JP2006171046A - オイル供給装置とクリーニング装置 - Google Patents

オイル供給装置とクリーニング装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2006171046A
JP2006171046A JP2004359376A JP2004359376A JP2006171046A JP 2006171046 A JP2006171046 A JP 2006171046A JP 2004359376 A JP2004359376 A JP 2004359376A JP 2004359376 A JP2004359376 A JP 2004359376A JP 2006171046 A JP2006171046 A JP 2006171046A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
felt
oil
fiber
heat
flame
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2004359376A
Other languages
English (en)
Inventor
Masaaki Takeda
正明 武田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujiko KK
Fujikoo KK
Original Assignee
Fujiko KK
Fujikoo KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujiko KK, Fujikoo KK filed Critical Fujiko KK
Priority to JP2004359376A priority Critical patent/JP2006171046A/ja
Publication of JP2006171046A publication Critical patent/JP2006171046A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Fixing For Electrophotography (AREA)
  • Cleaning In Electrography (AREA)

Abstract

【課題】
電子複写機、レーザビームプリンタ、ファクシミリのような写真画像形成プロセスにおいて、オイル供給装置としてカートリッジ内の感光ドラムや現像ローラなどへ潤滑油を補給し、ならびにクリーニング装置として加熱ローラや感光ドラムの周面から付着トナーを掻き取りまたは現像ローラやハウジングなどからのトナー漏出を防止する。
【解決手段】
シリカ繊維20〜50重量%と、耐熱性または難燃性の有機繊維50〜80重量%とからなり、得たカードラップをニードルパンチングで一体化したフェルトを有するか、またはシリカ繊維および耐熱性または難燃性の有機繊維を主体とするカードラップからなり、さらに耐熱性または難燃性の有機繊維を主体とする基布を介在させ、ニードルパンチングで全体を一体化する。
【選択図】図5

Description

本発明は、電気器具または機械器具における稼動部材への潤滑またはトナーの除去を行うための装置に関し、電子複写機、レーザビームプリンタ、ファクシミリのような写真画像形成プロセスにおいて、カートリッジ内の感光ドラムや現像ローラなどへ潤滑油を補給するためのオイル供給装置、ならびに加熱ローラや感光ドラムの周面から付着トナーを掻き取りまたは現像ローラやハウジングなどからのトナー漏出を防止するためのクリーニング装置に関する。
電子複写機やレーザビームプリンタなどの電子写真画像形成プロセスは、メンテナンス回数を減らし且つメンテナンス費用を低減化するため、現在では感光ドラム、現像ローラおよび他の基材を一体的にカートリッジ化して着脱自在にし、該プロセスのメンテナンスを使用者自身で行う方式が一般的である。このカートリッジ方式は、交換作業が簡単でメンテナンスフリーであるので広く用いられ、カートリッジには、感光ドラムや現像ローラなどの稼動部材に潤滑油を補給するオイル供給装置を備える。このオイル供給装置には、カートリッジの全使用時間に対応できる量の油を含浸させ、その油を各稼動部材へ誘導し、カートリッジの交換とともに交換することになる。
この種のオイル供給装置は、潤滑油を含有し且つ稼動部材まで浸透させることが可能なようにスポンジのような連続気泡の多孔質材料を具備することを要する。この多孔質材料は、熱定着ローラのために感光ドラムや現像ローラの周辺が通常運転時に180〜200℃に達し、機器の起動時には一時的に220〜230℃に昇温するため、耐熱性とコスト面で優れたポリエステル繊維のフェルトを使用することが一般的であった。
電子写真画像形成プロセスで用いるオイル供給装置の一例として、特開平10−149047号が存在する。オイル供給装置は、電子写真のトナー像を記録紙に溶着する定着装置において、該トナー像を加熱して記録紙に溶着させる加熱ローラの外周面にシリコンオイルを塗布するために、オイルパンからオイル塗布部へオイルを供給する給油フェルトを具備している。特開平10−149047号では、給油フェルトである耐熱性フェルトはアラミド繊維製が一般的であっても、該繊維の表面には凸凹が少なく、毛細管現象が比較的少ないのでベストでないと説明している。このため、特開平10−149047号は、オイル供給装置に複数層の複合フェルトを用い、この複合フェルトは、加熱ローラと接触する側を耐熱性フェルトと、他方の層をオイル含浸性の大きいフェルトとを有することにより、耐熱性と給油性を同時に充足させる。この際に、オイル塗布の耐熱性フェルトは、アラミド繊維またはポリエステル繊維である。
特開平10−149047号公報
耐熱性フェルトとして、アラミド繊維単独のフェルトは、JISで難燃性に分類されるほど耐熱性が高い反面、高温時の熱収縮性が比較的高い点に問題がある。前記のように、複合フェルトにおいてオイル塗布フェルトをアラミド繊維単独で構成すれば、高温環境下における熱収縮によってオイル塗布が不完全になるおそれがある。また、高温環境下では油の保持量および浸透性が低下し、高温作業が継続すると油洩れが生じたり、長時間使用後に油不足になって機械部品の焼き付けが発生したりする。
一方、耐熱性フェルトがポリエステル繊維製であると、油を浸透させやすいように嵩高にすることは可能であっても、近年、電子写真画像形成プロセスの環境がいっそう高温化することにより、ポリエステル繊維フェルトでは長期間使用することが不可能である。このために、ポリエステル繊維フェルトにガラス繊維を一部でも混入すると、個々のガラス繊維が剛直であるために絡みが少なく且つ耐熱性も低いので、油の保持や浸透性を欠くことが生じる。しかも、ガラス繊維は、硬くて脆いためにカーディングおよびニードルパンチングの工程で切断して脱落し、フェルト加工の作業環境を悪化させやすい。
本発明は、アラミド繊維フェルトまたはポリエステル繊維フェルトを備えたオイル供給装置に関する前記の問題点を改善するために提案されたものであり、熱収縮性などが優れたシリカ繊維を難燃性などの有機繊維に混入することにより、アラミド繊維単独のフェルトに比べて熱収縮性および難燃性が改善されたフェルトを備えるオイル供給装置を提供することを目的としている。本発明の他の目的は、写真画像形成プロセス用だけでなく、内部が昇温する各種の電気器具または機械器具において好適なオイル供給装置を提供することである。本発明の別の目的は、電子写真機構に用いるPTFE繊維フェルトを備えたクリーニング装置に比べて、PTFE繊維並みの高い耐熱性を有し且つ繊維の脱毛や毛羽立ちが少ない安価なフェルトを備えるクリーニング装置を提供することである。
本発明に係るオイル供給装置は、内部が昇温する電気器具または機械器具において、それ自体に潤滑油を含浸させて稼動部材に補給したりまたはオイル溜まりから吸い上げて加熱ローラの表面などに塗布する。本発明のオイル供給装置は、シリカ繊維20〜50重量%と、耐熱性または難燃性の有機繊維50〜80重量%とからなり、得たカードラップをニードルパンチングで一体化したフェルトを有する。
本発明に係るクリーニング装置は、内部が昇温する電気器具または機械器具において、加熱ローラや感光ドラムの周面などに残ったトナーを清掃する。本発明のクリーニング装置は、シリカ繊維20〜50重量%と、耐熱性または難燃性の有機繊維50〜80重量%とからなり、得たカードラップをニードルパンチングで一体化したフェルトを有する。
本発明のオイル供給装置またはクリーニング装置は、シリカ繊維および耐熱性または難燃性の有機繊維を主体とするカードラップからなり、さらに基布を介在させてニードルパンチングで全体を一体化したフェルトを有していてもよい。この基布は、耐熱性または難燃性の有機繊維を主体とする織布や不織布などである。
本発明のオイル供給装置またはクリーニング装置において、用いるフェルトが、シリカ繊維25〜40重量%と、耐熱性または難燃性の有機繊維60〜75重量%とからなると好ましい。また、フェルトを構成するシリカ繊維は、Eガラス、ソーダシリカガラス、ホウケイ酸ガラス、ソーダケイ酸ガラス、ソーダライム系ガラスなどから製造し、且つ耐熱性または難燃性の有機繊維はメタアラミド繊維、パラアラミド繊維、耐炎化繊維または羊毛であると好ましい。
本発明を図面によって説明すると、本発明に係るオイル供給装置1(図4)は、図4から図8に例示するように各種の電気器具または機械器具の内部に設置でき、本発明のクリーニング装置4(図4)についてもほぼ同様の高温場所に設置できる。例えば、オイル供給装置1は、4色フルカラーの電子複写機やレーザビームプリンタ(図示しない)において、着脱可能に収納するプロセスカートリッジ10(図4)、またはトナーを記録紙に溶着して熱定着させる定着装置12(図5)に適用する。このオイル供給装置は、モノクロ複写機用のトナーカートリッジ14(図6)などにも適用できる。
本発明のオイル供給装置またはクリーニング装置は、電子複写機やレーザプリンタにおいて、通常180〜200℃の高温環境で起動時に220〜230℃に達する定着装置12の周辺の部品であってもよく、オイル供給装置の部品として、オイラーベルト16(図7)またはオイラーロール18(図8)などが例示できる。本発明のオイル供給装置またはクリーニング装置は、高温環境で使用可能な仕様のあらゆる電気器具または機械器具に適用可能である。
オイル供給装置1またはクリーニング装置4に用いる耐熱フェルト2は、図1に示すように、原繊維から可溶性成分や有機分を除去した後に焼成するシリカ繊維3と、アラミド繊維5のような耐熱性または難燃性の有機繊維とで構成するカードラップからなり、該カードラップをニードルパンチングで一体化する。このフェルトには、図2に示すように、耐熱性または難燃性の有機繊維の基布6を介在させてもよい。
耐熱フェルト2において、シリカ繊維3は20〜50重量%、耐熱性または難燃性の有機繊維は50〜80重量%であると好ましい。シリカ繊維3がフェルト全体の20重量%未満であると、オイル供給装置1に用いるフェルト2として、高温環境における経時的な熱収縮が大きくなり、所望の熱収縮性および難燃性を得ることができない。一方、シリカ繊維3が50重量%を超えても、コストの上昇の割りにはフェルト2の物性が良化せず、カード機が通りにくくなったりフェルトにムラができやすい。
好適なシリカ繊維3は、シリカガラス繊維とも称し、主としてガラス繊維の原繊維から可溶性成分や有機分を除去した後に焼成して製造する。例えば、シリカ繊維3として、Eガラス、ソーダシリカガラス、ホウケイ酸ガラス、ソーダライム系ガラスなどの短繊維または長繊維をブロー法によって製造し、これらの繊維を酸処理して可溶性成分を溶出してから焼成してシリカ骨格を形成させると、例えばシリカ分は約95%以上に達する。一般に、原繊維として、アルカリ含有率1%以下のボロンシリケートガラスであるEガラス繊維を用いると好ましく、例えば、日本無機社などが生産を行いまたは吉野社でもシリカ繊維(品番:FY−6)として販売している。また、シリカ繊維3は、紡糸に適した粘度に調整したケイ酸ソーダをノズルを通して繊維化し、さらに酸処理によってソーダ分を溶出させた後に焼成してもよく、ケイ素のアルコキド溶液を重合してから粘度を調整して紡糸し、得た生繊維から有機分を除去した後に焼成してもよい。これらの長繊維の場合には、通常、サイジング剤を加えてから所定の長さに裁断して使用すればよく、例えば、エンカ社または旭硝子社などで生産されている。
好適なシリカ繊維3は、一般に熱収縮率や熱膨張率が小さく、難燃性および耐酸性が通常のガラス繊維よりも遙かに高く、オイル供給装置1における寸法安定性が優れている。シリカ繊維3は、本質的に多孔質繊維であり、通常のガラス繊維に比べて柔軟であるうえに、比重が2.5前後であるガラス繊維よりも相当に軽い。また、シリカ繊維3は、通常のガラス繊維に比べて電気絶縁抵抗が高く、誘電率および誘電正接値が低いという特性も有する。
一方、シリカ繊維3とともにフェルト2を構成する難燃性の有機繊維は、比較的柔軟で融点約250℃以上または無融点であると好ましい。フェルト2において、比較的多く加える難燃性の有機繊維が融点が250℃以上でないと、オイル供給装置1を高温環境で使用する際に、該フェルトが耐久性を欠くことになる。無融点の繊維は、加熱時に溶融温度よりも分解温度が低いことで融点測定が困難な繊維であり、この繊維は通常約250℃に加熱しても熱分解しない。また、耐熱性である有機繊維は、難燃性の有機繊維ほど高い融点ではないが200℃前後の融点を有しており、比較的温度が低い高温環境であれば使用できる。
難燃性の有機繊維として、PTFE繊維(融点327℃)、PPS繊維(融点287℃)、ポリエーテルエーテルケトン繊維(融点345℃)、ポリエステル繊維(融点255〜260℃)、66ナイロン繊維(融点250〜260℃)、ヘテロ環繊維などが例示できる。無融点の難燃性有機繊維として、ポリイミド繊維(ガラス転移点315℃)、メタフェニレンイソフタルアミド繊維、ポリ−p−フェニレンテレフタルアミド繊維、ポリ−p−ベンズアミド繊維、共重合アラミド繊維、難燃レーヨンなどが例示できる。これらの繊維は複合繊維や混合繊維の態様であってもよい。耐熱性の天然有機繊維としては、羊毛、絹などが例示できる。
耐熱フェルト2を製造するには、図1に示すように、シリカ繊維1および耐熱性または難燃性の有機繊維を相互に混綿してウェブとするかまたは各繊維単独のウェブとし、用途に応じてウェブを所定枚数積層してカードラップを形成してニードルパンチする。この際に、図2に示すように、2等分のカードラップ7,7の間に難燃性の有機繊維の基布6を介在させるかまたは単独のカードラップの下方に配置すると、フェルト8の寸法安定性が増すので好ましい。耐熱性または難燃性の有機繊維の基布6は、通常のモノフィラメントやマルチフィラメント織布でもスパン糸の織布でも使用可能である。
得たカードラップは、ニードルパンチングで一体化し、このニードルパンチにおける針本数は、250〜350本/cm程度であればよく、所望に応じてニードルパンチングの後に高圧のウォータジェット処理を行ってもよい。オイル供給装置1のフェルトにおいて、耐熱性の有機繊維である羊毛は、繊維表面に微細な突起が多くて毛細管現象が強いため、特に高温環境でないならばフェルトの一部または基布6として適用すると、オイルを安定して補給できるので好ましい。
本発明に係るオイル供給装置ならびにクリーニング装置は、シリカ繊維および難燃性の有機繊維で構成するフェルトを備え、該フェルトは、アラミド繊維単独のフェルトに比べて熱収縮性が改善され且つ難燃性が高くて柔軟である。したがって、シリカ繊維を含むフェルトを有するオイル供給装置は、高温環境下において熱収縮によってオイル補給やオイル塗布が不完全になることが少なく、高温作業が継続しても油洩れや油不足で機械部品の焼き付けが発生せず、安定した機械作動を継続できる。また、クリーニング装置としても、熱収縮が原因でローラなどとの接触が悪化することがなく、常に良好なクリーニング性を維持できる。
本発明のオイル供給装置ならびにクリーニング装置では、フェルトに含有するシリカ繊維がアラミド繊維に比べて相当に熱収縮性が低いので、使用時の寸法安定性が良くなって長期間の使用が可能となる。また、耐熱性や難燃性の有機繊維の基布を介在させると、その寸法安定性がいっそう増し、良好な油供給を使用後数年間維持できる。本発明のオイル供給装置を各種の熱設備に取付けると、フェルト中のシリカ繊維は高価なアラミド繊維やPTFE繊維に比べて安価であり、全体として高価な繊維などの使用量が少なくなって経済的である。
次に、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。本発明で用いるウェブは、繊径6μmのシリカ繊維3(日本無機社製)30重量%と、繊度6.7デニールであるメタフェニレンイソフタルアミド繊維5(商品名:コーネックス、テイジン製)とを均一に混綿して製造する。次に、このウェブを積層して目付420g/m2のカードラップ7を形成する。
図2に示すように、2等分のカードラップ7,7の間に、目付80g/m2であるアラミド繊維のマルチフィラメント織布の基布6を介在させ、針本数300本/cm2でニードルパンチングする。得たフェルト8は、厚さ2mm、目付500g/m2である。
フェルト8の熱収縮性を測定する。220℃の高温環境下で2時間後の熱収縮率(面収縮)は1.4%であり、280℃の高温環境下で2時間後の熱収縮率(面収縮)は4.7%であった。フェルト8は、300℃近い高温環境下でも2時間後の熱収縮率が5%以下であり、高温環境下においてオイル補給やオイル塗布が不完全になることが少ない。
フェルト8は、図4に例示するように、レーザビームプリンタに着脱可能に収納するプロセスカートリッジ10において、オイル供給装置1の一部に適用できる。カートリッジ10は、例えば4色フルカラープリンタ(図示しない)用であり、感光ドラム20と、帯電ローラ22と、クリーニング帯材24とをフレームによって一体化している。カートリッジ10をプリンタ側面から水平に収納すると、該カートリッジの上方には、レーザービームを照射してドラム表面に静電潜像を形成する露光機構、下方には、現像したトナー像を一次転写する転写機構が位置する。また、プリンタにおいて、カートリッジ前方に、4色トナーを個別に収納した4個の現像器が回動し、静電潜像に応じてトナー像を形成する現像機構が位置する。
このプリンタにおいて、感光ドラム20は反時計向きに回転され、該ドラムは、その回転に従って、順次、ドラム表面を一様に帯電させる帯電ローラ22、前記の露光機構、現像機構さらに転写機構、ついで転写後の残トナーを除去するクリーニング帯材24と近接する。カートリッジ10において、感光ドラム20には、外光や接触からドラム表面を保護するドラムシャッター(図示しない)を取り付ける。
オイル供給装置1は、潤滑油を含浸させた肉厚のフェルト8を収納した左右1対のオイルパン30と、該オイルパンから感光ドラム20および帯電ローラ22の軸受へ潤滑油を供給する油誘導路32,34とを有し、両誘導路は帯状のフェルト8からなる。オイル供給装置1では、オイルパン30内のフェルト8と油誘導路32,34とのフェルト8を接続させ、ドラム20およびローラ22の軸受に常に潤滑する。オイルパン30内の潤滑油は、カートリッジ10の交換と同時に補完されることになるため、フェルト8に十分に含浸させておけば油切れすることはない。
一方、クリーニング装置4において、クリーニング帯材24は、感光ドラム20をクリーニング容器26の開口部と対向させ、該開口部の縁部にウレタンゴム製などのクリーニングブレード33を設置することにより、該ブレードのエッジを感光ドラム20に圧接し、一次転写後に感光ドラム表面から残トナーを掻き取り、掬いシート35によってクリーニング容器26の内部へ送り込む。クリーニング帯材24は、クリーニングブレード33の形状に合わせてその両端部およびクリーニング容器26の開口部の縁部にフェルト8を取り付け、該フェルトは感光ドラム20の表面両端部とも接触する。クリーニング装置4は、残トナーがクリーニング容器26の両側部から漏出することを防ぎ、現像機構でドラム表面に形成されたトナー像を一時転写した後に、ドラム表面に残ったトナーを除去して内部のクリーニング容器26の中に蓄積する。
オイル供給装置1において、オイルパン30内および油誘導路32,34のフェルト8は、熱定着ローラのために感光ドラム20や帯電ローラ22の周辺が起動時に一時的に220〜230℃に昇温しても劣化することがなく、安定した油補給を継続し、クリーニング装置4にも同様の作用効果がある。また、フェルト8は、300℃近い高温環境下でも2時間後の熱収縮率が5%以下であるから、熱収縮によって油誘導路32,34がドラム20およびローラ22の軸受から離れることもなく、オイル供給装置1およびクリーニング装置4はプロセスカートリッジ10において広く適用可能である。
比較例
実施例1と同様のメタフェニレンイソフタルアミド繊維100%を用い、これを均一に混綿してウェブを製造する。次に、このウェブを積層して目付500g/m2のカードラップを形成する。このカードラップを実施例1と同様に基布を介在させてニードルパンチし、厚さ2mm、目付500g/m2のフェルトを得る。
このフェルトの熱収縮性を測定する。220℃の高温環境下で2時間後の熱収縮率(面収縮)は1.9%であり、280℃の高温環境下で2時間後の熱収縮率(面収縮)は6.2%であった。このフェルトは、300℃近い高温環境下において2時間後の熱収縮率が5%を超えるため、高温環境下において熱収縮によってオイル補給やオイル塗布またはトナー除去が不完全になりやすい。
比較例のフェルトは、オイル供給装置1におけるオイルパン30内および油誘導路32,34に適用すると、感光ドラムや現像ローラの周辺が起動時に一時的に220〜230℃に昇温すると、安定した油補給を継続できない場合が発生する。このフェルトは、300℃近い高温環境下でも2時間後の熱収縮率が5%を超えるため、熱収縮によって油誘導路32,34がドラム20およびローラ22の軸受から離れることがある。
図3に示す給油フェルト36を製造するために、実施例1のウェブを積層してニードルパンチした耐熱側フェルト部38と、羊毛を縮充によって絡合させたオイル補給側フェルト部40とをそれぞれ形成する。給油フェルト36では、厚さ2mmのフェルト部38と、厚さ2mmの長寸のフェルト部40とをニードルパンチによって一体化する。
給油フェルト36は、一般的な4色のカラープリンタにおいて、オイル供給装置42(図5)の一部に適用できる。図示しないけれども、このプリンタは、紙カセットから記録紙を引き出す給紙ローラと、中間転写ドラム上のカラートナー像を記録紙に再転写する転写ローラと、該記録紙の背面を除電して中間転写ドラムからの剥離を支援する除電器と、該記録紙に転写されたカラートナー像を記録紙に熱定着させる定着装置12とを備える。
定着装置12は、図5に示すように、記録紙のトナー像面を加熱する加熱ローラ46と、反トナー像面を加熱する加熱ローラ48を有し、両加熱ローラは、中心に挿入されたヒーターランプによって加熱される。トナー像面を加熱する加熱ローラ46の外周面には、クリーニングローラ44、給油フェルト36、オイルの余剰分を掻き取るオイルブレード50を当接設置する。オイルパン52内のシリコンオイルは、消費された分だけオイルボトル54から供給され、オイルブレード50で掻き取られたシリコンオイルをオイルパン52へ還流する。
一方、クリーニング装置41について、クリーニングローラ44には、実施例1で製造したフェルト8を用いる。フェルト8は、ロールコア45に巻き付けて筒状に固着することによってクリーニングローラ44を作製する。
定着装置12では、記録紙上で溶融されたトナーの一部が該記録紙から加熱ローラ46へ転移され、この転移トナーが記録紙に再転移されて感光画像を汚してしまう現象が発生しやすい。このような現象を防ぐために、トナー像面の加熱ローラ46の周面にシリコンオイルを塗布することにより、加熱ローラ46の表面の離型性を高め、記録紙上で溶融したトナーが加熱ローラ46へ転移するのを抑止する方策を採っている。また、加熱ローラ46の表層にはシリコンオイルと親和性の良いシリコンゴム53を使用する。
加熱ローラ46の周面にオイルを供給する給油フェルト36は、加熱ローラ46の外周面に当接してオイルを塗布するフェルト部38と、該フェルト部と一体であってオイルを吸い上げるフェルト部40とからなり、フェルトガイド(図示しない)にねじ止めされている。給油フェルト36について、フェルト36の下端部をオイルパン52の内部へ垂らし、該オイルパンの中にシリコンオイルを満たしておく。
給油フェルト36において、フェルト部38は難燃性であり、300℃近い高温環境下でも2時間後の熱収縮率が5%以下であるから、加熱ローラ46から受ける熱で劣化したり熱収縮によって加熱ローラ46の周面から離れることがなく、その周面へ長期間安定した油塗布を継続できる。一方、フェルト部40は、羊毛フェルトであるので繊維表面に微細な突起が多くて毛細管現象が強く、且つ好適な密度に容易に加工できる。フェルト部40は、オイル吸い上げに最適な密度に加工されて常に十分な油量を確保し、従来のようなオイルポンプを装備しなくても、充分な量のオイルを安定に供給できる。
また、クリーニング装置41について、クリーニングローラ44の表面フェルト8は、耐熱性が良好であるうえに熱収縮性が小さい。このため、クリーニング装置41は、長期間安定して高いクリーニング性能を有する。
図6に示すように、実施例1で得たフェルト8は、モノクロ複写機用のトナーカートリッジ14におけるオイル供給装置68にも適用できる。カートリッジ14では、その下方両側壁に円弧状の切り欠き部60を形成し、該切り欠き部に現像ローラ62を回転自在に設置するとともに、カートリッジ内にトナー63を収納する。現像ローラ62の両端部は、両側壁の切り欠き部60まで延設され、該切り欠き部内に回転自在に取り付ける。トナー供給口64の上方には、帯電用ブレード65が現像ローラ62の表面に押圧された状態で保持されている。
現像ローラ62は、アルミニウム製の円筒体であり、その表面にトナーの薄層が付着して回転し、複写機の感光ドラム66と対向配置されている。感光ドラム66が矢印方向に回転し、それに応じて現像ローラ62が反時計方向に回転すると、ドラム表面の潜像の電荷によって形成される電界の強さに応じて、トナーが現像ローラ62の表面から離脱し、ドラム表面の帯電部分に付着して現像が行われる。
オイル供給装置68は、潤滑油を含浸させた肉厚のフェルト8を収納したオイルパン70と、該オイルパンから現像ローラ62の軸受へ潤滑油を供給する油誘導路72とを有し、両誘導路は帯状のフェルト8からなる。オイル供給装置68では、オイルパン70内のフェルト8と油誘導路72とのフェルト8を接続させ、ローラ62の軸受に常に潤滑する。オイルパン70内の潤滑油は、カートリッジ10の交換と同時に補完されることになるため、フェルト8に十分に含浸させておけば油切れすることはない。
図7に示すフェルト2は、実施例1のそれと同様の組成であるが、基布を介在させていない。図7に示すように、フェルト2は、オイル供給装置であるオイラーベルト16に適用する。オイラーベルト16では、アルミまたはベークライト製の1対のコアロール74,74を所定間隔をおいて水平に並置し、さらにフェルト2の両側端部を両コアロールの上周面と接触させ、液状エポキシ樹脂で接着する。フェルト2は、コアロール74,74によって水平に保持されている。
ついでエポキシ樹脂またはジュラコン樹脂製のリミットバー76をフェルト8の表面と接触させ、液状エポキシ樹脂で接着する。リミットバー76は、細長い矩形平面のプレートであり、コアロール74と平行に配列している。液状エポキシ樹脂の硬化後に、フェルト2にシリコンオイルを含浸させる。この含浸量は0.2cc/ccである。
図8に示すように、実施例4と同様のフェルト2を25mm幅に裁断し、オイル供給装置であるオイラーロール18に適用する。オイラーロール18のコアロール78はアルミ製である。コアロール78の周面には、まず液状シリコン系樹脂を全面塗布する。この塗布の後に、帯状フェルト80をコアロール78の周面に密接するように螺旋状に巻き付け、24時間で液状シリコン系樹脂を硬化させる。液状シリコン樹脂の硬化後に、フェルト80にシリコンオイルを含浸させる。この含浸量は0.25cc/ccである。
オイラーロール18は、例えば、図5に示す定着装置12において、加熱ローラ46の周面と接触するように配置すればよい。オイラーロール18は、オイル供給装置42に代えてまたは該装置とともに設置することができる。
本発明で用いるフェルトの一例を示す繊維状態の側面図である。 本発明で用いるフェルトの他の例を示す概略側面図である。 本発明で用いるフェルトの別の例を示す概略側面図である。 オイル供給装置およびクリーニング装置をプロセスカートリッジに設置した例を示す概略横断面図である。 オイル供給装置およびクリーニング装置を定着装置に設置した例を示す概略横断面図である。 オイル供給装置をモノクロ複写機用のトナーカートリッジに設置した例を示す概略横断面図である。 オイル供給装置の適用例であるオイラーベルトを示す斜視図である。 オイル供給装置の他の適用例であるオイラーロールを示す部分断面図である。
符号の説明
1 オイル供給装置
2 耐熱フェルト
3 シリカ繊維
4 クリーニング装置
5 アラミド繊維
6 基布
10 プロセスカートリッジ
12 定着装置

Claims (6)

  1. 内部が昇温する電気器具または機械器具において、それ自体に潤滑油を含浸させて稼動部材に補給したりまたはオイル溜まりから吸い上げて加熱ローラの表面などに塗布するオイル供給装置であって、シリカ繊維20〜50重量%と、耐熱性または難燃性の有機繊維50〜80重量%とからなり、得たカードラップをニードルパンチングで一体化したフェルトを有するオイル供給装置。
  2. 内部が昇温する電気器具または機械器具において、加熱ローラや感光ドラムの周面などに残ったトナーを清掃するクリーニング装置であって、シリカ繊維20〜50重量%と、耐熱性または難燃性の有機繊維50〜80重量%とからなり、得たカードラップをニードルパンチングで一体化したフェルトを有するクリーニング装置。
  3. 内部が昇温する電気器具または機械器具において、それ自体に潤滑油を含浸させて稼動部材に補給したりまたはオイル溜まりから吸い上げて加熱ローラの表面などに塗布するオイル供給装置であって、シリカ繊維および耐熱性または難燃性の有機繊維を主体とするカードラップからなり、さらに耐熱性または難燃性の有機繊維を主体とする基布を介在させ、ニードルパンチングで全体を一体化したフェルトを有するオイル供給装置。
  4. 内部が昇温する電気器具または機械器具において、加熱ローラや感光ドラムの周面などに残ったトナーを清掃するクリーニング装置であって、シリカ繊維および耐熱性または難燃性の有機繊維を主体とするカードラップからなり、さらに耐熱性または難燃性の有機繊維を主体とする基布を介在させ、ニードルパンチングで全体を一体化したフェルトを有するクリーニング装置。
  5. フェルトが、シリカ繊維25〜40重量%と、耐熱性または難燃性の有機繊維60〜75重量%とからなる請求項1から4のいずれかに記載の装置。
  6. フェルトを構成するシリカ繊維は、Eガラス、ソーダシリカガラス、ホウケイ酸ガラス、ソーダケイ酸ガラス、ソーダライム系ガラスなどから製造し、耐熱性または難燃性の有機繊維はメタアラミド繊維、パラアラミド繊維、耐炎化繊維または羊毛である請求項1から5のいずれかに記載の装置。
JP2004359376A 2004-12-13 2004-12-13 オイル供給装置とクリーニング装置 Pending JP2006171046A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004359376A JP2006171046A (ja) 2004-12-13 2004-12-13 オイル供給装置とクリーニング装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004359376A JP2006171046A (ja) 2004-12-13 2004-12-13 オイル供給装置とクリーニング装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2006171046A true JP2006171046A (ja) 2006-06-29

Family

ID=36671914

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004359376A Pending JP2006171046A (ja) 2004-12-13 2004-12-13 オイル供給装置とクリーニング装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2006171046A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008178225A (ja) * 2007-01-18 2008-07-31 Toyota Motor Corp 回転電機
JP2009544862A (ja) * 2006-07-27 2009-12-17 オルサ エス. アール. エル. 天然ウールベースの不織布を製造する方法、その方法を適用するためのプラント、およびその方法によって得られる製品
JP2016038451A (ja) * 2014-08-07 2016-03-22 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 定着装置及び画像形成装置

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06230698A (ja) * 1993-02-02 1994-08-19 Nippon Muki Co Ltd 複写機用クリーニングシート
JPH08296160A (ja) * 1995-04-24 1996-11-12 Ichikawa Woolen Textile Co Ltd 高温製品用耐熱フェルト
JP2001262453A (ja) * 2000-03-15 2001-09-26 Fujikoo:Kk バッグフィルタ用などのフェルト材
JP2003326215A (ja) * 2002-05-14 2003-11-18 Nichias Corp オイル塗布部材の製造方法
JP2004198981A (ja) * 2002-12-20 2004-07-15 Nippon Muki Co Ltd オイル塗布クリーニングロール用オイル保持シート

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06230698A (ja) * 1993-02-02 1994-08-19 Nippon Muki Co Ltd 複写機用クリーニングシート
JPH08296160A (ja) * 1995-04-24 1996-11-12 Ichikawa Woolen Textile Co Ltd 高温製品用耐熱フェルト
JP2001262453A (ja) * 2000-03-15 2001-09-26 Fujikoo:Kk バッグフィルタ用などのフェルト材
JP2003326215A (ja) * 2002-05-14 2003-11-18 Nichias Corp オイル塗布部材の製造方法
JP2004198981A (ja) * 2002-12-20 2004-07-15 Nippon Muki Co Ltd オイル塗布クリーニングロール用オイル保持シート

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009544862A (ja) * 2006-07-27 2009-12-17 オルサ エス. アール. エル. 天然ウールベースの不織布を製造する方法、その方法を適用するためのプラント、およびその方法によって得られる製品
JP2008178225A (ja) * 2007-01-18 2008-07-31 Toyota Motor Corp 回転電機
JP2016038451A (ja) * 2014-08-07 2016-03-22 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 定着装置及び画像形成装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2031454B1 (en) Process for production of cleaning web, cleaning web, image forming apparatus and fixing apparatus
CA1114885A (en) Wick for dispensing fuser oil
US5267004A (en) Rotating wick for fusing apparatus having improved oil laydown
US7561841B2 (en) Cleaning system for a fuser apparatus
EP0606135B1 (en) Release agent web delivery system for a heat and pressure fuser
JP2006171046A (ja) オイル供給装置とクリーニング装置
JP5027402B2 (ja) 微粉粒体の漏出防止用のシール材
AU661060B2 (en) Oil transfer component
EP0635147B1 (en) Oil reservoir
US6378161B1 (en) Cleaning element
JP5102942B2 (ja) 写真画像形成プロセス用などのフェルト材
US6212355B1 (en) Oil metering supply apparatus and method for applying an evenly distributed release oil onto a fuser roller
US6875164B1 (en) High capacity leak resistant release agent delivery system for use in printer devices
JP2011081158A (ja) 定着ローラクリーニング装置
JP2006267326A (ja) トナー漏出防止用などのフェルト材
JP2002202681A (ja) フューザー表面上でのフューザーオイルの分布を制御するための方法および改良型ウィックローラー
JPS58199371A (ja) クリ−ニングウエブ
JP2007079457A (ja) 定着装置及び画像形成装置並びにそれに使用される分離板
JP3411121B2 (ja) 定着ロール用クリーニングシート、クリーニング材、及びクリーニング装置
JP6647446B1 (ja) トナーシール材
JP2001312172A (ja) 定着装置周辺の部材で用いるフェルト材
JPH0271286A (ja) 湿式複写機の定着装置
JP2000181269A (ja) 定着装置
EP1150181A2 (en) A cleaning sheet for a fuser member, a cleaning sheet supplier, and a cleaning apparatus
EP1003084A2 (en) Cleaning web

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20071026

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100601

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100601

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20101012