酸化等を防止するための封止部P1が形成されている。
そして、データ信号に応じた駆動電流が陽極線M2dに供給されると、有機EL層Oeは、その駆動電流に応じた輝度で発光する。この際、有機EL層Oeから陰極Pa側(図2における上側)に向かって発光された光は、陰極Pa、封止部P1を通過する(以下、透過光という)。また、有機EL層Oeから陽極Pc側(図2における下側)に向かって発光された光は、陽極Pcによって反射され(以下、反射光という)、有機EL層Oe、陰極Pa、封止部P1を通過する。そして、前記透過光と反射光とが干渉した光が保護ガラス基板13b側に出射される。
次に、画素15(サブピクセル15R,15G,15R)の製造方法について以下に説明する。
まず、ガラス基板13の画素形成面13a全面に、ジシラン等を原料ガスにするCVD法等によってアモルファスシリコン膜を堆積する。次に、エキシマレーザ等によって同アモルファスシリコン膜に紫外光を照射し、画素形成面13a全面に結晶化したポリシリコン膜を形成する。続いて、フォトリソグラフィ法及びエッチング法等によって同ポリシリコン膜をパターニングし、チャンネル膜B1を形成する。
まず、ガラス基板13の画素形成面13a全面に、ジシラン等を原料ガスにするCVD法等によってアモルファスシリコン膜を堆積する。次に、エキシマレーザ等によって同アモルファスシリコン膜に紫外光を照射し、画素形成面13a全面に結晶化したポリシリコン膜を形成する。続いて、フォトリソグラフィ法及びエッチング法等によって同ポリシリコン膜をパターニングし、チャンネル膜B1を形成する。
チャンネル膜B1を形成すると、シラン等を原料ガスにするCVD法等によってチャンネル膜B1及び画素形成面13aの上側全面にシリコン酸化膜等を堆積してゲート絶縁膜D0を形成する。ゲート絶縁膜D0を形成すると、スパッタ法等によって同ゲート絶縁膜D0の上側全面にタンタル等の低抵抗金属膜を堆積し、同低抵抗金属膜をパターニングすることによって、ゲート絶縁膜D0の上側にゲート電極Pgを形成する。ゲート電極Pgを形成すると、同ゲート電極Pgをマスクにしたイオンドーピング法によって、チャンネル膜B1にn型領域(ソース領域及びドレイン領域)を形成する。続いて、スパッタ法等によってゲート電極Pg及びゲート絶縁膜D0の上側全面にITO等の光透過性を有する透明導電膜を堆積し、同透明導電膜をパターニングすることによって、ゲート電極Pgの上側にゲート配線M1を形成する。
ゲート配線M1を形成すると、TEOS(テトラエトキシシラン)等を原料にするCVD法によってゲート配線M1及びゲート絶縁膜D0の上側全面にシリコン酸化膜等を堆積して第1層間絶縁膜D1を形成する。第1層間絶縁膜D1を形成すると、フォトリソグラフィ法やエッチング法等によって、ソース領域及びドレイン領域から図2における上側に第1層間絶縁膜D1の上側までを開放する一対の円形孔(コンタクトホールHd,Hs)を形成する。コンタクトホールHd,Hsを形成すると、スパッタ法等によって同コンタクトホールHd,Hs内を金属シリサイド等で埋め込みながら第1層間絶縁膜D1の上側全面に金属膜を堆積する。そして、エッチング法等によって同コンタクトホールHd,Hs内以外の金属膜を除去し、ソースコンタクトSc及びドレインコンタクトDcを形成する。
各コンタクトSc,Dcを形成すると、スパッタ法等によって同コンタクトSc,Dc及び第1層間絶縁膜D1の上側全面にアルミニウム等の金属膜を堆積し、同金属膜をパターニングして各コンタクトSc,Dcに接続する電源線M2s及び陽極線M2dを形成する。次に、TEOS(テトラエトキシシラン)等を原料にするCVD法によって、これら電源線M2s、陽極線M2d及び第1層間絶縁膜D1の上側全面にシリコン酸化膜等を堆積して平坦化膜D2を形成する。続いて、フォトリソグラフィ法やエッチング法等によって、陽極線M2dの一部から図2における上側に平坦化膜D2の上側まで開放する円形孔(ビアホールHv)を形成する。ビアホールHvを形成すると、スパッタ法等によって、同ビアホールHv内を埋め込みながら平坦化膜D2の上側全面にクロム等の金属膜を堆積する。そして、この金属膜をパターニングして、ビアホールHvを介して陽極線M2dと接続する陽極Pcを形成する。
陽極Pcを形成すると、TEOS(テトラエトキシシラン)等を原料にするCVD法によって、陽極Pcの上側であって素子形成領域に対応する全面に二酸化ケイ素膜を堆積し、同二酸化ケイ素膜をパターニングして、絶縁膜Iとその絶縁膜Iの四隅の髭状の機能液引込み突起Ipを形成する。絶縁膜I及び機能液引込み突起Ipを形成すると、同絶縁膜I及び機能液引込み突起Ip上にレジスト等のマスクを形成して、同陽極Pc、絶縁膜I、機能液引込み突起Ip及び平坦化膜D2の上側全面に感光性ポリイミドやアクリル等の樹脂膜を堆積する。そして、前記レジスト等を剥離して、隔壁D3aを備えた第3層間絶縁膜D3を形成する。
次に、第3層間絶縁膜D3を形成すると、インクジェット法等によって、すなわち液滴吐出装置によって隔壁D3aに囲まれた陽極Pc上(素子形成領域)に正孔輸送層Otの構成材料(機能液)を吐出する。このとき、吐出された正孔輸送層Otの構成材料の毛細管力によって、正孔輸送層Otの構成材料は機能液引込み突起Ipを伝って素子形成領域の中央側から絶縁膜Iの四隅へと引き込まれ、素子形成領域の端まで(絶縁膜Iから露出した陽極Pc上側全面に)濡れ広がる。そして、その構成材料を乾燥及び固化することによって正孔輸送層Otを形成する。このとき、本実施形態では、形成された正孔輸送層Otの膜厚は、絶縁膜I及び機能液引込み突起Ipの膜厚より薄くなるように形成されている。
さらに、インクジェット法等によって、隔壁D3aに囲まれた同正孔輸送層Ot上に発光層Orの構成材料を吐出する。このとき、吐出された発光層Orの構成材料の毛細管力によって、発光層Orの構成材料は機能液引込み突起Ipを伝って素子形成領域の中央側から絶縁膜Iの四隅へと引き込まれ、素子形成領域の端(隔壁D3aの内壁)まで濡れ広がる。これにより、発光層Orの構成材料が濡れ広がらずに素子形成領域の中心に集まるのを防止することができる。そして、その吐出された発光層Orの構成材料を乾燥及び固化することによって発光層Orを形成し、正孔輸送層Otと発光層Orとを備えた有機EL層Oeが形成される。
有機EL層Oeを形成すると、スパッタ法等によって、同有機EL層Oe及び第3層間絶縁膜D3の上側全面にアルミニウム等の金属膜を堆積して陰極Paを形成する。陰極Paを形成すると、CVD法等によって、陰極Paの上側全面に樹脂等のコーティング材を堆積して封止部P1を形成する。これによって、画素形成面13a上に有機EL素子16を備えた画素15(サブピクセル15R,15G,15B)が形成される。
上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)本実施形態によれば、有機EL素子16は陽極Pc、絶縁膜I、有機EL層Oe及び陰極Paを積層して構成し、絶縁膜Iの四隅に髭状の機能液引込み突起Ipを有機EL素子16の中央に向かって突出形成した。そして、インクジェット法等によって、素子形成領域に正孔輸送層Ot及び発光層Orの構成材料をそれぞれ吐出すると、吐出された正孔輸送層Ot及び発光層Orの構成材料の毛細管力によって、それぞれの構成材料は機能液引込み突起Ipを伝って素子形成領域の中央から四隅へと引き込まれる。この結果、正孔輸送層Ot及び発光層Orの構成材料が素子形成領域の端まで濡れ広がるので、正孔輸送層Ot及び発光層Orの構成材料が素子形成領域の中心に集まるのを防止することができる。従って、素子形成領域内の濡れ広がり性を向上させることができる。
(1)本実施形態によれば、有機EL素子16は陽極Pc、絶縁膜I、有機EL層Oe及び陰極Paを積層して構成し、絶縁膜Iの四隅に髭状の機能液引込み突起Ipを有機EL素子16の中央に向かって突出形成した。そして、インクジェット法等によって、素子形成領域に正孔輸送層Ot及び発光層Orの構成材料をそれぞれ吐出すると、吐出された正孔輸送層Ot及び発光層Orの構成材料の毛細管力によって、それぞれの構成材料は機能液引込み突起Ipを伝って素子形成領域の中央から四隅へと引き込まれる。この結果、正孔輸送層Ot及び発光層Orの構成材料が素子形成領域の端まで濡れ広がるので、正孔輸送層Ot及び発光層Orの構成材料が素子形成領域の中心に集まるのを防止することができる。従って、素子形成領域内の濡れ広がり性を向上させることができる。
(2)本実施形態によれば、正孔輸送層Ot及び発光層Orの構成材料をそれぞれ素子形成領域の四隅まで濡れ広がらせるための機能液引込み突起Ipを形成するだけで、有機EL素子16(素子形成領域)内の濡れ広がり性を向上させることができる。この結果、例えば、インクジェット法で用いる液滴吐出装置を細かく制御し、素子形成領域の端まで
正孔輸送層Ot及び発光層Orの構成材料が到達するようにその構成材料の吐出位置を調整するときのように、最適な構成材料の吐出位置を決定するための製造時間が不要である。従って、生産性を落とすことなく素子形成領域内の濡れ広がり性を向上させることができる。
正孔輸送層Ot及び発光層Orの構成材料が到達するようにその構成材料の吐出位置を調整するときのように、最適な構成材料の吐出位置を決定するための製造時間が不要である。従って、生産性を落とすことなく素子形成領域内の濡れ広がり性を向上させることができる。
(3)本実施形態によれば、正孔輸送層Ot及び発光層Orの構成材料を素子形成領域の四隅に濡れ広がらせるための機能液引込み突起Ipを形成するだけで、濡れ広がり性を向上することができる。この結果、例えば、インクジェット法で用いる液滴吐出装置を細かく制御し、素子形成領域の端まで正孔輸送層Ot及び発光層Orの構成材料が到達するようにその構成材料の吐出位置を調整する際に使用する正孔輸送層Ot及び発光層Orの構成材料が不要である。従って、生産性を落とすことなく素子形成領域内の濡れ広がり性を向上させることができる。
(4)本実施形態によれば、機能液引込み突起Ipは、二酸化ケイ素膜をパターニングすることによって絶縁膜Iと共に形成されるので、機能液引込み突起Ip専用のレイヤ及びそのレイヤの構成材料、製造工程を設けることなく素子形成領域内の濡れ広がり性を向上することができる。従って、生産性を落とすことなく素子形成領域内の濡れ広がり性を向上させることができる。
(5)本実施形態によれば、機能液引込み突起Ipは、光透過性を有するため、発光層Orから発光された光を妨げることがないことから、輝度を低下させることなく、素子形成領域内の濡れ広がり性を向上させることができる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
○上記実施形態では、絶縁膜Iの四隅に髭状の機能液引込み突起Ipを形成したが、髭状に限らず、他の形状でもよい。例えば、図5に示すように、絶縁膜Iの四隅から少し離間して形成した円柱状の機能液引込み突起Ipであってもよい。また、例えば、図6に示すように、絶縁膜Iの四隅内側に櫛歯状に形成した機能液引込み突起Ipであってもよく、このとき、櫛歯状に形成した機能液引込み突起Ipの間に機能液を引き込みやすいことから、より濡れ広がり性を向上することができる。さらに、他の形状であってもよく、要は、液滴吐出装置によって正孔輸送層Otや発光層Orの構成材料が素子形成領域の端まで濡れ広がらせることができればよい。
○上記実施形態では、絶縁膜Iの四隅に髭状の機能液引込み突起Ipを形成したが、髭状に限らず、他の形状でもよい。例えば、図5に示すように、絶縁膜Iの四隅から少し離間して形成した円柱状の機能液引込み突起Ipであってもよい。また、例えば、図6に示すように、絶縁膜Iの四隅内側に櫛歯状に形成した機能液引込み突起Ipであってもよく、このとき、櫛歯状に形成した機能液引込み突起Ipの間に機能液を引き込みやすいことから、より濡れ広がり性を向上することができる。さらに、他の形状であってもよく、要は、液滴吐出装置によって正孔輸送層Otや発光層Orの構成材料が素子形成領域の端まで濡れ広がらせることができればよい。
○上記実施形態では、絶縁膜Iの四隅に髭状の機能液引込み突起Ipを形成したが、髭状に限らず、インクジェット法での構成材料の吐出方法に応じて形状や本数を変えてもよい。すなわち、小さな液滴を多数、複数回吐出する場合や、大きな液滴を少数吐出する場合等、それぞれに応じて、機能液引込み突起Ipの形状、本数を有機EL素子16の端まで正孔輸送層Ot及び発光層Orの構成材料を濡れ広がらせるのに最適な形状、本数になるように変えてもよい。これにより、構成材料の吐出方法に応じて最適な形状、本数の機能液引込み突起Ipを形成することができるので、より生産性を落とすことなく濡れ広がり性を向上させることができる。
○上記実施形態では、絶縁膜Iの四隅に髭状の機能液引込み突起Ipを形成したが、髭状に限らず、正孔輸送層Otや発光層Orの構成材料の表面張力(接触角)に応じて形状や本数を変えてもよい。すなわち、表面張力(接触角)が大きい構成材料の場合は濡れ広がり性が低いので機能液引込み突起Ipの本数を増やしたり、表面張力(接触角)が小さい構成材料の場合は濡れ広がり性が高いので機能液引込み突起Ipの本数を減らしたりしてもよい。これにより、構成材料の表面張力(接触角)に応じて最適な形状、本数の機能液引込み突起Ipを形成することができるので、より生産性を落とすことなく濡れ広がり性を向上させることができる。
○上記実施形態では、絶縁膜Iの四隅に髭状の機能液引込み突起Ipを形成したが、これを絶縁膜Iの四隅に限らず、絶縁膜Iの全周(内周)に機能液引込み突起Ipを設けてもよい。これにより、例えば、サブピクセル15R,15G,15Bの大きさが大きく、それに伴って有機EL素子16が大きいとき等の素子形成領域の端まで正孔輸送層Ot及び発光層Orの構成材料が濡れ広がり難いときにも、その全周に設けた機能液引込み突起Ipによって、濡れ広がり性を向上させることができる。
○上記実施形態では、ガラス基板13は透明であったが、ステンレス等の透明でない基板であってもよい。
○上記実施形態では、有機EL素子16はトップエミッション構造として具体化したが、図7に示すように、ボトムエミッション構造であってもよい。なお、図7は、ボトムエミッション構造として具体化したサブピクセル15Rの断面図である。この場合、基板は透明基板であって、陽極PcはITO等の光透過性を有する透明導電膜で形成する。そして、その陽極Pcの上面に絶縁膜Iを形成し、その絶縁膜Iの四隅に髭状の機能液引込み突起Ipを形成することにより、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
○上記実施形態では、有機EL素子16はトップエミッション構造として具体化したが、図7に示すように、ボトムエミッション構造であってもよい。なお、図7は、ボトムエミッション構造として具体化したサブピクセル15Rの断面図である。この場合、基板は透明基板であって、陽極PcはITO等の光透過性を有する透明導電膜で形成する。そして、その陽極Pcの上面に絶縁膜Iを形成し、その絶縁膜Iの四隅に髭状の機能液引込み突起Ipを形成することにより、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
○上記実施形態では、画素15のサブピクセル15R,15G,15Bの発光層Orとして赤色、緑色、青色の3つの有機材料を使い、フルカラー表示を行うように構成した。これを、白色光を発光する発光層Orを備えた有機EL素子16の上面にカラーフィルタを配置してフルカラー表示を行うように構成してもよい。すなわち、赤色に対応したサブピクセル15Rの上面には赤色のカラーフィルタ、緑色に対応したサブピクセル15Gの上面には緑色のカラーフィルタ、青色に対応したサブピクセル15Bの上面には青色のカラーフィルタを配置することにより、フルカラー表示を行う。
○上記実施形態では、画素15はサブピクセル15R,15G,15Bの発光層Orとして赤色、緑色、青色の3つの有機材料を使い、フルカラー表示を行うように構成した。これを、青色光を発光する発光層を備えた有機EL素子の上面に、サブピクセル15Rに対応して赤色の蛍光膜、サブピクセル15Gに対応して緑色の蛍光膜を配置して、フルカラー表示を行うように構成してもよい。
○上記実施形態では、表示モジュールを有機EL表示モジュール10として具体化した。これに限らず、例えば液晶ディスプレイを備えた表示モジュールであってもよく、あるいは平面状の電子放出素子を備え、同素子から放出された電子による蛍光物質の発光を利用した電界効果型ディスプレイ(FEDやSED等)を備えた表示モジュールであってもよい。
10…有機EL表示モジュール、11…有機ELディスプレイ、13…ガラス基板、15…画素、15R,15G,15B…サブピクセル、16…有機EL素子、D3a…隔壁、
Oe…有機EL層、Or…発光層、Ot…正孔輸送層、Pa…陰極、Pc…陽極、I…絶縁膜、Ip…機能液引込み突起。
Oe…有機EL層、Or…発光層、Ot…正孔輸送層、Pa…陰極、Pc…陽極、I…絶縁膜、Ip…機能液引込み突起。
Claims (9)
- 基板上に形成される隔壁内の有機層形成領域に有機層の構成材料を含んだ機能液を吐出して有機層を形成する電気光学素子において、
前記有機層を形成するために吐出された前記機能液を前記有機層形成領域の中央部から端部に向かって引き込むための引込み層を、前記有機層形成領域に形成したことを特徴とする電気光学素子。 - 請求項1に記載の電気光学素子において、
前記引込み層は、前記有機層を形成するために吐出された前記機能液を前記有機層形成領域の中央部から端部に向かって引き込むための突条であって、前記有機層形成領域の端部から中央部に向かって形成したことを特徴とする電気光学素子。 - 請求項1に記載の電気光学素子において、
前記引込み層は、前記有機層を形成するために吐出された前記機能液を前記有機層形成領域の中央部から端部に向かって引き込むための島であって、前記有機層形成領域の端部の近傍位置に形成したことを特徴とする電気光学素子。 - 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の電気光学素子において、
前記有機層は、発光層と、前記発光層の前記基板側に形成される正孔輸送層であって、
前記引込み層は、前記正孔輸送層を形成するために吐出された前記正孔輸送層の構成材料を含んだ機能液を前記有機層形成領域の中央部から端部に向かって引き込むことを特徴とする電気光学素子。 - 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の電気光学素子において、
前記有機層は、発光層と、前記発光層の前記基板側に形成される正孔輸送層であり、
前記引込み層は、前記発光層を形成するために前記正孔輸送層上に吐出された前記発光層の構成材料を含んだ機能液を前記有機層形成領域の中央部から端部に向かって引き込むことを特徴とする電気光学素子。 - 基板上に形成される隔壁内の有機層形成領域に有機層の構成材料を含んだ機能液を吐出して有機層を形成する電気光学素子の製造方法において、
前記有機層の構成材料を含んだ機能液を吐出する前に、当該機能液を前記有機層形成領域の中央部から端部に向かって引き込むための引込み層を形成したことを特徴とする電気光学素子の製造方法。 - 基板上に形成される隔壁内の発光層形成領域に発光層の構成材料を含んだ機能液を吐出して形成される発光層と、前記発光層の前記基板側に形成される正孔輸送層と、前記正孔輸送層の前記基板側に第1の電極と、前記第1の電極上であって前記正孔輸送層の外周に配置されて前記発光層と前記第1の電極とを絶縁する絶縁膜と、前記発光層の前記基板に遠い側に第2の電極とを形成し、前記第1及び第2の電極を介して前記発光層に電流を流すことによって前記発光層が発光する電気光学装置において、
前記発光層を形成するために吐出された前記機能液を前記発光層形成領域の中央部から端部に向かって引き込むための引込み層を前記絶縁膜にて形成したことを特徴とする電気光学装置。 - 請求項7に記載の電気光学装置において、
前記引込み層は、前記機能液を前記発光層形成領域の中央部から端部に向かって引き込むための突条であって、前記発光層形成領域の端部から中央部に向かって形成したことを特徴とする電気光学装置。 - 請求項7に記載の電気光学装置において、
前記引込み層は、前記機能液を前記発光層形成領域の中央部から端部に向かって引き込むための島であって、前記発光層形成領域の端部の近傍位置に形成したことを特徴とする電気光学装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2004361005A JP2006172791A (ja) | 2004-12-14 | 2004-12-14 | 電気光学素子、電気光学素子の製造方法、電気光学装置 |
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JP2004361005A JP2006172791A (ja) | 2004-12-14 | 2004-12-14 | 電気光学素子、電気光学素子の製造方法、電気光学装置 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2010238675A (ja) * | 2005-06-29 | 2010-10-21 | Samsung Electronics Co Ltd | ディスプレイ装置 |
JP5096641B1 (ja) * | 2011-09-05 | 2012-12-12 | パイオニア株式会社 | 有機elパネル及びその製造方法 |
-
2004
- 2004-12-14 JP JP2004361005A patent/JP2006172791A/ja not_active Withdrawn
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