JP2006167848A - スパイラル貫通孔付き深穴用ドリル - Google Patents
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Abstract
【課題】ノンステップで加工できるオイルホール付深穴加工用ドリルで、ドリル刃先強度と切屑の排出性を兼備した際に生じる、ドリルの再研磨回数を多く繰り返して使用できないない等の課題を解決することを課題とする。
【解決手段】穴加工深さがドリル直径の15〜30倍程度のスパイラル貫通孔付き深穴用ドリルにおいて、該ドリルは、刃溝のねじれ角及び切削油剤又は切削ミスト又はエアー等を供給する流体供給用のスパイラル貫通孔のねじれ角ともに可変としたことを特徴とするスパイラル貫通孔付き深穴用ドリルであり、更に、該ドリルの刃溝のねじれ角、該スパイラル貫通孔のねじれ角とも刃先側からシャンク部後端に向けて段階的に増加している。
【選択図】なし
【解決手段】穴加工深さがドリル直径の15〜30倍程度のスパイラル貫通孔付き深穴用ドリルにおいて、該ドリルは、刃溝のねじれ角及び切削油剤又は切削ミスト又はエアー等を供給する流体供給用のスパイラル貫通孔のねじれ角ともに可変としたことを特徴とするスパイラル貫通孔付き深穴用ドリルであり、更に、該ドリルの刃溝のねじれ角、該スパイラル貫通孔のねじれ角とも刃先側からシャンク部後端に向けて段階的に増加している。
【選択図】なし
Description
本願発明は、穴加工深さがドリル直径の15〜50倍程度のスパイラル貫通孔付き深穴用ドリルに関し、詳細にはスパイラル貫通孔のねじれ角を可変にすることでドリル刃先強度を確保しつつ、切屑の排出作用を円滑にする事により、ノンステップで加工でき、再研磨を繰り返して有効に使用できるるスパイラル貫通孔付き深穴用ドリルに関する。
ツイストドリルは、ドリル径の5倍程度の加工深さで切屑の排出が不能となり、溝中に詰まる事で切削トルクの増大を招き、しいてはドリルの折損にいたる。特許文献1は、ドリル径の5倍以上の深さを加工する場合には、溝形状を通常のコーンケーブからパラボリックにした深穴用ドリルが用いられ切屑の排出方向をリード方向に制御し、リボン状切屑形状にすることで穴内壁とドリル溝との空間から切屑を排出しやすくし、ドリル径の10倍程度までノンステップで加工できる深穴用ドリルが使用されている。
特許文献2は、ドリル中心部にドリルシャンク側より刃先部に向かってストレートなクーラントホールをもうけ、刃先部近傍でストレートなクーラントホールよりY字状に分岐して両切れ刃に開口させ、刃先の潤滑を行なうとともに、刃先部の溝のねじれよりシャンク側の溝のねじれを小さくしてドリル剛性を大きくし、切屑排出長さを短くさせたドリルが使用されているが、捩れ角を小さくするとドリル溝のスクリュー効果による切り屑排出作用が低下し切屑の排出不良を誘発するうえ、クーラントホールの両切れ刃への開口部が切れ刃近傍のみであり、刃先の再研磨回数が少なく有効に使用できない。
特許文献2は、ドリル中心部にドリルシャンク側より刃先部に向かってストレートなクーラントホールをもうけ、刃先部近傍でストレートなクーラントホールよりY字状に分岐して両切れ刃に開口させ、刃先の潤滑を行なうとともに、刃先部の溝のねじれよりシャンク側の溝のねじれを小さくしてドリル剛性を大きくし、切屑排出長さを短くさせたドリルが使用されているが、捩れ角を小さくするとドリル溝のスクリュー効果による切り屑排出作用が低下し切屑の排出不良を誘発するうえ、クーラントホールの両切れ刃への開口部が切れ刃近傍のみであり、刃先の再研磨回数が少なく有効に使用できない。
本願発明は、ノンステップで加工できるオイルホール付深穴加工用ドリルで、ドリル刃先強度と切屑の排出性を兼備した際に生じる、ドリルの再研磨回数を多く繰り返して使用できないない等の課題を解決することを課題とする。
本願発明は、穴加工深さがドリル直径の15〜30倍程度のスパイラル貫通孔付き深穴用ドリルにおいて、該ドリルは、刃溝のねじれ角及び切削油剤又は切削ミスト又はエアー等を供給する流体供給用のスパイラル貫通孔のねじれ角ともに可変としたことを特徴とするスパイラル貫通孔付き深穴用ドリルであり、次に、該ドリルの刃溝のねじれ角、該スパイラル貫通孔のねじれ角とも刃先側からシャンク部後端に向けて段階的に増加している。更に、ドリル軸直角断面視で、ランド部と切屑排出溝のつながるヒール部に一対のマージンを有し、刃先側からシャンク側に向けて厚みが略一定の第一心厚部、第二心厚部とを備え、該第一心厚部の心厚を該第二心厚部の心厚より大とし、ドリル直径の2%以上厚く、溝部の面粗さをRy0.3以上Ry1.5以下としたことを特徴とするスパイラル貫通孔付き深穴用ドリルである。
本願発明によって、ノンステップで加工できるオイルホール付深穴加工用ドリルでありながら、ドリル刃先強度と切屑の排出性を兼備しつつ、ドリルの再研磨を多く繰り返して有効に使用できるスパイラル貫通孔付き深穴用ドリルを提供する。
本願発明は、深穴加工の要点の一つとして、切り屑の排出性の良否があり、ドリルの捩れ角を大きくすると、捩れ溝のスクリュー効率が向上し切り屑の排出性に優れるが、ドリル刃先の刃物角が小さくなって切削中の振動等によってチッピングが発生しやすくなり、切り屑排出性を考慮した大きな捩れ角をつけることは困難であることに鑑み、ドリルの欠点であるドリル刃先強度と切屑排出性を改良するため、第1に、刃溝のねじれ角を30°〜35°とし、ドリル刃先の刃物角を大きくすることで切削中に刃先に生じる振動に対してチッピングしないようドリル刃先強度を向上させるとともに、そのねじれ角を、シャンク部側に向けて可変、より詳しくは、段階的に増加させることで切屑の排出作用を徐々に上げることが出来る。同時に、切削油剤又は切削ミスト又はエアー等を供給する流体供給用のスパイラル貫通孔も、シャンク部後端に向けて段階的に増加させることで、シャンク部後端より高圧で供給された流体が切れ刃先端側の開口部に向かう際に管路内抵抗により減圧することを流路を短縮することで、緩和することが出来る。
ドリルのねじれ角を先端切れ刃側からシャンク側に向かって段階的に大きくすると、先端切れ刃で生成された切屑は、ドリル溝部を伝ってシャンク側に搬送されるが、深穴加工では搬送長さが長く、先端切れ刃で切削の際に生じた切屑排出力も減少し切屑の滞留を発生させるので、ドリル溝のスクリュー効果で切屑を搬送せねばならず、ドリル溝各段階でドリル溝の捩れ角を増加させ、切屑の搬送作用効果を向上させることで、切屑は確実にシャンク側に向かう。段階的に大きくするドリルのねじれ角の一段の増加角度は3°〜5°であり、3°以下では段数が多くなり製作に時間を要し、5°以上では角度差が大きくなりすぎて切屑がスムーズに搬送されない。更に、ねじれ角の一段の長さは、ドリル溝シャンク側終端部の角度から刃先部の角度を引いた値を一段の減少角度で除した値で溝部の長さを等分すればよく、ドリル溝シャンク側終端部の角度はドリル刃先強度が維持されチッピングの発生しない上限の、ドリルのねじれ角42°まで使用可能で、充分な刃先の再研磨回数が得られ有効にドリルを使用できる。
ドリルのねじれ角を先端切れ刃側からシャンク側に向かって段階的に大きくすると、先端切れ刃で生成された切屑は、ドリル溝部を伝ってシャンク側に搬送されるが、深穴加工では搬送長さが長く、先端切れ刃で切削の際に生じた切屑排出力も減少し切屑の滞留を発生させるので、ドリル溝のスクリュー効果で切屑を搬送せねばならず、ドリル溝各段階でドリル溝の捩れ角を増加させ、切屑の搬送作用効果を向上させることで、切屑は確実にシャンク側に向かう。段階的に大きくするドリルのねじれ角の一段の増加角度は3°〜5°であり、3°以下では段数が多くなり製作に時間を要し、5°以上では角度差が大きくなりすぎて切屑がスムーズに搬送されない。更に、ねじれ角の一段の長さは、ドリル溝シャンク側終端部の角度から刃先部の角度を引いた値を一段の減少角度で除した値で溝部の長さを等分すればよく、ドリル溝シャンク側終端部の角度はドリル刃先強度が維持されチッピングの発生しない上限の、ドリルのねじれ角42°まで使用可能で、充分な刃先の再研磨回数が得られ有効にドリルを使用できる。
第2に、深穴加工を安定して能率よくノンステップで加工するには、刃先部で生成された切屑をスムーズに排出することが必要で、切屑のドリル溝部と加工穴内壁との接触による切屑詰りを防止するため、ドリルの心厚を刃先側からシャンク側に向けて厚みが略一定の第一心厚部、第二心厚部を設け、第一心厚部の心厚を第二心厚部の心厚よりドリル直径の2%以上厚くすることで、切屑は第二心厚部で加工穴内壁に接触しないので、切屑詰りが防止され、第二心厚部の心厚がドリル直径の2%以以下では充分に加工穴内壁との間に隙間が得られないので切屑が詰る場合がある。
第3に、深穴加工の際に生じるドリルの振動をランド部とヒール部に各一対のマージンを設けることで抑制する。深穴加工を行なう溝部の長いドリルでは、切削抵抗によりドリル刃先部がふらついて、刃先に加わる切削抵抗が左右切れ刃でバラツキ、安定加工を妨げる。ドリルの、ランド部と切屑排出溝のつながるヒール部に各一対のマージンを設けることで、ドリルの刃先は加工した穴内壁に4箇所からガイドされるので刃先部のふらつきが抑止され安定した加工が出来る。
第4に、切屑排出溝部の表面を滑らかにすることで切屑は更にスムーズにドリル溝中を搬送されるが、ドリルの溝部の面粗さをRy0.3以上にするには長いドリルの溝全般にわたって加工することは困難であり、Ry1.5上では切屑が溝中に引っかかり排出を阻害する場合がある。
第3に、深穴加工の際に生じるドリルの振動をランド部とヒール部に各一対のマージンを設けることで抑制する。深穴加工を行なう溝部の長いドリルでは、切削抵抗によりドリル刃先部がふらついて、刃先に加わる切削抵抗が左右切れ刃でバラツキ、安定加工を妨げる。ドリルの、ランド部と切屑排出溝のつながるヒール部に各一対のマージンを設けることで、ドリルの刃先は加工した穴内壁に4箇所からガイドされるので刃先部のふらつきが抑止され安定した加工が出来る。
第4に、切屑排出溝部の表面を滑らかにすることで切屑は更にスムーズにドリル溝中を搬送されるが、ドリルの溝部の面粗さをRy0.3以上にするには長いドリルの溝全般にわたって加工することは困難であり、Ry1.5上では切屑が溝中に引っかかり排出を阻害する場合がある。
第5に、ドリルの表面に物理蒸着法より、周期律表の4a、5a、6a族及びAl、Si、Cu、Caから選択される少なくとも2種以上と、N、C、O、B、Sから選択される少なくとも1種以上から選択される耐摩耗層を少なくとも1層以上したスパイラル貫通孔付き深穴用ドリルが好ましい。特に、深穴加工に使用される場合、切屑排出性ならびに耐摩耗性の観点から、(TiSi)N、(TiSi)(CN)、(AlSi)N、MoS、(TiMo)(NS)、(AlCr)N、(AlCrSi)N、(TiAl)N、(TiAlSi)N、(CrSi)N、WSが上げられ、これらの単層又は複層が最適である。これら耐摩耗皮膜を被覆後に表面の凹凸を機械的に平滑にすることも好ましい。物理蒸着法としては、アーク放電式イオンプレーティング法及び/若しくはスパッタリング方式イオンプレーティング法が上げられる。
第6に、深穴加工を行なう溝部の長いドリルでも、高能率で加工するためには、超硬合金製のドリルが用いられる。特に、ドリルの靭性が要求されるばあいには、超硬合金の原料粉のWC平均粒径が0.8μm以上では、靭性が低く耐折損性に劣る。Co重量比が15%以上では硬度が低く、ドリル寿命が短くなる。
第7に、アルミならびにアルミ合金は材料の延性が大きく、特に深穴加工を行なう際には切屑が溝部に付着し切り屑の排出を阻害するので、ドリル溝各段階でドリル溝の捩れ角を増加させ、切屑の搬送作用効果を向上させることで、切屑を確実に排出しアルミならびにアルミ合金でも安定した穴加工ができる。以下、実施例に基づき本発明を詳細に説明する。
第7に、アルミならびにアルミ合金は材料の延性が大きく、特に深穴加工を行なう際には切屑が溝部に付着し切り屑の排出を阻害するので、ドリル溝各段階でドリル溝の捩れ角を増加させ、切屑の搬送作用効果を向上させることで、切屑を確実に排出しアルミならびにアルミ合金でも安定した穴加工ができる。以下、実施例に基づき本発明を詳細に説明する。
(実施例1)
本発明例1として、超硬合金製でドリル直径6.0mm、溝長260mm、全長350mm、刃先部のねじれ角を30°からシャンク側に、一段3°づつ、計4段に渡りねじれ角を大きくし、ドリル溝終端シャンク側でのねじれ角42°とし、スパイラル貫通孔の径0.7mm、スパイラル貫通孔のピッチ2.5mm、マージン2対、第一心厚2.1mm、第二心厚1.95mm、先端角135°のドリルに、耐摩耗層として、初めに(TiAl)Nを3μm被覆後、その上層に(TiSi)Nを0.5μm被覆し、被覆後、耐摩耗層の表面を機械的(エアロラップ)に平滑化処理を行い、ドリルの溝部の面粗さRy0.8としたものを製作した。本発明例2として、切れ刃側にのみマージンを1対設け、それ以外、本発明例1と同一仕様のドリルを製作した。尚、本発明例1、2は、WC平均粒径0.6μm、Coの重量比12%の超硬合金を用いた。比較のため、従来例3として、ドリル刃先部のねじれ角が30°で、ドリル溝終端シャンク側に一定のねじれ角以外は、本発明例1と同仕様のドリルを各2本用意し、同様に試験を行なった。
本発明例1、2、各2本の工具を用い、切削速度V80m/min、送りf0.12mm/rev、穴の深さ240mm、水溶性切削油を2.0MPaでシャンク部スパイラル貫通孔に供給し、S50Cをノンステップで50穴加工し、切削状態を確認した。尚、本発明例1、2は、以下の方法で製作した。スパイラル貫通孔付の超硬素材は、押し出し時ねじれを与えるダイスの回転を段階的に変化させた。ドリルの溝加工は、超硬素材の段階的に変化させたねじれに合わせてNC研削盤で加工した。ドリルの溝部の面粗さはコーティング前とコーティング後にそれぞれ機械的(エアロラップ)に平滑化処理を行った。
本発明例1として、超硬合金製でドリル直径6.0mm、溝長260mm、全長350mm、刃先部のねじれ角を30°からシャンク側に、一段3°づつ、計4段に渡りねじれ角を大きくし、ドリル溝終端シャンク側でのねじれ角42°とし、スパイラル貫通孔の径0.7mm、スパイラル貫通孔のピッチ2.5mm、マージン2対、第一心厚2.1mm、第二心厚1.95mm、先端角135°のドリルに、耐摩耗層として、初めに(TiAl)Nを3μm被覆後、その上層に(TiSi)Nを0.5μm被覆し、被覆後、耐摩耗層の表面を機械的(エアロラップ)に平滑化処理を行い、ドリルの溝部の面粗さRy0.8としたものを製作した。本発明例2として、切れ刃側にのみマージンを1対設け、それ以外、本発明例1と同一仕様のドリルを製作した。尚、本発明例1、2は、WC平均粒径0.6μm、Coの重量比12%の超硬合金を用いた。比較のため、従来例3として、ドリル刃先部のねじれ角が30°で、ドリル溝終端シャンク側に一定のねじれ角以外は、本発明例1と同仕様のドリルを各2本用意し、同様に試験を行なった。
本発明例1、2、各2本の工具を用い、切削速度V80m/min、送りf0.12mm/rev、穴の深さ240mm、水溶性切削油を2.0MPaでシャンク部スパイラル貫通孔に供給し、S50Cをノンステップで50穴加工し、切削状態を確認した。尚、本発明例1、2は、以下の方法で製作した。スパイラル貫通孔付の超硬素材は、押し出し時ねじれを与えるダイスの回転を段階的に変化させた。ドリルの溝加工は、超硬素材の段階的に変化させたねじれに合わせてNC研削盤で加工した。ドリルの溝部の面粗さはコーティング前とコーティング後にそれぞれ機械的(エアロラップ)に平滑化処理を行った。
その結果、本発明例1は、2本ともドリル刃先のチッピングもなく50穴問題なく加工したのに対し、本発明例2は、2本とも50穴加工出来たが、加工中異音が発生する場合があり、加工終了後のドリル刃先を確認したら、1本のマージン部にチッピングの発生が観られた。従来例3は、2本とも加工初期から加工中に振動が発生し、折損の危険があったので1穴目加工途中で加工を中止した。更に、本発明例1のドリルを50穴加工後再研磨・再被覆し、同様に調査を行なった。その結果、本発明例1は再研磨・再被覆をくりかえしても2本ともドリル刃先のチッピングもなく50穴問題なく加工出来、第1心厚部の長さが適用できるため、30回程度、再研磨でき、有効なドリルの使用によりランニングコストを下げることが可能である。
(実施例2)
本発明例4として、本発明例1と同仕様で、第一心厚2.1mm、第二心厚1.98mmとしたもの、本発明例5として本発明例1と同仕様で、第一心厚2.1mm、第二心厚2.04mmとしたもの、本発明例6として本発明例1と同仕様で、第一心厚、第二心厚とも2.1mmとしたもの、それぞれ各2本用意し、実施例1と同様に調査を行なった。
その結果、本発明例4は2本とも50穴問題なく加工したのに対し、本発明例5のドリルは2本とも35穴と24穴加工中に折損した。本発明例6のドリルは2本とも1穴目途中で折損した。
本発明例4として、本発明例1と同仕様で、第一心厚2.1mm、第二心厚1.98mmとしたもの、本発明例5として本発明例1と同仕様で、第一心厚2.1mm、第二心厚2.04mmとしたもの、本発明例6として本発明例1と同仕様で、第一心厚、第二心厚とも2.1mmとしたもの、それぞれ各2本用意し、実施例1と同様に調査を行なった。
その結果、本発明例4は2本とも50穴問題なく加工したのに対し、本発明例5のドリルは2本とも35穴と24穴加工中に折損した。本発明例6のドリルは2本とも1穴目途中で折損した。
(実施例3)
本発明例7として、本発明例1と同仕様で、ドリルの溝部の面粗さRy1.5としたもの、本発明例8として、本発明例1と同仕様で、ドリルの溝部の面粗さRy2.0としたものを製作し、それぞれ2本用意し、空気圧0.5MPaで植物性MQLオイルを50CC/Hでシャンク部スパイラル貫通孔に供給し、切削速度V120m/min、送りf0.18mm/rev、穴の深さ240mm、アルミ合金AC2Aをノンステップで50穴加工し、切削状態を確認した。その結果、本発明例7は、2本とも50穴問題なく加工したのに対し、本発明例8は、切屑の排出が断続的で1本は50穴加工出来たが、他の1本は18穴加工中に折損した。
本発明例7として、本発明例1と同仕様で、ドリルの溝部の面粗さRy1.5としたもの、本発明例8として、本発明例1と同仕様で、ドリルの溝部の面粗さRy2.0としたものを製作し、それぞれ2本用意し、空気圧0.5MPaで植物性MQLオイルを50CC/Hでシャンク部スパイラル貫通孔に供給し、切削速度V120m/min、送りf0.18mm/rev、穴の深さ240mm、アルミ合金AC2Aをノンステップで50穴加工し、切削状態を確認した。その結果、本発明例7は、2本とも50穴問題なく加工したのに対し、本発明例8は、切屑の排出が断続的で1本は50穴加工出来たが、他の1本は18穴加工中に折損した。
(実施例4)
本発明例9として、本発明例1と同仕様で、超硬合金、WC原料粉の平均粒径0.8μm、Co重量比12%、本願発明10として、本発明例1と同仕様で、超硬合金、WC原料粉の平均粒径0.8μm、Co重量比15%のもの、比較例11として、本発明例1と同仕様で、超硬合金、WC原料粉の平均粒径0.8μm、Co重量比17%のものを製作し、それぞれ2本用意し、実施例1と同様に調査を行なった。
その結果、本発明例9は、2本とも50穴問題なく加工し、本発明例10は、2本とも46穴と39穴加工中に折損した。比較例11は、2本とも50穴加工出来たが、加工終了後のドリル刃先を確認したら、2本とも著しい磨耗の進行が観られた。
本発明例9として、本発明例1と同仕様で、超硬合金、WC原料粉の平均粒径0.8μm、Co重量比12%、本願発明10として、本発明例1と同仕様で、超硬合金、WC原料粉の平均粒径0.8μm、Co重量比15%のもの、比較例11として、本発明例1と同仕様で、超硬合金、WC原料粉の平均粒径0.8μm、Co重量比17%のものを製作し、それぞれ2本用意し、実施例1と同様に調査を行なった。
その結果、本発明例9は、2本とも50穴問題なく加工し、本発明例10は、2本とも46穴と39穴加工中に折損した。比較例11は、2本とも50穴加工出来たが、加工終了後のドリル刃先を確認したら、2本とも著しい磨耗の進行が観られた。
Claims (8)
- 穴加工深さがドリル直径の15〜30倍程度のスパイラル貫通孔付き深穴用ドリルにおいて、該ドリルは、刃溝のねじれ角及び切削油剤又は切削ミスト又はエアー等を供給する流体供給用のスパイラル貫通孔のねじれ角ともに可変としたことを特徴とするスパイラル貫通孔付き深穴用ドリル。
- 請求項1記載のスパイラル貫通孔付き深穴用ドリルにおいて、該ドリルの刃溝のねじれ角、該スパイラル貫通孔のねじれ角とも刃先側からシャンク部後端に向けて段階的に増加していくことを特徴とするスパイラル貫通孔付き深穴用ドリル。
- 請求項1又は2記載のスパイラル貫通孔付き深穴用ドリルにおいて、該ドリルの心厚は、刃先側からシャンク側に向けて厚みが略一定の第一心厚部、第二心厚部とを備え、該第一心厚部の心厚を該第二心厚部の心厚より大とし、ドリル直径の2%以上厚くしたことを特徴とするスパイラル貫通孔付き深穴用ドリル。
- 請求項1乃至3いずれかに記載のスパイラル貫通孔付き深穴用ドリルにおいて、該ドリル軸直角断面視で、ランド部と切屑排出溝のつながるヒール部に一対のマージンを設けたことを特徴とするスパイラル貫通孔付き深穴用ドリル。
- 請求項1乃至4いずれかに記載のスパイラル貫通孔付き深穴用ドリルにおいて、該切屑排出溝部の面粗さをRy0.3以上Ry1.5以下としたことを特徴とするスパイラル貫通孔付き深穴用ドリル。
- 請求項1乃至5いずれかに記載のスパイラル貫通孔付き深穴用ドリルにおいて、該ドリルの表面に物理蒸着法より、周期律表の4a、5a、6a族及びAl、Si、Cu、Caから選択される少なくとも2種以上と、N、C、O、B、Sから選択される少なくとも1種以上から選択される耐摩耗層を少なくとも1層以上被覆したことを特徴とするスパイラル貫通孔付き深穴用ドリル。
- 請求項1乃至6いずれかに記載のスパイラル貫通孔付き深穴用ドリルにおいて、該ドリルは超硬合金製で、WCの平均粒径が0.8μm以下、Co重量比15%以下含むことを特徴とするスパイラル貫通孔付き深穴用ドリル。
- 請求項1乃至7いずれかに記載のスパイラル貫通孔付き深穴用ドリルにおいて、該ドリルはアルミならびにアルミ合金の穴加工に用いられることを特徴とするスパイラル貫通孔付き深穴用ドリル。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004362428A JP2006167848A (ja) | 2004-12-15 | 2004-12-15 | スパイラル貫通孔付き深穴用ドリル |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2004362428A JP2006167848A (ja) | 2004-12-15 | 2004-12-15 | スパイラル貫通孔付き深穴用ドリル |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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Country Status (1)
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JP (1) | JP2006167848A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2010140606A1 (ja) * | 2009-06-02 | 2010-12-09 | 株式会社タンガロイ | 刃先交換式ドリルおよびドリル本体 |
-
2004
- 2004-12-15 JP JP2004362428A patent/JP2006167848A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2010140606A1 (ja) * | 2009-06-02 | 2010-12-09 | 株式会社タンガロイ | 刃先交換式ドリルおよびドリル本体 |
US8393831B2 (en) | 2009-06-02 | 2013-03-12 | Tungaloy, Corporation | Indexable drill and drill body |
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