JP2006171715A - 液晶電気光学装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】応答時間が短く且つ電圧保持率の低下しない液晶電気光学装置を提供する。
【解決手段】第1の電極及び前記第1の電極を覆うように第1の配向膜が形成された第1の基板と、第2の電極及び前記第2の電極を覆うように第2の配向膜が形成された第2の基板と、前記第1の基板と前記第2の基板との間に液晶層を有し、セルギャップが所定の大きさである液晶電気光学装置であって、液晶層はネマティック液晶とスメクティック相を有する液晶との混合体でなり、混合体におけるスメクティック相を有する液晶の割合は20重量%以下であり、立ち上がり応答時間と立ち下がり応答時間の相加平均は8m秒以下であることを特徴とする液晶電気光学装置。
【選択図】図1

Description

本発明はネマティック液晶材料とスメクティック相を有する液晶材料の混合体で構成される液晶層を有し、例えばツイステッドネマティックモードで動作させる液晶電気光学装置に関する。
現在、液晶電気光学装置は時計、電卓はもとよ、ワードプロセッサやノート型パーソナルコンピュータなどのOA機器、液晶テレビやPDA、携帯電話機など各種幅広い分野で用いられている。
この液晶電気光学装置で一般的に使用されているモードが、上下基板に形成された配向膜にラビング処理を施し、上下基板のラビング方向を90°ずらしたツイステッドネマティックモード(以下、本明細書ではTNモードという)である。TNモードは、一対の電極から液晶に電界を印加すると、電界と誘電率異方性の相互作用により液晶分子の長軸が基板と直角に配向する。そして液晶に電圧を印加しない時の液晶分子の状態(ツイスト)と印加した時の状態とを偏光板を用いて識別している。
液晶電気光学装置用として広く使用されているネマティック液晶を使い、TNモードを利用した液晶電気光学装置では、例えば特許文献1に記載されている応答時間(立ち上がり応答時間と立ち下がり応答時間の和)は20m秒以上である。しかし、動画を表示する場合や、フィールドシーケンシャル方式を採用する場合には、この応答時間では不充分であり、さらなる高速応答が可能である液晶材料の必要が生じていた。
特開平6−281963号公報
液晶テレビなどで動画表示を行う場合や、動作モードでフィールドシーケンシャル方式を採用する場合、ネマティック液晶材料を使用して、TNモードで液晶を駆動させるとき、液晶の応答時間が20m秒以上であると、液晶の応答が追いつかず残像が発生したり、コントラストが低下するなど、表示品位に影響を及ぼしてしまうという問題があった。また、セルギャップを狭くすることによって、液晶の応答時間を短くすることが可能であるが、セルギャップを狭くすることには限界がある。セルギャップとは、2枚の基板間に保持された液晶層の厚さ、又はその2枚の基板間の間隔である。
一対の基板それぞれに電極及び配向膜が形成され、電極及び配向膜が形成された一対の基板間に液晶層を有し、セルギャップが所定の大きさである液晶電気光学装置において、液晶層に使用する液晶材料をネマティック液晶とスメクティック相を有する液晶の混合体であってその混合体におけるスメクティック相を有する液晶の割合は20重量%以下のものを使用したことを特徴とするものである。このことにより、液晶の(液晶層に含まれる液晶分子の)応答時間を従来よりも短縮することができ、立ち上がり応答時間と立ち下がり応答時間の相加平均は8m秒以下となり、上記問題が解決される。
本発明を用いることにより、TNモードで液晶を駆動させた場合の応答時間を短縮する事が出来、ディスプレイでの残像の低減、コントラストの向上をはかることが出来るため、動画表示やフィールドシーケンシャル方式に適する。
ネマティック液晶とスメクティック相を有する液晶の混合体を使用しても、電圧保持率の低下がほとんど見られないため、ディスプレイでの画面のちらつきなどを気にする必要がない。
ネマティック液晶の等方相からネマティック相へ相転移する温度(以下、本明細書ではI−N転移温度という)よりも、等方相からの相転移温度が高いスメクティック相を有する液晶を混合することにより、混合体における等方相からの相転移温度が高くなるため、使用温度範囲を広げることが出来る。
(実施の形態1)
以下に、図1に概略図を示す液晶電気光学装置の作製方法を説明する。
ガラス基板、プラスチック基板、フィルム状基板などの透光性の基板を2枚用意し、これらの基板101、111それぞれの上に電極をスパッタ法または蒸着法にて成膜する。成膜する電極には、インジウム錫酸化物(ITO)、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化珪素を含むインジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物(IZO)等の透明導電膜が用いられる。
次に、フォトリソグラフィー工程により、成膜後の透明導電膜上にレジストパターンを、例えば次のような方法で形成する。透明導電膜上に、スピンコート法にてレジスト樹脂(紫外線感光性樹脂)の塗布を行う。その後ベークを行い、電極形成用のマスクを使用してプロキシミティ方式露光機、レンズプロジェクション方式露光機またはミラープロジェクション方式露光機にて露光を行う。その後、アルカリ現像液にて現像を行う。アルカリ現像液としては、トリメチルアンモニウムハイドライドやテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイドなどの有機アルカリや炭酸ナトリウムを用いることができる。最後に、流水洗浄にてアルカリ現像液を除去する。
次に、エッチャントにより前述の透明導電膜のレジストパターンに覆われていない部分に対し、エッチングを行う。前記エッチャントとしては、例えば塩酸水溶液、塩酸と硝酸の水溶液、塩化第2鉄と塩酸の水溶液が用いられる。エッチングにおいては、必要に応じて加熱し、反応性を高めても良い。また、ガスプラズマを用いるケミカルドライエッチング方式を用いても良い。
エッチング後、強アルカリイオンを用いた剥離液にてレジストを剥離する。その後、透明導電膜の透過率を上げ、抵抗率を下げるために、オーブンにて焼成を行うと良い。このようにして、透明導電膜でなる電極102、112の所定のパターンが形成される。透明導電膜を構成する材料を含む液体又はペーストを用いたスクリーン印刷等の印刷法により、レジストパターンの形成及びエッチングを行わずに電極102、112の所定のパターンを直接形成してもよい。印刷されたパターンを、200℃〜300℃で焼成することによって、電極102、112が形成される。
次に、電極102が形成された基板101及び電極112が形成された基板111を洗浄後、電極102を覆うように基板101上に配向膜103を、電極112を覆うように基板111上に配向膜113を形成する。配向膜103、113は、例えばN−メチル−2−ピロリドンなどとセロソルブアセテートなどを混ぜた溶媒にポリアミック酸を溶解させたポリイミド樹脂、または、ポリアミック酸をイミド化させて溶媒に溶かしたポリイミド樹脂(日産化学工業株式会社製SE7792)を例えば40nm以上50nm以下の厚さにオフセット印刷等にて印刷、またはスピナーにてスピン塗布し、その後クリーンオーブンにて焼成を行うことによって形成する。このようにして形成された配向膜103、113の表面を、フェルトや木綿などのラビング布で擦るラビング法にて所定の方向に配向処理を行い、洗浄を行う。
配向膜103、113の材料を選択する際、通常のラビング法により、液晶分子に1°以上9°以下、例えば6°以上7°以下のプレチルト角が発現するような材料を選択する。
次に、円柱状または球状のギャップ保持材を所定の割合で、例えば1.5重量%混合したシール材105を用い、基板101、111の一方に、ディスペンサー、またはスクリーン印刷にてその一方の基板に形成されている電極102または112よりも外側にシールパターンを形成する。ギャップ保持材としてはSiOを主成分とするものが好ましく、例えばその直径が2.2μmのものを使用することができる。また、シール材105として、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂のような熱硬化性、または紫外線硬化性の樹脂を使用することができる。
次に、アルコールを主成分とする溶媒、例えばイソプロピルアルコールに、上記ギャップ保持材よりも直径が小さい、例えば直径2μmの間隙材(スペーサー)104を混合して、超音波を印加することにより分散させる。溶媒は、水とアルコールを主成分とする混合溶媒でも良い。この間隙材(スペーサー)104を分散させた溶媒を用い、上記シールパターンを形成していない他方の基板上にスピナーを使用して間隙材(スペーサー)104を散布する。間隙材(スペーサー)104は、球状タイプであればSiOを主成分とするスペーサー(ガラススペーサー)でも樹脂製スペーサー(プラスチックビーズスペーサー)でも良い。また、散布は前記ウェット式散布に限らず、ドライエアーや圧搾ドライ窒素などの気流で粉体状のスペーサーを基板上に散布するドライ式散布でも構わない。
次に、シールパターンを形成した基板101、111の一方とスペーサーを散布した他方の基板を貼り合わせる。例えば、配向膜103、113それぞれに対して行ったラビングの方向が互いに90°ずれる様に貼り合わせを行い、液晶パネルシール焼成治具にて圧力をかけながら、クリーンオーブンにて熱プレスを行う。または、ホットプレート上で圧力をかけながら熱プレスを行う。熱プレス後の基板を、スクライバーにて電極を取り出せる様に所定のサイズのパネルに分断する。
次に、ネマティック液晶とスメクティック相を有する液晶を、電子天秤にてスメクティック相を有する液晶の割合が20重量%を超えない範囲でそれぞれ秤量し、それらを混合する。スメクティック相を有する液晶の割合が20重量%を超えると、強誘電性電気光学効果が強くなってしまう。
スメクティック相を有する液晶として、単安定性強誘電性液晶又は双安定性強誘電性液晶を使用することができ、また等方相、スメクティックC相、結晶の順に相転移するもの又は等方相、ネマティック相、スメクティックA相、スメクティックC相、結晶の順に相転移するものを使用することができる。
ネマティック液晶として、誘電率異方性Δεが正の値を示すもの、特に20℃においてΔεが5以上10以下を示すものを使用することができ、またシアノ基を有するシアノ系液晶又は炭素−フッ素結合を有するフッ素系液晶を使用することができ、またカイラル剤が添加されているものを使用することができる。誘電率異方性Δεの値は、立ち上がり応答時間に影響を与える。カイラル剤をネマティック液晶に添加することによって、ディスクリネーションを抑制することができる。
混合した液晶をデータプレート上で例えば100℃に加熱しながら、スターラーにて所定の時間、例えば1時間攪拌する。攪拌時の温度は、ネマティック液晶のI−N転移温度とスメクティック相を有する液晶の等方相からの相転移温度の、いずれか高い方の相転移温度以上であれば良い。前記相転移温度以上で攪拌することにより、ネマティック液晶とスメクティック相を有する液晶が混ざり合い、攪拌後の状態を見ると分離している様子は見られない。
前述のパネルに、前記ネマティック液晶とスメクティック相を有する液晶の混合体を所定の温度、例えば100℃のホットプレート上で毛細管現象を利用して注入する。注入は真空注入法を用いても良い。注入後の配向状態をバックライト上で偏光板に挟んで確認したところ、分離している様子は確認出来ない。上記混合体を用いた液晶層106を、図1に示す。
前述の配向処理(ラビング)が終了した基板101、111の一方に、間隙材(スペーサー)104を散布し、シール材105によるシールパターンを形成した後、シールパターンに囲まれた領域にネマティック液晶とスメクティック相を有する液晶の混合体を滴下し、その一方の基板と他方の基板とを貼り合わせる方法を用いてもよい。また、球状の間隙材(スペーサー)104を上述のように散布する代わりに、一方の基板上に絶縁材料でなる柱状のパターンを形成することによって、柱状の間隙材(スペーサー)を設けてもよい。
以上のようにして作製された液晶電気光学装置のセルギャップを測定したところ、2.0μm以上2.5μm以下の範囲内であった。
作製された液晶電気光学装置は、スメクティック相を有する液晶の割合が20重量%以下の、ネマティック液晶とスメクティック相を有する液晶の混合体を使用したとき、立ち上がり応答時間、立ち上がり応答時間と立ち下がり応答時間の相加平均を、共に短くすることができる。特定のネマティック液晶、即ちセルギャップとそのネマティック液晶の屈折率異方性Δnとの積が0.27μm以上0.34μm以下の範囲となるものを用いることで、スメクティック相を有する液晶の割合が20重量%以下の混合体を使用したとき、立ち上がり応答時間、立ち上がり応答時間と立ち下がり応答時間の相加平均を、共に短くすることができ、さらに液晶電気光学装置に表示される画像は高いコントラストで得られる。
立ち上がり応答時間とは、複数の液晶分子の長軸が、2枚の基板間で連続的にねじれた状態から、基板表面に対して垂直方向に配列することによって、明暗が切り替わる時間を意味する。逆に、立ち下がり応答時間とは、複数の液晶分子の長軸が、基板表面に対して垂直方向に配列した状態から、2枚の基板間で連続的にねじれた状態に戻ることによって、明暗が切り替わる時間を意味する。
また、ネマティック液晶に、そのI−N転移温度よりも高い等方相からの相転移温度を示すスメクティック相を有する液晶を混合することによって、混合体の等方相からの相転移温度をそのネマティック液晶のI−N転移温度よりも高くすることができる。
(実施の形態2)
実施の形態1によって作製された、ネマティック液晶とスメクティック相を有する液晶の混合体を用いた液晶電気光学装置について、立ち上がり応答時間及び立ち下がり応答時間を測定し、さらに電圧保持率を求めた。また、上記混合体について、加熱して等方相の状態を得たのち冷却する際に等方相から相転移する温度を測定した。
応答時間の測定方法を示す。ネマティック液晶とスメクティック相を有する液晶の混合体で満たされた液晶層を有するパネルに、リード線を接続する。偏光顕微鏡を用いて、2枚の偏光板を互いにクロスニコルにして、それらの間に上記パネルを配置する。上記リード線に電圧を印加し、液晶の応答時間をオシロスコープを用いて観察する。波形発生器(電源)にて、0V〜10Vの矩形波で1Hzの周波数の電圧を印加する。上記オシロスコープに出力される波形(パルス)は、液晶層を透過する光の強度の時間に対する変化を表す。その波形(パルス)の振幅が大きいほど、液晶電気光学装置に表示される画像のコントラストが高いと言える。
電圧保持率を求める方法を示す。電界効果型トランジスタを用いて、64μ秒、10Vのパルスを30m秒毎に、ネマティック液晶とスメクティック相を有する液晶の混合体で満たされたパネルに印加し、そのときの液晶電気光学装置の電位の低下率を実効値から求め、電圧保持率とする。電圧保持率を測定する目的は、ネマティック液晶にスメクティック相を有する液晶を混合することによる液晶の劣化を調べることにある。
ネマティック液晶としてメルク社製TL215を、スメクティック相を有する液晶としてクラリアント社製R2401を使用した場合について、等方相からの相転移温度を測定した結果を図2に、立ち上がり応答時間(Tr)及び立ち下がり応答時間(Td)を測定すると共にそれらの相加平均(AVG)を求めた結果を図3に、電圧保持率を求めた結果を図4に示す。
メルク社製TL215は、フッ素系液晶であり、20℃においてネマティック相であり、I−N転移温度を超える温度において等方相である。また、誘電率異方性Δεは20℃において8.5であり、屈折率異方性Δnは589nmの光を用いた場合20℃において0.2042であり、粘度は20℃において44mm−1である。クラリアント社製R2401は、単安定性強誘電性液晶であり、等方相、スメクティックC相、結晶の順で相転移し、20℃においてスメクティックC相である。
スメクティック相を有する液晶R2401の割合が20重量%以下の範囲において、混合体中のスメクティック相を有する液晶R2401の割合が増加すると、等方相からの相転移温度はネマティック液晶TL215のみを用いた場合よりも上昇することが確認された。ネマティック液晶TL215のI−N転移温度は82℃であり、スメクティック相を有する液晶R2401の等方相からスメクティックC相への転移温度は87.2℃となっているため、等方相からの相転移温度が高い方の液晶に影響されるためである。
また、スメクティック相を有する液晶R2401の割合が20重量%以下である15重量%、20重量%の混合体を用いた場合、ネマティック液晶TL215のみを用いた場合よりも、立ち上がり応答時間は13m秒より短い12.3m秒になり、立ち上がり応答時間と立ち下がり応答時間の相加平均も7m秒より短くなる傾向が確認され約6.9m秒となった。立ち下がり応答時間は、2m秒を超えることはなかった。
また、スメクティック相を有する液晶R2401の割合が20重量%以下の混合体を用いた場合、ネマティック液晶TL215のみを用いた場合の電圧保持率が99%であるのに対し、上記混合体中のスメクティック相を有する液晶R2401の割合が増加しても、電圧保持率は98%〜99%とほとんど変化はみられないことが確認された。
(実施の形態3)
ネマティック液晶として実施の形態2と同じメルク社製TL215を、スメクティック相を有する液晶として実施の形態2とは異なるクラリアント社製M4851/100を使用した場合について、等方相からの相転移温度を測定した結果を図5に、立ち上がり応答時間(Tr)及び立ち下がり応答時間(Td)を測定すると共にそれらの相加平均(AVG)を求めた結果を図6に、電圧保持率を求めた結果を図7に示す。
クラリアント社製M4851/100は、双安定性強誘電性液晶であり、等方相、ネマティック相、スメクティックA相、スメクティックC相、結晶の順で相転移し、20℃においてスメクティックC相である。
スメクティック相を有する液晶M4851/100の割合が20重量%以下である5重量%、10重量%、15重量%の混合体において、ネマティック液晶TL215のみを用いた場合よりも等方相からの相転移温度は下降することが確認された。ネマティック液晶TL215のI−N転移温度は82℃であり、スメクティック相を有する液晶M4851/100のI−N転移温度は64.8℃となっているため、I−N転移温度が低い方の液晶に影響されるためである。しかしながら、スメクティック相を有する液晶M4851/100の割合が5重量%、10重量%、15重量%の混合体において、等方相からの相転移温度は80℃±0.5℃の範囲であり、82℃からの下降は2℃程度にとどまった。
また、スメクティック相を有する液晶M4851/100の割合が20重量%以下である10重量%、15重量%の混合体を用いた場合、ネマティック液晶TL215のみを用いた場合よりも、立ち上がり応答時間は13m秒より短く最大で2.5m秒短くなり、立ち上がり応答時間と立ち下がり応答時間の相加平均も7m秒より短くなる傾向が確認され5.8m秒以上6.2m秒以下となった。立ち下がり応答時間は、2m秒を超えることはなかった。
また、スメクティック相を有する液晶M4851/100の割合が20重量%以下である5重量%、10重量%、15重量%の混合体を用いた場合、ネマティック液晶TL215のみを用いた場合の電圧保持率が99%であるのに対し、上記混合体中のスメクティック相を有する液晶M4851/100の割合が増加しても、電圧保持率は98%〜99%とほとんどに変化はみられないことが確認された。
(実施の形態4)
ネマティック液晶として実施の形態2と異なるメルク社製MJ961083を、スメクティック相を有する液晶として実施の形態2と同じクラリアント社製R2401を使用した場合について、等方相からの相転移温度を測定した結果を図8に、立ち上がり応答時間(Tr)及び立ち下がり応答時間(Td)を測定すると共にそれらの相加平均(AVG)を求めた結果を図9に、電圧保持率を求めた結果を図10に、液晶層を透過する光の強度の時間に対する変化を表すオシロスコープに出力された波形を図11に示す。
メルク社製MJ961083は、フッ素系液晶であり、20℃においてネマティック相であり、I−N転移温度を超える温度において等方相である。また、誘電率異方性Δεは20℃において10であり、屈折率異方性Δnは波長589nmの光を用いた場合20℃において0.1355であり、粘度は20℃において26mm−1である。
スメクティック相を有する液晶R2401の割合が20重量%以下である5重量%、15重量%の混合体において、ネマティック液晶MJ961083のみを用いた場合と比較して、等方相からの相転移温度はほとんど変化しないことが確認された。ネマティック液晶MJ961083のI−N転移温度は101.4℃であり、スメクティック相を有する液晶R2401の等方相からの相転移温度は前述のとおり87.2℃となっている。
また、スメクティック相を有する液晶R2401の割合が20重量%以下である5重量%、15重量%の混合体を用いた場合、立ち上がり応答時間はネマティック液晶MJ961083のみを用いた場合の16m秒より短く最大で4m秒短くなり、立ち上がり応答時間と立ち下がり応答時間の相加平均もネマティック液晶MJ961083のみを用いた場合の8.4m秒より最大で2m秒短くなり8m秒以下になる傾向が確認された。立ち下がり応答時間は、2m秒を超えることはなかった。本実施の形態において、セルギャップとネマティック液晶の屈折率異方性Δnとの積は、0.27μm以上0.34μm以下の範囲である。
また、スメクティック相を有する液晶R2401の割合が20重量%以下である5重量%、15重量%の混合体を用いた場合、ネマティック液晶MJ961083のみを用いた場合の電圧保持率が98%であるのに対し、上記混合体中のスメクティック相を有する液晶R2401の割合が増加しても、電圧保持率は96%〜97%とほとんど変化はみられないことが確認された。
さらに図11から、ネマティック液晶MJ961083のみを用いた場合(凡例に0wt%と示す)よりも、スメクティック相を有する液晶R2401の割合が5重量%の混合体を用いた場合(凡例に5wt%と示す)、及びスメクティック相を有する液晶R2401の割合が15重量%の混合体を用いた場合(凡例に15wt%と示す)の方が、高いコントラストが得られることが判断できる。図11において、縦軸の値がゼロに近いほど液晶層を透過する光の強度が小さく、表示は暗くなり(黒レベルが上昇すると表現できる)、縦軸の絶対値が大きいほど液晶層を透過する光の強度が大きく、表示は明るくなる(白レベルが上昇すると表現できる)。したがって図11は、スメクティック相を有する液晶R2401の割合が5重量%及び15重量%の混合体を用いることによって、ネマティック液晶MJ961083のみを用いるよりも、白レベルが上昇することを示している。図11には示していないが、スメクティック相を有する液晶R2401の割合が10重量%の混合体を用いた場合も、ネマティック液晶MJ961083のみを用いた場合より白レベルが上昇し、高いコントラストが得られることがわかった。
(実施の形態5)
ネマティック液晶として実施の形態4と同じメルク社製MJ961083を、スメクティック相を有する液晶として実施の形態3と同じクラリアント社製M4851/100を使用した場合について、等方相からの相転移温度を測定した結果を図12に、立ち上がり応答時間(Tr)及び立ち下がり応答時間(Td)を測定すると共にそれらの相加平均(AVG)を求めた結果を図13に、電圧保持率を求めた結果を図14に、液晶層を透過する光の強度の時間に対する変化を表すオシロスコープに出力された波形を図15に示す。
スメクティック相を有する液晶M4851/100の割合が20重量%以下である5重量%、15重量%の範囲において、混合体中のスメクティック相を有する液晶M4851/100の割合が増加すると、ネマティック液晶MJ961083のみを用いた場合よりも等方相からの相転移温度は下降することが確認された。ネマティック液晶MJ961083のI−N転移温度は101.4℃であり、スメクティック相を有する液晶M4851/100のI−N転移温度は64.8℃となっているため、I−N転移温度が低い方の液晶に影響されるためである。
また、スメクティック相を有する液晶M4851/100の割合が20重量%以下である5重量%、15重量%の混合体を用いた場合、ネマティック液晶MJ961083のみを用いた場合よりも、立ち上がり応答時間は16m秒より短く最大で2.7m秒短くなり、立ち上がり応答時間と立ち下がり応答時間の相加平均も8.4m秒より最大で1.3m秒短くなり8m秒以下になる傾向が確認された。立ち下がり応答時間は、2m秒を超えることはなかった。本実施の形態において、セルギャップとネマティック液晶の屈折率異方性Δnとの積は0.27μm以上0.34μm以下の範囲である。
また、スメクティック相を有する液晶M4851/100の割合が20重量%以下である5重量%、15重量%の混合体を用いた場合、ネマティック液晶MJ961083のみを用いた場合の電圧保持率が98%であるのに対し、上記混合体中のスメクティック相を有する液晶M4851/100の割合が増加しても、電圧保持率は97%〜98%とほとんど変化はみられないことが確認された。
さらに図15から、ネマティック液晶MJ961083のみを用いた場合(凡例に0wt%と示す)よりも、スメクティック相を有する液晶M4851/100の割合が5重量%の混合体を用いた場合(凡例に5wt%と示す)、及びスメクティック相を有する液晶M4851/100の割合が15重量%の混合体を用いた場合(凡例に15wt%と示す)の方が、高いコントラストが得られることが判断できる。図15において、縦軸の値がゼロに近いほど液晶層を透過する光の強度が小さく、表示は暗くなり(黒レベルが上昇すると表現できる)、縦軸の絶対値が大きいほど液晶層を透過する光の強度が大きく、表示は明るくなる(白レベルが上昇すると表現できる)。したがって図15は、スメクティック相を有する液晶M4851/100の割合が5重量%及び15重量%の混合体を用いることによって、ネマティック液晶MJ961083のみを用いるよりも、白レベルが上昇することを示している。図15には示していないが、スメクティック相を有する液晶M4851/100の割合が10重量%の混合体を用いた場合も、ネマティック液晶MJ961083のみを用いた場合より白レベルが上昇し、高いコントラストが得られることがわかった。
以上の結果は、単純マトリクス型、アクティブマトリクス型いずれの液晶電気光学装置にも適用可能であり、透過型、反射型いずれの液晶電気光学装置にも適用可能である。
本明細書に開示する発明が適用される液晶電気光学装置の一例を、図16に示す。
第1の基板1401と第2の基板1402の間に液晶層1404を有し、これらの基板同士はシール材1400により接着される。液晶層1404には、ネマティック液晶とスメクティック相を有する液晶の混合体であって、所定の割合でカイラル剤が添加され、且つスメクティック相を有する液晶の割合が20重量%を超えない範囲で実施の形態1、2、3、4又は5に示す割合のものを用いる。また、セルギャップは、実施の形態1と同様、2.0μm以上2.5μm以下とする。
第1の基板1401には画素部1403が形成され、第2の基板には着色層1405が形成される。着色層1405は、カラー表示を行う際に必要であり、RGB方式の場合、赤、緑、青の各色に対応した着色層が、各画素に対応して設けられている。着色層1405上には対向電極及び配向膜が形成される。第1の基板1401及び第2の基板1402の外側には、それぞれ偏光板1406、1407が設けられる。また、偏光板1407の表面には、保護膜1416が形成されており、外部からの衝撃を緩和する。
画素部1403には、画素電極及びそれと電気的に接続された1つ又は複数の薄膜トランジスタが、各画素に対応して設けられる。画素部1403上には配向膜が形成される。
第1の基板1401に設けられた接続端子1408には、FPC1409を介して配線基板1410が接続されている。FPC1409又は接続配線にはICチップにより形成された駆動回路1411が設けられ、配線基板1410には、コントロール回路や電源回路などの外部回路1412が設けられている。
冷陰極管1413、反射板1414及び光学フィルム1415はバックライトユニットであり、これらが光源となる。第1の基板1401、第2の基板1402、上記光源、配線基板1410、及びFPC1409は、ベゼル1417で保持及び保護されている。
本実施例に示した液晶電気光学装置は、例えば、携帯電話機、テレビ受像機、デジタルカメラ等のカメラ、ノート型等のパーソナルコンピュータ、液晶プロジェクタなどの電子機器に搭載される。
図17は、本明細書に開示する発明が適用される液晶電気光学装置、例えば実施例1に示す液晶電気光学装置が搭載される携帯電話機の一例を示している。
液晶電気光学装置1501はハウジング1530に脱着自在に組み込まれる。ハウジング1530は液晶電気光学装置1501のサイズに合わせて、形状や寸法を適宜変更することができる。液晶電気光学装置1501を固定したハウジング1530はプリント基板1531に嵌め込まれ、モジュールとして組み立てられる。
液晶電気光学装置1501はFPC1502を介してプリント基板1531に接続される。プリント基板1531には、スピーカー1532、マイクロフォン1533、送受信回路1534、CPU及びコントローラなどを含む信号処理回路1535が形成されている。このようなモジュールと、入力手段1536、バッテリ1537を組み合わせ、筐体1539に収納する。液晶電気光学装置1501の画素部は筐体1539に形成された開口窓から視認できるように配置する。
本実施例の携帯電話機において、本明細書に開示する発明の特徴である、所定の割合でネマティック液晶とスメクティック相を有する液晶とを混合した混合体を液晶層に用いた液晶電気光学装置を搭載することによって、残像の低減及びコントラストの向上をはかることが出来、画面のちらつきなどを気にする必要がなく、静止画のみならず動画の表示にも適するという効果を奏する。また、ネマティック液晶のI−N転移温度よりも、等方相からの相転移温度が高いスメクティック相を有する液晶を混合した混合体を用いることで、等方相からの相転移温度が高くなるため、使用温度範囲を広げることが出来るという効果を奏する。
本実施例に係る携帯電話機は、その機能や用途に応じてさまざまな態様に変容し得る。例えば、液晶電気光学装置を複数備えたり、筐体を適宜複数に分割して蝶番により開閉式とした構成としても、上記効果を奏することができる。
図18(A)は、テレビ受像機(液晶テレビ)に搭載される、表示パネル1601と回路基板1602を組み合わせた液晶電気光学装置を示している。回路基板1602には、例えば、コントロール回路1603や信号分割回路1604などが形成されている。図18(A)は、信号線駆動回路1605及び走査線駆動回路1606は、画素部1607と同一の基板上に形成される例を示しているが、信号線駆動回路1605と走査線駆動回路1606の一方のみを画素部1607と同一基板上に形成してもよく、信号線駆動回路1605と走査線駆動回路1606の一方又は両方の構成要素の一部のみを画素部1607と同一基板上に形成してもよい。
この表示パネル1601の液晶層には、本明細書に開示する発明の特徴である、所定の割合でネマティック液晶とスメクティック相を有する液晶とを混合した混合体が用いられる。
図18(A)に示す液晶電気光学装置を筐体1611に組みこんで、図18(B)に一例を示すテレビ受像機を完成させることができる。液晶電気光学装置により、表示画面1612が形成される。また、スピーカー1613、操作スイッチ1614などが適宜備えられている。
本実施例のテレビ受像機(液晶テレビ)において、本明細書に開示する発明の特徴である、所定の割合でネマティック液晶とスメクティック相を有する液晶とを混合した混合体を液晶層に用いた液晶電気光学装置を搭載することによって、残像の低減及びコントラストの向上をはかることが出来、画面のちらつきなどを気にする必要がなく、動画を表示するのに適するという効果を奏する。また、ネマティック液晶のI−N転移温度よりも、等方相からの相転移温度が高いスメクティック相を有する液晶を混合した混合体を用いることで、等方相からの相転移温度が高くなるため、使用温度範囲を広げることが出来るという効果を奏する。
本明細書に開示する発明が適用される液晶電気光学装置が搭載される、投影型表示装置(液晶プロジェクタ)の一例を示す。
図19(A)及び図19(B)に示す背面投影型表示装置1701は、プロジェクタユニット1702、ミラー1703、スクリーン1704を備えている。その他にスピーカー1705、操作スイッチ1706を備えている場合もある。このプロジェクタユニット1702は、背面投影型表示装置1701の筐体1707の下部に配設され、映像信号に基づいて映像を映し出す投射光をミラー1703に向けて投射する。背面投影型表示装置1701はスクリーン1704の背面から投影される映像を表示する構成となっている。
一方、図20は、前面投影型表示装置1801を示している。前面投影型表示装置1801は、プロジェクタユニット1802と投射光学系1803を備えている。この前面投影型表示装置1801はその前面に配設するスクリーン等に映像を投影する構成となっている。
図19(A)及び図19(B)に示す背面投影型表示装置1701、図20に示す前面投影型表示装置1801にそれぞれ適用されるプロジェクタユニット1702、1802の構成を以下に説明する。
図21は、プロジェクタユニットの一例を示している。このプロジェクタユニット1901は、光源ユニット1902及び変調ユニット1903を備えている。光源ユニット1902は、レンズ類で構成された光源光学系1904と、光源ランプ1905を備えている。光源ランプ1905は迷光が拡散しないように筐体内に収納されている。光源ランプ1905としては、大光量の光を放射可能な、例えば、高圧水銀ランプやキセノンランプなどが用いられる。光源光学系1904は、光学レンズ、偏光機能を有するフィルム、位相差を調節するためのフィルム、IRフィルム等を適宜設けて構成される。そして、光源ユニット1902は、放射光が変調ユニット1903に入射するように配設されている。変調ユニット1903は、複数の液晶電気光学装置1906、位相差板1907、ダイクロイックミラー1908、全反射ミラー1909、プリズム1910、投射光学系1911を備えている。光源ユニット1902から放射された光は、ダイクロイックミラー1908で複数の光路に分離される。
各光路には、所定の波長若しくは波長帯の光を透過するカラーフィルターを伴う液晶電気光学装置1906が備えられている。透過型である液晶電気光学装置1906は映像信号に基づいて透過光を変調する。液晶電気光学装置1906を透過した各色の光は、プリズム1910に入射し投射光学系1911を通して、スクリーン上に映像を表示する。プロジェクタユニット1901によって投射され、必要に応じてミラーで反射された投影光は、フレネルレンズによって概略平行光に変換され、スクリーンに投影される。
図22で示すプロジェクタユニット2001は、反射型液晶電気光学装置2002を複数備えた構成を示している。反射型液晶電気光学装置2002は、実施例1の液晶電気光学装置において、画素部における画素電極がアルミニウム、チタンのような金属、又はこれらの合金により形成され、一対の基板のうち少なくとも一方が透光性を有すればよい。
このプロジェクタユニット2001は、光源ユニット2003と変調ユニット2004を備えている。光源ユニット2003は、図21に示す光源ユニット1902と同様の構成である。光源ユニット2003から放射された光は、ダイクロイックミラー2005で赤の波長領域の光のみを透過し、緑および青の波長領域の光を反射する。さらに、ダイクロイックミラー2006では、緑の波長領域の光のみが反射される。ダイクロイックミラー2005を透過した赤の波長領域の光は、全反射ミラー2007で反射され、偏光ビームスプリッタ2008へ入射する、また、緑の波長領域の光は偏光ビームスプリッタ2009へ入射し、青の波長領域の光は偏光ビームスプリッタ2010に入射する。偏光ビームスプリッタ2008、2009、2010は、入射光をP偏光とS偏光に分離する機能を有し、且つP偏光を透過させる機能を有するものであり、複数の反射型液晶電気光学装置2002それぞれに対応するように配置される。反射型液晶電気光学装置2002で反射し偏光ビームスプリッタを透過した各色の光は、プリズム2011に入射し、投射光学系2012を通してスクリーンに投射される。
図22に示すプロジェクタユニットは、図19(A)及び図19(B)に示す背面投影型表示装置、並びに図20に示す前面投影型表示装置に適用することができる。
図23(A)、図23(B)及び図23(C)に示すプロジェクタユニットは単板式の構成を示している。図23(A)に示したプロジェクタユニットは、光源ユニット2101、液晶電気光学装置2102、位相差板2103、投射光学系2104を備えている。投射光学系2104は一つ又は複数のレンズにより構成されている。液晶電気光学装置2102にはカラーフィルターが設けられている。
図23(B)は、フィールドシーケンシャル方式で動作するプロジェクタユニットの構成を示している。フィールドシーケンシャル方式は、赤、緑、青などの各色の光を時間的にずらせて順次液晶パネルに入射させて、カラーフィルター無しでカラー表示を行う方式である。特に、高速応答性の液晶電気光学装置と組み合わせると高精細な映像を表示することができる。図23(B)に示すプロジェクタユニットは、光源ユニット2111と液晶電気光学装置2112の間に、赤、緑、青などの複数のカラーフィルターが備えられた回動式のカラーフィルター板2113を備え、さらに投射光学系2114を備えている。
図23(C)に示すプロジェクタユニットは、カラー表示の方式として、マイクロレンズを使った色分離方式の構成を示している。この方式は、マイクロレンズアレイ2123を液晶電気光学装置2122の光入射側に備え、各色の光をそれぞれの方向から照明することでカラー表示を実現する方式である。この方式を採用するプロジェクタユニットは、カラーフィルターによる光の損失がないので、光源ユニット2121からの光を有効に利用することができるという特徴を有している。図23(C)に示すプロジェクタユニットは、液晶電気光学装置2122に対して各色の光をそれぞれの方向から照明するように、ダイクロイックミラー2125、2126、2127を備え、さらに投射光学系2124を備えている。
本実施例の投影型表示装置(液晶プロジェクタ)において、本明細書に開示する発明の特徴である、所定の割合でネマティック液晶とスメクティック相を有する液晶とを混合した混合体を液晶層に用いた液晶電気光学装置を搭載することによって、残像の低減及びコントラストの向上をはかることが出来、画面のちらつきなどを気にする必要がなく、動画を表示するのに適するという効果を奏する。特に、フィールドシーケンシャル方式で動作するプロジェクタユニットに用いる液晶電気光学装置として、本明細書に開示する発明を適用した液晶電気光学装置は好適である。また、ネマティック液晶のI−N転移温度よりも、等方相からの相転移温度が高いスメクティック相を有する液晶を混合した混合体を用いることで、等方相からの相転移温度が高くなるため、使用温度範囲を広げることが出来るという効果を奏する。
本明細書に開示する発明は、上記実施例2、実施例3及び実施例4に示す電子機器に限らず、液晶電気光学装置が搭載される他の電子機器にも適用可能である。
TNモード液晶電気光学装置の概略図 実施の形態2における等方相からの相転移温度の変化を示す図 実施の形態2における応答時間の変化を示す図 実施の形態2における電圧保持率の変化を示す図 実施の形態3における等方相からの相転移温度の変化を示す図 実施の形態3における応答時間の変化を示す図 実施の形態3における電圧保持率の変化を示す図 実施の形態4における等方相からの相転移温度の変化を示す図 実施の形態4における応答時間の変化を示す図 実施の形態4における電圧保持率の変化を示す図 実施の形態4におけるオシロスコープに出力された波形を示す図 実施の形態5における等方相からの相転移温度の変化を示す図 実施の形態5における応答時間の変化を示す図 実施の形態5における電圧保持率の変化を示す図 実施の形態5におけるオシロスコープに出力された波形を示す図 実施例1における液晶電気光学装置を示す図 実施例2における携帯電話機を示す図 実施例3におけるテレビ受像機を示す図 実施例4における背面投影型表示装置を示す図 実施例4における前面投影型表示装置を示す図 実施例4における投影型表示装置のプロジェクタユニットの構成を示す図 実施例4における投影型表示装置のプロジェクタユニットの構成を示す図 実施例4における投影型表示装置のプロジェクタユニットの構成を示す図
符号の説明
101 基板
111 基板
102 電極
112 電極
103 配向膜
113 配向膜
104 間隙材(スペーサー)
105 シール材
106 液晶層
1400 シール材
1401 第1の基板
1402 第2の基板
1403 画素部
1404 液晶層
1405 着色層
1406 偏光板
1407 偏光板
1408 接続端子
1409 FPC
1410 配線基板
1411 駆動回路
1412 外部回路
1413 冷陰極管
1414 反射板
1415 光学フィルム
1416 保護膜
1417 ベゼル
1501 液晶電気光学装置
1502 FPC
1530 ハウジング
1531 プリント基板
1532 スピーカー
1533 マイクロフォン
1534 送受信回路
1535 信号処理回路
1536 入力手段
1537 バッテリ
1539 筐体
1601 表示パネル
1602 回路基板
1603 コントロール回路
1604 信号分割回路
1605 信号線駆動回路
1606 走査線駆動回路
1607 画素部
1611 筐体
1612 表示画面
1613 スピーカー
1614 操作スイッチ
1701 背面投影型表示装置
1702 プロジェクタユニット
1703 ミラー
1704 スクリーン
1705 スピーカー
1706 操作スイッチ
1707 筐体
1801 前面投影型表示装置
1802 プロジェクタユニット
1803 投射光学系
1901 プロジェクタユニット
1902 光源ユニット
1903 変調ユニット
1904 光源光学系
1905 光源ランプ
1906 液晶電気光学装置
1907 位相差板
1908 ダイクロイックミラー
1909 全反射ミラー
1910 プリズム
1911 投射光学系
2001 プロジェクタユニット
2002 反射型液晶電気光学装置
2003 光源ユニット
2004 変調ユニット
2005 ダイクロイックミラー
2006 ダイクロイックミラー
2007 全反射ミラー
2008 偏光ビームスプリッタ
2009 偏光ビームスプリッタ
2010 偏光ビームスプリッタ
2011 プリズム
2012 投射光学系
2101 光源ユニット
2102 液晶電気光学装置
2103 位相差板
2104 投射光学系
2111 光源ユニット
2112 液晶電気光学装置
2113 回動式のカラーフィルター板
2114 投射光学系
2121 光源ユニット
2122 液晶電気光学装置
2123 マイクロレンズアレイ
2124 投射光学系
2125 ダイクロイックミラー
2126 ダイクロイックミラー
2127 ダイクロイックミラー

Claims (16)

  1. 第1の電極及び前記第1の電極を覆うように第1の配向膜が形成された第1の基板と、第2の電極及び前記第2の電極を覆うように第2の配向膜が形成された第2の基板と、前記第1の基板と前記第2の基板との間に液晶層を有し、セルギャップが所定の大きさである液晶電気光学装置であって、
    前記液晶層はネマティック液晶とスメクティック相を有する液晶との混合体でなり、
    前記混合体におけるスメクティック相を有する液晶の割合は20重量%以下であり、
    前記液晶層に含まれる液晶分子の立ち上がり応答時間と立ち下がり応答時間の相加平均は8m秒以下であることを特徴とする液晶電気光学装置。
  2. 第1の電極及び前記第1の電極を覆うように第1の配向膜が形成された第1の基板と、第2の電極及び前記第2の電極を覆うように第2の配向膜が形成された第2の基板と、前記第1の基板と前記第2の基板との間に液晶層を有し、セルギャップが所定の大きさである液晶電気光学装置であって、
    前記液晶層はネマティック液晶とスメクティック相を有する液晶との混合体でなり、
    前記スメクティック相を有する液晶の等方相からの相転移温度は前記ネマティック液晶の等方相からの相転移温度よりも高く、
    前記混合体におけるスメクティック相を有する液晶の割合は20重量%以下であり、
    前記液晶層に含まれる液晶分子の立ち上がり応答時間と立ち下がり応答時間の相加平均は8m秒以下であることを特徴とする液晶電気光学装置。
  3. 第1の電極及び前記第1の電極を覆うように第1の配向膜が形成された第1の基板と、第2の電極及び前記第2の電極を覆うように第2の配向膜が形成された第2の基板と、前記第1の基板と前記第2の基板との間に液晶層を有し、セルギャップが所定の大きさである液晶電気光学装置であって、
    前記液晶層はネマティック液晶とスメクティック相を有する液晶との混合体でなり、
    前記混合体におけるスメクティック相を有する液晶の割合は20重量%以下であり、
    前記液晶層に含まれる液晶分子の立ち上がり応答時間と立ち下がり応答時間の相加平均は8m秒以下であり、
    前記セルギャップと前記ネマティック液晶の屈折率異方性Δnとの積は0.27μm以上0.34μm以下であることを特徴とする液晶電気光学装置。
  4. 前記スメクティック相を有する液晶は単安定性強誘電性液晶であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の液晶電気光学装置。
  5. 前記スメクティック相を有する液晶は双安定性強誘電性液晶であることを特徴とする請求項1又は請求項3に記載の液晶電気光学装置。
  6. 前記スメクティック相を有する液晶は単安定性強誘電性液晶であり、前記混合体の立ち上がり応答時間は前記ネマティック液晶の立ち上がり応答時間より最大で4m秒短いことを特徴とする請求項1又は請求項3に記載の液晶電気光学装置。
  7. 前記ネマティック液晶はカイラル剤が添加されたものであることを特徴とする、請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の液晶電気光学装置。
  8. 前記ネマティック液晶の誘電率異方性Δεは正の値であることを特徴とする、請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の液晶電気光学装置。
  9. 前記ネマティック液晶はフッ素系液晶であることを特徴とする、請求項1乃至請求項8のいずれか一項に記載の液晶電気光学装置。
  10. 前記ネマティック液晶の誘電率異方性Δεは20℃において5以上10以下であることを特徴とする、請求項1乃至請求項9のいずれか一項に記載の液晶電気光学装置。
  11. 前記セルギャップは2.0μm以上2.5μm以下であることを特徴とする、請求項1乃至請求項10のいずれか一項に記載の液晶電気光学装置。
  12. TNモードの液晶電気光学装置であることを特徴とする、請求項1乃至請求項11のいずれか一項に記載の液晶電気光学装置。
  13. 請求項1乃至請求項12のいずれか一項に記載の液晶電気光学装置を備えた電子機器。
  14. 請求項1乃至請求項12のいずれか一項に記載の液晶電気光学装置を備えた携帯電話機。
  15. 請求項1乃至請求項12のいずれか一項に記載の液晶電気光学装置を備えたテレビ受像機。
  16. 請求項1乃至請求項12のいずれか一項に記載の液晶電気光学装置をプロジェクタユニットに備えた投影型表示装置。
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