JP2006169293A - 水分散型粘着剤組成物の製造方法、水分散型粘着剤組成物および粘着シート - Google Patents

水分散型粘着剤組成物の製造方法、水分散型粘着剤組成物および粘着シート Download PDF

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Abstract

【課題】 残存する未反応のモノマーや溶剤の量を有効に低減できる、水分散型粘着剤組成物の製造方法、この水分散型粘着剤組成物の製造方法により得られた水分散型粘着剤組成物、および、この水分散型粘着剤組成物からなる粘着層を備えている粘着シートを提供すること。
【課題を解決するための手段】 (メタ)アクリル酸アルキルエステルを含むモノマーを重合させて、水分散型アクリルポリマーを調製し、次いで、得られた水分散型アクリルポリマーに、レドックス系開始剤を配合して、水分散型粘着剤組成物を得る。この水分散型粘着剤組成物からなる粘着層を備える粘着シートは、優れた作業安全性および環境負荷の低減が実現された粘着シートとして、各種の分野において有効に用いることができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、水分散型粘着剤組成物の製造方法、その製造方法により得られる水分散型粘着剤組成物、および、その水分散型粘着剤組成物からなる粘着シートに関する。
従来、粘着剤組成物の製造方法において、アクリル系モノマーを主成分とし、これを有機溶剤に溶解して、溶液重合する方法が知られている。
しかし、このような溶剤を用いて溶液重合する方法では、得られた粘着剤組成物を塗工する時に、多量の溶剤が揮発して、作業者への衛生面および環境面の負荷が大きいという不具合がある。
そこで、近年、溶剤を用いて溶液重合する方法に代替して、アクリル系モノマーを水に分散または乳化して、乳化重合する方法が検討されている。
例えば、アクリル酸エステルを乳化重合して製造するアクリルエマルジョンと、粘着付与樹脂エマルジョンとを配合して、水性粘着剤組成物を得る方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
特許第2599589号公報
しかし、特許文献1に記載の方法では、粘着付与樹脂エマルジョンに用いる粘着付与樹脂が高い軟化点を有するので、粘着付与樹脂エマルジョンを調製するためには、予め溶剤に粘着付与樹脂を溶解し、次いで、水を添加して転相乳化し、その後、その溶剤を留去する。そのため、得られた水性粘着剤組成物には、留去し切れない溶剤が少量残存する。
また、得られた水性粘着剤組成物には、未反応のモノマーが少量残存する。
従って、このような水性粘着剤組成物を塗工する時には、上記した残存する溶剤や未反応のモノマーに起因して、やはり、作業者への衛生面および環境面の負荷がある。
そこで、本発明の目的は、得られた水分散型粘着剤組成物に残存する、未反応のモノマーや溶剤の量を有効に低減できる、水分散型粘着剤組成物の製造方法、この水分散型粘着剤組成物の製造方法により得られた水分散型粘着剤組成物、および、この水分散型粘着剤組成物からなる粘着層を備えている粘着シートを提供することにある。
上記の目的を達成するために、本発明の水分散型粘着剤組成物の製造方法は、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを含むモノマー成分を重合させて、水分散型アクリルポリマーを調製し、次いで、得られた前記水分散型アクリルポリマーに、レドックス系開始剤を配合して、水分散型粘着剤組成物を得ることを特徴としている。
また、本発明の水分散型粘着剤組成物の製造方法は、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを含むモノマー成分を重合させて、水分散型アクリルポリマーを調製し、次いで、得られた水分散型アクリルポリマーに、水分散型粘着付与樹脂と、レドックス系開始剤とを配合して、前記水分散型粘着剤組成物を得ることをも特徴としている。
また、本発明の水分散型粘着剤組成物は、上記した水分散型粘着剤組成物の製造方法により得られることを特徴としている。
また、本発明の粘着シートは、上記した水分散型粘着剤組成物からなる粘着層を備えていることを特徴としている。
本発明の水分散型粘着剤組成物の製造方法によれば、得られた水分散型粘着剤組成物に残存する未反応のモノマーの量を有効に低減できるため、優れた作業安全性および環境負荷の低減を実現することができる。
また、本発明の水分散型粘着剤組成物の製造方法によれば、水分散型粘着付与樹脂を調製するために、溶剤に粘着付与樹脂を溶解しても、得られた水分散型粘着剤組成物に残存する溶剤の量を有効に低減できるため、優れた作業安全性および環境負荷の低減を実現することができる。
そのため、本発明の水分散型粘着剤組成物の製造方法により得られた水分散型粘着剤を、粘着層として備えている粘着シートは、優れた作業安全性および環境負荷の低減が実現された粘着シートとして、各種の分野において有効に用いることができる。
本発明の水分散型粘着剤組成物の製造方法は、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを含むモノマー成分を重合させて、水分散型アクリルポリマーを調製し、次いで、得られた水分散型アクリルポリマーに、レドックス系開始剤を配合して、水分散型粘着剤組成物を得る。
本発明の水分散型粘着剤組成物の製造方法では、まず、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを含むモノマー成分を重合させて、水分散型アクリルポリマーを調製する。
(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、メタクリル酸アルキルエステルおよび/またはアクリル酸アルキルエステルであって、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸sec−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ネオペンチル、(メタ)アクリル酸イソアミル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸へプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルへキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸テトラデシル、(メタ)アクリル酸ペンタデシル、(メタ)アクリル酸ヘキサデシル、(メタ)アクリル酸ヘプタデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル、(メタ)アクリル酸ノナデシル、(メタ)アクリル酸エイコシルなどの(メタ)アクリル酸アルキル(炭素数1〜20の直鎖または分岐アルキル)エステルなどが挙げられる。これら(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、適宜、単独または併用して用いられる。
また、(メタ)アクリル酸アルキルエステル以外に、エマルションの安定化や、後述する粘着層の基材に対する密着性の向上、さらには、被着体に対する初期接着性の向上などを目的として、(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合可能な共重合性モノマーを、モノマー成分として用いることができる。
このような共重合性モノマーとしては、特に制限されず、例えば、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、カルボキシエチルアクリレート、カルボキシペンチルアクリレートなどのカルボキシル基含有不飽和モノマー、例えば、無水マレイン酸、無水イタコン酸などの酸無水物基含有不飽和モノマー、例えば、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ボルニル、(メタ)アクリル酸イソボルニルなどの(メタ)アクリル酸脂環式炭化水素エステル、例えば、(メタ)アクリル酸フェニルなどの(メタ)アクリル酸アリールエステル、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのビニルエステル類、例えば、スチレンなどのスチレン系モノマー、例えば、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸メチルグリシジルなどのエポキシ基含有不飽和モノマー、例えば、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピルなどのヒドロキシル基含有不飽和モノマー、例えば、(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メチロールプロパン(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン、(メタ)アクリル酸アミノエチル、(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸t−ブチルアミノエチルなどの窒素原子含有不飽和モノマー、例えば、(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシエチルなどのアルコキシ基含有不飽和モノマー、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのシアノ基含有不飽和モノマー、例えば、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートなどの官能性モノマー、例えば、エチレン、プロピレン、イソプレン、ブタジエン、イソブチレンなどのオレフィン系モノマー、例えば、ビニルエーテルなどのビニルエーテル系モノマー、例えば、塩化ビニルなどのハロゲン原子含有不飽和モノマー、その他、例えば、N−ビニルピロリドン、N−(1−メチルビニル)ピロリドン、N−ビニルピリジン、N−ビニルピペリドン、N−ビニルピリミジン、N−ビニルピペラジン、N−ビニルピラジン、N−ビニルピロール、N−ビニルイミダゾール、N−ビニルオキサゾール、N−ビニルモルホリンなどのビニル基含有複素環化合物や、N−ビニルカルボン酸アミド類などが挙げられる。
また、共重合性モノマーとして、例えば、N−シクロヘキシルマレイミド、N−イソプロピルマレイミド、N−ラウリルマレイミド、N−フェニルマレイミドなどのマレイミド系モノマー、例えば、N−メチルイタコンイミド、N−エチルイタコンイミド、N−ブチルイタコンイミド、N−オクチルイタコンイミド、N−2−エチルヘキシルイタコンイミド、N−シクロヘキシルイタコンイミド、N−ラウリルイタコンイミドなどのイタコンイミド系モノマー、例えば、N−(メタ)アクリロイルオキシメチレンスクシンイミド、N−(メタ)アクリロイル−6−オキシヘキサメチレンスクシンイミド、N−(メタ)アクリロイル−8−オキシオクタメチレンスクシンイミドなどのスクシンイミド系モノマー、例えば、スチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、(メタ)アクリルアミドプロパンスルホン酸、スルホプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルオキシナフタレンスルホン酸などのスルホン酸基含有不飽和モノマー、例えば、2−ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェイトなどのリン酸基含有不飽和モノマー、例えば、(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコール、(メタ)アクリル酸ポリプロピレングリコール、(メタ)アクリル酸メトキシエチレングリコール、(メタ)アクリル酸メトキシポリプロピレングリコールなどのグリコール系アクリルエステルモノマー、その他、例えば、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリルや、フッ素(メタ)アクリレートなどの複素環や、ハロゲン原子を含有するアクリル酸エステル系モノマーなどが挙げられる。
さらにまた、共重合性モノマーとして、シリコーン系モノマーが挙げられる。シリコーン系モノマーには、シリコーン系(メタ)アクリレートモノマーや、シリコーン系ビニルモノマーなどが含まれる。
シリコーン系(メタ)アクリレートモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリロイルオキシメチル−トリメトキシシラン、(メタ)アクリロイルオキシメチル−トリエトキシシラン、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−トリメトキシシラン、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−トリエトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−トリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−トリエトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−トリプロポキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−トリイソプロポキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−トリブトキシシランなどの(メタ)アクリロイルオキシアルキル−トリアルコキシシラン、例えば、(メタ)アクリロイルオキシメチル−メチルジメトキシシラン、(メタ)アクリロイルオキシメチル−メチルジエトキシシラン、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−メチルジメトキシシラン、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−メチルジエトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−メチルジメトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−メチルジエトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−メチルジプロポキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−メチルジイソプロポキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−メチルジブトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−エチルジメトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−エチルジエトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−エチルジプロポキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−エチルジイソプロポキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−エチルジブトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−プロピルジメトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−プロピルジエトキシシランなどの(メタ)アクリロイルオキシアルキル−アルキルジアルコキシシランや、これらに対応する(メタ)アクリロイルオキシアルキル−ジアルキル(モノ)アルコキシシランなどが挙げられる。
また、シリコーン系ビニルモノマーとしては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリプロポキシシラン、ビニルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリブトキシシランなどのビニルトリアルコキシシランの他、これらに対応するビニルアルキルジアルコキシシランや、ビニルジアルキルアルコキシシラン、例えば、ビニルメチルトリメトキシシラン、ビニルメチルトリエトキシシラン、β−ビニルエチルトリメトキシシラン、β−ビニルエチルトリエトキシシラン、γ−ビニルプロピルトリメトキシシラン、γ−ビニルプロピルトリエトキシシラン、γ−ビニルプロピルトリプロポキシシラン、γ−ビニルプロピルトリイソプロポキシシラン、γ−ビニルプロピルトリブトキシシランなどのビニルアルキルトリアルコキシシランの他、これらに対応する(ビニルアルキル)アルキルジアルコキシシランや、(ビニルアルキル)ジアルキル(モノ)アルコキシシランなどが挙げられる。
さらに、共重合性モノマーとして、水分散型粘着剤組成物のゲル分率の調整などのために、多官能性モノマーを用いることができる。
多官能モノマーとしては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレートなどの(モノまたはポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレートや、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレートなどの(モノまたはポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレートなどの(モノまたはポリ)アルキレングリコールジ(メタ)アクリレートの他、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼンなどが挙げられる。また、多官能性モノマーとして、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレートなども挙げられる。
これら共重合性モノマーは、適宜、単独または併用して用いられる。
(メタ)アクリル酸アルキルエステルを含むモノマー成分において、(メタ)アクリル酸アルキルエステルの配合割合は、モノマー成分全量に対して、50重量%以上、好ましくは、60重量%以上、さらに好ましくは、70重量%以上である。また、その上限は、特に制限されず、例えば、100重量%、好ましくは、99重量%、さらに好ましくは、98重量%である。(メタ)アクリル酸アルキルエステルの配合割合が、50重量%未満であると、粘着シートの剥離力などの粘着特性が低下する場合がある。
また、共重合性モノマーの配合割合は、モノマー成分全量に対して、例えば、50重量%未満、好ましくは、40重量%未満、さらに好ましくは、30重量%未満である。また、その下限は、特に制限されず、例えば、0重量%(つまり、配合しない。)、好ましくは、1重量%、さらに好ましくは、2重量%である。
また、共重合性モノマーは、各共重合性モノマーの種類に応じて、配合割合を適宜選択することができる。好ましくは、モノマー成分として、モノマー成分全量に対して0.1〜6重量%のカルボキシル基含有不飽和モノマーを含有する。
そして、上記した(メタ)アクリル酸アルキルエステルを含むモノマー成分を重合するには、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを含むモノマー成分を、水に乳化させた後、乳化重合する。
乳化重合では、例えば、上記したモノマー成分とともに、乳化剤、ラジカル重合開始剤、必要に応じて連鎖移動剤などを、水中において適宜配合して重合する。より具体的には、例えば、一括仕込み法(一括重合法)、モノマー滴下法、モノマーエマルション滴下法などの公知の乳化重合法を採用することができる。なお、モノマー滴下法では、連続滴下または分割滴下が適宜選択される。反応条件などは、適宜選択されるが、重合温度は、例えば、0〜150℃である。
乳化剤としては、特に制限されず、乳化重合に通常使用される公知の乳化剤が用いられる。例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルスルホコハク酸ナトリウムなどのアニオン系乳化剤、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマーなどのノニオン系乳化剤などが挙げられる。
また、これらアニオン系乳化剤やノニオン系乳化剤に、プロペニル基やアリルエーテル基などのラジカル重合性官能基(ラジカル反応性基)が導入されたラジカル重合性乳化剤などが挙げられる。
これら乳化剤は、適宜、単独または併用して用いられる。また、乳化剤の配合割合は、モノマー成分100重量部に対して、例えば、0.1〜5重量部、好ましくは、0.4〜3重量部である。乳化剤の配合割合が、この範囲であると、耐水性、粘着性、さらには、重合安定性、機械的安定性などの向上を図ることができる。
ラジカル重合開始剤としては、特に制限されず、乳化重合に通常使用される公知のラジカル重合開始剤が用いられる。例えば、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル、2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二硫酸塩、2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩、2,2'−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、2,2'−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]二塩酸塩などのアゾ系開始剤、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩系開始剤、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、過酸化水素などの過酸化物系開始剤、例えば、フェニル置換エタンなどの置換エタン系開始剤、例えば、芳香族カルボニル化合物などのカルボニル系開始剤、例えば、後述するレドックス系開始剤などが挙げられる。
これら重合開始剤は、適宜、単独または併用して用いられる。また、重合開始剤の配合割合は、適宜選択されるが、モノマー成分100重量部に対して、例えば、0.02〜0.5重量部、好ましくは、0.08〜0.3重量部である。0.02重量部未満であると、重合開始剤としての効果が低下する場合があり、0.5重量部を超えると、水分散型アクリルポリマーの分子量が低下し、水分散型粘着剤組成物の粘着性が低下する場合がある。
連鎖移動剤は、必要により、水分散型アクリルポリマーの分子量を調節するものであって、乳化重合に通常使用される連鎖移動剤が用いられる。例えば、1−ドデカンチオール、メルカプト酢酸、2−メルカプトエタノール、チオグリコール酸2−エチルへキシル、2,3−ジメチルカプト−1−プロパノールなどのメルカプタン類などが挙げられる。
これら連鎖移動剤は、適宜、単独または併用して用いられる。また、連鎖移動剤の配合割合は、モノマー成分100重量部に対して、例えば、0.001〜0.3重量部である。
そして、このような乳化重合によって、水分散型アクリルポリマーをエマルションとして調製することができる。
このような水分散型アクリルポリマーは、その平均粒子径が、例えば、0.1〜3μm、好ましくは、0.2〜1μmに調整される。平均粒子径が0.1μmより小さいと、水分散型粘着剤組成物の粘度が上昇する場合があり、3μmより大きいと、粒子間の融着性が低下して凝集力が低下する場合がある。
なお、水分散型アクリルポリマーは、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とするモノマー成分を、乳化重合以外の方法によって重合した後に、上記した乳化剤により、水に分散させるようにして調製することもできる。
本発明の水分散型粘着剤組成物の製造方法では、次いで、上記により得られた水分散型アクリルポリマーに、レドックス系開始剤を配合して、水分散型粘着剤組成物を得る。
レドックス系開始剤としては、ラジカル発生剤として酸化性を示す酸化性物質と、還元性を示す還元性物質との組合せからなるものが挙げられる。
レドックス系開始剤の酸化性物質としては、水系酸化性物質および非水系酸化性物質が挙げられる。
水系酸化性物質としては、例えば、過酸化水素、例えば、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩、例えば、t‐ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイドなどのハイドロパーオキサイドの他、例えば、コハク酸パーオキサイドなどの水溶性パーオキサイドが挙げられる。
非水系酸化性物質としては、例えば、イソブチリルパーオキサイド、ビス(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイドなどのジアシルパーオキサイド、例えば、ジ−t‐ブチルパーオキサイド、t−ブチル−α−クミルパーオキサイド、ジ−α−クミルパーオキサイドなどのジアルキルパーオキサイド、例えば、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンなどのパーオキシケタール、例えば、t−ブチルパーオキシアセテートなどのアルキルパーエステル、例えば、ビス−(2−エチルヘキシル)パーオキシジカーボネートなどのパーオキシカーボネートなどが挙げられる。
レドックス系開始剤の還元性物質としては、水系還元性物質および非水系還元性物質が挙げられる。
水系還元性物質としては、例えば、鉄(II)塩(塩化鉄(II)など)、銅(I)塩(塩化銅(I)など)、クロム(III)塩(塩化クロム(III)など)などの還元性金属塩、例えば、チオ硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、次亜硫酸ナトリウム、ソジウムホルムアルデヒドスルホキシレートなどの還元性硫黄化合物、例えば、メタノール、エタノールなどのC1〜C6の低級アルコール、例えば、メチルアミン、エチルアミンなどのC1〜C6の低級アミンの他、例えば、アスコルビン酸またはその塩(ナトリウム塩など)などが挙げられる。
非水系還元性物質としては、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミンなどのポリアミン、例えば、トリエチルアルミニウム、トリエチル亜鉛などの有機金属化合物などが挙げられる。
これら酸化性物質および還元性物質は、それぞれ1種ずつの組合せでもよく、いずれか一方または両方が2種以上の組合せでもよい。好ましくは、水系酸化性物質および水系還元性物質の組合せが挙げられる。より具体的には、ハイドロパーオキサイドとアスコルビン酸またはその塩との組合せ、過酸化水素とアスコルビン酸またはその塩との組合せ、塩化鉄(II)とアスコルビン酸またはその塩との組合せ、塩化鉄(II)とアスコルビン酸またはその塩との組合せ、過硫酸塩と亜硫酸水素ナトリウムとの組合せなどが挙げられる。また、レドックス系開始剤における、酸化性物質と還元性物質との配合割合は、例えば、酸化性物質100重量部に対して、還元性物質50〜500重量部である。
これらレドックス系開始剤の配合割合は、モノマー成分100重量部に対して、例えば、0.05〜3.0重量部であり、好ましくは、0.1〜1.0重量部である。
これらレドックス系開始剤は、その性質に対応した溶媒、例えば、水に、溶解させて配合する。溶媒に対するレドックス系開始剤の配合割合は、特に制限されず、適宜、選択することができる。
なお、水分散型アクリルポリマーに、レドックス系開始剤を配合する前に、好ましくは、窒素置換によって、水分散型アクリルポリマーの溶存酸素濃度を低減する。窒素の置換時間としては、例えば、1〜3時間である。
そして、水分散型アクリルポリマーに、レドックス系開始剤を配合して、攪拌混合すれば、水分散型粘着剤組成物が得られる。水分散型アクリルポリマーに、レドックス系開始剤を配合するには、例えば、これらを配合後、0.5〜2時間攪拌混合する。
また、レドックス系開始剤を配合するには、例えば、酸化性物質および還元性物質を合わせて一括または滴下して添加するか、または、予め酸化性物質を一括または滴下して添加した後、還元性物質を一括または滴下して添加するか、あるいは、その逆の順番で添加する。
また、本発明の水分散型粘着剤組成物の製造方法では、上記により得られた水分散型アクリルポリマーに、さらに、水分散型粘着付与樹脂を配合して、水分散型粘着剤組成物を得ることもできる。
水分散型粘着付与樹脂は、粘着付与樹脂を水に乳化させて調製する。より具体的には、例えば、まず、有機溶剤に、粘着付与樹脂を溶解させるとともに、乳化剤を加え、その後、水を加えて攪拌混合し、転相乳化する。その後、有機溶剤を留去して、水分散型粘着付与樹脂をエマルションとして得る。
有機溶剤としては、粘着付与樹脂を溶解する有機溶剤であれば、特に制限されず、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの公知の有機溶剤が挙げられる。
有機溶剤の配合割合は、例えば、粘着付与樹脂100重量部に対して、例えば、30〜300重量部であり、好ましくは、50〜150重量部である。
粘着付与樹脂としては、例えば、ロジン系樹脂、ロジンフェノール系樹脂、テルペン系樹脂、石油樹脂、フェノール系樹脂、ケトン系樹脂、アミド系樹脂、エポキシ系樹脂、エラストマー類などが挙げられる。
ロジン系樹脂としては、例えば、ガムロジン、ウッドロジン、トール油ロジンなどの原料ロジン類の他、これらに対応するロジン誘導体が挙げられる。
ロジンフェノール系樹脂としては、例えば、ガムロジン、ウッドロジン、トール油などのロジンとフェノールとを共重合したロジンフェノール樹脂の他、これらに対応するロジンフェノール系樹脂をエステル化、水素添加、不均化、二量化したロジンフェノール樹脂などが挙げられる。
テルペン系樹脂としては、例えば、α−ピネン、β―ピネンなどのテルペンを重合したテルペン樹脂などが挙げられる。
石油樹脂としては、例えば、脂肪族炭化水素系石油樹脂、例えば、芳香族炭化水素系石油樹脂、例えば、ノルボルネン樹脂などの脂環式炭化水素系石油樹脂などが挙げられる。
フェノール系樹脂としては、例えば、フェノール、クレゾールなどのフェノール類と、アルデヒドとを重縮合したフェノール樹脂などが挙げられる。
ケトン系樹脂としては、例えば、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトフェノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノンなどのケトンと、ホルムアルデヒドとを重縮合したケトン樹脂などが挙げられる。
アミド系樹脂としては、例えば、ヘキサメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、2,2,4−または2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、1,3−もしくは1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、ビス(p−アミノシクロヘキシルメタン)、m−もしくはp−キシリレンジアミンなどのジアミンと、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸などのジカルボン酸とを重縮合したポリアミド、例えば、ε−アミノカプロン酸、11−アミノウンデカンカルボン酸などのアミノカルボン酸が重縮合したポリアミド、例えば、ε−カプロラクタム、ω−ラウロラクタムなどのラクタムが重縮合したポリアミドなどが挙げられる。
エポキシ系樹脂としては、例えば、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ポリグリコールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテルなどが挙げられる。
エラストマー類としては、例えば、天然ゴム、ポリブタジエンゴム、ポリイソプレンゴム、ブチルゴム、エチレン−プロピレン共重合体ゴム、ブタジエン−スチレン共重合体ゴム、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体ゴム、水添および非水添のスチレン−共役ジエン系ブロック共重合体ゴム、ポリエステルゴム、アクリルゴム、シリコンゴムなどの他、これらに対応する変性体などが挙げられる。
乳化剤としては、例えば、上記した(メタ)アクリル酸アルキルエステルを含むモノマー成分を重合する際に配合したものと、同様の乳化剤が挙げられる。
また、乳化剤は、適宜、単独または併用して用いられる。また、乳化剤の配合割合は、粘着付与樹脂100重量部に対して、例えば、0.5〜5重量部、好ましくは、1〜3重量部である。
そして、有機溶剤に溶解した粘着付与樹脂を、転相乳化するには、例えば、乳化剤を加えた粘着付与樹脂の有機溶剤の溶液に、水を一括添加するか、または、水を徐々に滴下して添加する。水の配合割合は、例えば、粘着付与樹脂100重量部に対して、30〜300重量部である。
その後、有機溶剤を留去するには、減圧乾燥法など公知の方法が用いられる。
なお、有機溶剤を留去するときには、エマルションの水が一部共沸するので、固形分濃度を調整するため、再度、エマルションに水を加える。また、アンモニア水などにより、適宜pH調整する。
このような水分散型粘着付与樹脂は、その平均粒子径が、例えば、0.1〜5.0μm、好ましくは、0.1〜3.0μmに調整される。
水分散型粘着付与樹脂の固形分濃度は、水分散型粘着付与樹脂(エマルション)に対する粘着付与樹脂の重量割合であって、例えば、40重量%以上、好ましくは、45〜60重量%となるように調整する。
水分散型アクリルポリマーに対する水分散型粘着付与樹脂の配合割合は、水分散型アクリルポリマーのモノマー成分(すなわち、水分散型アクリルポリマーの固形分)100重量部に対する、水分散型粘着付与樹脂の粘着付与樹脂(すなわち、水分散型粘着付与樹脂の固形分)の重量割合で、例えば、5〜40重量部であり、好ましくは、10〜30重量部である。
そして、水分散型粘着付与樹脂を、水分散型アクリルポリマーに、レドックス系開始剤とともに配合して、攪拌混合すれば、水分散型粘着剤組成物が得られる。
なお、水分散型アクリルポリマーに、水分散型粘着付与樹脂と、レドックス系開始剤とを配合するには、これらを同時に一括添加して配合してもよく、水分散型アクリルポリマーに、水分散型粘着付与樹脂を加え、その後、レドックス系開始剤を加えて配合してもよい。
また、水分散型粘着剤組成物には、必要に応じて、粘度調整剤、架橋剤、剥離調整剤、可塑剤、軟化剤、充填剤、着色剤(顔料、染料など)、老化防止剤、界面活性剤、pH調整剤(酸または塩基)など、水分散型粘着剤組成物に通常添加される添加剤を、適宜、添加してもよい。これら添加剤の配合割合は、特に制限されず、適宜、選択することができる。
なお、このようにして得られる水分散型粘着剤組成物の固形分濃度は、例えば、水を蒸発させた残留成分のエマルションに対する重量割合であって、残留成分は、実質的には、モノマー成分の全量(仕込量)に基づき求められ、例えば、40重量%以上、好ましくは、45重量%以上、さらに好ましくは、50〜60重量%となるように調整する。40重量%以上とすることにより、塗工後の乾燥時間の短縮化を図ることができる。
このように、水分散型アクリルポリマーに、レドックス系開始剤を配合すれば、得られた水分散型粘着剤組成物に残存する、未反応の(メタ)アクリル酸アルキルエステルなどのモノマー成分の重合が促進される。そのため、残存未反応モノマー成分の残存量を有効に低減することができ、優れた作業安全性および環境負荷の低減を実現することができる。
また、このように、残存未反応モノマー成分の重合が促進されると、この重合に誘起されたモノマーラジカルが、転相乳化した水分散型粘着付与樹脂中に残存する有機溶剤に移動して溶剤ラジカルを生じさせ、次いで、溶剤ラジカルが、残存する未反応モノマー成分やポリマーに再結合する。そのため、残存する有機溶剤の量を有効に低減することができ、優れた作業安全性および環境負荷の低減を実現することができる。
そのため、本発明の粘着剤組成物の製造方法により得られた水分散型粘着剤組成物は、優れた作業安全性および環境負荷が低減された粘着層を形成することができるので、そのような粘着層を有する粘着シートは、例えば、電子・電気機器、家電機器、自動車や電車などの車両、住宅建材などの各種分野において有効に用いられる。
次に、本発明の粘着シートの一実施形態について、図1を参照して説明する。
図1において、この粘着シートは、上記した本発明の水分散型粘着組成物からなる粘着層2が、基材1上に積層されている。
基材1としては、特に制限されず、粘着シートに通常使用される基材が用いられる。例えば、ポリプロピレンフィルム、エチレン−プロピレン共重合ポリマーフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルムなどのポリエステルフィルム、ポリ塩化ビニルなどのプラスチックフィルム類、例えば、クラフト紙などの紙類、例えば、綿布、スフ布などの布類、例えば、ポリエステル不織布、ビニロン不織布などの不織布類、例えば、金属箔などが用いられる。
なお、プラスチックフィルム類は、無延伸フィルムおよび延伸(一軸延伸または二軸延伸)フィルムのいずれをも用いることができる。
また、基材1において、水分散型粘着剤組成物が塗工される表面には、通常使用される下塗剤の下塗処理や、コロナ放電方式などによる表面処理を施しておいてもよい。
また、粘着シートを、光学材料の表面保護に用いる場合には、透明性に優れる基材が好ましく用いられ、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましく用いられる。
また、基材1の厚みは、その目的および用途など応じて適宜選択されるが、例えば、10〜100μm、好ましくは、25〜70μmである。
粘着層2は、上記した水分散型粘着剤組成物からなり、水分散型粘着剤組成物を基材1に塗工して得られる。
水分散型粘着剤組成物を基材1に塗工するには、特に制限されず、公知の塗工方法が用いられる。例えば、コーターを用いて、水分散型粘着剤組成物を基材1の表面に塗工すればよく、その後、乾燥させて、粘着層2を形成する。
コーターとしては、特に制限されず、例えば、ファウンテンダイコーター、リップコーター、クローズドエッジダイコーター、グラビヤロールコーター、キスロールコーター、ディップロールコーター、バーコーター、ナイフコーター、スプレーコーターなどが用いられる。
また、このようなコーターによる塗工において、乾燥後の粘着層2の厚みは、特に制限されず、1mmを超えてもよいが、例えば、500μm以下、好ましくは、3〜300μm、さらに好ましくは、5〜200μmに設定される。
また、乾燥は、公知の方法によって、例えば、50〜200℃、好ましくは、80〜160℃で加熱する。
そして、このようにして得られる粘着シートは、例えば、図1に示すように、基材1の上に、粘着層2を積層し、基材1における粘着層2が積層されている表面と反対側の裏面が、剥離面とされている場合には、図1(a)に示すように、粘着層2が積層されている基材1を、その剥離面が、別の基材1に貼着されている粘着層2と接触するように、巻回することによって、ロール状に形成することができる。また、図1(b)に示すように、基材1の上に、粘着層2を積層し、さらに、その粘着層2の上に、剥離ライナー3を積層して、巻回することによって、ロール状に形成することができる。
以下に実施例および比較例を挙げて、本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明は、以下の実施例および比較例に何ら制限されるものではない。なお、以下の説明において、「部」および「%」は、特に明記のない限り、重量基準である。
製造例1(水分散型アクリルポリマーの調製)
冷却管、窒素導入管、温度計および攪拌機を備えた反応容器に、アクリル酸ブチル100部、アクリル酸5部、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]二塩酸塩0.1部、1−ドデカンチオール0.05部を加えた後、さらに、ポリオキシエチレンラウリル硫酸ナトリウム2.0部を添加した水100部を加えて、反応容器を窒素置換し、60℃にて7時間乳化重合した。重合後、10%アンモニア水を添加して、pH7に調整することにより、固形分濃度が50%で、平均粒子径が200nmである、水分散型アクリルポリマーを得た。
製造例2(水分散型粘着付与樹脂の調製)
攪拌機を備えた混合容器に、ロジン系樹脂(商品名「スミライトレジンPR−12603」、住友ベークライト社製)60部、トルエン40部を加えて、攪拌混合して溶解した。溶解後、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム(アニオン性乳化剤、商品名「ハイテノールN−17」、第一工業製薬社製)1.8部を加えて、攪拌混合後、さらに水60部を加えて、転相乳化した。次いで、10%アンモニア水を添加して、pH7に調整した。その後、これを、加熱減圧可能な容器に移して、60℃、10kPaにて8時間攪拌しながら、トルエンを留去した。その後、水60部を加えて、固形分濃度が50%である、水分散型粘着付与樹脂を得た。
実施例1
製造例1により得られた水分散型アクリルポリマー100部に、水分散型粘着付与樹脂30部を加え、攪拌混合した後、反応容器を1時間窒素置換した。その後、30%過酸化水素水0.3部を加え、攪拌混合し、次いで、アスコルビン酸0.6部および水20部からなるアスコルビン酸水溶液を添加して、常温にて1時間攪拌混合することにより、水分散型粘着剤組成物を得た。
実施例2
製造例1により得られた水分散型アクリルポリマー100部に、水分散型粘着付与樹脂30部を加え、攪拌混合した後、反応容器を1時間窒素置換した。その後、30%過酸化水素水0.1部を加え、攪拌混合し、次いで、アスコルビン酸0.2部および水20部からなるアスコルビン酸水溶液を添加して、常温にて1時間攪拌混合することにより、水分散型粘着剤組成物を得た。
実施例3
実施例1により得られた水分散型粘着剤組成物に、水分散型粘着剤組成物の水分散アクリルポリマーの固形分100部に対して、エポキシ系架橋剤(商品名「テトラッドC」、三菱瓦斯化学社製)2部を加えることにより、水分散型粘着剤組成物を得た。
実施例4
実施例2により得られた水分散型粘着剤組成物を、実施例3と同様に処理して、架橋された水分散型粘着剤組成物を得た。
比較例1
実施例1において、過酸化水素およびアスコルビン酸を添加しない以外は、実施例1と同様に処理することにより、水分散型粘着剤組成物を得た。
比較例2
比較例1により得られた水分散型粘着剤組成物を、実施例3と同様に処理して、水分散型粘着剤組成物を得た。
評価
(残存量)
実施例1および2ならびに比較例1で得られた水分散型粘着剤組成物0.2gを、テトラヒドロフラン(THF)で抽出し、得られた抽出液を、ガスクロマトグラフを用いて測定し、残存する有機溶剤および未反応モノマーを定量した。なお、ガスクロマトグラフは、「Hewlett Packard HP5890II」(ヒューレット・パッカード社製)を用い、カラムは、強極性キャピラリーカラム(商品名「DB−FFAP」、J&W Scientific社製)(膜厚1.0μm、内径0.539mm、長さ30m)を用いた。キャリアーガスには、ヘリウムを用い、カラム温度を、40℃から250℃まで、10℃/分で昇温するように設定し、検出器温度を250℃に設定した。その結果を、表1に示す。
Figure 2006169293
(剥離力)
実施例3および4ならびに比較例2で得られた水分散型粘着剤組成物を、ポリエステルフィルムに、乾燥後に50g/m2となるように塗布して、100℃にて2分乾燥させた後、20mm幅に切断して、剥離力測定用サンプルを用意した。各サンプルにSUS板をのせて2kgのゴムローラーを1往復させることにより、サンプルとSUS板とを圧着した。圧着して30分後、剥離角度180°および剥離速度300mm/分にて、剥離力を測定した。なお、試験は、温度23℃、湿度60%RHの雰囲気下で実施した。その結果を、表2に示す。
(保持力)
実施例3および4ならびに比較例2で得られた水分散型粘着剤組成物を、ポリエステルフィルムに、乾燥後に50g/m2となるように塗布して、100℃にて2分乾燥させた後、10mm幅に切断して、保持力測定用サンプルを用意した。各サンプルをフェノール樹脂板に対し、10mm×20mmの接触面積で、40℃にて貼付した。貼付して30分後、フェノール樹脂板を垂下させ、サンプルの下方側の端部分に、500gの荷重を均一に負荷して、温度40℃、1時間でのずれ距離を測定した。その結果を、表2に示す。
Figure 2006169293
表1から明らかなように、レドックス系開始剤を配合した実施例1および2は、レドックス系開始剤を配合しなかった比較例1に比較して、残存する溶剤量および未反応モノマー量が少なかった。
また、表2から明らかなように、粘着特性において、レドックス系開始剤を配合した実施例3および4の水分散型粘着剤組成物と、レドックス系開始剤を配合しなかった比較例2との、明確な相違は見られず、レドックス系開始剤を配合したことによる、粘着特性への不具合は確認されなかった。
本発明の粘着シートの一実施形態であって、 (a)は、基材の片面に粘着層が積層された状態で、巻回されている態様を模式的に示す断面図である。 (b)は、基材の片面に粘着層が積層され、その粘着層に剥離ライナーが貼着された状態で巻回されている態様を模式的に示す断面図である。
符号の説明
1 基材
2 粘着層
3 剥離ライナー

Claims (4)

  1. (メタ)アクリル酸アルキルエステルを含むモノマー成分を重合させて、水分散型アクリルポリマーを調製し、
    次いで、得られた前記水分散型アクリルポリマーに、レドックス系開始剤を配合して、水分散型粘着剤組成物を得ることを特徴とする、水分散型粘着剤組成物の製造方法。
  2. (メタ)アクリル酸アルキルエステルを含むモノマー成分を重合させて、水分散型アクリルポリマーを調製し、
    次いで、得られた水分散型アクリルポリマーに、水分散型粘着付与樹脂と、レドックス系開始剤とを配合して、前記水分散型粘着剤組成物を得ることを特徴とする、水分散型粘着剤組成物の製造方法。
  3. 請求項1または2に記載の水分散型粘着剤組成物の製造方法により得られることを特徴とする、水分散型粘着剤組成物。
  4. 請求項3に記載の水分散型粘着剤組成物からなる粘着層を備えていることを特徴とする、粘着シート。
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