JP2006168104A - 記録装置、およびその方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 マルチパス記録において、記録媒体の搬送有り、無しに関わらず、不良ノズルによる画像品位の低下を防止することが可能な記録方法を提供する。
【解決手段】 搬送有りの状態で記録を行う場合は、吐出不良ノズルで記録すべきデータを、他のパスで同じライン上にあるデータを記録する他のノズルで記録するように制御する吐出不良ノズル補完手段を用いて記録を行い、搬送無しの状態で記録を行う場合は、吐出不良ノズルで記録すべきデータを、前記吐出不良ノズルに隣接する少なくとも1つのノズルで記録するように制御する吐出不良ノズル緩和手段を用いて記録を行う。
【選択図】 図1
【解決手段】 搬送有りの状態で記録を行う場合は、吐出不良ノズルで記録すべきデータを、他のパスで同じライン上にあるデータを記録する他のノズルで記録するように制御する吐出不良ノズル補完手段を用いて記録を行い、搬送無しの状態で記録を行う場合は、吐出不良ノズルで記録すべきデータを、前記吐出不良ノズルに隣接する少なくとも1つのノズルで記録するように制御する吐出不良ノズル緩和手段を用いて記録を行う。
【選択図】 図1
Description
本発明は、複数の記録素子を有する少なくとも1つの記録ヘッドを搭載したキャリッジを走査し、マルチパス記録によって記録媒体に画像を記録する記録方法に関し、より詳細には、記録ヘッドにおける不良のインク吐出口を救済し得る技術に関するものである。
近年、オフィスのOA化が進みパーソナルコンピューターなどの情報処理装置の普及に伴い、それらデータや画像の出力装置としてインクジェット方式による記録ヘッドを用いて記録を行うインクジェットプリンタが急速に普及している。
インクジェットプリンタにおいては、記録時間の短縮や出力画像の高精細化の為に、複数の記録素子と対応するインク吐出口(ノズル)やインク流路を高密度に集積配列した記録ヘッドを使用するものが主流となっている。更に、記録画像のカラー化に対応させる為、上記記録ヘッドを使用するインク毎に複数備えたものが一般的になっている。
しかしながら、このようなプリンタで多色インクを用いたカラー画像が一般的に出力されることにより、モノクロ記録に対する評価に加えて、発色性、再現性、階調性、一様性などの要素も画像品位に関わる重要な要素として記録画像に対する評価に用いられるようになってきている。
特に、記録画像の一様性に関しては、記録ヘッドの製造工程において生じるノズル単位の製造上の僅かなばらつきが、各ノズルの記録精度に影響して記録時のインクの吐出量や吐出方向にばらつきを生じさせることが知られている。従って、この製造工程におけるばらつきが、最終的に出力画像の濃度ムラのとり画像品位を劣化させる原因となる。
このような不具合を解消するため、例えば、記録ヘッドの異なる領域で記録媒体の同じ領域を複数回走査することでその領域に対する記録を完成させる、マルチパス記録方式(マルチパス印字)が提案されている。(特許文献1参照)
この方式は、画像データに所定サイズのマスクパターンをかけて(アンド演算を施して)1回の走査で記録する画素数を間引き、走査毎にインク吐出を行うノズルを異ならせ、記録媒体の搬送単位を記録ヘッドの記録幅より短くして記録を行うものであり、これにより、記録ヘッドのノズル間の吐出性能ばらつきが記録媒体の特定の場所に集中すること、或いは、搬送精度の影響などに起因する濃度ムラやスジの発生が抑えられる。
この方式は、画像データに所定サイズのマスクパターンをかけて(アンド演算を施して)1回の走査で記録する画素数を間引き、走査毎にインク吐出を行うノズルを異ならせ、記録媒体の搬送単位を記録ヘッドの記録幅より短くして記録を行うものであり、これにより、記録ヘッドのノズル間の吐出性能ばらつきが記録媒体の特定の場所に集中すること、或いは、搬送精度の影響などに起因する濃度ムラやスジの発生が抑えられる。
一方で、上記マルチパス記録方式においては、記録ヘッドを複数回走査させる為に記録に多くの時間を要する、という欠点がある。そこで画像品位よりも記録速度(スループット)を優先させたい場合は、マルチパス記録方式ではなく、記録ヘッドの1回の走査で記録を完成させる1パス記録方式によって画像を記録する場合もある。
ところで、このような記録ヘッドにおいては、製造途中で目詰まりや設定通りの形にインクを吐出できないなどの不良が生じる場合がある。形成される吐出口(ノズル)の数が増すと、これら吐出不良ノズルが生じる確立が高くなる。吐出不良ノズルを持つ記録ヘッドで記録を行うと、前記吐出不良ノズルが記録すべきデータが記録されないために、そのラインが白スジとなり、画像品位が大幅に低下する。特に前記1パス記録方式においては、画像品位の低下が特に顕著に表れる。
前記課題に鑑みなされたものとして、記録動作の途中で吐出不良ノズルが検出された場合においても、吐出不良が発生したノズルで記録すべきデータを、他のパスで同じライン上にあるデータを記録する他のノズルに割り当てる吐出不良ノズル補完処理方法が提案されている。(特許文献2参照)
或いは、吐出不良ノズルが検出された場合、吐出不良ノズルに隣接する少なくとも1つの同色のノズルからインクを吐出させる吐出不良ノズル緩和処理方法を搭載したインクジェットプリンタが提案されている。(特許文献3参照)
前記吐出不良ノズル補完処理方法は他のパスにおける他のノズルにデータを振り分けるので、前記マルチパス記録方式でのみ実施が可能となる。それに対して、前記吐出不良ノズル緩和処理方法は吐出不良ノズルの画像データを隣接したノズルに振り分けるために、特に前記マルチパス記録方式である必要はなく、前記1パス記録方式においても実施が可能である。但し、あくまで吐出不良ノズル緩和処理は吐出不良ノズルが記録すべき画像データを、隣接するノズルで記録する為、データを完全に補完することは出来ず、画像品位は吐出不良ノズル補完処理と比較すると若干低下する。通常、マルチパス記録時に吐出不良ノズルが検知された場合は、吐出不良ノズル補完処理を実施する。一方で、1パス記録時において吐出不良ノズルが検知された場合は、吐出不良ノズル補完処理が適用出来ないので、吐出不良ノズル緩和処理が実施される。
或いは、吐出不良ノズルが検出された場合、吐出不良ノズルに隣接する少なくとも1つの同色のノズルからインクを吐出させる吐出不良ノズル緩和処理方法を搭載したインクジェットプリンタが提案されている。(特許文献3参照)
前記吐出不良ノズル補完処理方法は他のパスにおける他のノズルにデータを振り分けるので、前記マルチパス記録方式でのみ実施が可能となる。それに対して、前記吐出不良ノズル緩和処理方法は吐出不良ノズルの画像データを隣接したノズルに振り分けるために、特に前記マルチパス記録方式である必要はなく、前記1パス記録方式においても実施が可能である。但し、あくまで吐出不良ノズル緩和処理は吐出不良ノズルが記録すべき画像データを、隣接するノズルで記録する為、データを完全に補完することは出来ず、画像品位は吐出不良ノズル補完処理と比較すると若干低下する。通常、マルチパス記録時に吐出不良ノズルが検知された場合は、吐出不良ノズル補完処理を実施する。一方で、1パス記録時において吐出不良ノズルが検知された場合は、吐出不良ノズル補完処理が適用出来ないので、吐出不良ノズル緩和処理が実施される。
しかしながら、前記マルチパス記録方式においても、吐出不良ノズルの不吐補完処理が実施できない場合が存在する。それは記録媒体を搬送せずにマルチパス記録を行う時であり、このとき、画像データは複数回のパスに分割されて記録されるが、記録媒体は搬送されないので、画像領域の各ラインはどのパスにおいても常に同一ノズルで記録されることになる。つまり、吐出不良ノズルが記録すべきデータを他のパスで他のノズルに振り分けることができないので、前記吐出不良ノズル補完処理を実施することは出来ない。
前記記録媒体を搬送せずにマルチパス記録を行う例として、記録媒体の後端分の記録を行うときの記録方法が提案されている。(特許文献4参照)
特開昭60−107975号公報
特開2004−9535号公報
特開2003−63043号公報
特開2003−305630号公報
通常、記録媒体の搬送部は、画像の記録が実行される記録部近傍の上流側と下流側とに配設された2組の搬送ローラ対と、これらローラ対を駆動する為の1つ以上の駆動源と、この駆動源から駆動力を各ローラ対に伝達する駆動伝達手段等で構成されている。この種の駆動源としては、プーリとゴムベルト等が一般的に使用されている。
良好な画像を得るためには、記録媒体を正確に所定量Xづつ搬送する必要があるが、記録媒体の搬送量が前記所定量Xより僅かでも不足すると、隣接画像の重なる黒スジが発生し、逆に、その搬送量が所定Xより僅かでも大きくなると、隣接画像間の隙間ができる白スジが発生する。
この搬送量誤差の要因は、記録媒体の搬送ローラやプーリの加工精度、駆動源の停止精度、ベルトやプーリの歯の加工精度等が一般的な要因だが、その他に、記録媒体が上流側の搬送ローラ対から離脱して下流側の搬送ローラ対でのみ搬送が行われるいわゆる記録媒体の後端記録における駆動力の不均一な伝達によっても発生する。
また、前記記録媒体の後端記録においてさらに搬送された場合、前記記録媒体を上方から抑えるように上流側の搬送ローラ対付近に設置された紙押さえ板から前記記録媒体の後端部が離脱するので記録媒体後端部は浮き上がってしまい、インクの記録媒体への着弾精度は著しく低下し、画質も当然劣化する。
この対策として、通常は記録媒体を搬送しながらマルチパス記録を行うが、記録媒体が前記紙押さえ板から外れる手前まで搬送されたとき、それ以降のマルチパス記録は記録媒体の搬送はしないで実施する記録方法が提案されている。
吐出不良ノズルが存在する記録ヘッドにて前記記録方法で記録する場合、記録媒体の搬送をしながらマルチパス記録を行う画像領域においては、前記吐出不良ノズル補完処理を実施することができるが、記録媒体を搬送せずにマルチパス記録を行う画像領域においては前記吐出不良ノズル補完処理を実施することができないので、この画像領域では吐出不良ノズルの影響で画像品位が低下してしまう。
本発明は上述の問題点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、マルチパス記録において、記録媒体の搬送有り、無しに関わらず、不良ノズルによる画像品位の低下を防止することが可能な記録方法を提供することである。
そのために本発明では、複数の記録素子を有する少なくとも1つの記録ヘッドを搭載したキャリッジを走査し、マルチパス記録によって記録媒体に画像を記録することができる記録方式であって、記録媒体の搬送を行う搬送手段と、前記複数の記録素子のうち動作不良となった記録素子を検出する検出手段と、動作不良が検出された記録素子で記録すべきデータを、他のパスで同じライン上にあるデータを記録する他の記録素子で記録するように制御する不良記録素子補完手段と、動作不良が検出された記録素子で記録すべきデータを、前記不良が検出された記録素子に隣接する少なくとも1つの記録素子で記録するように制御する不良記録素子緩和手段とを有し、前記不良記録素子補完手段と前記不良記録素子緩和手段をある所定のタイミングで切り替えることを特徴とする。
以上の構成によれば、マルチパス記録において記録媒体の搬送の有無によって吐出不良ノズル補完処理と吐出不良ノズル緩和処理を切り替えることによって、全ての画像領域において不良ノズルによる画質劣化を防止することができる。
以下に本発明の実施の形態を、実施例に基づいて詳細に説明する。
本実施は、インクジェット方式の記録装置における適応例である。
図1は本実施例のインクジェットプリンタの構成を示す斜視図である。
図中1は記録部上流に配された駆動ローラ、2は駆動ローラ1に対向して付勢される従動ローラである。
同様に、記録部下流には排紙ローラ3と、この排紙ローラ3に対向して付勢される従動ローラ4とが配設されている。排紙ローラ3の直径D2は駆動ローラの直径D1より2%ほど大きく設定されている。また、下流側の従動ローラ4の付勢圧力は、上流側の従動ローラ2の付勢圧力よりも大きく設定されている。そのため被記録材(記録媒体)9が2組のローラ対に挟持されている状態での被記録材9の搬送量は、排紙ローラ3に依存する。
駆動ローラ1と排紙ローラ3とは、駆動プーリ7とベルトを介して同一のパルスモータ6によって、同じ回転量で駆動される。その結果、排紙ローラ3は、駆動ローラ1に比べて直径が大きい分、スリップしながら被記録材9を搬送し、記録部における被記録材9の浮きやたるみの発生を防止している。
次に図中10は、記録部にて被記録材9を支持するプラテンであり、11は、記録ヘッド5を搭載するキャリッジである。記録ヘッド5はフルカラー画像形成を行うので、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの4色のインクを吐出する各記録ヘッド5a、5b、5c、5dからなる。各記録ヘッドには1200dpiの間隔で並んだ1280のノズルが配設されており、ここからインクが吐出される。
記録ヘッド5を搭載するキャリッジ11は、案内レール12a、12bに沿って矢印Bの方向に移動可能で、1走査毎にインクを吐出して記録を行う。その1走査分の記録を終了する毎にある所定の幅だけ被記録材9を矢印Aの方向に搬送する。このような動作を繰り返すことによって被記録材9上に画像を記録していく。キャリッジ11の駆動は、パルスモータ(不図示)と駆動ベルト(不図示)を介して行う。
図2は搬送部を上方から見た模式図である。被記録材9は搬送の上流側と下流側のローラ対によって挟持されながら搬送される。上流側には紙押さえ板20が被記録材9を上方から抑えるように設置されており、被記録材9の浮きを防止する。
図3は被記録材9の搬送過程を示す模式図である。搬送状態(ア)は被記録材9が上流側の搬送ローラ対1、2と下流側の排紙ローラ対3、4に挟持されつつ搬送されている状態である。排紙ローラ3の直径D2を駆動ローラ1の直径D1より2%ほど大きく設定することによって、被記録材9をスリップしながら搬送し、記録部における被記録材9の浮きやたるみの発生を防止している。
搬送状態(イ)は、被記録材9が上流側の搬送ローラ対1、2から逸脱した状態である。被記録材9の搬送は排紙ローラ3でのみ行われる為、駆動力のバランスが崩れ、被記録材9の搬送量は(ア)の搬送状態における搬送量よりも大きくなる。この搬送量のズレ対策として、搬送状態(イ)の領域では搬送量に補正値を加えて搬送する。本実施例においては搬送状態(ア)よりも搬送量が大きくなるので、補正値は負の値となる。
搬送状態(ウ)はさらに被記録材9が搬送された状態であり、被記録材9は紙押さえ板20から逸脱して記録媒体9の後端部がフリーな状態となりプラテン10から浮き上がってしまう。被記録材9が浮き上がると、被記録材9と記録ヘッド間距離が変化する為に、インクの被記録材9への着弾精度は著しく低下し、画像品位も当然低下する。
次に上記搬送状態(ア)〜(ウ)における、被記録材9の搬送制御方法、及び、記録方法を図4、5、6を用いて説明する。
まず図4の(1)〜(3)は搬送方法、或いは、記録方法を切替るポイントを表す。
図5はこの切り替え工程を示すフローである。まず被記録材9の後端が図4の(1)に達したかどうか判断する(STEP1)。後端が(1)に達していない場合、特に搬送方法、記録方法は変更しないで通常のマルチパス記録を行う。後端が(1)に達した場合、記録方法をノズル絞り印字に切り替えて、被記録材9の搬送量を減少させつつ、記録に使用するノズルを全ノズル数1280ノズルから上流側を残す形で徐々に減少させる(STEP2)(詳細は後述)。
次に被記録材9の後端が図4の(2)に達した場合(STEP3)、次のパスで被記録材9の後端が上流側の搬送ローラ対から完全に逸脱するまで一気に搬送し、同時に記録に使用するノズルを被記録材9の搬送と同期するように一気にシフトする(STEP4)。さらにそれ以降、被記録材9の搬送量に補正値αを加える(STEP5)。なお、本実施例において前記補正値は負の値(−6mm程度)となる。STEP5にて被記録材9の搬送量に補正値を加えることによって、被記録材9が下流側排紙ローラの駆動でのみで搬送されることによる搬送量のズレを補正することができる。また、本実施例においては、被記録材9の後端がどのタイミングで上流側の搬送ローラから逸脱するか正確に検知することが出来ない為、前記搬送量の補正を正確に実施すること困難である。そこでSTEP4にて被記録材9の後端が上流側の搬送ローラ対から完全に逸脱するまで一気に搬送することによって、この弊害を防止する。また、STEP4にてノズルシフトを行うとき、全ノズルを使用して記録を行っているとノズルシフトを実施しることは出来ない。その為に予めSTEP2にてノズル絞り印字を行い、記録に使用するノズル数を減少させる。
次に被記録材9の後端がポイント(3)を通過した場合(STEP6)、これよりさらに被記録材9を搬送すると後端が紙押さえ板20から逸脱してしまうために、被記録材9の搬送を停止し(STEP7)、記録で使用するノズルをシフトしながらマルチパス記録を実施する(STEP8)。
このときの記録方法を図6を用いて説明する。
本実施例においては、全ノズル数1280ノズルの内、1回の記録(パス)で320ノズル分づつ被記録材9を搬送し、4回のパスで画像の記録を完成させる4パス記録を例に説明する。
図中の列0〜18はそれぞれのパスのノズル使用状況を表しており、被記録材から見た記録ヘッドの様子(位置)を表したものである。
ます図中の0〜4までは被記録材9の後端が図4のポイント(1)を通過するまでの通常の記録方法である。被記録材の搬送量(Feed)は320ノズル分(1280ノズル/4パス)であり、各画像領域は、図中d、c、b、aの順で4回のパスに分けて記録を行うことで画像を完成させる(ハイフォン以降の数字が同じもの同志で完成する)。
次に図中5〜7は図4の(1)と(2)の間におけるノズル絞り記録領域で、(2)を通過するときのノズルシフトに備えて記録に使用するノズル数を徐々に減少させる。また、被記録材の搬送量はノズル絞り印字を実施するために320ノズル分の送りから80ノズル分の送りに減少させる。
次に図中の8〜12は図4の(2)から(3)におけるノズルシフトと搬送量補正の記録領域である。図中の停止禁止領域とは図4のポイント(2)から駆動ローラを完全に逸脱するまでの領域であり、本実施例では6mmに設定してある。まず図中の8において十分な跨ぎ距離の搬送を行い、前記停止禁止領域を一気に搬送する。また、この搬送に伴って、記録に使用するノズルをシフトする。9〜12においては、被記録材は排紙ローラでのみ搬送されているので搬送量に補正値を加えて、80ノズル分+αで搬送する。
最後に図中13以降は図4のポイント(3)を通過したときの搬送停止とノズルシフトを行う記録領域である。被記録材の搬送は停止するので、それに伴って記録に使用するノズルをシフトしながら記録を行う。
以上が本実施例における、被記録材の後端領域における搬送制御方法、及び、記録方法であり、被記録材9の後端がポイント(3)を通過した時点で被記録材9の搬送を停止した状態でマルチパス記録を実施される。
次に図7にて、本実施例における吐出不良ノズルの補完処理方法を説明する。本実施例では画像をパス展開するマスクとして、ランダムなパターンを持つランダムマスクを使用する。補完方法としては、吐出不良ノズルのマスクを、他のパスで同一ラインとなる他のノズルのランダムマスクに振り分けることによって補完を行う。ランダムマスク吐出不良ノズルの情報は記録ヘッドに設置されたEEPROM等のメモリーに書き込まれている。吐出不良ノズル補完処理を実施する場合、まず前記EEPROM内の吐出不良ノズル情報を取得する(STEP1)。吐出不良ノズル情報とは、吐出不良ノズルのインク色、ノズルの位置(場所)、吐出不良の程度、などである。次に前記吐出不良ノズル情報に基づいて、通常のランダムマスクを加工して吐出不良ノズル補完用のランダムマスクを生成する(STEP2)。前記吐出不良ノズル補完用のランダムマスクを使用してマルチパス記録を実施する(STEP3)。STEP2にて作成した吐出不良ノズル補完用のランダムマスクは、吐出不良ノズル情報に変更がない限り、同じマスクを使用することができる。
図8は吐出不良ノズル補完用ランダムマスクを作成する簡単な手順を表したものである。ランダムマスクは色毎に設定されており、色毎のランダムマスクに色毎の吐出不良ノズル情報を加味して、色毎の吐出不良ノズル補完用ランダムマスクを作成する。
図9は吐出不良ノズル補完用ランダムマスクを作成する具体的な例を示したものである。図中のランダムマスクの点線が吐出不良ノズルにおけるラスタ(行)である。一方で太い実線は他のパスで吐出不良ノズルと同じラインとなる他のノズルにおけるラスタを示している。点線ラスタのマスクデータの振り分け先は予め規則的な法則で決められており、左端の画素から順に2パス目に同一ラインになるノズル、その次の3パス目で同一ラインになるノズル、その次の4パス目で同一ノズルとなるノズル、へとデータの有り無しに関わらず分配する(その次は2パス目に同一ラインとなるノズルに戻る)。最後に点線ラスタをオフビット(消去)する。以上により、吐出不良ノズルのランダムマスクのラスタが他ノズルのランダムマスクのラスタに振り分けられ、その結果、吐出不良ノズルの画像データは他のパスで同じラインとなる他のノズルによって記録され画像は補完される。
次に本実施例における吐出不良ノズル緩和処理を図10から12を用いて説明する。図10は隣接吐出不良ノズル緩和処理の工程を表すフローである。吐出不良ノズルの情報は記録ヘッドに装着されたEEPROM等のメモリーに書き込まれている。吐出不良ノズル緩和処置を実施する場合、まず前記EEPROM内の吐出不良ノズル情報を取得する(STEP1)。次にこの吐出不良ノズル情報に基づいて補完データを作成する(STEP2)。前記補完データを用いて印字する(STEP3)。
図11は隣接吐出不良ノズル緩和用の補完データを作成する簡単な手順を表したものである。ヘッドの吐出不良ノズル情報は色毎に設定されており、この情報に基づいて吐出不良ノズルの画像データを隣接補完対象ノズルに規則的に振り分ける。最後に吐出不良ノズルの画像データをマスク処理によって消去する。隣接吐出不良ノズル緩和処理は吐出不良ノズル補完処理と異なり、画像データに対して前記処理を実施する。
図12は隣接吐出不良ノズル緩和用の画像データを作成する具体的な例を示したものである。ノズルはEVEN列、ODD列に分かれて配列されている。本実施例における記録ヘッドはEVEN列とODD列を足して1280ノズルであるが、ここでは簡易的にノズル数を減らして表現している(12ノズル)。図中の斜線のノズルが吐出不良ノズルであり、分配前の画像データは図中のような配置であるとする。画像データの振り分け先は予め規則的な方法で決められており、画素毎に隣接する上下のノズルに交互に振り分けていく。但し、最上端、最下端のノズルにおいては、隣接するノズルは片方向のノズルだけなので(最上端ノズルの隣接ノズルは下のノズルのみで、最下端ノズルの隣接ノズルは上のノズルのみ)その場合は、常にそのノズルに振り分ける。なお、振り分け先にデータがある場合は、振り分ける画像データは消去する。
図13は本実施例における吐出不良ノズル補完処理と吐出不良ノズル緩和処理を切り替えるフローである。まず通常の印字においては吐出不良ノズルが存在する場合、吐出不良ノズル補完処理を行いながら記録する。被記録材の後端が図4のポイント(3)であるか判断し、(3)である場合は、吐出不良ノズル補完処理から吐出不良ノズル緩和処理に切り替えて記録する。被記録材の後端が図4の(3)でない場合は、継続して吐出不良ノズル補完処理を実行しながら記録する。後端位置の判断はパス毎に行う。
また、後端位置の判断に図14のように被記録材を搬送するのか、しないのか、によって判断するフローとしても良い。
或いは、印字モードと用紙サイズによって排紙ローラや駆動ローラの回転量をモニターしながら予め上記切り替えタイミングを決定しても良い。
本発明のもう一つの実施例を図15、16を用いて説明する。図16は被記録材の先端部を印字するときの、記録方法を示した模式図である。実施例1における被記録材の後端部の記録と同様に、先端部の記録のときも被記録材を搬送せずにマルチパス記録を実施する記録領域が存在する。図中の0〜3がその領域を示しており、被記録材は搬送しないで、記録を行い、パス毎に徐々に使用ノズル数を増やしていく。先端部における最初の80ノズル分の画像が完成すると、被記録材を80ノズルづつ搬送しながら記録を行う(図中の4〜6)。次に全ノズルの1280ノズルを使用する状態になったとき、通常の記録方式となり、被記録材の搬送量は4パス用の320ノズル分となる。
図17は本実施例における吐出不良ノズル緩和処理と吐出不良ノズル補完処理を切り替えるフローである。まず被記録材の先端部においては吐出不良ノズル緩和処理を行いながら記録を実施している。被記録材の搬送が開始するとき、吐出不良ノズル緩和処理を吐出不良ノズル補完処理に切り替えて記録を行う。
或いは、印字モードと用紙サイズによって排紙ローラや駆動ローラの回転量をモニターして予め上記切り替えタイミングを決定しておいても良い。
被記録材の先端部、後端部に関わらず本発明を適用するとき図15のフローを用いる。まず、画像データがある場合、被記録材の搬送があるか判断し、搬送がある場合は、ランダムマスク吐出不良ノズル補完処理を行いながら記録する。搬送がない場合は、隣接吐出不良ノズル緩和処理を行いながら記録する。以上の動作をパス毎に繰り返し実施することによって、被記録材の先端部、後端部に関わらず被記録材の搬送のあり、なしによって吐出不良ノズル補完処理と吐出不良ノズル緩和処理を切り替えることができる。このフローの場合、切り替えを同一画像内で複数回実行することも可能である。
或いは、印字モードと用紙サイズによって排紙ローラや駆動ローラの回転量をモニターして予め上記切り替えタイミングを決定しておいても良い。
1 駆動ローラ
2 従動ローラ
3 排紙ローラ
4 従動ローラ
5 記録ヘッド
6 パルスモーら
9 被記録材
10 プラテン
11 キャリッジ
12 案内レール
20 紙押さえ板
2 従動ローラ
3 排紙ローラ
4 従動ローラ
5 記録ヘッド
6 パルスモーら
9 被記録材
10 プラテン
11 キャリッジ
12 案内レール
20 紙押さえ板
Claims (6)
- 複数の記録素子を有する少なくとも1つの記録ヘッドを搭載したキャリッジを走査し、マルチパス記録によって記録媒体に画像を記録することができる記録装置であって、
記録媒体の搬送を行う搬送手段と、
前記複数の記録素子のうち動作不良となった記録素子を検出する検出手段と、
動作不良が検出された記録素子で記録すべきデータを、他のパスで同じライン上にあるデータを記録する他の記録素子で記録するように制御する不良記録素子補完手段と、
動作不良が検出された記録素子で記録すべきデータを、前記不良が検出された記録素子に隣接する少なくとも1つの記録素子で記録するように制御する不良記録素子緩和手段とを有し、
前記不良記録素子補完手段と前記不良記録素子緩和手段をある所定のタイミングで切り替えることを特徴とする記録装置。 - 前記所定のタイミングとは、前記搬送手段による記録媒体の搬送動作と共に前記キャリッジを走査させて記録を行う記録方式から、前記搬送手段による記録媒体の搬送動作を停止した状態で前記キャリッジを走査させて記録を行う記録方式に変化したときであることを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
- 前記所定のタイミングとは、前記搬送手段による記録媒体の搬送動作を停止した状態で前記キャリッジを走査させて記録を行う記録方式から、前記搬送手段による記録媒体の搬送動作と共に前記キャリッジを走査させて記録を行う記録方式に変化したときであることを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
- 前記搬送手段による記録媒体の搬送動作と共に前記キャリッジを走査させて記録を行う記録方式から、前記搬送手段による記録媒体の搬送動作を停止した状態で前記キャリッジを走査させて記録を行う記録方式に変化するときとは、前記記録媒体の後端部における記録であることを特徴とする請求項2に記載の記録装置。
- 前記搬送手段による記録媒体の搬送動作を停止した状態で前記キャリッジを走査させて記録を行う記録方式から、前記搬送手段による記録媒体の搬送動作と共に前記キャリッジを走査させて記録を行う記録方式に変化するときとは、前記記録媒体の先端部における記録であることを特徴とする請求項3に記載の記録装置。
- 記録媒体の搬送を行う搬送手段を有し、複数の記録素子を有する少なくとも1つの記録ヘッドを搭載したキャリッジを走査し、マルチパス記録によって記録媒体に画像を記録することができる記録装置における記録方法であって、
前記複数の記録素子のうち動作不良となった記録素子を検出する検出工程と、
動作不良が検出された記録素子で記録すべきデータを、他のパスで同じライン上にあるデータを記録する他の記録素子で記録するように制御する不良記録素子補完工程と、
動作不良が検出された記録素子で記録すべきデータを、前記不良が検出された記録素子に隣接する少なくとも1つの記録素子で記録するように制御する不良記録素子緩和工程とを備え、
前記不良記録素子補完工程と前記不良記録素子緩和工程を所定のタイミングで切り替えることを特徴とする記録方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004362395A JP2006168104A (ja) | 2004-12-15 | 2004-12-15 | 記録装置、およびその方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2011156716A (ja) * | 2010-01-29 | 2011-08-18 | Canon Inc | インクジェット記録装置およびインクジェット記録方法 |
JP2013082146A (ja) * | 2011-10-11 | 2013-05-09 | Canon Inc | 記録装置及びその処理方法 |
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JP2016144902A (ja) * | 2015-02-09 | 2016-08-12 | セイコーエプソン株式会社 | 印刷制御装置、及び、印刷制御方法 |
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-
2004
- 2004-12-15 JP JP2004362395A patent/JP2006168104A/ja not_active Withdrawn
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