JP2006168682A - タイヤの密封パック包装 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 気密性のシートからなる真空パック材の内部、あるいは気密性のシートからなる窒素充填パック材の内部にタイヤを密封している。この真空パック材あるいは窒素充填パック材の表面側に滑止手段を設けていることが好ましい。
【選択図】 図1
Description
しかしながら、これは単に文字部分の汚れを防止するもので、ゴム自体の経年劣化を防止するために有効な対策とはなっていない。
このように、トレッド部にジエン系のゴムを使用すると、トレッド部の耐候性が劣ることとなるため、特開平11−301210号公報(特許文献2)では、トレッドに耐候性にすぐれた合成物を被覆することが提案されている。
しかし、この方法では、トレッド部に特別な処理をしなければならず、コストアップするという問題があった。
このように、耐候性を向上させるいろいろな工夫がされてきたが、ゴムの特性として耐候性と耐摩耗性との両立が難しく、タイヤ自体での経年劣化の防止には限界があった。
また、特開平5−4627号公報(特許文献3)において、熱収縮性を有する包装材によりタイヤを包装することが提案されている
しかしながら、熱収縮性包装材をタイヤに巻き付けた後に加熱して包装材を熱収縮させる必要があり、加熱によりタイヤに悪影響を及ぼす恐れがあるとともに、埃や異物等から完全には保護できず、かつ、作業工数がかかりコスト高になる問題がある。
さらに、タイヤを包装材で完全に包み込んでしまい、外形がタイヤ形状となると共に、該包装材の表面の摩擦係数がゴムよりはるかに低いため、タイヤが滑りやすくて取り扱い難くなる。特に、タイヤを積み重ねた時、崩れやすいという問題がある。さらに、包装材の内部に空気や湿気が存在するので、空気中の酸素やオゾンによりゴムが経年劣化し、亀裂や変色をもたらす問題は解決できない。
また、真空パック包装をすると、タイヤが圧縮されてタイヤ幅方向の寸法が小さくなるので、タイヤの保管・輸送の際嵩張らず、保管・輸送効率が向上するという副次的な効果を奏することができる。
前記の滑止手段は、前記真空パック材あるいは窒素充填パック材の表面に設けた滑止用突起としたものでもよい。
あるいは、真空パック材あるいは窒素充填パック材を内側は気密性を有するシートとし、表側は該内側のシートより摩擦係数の大きい材料をラミネートまたはコーティングして、滑止め機能を付与してもよい。
このように、滑止用突起をパック材の表面に設けることにより、タイヤ取り扱い時に手が滑り難くなり、作業性が良くなると共に、タイヤを倉庫や店頭等で積み上げたとき、荷崩れがし難くなる。
即ち、金属は窒素と反応しないので、金属製のホイールリムが酸化して変色するのを防止することができる。また、窒素ガスが空気に比べ温度変化による圧力変化が少なく、安定したタイヤ圧で保持できる利点がある。近年、タイヤに窒素ガスを充填して走行するユーザーが増えてきており、このようなユーザーにとっては、購入当初から窒素ガスが充填された状態でホイールリムが取り付けられていると、空気を窒素ガスに入れ替える手間とコストが節約できる利点がある。
即ち、タイヤは2本あるいは4本セットで販売されることが多いことより、このようにセットで包装することにより、包装コストを節約することができる。
さらに、パック材の表面側に滑止手段を設けると、取り扱いやすくできると共に、タイヤ積層時に荷崩れを発生させない利点がある。
図1に示すように、タイヤ1を気密性シートより形成される矩形状のパック材2内に封入し、真空状態としてパック材2の開口をヒートシール部2aとし、タイヤ1をパック材2内で真空保存している。
図2は密封包装機30により、パック材2の内部にタイヤ1を真空密封する方法を示している。
ついで、真空ポンプ35を始動し、制御バルブ36を開いて真空室40に負圧を導入して空気を排出する。其の際、開口2cが閉じられていないパック材2内の空気も同時に排出される。
パック材2の内部が完全に真空状態となった時点で、開閉制御バルブ37を開き、下側ロッド33dをバネに抗して上昇させ、上側ロッド33aの下端の発熱体33bと下側ロッド33dの上端の発熱体33cとで真空パック材2の開口2cを上下よりヒートシールしてヒートシーラー33を設けている。
なお、パック材2の内部に空気が残存している場合に備えて、酸化防止剤や乾燥剤などのタイヤの劣化を防ぐ保存剤を同時に入れておいても良い。
図3(a)はタイヤ1の自然状態の断面図を示し、図3(b)は真空パックされた時のタイヤの断面図である。
図3(b)に示すように、タイヤ1には大気圧によるFの圧力が加わり1bのように変形する。タイヤ1のサイドウオール部にかかる力Fは次の式で計算される。
F=π×(Tの2乗−Dの2乗)×P/4
P:大気圧
T:タイヤ外径
D:リム径
15インチタイヤでFを計算すると、約2t(トン)という大きな数値となり、この力でタイヤは幅方向に変形され、1bのように圧縮された形状になる。
このように、真空パック包装をすると、タイヤが圧縮されてタイヤ幅方向の寸法が小さくなるので、タイヤの保管・輸送の際に嵩張らず、保管・輸送効率が向上するという副次的な効果も奏することができる。
該形状とすると、矩形と比較して、余分な出っ張りがないので邪魔にならず、見栄えもすっきりし、かつ、ヒレ状部2fで把持できる利点がある。
窒素ガスはゴム成分と化学反応し難いので、真空パックと同様、タイヤが経年劣化し難くいという効果がある。また、真空パックは真空が抜けてしまわないような工夫が必要であるのに比べ、窒素ガスは抜けにくいという利点がある。
また、金属製のホイールリム100が酸化して変色するのを防止することができる。
さらに、窒素ガスが空気に比べ温度変化による圧力変化が少なく、安定したタイヤ圧で走行できる利点がある。
さらに、ホイールリム100をタイヤ1に装着後に、タイヤ内に窒素ガスを充填しておき、この状態で窒素充填パック材2’内に密封してもよい。その場合には、窒素充填の充填を好むユーザーにとっては、空気を窒素ガスに入れ替える手間とコストが節約できる利点がある。
図6(A)のパック材2’は、全面に突起2bを設けたシートより袋を形成したものである。
図6(B)は、部分的に突起2bを設けたシートより袋を形成し、トレッド部に当たる部分には突起2bを設けていない。該形状とすると、タイヤのユーザーは、タイヤのトレッドパターンに関心が高いため、包装をしたままでトレッドパターンを確認しやすい利点がある。
この場合、前記図2と同様に、真空室に2本のタイヤを挿入したパック材を挿入するだけでよく、簡単に複数本のタイヤを1つの真空パック材に密封することができる。
該密封包装機会30’はタイヤを挿入する真空室を備えておらず、真空ポンプ35に接続されたパイプ43の先端に設けられた挿入口43が、パック材2の開口2cに挿入される構成としている。39はパック材2の開口2cを押圧するための押圧部である。
なお、41は窒素ガスタンクであり、制御バルブ42を開けることにより、窒素ガスをパック材2内に充填することができる。
2 パック材
2a ヒートシール部
2b 突起
2c 開口
30 密封包装機
33 ヒートシーラー
35 真空ポンプ
37 開閉制御バルブ
100 ホイールリム
Claims (6)
- 気密性のシートからなる真空パック材の内部、あるいは気密性のシートからなる窒素充填パック材の内部にタイヤを密封していることを特徴とするタイヤの保存構造。
- 前記真空パック材あるいは窒素充填パック材の表面側に滑止手段を設けている請求項1に記載のタイヤの保存構造。
- 前記滑止手段は、前記真空パック材あるいは窒素充填パック材の表面に設けた滑止用突起としている請求項2に記載のタイヤの保存構造。
- 前記真空パック材あるいは窒素充填パック材を内側は気密性を有するシートとし、表側は内側より摩擦係数の大きい材料をラミネートまたはコーティングして、前記滑止手段としている請求項2記載のタイヤの保存構造。
- 前記窒素充填パック内に密封されるタイヤにはホイールリムが組み付けられている請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のタイヤの保存構造
- 前記真空パック材あるいは窒素充填パック材からなる1つのパック材の内部に1つのタイヤあるいはスペアタイヤを含む複数のタイヤを密封している請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のタイヤの保存構造。
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