JP2006167761A - 対向液圧成形方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 対向液圧成形方法では、パンチが進入する間の加圧流体の圧力は、ブランクホルダ13のすぐ内側の部位62で、ブランク材56が実質的に平坦を保ち得る第1の圧力P1と、この第1の圧力よりも高圧の第2の圧力と呼ぶときに、先ず、加圧流体の圧力を第1の圧力に保ちつつ、第1ストロークを実施し、次に加圧流体の圧力を第2の圧力に保ちつつ、第2ストロークを実施し、次に加圧流体の圧力を実質的にゼロに保ちつつ、第3ストロークを実施する。第3ストロークを実施する前の前成形の段階で、ブランクホルダのすぐ内側に位置するブランク材の部位を加圧流体で延ばし過ぎることがなく、最終の成形段階でプレス成形品にしわが発生するのを防止することができる。
【選択図】 図3
Description
図7(a),(b)は従来のプレス成形方法の説明図である(特許文献1の図2の写しを(a)とした。)。
(a):ダイ1とブランクホルダ3とによりブランク材Wを加圧挟持した後、ブランク材Wとダイ穴2とで形成した空間Rに空気を充填する。
(b):ダイ穴2に空気を封じ込めたままの状態でパンチ4を押し込んで成形を進行させ、成形末期にダイ穴2内の高圧空気を排出し、下死点に達したパンチ4とダイ穴2とでブランク材Wを所定の成形品形状に成形する。
液体であれば非圧縮性流体であるから、圧力の変動が少なく、パンチの所定のストローク量に対して液体の所定の圧力をブランク材に作用させることができ、パンチの肩部のアール(R)を小さな値に設定しても、その肩部の形状を液圧によって転写することができる。
図1は、本発明の対向液圧成形方法に用いるプレス成形金型の断面図であり、プレス成形金型10は、ダイ11と、このダイ11に対向するパンチ12と、パンチ12側に設けたブランクホルダ13とを備える。15は流体装置、16はプレス成形金型10を取り付けたプレス機を示す。
とを有する。成形凹部22は、凹部27と、型部28とからなる。
パンチ12は、型部31を有し、型部31は、中央に中央型部32を比較的深く彫り込み、周囲に隅部33および肩部34を形成したものである。
流体装置15は、加圧流体として気体もしくは液体を用いるが、ここでは液体35に対応する構成とし、液圧ポンプ36と、初期圧力コントロール手段37、第1圧力コントロール手段41、第2圧力コントロール手段42および第3圧力コントロール手段43と、制御装置44とを備える。
第1圧力コントロール手段41は、電磁切換弁45とリリーフ弁47とからなり、リリーフ弁47は、圧力をP1に設定した。
第2圧力コントロール手段42は、電磁切換弁45とリリーフ弁48とからなり、リリーフ弁48は、圧力をP2(P2>P1)に設定した。
第3圧力コントロール手段43は、電磁切換弁45である。
液体に対応する構成を説明したが、気体として空気を用いた場合の構成もほぼ同様であり、例えば、戻りでは、当然油タンクTを省き、サイレンサを取り付けて大気開放する構成となる。
図2(a),(b)は本発明に係る加圧流体の充填要領の説明図である。
(a):まず、プレス成形金型10を開き、成形凹部22を備えるダイ11にブランク材56を載せる。ブランク材56は、例えば、鋼板であり、その板厚は0.8mmである。
引き続き、パンチ12を第1ストロークだけ進入させる。
パンチ12を第1ストロークだけ進入させる。すなわち、加圧流体としての液体35の圧力をPe(図2参照)から第1の圧力であるところの圧力P1に上げ、圧力P1に保ちつつ、ストローク量S1(第1ストローク)だけパンチ12を下降させる。その際、ストロークセンサ52の信号に基づく図1の制御装置44の信号に基づいて、初期圧力コントロール手段37の電磁切換弁45を閉じるとともに、第1圧力コントロール手段41の電磁切換弁45を開け、図3の圧力P1を維持する。なお、圧力P1の保持に圧力センサ51を併用するのが望ましい。
なお、図2(b)の圧力Peを2kgf/cm2Gに設定してもよく、初期圧力コントロール手段37(図1参照)を取り除くことも可能である。
続けて、パンチ12を進入させるとともに、第2ストロークを実施する。
パンチ12を第2ストロークだけ進入させる。すなわち、加圧流体としての液体35の圧力をP1(図3参照)から第2の圧力であるところの圧力P2に上げ、圧力P2に保ちつつ、ストローク量S2(第2ストローク)だけパンチ12を下降させる。その際、ストロークセンサ52の信号に基づく図1の制御装置44の信号に基づいて、第1圧力コントロール手段41の電磁切換弁45を閉じるとともに、第2圧力コントロール手段42の電磁切換弁45を開け、図4の圧力P2を維持する。なお、圧力P2の保持に圧力センサ51を併用するのが望ましい。
引き続き、さらに、パンチ12を進入させるとともに、第3ストロークを実施する。
パンチ12を第3ストロークだけ進入させる。すなわち、加圧流体としての液体の圧力をP2(図4参照)から第3の圧力P3に下げ、P3に保ちつつ、ストローク量S3(第3ストローク)だけパンチ12を下降させる。つまり、パンチ12を下死点まで下降させる。その際、ストロークセンサ52の信号に基づく図1の制御装置44の信号に基づいて、液圧ポンプ36側の電磁切換弁45を閉じ、第2圧力コントロール手段42の電磁切換弁45を閉じるとともに、第3圧力コントロール手段43の電磁切換弁45を開け、図5の圧力P3をゼロに維持する。
図6はパンチのストローク量と液体の圧力の関係を示したグラフであり、横軸をパンチのストローク量S(mm)とし、縦軸を液体の圧力P(kgf/cm2G)としたものである。
ブランク材をブランクホルダ13(図2(b)参照)で押え、加圧流体(液体35)を圧力Pe(例えば、1kgf/cm2G)で供給し、ブランク材にパンチを接触させてストローク量の基準とするとともに、ストローク量を0(ゼロ)に設定する。引き続き、パンチをストローク量S1(例えば、150mm)だけ下降させる間の液体35の圧力をP1(例えば、2kgf/cm2G)に維持し、次に、パンチをストローク量S2(例えば、240mm)だけ下降させる間の液体35の圧力をP2(例えば、80kgf/cm2G)に維持し、次に、液体35の圧力をP3(例えば、0kgf/cm2G)に下げて、パンチをストローク量S3(例えば、250mm)まで、つまり、下死点まで下降させる。
ブランクホルダ13の構造は、任意であり、ブランクホルダ13の下面63,63に絞りビードを設けてもよい。
Claims (2)
- 成形凹部を備えるダイにブランク材を載せ、このブランク材の周辺部をブランクホルダで押え、前記成形凹部とブランク材とで形成する閉空間に加圧流体を封入した状態で、前記成形凹部へパンチを進入させることで塑性加工を行う対向液圧成形方法において、
前記パンチがブランク材に到達してから下死点に至るまでのパンチストロークを、3分割して、これらを第1ストローク、第2ストローク、第3ストロークと呼び、
パンチが進入する間の前記加圧流体の圧力は、ブランクホルダのすぐ内側の部位で、ブランク材が実質的に平坦を保ち得る第1の圧力と、この第1の圧力よりも高圧の第2の圧力と呼ぶときに、
先ず、加圧流体の圧力を前記第1の圧力に保ちつつ、前記第1ストロークを実施し、次に加圧流体の圧力を前記第2の圧力に保ちつつ、前記第2ストロークを実施し、次に加圧流体の圧力を実質的にゼロに保ちつつ、前記第3ストロークを実施することを特徴とする対向液圧成形方法。 - 前記加圧流体は、液体であることを特徴とする請求項1記載の対向液圧成形方法。
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