JP2006171264A - 撮像装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 鏡筒内部と外部を接続するフレキを無くし、鏡筒に開いたフレキを通す穴がなくなることで鏡筒内部へのごみや迷光の侵入を防止するとともに、フレキによるゴーストやフレアを無くし、かつ、フレキの屈曲による鏡筒への反力の影響を無くし、かつ、フレキの這い回しがなくなることで鏡筒設計とカメラ本体設計の自由度を向上させ、かつ、組み立て時にフレキを穴に通したり這い回す手間を省くことで組み立て性を向上させることを目的とする。
【解決手段】 カメラ本体と鏡筒内部にそれぞれコントローラを有し、鏡筒内部のコントローラにて鏡筒内部の可動部品をコントロールするとともに、カメラ本体のコントローラから鏡筒内部のコントローラへの命令を無線で行う。
【選択図】 図1

Description

本発明は鏡筒内に、絞り機構、シャッタ機構およびフォーカス駆動機構といった駆動手段や、温度センサといった検出手段の両方乃至いずれか一方を有する撮像装置に関する。
鏡筒内部に絞り値をアクチュエータの電磁的手段により可変にできる絞り機構を有する鏡筒では、アクチュエータを駆動する電気信号をリード線やフレキシブルプリント基板(以下、FPCと称する)を通して鏡筒外部の制御回路から送出していた。同様に、鏡筒内部にシャッタ機構を有する鏡筒では、シャッタを駆動するアクチュエータに、リード線やFPCを通して電気信号を鏡筒外部のカメラ本体の制御回路から送出していた。フォーカス駆動機構を鏡筒内に有する場合も同様で、フォーカスを駆動するモータへの通電は鏡筒外部の制御回路からリード線やFPCを通して行われていた。さらに、開口の大きさといった絞り機構の状態を検出するセンサ、閉じているか開いているかといったシャッタ機構の状態を検出するセンサ、および、フォーカスレンズの位置を検出するセンサなどは、全てリード線やFPCを通して鏡筒外部のカメラ本体の制御回路に接続されていた。
より詳細に、2相のステップモータと初期位置検出のためのフォトインタラプタを使ったフォーカス駆動機構の構成とそれを駆動する場合を例にとって説明する。まず、フォトインタラプタは電気的に直接鏡筒外部のカメラ本体制御回路へ接続され、制御回路はフォトインタラプタの明または暗の出力により、フォーカスの位置情報を得る。ステップモータも電気的に直接鏡筒外部のカメラ本体制御回路へ接続されており、制御回路はフォトインタラプタから得たフォーカスの位置情報に応じて正転または逆転の駆動電圧パターンをステップモータへ送出し、フォトインタラプタの出力が切り替わるまでステップモータを駆動し、フォーカスを初期位置に移動させる。その後制御回路は、カメラの状態や使用者の操作に応じて適宜ステップモータに対して駆動電圧パターンを送出する。そして、このような構成のフォーカス機構では、2相ステップモータの駆動のための4本の配線とフォトインタラプタの受光部、投光部およびグラウンドで3本の配線の、合計7本の配線が必要となっていた。
また、鏡筒は温度に応じて鏡筒を構成する部品が伸び縮みするので、温度変化によりピント位置が変化する。例えば、撮影光学系を測距に用いない、いわゆる外測測距を行う撮像装置では、温度変化によりピント位置が変化するが、外測により得られた測距結果が必ずしもピント位置の変化と同様とはならない。そこで、温度変化によるピント位置変化と測距結果の変化をあらかじめ確認しておき、温度の変化に応じてピント位置を適宜補正するカメラシステムがある。そして、温度変化を検出するために鏡筒内部に温度センサを有し、鏡筒の温度を検出する鏡筒が知られているが、温度センサの出力はリード線やFPCを通して鏡筒外部の制御回路とつながっていた。
又、別の従来例としては、例えば特許文献1と特許文献2をあげることが出来る。
特開2003−241074号公報 特開平09−61694号公報
上述したように従来の鏡筒は内部のアクチュエータに対してリード線やFPCを通して外部の制御回路から直接駆動信号を送出していた。また鏡筒内部のセンサ出力を取得するために、やはり、リード線やFPCを通して、外部制御回路へセンサ出力を導いていた。そしてこのような鏡筒では、リード線やFPCを鏡筒内部から外部へ取り出すために鏡筒の一部に穴を開ける必要があった。しかしながら、鏡筒に穴があるということは、そこからごみが進入し、そのごみが駆動部に入り込み、動作不良の原因となったり、迷光が穴から入り込みゴーストの原因となったりしていた。
また、ズーム鏡筒のように光学レンズ配置を変化させて焦点距離を可変にする鏡筒では、ズームにともない絞りやシャッタの位置が変化するので、リード線やFPCは絞りやシャッタの位置が最大繰り出しても良いだけの長さを有し、繰り出し量の変化に応じて長さの余裕分を鏡筒内で屈曲させて調整していた。しかしながら、鏡筒内部での屈曲が大きくなると、屈曲してたるんだリード線やFPCが撮像光学系の光束に接近し、光線が反射してしまい、ゴーストの原因となることがあった。また、ズーム動作を多数回繰り返し行うと、リード線やFPCもその回数分屈曲することとなり、一部の配線が断線することがあった。さらには、リード線やFPCの屈曲により、鏡筒内の部品には反力が生ずるが、ズームの位置により屈曲形状が異なるので、鏡筒内の部品が受ける反力の大きさや方向も変化し、鏡筒の安定した動作の妨げになっていた。
さらに、鏡筒からリード線やFPCを取り出す穴の配置は、鏡筒内の可動部品の干渉を避け、上述した迷光の入り込みが極力少なく、ズーム変化に対しては鏡筒内での最大たわみが少なくかつ鏡筒がどのような状態であっても決して突っ張らないように決定しなければならず、鏡筒設計の自由度を減少させていた。そして、鏡筒組み立て時にはリード線やFPCを鏡筒の穴に通す作業が必要であり、組み立て性を損ねる原因にもなっていた。また、鏡筒から出たリード線やFPCはカメラ本体の制御回路へ接続する必要があるので、カメラ本体の制御回路上には鏡筒のリード線やFPCを接続するコネクタを組み立て作業性に考慮して配置しなければならない。さらには、コネクタに達するまでのリード線やFPCの這い回しについても組み立て作業性や可動部品との干渉、プレス部品のエッジ部の回避などを考慮して設計しなければならず、カメラ本体設計の自由度を減少させる原因にもなっていた。
本発明は、リード線やFPCを利用して鏡筒内部のアクチュエータやセンサとカメラ本体の制御回路とを接続する撮像装置において、上述のような鏡筒に穴が開くことの不具合、リード線やFPCが鏡筒内部でたるむことの不具合およびリード線やFPCが断線する不具合を出来るだけ回避し、リード線やFPCを鏡筒の内部および外部で這いまわすことによる鏡筒とカメラ本体の設計自由度の減少、および、組み立て作業性の悪化を軽減することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の撮像装置は、鏡筒と鏡筒外にある第一の制御回路と鏡筒内にある第二の制御回路を有し、鏡筒の制御情報を第一の制御回路と第二の制御回路との間で無線によりやり取りすることを特徴とする。
また、本発明の撮像装置は、鏡筒と鏡筒外にある第一の制御回路と鏡筒内にある第二の制御回路を有し、鏡筒の制御情報を第一の制御回路と第二の制御回路との間で有線シリアル通信によりやり取りすることを特徴とする。
本願の請求項1に記載した発明によれば、鏡筒内部と外部に制御手段を有し、それぞれの制御手段間を無線で通信することで、鏡筒にリード線やFPC通す穴が必要なくなり、鏡筒に穴が開くことでごみや光線が進入する不具合、リード線やFPCが鏡筒内部でたるんで撮影光束に干渉する不具合、リード線やFPCが屈曲するときの反力による不具合、リード線やFPCが断線する不具合を回避し、リード線やFPCを鏡筒の内部および外部で這いまわすことによる鏡筒とカメラ本体の設計自由度の減少、および、組み立て作業性の悪化を軽減することができる。
また、本願の請求項2に記載した発明によれば、鏡筒内部と外部に制御手段を有し、それぞれの制御手段間を有線シリアル方式で通信することで、鏡筒にリード線やFPC通す穴を小さくすることができ、穴からのごみや光線の進入確率を減らし、リード線やFPCが鏡筒内部でたるむことによる撮影光束への干渉を軽減し、リード線やFPCが屈曲するときの反力を小さくでき、リード線やFPCを鏡筒の内部および外部で這いまわすことによる鏡筒とカメラ本体の設計自由度の減少を軽減することが出来る。
(第一の実施の形態)
図1は本発明の一実施形態の構成を示す図である。図1において、1は本発明の撮像装置を構成する本体である。2は被写体像を結像する撮影光学系と、結像された被写体像を露光する撮像素子を有する鏡筒である。3は撮影光学系を構成する第一群レンズ、4は同じく第二群レンズ、5は第三群レンズである。6は第二群レンズ4を保持する二群地板である。第一群レンズ3と二群地板6は不図示の鏡筒駆動手段により光軸方向へ変位可能になっている。第一群レンズ3と第二群レンズ4の変位量を適当にすることで撮影光学系の焦点距離を可変とし、いわゆるズームレンズ鏡筒を構成している。鏡筒駆動手段は、第一群レンズ3と第二群レンズ4の変位量を規定したカムをモータで駆動し、ズーム動作を行うものや、それぞれのレンズを独立にスクリュウとナットまたはスクリュウとラックで連結し、それらのスクリュウを必要量だけコンピュータで制御しながらモータを駆動し、ズーム動作を行うものなどが考えられるが、本発明は鏡筒の駆動手段およびズーム機構を限定するものではない。また、本撮影光学系のフォーカスは第三群レンズ5の光軸方向への移動により行う。フォーカスレンズである第三群レンズ5の移動については次に述べるが、本発明は、光学系の構成を限定するものではなく、可動部品を有し、それを電気的手段および電磁的手段により駆動する鏡筒に対して適用できる。
7は第三群レンズ5を保持する三群地板である。8はステップモータであり、二群地板6に固定されている。9はステップモータ8により回転するスクリュウである。スクリュウ9は三群地板7に保持されている不図示のナットと螺合しており、また、三群地板7は不図示のガイド軸により光軸方向へ移動可能に支持されているので、スクリュウ9の正逆回転により第三群レンズ5は光軸方向へ進退可能に構成されている。10はフォトインタラプタ(以下PIと称する)で、投光部と受光部を有する。PI10は、通常、投光部からの投光を受光部が受光し、受光部から受光量に応じた電圧が発生するが、投光部と受光部の間に遮光部材が挿入されると受光部からの出力電圧が低下するので、遮光部材の存在を検出できる。そこで、三群地板7の一部を遮光部材として使用し、三群地板7が所定の位置でPI10を遮光するように構成することで、第三群レンズ5の進退によりPI10の出力が切り換わる位置を一意に決定でき、そこを変位移動の原点とすることで、第三群レンズ5を所望の位置に移動させることが可能になる。
11は撮影光学系により結像された被写体像を撮像する撮像素子である。12は本体1に内蔵され、電子回路からなる第一のコントローラである。第一のコントローラ12は撮像装置のすべてをコントロールする機能を有し、撮像機能に限れば、鏡筒2を駆動する命令の発信、および、撮像素子11を駆動し映像信号を取り込む動作を行う。13は鏡筒2に内蔵され、電子回路からなる第二のコントローラである。第二のコントローラ13は第一のコントローラ12の指令に応じてステップモータ8を駆動したり、PI10の出力を検出する。14は第一のコントローラ12に付随し、無線により情報の送受信を行う第一の無線通信部で、15は第二のコントローラ13に付随し、無線により情報の送受信を行う第二の無線通信部である。16は撮像装置の電源である。電源16は第一のコントローラ12および第二のコントローラ13へ電源を供給する。
次に、本実施例の撮像装置がオートフォーカスをするときの動作と、そのときの第一のコントローラ12の働きについて図2のフローチャートを使って説明する。まず、最初に、第三群レンズ5の位置を特定するために、第3群レンズ5をPI10の出力切り換わりポイントへ移動させる初期化動作を行う。このとき第一のコントローラ12は第三群レンズ5を初期位置へ移動させる命令を第二のコントローラ13に対し発する(ステップS1)。第二のコントローラ13は命令を受信すると、直ちに第三群レンズ5の初期位置への移動を行い、移動の完了後に、第一のコントローラ11に対し、移動の完了を表す情報を送信する。ここで、第二のコントローラ12による第三群レンズ5の初期位置への移動について図3のフローチャートを用いて説明する。
まず、第二のコントローラ13は、PI10の受光部からの電圧出力を監視し、PI10に遮光部材が挿入されていない明状態か、遮光部材が挿入された暗状態かを判別する。そして、PI10の状態が反転するように、PI10が明状態のときは第三群レンズ5を繰り込み方向へ駆動し、PI10が暗状態のときは第三群レンズ5を繰り出し方向へ駆動する(ステップS11)。ここで、第三群レンズ5を駆動するステップモータ8の駆動について説明する。本実施例のステップモータ8は2相励磁であり、4つの端子がある。図4は4つの端子への通電パターンを表す図であり、2相をA相、B相に分け、それぞれの相の2つの端子を+と−の添え字をつけて表している。図4中のHは、駆動電圧が端子に印加されることを示し、Lは駆動電圧が端子に印加されないことを示している。各端子への電圧の通電パターンを、1から4方向へ繰り返し変化させることで、ステップモータ8が正転し、第三群レンズ5は撮像素子11の方向へ繰り出される。そして、4から1方向へ繰り返し変化させることで、ステップモータ8が逆転し、第三群レンズ5は被写体の方向へ繰り込む動作が行われる。このように、ステップモータ8を駆動するためには4本の配線が必要であり、その4本の配線は第二のコントローラ13と接続され、第二のコントローラ13から駆動方向に対応した通電パターンが出力される。
第二のコントローラ13は、ステップモータ8を駆動しながらPI10出力を監視する(ステップS12)。PI10の出力が反転しなければ、ステップモータ8の駆動を続けるが、PI10の出力が反転した場合は、ステップモータ8の駆動を停止し、反転した位置を第三群レンズ5の初期位置として記憶する。その後、第二のコントローラ13は第三群レンズ5の初期位置への移動が完了したとの情報を第一のコントローラ12へ送信し、次の命令に備え待機する(ステップS13)。
図2のフローチャートに戻って、第一のコントローラ12は、移動の完了情報を受信した後に、次のレリーズ操作の確認過程に遷移する。本体1の不図示のレリーズが使用者によって操作されたか否かを、第一のコントローラ12が監視し、操作が検出された場合にはオートフォーカスが開始される(ステップS2)。
ここで、本実施例の撮像装置のオートフォーカスの原理について説明する。被写体像はフォーカスレンズである第3群レンズ5の位置により撮像素子11での結像度合いが異なる。被写体の結像度合いは、撮像素子11により撮像した画像を第一のコントローラ12が読み込み、中心付近の画素の輝度信号を横方向に線としてとらえ、その連続した輝度信号の最大の変化率に応じ画像の鮮鋭度として第一のコントローラ12により数値化される。図5は横軸に第三群レンズ5の位置を、縦軸に被写体像の鮮鋭度をとった、第三群レンズ5の位置に対する画像の鮮鋭度の変化を示す図である。第三群レンズ5をステップモータ8のステップ駆動により、光軸方向へ位置をずらしながら、撮像素子11にて撮像を行う。そして、第一のコントローラ12は、逐次画像の鮮鋭度を計算し、第三群レンズ5の位置に対する画像の鮮鋭度を記憶していく。鮮鋭度が最も大きくなるところが合焦位置で、一般に図5のように無限から至近の間に鮮鋭度の頂点があるので、その頂点を例えば曲線の2次近似によりもとめることで、第三群レンズ5の合焦位置を知ることができる。最後に、第3群レンズ5を合焦位置へステップモータのステップ駆動により移動させることで、被写体に対し撮影光学系のピントをあわせることが出来る。
第3群レンズ5のスキャンは、ピントの無限方向から至近方向へ向けて行われるが、スキャンの開始位置は第一群レンズ3と第二群レンズ4により決まる焦点距離に応じて変化する。そこで、まず、第3群レンズ5をスキャン開始位置へ移動させる必要がある(ステップS3)。スキャン開始位置は焦点距離に応じてあらかじめ調整により求めておき第一のコントローラ12に記憶されている。第一のコントローラ12は、鏡筒2のそのときの焦点距離に応じてスキャン開始位置を記憶から呼び出し、第二のコントローラ13へ向けて移動命令を送信する。移動命令の内容は、第三群レンズ5の初期位置を原点とした移動目標位置で、ステップモータ8の駆動パルスを単位として表現される。
待機中の第二のコントローラ13は、第一のコントローラ12から移動目標位置情報を受け取ると、ステップモータ8を適宜正転または逆転させ、第三群レンズ5を目標位置へ向け駆動する。駆動が終了したら第二のコントローラ13は駆動が終了したとの情報を第一のコントローラ12へ送信して、再び待機する。なお、第三群レンズ5への移動命令は、上記の駆動パルスを単位とする以外に、移動量を単位としてもよい。その場合は、移動量を受信した第二のコントローラ13が移動量を駆動パルス数に換算してステップモータ8を駆動することとなる。
第一のコントローラ12は、駆動の完了情報を受信した後に、スキャン開始のため、第三群レンズ5を所定の待ち時間後に一定速度でスキャンの終了位置まで駆動する指示を第二のコントローラ13に対して送信する(ステップS4)。それとともに、第一のコントローラ12は撮像素子11を駆動し、第三群レンズ5のスキャンに同期して撮像信号を読み取り、被写体像の鮮鋭度を算出していく。所定の待ち時間情報を送信するのは、第三群レンズ5の動きと撮像信号の読み取り開始タイミングを合わせるためであり、一定速度でスキャンを行うのは第三群レンズ5の動きと撮像信号の読み取りを同期させるためである。
スキャンが終了後は、第二のコントローラ13は待機状態へ戻り、第一のコントローラ12は鮮鋭度ピークの検出を行う(ステップS5)。鮮鋭度のピークが検出されれば、第一のコントローラ12はピークに対応した第三群レンズ5の合焦位置を特定し、第二のコントローラ13に対し、合焦位置へ第三群レンズ5を移動するよう命令を送信する(ステップS6)。第二のコントローラ13は、第一のコントローラ12から移動目標位置情報を受け取ると、ステップモータ8を適宜正転または逆転させ、第三群レンズ5を目標位置へ向け駆動する。駆動が終了したら第二のコントローラ13は駆動が終了したとの情報を第一のコントローラ12へ送信して、再び待機する。これで、一連のオートフォーカス動作は終了し、第一のコントローラ12は、続く撮像過程に向けて処理を進める。
以上述べたように、第一のコントローラ12は鏡筒の制御を行うときに、第二のコントローラ13に対して命令するだけである。鏡筒のアクチュエータの駆動やセンサ信号の処理は第二のコントローラ13が担当するので、第一のコントローラ12と第二のコントローラ13の間では情報だけがやり取りされる。これにより、従来のように、第二のコントローラがなく、一つのコントローラしか持たない撮像装置では、2相励磁ステップモータの駆動のための4本の配線と、PI検出のための投光、受光およびグラウンドの3本の配線とで、計7本の配線を鏡筒内部に接続する必要があったが、本実施例のような構成とすることで配線をなくすことが出来る。
ここで、上記のように、配線がなくなることの効果をまとめる。まず、配線がないので従来のように鏡筒内と外部を接続する配線を通す穴が必要でなくなる。穴はごみの進入による駆動部の動作不良の原因となったり、迷光が穴から入り込むことによるゴーストやフレアの原因となっていたが、穴がなくなることで,ごみの進入がなくなるとともに、迷光の進入もなくなる。また、第二群レンズ4の位置がズームにともない変化するが、従来はFPCに第二群レンズ4が最大繰り出しても良いだけの長さを持たせ、繰り出し量の変化に応じて長さの余裕分を鏡筒内で屈曲させて調整していた。しかし、屈曲してたわんだFPCが撮影光束に接近しゴーストやフレアの原因となることや、多数回の屈曲により一部の配線が断線すること、および、屈曲による鏡筒内の部品への反力は本実施例の構成ではなくなる。
さらに、鏡筒からFPCを取り出す穴がないので、鏡筒内の可動部品の配置自由度が向上するとともに、穴があることによるごみまたは光線の進入およびFPCのたわみによる不具合の対策が必要なくなり、鏡筒設計の自由度が向上する。そして、鏡筒組み立て時には従来はFPCを鏡筒の穴に通す作業が必要であったが、本実施例の鏡筒では必要ない。また、鏡筒から出たFPCはカメラ本体の制御回路へ接続する必要があるので、カメラ本体のコントローラには鏡筒のFPCを接続するコネクタを組み立て作業性に考慮して配置する必要や、コネクタに達するまでのFPCの這い回しについても組み立て作業性や可動部品との干渉、プレス部品のエッジ部の回避などを考慮して設計する必要があったが、本実施例の構成の撮像装置では、そのようなことを考慮する必要は無く、カメラ本体設計の自由度が向上する。
電源16から第二のコントローラ13への電力供給方法には、電磁誘導を利用したものや、鏡筒内に固定の棒状端子を配し、鏡筒内の可動群の接触子を摺動させるものなどが考えられるが、リード線やFPCで行った場合には、鏡筒に穴を開けてリード線やFPCを通す必要が生ずる。しかしこの場合でも、ステップモータ8とPI10のための7本の配線は、2本に減らすことができるので、上述した効果の全てを無にするものではない。例えば、鏡筒に穴が必要でもその大きさを小さくすることが出来るので、ごみや光線の進入確率が減る。また、FPCが細くなるので、光線の反射は少なくなり、屈曲したFPCの反力も小さくなる。さらに、穴が小さくなるので、鏡筒の穴の配置設計における自由度が向上する。
なお、本実施例では、鏡筒の内部と外部で制御手段を分けることで、鏡筒内部と外部を接続する配線数を減少できることを、フォーカス駆動を例に採り示したが、これは一例に過ぎない。その他にも、絞り駆動装置やシャッタ駆動装置などの鏡筒内部の駆動機構に対して利用可能である。また、鏡筒内に温度センサなどの検出手段をおいた場合でも、検出結果情報を鏡筒の内部の制御手段から外部の制御手段へ送信するだけであるので、検出手段からの配線を鏡筒内部から外部の制御手段に直接接続する必要はない。
(第二の実施の形態)
次に本発明の第二の実施形態について説明する。第二の実施形態は第一のコントローラ12と第二のコントローラ13間の通信を有線のシリアル方式で行うものであり、第一の実施形態における第一の無線通信部14と第二の無線通信部15がそれぞれ第一の有線通信部と第二の有線通信部に置き換わった他は、第一の実施形態に準ずる構成をなす。有線のシリアル方式で通信を行うので送信と受信の1対(2本)の配線が必要であるが、第一の実施形態で述べたフォーカス駆動を例に採れば、7本必要であったところが2本ですむ。また、フォーカス駆動機構以外に、絞り駆動機構、シャッタ駆動機構および各種検出手段が鏡筒にあっても、配線は通信用の2本だけでまかなうことが出来る。これにより、第一の実施形態で説明した効果が期待できる。例えば、鏡筒に穴が必要でもその大きさを小さくすることが出来るので、ごみや光線の進入確率が減る。また、FPCが細くなるので、光線の反射は少なくなり、屈曲したFPCの反力も小さくなる。さらに、穴が小さくなるので、鏡筒の穴の配置設計における自由度が向上する。
本発明の第一の実施例を表す構成図。 第一のコントローラのオートフォーカス動作を表すフローチャート。 第二のコントローラのオートフォーカス動作を表すフローチャート。 ステップモータの通電パターン。 オートフォーカスの原理を表す図。
符号の説明
1 本体
2 鏡筒
3 第一群レンズ
4 第二群レンズ
5 第三群レンズ
6 二群地板
7 三群地板
8 ステップモータ
9 スクリュウ
10 PI
11 撮像素子
12 第一のコントローラ
13 第二のコントローラ
14 第一の無線通信部
15 第一の無線通信部
16 電源

Claims (2)

  1. 鏡筒と該鏡筒外にある第一の制御回路と該鏡筒内にある第二の制御回路を有し、該鏡筒の制御情報を該第一の制御回路と該第二の制御回路との間で無線によりやり取りすることを特徴とする撮像装置。
  2. 鏡筒と該鏡筒外にある第一の制御回路と該鏡筒内にある第二の制御回路を有し、該鏡筒の制御情報を該第一の制御回路と該第二の制御回路との間で有線シリアル通信によりやり取りすることを特徴とする撮像装置。
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