JP2006170423A - レシプロエンジンの振動を打ち消すための付加装置 - Google Patents

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晃 伊藤
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Abstract

【課題】4気筒以下のレシプロエンジンでは,ピストンの往復運動によって生じる振動を小さくすることが困難であった。
【解決手段】ピストンのストローク方向に関して,ピストンと全く逆の運動をするバランサーを用いて相殺させることで解決した。
【選択図】図1

Description

発明の詳細な説明
本発明は,レシプロエンジンに発生する振動を打ち消す技術に関するものである。
レシプロエンジンにおいて,クランクシャフトが等速円運動をしているとき,ピストンはクランクシャフトの角速度と等しい値の角振動数の単振動だけではなく,2倍,さらには4倍の角振動数の振動を合わせもつ複雑な運動をしている。6気筒以上のエンジンでは,エンジンのみでこれらの倍振動を打ち消すことが可能であるが,自動車用として最も多く生産されている直列4気筒エンジンでは,エンジンのみでの倍振動の打ち消しはできない。従来,特に影響の大きい2倍振動だけでも取り去ろうと,通称サイレントシャフトなるものが一部で用いられた。また一部では,水平対向エンジンにして,構造的に倍振動を打ち消そうという方法もとられた。
発明が解決しようとする課題
総排気量が2000cc程度以下のレシプロエンジンでは,効率,重量などの点からみて,4気筒以下の形態を採用するのが合理的である。しかし,4気筒以下の形態では振動の少ないエンジンを造るのが困難である。
自動車用として最も多く生産されている直列4気筒エンジンを例にとって現状をみる。一部で用いられてきた,通称サイレントシャフトは,確かにその効果が認められ,直列4気筒エンジンの2倍振動を削減することができた。しかし,その大きな慣性モーメントの影響や,クランクシャフトの回転と比べて,その角速度を2倍にして回転させなければならない事などのため,特にエンジンの吹き上がりなどに問題があった。
水平対向4気筒エンジンは偶力のモーメントは残るものの,倍振動を構造的に打ち消すことができる。しかし,部品点数の多さ,エンジンの形状の悪さ,整備性の悪さなど問題点も多い。
本発明の付加装置は,このような気筒数の少ないエンジンの振動を合理的に打ち消すためのものである。
課題を解決するための手段
クランクシャフトから得た動力を用いて,角速度が周期的に変化する特殊な円運動をつくる。この特殊な円運動を,エンジンの形態によってそれぞれ異なった適切な位置に取り付ける新たなバランサーに行わせる。このバランサーに行わせる特殊な円運動には,その正射影に,ピストンの行っている3つの振動のモード(基本振動,2倍振動,4倍振動)を打ち消す関係になっている振動を含ませておく。このバランサーのはたらきにより,エンジンの振動を合理的に打ち消すことができる。
2倍振動を打ち消すことに関しては,従来から一部で用いられてきたサイレントシャフトと原理は同じである。しかし,サイレントシャフトはクランクシャフトの2倍の角速度で回さなければならないのに対し,本発明では,平均の角速度がクランクシャフトのそれと同じである。また,クランクシャフトに取り付けられている本来のバランサー重量の一部または全部をこの新たなバランサーに振り分けることもできる。よってエンジンの吹き上がりにも悪影響を与えないで済むのである。このバランサーに強制的に行わせる特殊な円運動は,場所によって半径の異なる歯車を組み合わせた歯車列を利用してつくりだす。
クランクの腕の長さが1,コンロッドの長さが3で,クランクシャフトが角速度ωの等速円運動をしており,時刻0のとき,ピストンが上死点を通過する場合を例として説明する。
ピストンの下死点から上死点向きにピストンの位置の座標xをとり,その往復運動の中心を原点とすると,時刻tにおける座標xは
Figure 2006170423
と表される。また,時刻tのときのピストンの速度をυとすると,υは,
Figure 2006170423
と表される。さらに,時刻tのときのピストンに生じる加速度をaとすると、a
Figure 2006170423
と表される。従って,クランクシャフトが等速円運動をしているとき,クランクシャフトに取り付けられているバランサーの行う円運動の正射影は単振動なので,打ち消しができるのは,aの式での第1項にある基本振動だけである。また,直列4気筒エンジンの場合では,各ピストンの振動の初期位相の差がπ,2π,3πなので,ピストン同士で打ち消しができるのは,やはりaの式での第1項だけである。
それに対して本発明では,新たに取り付けるバランサーに,角速度が周期的に変化する円運動をさせている。そして,その円運動の正射影が,例えば常に−xに比例するように回転させている。
(これは,単気筒や直列2気筒エンジンのように,ピストン同士での基本振動の打ち消しができない場合であり,また,クランクシャフトに取り付けられているバランサーの全重量を取り去った場合である。従って,角速度が周期的に変化する円運動の正射影に,ピストンの振動の全てのモードを,ピストンの振動と同じ割合で含ませたのである。)
よって,バランサーの取り付け位置と重量とを適切に設定することにより,最も影響の大きいストローク方向に関してのaの式での全ての項について,打ち消すことができるのである。
また,本発明のバランサーを適切な位置に取り付けることにより,直列3気筒エンジンや水平対向4気筒エンジン,あるいはV型6気筒エンジンの場合に発生する偶力を打ち消すこともできる。
本発明のバランサーに強制的に行わせる,角速度が周期的に変化する円運動について説明する。この円運動の半径を1とし,その正射影に,ピストンの振動の全てのモードをピストンと同じ割合で含ませるものとする。
時刻tのときのクランクシャフトの回転角はωt(下死点から上死点へ向かう向きを角度の基準の向きとする)である。この時のバランサーの行う円運動の回転角をα(ここでは逆に上死点から下死点へ向かう向きを角度の基準の向きとする)とすると,αは
α=cos−1
であれば良い。また,時刻tのときのバランサーの行う円運動の接線方向の速さをυとすると,υはα,υを用いて
Figure 2006170423
と表せる。
バランサーに,このような角速度が周期的に変化する円運動を行わせるのには,特殊な形状の歯車が必要である。この歯車には平成11年10月30日付で本発明者が特許出願中である「ピッチ半径が場所によって異なる,特殊な形状の歯車」(特願平11−357866)を用いる。
クランクシャフトの動力により,クランクシャフトと常に同じ角速度ωで回転する歯車を歯車Aとし,これと常に噛み合っていて,角速度が周期的に変化しながら回転する歯車を歯車Bとする。この2つの歯車に必要な条件は,
・噛み合っているところでの2つの歯車のピッチ半径の和が一定
・歯車Aの基準の向きからの回転角がωtのとき,歯車Bの基準の向きからの回転角はα
である。
今,噛み合っている歯車A,歯車Bの軸間距離を2とする。歯車Aの基準の向きからの回転角がωtのところでのピッチ半径をrとすると,歯車Bの基準の向きからの回転角がαのところでのピッチ半径は(2−r)である。αの単位時間当たりの増加をΔαとおくと,常に噛み合うための条件は
rω=(2−r)Δα
である。バランサーの行う円運動の半径を1としているので,時刻tにおける接線方向の速さをυとすると,υとΔαとの関係は
υ=1×Δα
でなければならない。従って,両式より歯車Aの基準の向きからの回転角がωtのところでのピッチ半径rは
Figure 2006170423
となる。このr,ωtを用いて,ピッチ線が曲線となるラック工具をつくり,歯車Aを創成する。また,歯車Bの創成のためのラック工具は,(2−r),ωtを用いるので,歯車Aのためのラック工具と,歯型が完全に噛み合うものとなる。
発明の効果
エンジンの製造は一個人には無理なので,本発明のバランサーの模型のみを製作した。そして,このバランサーを回転させることによって基本振動,2倍振動を創り出せることや,複数個用いた場合の,2倍振動の打ち消し作用を確認することにした(発生する4倍振動はきわめて弱いので,確認はしない)。ここでは,ピストンの振動モードのうち,基本振動の割合だけを50%に削減した振動を創り出すバランサーとして製作した。(2倍振動が強く感じられるようにするためと,合わせて,本発明者が特許出願中である「ピッチ半径が場所によって異なる,特殊な形状の歯車」が,このような極端な設定においても問題なく作動することも確認したかったからである。)
まず,歯車A,歯車Bを製作するための特殊なピッチ曲線をもつ,ラック工具に相当する工具を作った(作図用なので1mm厚のアクリル板製である)。これを用い,歯車創成の原理に従ってグラフ用紙に歯車A,歯車Bの歯型を作図し,5mm厚アクリル板に書き写し,ジグソー,グラインダ,ボール板,やすり等を用いて5mm厚アクリル板製の歯車A,歯車Bを製作した。
歯車Aと歯車Bとで1組の歯車列を造った。歯車Bの半径が最大になるところにバランサー2枚を歯車を挟む格好で取り付け,歯車Aを回転させると,主としてバランサーの基本振動の影響で,全体的に激しく振動した。
また,別のバランサーを歯車Aにも同様に,歯車Bのそれと対称的な位置に取り付け,歯車Aを回転させた。この場合は歯車Bは基本振動,2倍振動を創り出しているが,歯車AはBとは逆位相の基本振動のみを創り出している。予想通り,基本振動は打ち消され,全体的に2倍振動を強く感じた。
さらに,歯車Aに付けていたバランサーは取り外し,同じ歯車列をもう1組造り,一つの軸に2つの歯車Aを取り付けた。このとき2つの歯車Aは,そのピッチ半径の最大になる向きが,互いに逆になるように軸に固定した。2つの歯車Bは,それぞれの軸が歯車Aの軸に関して点対称の位置になるように取り付けた。この場合は,2組の歯車列がどちらも基本振動,2倍振動を創り出していて,しかも基本振動,2倍振動ともに,それぞれ逆位相の関係にある。よってこの状態で2つの歯車Aを固定した軸を回転させると,2つの歯車Bがそれぞれ創っている基本振動,2倍振動ともに互いに打ち消し合って,全体的にほとんど振動しなかった。
これらのテストにより,本発明で,等速円運動からその角速度の2倍に等しい角振動数をもつ振動を創り出したり,また,それらを打ち消したりすることが出来ることの確認ができた。これで,本発明によってピストンの振動の打ち消しが可能であることが容易に想像できる。
付加装置を2気筒エンジンの中心付近に取り付けた例 歯車Aの創成のためのラックに相当する工具の歯型(一部分) 歯車A 歯車B
符号の説明
1は 付加装置のバランサー
2は 歯車B
3は 付加装置のシャフト
4は クランクシャフト
5は 歯車A

Claims (1)

  1. ・レシプロエンジンのクランクシャフトから得られる動力を用いて,場所によって半径の異なる歯車の組み合わせによる歯車列を回転させ,角速度が周期的に変化する円運動をつくる。
    ・角速度が周期的に変化する円運動をするバランサー(あるいはバランスウェイト,カウンターウェイト。以下,バランサーと表記)を用いる。
    ・バランサーの行う,角速度が周期的に変化する円運動には,その正射影に,クランクシャフトの回転の角速度の1倍,2倍,4倍の値の角振動数をもつ振動が含まれている。
JP2004382475A 2004-12-11 2004-12-11 レシプロエンジンの振動を打ち消すための付加装置 Pending JP2006170423A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101755496B1 (ko) 2016-09-09 2017-07-10 현대자동차 주식회사 파워 트레인
WO2021166865A1 (ja) * 2020-02-18 2021-08-26 日立Astemo株式会社 3気筒内燃機関用バランサ装置およびバランサシャフト

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