JP2020125449A - 樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】機械的強度に優れ、比誘電率が小さく、且つ、誘電正接が小さい樹脂組成物を提供する。【解決手段】熱可塑性樹脂および/または熱硬化性樹脂と、前記熱可塑性樹脂および/または前記熱硬化性樹脂中に分散されたガラス成分とを含む樹脂組成物であって、前記樹脂組成物を灰化した後の残渣分をICP分析したとき、前記樹脂組成物に含まれる金属分100質量%に対して、前記樹脂組成物に含まれるカルシウム含有量が0〜27質量%である樹脂組成物、並びに、前記ガラス成分に含まれる金属分100質量%に対して、前記ガラス成分に含まれるカルシウム含有量が0〜27質量%である樹脂組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、樹脂組成物に関する。
共振器、フィルタ、アンテナ、回路基板、および積層回路素子基板等の誘電体デバイスの分野では、近年の情報量の増大、通信技術の高度化、および利用周波数帯域の枯渇化に伴い、高周波数帯(センチメートル波〜ミリ波)の利用が進められている。
一般に、無機材料は、誘電損失が比較的低い傾向にあるが、比誘電率の低下を図ることは難しいという問題がある。逆に、有機材料には、比誘電率の低いものが多く存在する。このため、樹脂系の有機材料に無機材料粒子である酸化マグネシウム微粒子を分散することにより構成された誘電体用材料が提案されている(特許文献1)。
特開2014−24916号公報
しかしながら、比誘電率及び誘電正接の誘電特性を小さくしようとすると、機械的強度が損なわれ、誘電特性および機械的強度の両者を満足する材料は見出されていなかった。
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、機械的強度に優れ、比誘電率が小さく、且つ、誘電正接が小さい樹脂組成物を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は、以下の構成を採用する。
[1]熱可塑性樹脂および/または熱硬化性樹脂と、前記熱可塑性樹脂および/または前記熱硬化性樹脂中に分散されたガラス成分とを含む樹脂組成物であって、
前記樹脂組成物を灰化した後の残渣分をICP分析したとき、前記樹脂組成物に含まれる金属分100質量%に対して、前記樹脂組成物に含まれるカルシウム含有量が0〜27質量%である樹脂組成物。
[2]前記樹脂組成物を灰化した後の残渣分をICP分析したとき、前記樹脂組成物に含まれる金属分100質量%に対して、前記樹脂組成物に含まれるケイ素含有量が51質量%以上である前記[1]に記載の樹脂組成物。
[3]熱可塑性樹脂および/または熱硬化性樹脂と、前記熱可塑性樹脂および/または前記熱硬化性樹脂中に分散されたガラス成分とを含む樹脂組成物であって、
前記ガラス成分に含まれる金属分100質量%に対して、前記ガラス成分に含まれるカルシウム含有量が0〜27質量%である樹脂組成物。
[4]前記ガラス成分に含まれる金属分100質量%に対して、前記ガラス成分に含まれるケイ素含有量が51質量%以上である前記[3]に記載の樹脂組成物。
[5]1GHzの周波数および25℃の温度において、前記樹脂組成物の比誘電率εが3.4以下である、前記[1]〜[4]のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
[6]1GHzの周波数および25℃の温度において、前記樹脂組成物の誘電正接tanδが5.5×10−3以下である、前記[5]に記載の樹脂組成物。
[7]前記樹脂組成物の熱拡散率が0.14mm/s以上である、前記[5]又は[6]に記載の樹脂組成物。
本発明によれば、機械的強度に優れ、比誘電率が小さく、且つ、誘電正接が小さい樹脂組成物を提供することができる。
<樹脂組成物>
本実施形態の樹脂組成物は、熱可塑性樹脂および/または熱硬化性樹脂と、前記熱可塑性樹脂および/または前記熱硬化性樹脂中に分散されたガラス成分とを含む。
本実施形態の樹脂組成物は、熱可塑性樹脂および/または熱硬化性樹脂と、ガラス成分とを混合し、前記熱可塑性樹脂および/または前記熱硬化性樹脂中に、前記ガラス成分を分散させることで得ることができる。
本実施形態の樹脂組成物は、前記樹脂組成物を灰化した後の残渣分をICP分析したとき、前記樹脂組成物に含まれる金属分100質量%に対して、前記樹脂組成物に含まれるカルシウム含有量が0〜27質量%である。前記樹脂組成物に含まれる金属分100質量%に対して、前記樹脂組成物に含まれるカルシウム含有量は、0〜20質量%であることが好ましく、0〜15質量%であることがより好ましく、0〜10質量%であることが特に好ましい。前記樹脂組成物に含まれる金属分100質量%に対して、前記樹脂組成物に含まれるカルシウム含有量は、0.2質量%以上であってもよく、0.4質量%以上であってもよく、1.0質量%以上であってもよい。すなわち、前記樹脂組成物に含まれる金属分100質量%に対して、前記樹脂組成物に含まれるカルシウム含有量は、0.2〜20質量%であってもよく、0.4〜15質量%であってもよく、1.0〜10質量%であってもよい。前記樹脂組成物に含まれるカルシウム含有量が前記範囲にあることにより、本実施形態の樹脂組成物は、比誘電率が小さく、且つ、誘電正接が小さいものとすることができ、同じ形態のガラス成分が含まれるものと比べて、機械的強度も、同程度に維持することができる。
本明細書において、金属分とは、金属元素の成分を云い、ここで、ホウ素、ケイ素、ゲルマニウム、ヒ素、アンチモン、テルル、セレン、ポロニウム及びアスタチンの半金属は金属元素に含まれるものとする。ガラス成分の金属分として、Al,Ba,Ca,Si,Ti,Cd,Co,Cr,Cu,Fe,K,Li,Mg,Mn,Mo,Na,Ni,P,Pb,Sb,V及びZnを分析してもよい。
本実施形態の樹脂組成物は、前記樹脂組成物を灰化した後の残渣分をICP分析したとき、前記樹脂組成物に含まれるAl,Ca,Si,K,Li,Mg,Na及びZnの合計含有量100質量%に対して、前記樹脂組成物に含まれるカルシウム含有量が0〜27質量%であることが好ましく、0〜20質量%であることがより好ましく、0〜15質量%であることがさらに好ましく、0〜10質量%であることが特に好ましい。前記樹脂組成物に含まれるAl,Ca,Si,K,Li,Mg,Na及びZnの合計含有量100質量%に対して、前記樹脂組成物に含まれるカルシウム含有量は、0.2質量%以上であってもよく、0.4質量%以上であってもよく、1.0質量%以上であってもよい。すなわち、前記樹脂組成物に含まれるAl,Ca,Si,K,Li,Mg,Na及びZnの合計含有量100質量%に対して、前記樹脂組成物に含まれるカルシウム含有量が0.2〜20質量%であってもよく、0.4〜15質量%であってもよく、1.0〜10質量%であってもよい。
本実施形態の樹脂組成物は、前記ガラス成分に含まれる金属分100質量%に対して、前記ガラス成分に含まれるカルシウム含有量が0〜27質量%であり、0〜20質量%であることが好ましく、0〜15質量%であることがより好ましく、0〜10質量%であることが特に好ましい。前記ガラス成分に含まれる金属分100質量%に対して、前記ガラス成分に含まれるカルシウム含有量は、0.2質量%以上であってもよく、0.4質量%以上であってもよく、1.0質量%以上であってもよい。すなわち、前記ガラス成分に含まれる金属分100質量%に対して、前記ガラス成分に含まれるカルシウム含有量は、0.2〜20質量%であってもよく、0.4〜15質量%であってもよく、1.0〜10質量%であってもよい。前記ガラス成分に含まれるカルシウム含有量が前記範囲にあることにより、本実施形態の樹脂組成物は、比誘電率が小さく、且つ、誘電正接が小さいものとすることができ、同じ形態のガラス成分が含まれるものと比べて、機械的強度も、同程度に維持することができる。
本実施形態の樹脂組成物は、前記ガラス成分に含まれるAl,Ca,Si,K,Li,Mg,Na及びZnの合計含有量100質量%に対して、前記ガラス成分に含まれるカルシウム含有量が0〜27質量%であることが好ましく、0〜20質量%であることがより好ましく、0〜15質量%であることがさらに好ましく、0〜10質量%であることが特に好ましい。前記ガラス成分に含まれる金属分100質量%に対して、前記ガラス成分に含まれるカルシウム含有量は、0.2質量%以上であってもよく、0.4質量%以上であってもよく、1.0質量%以上であってもよい。すなわち、前記ガラス成分に含まれる金属分100質量%に対して、前記ガラス成分に含まれるカルシウム含有量は、0.2〜20質量%であってもよく、0.4〜15質量%であってもよく、1.0〜10質量%であってもよい。前記ガラス成分に含まれるカルシウム含有量が前記範囲にあることにより、本実施形態の樹脂組成物は、比誘電率が小さく、且つ、誘電正接が小さいものとすることができ、同じ形態のガラス成分が含まれるものと比べて、機械的強度も、同程度に維持することができる。
本実施形態の樹脂組成物は、前記樹脂組成物を灰化した後の残渣分をICP分析したとき、前記樹脂組成物に含まれる金属分100質量%に対して、前記樹脂組成物に含まれるケイ素含有量が51質量%以上であることが好ましく、55質量%以上であることがより好ましく、60質量%以上であることが特に好ましい。前記樹脂組成物に含まれるケイ素含有量が前記範囲にあることにより、本実施形態の樹脂組成物は、比誘電率が小さく、且つ、誘電正接が小さいものとすることができ、同じ形態のガラス成分が含まれるものと比べて、機械的強度も、同程度に維持することができる。
更に、本実施形態の樹脂組成物は、前記樹脂組成物を灰化した後の残渣分をICP分析したとき、前記樹脂組成物に含まれる金属分100質量%に対して、前記樹脂組成物に含まれるケイ素含有量が62質量%以上であることが好ましく、65質量%以上であることがより好ましく、70質量%以上であることが特に好ましい。前記樹脂組成物に含まれるケイ素含有量が前記範囲にあることにより、本実施形態の樹脂組成物は、比誘電率が小さく、誘電正接が小さく、且つ、熱拡散率が大きいものとすることができ、同じ形態のガラス成分が含まれるものと比べて、機械的強度も、同程度に維持することができる。
本実施形態の樹脂組成物は、前記樹脂組成物を灰化した後の残渣分をICP分析したとき、前記樹脂組成物に含まれるAl,Ca,Si,K,Li,Mg,Na及びZnの合計含有量100質量%に対して、前記樹脂組成物に含まれるケイ素含有量が51質量%以上であることが好ましく、55質量%以上であることがより好ましく、60質量%以上であることが特に好ましい。
更に、本実施形態の樹脂組成物は、前記樹脂組成物を灰化した後の残渣分をICP分析したとき、前記樹脂組成物に含まれるAl,Ca,Si,K,Li,Mg,Na及びZnの合計含有量100質量%に対して、前記樹脂組成物に含まれるケイ素含有量が62質量%以上であることが好ましく、65質量%以上であることがより好ましく、70質量%以上であることが特に好ましい。
本実施形態の樹脂組成物は、前記ガラス成分に含まれる金属分100質量%に対して、前記ガラス成分に含まれるケイ素含有量が51質量%以上であることが好ましく、55質量%以上であることがより好ましく、60質量%以上であることが特に好ましい。前記ガラス成分に含まれるケイ素含有量が前記範囲にあることにより、本実施形態の樹脂組成物は、比誘電率が小さく、且つ、誘電正接が小さいものとすることができ、同じ形態のガラス成分が含まれるものと比べて、機械的強度も、同程度に維持することができる。
更に、本実施形態の樹脂組成物は、前記ガラス成分に含まれる金属分100質量%に対して、前記ガラス成分に含まれるケイ素含有量が62質量%以上であることが好ましく、65質量%以上であることがより好ましく、70質量%以上であることが特に好ましい。前記ガラス成分に含まれるケイ素含有量が前記範囲にあることにより、本実施形態の樹脂組成物は、比誘電率が小さく、誘電正接が小さく、且つ、熱拡散率が大きいものとすることができ、同じ形態のガラス成分が含まれるものと比べて、機械的強度も、同程度に維持することができる。
本実施形態の樹脂組成物は、前記ガラス成分に含まれるAl,Ca,Si,K,Li,Mg,Na及びZnの合計含有量100質量%に対して、前記ガラス成分に含まれるケイ素含有量が51質量%以上であることが好ましく、55質量%以上であることがより好ましく、60質量%以上であることが特に好ましい。
更に、本実施形態の樹脂組成物は、前記ガラス成分に含まれるAl,Ca,Si,K,Li,Mg,Na及びZnの合計含有量100質量%に対して、前記ガラス成分に含まれるケイ素含有量が62質量%以上であることが好ましく、65質量%以上であることがより好ましく、70質量%以上であることが特に好ましい。
本実施形態の樹脂組成物は、1GHzの周波数および25℃の温度において、前記樹脂組成物の比誘電率εが3.4以下であることが好ましく、3.35以下であることがより好ましく、3.3以下であることが特に好ましい。前記樹脂組成物の比誘電率εが前記上限値以下であることで、共振器、フィルタ、アンテナ、回路基板、および積層回路素子基板等の誘電体デバイスの分野で、高周波数帯域の利用にも使用可能な誘電体用材料とすることができる。
前記樹脂組成物の比誘電率εの下限値としては、特に限定されないが、2.0以上であってもよく、2.5以上であってもよく、3.0以上であってもよい。
すなわち、前記樹脂組成物の比誘電率εは、2.0以上3.4以下であることが好ましく、2.5以上3.35以下であることがより好ましく、3.0以上3.3以下であることが特に好ましい。
本実施形態の樹脂組成物は、1GHzの周波数および25℃の温度において、前記樹脂組成物の誘電正接tanδが5.5×10−3以下であることが好ましく、5.0×10−3以下であることがより好ましく、4.8×10−3以下であることが特に好ましい。前記樹脂組成物の誘電正接tanδが前記上限値以下であることで、各種誘電体デバイスの誘電体用材料として使用したとき、誘電損失、伝送損失を低く抑えることができる。
前記樹脂組成物の誘電正接tanδの下限値としては、特に限定されないが、4.0×10−3以上であってもよく、4.3×10−3以上であってもよく、4.5×10−3以上であってもよい。
すなわち、前記樹脂組成物の誘電正接tanδは、4.0×10−3以上5.5×10−3以下であることが好ましく、4.3×10−3以上5.0×10−3以下であることがより好ましく、4.5×10−3以上4.8×10−3以下であることが特に好ましい。
本実施形態の樹脂組成物の熱拡散率は0.14mm/s以上であることが好ましく、0.15mm/s以上であることがより好ましく、0.16mm/s以上であることが特に好ましい。前記樹脂組成物の熱拡散率が前記下限値以上であることで、各種誘電体デバイスの誘電体用材料として使用したとき、熱を放出し易く、温度上昇を低く抑えることができる。
前記樹脂組成物の熱拡散率の上限値としては、特に限定されないが、0.25mm/s以下であってもよく、0.20mm/s以下であってもよく、0.18mm/s以下であってもよい。
すなわち、前記樹脂組成物の熱拡散率は、0.14mm/s以上0.25mm/s以下であることが好ましく、0.15mm/s以上0.20mm/s以下であることがより好ましく、0.16mm/s以上0.18mm/s以下であることが特に好ましい。
(熱可塑性樹脂および/または熱硬化性樹脂)
本実施形態の樹脂組成物のマトリックス樹脂としては、熱可塑性樹脂であってもよく、熱硬化性樹脂であってもよく、熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂の混合物であってもよい。
・熱可塑性樹脂
熱可塑性樹脂としては、汎用プラスチックであってもよく、エンジニアリング・プラスチックであってもよく、スーパーエンジニアリングプラスチックであってもよい。
具体的には、ポリエチレン(PE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン(PS)、ポリ酢酸ビニル(PVAc)、ポリウレタン(PUR)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ABS樹脂(アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂)、AS樹脂、アクリル樹脂(PMMA)等の汎用プラスチック;
ポリアミド(PA)、ポリアセタール(POM)、ポリカーボネート(PC)、変性ポリフェニレンエーテル(m−PPE、変性PPE、PPO)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、環状ポリオレフィン(COP)等のエンジニアリング・プラスチック;
ポリフェニレンスルファイド(PPS)、ポリテトラフロロエチレン(PTFE)、ポリサルフォン(PSF)、ポリエーテルサルフォン(PES)、非晶ポリアリレート(PAR)、液晶ポリマー(LCP)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、熱可塑性ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)等のスーパーエンジニアリングプラスチック;
を好適に用いることができる。
これらの中でも、液晶ポリマー(LCP)が特に好ましい。液晶ポリマー(LCP)は、溶融状態で液晶性を示し、液晶ポリマー(LCP)を含む樹脂組成物も、溶融状態で液晶性を示すことが好ましく、450℃以下の温度で溶融するものであることが好ましい。
本実施形態で用いられる液晶ポリマー(LCP)としては、液晶ポリエステルであってもよいし、液晶ポリエステルアミドであってもよいし、液晶ポリエステルエーテルであってもよいし、液晶ポリエステルカーボネートであってもよいし、液晶ポリエステルイミドであってもよい。本実施形態で用いられる液晶ポリマー(LCP)としては、液晶ポリエステルが好ましく、原料モノマーとして芳香族化合物のみを用いてなる全芳香族液晶ポリエステルであることが、特に好ましい。
本実施形態で用いられる液晶ポリエステルの典型的な例としては、芳香族ヒドロキシカルボン酸と芳香族ジカルボン酸と芳香族ジオール、芳香族ヒドロキシアミンおよび芳香族ジアミンからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物とを重合(重縮合)させてなるもの、複数種の芳香族ヒドロキシカルボン酸を重合させてなるもの、芳香族ジカルボン酸と芳香族ジオール、芳香族ヒドロキシアミンおよび芳香族ジアミンからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物とを重合させてなるもの、およびポリエチレンテレフタレートなどのポリエステルと芳香族ヒドロキシカルボン酸とを重合させてなるものが挙げられる。ここで、芳香族ヒドロキシカルボン酸、芳香族ジカルボン酸、芳香族ジオール、芳香族ヒドロキシアミンおよび芳香族ジアミンは、それぞれ独立に、その一部または全部に代えて、その重合可能な誘導体が用いられてもよい。
芳香族ヒドロキシカルボン酸および芳香族ジカルボン酸のようなカルボキシル基を有する化合物の重合可能な誘導体の例としては、カルボキシル基をアルコキシカルボニル基またはアリールオキシカルボニル基に変換してなるもの(エステル)、カルボキシル基をハロホルミル基に変換してなるもの(酸ハロゲン化物)、およびカルボキシル基をアシルオキシカルボニル基に変換してなるもの(酸無水物)が挙げられる。芳香族ヒドロキシカルボン酸、芳香族ジオールおよび芳香族ヒドロキシアミンのようなヒドロキシル基を有する化合物の重合可能な誘導体の例としては、ヒドロキシル基をアシル化してアシルオキシル基に変換してなるもの(アシル化物)が挙げられる。芳香族ヒドロキシアミンおよび芳香族ジアミンのようなアミノ基を有する化合物の重合可能な誘導体の例としては、アミノ基をアシル化してアシルアミノ基に変換してなるもの(アシル化物)が挙げられる。
本実施形態で用いられる液晶ポリエステルは、下記式(1)で表される繰返し単位(以下、「繰返し単位(1)」ということがある。)を有することが好ましく、繰返し単位(1)と、下記式(2)で表される繰返し単位(以下、「繰返し単位(2)」ということがある。)と、下記式(3)で表される繰返し単位(以下、「繰返し単位(3)」ということがある。)とを有することがより好ましい。
(1)−O−Ar1−CO−
(2)−CO−Ar2−CO−
(3)−X−Ar3−Y−
(式(1)〜(3)中、Ar1は、フェニレン基、ナフチレン基又はビフェニリレン基を表し、Ar2及びAr3は、それぞれ独立にフェニレン基、ナフチレン基、ビフェニレン基又は下記式(4)で表される基を表す。X及びYは、それぞれ独立に、酸素原子又はイミノ基を表す。Ar1、Ar2及びAr3で表される前記基にある水素原子は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、アルキル基又はアリール基で置換されていてもよい。)
(4)−Ar4−Z−Ar5
(式(4)中、Ar4及びAr5は、それぞれ独立に、フェニレン基又はナフチレン基を表す。Zは、酸素原子、硫黄原子、カルボニル基、スルホニル基又はアルキリデン基を表す。)
本実施形態で用いられる液晶ポリエステルは、繰返し単位(1)、繰返し単位(2)又は繰返し単位(3)で表される繰返し単位を含み、
繰返し単位(1)、繰返し単位(2)又は繰返し単位(3)の合計量に対する繰返し単位(1)の含有量が、30モル%以上100モル%以下であり、
繰返し単位(1)、繰返し単位(2)又は繰返し単位(3)の合計量に対する繰返し単位(2)の含有量が、0モル%以上35モル%以下であり、
繰返し単位(1)、繰返し単位(2)又は繰返し単位(3)の合計量に対する繰返し単位(3)の含有量が、0モル%以上35モル%以下であることが好ましい。
前記ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子が挙げられる。前記アルキル基の例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、n−オクチル基およびn−デシル基が挙げられ、その炭素数は、1〜10が好ましい。前記アリール基の例としては、フェニル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、1−ナフチル基および2−ナフチル基が挙げられ、その炭素数は、6〜20が好ましい。前記水素原子がこれらの基で置換されている場合、その数は、Ar、ArまたはArで表される前記基毎に、それぞれ独立に、2個以下が好ましく、1個以下がより好ましい。
前記アルキリデン基の例としては、メチレン基、エチリデン基、イソプロピリデン基、n−ブチリデン基および2−エチルヘキシリデン基が挙げられ、その炭素数は1〜10が好ましい。
繰返し単位(1)は、所定の芳香族ヒドロキシカルボン酸に由来する繰返し単位である。繰返し単位(1)としては、Arがp−フェニレン基であるもの(p−ヒドロキシ安息香酸に由来する繰返し単位)、およびArが2,6−ナフチレン基であるもの(6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸に由来する繰返し単位)が好ましい。
なお、本明細書において「由来」とは、原料モノマーが重合するために、重合に寄与する官能基の化学構造が変化し、その他の構造変化を生じないことを意味する。
繰返し単位(2)は、所定の芳香族ジカルボン酸に由来する繰返し単位である。繰返し単位(2)としては、Arがp−フェニレン基であるもの(テレフタル酸に由来する繰返し単位)、Arがm−フェニレン基であるもの(イソフタル酸に由来する繰返し単位)、Arが2,6−ナフチレン基であるもの(2,6−ナフタレンジカルボン酸に由来する繰返し単位)、およびArがジフェニルエ−テル−4,4’−ジイル基であるもの(ジフェニルエ−テル−4,4’−ジカルボン酸に由来する繰返し単位)が好ましい。
繰返し単位(3)は、所定の芳香族ジオール、芳香族ヒドロキシルアミンまたは芳香族ジアミンに由来する繰返し単位である。繰返し単位(3)としては、Arがp−フェニレン基であるもの(ヒドロキノン、p−アミノフェノールまたはp−フェニレンジアミンに由来する繰返し単位)、およびArが4,4’−ビフェニリレン基であるもの(4,4’−ジヒドロキシビフェニル、4−アミノ−4’−ヒドロキシビフェニルまたは4,4’−ジアミノビフェニルに由来する繰返し単位)が好ましい。
繰返し単位(1)の含有量は、全繰返し単位の合計量(液晶ポリエステル樹脂を構成する各繰返し単位の質量をその各繰返し単位の式量で割ることにより、各繰返し単位の物質量相当量(モル)を求め、それらを合計した値)に対して、30モル%以上が好ましく、30モル%以上80モル%以下がより好ましく、40モル%以上70モル%以下がさらに好ましく、45モル%以上65モル%以下とりわけ好ましい。
繰返し単位(2)の含有量は、全繰返し単位の合計量に対して、35モル%以下が好ましく、10モル%以上35モル%以下がより好ましく、15モル%以上30モル%以下がさらに好ましく、17.5モル%以上27.5モル%以下がとりわけ好ましい。
繰返し単位(3)の含有量は、全繰返し単位の合計量に対して、35モル%以下が好ましく、10モル%以上35モル%以下がより好ましく、15モル%以上30モル%以下がさらに好ましく、17.5モル%以上27.5モル%以下がとりわけ好ましい。
繰返し単位(1)の含有量が多いほど、溶融流動性や耐熱性や強度・剛性が向上し易いが、あまり多いと、溶融温度や溶融粘度が高くなり易く、成形に必要な温度が高くなり易い。
繰返し単位(2)の含有量と繰返し単位(3)の含有量との割合は、[繰返し単位(2)の含有量]/[繰返し単位(3)の含有量](モル/モル)で表して、0.9/1〜1/0.9が好ましく、0.95/1〜1/0.95がより好ましく、0.98/1〜1/0.98がさらに好ましい。
尚、本実施形態で用いられる液晶ポリエステルは、繰返し単位(1)〜(3)を、それぞれ独立に、2種以上有してもよい。また、液晶ポリエステルは、繰返し単位(1)〜(3)以外の繰返し単位を有してもよいが、その含有量は、全繰返し単位の合計量に対して、10モル%以下が好ましく、5モル%以下がより好ましい。
本実施形態で用いられる液晶ポリエステルは、繰返し単位(3)として、XおよびYがそれぞれ酸素原子であるものを有すること、すなわち、所定の芳香族ジオールに由来する繰返し単位を有することが、溶融粘度が低くなり易いので、好ましく、繰返し単位(3)として、XおよびYがそれぞれ酸素原子であるもののみを有することが、より好ましい。
本実施形態で用いられる液晶ポリエステルは、それを構成する繰返し単位に対応する原料モノマーを溶融重合させ、得られた重合物(以下、「プレポリマー」ということがある。)を固相重合させることにより、製造することが好ましい。これにより、耐熱性や強度・剛性が高い高分子量の液晶ポリエステルを操作性良く製造することができる。溶融重合は、触媒の存在下に行ってもよく、この触媒の例としては、酢酸マグネシウム、酢酸第一錫、テトラブチルチタネート、酢酸鉛、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、三酸化アンチモンなどの金属化合物や、4−(ジメチルアミノ)ピリジン、1−メチルイミダゾールなどの含窒素複素環式化合物が挙げられ、含窒素複素環式化合物が好ましく用いられる。
本実施形態で用いられる液晶ポリエステルの流動開始温度は、280℃以上が好ましく、280℃以上400℃以下がより好ましく、280℃以上380℃以下がさらに好ましい。
本実施形態で用いられる液晶ポリエステルの流動開始温度が高いほど、液晶ポリエステルの耐熱性並びに強度及び剛性が向上する傾向がある。一方で、液晶ポリエステルの流動開始温度が400℃を超えると、液晶ポリエステルの溶融温度や溶融粘度が高くなる傾向がある。そのため、液晶ポリエステルの成形に必要な温度が高くなる傾向がある。
本明細書において、液晶ポリエステルの流動開始温度は、フロー温度または流動温度とも呼ばれ、液晶ポリエステルの分子量の目安となる温度である(小出直之編、「液晶ポリマー−合成・成形・応用−」、株式会社シーエムシー、1987年6月5日、p.95参照)。流動開始温度は、毛細管レオメーターを用いて、液晶ポリエステルを9.8MPa(100kg/cm)の荷重下4℃/分の速度で昇温しながら溶融させ、内径1mmおよび長さ10mmのノズルから押し出すときに、4800Pa・s(48000ポイズ)の粘度を示す温度である。
前記熱可塑性樹脂100質量%に対する前記液晶ポリエステルの含有割合は、80質量%以上100質量%以下であることが好ましい。前記熱可塑性樹脂に含まれる液晶ポリエステル以外の樹脂の例としては、ポリプロピレン、ポリアミド、液晶ポリエステル以外のポリエステル、ポリスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルケトン、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル、ポリエーテルイミド等の液晶ポリエステル以外の熱可塑性樹脂が挙げられる。
・熱硬化性樹脂
熱可塑性樹脂としては、フェノール樹脂,尿素樹脂,メラミン樹脂,不飽和ポリエステル樹脂,エポキシ樹脂,ケイ素樹脂などが挙げられる。
本実施形態の樹脂組成物のマトリックス樹脂としては、熱硬化性樹脂を単独で用いてもよく、熱可塑性樹脂との混合物として用いてもよい。
(ガラス成分)
本実施形態の樹脂組成物において、ガラス成分は、熱可塑性樹脂および/または熱硬化性樹脂のマトリックス樹脂中に分散して、前記樹脂組成物の誘電特性、熱拡散率、機械強度を調整することができる。
本実施形態の樹脂組成物に用いられるガラス成分としては、繊維状ガラスフィラー、フレーク状ガラスフィラー、ガラスビーズ、ガラスバルーン等、ガラス分を含むフィラーとして公知のものを用いることができ、繊維状ガラスフィラー又はフレーク状ガラスフィラーであることが好ましい。
繊維状ガラスフィラーの重量平均繊維長は、30μm以上であるものが好ましく、50μm以上であるものがより好ましく、80μm以上であるものが特に好ましい。繊維状ガラスフィラーの重量平均繊維長が前記下限値以上であることで、機械的強度を好適なものとすることができる。繊維状ガラスフィラーの数平均繊維長は、30μm以上であるものが好ましく、50μm以上であるものがより好ましく、60μm以上であるものが特に好ましい。繊維状ガラスフィラーの数平均繊維長が前記下限値以上であることで、機械的強度を好適なものとすることができる。
繊維状ガラスフィラーの重量平均繊維長は、300μm以下であるものが好ましく、150μm以下であるものがより好ましく、100μm以下であるものが特に好ましい。繊維状ガラスフィラーの重量平均繊維長が前記上限値以下であることで、成形し易くなる。繊維状ガラスフィラーの数平均繊維長は、300μm以下であるものが好ましく、150μm以下であるものがより好ましく、90μm以下であるものが特に好ましい。繊維状ガラスフィラーの数平均繊維長が前記上限値以下であることで、成形し易くなる。
繊維状ガラスフィラーの数平均繊維径は、特に限定されないが、1〜40μmであることが好ましく、3〜30μmであることが好ましく、5〜20μmであることが好ましい。
繊維状ガラスフィラーの数平均繊維径は、繊維状ガラスフィラーを走査型電子顕微鏡(1000倍)にて観察し、50本の繊維状ガラスフィラーについて繊維径を計測した値の数平均値を採用する。
繊維状ガラスフィラーの数平均繊維径が、前記の好ましい範囲の下限値以上であると、樹脂組成物中で繊維状ガラスフィラーが分散されやすい。また、樹脂組成物の製造時に繊維状ガラスフィラーを取り扱いやすい。一方、前記の好ましい範囲の上限値以下であると、繊維状ガラスフィラーによる樹脂組成物の機械的強化が効率良く行われる。
繊維状ガラスフィラーとしては、チョップドガラス繊維又はミルドガラス繊維が好ましい。チョップドガラス繊維は、ガラスストランドを切断したものであり、例えば、カット長3〜6mm、繊維径が9〜13μmのものが、セントラル硝子株式会社から市販されている。ミルドガラス繊維は、ガラス繊維を粉砕したものであり、チョップドガラス繊維とパウダー状ガラスの中間の性質を有する。例えば、平均繊維長30〜150μm、繊維径が6〜13μmのものが、セントラル硝子株式会社から市販されている。
フレーク状ガラスフィラーの平均粒径としては、30μm以上であるものが好ましく、50μm以上であるものがより好ましく、80μm以上であるものが特に好ましい。フレーク状ガラスフィラーの平均粒径が前記下限値以上であることで、機械的強度を好適なものとすることができる。
フレーク状ガラスフィラーの平均粒径は、300μm以下であるものが好ましく、200μm以下であるものがより好ましく、150μm以下であるものが特に好ましい。フレーク状ガラスフィラーの平均粒径が前記上限値以下であることで、成形し易くなる。
フレーク状ガラスフィラーの平均厚さとしては、0.2μm以上であるものが好ましく、0.5μm以上であるものがより好ましく、1.0μm以上であるものが特に好ましい。フレーク状ガラスフィラーの平均厚さが前記下限値以上であることで、機械的強度を好適なものとすることができる。
フレーク状ガラスフィラーの平均厚さは、30μm以下であるものが好ましく、20μm以下であるものがより好ましく、10μm以下であるものが特に好ましい。フレーク状ガラスフィラーの平均厚さが前記上限値以下であることで、成形し易くなる。
フレーク状ガラスフィラーとしては、例えば、ガラスフレークとして、平均厚さが2〜5μm、粒径が10〜4000μmのもの、ファインフレークとして、平均厚さが0.4〜2.0μm、粒径が10〜4000μmのものが、日本板硝子株式会社から市販されている。ガラスフレークに使われるガラスにはCガラス、Eガラス等のガラス組成がある。Cガラスはアルカリ成分を含んでおり、高い耐酸性を有する。Eガラスはアルカリをほとんど含んでいないため、樹脂内での安定性が高い。
ガラス成分としては、Eガラス(すなわち、無アルカリガラス)、Sガラス又はTガラス(すなわち、高強度、高弾性ガラス)、Cガラス(すなわち、耐酸用途向けガラス)、Dガラス(すなわち、低誘電率ガラス)、ECRガラス(すなわち、B, Fを含まないEガラス代替ガラス)、ARガラス(すなわち、耐アルカリ用途向けガラス)などの、FRP強化材用のガラス繊維が挙げられる。
ガラス成分の比誘電率εとしては、低誘電率のものを用いることが好ましく、1GHzの周波数および25℃の温度において、ガラス成分の比誘電率εは4.80以下が好ましく、4.30以下がより好ましく、4.00以下が特に好ましい。ガラス成分の比誘電率εは3.00以上のものを用いることができ、3.10以上のものを用いることができ、3.15以上のものを用いることができる。
本実施形態の樹脂組成物中、ガラス成分の含有量は、前記樹脂組成物100質量%に対して1〜60質量%であることが好ましく、10〜50質量%であることがより好ましく、20〜40質量%であることが特に好ましい。
ガラス成分の含有量が、前記の好ましい範囲の下限値以上であれば、前記熱可塑性樹脂および/または前記熱硬化性樹脂とガラス成分との密着性が高められやすくなる。一方、前記の好ましい範囲の上限値以下であれば、ガラス成分の分散が容易になる。
<その他成分>
本実施形態の樹脂組成物は、原料として、前記熱可塑性樹脂および/または前記熱硬化性樹脂並びに前記ガラス成分の他、必要に応じて、充填材、添加剤等の他の成分を1種以上含んでもよい。樹脂組成物が熱硬化性樹脂を含むとき、樹脂組成物は溶剤を含むものであってもよい。
充填材としては、板状充填材、球状充填材その他の粒状充填材であってもよい。また、充填材は、無機充填材であってもよいし、有機充填材であってもよい。
板状無機充填材の例としては、タルク、マイカ、グラファイト、ウォラストナイト、硫酸バリウム、炭酸カルシウムが挙げられる。マイカは、白雲母であってもよいし、金雲母であってもよいし、フッ素金雲母であってもよいし、四ケイ素雲母であってもよい。
粒状無機充填材の例としては、シリカ、アルミナ、酸化チタン、窒化ホウ素、炭化ケイ素、炭酸カルシウムが挙げられる。
添加剤の例としては、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、界面活性剤、難燃剤、着色剤が挙げられる。
(樹脂組成物の製造方法)
本実施形態の熱可塑性樹脂を含む樹脂組成物は、例えば、熱可塑性樹脂と、ガラス成分と、必要に応じてその他成分とを混合し、2軸押し出し機で脱気しながら溶融混錬し、得られる熱可塑性樹脂の溶融物及びガラス成分の混合物を、円形ノズル(吐出口)を経由してストランド状に吐出させ、次いで、ストランドカッターにてペレタイズして、樹脂組成物ペレットとすることができる。
また、例えば、熱硬化性樹脂と、ガラス成分と、必要に応じてその他成分とを混合することで、本実施形態の熱硬化性樹脂を含む樹脂組成物を得ることができる。
(成形体)
本実施形態の樹脂組成物は、公知の成形方法により成形体を得ることができる。熱可塑性樹脂を含む樹脂組成物から成形体を成形する方法としては、溶融成形法が好ましく、その例としては、射出成形法、Tダイ法やインフレーション法などの押出成形法、圧縮成形法、ブロー成形法、真空成形法およびプレス成形が挙げられる。中でも射出成形法が好ましい。熱硬化性樹脂を含む樹脂組成物から成形体を成形する方法としては、射出成形法、およびプレス成形が挙げられる。中でも射出成形法が好ましい。
例えば、熱可塑性樹脂を含む樹脂組成物を成形材料とし、射出成形法により成形する場合、公知の射出成形機を用いて、樹脂組成物を溶融させ、溶融した熱可塑性樹脂を含む樹脂組成物を、金型内に射出することにより成形する。
公知の射出成形機としては、例えば、株式会社ソディック製のTR450EH3、日精樹脂工業社製の油圧式横型成形機PS40E5ASE型などが挙げられる。
射出成形機のシリンダー温度は、熱可塑性樹脂の種類に応じて適宜決定され、用いる熱可塑性樹脂の流動開始温度より10〜80℃高い温度に設定することが好ましく、例えば300〜400℃である。
金型の温度は、熱可塑性樹脂を含む樹脂組成物の冷却速度と生産性の点から、室温(例えば23℃)から180℃の範囲に設定することが好ましい。
例えば、熱硬化性樹脂を含む樹脂組成物を成形材料とし、射出成形法により成形する場合、公知の射出成形機を用いて、成形材料を金型内に投入した後で金型温度を150℃程度に加温する。成形材料が硬化してから、金型から成形体を取り出すことができる。
また、本実施形態の成形体は、共振器、フィルタ、アンテナ、回路基板、および積層回路素子基板等の誘電体デバイスなどの用途に適用可能である。
以下、具体的な実施例により、本発明についてさらに詳しく説明する。ただし、本発明は、以下に示す実施例に何ら限定されるものではない。
<ガラスフィラー>
次の表1に示すガラスフィラー(A)〜(F)を準備した。
Figure 2020125449
<原料の繊維状ガラスフィラーの重量平均繊維長と数平均繊維長>
原料のガラスフィラー(A)及び(B)は、表1に記載の組成の繊維状ガラスフィラー(ミルドガラス繊維)である。
原料の繊維状ガラスフィラーのうち1.0gを採取し、メタノールに分散させてスライドガラス上に展開させた状態で顕微鏡写真をとり、その写真から繊維状ガラスフィラーの形状を直接的に読み取って、その平均値を算出して、繊維状ガラスフィラーの重量平均繊維長と数平均繊維長を求めた。尚、平均値の算出にあたっては母数を400以上とした。繊維状ガラスフィラーの比重から各繊維長に対する重量を算出し、400以上の母数の試料の全重量を分母にして、重量平均繊維長を算出した。結果を表1に示した。
<原料のフレーク状ガラスフィラーの平均厚さと平均粒径>
原料のガラスフィラー(C)〜(F)は、表1に記載の組成のフレーク状ガラスフィラーである。
原料のフレーク状ガラスフィラーをSEMで倍率1000倍にて観察し、SEM画像から無作為に選んだ100個のフレーク状ガラスフィラーの厚さと数平均粒径をそれぞれ測定し、100個の測定値の平均値を算出して原料のフレーク状ガラスフィラーの平均厚さと数平均粒径を求めた。結果を表1に示した。
20質量部のガラスフィラー(D)及び10質量部のガラスフィラー(F)を混合して、次の表2に示すガラスフィラー(G)を準備した。
15質量部のガラスフィラー(D)及び15質量部のガラスフィラー(F)を混合して、次の表2に示すガラスフィラー(H)を準備した。
7.5質量部のガラスフィラー(D)及び22.5質量部のガラスフィラー(F)を混合して、次の表2に示すガラスフィラー(I)を準備した。
Figure 2020125449
<ポリマーの製造>
(1)溶融重合
撹拌装置、トルクメータ、窒素ガス導入管、温度計及び還流冷却器を備えた反応器に、p−ヒドロキシ安息香酸(994.5g、7.20モル)と、テレフタル酸(272.1g、1.64モル)と、イソフタル酸(126.6g、0.76モル)と、4,4’−ジヒドロキシビフェニル(446.9g、2.40モル)と、無水酢酸1347.6g(13.20モル)とを仕込んだ。反応器内のガスを窒素ガスで置換した後、1−メチルイミダゾール0.18gを添加し、窒素ガス気流下で撹拌しながら、室温から150℃まで30分かけて昇温し、150℃で30分間還流させた。
次いで、1−メチルイミダゾール2.40gを添加した後、副生した酢酸及び未反応の無水酢酸を留去しながら、150℃から320℃まで2時間50分かけて昇温し、トルクの上昇が認められた時点で反応終了とし、反応器から内容物のプレポリマーを取り出して、室温まで冷却した。
(2)固相重合
次いで、粉砕機を用いてこのプレポリマーを粉砕し、得られた粉砕物を窒素ガス雰囲気下、室温から250℃まで1時間かけて昇温し、250℃から280℃まで5時間かけて昇温し、280℃で3時間保持することにより、固相重合を行った。得られた固相重合物を室温まで冷却して、液晶ポリエステル(1)を得た。
液晶ポリエステル(1)は、全繰り返し単位の合計の割合に対して、分子中にArが1,4−フェニレン基である繰返し単位(u12)を60モル%、Arが1,4−フェニレン基である繰返し単位(u22)を13.65モル%、Arが1,3−フェニレン基である繰返し単位(u23)を6.35モル%、及びArが4,4’−ビフェニリレン基である繰返し単位(u32)を20モル%有し、その流動開始温度は312℃であった。
[比較例1]
<ペレットの製造>
液晶ポリエステル(1)を、120℃で5時間乾燥後、液晶ポリエステル(1)70質量部及びガラスフィラー(A)30質量部を、真空ベント付き2軸押出機(池貝鉄工(株)社製「PCM−30」)に供し、水封式真空ポンプ(神港精機(株)社製「SW−25S」)を用い、真空ベントで脱気しながら、シリンダー温度340℃、およびスクリュウ回転数150rpmの条件で溶融混練して、直径3mmの円形ノズル(吐出口)を経由してストランド状に吐出させた。次いで、この吐出した混練物を、水温30℃の水浴に1.5秒くぐらせた後、ストランドカッター(田辺プラスチック機械(株)社製)にてペレタイズして、比較例1の樹脂組成物ペレット(1)(ペレット状の液晶ポリエステル樹脂組成物(1))を得た。
[実施例1]
<ペレットの製造>
比較例1において、ガラスフィラー(A)30質量部をガラスフィラー(B)30質量部に変更したこと以外は、比較例1と同様にして、実施例1の樹脂組成物ペレット(2)(ペレット状の液晶ポリエステル樹脂組成物(2))を得た。
[比較例2]
<ペレットの製造>
比較例1において、ガラスフィラー(A)30質量部をガラスフィラー(C)30質量部に変更したこと以外は、比較例1と同様にして、比較例2の樹脂組成物ペレット(3)(ペレット状の液晶ポリエステル樹脂組成物(3))を得た。
[比較例3]
<ペレットの製造>
比較例1において、ガラスフィラー(A)30質量部をガラスフィラー(D)30質量部に変更したこと以外は、比較例1と同様にして、比較例3の樹脂組成物ペレット(4)(ペレット状の液晶ポリエステル樹脂組成物(4))を得た。
[実施例2]
<ペレットの製造>
比較例1において、ガラスフィラー(A)30質量部をガラスフィラー(E)30質量部に変更したこと以外は、比較例1と同様にして、実施例2の樹脂組成物ペレット(5)(ペレット状の液晶ポリエステル樹脂組成物(5))を得た。
[実施例3]
<ペレットの製造>
比較例1において、ガラスフィラー(A)30質量部をガラスフィラー(F)30質量部に変更したこと以外は、比較例1と同様にして、実施例3の樹脂組成物ペレット(6)(ペレット状の液晶ポリエステル樹脂組成物(6))を得た。
[実施例4]
<ペレットの製造>
比較例1において、ガラスフィラー(A)30質量部をガラスフィラー(G)30質量部に変更したこと以外は、比較例1と同様にして、実施例4の樹脂組成物ペレット(7)(ペレット状の液晶ポリエステル樹脂組成物(7))を得た。
[実施例5]
<ペレットの製造>
比較例1において、ガラスフィラー(A)30質量部をガラスフィラー(H)30質量部に変更したこと以外は、比較例1と同様にして、実施例5の樹脂組成物ペレット(8)(ペレット状の液晶ポリエステル樹脂組成物(8))を得た。
[実施例6]
<ペレットの製造>
比較例1において、ガラスフィラー(A)30質量部をガラスフィラー(I)30質量部に変更したこと以外は、比較例1と同様にして、実施例6の樹脂組成物ペレット(9)(ペレット状の液晶ポリエステル樹脂組成物(9))を得た。
<ICP分析・試験項目>
Al,Ba,Ca,Si,Ti,Cd,Co,Cr,Cu,Fe,K,Li,Mg,Mn,Mo,Na,Ni,P,Pb,Sb,V,Znの計22元素を試験項目とした。
<ICP分析・試験方法>
(試料加熱処理)
各実施例および比較例により得られた樹脂組成物ペレットの対象試料を 600℃で6時間加熱処理し、分析供試料とした。
(Al,Ba,Ca,Si,Ti)
分析供試料をフッ化水素酸、硝酸などの酸で加熱・溶解後、炭酸ナトリウムにてアルカリ溶融し、塩酸にて所定の濃度に調整したものを供試液とし、誘導結合プラズマ発光分析法(ICP−AES)にて測定した。分析・試験結果を表3及び表4に示す。Baは、検出限界(0.2質量%)未満であった。
(その他17項目 (Cd,Co,Cr,Cu,Fe,K,Li,Mg,Mn,Mo,Na,Ni,P,Pb,Sb,V,Zn))
分析供試料を、フッ化水素酸、硝酸などの酸で加熱・溶解し、所定の濃度に調整したものを供試液とし、誘導結合プラズマ発光分析法(ICP−AES)にて測定した。分析・試験結果を表3及び表4に示す。Cd,Co,Cr,Cu,Mn,Mo,Ni,P,Pb,Sb及びVは、いずれも検出限界(0.2質量%)未満であった。
(比誘電率及び誘電正接の測定)
各実施例および比較例により得られた樹脂組成物ペレットを120℃で5時間真空乾燥し、PNX−40−5A(日精樹脂工業社製)に供し、シリンダー温度:350℃の成形条件にて、64mm四方、厚さ1.0mmの平板を作製した。得られた平板に対して、下記条件にて1GHzにおける比誘電率及び誘電正接を測定した。
測定方法:容量法(装置:インピーダンスアナライザー(Agilent社製 型式:E4991A))
電極型式:16453A
測定環境:23℃、50%RH
印加電圧:1V
(熱拡散率の測定)
各実施例および比較例により得られた樹脂組成物ペレットを120℃で5時間真空乾燥し、PNX−40−5A(日精樹脂工業社製)に供し、シリンダー温度:350℃の成形条件にて、64mm四方、厚さ1.0mmのシートを成形し、10mm×10mm×1.0mmに切り出して試験片とした。この試験片について、熱拡散率計「ナノフラッシュLFA457」(ブルカーAXS社製)を用いて、レーザーフラッシュ法により、熱拡散率を測定した。
(引張試験)
各実施例および比較例により得られた樹脂組成物ペレットを120℃で5時間真空乾燥し、PNX−40−5A(日精樹脂工業社製)に供し、シリンダー温度:350℃の成形条件によりASTM4号ダンベル試験片を射出成形した。この試験片各5サンプルについて、ASTM D638に従い、引張試験機テンシロンRTG−1250(エー・アンド・デイ社製)を用いて、クロスヘッド速度10mm/minで引張試験を行い、引張強度及びその時の伸びを測定し、それらの平均値を求めた。結果を表3及び表4に示した。
<樹脂組成物中の繊維状ガラスフィラーの重量平均繊維長と数平均繊維長>
比較例1及び実施例1により得られた樹脂組成物ペレットのうち、それぞれ、1.0gをるつぼに採取し、電気炉内にて600℃で4時間処理して灰化させた。その残渣をメタノールに分散させてスライドガラス上に展開させた状態で顕微鏡写真をとり、その写真から繊維状ガラスフィラーの形状を直接的に読み取って、その平均値を算出して樹脂組成物中の繊維状ガラスフィラーの重量平均繊維長と数平均繊維長を求めた。尚、平均値の算出にあたっては母数を400以上とした。繊維状ガラスフィラーの比重から各繊維長に対する重量を算出し、400以上の母数の試料の全重量を分母にして、重量平均繊維長を算出した。結果を表3に示した。
<樹脂組成物中のフレーク状ガラスフィラーの平均厚さと平均粒径>
比較例2,3及び実施例2〜6により得られた樹脂組成物ペレットのうち、それぞれ、1.0gをるつぼに採取し、電気炉内にて600℃で4時間処理して灰化させ、その残渣をメタノールに分散させてスライドガラス上に展開させた状態で、SEMで倍率1000倍にて観察し、SEM画像から無作為に選んだ100個のフレーク状ガラスフィラーの形状を直接的に読み取って、最大フェレー径の数平均値を算出して樹脂組成物中のフレーク状ガラスフィラーの数平均粒径を求めた。また、厚さの数平均値を算出して樹脂組成物中のフレーク状ガラスフィラーの平均厚さを求めた。尚、平均値の算出にあたっては母数を400以上とした。結果を表3及び表4に示した。
Figure 2020125449
Figure 2020125449
表3及び表4に示す結果から、本発明を適用した実施例1の液晶ポリエステル樹脂組成物は、比較例1の液晶ポリエステル樹脂組成物に比べて、比誘電率が小さく、誘電正接が小さく、且つ、熱拡散率の大きいものとすることができた。機械的強度も、同程度のものであった。
本発明を適用した実施例2の液晶ポリエステル樹脂組成物も、比較例2〜3の液晶ポリエステル樹脂組成物に比べて、比誘電率が小さく、且つ、誘電正接が小さいものとすることができた。機械的強度も、同程度のものであった。
本発明を適用した実施例3,4〜6の液晶ポリエステル樹脂組成物も、比較例2〜3の液晶ポリエステル樹脂組成物に比べて、比誘電率が小さく、誘電正接が小さく、且つ、熱拡散率の大きいものとすることができた。機械的強度も、同程度のものであった。

Claims (7)

  1. 熱可塑性樹脂および/または熱硬化性樹脂と、前記熱可塑性樹脂および/または前記熱硬化性樹脂中に分散されたガラス成分とを含む樹脂組成物であって、
    前記樹脂組成物を灰化した後の残渣分をICP分析したとき、前記樹脂組成物に含まれる金属分100質量%に対して、前記樹脂組成物に含まれるカルシウム含有量が0〜27質量%である樹脂組成物。
  2. 前記樹脂組成物を灰化した後の残渣分をICP分析したとき、前記樹脂組成物に含まれる金属分100質量%に対して、前記樹脂組成物に含まれるケイ素含有量が51質量%以上である請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 熱可塑性樹脂および/または熱硬化性樹脂と、前記熱可塑性樹脂および/または前記熱硬化性樹脂中に分散されたガラス成分とを含む樹脂組成物であって、
    前記ガラス成分に含まれる金属分100質量%に対して、前記ガラス成分に含まれるカルシウム含有量が0〜27質量%である樹脂組成物。
  4. 前記ガラス成分に含まれる金属分100質量%に対して、前記ガラス成分に含まれるケイ素含有量が51質量%以上である請求項3に記載の樹脂組成物。
  5. 1GHzの周波数および25℃の温度において、前記樹脂組成物の比誘電率εが3.4以下である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
  6. 1GHzの周波数および25℃の温度において、前記樹脂組成物の誘電正接tanδが5.5×10−3以下である、請求項5に記載の樹脂組成物。
  7. 前記樹脂組成物の熱拡散率が0.14mm/s以上である、請求項5又は6に記載の樹脂組成物。
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