JP2006169449A - 耐紫外線用樹脂成形品 - Google Patents

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Abstract

【課題】製品設計自由度および生産性を向上させ、紫外線照射環境下において劣化を抑制し、かつ、熱伝導性、ヒートショック性に優れた耐紫外線用樹脂成形品を得る。
【解決手段】熱可塑性樹脂(A)とフィラー(B)を含有してなり、レーザーフラッシュ法で測定した熱伝導率が1W/mK以上である成形品であって、さらに最外層をアクリル系樹脂で表面コートしてあることを特徴とする耐紫外線用樹脂成形品、およびアクリル系樹脂の膜厚が0.5〜200μmであることを特徴とする上記耐紫外線用樹脂成形品。
【選択図】なし

Description

本発明は、製品設計自由度および生産性を向上させ、紫外線にさらされる環境において適用可能であり、かつ、熱伝導性、ヒートショック性に優れた耐紫外線用樹脂成形品に関するものである。
これまで樹脂化が困難とされていた分野への用途開拓も盛んに試みられ、樹脂に対する要求性能は、益々多様化すると共に厳しくなる傾向にある。近年、特に目立つのが、従来板金、アルミダイカスト、セラミックスが用いられていたOA用途において軽量化、生産性向上によるコスト低減のための樹脂化の検討をすすめる傾向である。例えば、プロジェクタ装置は、近年、プレゼンテーション等のような商用的な用途に用いられるばかりではなく、様々なコンテンツの表示手段として家庭内で使用可能となることが望まれており、高輝度で、かつ薄型化、小型化が求められている。特に、プロジェクタ装置内部は、プロジェクタの高輝度化及び小型化にともなって、ランプの出力がアップされ、それにより、より高温になる傾向がある。このため、プロジェクタ内部を構成している照明光学系部品(ランプユニット)、色光分離光学系部品、色光合成光学系部品等に使用している部材においては、高耐熱性が必要なことから、樹脂化する場合、耐熱性に優れるポリフェニレンスルフィドが多く使用されている。しかしながら、ポリフェニレンスルフィド製の成形品は、ランプなどから漏れ出る紫外線が成形品表面にあたった場合、表面劣化を起こし、充填しているフィラーが浮きだし、脱離し、プロジェクタ装置内で浮遊することで、最悪の場合、映像投影時のノイズとなってしまう可能性がある。 成形品の表面コートについては、パソコン筐体などにおける塗膜の接着性改良のためにアクリル樹脂を用いることが記載されているものの、最外層をアクリル樹脂で表面コートすることにより耐紫外線性を改良する点について全く開示されていない。
一方、特許文献2記載には、熱伝導性向上についてが記載されているものの、耐紫外線向上効果については開示がない。
特開2003−327714号公報(第2頁、実施例) 国際公開第02/94529号パンフレット(第3頁、実施例)
本発明は、上述した従来の問題点を解消し、製品設計自由度および生産性を向上させ、紫外線にさらされる環境において適用可能で、かつ、熱伝導性、ヒートショック性に優れた耐紫外線用樹脂成形品を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記問題点を解決するために鋭意検討を重ねた結果、本発明に至った。
すなわち本発明は、
(1)熱可塑性樹脂(A)とフィラー(B)を含有してなり、レーザーフラッシュ法で測定した熱伝導率が1W/mK以上である成形品であって、さらに最外層をアクリル系樹脂で表面コートしてなる耐紫外線用樹脂成形品、
(2)アクリル系樹脂の膜厚が0.5〜200μmであることを特徴とする上記(1)の耐紫外線用樹脂成形品、
(3)熱可塑性樹脂がポリアミド樹脂、非液晶性ポリエステル樹脂、液晶ポリマーおよびポリアリーレンサルファイド樹脂から選ばれた少なくとも1種である上記(1)または(2)のいずれか記載の耐紫外線用樹脂成形品、
(4)上記(1)〜(3)いずれか記載の耐紫外線用樹脂成形品が光学系部品に使用されることを特徴とする耐紫外線用樹脂成形品である。
本発明の耐紫外線用樹脂成形品は、従来得られなかった熱伝導性とヒートショック性が均衡して優れ、かつ、耐紫外線性に優れることから、従来まで制限があった紫外線があたる部位に信頼性を向上させ、用いることが可能となることから、極めて実用的に用いることができる。
以下、本発明の実施の形態を説明する。本発明において「重量」とは「質量」を意味する。
本発明において(A)熱可塑性樹脂は、溶融成形加工できる合成樹脂のことである。
その具体例としては、例えば、非液晶性半芳香族ポリエステル、非液晶性全芳香族ポリエステルなどの非液晶性ポリエステル樹脂、液晶ポリマー(液晶性ポリエステル樹脂、液晶性ポリエステルアミド樹脂など)、ポリカーボネート、脂肪族ポリアミド、脂肪族−芳香族ポリアミド、全芳香族ポリアミドなどのポリアミド樹脂、ポリオキシメチレン、ポリイミド、ポリベンズイミダゾール、ポリケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンオキシド、ポリスルホン、フェノキシ樹脂、ポリアリーレンスルフィド樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレンなどのオレフィン系重合体、エチレン/プロピレン共重合体、エチレン/1−ブテン共重合体、エチレン/プロピレン/非共役ジエン共重合体、エチレン/アクリル酸エチル共重合体、エチレン/メタクリル酸グリシジル共重合体、エチレン/酢酸ビニル/メタクリル酸グリシジル共重合体およびエチレン/プロピレン−g−無水マレイン酸共重合体、ABSなどのオレフィン系共重合体、ポリエステルポリエーテルエラストマー、ポリエステルポリエステルエラストマー等のエラストマーから選ばれる1種または2種以上の混合物が挙げられる(“/”は共重合を表す。以下同じ)。
上述した熱可塑性樹脂のうち機械的性質、成形性などの点から非液晶性ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、液晶性ポリエステル樹脂等の液晶ポリマー、ポリカーボネート、ポリアリーレンスルフィド樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ABS、ポリフェニレンオキシド、フェノキシ樹脂、から選ばれる1種または2種以上の混合物が好ましく用いられ、なかでもポリアミド樹脂、非液晶性ポリエステル樹脂、液晶性ポリエステル樹脂等の液晶ポリマー、ポリアリーレンスルフィド樹脂が好ましく用いられ、特に液晶ポリマー、ポリアリーレンスルフィド樹脂が好ましく用いられる。
さらにポリアリーレンスルフィド樹脂の代表例としては、ポリフェニレンスルフィド(以下、PPSと略す場合もある)、ポリフェニレンスルフィドスルホン、ポリフェニレンスルフィドケトン、これらのランダム共重合体、ブロック共重合体およびそれらの混合物などが挙げられ、中でもポリフェニレンスルフィドが特に好ましく使用される。かかるポリフェニレンスルフィドは、下記構造式で示される繰り返し単位を好ましくは70モル%以上、より好ましくは90モル%以上含む重合体であり、上記繰り返し単位が70モル%以上の場合には、耐熱性が優れる点で好ましい。
Figure 2006169449
また、かかるポリフェニレンスルフィド樹脂は、その繰り返し単位の30モル%以下を、下記の構造式を有する繰り返し単位などで構成することが可能であり、ランダム共重合体、ブロック共重合体であってもよく、それらの混合物であってもよい。
Figure 2006169449
かかるポリアリーレンスルフィド樹脂は、通常公知の方法、つまり特公昭45−3368号公報に記載される比較的分子量の小さな重合体を得る方法あるいは特公昭52−12240号公報や特開昭61−7332号公報に記載される比較的分子量の大きな重合体を得る方法などによって製造することができる。
本発明においては、上記のようにして得られたポリアリーレンスルフィド樹脂を、空気中加熱による架橋/高分子量化、窒素などの不活性ガス雰囲気下あるいは減圧下での熱処理、有機溶媒、熱水、酸水溶液などによる洗浄、酸無水物、アミン、イソシアネート、官能基含有ジスルフィド化合物などの官能基含有化合物による活性化などの種々の処理を施した上で使用することも、もちろん可能である。
ポリアリーレンスルフィド樹脂を加熱により架橋/高分子量化する場合の具体的方法としては、空気、酸素などの酸化性ガス雰囲気下あるいは前記酸化性ガスと窒素、アルゴンなどの不活性ガスとの混合ガス雰囲気下で、加熱容器中で所定の温度において希望する溶融粘度が得られるまで加熱を行う方法を例示することができる。この場合の加熱処理温度としては、好ましくは150〜280℃、より好ましくは200〜270℃の範囲が選択して使用され、処理時間としては、好ましくは0.5〜100時間、より好ましくは2〜50時間の範囲が選択されるが、この両者をコントロールすることによって、目標とする粘度レベルを得ることができる。かかる加熱処理の装置は、通常の熱風乾燥機でもまた回転式あるいは撹拌翼付の加熱装置であってもよいが、効率よくしかもより均一に処理する場合は、回転式あるいは撹拌翼付の加熱装置を用いるのがより好ましい。
ポリアリーレンスルフィド樹脂を窒素などの不活性ガス雰囲気下あるいは減圧下で熱処理する場合の具体的方法としては、窒素などの不活性ガス雰囲気下あるいは減圧(好ましくは7,000Nm−2以下)下で、加熱処理温度150〜280℃、好ましくは200〜270℃、加熱時間0.5〜100時間、好ましくは2〜50時間の条件で加熱処理する方法を例示することができる。かかる加熱処理の装置は、通常の熱風乾燥機でもまた回転式あるいは撹拌翼付の加熱装置であってもよいが、効率よくしかもより均一に処理する場合は、回転式あるいは撹拌翼付の加熱装置を用いるのがより好ましい。
ポリアリーレンスルフィド樹脂を有機溶媒で洗浄する場合に、洗浄に用いる有機溶媒としては、ポリアリーレンスルフィド樹脂を分解する作用などを有しないものであれば特に制限はなく使用することができる。例えばN−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどの含窒素極性溶媒、ジメチルスルホキシド、ジメチルスルホンなどのスルホキシド・スルホン系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、アセトフェノンなどのケトン系溶媒、ジメチルエーテル、ジプロピルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル系溶媒、クロロホルム、塩化メチレン、トリクロロエチレン、2塩化エチレン、ジクロロエタン、テトラクロロエタン、クロロベンゼンなどのハロゲン系溶媒、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、フェノール、クレゾール、ポリエチレングリコールなどのアルコール・フェノール系溶媒、およびベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系溶媒などが使用される。これらの有機溶媒のなかでも、特にN−メチルピロリドン、アセトン、ジメチルホルムアミドおよびクロロホルムなどが好ましく使用される。また、これらの有機溶媒は、1種類または2種類以上の混合で使用される。
かかる有機溶媒による洗浄の具体的方法としては、有機溶媒中にポリアリーレンスルフィド樹脂を浸漬せしめるなどの方法があり、必要により適宜撹拌または加熱することも可能である。有機溶媒でポリアリーレンスルフィド樹脂を洗浄する際の洗浄温度については特に制限はなく、常温〜300℃程度の任意の温度が選択できる。洗浄温度が高くなるほど洗浄効率が高くなる傾向があるが、通常は常温〜150℃の洗浄温度で十分な効果が得られる。なお、有機溶媒洗浄を施されたポリアリーレンスルフィド樹脂は、残留している有機溶媒を除去するため、水または温水で数回洗浄することが好ましい。上記水洗浄の温度は50〜90℃であることが好ましく、60〜80℃であることが好ましい。
ポリアリーレンスルフィド樹脂を熱水で処理する場合の具体的方法としては、以下の方法を例示することができる。すなわち、熱水洗浄によるポリアリーレンスルフィド樹脂の好ましい化学的変性の効果を発現するために、使用する水は蒸留水あるいは脱イオン水であることが好ましい。熱水処理の操作は、通常、所定量の水に所定量のポリアリーレンスルフィド樹脂を投入し、常圧であるいは圧力容器内で加熱、撹拌することにより行われる。ポリアリーレンスルフィド樹脂と水との割合は、水の多い方がよく、好ましくは水1リットルに対し、ポリアリーレンスルフィド樹脂200g以下の浴比で使用される。
ポリアリーレンスルフィド樹脂を酸処理する場合の具体的方法としては、以下の方法を例示することができる。すなわち、酸または酸の水溶液にポリアリーレンスルフィド樹脂を浸漬せしめるなどの方法があり、必要により適宜撹拌または加熱することも可能である。用いられる酸としては、ポリアリーレンスルフィド樹脂を分解する作用を有しないものであれば特に制限はなく、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸などの脂肪族飽和モノカルボン酸、クロロ酢酸、ジクロロ酢酸などのハロ置換脂肪族飽和カルボン酸、アクリル酸、クロトン酸などの脂肪族不飽和モノカルボン酸、安息香酸、サリチル酸などの芳香族カルボン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、フタル酸、フマル酸などのジカルボン酸、および硫酸、リン酸、塩酸、炭酸、珪酸などの無機酸性化合物などが用いられる。これらの酸のなかでも、特に酢酸、塩酸がより好ましく用いられる。酸処理を施されたポリアリーレンスルフィド樹脂は、残留している酸または塩などを除去するため、水で数回洗浄することが好ましい。上記水洗浄の温度は50〜90℃であることが好ましく、60〜80℃であることが好ましい。また、洗浄に用いる水は、酸処理によるポリアリーレンスルフィド樹脂の好ましい化学的変性の効果を損なわない意味で、蒸留水または脱イオン水であることが好ましい。
本発明で用いられるポリアリーレンスルフィド樹脂の重量平均分子量は、フィラー高充填化を可能とするためにポリスチレン換算における重量平均分子量が50000以下であることが好ましく、40000以下がより好ましく、25000以下であることが特に好ましい。重量平均分子量の下限については特に制限はないが、滞留安定性等を考慮した場合、1500以上であることが好ましい。
ここで重量平均分子量はGPCにより測定し、スチレン換算で求めた値である。
また溶融粘度の異なる2種以上のポリアリーレンスルフィド樹脂を併用して用いてもよい。 本発明に用いる(B)フィラーとしては、本発明で規定する熱伝導率を有する成形品を与え得るフィラーが選択される。フィラー形状としては繊維状もしくは、非繊維状(板状、鱗片状、粒状、不定形状、破砕品など)のフィラーが挙げられ、具体的には例えば、繊維状フィラーとしてガラス繊維、PAN系やピッチ系の炭素繊維、ステンレス繊維、アルミニウム繊維や黄銅繊維などの金属繊維、芳香族ポリアミド繊維などの有機繊維、石膏繊維、セラミック繊維、アスベスト繊維、ジルコニア繊維、アルミナ繊維、シリカ繊維、酸化チタン繊維、炭化ケイ素繊維、ロックウール、チタン酸カリウムウィスカー、チタン酸バリウムウィスカー、ほう酸アルミニウムウィスカー、窒化ケイ素ウィスカー等が挙げられ、ガラス繊維あるいは炭素繊維の種類は、一般に樹脂の強化用に用いるものなら特に限定はなく、例えば長繊維タイプや短繊維タイプのチョップドストランド、ミルドファイバーなどから選択して用いることができる。また、上記フィラーはエチレン/酢酸ビニル共重合体などの熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂で被覆あるいは集束されていてもよい。
非繊維状フィラーとしてマイカ、タルク、カオリン、シリカ、炭酸カルシウム、ガラスビーズ、ガラスフレーク、ガラスマイクロバルーン、クレー、二硫化モリブデン、ワラステナイト、ポリリン酸カルシウム、グラファイト、金属粉、金属フレーク、金属リボン、金属酸化物(アルミナ、酸化亜鉛、酸化チタン等)、カーボン粉末、黒鉛、カーボンフレーク、鱗片状カーボン、カーボンナノチューブなどが挙げられる。また、金属粉、金属フレーク、金属リボンの金属種の具体例としては銀、ニッケル、銅、亜鉛、アルミニウム、ステンレス、鉄、黄銅、クロム、錫などが例示できる。
ここで、上記金属粉、金属フレークおよび金属リボンの金属種の具体例としては、銀、ニッケル、銅、亜鉛、アルミニウム、マグネシウム、ステンレス、鉄、黄銅、クロムおよび錫などを例示することができる。
また、上記金属繊維の金属種の具体例としては、鉄、銅、ステンレス、アルミニウムおよび黄銅などを例示することができる。
かかる金属粉、金属フレーク、金属リボンおよび金属繊維は、いずれもチタネート系、アルミネート系およびシラン系などの表面処理剤で表面処理を施されていてもよい。
上記金属酸化物の具体例としては、SnO(アンチモンドープ)、In(アンチモンドープ)およびZnO(アルミニウムドープ)などを例示することができ、これらはチタネート系、アルミ系およびシラン系などの表面処理剤で表面処理を施されていてもよい。
上記窒化物の具体例としては、AlN(窒化アルミニウム)、BN(窒化ホウ素)、Si(窒化珪素)などを例示することができ、これらはチタネート系、アルミ系およびシラン系などの表面処理剤で表面処理を施されていてもよい。
なかでも、本発明で規定する熱伝導率を有する耐紫外線用樹脂成形品を得るためには、熱伝導率が20W/mK以上の熱伝導性フィラーを(B)成分の少なくとも一部または全部として用いることが好ましい。このような熱伝導性フィラーの具体例としては金属粉、金属フレーク、金属リボン、金属繊維、ベリリア、アルミナ、酸化亜鉛、酸化マグネシウムなどの金属酸化物、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化珪素などの窒化物、熱伝導性物質で被覆された無機フィラー、カーボン粉末、黒鉛、ピッチ系炭素繊維、あるいは黒鉛化度の比較的高いPAN系炭素繊維、鱗片状カーボンおよびカーボンナノチューブなどが挙げられる。なお、フィラーの熱伝導率は、原則レーザーフラッシュ法で測定した値であるが、フィラーが炭素系の材料である場合など、レーザーフラッシュ法により直接測定できない場合には、測定が可能な方法で間接的に測定し、レーザーフラッシュ法に換算した値を使用する。例えばエポキシ系熱硬化性樹脂でフィラーを固めたサンプルを用いて光交流法により熱伝導率を測定して作成したフィラー充填量と熱伝導率の関係を示す検量線よりフィラー100容量%の場合の熱伝導率を算出し、レーザーフラッシュ法の数値に換算した値を使用することができる。さらにかかる方法による測定も適さない場合には、エポキシ系熱硬化性樹脂でフィラー(同様の質を有し、測定可能な形態を有するフィラー)を固めた疑似サンプルを用いて広角X線により測定した黒鉛層間距離(d002)と結晶子径(Lc)から求めたX線パラメータと、レーザーフラッシュ法による熱伝導率から検量線を予め求めておき、広角X線により測定した測定サンプルのd002とLcから、上記検量線を用いてレーザーフラッシュ法の熱伝導率に換算した値などを使用することができる。
黒鉛の粒径については、ヒートショック性を得るためにレーザー光回折法によって測定された累積粒度分布曲線より得られる平均粒径(D50)が1〜70μmであることが好ましく、3〜60μmがより好ましく、4〜55μmがさらに好ましい。
上記熱伝導性物質で被覆された無機フィラーにおける熱伝導性物質の具体例としては、アルミニウム、ニッケル、銀、カーボン、SnO(アンチモンドープ)およびIn(アンチモンドープ)などを例示することができる。また、被覆される無機フィラーとしては、マイカ、ガラスビーズ、ガラス繊維、炭素繊維、硫酸バリウム、酸化亜鉛、酸化チタン、および炭化珪素ウィスカーなどを例示することができる。被覆方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、無電解メッキ法および焼き付け法などが挙げられる。そして、これらの熱伝導性物質で被覆された無機フィラーもまた、チタネート系、アルミネート系およびシラン系などの表面処理剤で表面処理を施されていてもよい。
本発明においては前記熱伝導性フィラーの中でも耐紫外線用樹脂成形品の放熱性と軽量性の高位でのバランス化を図る上で、アルミナ、酸化亜鉛、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化珪素、カーボン粉末、黒鉛、PAN系あるいはピッチ系の炭素繊維、カーボンフレーク、鱗片状カーボンおよびカーボンナノチューブなどを用いることが好ましい。
また、本発明においては、とりわけ優れたヒートショック性を得るためにフィラーの少なくとも一種にグラファイトを用いることが好ましい。
さらに本発明においてはさらに剛性を付与するために、用いるフィラーの少なくとも一種に繊維状を用いることが好ましい。例えばPAN系あるいはピッチ系の炭素繊維とグラファイト、アルミナ、カーボンフレーク等の非繊維状の熱伝導性フィラーを組み合わせることが好ましく、なかでも強度が必要な場合、PAN系炭素繊維とグラファイトあるいはピッチ系炭素繊維とアルミナ、高熱伝導率が必要な場合、ピッチ系炭素繊維とグラファイトを組み合わせて用いることが好ましい。
本発明においてフィラーの添加量は、本発明で規定する熱伝導率を満たす限り特に制限はなく、また用いるフィラーの種類によっても異なるが、用いるフィラーの特性を発揮し、かつ溶融加工性とのバランスの点から、熱可塑性樹脂(A)とフィラー(B)の合計量100重量%に対し、熱可塑性樹脂(A)2〜50重量%、フィラー(B)98〜50重量%であることが好ましく、熱可塑性樹脂(A)10〜30重量%、フィラー(B)90〜70重量%であることがより好ましく、熱可塑性樹脂(A)15〜35重量%、フィラー(B)85〜65重量%であることが特に好ましく、熱可塑性樹脂(A)15〜28重量%、フィラー(B)85〜72重量%であることが最も好ましい。
また、得られた材料におけるレーザーフラッシュ法で測定した熱伝導率が1W/mK以上とするために熱伝導性フィラーを好ましくは、フィラー総量の20重量%以上、より好ましくは50重量%以上、さらには80重量%以上添加することが好ましい。上限としては95重量%以下であることが強度、コストの点から好ましい。
また、本発明には、フィラー界面の接合性および加工時の流動改良性付与の観点から、以下の(C)脂肪酸金属塩、エステル系化合物、アミド基含有化合物、エポキシ系化合物、リン酸エステルのいずれか一種以上の添加剤を添加することが好ましく、添加量は、(A)熱可塑性樹脂と(B)無機フィラーの合計量100重量部に対し、通常0〜10重量部、好ましくは0.1〜10重量部、より好ましくは0.3〜8重量部、さらに好ましくは0.3〜6重量部の範囲が選択される。
(C)添加剤の添加量が本発明の範囲より多すぎる場合、得られた成形品表面にブリードアウトしてくると共に、それによって熱可塑性樹脂とフィラー界面の剥離を引き起こし、機械物性が低下する傾向にある。
このような添加剤(C)の具体例としては、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸アルミニウム、モンタン酸ナトリウム、モンタン酸カルシウム、モンタン酸マグネシウム、モンタン酸カリウム、モンタン酸リチウム、モンタン酸亜鉛、モンタン酸バリウム、モンタン酸アルミニウムなどの脂肪酸金属塩、およびその誘導体、ステアリン酸メチル、ステアリン酸ステアレートなどの、ステアリン酸エステル、ミリスチン酸ミリスチルなどのミリスチン酸エステル、モンタン酸エステル、メタクリル酸ベヘニルなどのメタクリル酸エステル、ペンタエリスリトールモノステアレート、2−エチルヘキサン酸セチル、ヤシ脂肪酸メチル、ラウリン酸メチル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸2−エチルヘキシル、ステアリン酸イソトリデシル、カプリン酸メチル、ミリスチン酸メチル、オレイン酸メチル、オレイン酸オクチル、オレイン酸ラウリル、オレイン酸オレイル、オレイン酸2−エチルヘキシル、オレイン酸デシル、オレイン酸オクチドデシル、オレイン酸イソブチルなどの脂肪酸の一価アルコールエステルおよびその誘導体、フタル酸ジステアリル、トリメリット酸ジステアリル、アジピン酸ジメチル、アジピン酸ジオレイル、アジピン酸エステル、フタル酸ジトリデシル、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸ジイソデシル、アジピン酸ジブチルグリコール、フタル酸2−エチルヘキシル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジデシル、トリメリット酸トリ2−エチルヘキシル、トリメリット酸トリイソデシルなどの多塩基酸の脂肪酸エステル、ステアリン酸モノグリセライド、パルミチン酸・ステアリン酸モノグリセライド、ステアリン酸モノ・ジグリセライド、ステアリン酸・オレイン酸・モノ・ジグリセライド、ベヘニン酸モノグリセライドなどのグリセリンの脂肪酸エステルおよびそれらの誘導体、ソルビタントリステアレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンジステアレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ポリエチレングリコールモノステアレート、ポリエチレングリコールジステアレート、ポリプロピレングリコールモノステアレート、ペンタエリスリトールモノステアレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタントリオレート、ソルビタンモノオレート、ソルビタンセキスオレート、ソルビタンモノラウレート、ポリオキシメチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシメチレンソルビタンモノパルミネート、ポリオキシメチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシメチレンソルビタンモノオレート、ポリオキシメチレンソルビタンテトラオレート、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコールモノラウレート、ポリエチレングリコールモノオレート、ポリオキシエチレンビスフェノールAラウリン酸エステル、ペンタエリスリトール、ペンタエリスリトールモノオレート等の多価アルコールの脂肪酸エステル、およびそれらの誘導体、エチレンビスステアリルアミド、エチレンビスオレイルアミド、ステアリルエルカミド、エチレンビスオクタミド、エチレンビスデカナミド、およびその混合物などのアミド基含有化合物、ノボラックフェニール型、ビスフェノール型単官能および多官能エポキシ系化合物、トリフェニルホスフェートなどの芳香族リン酸エステル、芳香族縮合リン酸エステルなどのリン酸エステルが挙げられる。
本発明における耐紫外線用樹脂成形品の基材に使用する樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で他の成分、例えば酸化防止剤や耐熱安定剤(ヒンダードフェノール系、ヒドロキノン系、ホスファイト系およびこれらの置換体等)、耐候剤(レゾルシノール系、サリシレート系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、ヒンダードアミン系等)、離型剤及び滑剤、顔料(硫化カドミウム、フタロシアニン、着色用カーボンブラック等)、染料(ニグロシン等)、結晶核剤(タルク、シリカ、カオリン、クレー等)、可塑剤(p−オキシ安息香酸オクチル、N−ブチルベンゼンスルホンアミド等)、帯電防止剤(アルキルサルフェート型アニオン系帯電防止剤、4級アンモニウム塩型カチオン系帯電防止剤、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレートのような非イオン系帯電防止剤、ベタイン系両性帯電防止剤等)、難燃剤、他の重合体を添加することができる。
本発明の耐紫外線用樹脂成形品の基材に使用する樹脂組成物は、通常公知の方法で製造される。例えば、(A)成分、(B)成分中および、(C)成分などのその他の必要な添加剤を予備混合して、またはせずに押出機などに供給して十分溶融混練することにより調製される。また、(B)無機フィラーを添加する場合、特に繊維状フィラーの繊維の折損を抑制するために好ましくは、(A)成分およびその他必要な添加剤を押出機の元から投入し、(B)および(C)成分をサイドフィーダーを用いて、押出機へ供給することにより調整される。
樹脂組成物を製造するに際し、例えば“ユニメルト”(R)タイプのスクリューを備えた単軸押出機、二軸、三軸押出機およびニーダタイプの混練機などを用いて180〜350℃で溶融混練して組成物とすることができる。
また、フィラーを多量に添加する場合、例えば添加量が(A)と(B)の合計量100重量部に対して150重量部を越えるフィラーを添加するフィラー高充填樹脂組成物を得る方法として、例えば、特開平8−1663号公報の如く、押出機のヘッド部分をはずして押し出し、粗粉砕、均一ブレンド化する方法、あるいは、原料を圧縮成形して錠剤化する方法が挙げられる。特に原料を圧縮成形して錠剤化する方法が、得られた組成物の品質安定性の点から好ましい。
本発明において錠剤は、粉末状の原料を含む原料を固相状態で押し固めた粒状物をいうが、かかる錠剤は、粉末状の原料を含む原料を固相状態で圧縮成形することにより得ることができる。なお、上記において固相状態とは、原料に含まれる熱可塑性樹脂成分が溶融していない状態であることを意味する。圧縮成形には、打錠機(ロータリー、単発式、2連式、3連式)あるいはブリケットマシンなどの圧縮ロールを有する成形機を用いることが好ましい。
錠剤化の具体的な手法としては、たとえば熱可塑性樹脂粉末および無機フィラーをバンバリーミキサー、ニーダー、ロール、単軸もしくは二軸の押出機などを用い、固相状態で均一ブレンドし、打錠機あるいは圧縮ロールを有する成形機により錠剤(タブレット)化することにより得ることができる。また、熱可塑性の樹脂原料と無機フィラーとをバンバリーミキサー、ニーダー、ロールを用いて予めドライブレンドし、もしくはドライブレンドしないで、単軸もしくは二軸の押出機などを用い、一度溶融混練し、冷却粉砕して粉末状としたのち、打錠機あるいは圧縮ロールを有する成形機により錠剤(タブレット)化することも可能である。この場合、溶融混練に供する熱可塑性の樹脂成分としては、溶融混練が可能であれば、粉末状でもペレット状でも特に制限はないが、無機フィラーの分散不良による特性のバラツキを低減する点から粉末状あるいは粉砕品であることが好ましい。また、単軸もしくは2軸押出機を用いて、予め溶融混練した組成物を粉末状とする場合、無機フィラーの使用量が多いと、流動性が悪化するため、ダイからの押出ができずペレット化が困難になる場合があるが、その場合には、特開平8−1663号公報に記載の如く、押出機のヘッド部を開放した状態で混練・押出すことも可能である。無機フィラーが多量である場合、フレーク状の組成物が得られることもある。本発明においてはこれらの方法で予め溶融混練して得られたペレットもしくはフレーク状の組成物を必要により、冷却粉砕して粉末状とした後、錠剤化する。また、これらの方法を組み合わせて錠剤化することも可能である。すなわち、下記(イ)〜(ニ)から選択される原料を所望の含有量となるよう調整し、錠剤化することも可能である。
(イ)熱可塑性樹脂
(ロ)フィラー
(ハ)(C)脂肪酸金属塩、エステル系化合物、アミド基含有化合物、エポキシ系化合物、リン酸エステルのいずれか1種以上
(ニ)(A)〜(C)成分から選択される2種以上であって、(A)成分を必須とする成分を溶融混練してなる組成物、好ましくはその塊状物および粉体
上記方法のうち、工程が簡素である点で、上記(イ)、(ロ)の原料および必要に応じて(ハ)の原料を固相状態で均一ブレンドした混合物を打錠機あるいは圧縮ロールを有する成形機により錠剤(タブレット)化する方法が好ましい。
上記(A)成分の粉末としては、ポリアリーレンサルファイド樹脂など粉末状で入手できるものはそれを使用してもよい。また、ペレットを常温あるいは冷凍粉砕することによっても得ることができる。冷凍粉砕は、ドライアイスあるいは液体窒素等で凍結させた後、一般的に知られている通常のハンマータイプ粉砕機、カッタータイプ粉砕機あるいは石臼型の粉砕機により行うことができる。本発明において用いる熱可塑性の樹脂粉末としては、得られる錠剤間の組成の均一化および得られた錠剤のハンドリング性を良好にする点から、レーザー回折式粒度分布測定法に基づき測定した場合の粒子の最大長径の数平均粒子径が1000μm以下であることが好ましく、800μm以下であることがより好ましく、500μm以下であることがさらに好ましい。かかる粒径を有する粉末を得るには、粉砕などにより得られた粉体を適宜所望の大きさの篩を用いてふるい分けすればよい。
本発明に用いる樹脂組成物の錠剤形状としては、輸送時の形状保持性と成形時の易圧壊性を考慮した場合、例えば、円柱状、楕円柱状、円錐台形状、球状、楕円球状、鶏卵型形状、マセック型、円盤状、キュービック状、角柱状のものが挙げられる。なかでも加工時の計量安定性の点から円柱状、楕円柱状、円錐台形状、球状、楕円球状、鶏卵型形状、マセック型が好ましい。
また、錠剤の錠剤サイズとしては、底面15mm直径以下×長さ20mm以下が好ましく、なかでも底面の直径または長さ(高さ)の最大値が15mm未満であることが好ましく、最小値が1mm以上であることが好ましい。なお、底面が円状でないものに関して、最大径、最小径の規定方法としては、外接円の最大直径で特定する場合、その最大直径が15mm未満、1mm以上であることが好ましく、更に好ましくは12mm以下、1.5mm以上であるのがよい。
また、輸送時等の形状を安定に保つために、錠剤における打錠面の側面もしくは圧縮ロールでの圧縮面に対し、垂直に圧力をかけた時の圧縮破壊強度値(圧壊強度値)が、好ましくは5〜100N、より好ましくは15〜80Nである。好ましい圧壊強度値を得るための方法としては、例えば、原料組成によるところが最も大きく、エステル系、アミド系、燐系添加剤を添加することにより、あるいは錠剤化工程において、原料供給ポケットに均一に原料を供給する方法、圧縮ロールの回転数を下げ圧縮ロール上での材料への加圧時間を延ばす方法、ホッパー内にフィードスクリューを用い、そのスクリューによりロール圧縮前において効果的な脱気と予備圧縮する方法などにより、高い錠剤密度が得られ、高い圧壊強度が得られる。なお、圧壊強度値の測定は、ロードセルなどの歪ゲージの上に錠剤を置き、その上から圧子を低速(好ましくは0.1〜2.0mm/sec)で降下させ、錠剤の圧縮破壊時に歪ゲージが示す圧力を測定する方法を用い行うことができる。
かかる方法を用いることにより、フィラーを高充填した樹脂組成物を得ることが可能となる。
本発明の耐紫外線用樹脂成形品の基材に使用する樹脂組成物、錠剤は、耐紫外線用樹脂成形品の基材として使用した場合、熱による溶融変形、温度の急激な変化による応力集中による割れ等の不良を抑制するためにレーザーフラッシュ法で測定した熱伝導率が1W/mK以上である必要があり、好ましくは、2W/mK以上、さらに好ましくは、3W/mK以上である。上限としては生産性を考慮した場合、150W/mK以下であることが好ましい。なお、上記熱伝導率の測定は、本発明の樹脂組成物、錠剤を溶融成形して得られる50mm×50mm×厚さ3mmの角形成形品を成形し、この成形品の両表面を深さ0.5mm切削し、レーザーフラッシュ法定数測定装置により測定される熱伝導率である。
本発明の耐紫外線用樹脂成形品の基材を取得するにあたっての成形方法は、通常の成形方法(射出成形、プレス成形、インジェクションプレス成形など)により、溶融成形することが可能である。
本発明で成形品最外層にコートする目的で用いられるアクリル系樹脂は、(a)モノマー成分を主体とする組成物を成形体表面に塗布した後、加熱させることにより、または紫外線、電子線、放射線などの活性エネルギー線を照射することにより硬化させるもの(以下、アクリル樹脂(a)と称することがある)、および(b)予めポリマー成分を重合した後かかるポリマーの溶液または融液を塗布し、溶媒を揮発等させてコートさせるもの(以下、アクリル樹脂(b)と称することがある)のいずれも使用可能である。特に、後者のアクリル樹脂(b)は劣化の要因となりやすい未反応の残留モノマーを極力低減できるため、より好ましい。好ましいアクリル樹脂としては50モル%以上の低級アルキルメタクリレートモノマーと50モル%以下のかかる低級アルキルメタクリレートモノマーと共重合可能な他のモノマーを重合して得られるポリマーである。低級アルキルメタクリレートモノマーとしては、具体的にメチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレートおよびブチルメタクリレートが挙げられ、これらは単独または2種以上を混合して使用できる。なかでもメチルメタクリレートおよびエチルメタクリレートが好ましい。
また、共重合可能な他のモノマーとしては、殊に接着性あるいは耐候性等の耐久性の面で、アクリル酸、メタクリル酸またはそれらの誘導体が好ましく使用される。具体的にはアクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸アミド、メタクリル酸アミド、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、2(2−エトキシエチル)エチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、2−フェノキシエチル(メタ)アクリレート、トリメトキシシリル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン等の(メタ)アクリル酸エステルや、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、スチレン、アクリロニトリル等が挙げられ、これらは単独または2種以上を混合して使用できる。また、アクリル樹脂の2種以上を混合した混合物であってもよい。
更に、かかる共重合可能な他のモノマーとして、分子中に重合性二重結合を2個以上含む化合物を使用することもできる。具体的には、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどの鎖状脂肪族多価アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステルや、ジビニルベンゼン、ジエチレングリコールビスアリルカーボネートなどのジビニル化合物や、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、シリコン(メタ)アクリレートなどを縮合して得られるオリゴマーなどが挙げられ、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレートなどの鎖状脂肪族多価アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステルが好ましい。アクリル樹脂(b)の場合、コート処理後の耐久性およびコート時のハンドリング性の観点から、メルトフローレートで好ましくは1〜15g/10min、より好ましくは、1.5〜10g/10minであり、さらに好ましくは、2〜6g/10minであるものが好ましく用いられる。
ハンドリング性を向上させるために有機溶剤を用いるが、有機溶剤としては、基材が基本的に侵されない溶剤種を選択する必要があるが、通常、沸点が50〜150℃のものが、塗工時の作業性、重合、及び/または反応前後の乾燥性の点から用いやすい。具体的な例としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなどのアルコール系溶剤、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルなどの酢酸エステル系溶剤、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン系溶剤、トルエンなどの芳香族系溶剤、ジオキサンなどの環状エーテル系溶剤などを挙げることができる。これらの溶剤は単独あるいは2種以上を混合して用いることもできる。
また、熱可塑性樹脂からなる基材とアクリル系樹脂コート材との間に被膜の間に、プライマー層と呼ばれる中間層を形成したものであっても構わない。ここで、プライマー層とは熱可塑性重合体からなる基材とハードコート性を有する皮膜の密着性を高める、あるいは可撓性や耐衝撃性を高めることを目的に施すことができる。
本発明の耐紫外線用樹脂成形品に施すプライマー層としては、公知のプライマー層である、ポリウレタン系、エポキシ系、アクリル系および/またはメタクリル系化合物とスチレンの共重合体の硬化物などがいずれも好ましく使用できる。
基材の成形品表面への塗布の方法としては、ディッピング法、スピンコート法、スプレー法、ロール塗りなど公知の方法を用いることができる。加熱条件については100℃以下の低温で展着あるいは硬化が可能である。また、展着あるいは硬化させたコート層の膜厚は、基材の熱伝導性保持の観点から、0.5〜200μmが好ましく、より好ましくは5〜100μm、さらに好ましくは10〜50μmである。上記範囲外の場合、コートによる効果が得られなかったり、基材の特性である熱伝導率が低下する等の問題がある。
本発明において、耐紫外線用樹脂成形品とは紫外線が照射される光源の近傍、あるいは野外で使用される成形品を意味するが、本発明の耐紫外線用樹脂成形品は、紫外線にさらされる環境において適用可能で、かつ、熱伝導性、ヒートショック性に優れた樹脂成形品であることから、大型成形品あるいは精密成形品への適用が容易であり、園芸用品、プラスチックハウスなどの雨避け施設部品、基地局アンテナケース、蛍光灯・門灯・外灯・水銀灯などの照明機器カバー、ランプケース、クロスダイクロイックプリズムシャーシおよびその搭載台、入射偏光基枠、出射偏光基枠、液晶プリズム保持用基枠、フィールドレンズ保持枠などのプロジェクションテレビあるいは、プロジェクターなどの光学系部品などに用いられ、特にランプによる耐紫外線対策と熱対策の両方が重要である光学系部品等の耐紫外線・耐熱用樹脂成形品に好適に用いられる。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の実施例にのみ限定されるものではない。
参考例1 基材用熱可塑性樹脂
PPS−1の調製
撹拌機および底に弁の付いた20リットルオートクレーブに、47%水硫化ナトリウム(三協化成)2383g(20.0モル)、96%水酸化ナトリウム831g(19.9モル)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)3960g(40.0モル)、およびイオン交換水3000gを仕込み、常圧で窒素を通じながら225℃まで約3時間かけて徐々に加熱し、水4200gおよびNMP80gを留出した後、反応容器を160℃に冷却した。仕込みアルカリ金属硫化物1モル当たりの系内残存水分量は0.17モルであった。また、仕込みアルカリ金属硫化物1モル当たりの硫化水素の飛散量は0.021モルであった。
次に、p−ジクロロベンゼン(シグマアルドリッチ)2942g(20.0モル)、NMP1515g(15.3モル)を加え、反応容器を窒素ガス下に密封した。その後、400rpmで撹拌しながら、200℃から227℃まで0.8℃/分の速度で昇温し、次いで274℃まで0.6℃/分の速度で昇温し、274℃で50分保持した後、282℃まで昇温した。オートクレーブ底部の抜き出しバルブを開放し、窒素で加圧しながら、内容物を撹拌機付き容器に15分かけてフラッシュし、250℃でしばらく撹拌して大半のNMPを除去し、ポリフェニレンスルフィド(PPS)と塩類を含む固形物を回収した。
得られた固形物およびイオン交換水15120gを撹拌機付きオートクレーブに入れ、70℃で30分洗浄した後、ガラスフィルターで吸引濾過した。次いで70℃に加熱した17280gのイオン交換水をガラスフィルターに注ぎ込み、吸引濾過してケークを得た。
得られたケークおよびイオン交換水11880gを、撹拌機付きオートクレーブに仕込み、オートクレーブ内部を窒素で置換した後、192℃まで昇温し、30分保持した。その後オートクレーブを冷却して内容物を取り出した。
内容物をガラスフィルターで吸引濾過した後、これに70℃のイオン交換水17280gを注ぎ込み吸引濾過してケークを得た。得られたケークを80℃で熱風乾燥し、さらに120℃で24時間で真空乾燥することにより、乾燥PPSを得た。得られたPPS−1は、ポリスチレン換算の重量平均分子量が20000であった。
なお、重量平均分子量は以下の方法で測定した。
ポリマー5mg、1−クロロナフタレン 5gをサンプル瓶に計り取り、210℃に設定した高温濾過装置(センシュー科学製SSC−9300)に入れ、5分間(1分間予備加熱、4分間攪拌)加熱した後、高温濾過装置から取り出し、室温になるまで放置し、サンプル調整を行った。ついで以下の測定条件で重量平均分子量を測定した。
・GPC測定条件
装置 : センシュー科学 SSC−7100
カラム名 : センシュー科学 GPC3506×1
溶離液 : 1−クロロナフタレン(1−CN)
検出器 : 示差屈折率検出器
検出器感度 : Range 8
検出器極性 : +
カラム温度 : 210℃
プレ恒温槽温度 : 250℃
ポンプ恒温槽温度 : 50℃
検出器温度 : 210℃
サンプル側流量 : 1.0mL/min
リファレンス側流量 : 1.0mL/min
試料注入量 : 300μL
検量線作成試料 : ポリスチレン
PC:“ユーピロン”(R)H3000(三菱エンジニアリングプラスチックス社製)を液体窒素に浸し、サンプルミル(協立理工社製SK−M型)にて粉砕し、篩にて80メッシュパス、150メッシュオンで分級して数平均粒子径150μmのものを得た。
参考例2 基材用フィラー
B−1:炭素繊維(CF)、MLD1000(繊維状フィラー、PAN系、平均繊維長150μm、東レ社製)、熱伝導率3W/mK
熱伝導率は、フィラーをエポキシ系熱硬化性樹脂で固めたサンプルを用い、光交流法により熱伝導率を測定して作成したフィラーを充填量と熱伝導率の関係を示す検量線よりフィラー容量100%の場合の熱伝導率を算出し、レーザーフラッシュ法の数値に換算した値である。
B−2:グラファイト(CFW)、CFW50A(鱗片状フィラー、平均粒径50μm、中越黒鉛社製)200W/mK
熱伝導率は、フィラーをエポキシ系熱硬化性樹脂で固めたサンプルを用い、光交流法により熱伝導率を測定し、フィラー充填量と熱伝導率との関係を示す検量線よりフィラー100容量%の場合の熱伝導率を算出し、レーザーフラッシュ法の数値に換算した値である。
なお、平均粒径は、レーザー光回折法によって測定された累積粒度分布曲線より得られる平均粒径(D50)である。
B−3:炭素繊維(CF)、XN−100−01Z(繊維状フィラー、ピッチ系、繊維長1000μm、日本グラファイトファイバー社製)、熱伝導率900W/mK
熱伝導率は、フィラーをエポキシ系熱硬化性樹脂で固め、レーザーフラッシュ法により熱伝導率を測定し、また広角X線により測定したd002、Lcから求めたX線パラメータから検量線を求めておき、広角X線により測定した測定サンプルのd002とLcから上記検量線を用いてレーザーフラッシュ法の熱伝導率に換算した値である。
B−4:アルミナ、Al−32B(破砕状アルミナ、平均粒径2μm、住友化学工業社製)26W/mK
熱伝導率は、フィラーをエポキシ系熱硬化性樹脂で固めたサンプルを用い、光交流法により熱伝導率を測定し、フィラー充填量と熱伝導率との関係を示す検量線よりフィラー100容量%の場合の熱伝導率を算出し、レーザーフラッシュ法の数値に換算した値である。
なお、平均粒径はJIS-K0069に基づく篩分け試験法により測定した数平均である。
参考例3 添加剤(篩にて42メッシュパスしたものを使用)
C−1:“PX−200”(大八化学工業社製粉末状芳香族縮合リン酸エステル、CAS No. 139189-30-3)。
C−2:“WH255”(共栄化学社製長鎖アルキル脂肪族系アミド基含有系化合物)。
参考例4 コート性を有する被覆の形成(アクリル系樹脂)
コート法−1:PMMA樹脂“デルペット”80N(旭化成ケミカルズ社製)をクロロホルムで溶解し、8%溶液を作成した。各樹脂成形品にスプレー塗布し、40℃で5分放置し、コート層を形成した。なお、80Nのメルトフローレートは、ISO1133に準拠し、230℃、37.3Nの条件で2.0g/10minであった。
コート法−2:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬(株)社製)90重量部、マクロモノマーAN−6S(末端基がメタクリロイル基で高分子量(セグメント)の成分がスチレン/アクリロニトリルであり、数平均分子量が6,000のマクロモノマー)(東亞合成(株)社製、固形分40重量%)20重量部、光開始剤1−ヒドロキシフェニルケトン(チバ・スペシャリテイ・ケミカルズ(株)社製) 5重量部、トルエン50重量部、メチルエチルケトン50重量部を攪拌混合して塗液とした。塗液をスプレー塗布し、その後、オーブンで、80℃で5分、100℃で5分の2段階乾燥を行い、塗膜からの高さ12cmにセットした80W/cmの強度を有する高圧水銀ランプ灯で5分照射しコート層を形成した。
コート法−3:市販のポリウレタン溶液LQ3510(三洋化成(株)製、固形分濃度30%、トルエン/イソプロピルアルコール溶液)をさらに、トルエン/イソプロピルアルコール(容積比2/1)で希釈し、固形分濃度を10%に調整し、この溶液100重量部に対して、さらにシリコン系界面活性剤(日本ユニカー(株)製、L−7002)を0.05重量部添加し、プライマー溶液とした。この溶液を各樹脂成形品の両面にディッピング法で塗布した。プライマー溶液を塗布後、110℃で40分間加熱処理し、各樹脂成形品にプライマー層(C−1)を形成させた。次いで、ビニルトリエトキシシラン130重量部、メチルトリメトキシシラン190重量部を混合し、これに0.01Nの塩酸110重量部を加え、加水分解を行い、透明均一な溶液になるまで攪拌を続け、室温まで自然冷却した後、ジオキサン250重量部、氷酢酸1.2重量部、および酢酸ナトリウム0.8重量部を添加し調製した塗液Bをディッピング法で塗布し、90℃、30分間加熱乾燥しハードコート膜を硬化させた。
実施例1〜3 比較例1、2
参考例1の熱可塑性樹脂、参考例2に示したフィラーをリボンブレンダーで表1に示す量でブレンドし、3ホールストランドダイヘッド付きPCM30(2軸押出機;池貝鉄工社製)にて表1に示す樹脂温度で溶融混練を行い、ペレットを得た。ついで130℃の熱風オーブンで4時間乾燥した後、後述する評価を行った。
実施例4〜12 比較例3〜5
参考例1の熱可塑性樹脂、参考例2に示したフィラーおよび参考例3の添加剤を表1に示す量でヘンシェルミキサーでブレンドし、自動原料供給フィーダーを備えた月島機械社製ロータリー打錠機を用いて常温タブレット化により、6mm直径×3mm長の円柱状のタブレット(錠剤型樹脂組成物)(最大値6mm、最小値3mm)を得た。ついで130℃の熱風乾燥機で3時間乾燥した後、以下に示す評価を行った。
(1)耐紫外線試験
射出成形機UH1000(日精樹脂工業社製)を用いて表1に示す樹脂温度、金型温度で80×80×2mm厚の角形試験片を作成し、表1に示すコート法を用いて成形品表面にコート層を作成したものをサンシャイン ウエザーメーター WE−SUN−HC(スガ試験機)を用いてブラックパネル温度63℃、スプレー時間18分/120分の条件で500時間処理を行い、得られた成形品についてJIS B0601に準拠して表面粗度をサーフテスト 500(ミツトヨ社製)で測定した。
(2)熱伝導率
上記(1)の成形品について表1に示すコート法を用いて成形品表面にコート層を作成する前後の成形品についてレーザーフラッシュ法定数測定装置(リガク社製LF/TCM-FA8510B)により熱伝導率を測定した。
(3)ヒートショック性
射出成形機UH1000(日精樹脂工業社製)を用いて表1に示す樹脂温度、金型温度で80×80×1mm厚の角形試験片を作成し、コート法を用いて成形品表面にコート層を作成したものを100個作成し、冷熱衝撃器(ESPEC社製TSA−70L)にてヒートサイクル試験を行った。
なお、試験条件は、常温(23℃)→5分で降温→−40℃で30分保持→5分で昇温→80℃で30分保持を1サイクルとして1000サイクルの試験を行ない、コート層の剥離、クラック等の不良発生個数測った。
(4)コート膜厚測定
上記(3)項で用いた成形品をマイクロメータを用いて未コートおよびコート処理後の成形品厚みを測定し、求めた。
Figure 2006169449
表1の結果から明らかなように本発明の耐紫外線用樹脂成形品は、紫外線小差環境下における成形品の劣化を抑制し、かつ、従来得られなかった熱伝導性、ヒートショック性の両立が可能となることがわかる。また、溶融成形可能であるため、直接成形することも可能であり、これによれば生産性を大幅に向上させることが可能となる。

Claims (4)

  1. 熱可塑性樹脂(A)とフィラー(B)を含有してなり、レーザーフラッシュ法で測定した熱伝導率が1W/mK以上である成形品であって、さらに最外層をアクリル系樹脂で表面コートしてなる耐紫外線用樹脂成形品。
  2. アクリル系樹脂の膜厚が0.5〜200μmであることを特徴とする請求項1の耐紫外線用樹脂成形品。
  3. 熱可塑性樹脂がポリアミド樹脂、非液晶性ポリエステル樹脂、液晶ポリマーおよびポリアリーレンサルファイド樹脂から選ばれた少なくとも1種である請求項1または2のいずれか記載の耐紫外線用樹脂成形品。
  4. 請求項1〜3いずれか記載の耐紫外線用樹脂成形品が光学系部品に使用されることを特徴とする耐紫外線用樹脂成形品。
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WO2007091519A1 (ja) 2006-02-08 2007-08-16 Ntt Docomo, Inc. 送信装置および送信方法
JP2008240785A (ja) * 2007-03-26 2008-10-09 Daido Metal Co Ltd 摺動部材

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2007091519A1 (ja) 2006-02-08 2007-08-16 Ntt Docomo, Inc. 送信装置および送信方法
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