JP2006167690A - 汚泥濃縮装置および汚泥濃縮装置を備えた汚泥脱水機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】汚泥を脱水濃縮するための装置であって、汚泥が投入される処理槽11と、処理槽11の底部に設けられ、上面に載せられた汚泥を脱水濃縮する脱水部12と、脱水部12の上面に載せられた汚泥を、外部に排出する排出手段とを備えており、処理槽11内において、処理槽11内に汚泥を投入する投入口10aと脱水部12との間に、投入口10aから投入された汚泥を一時的に保持し、保持した汚泥を脱水部12に供給する汚泥受入部が設けられている。汚泥受入部に一旦保持されてから汚泥が脱水部12に供給されるから、投入された汚泥の量と排出手段により排出する汚泥の量を一致させなくてもよい。
【選択図】図1
Description
本発明は、脱水装置に供給する前に汚泥を濃縮するために使用される汚泥濃縮装置および汚泥濃縮装置を備えた汚泥脱水機に関する。
しかるに、従来例1の装置では、スクリーン板の傾斜が大きすぎると、汚泥がスクリーン板上を通過する時間が短くなるため汚泥の濃縮が不十分となり、逆に、スクリーン板の傾斜が緩すぎると、汚泥がスクリーン板上を通過する時間が長くなるため汚泥の濃縮は充分にできるものの次工程の脱水装置への汚泥の供給速度が低下し、作業効率が悪くなるという問題が生じる。
従来例2の技術には、傾斜して配置されたスクリーン上を上方から下方に向って移動するスクレーパを備えた装置が開示されており、このスクレーパによってスクリーン上を滑り落ちる汚泥を支持することができる。このため、スクリーン板の傾斜を大きくしておき、スクレーパの移動速度を調整すれば、スクリーン板の傾斜にかかわらず、汚泥がスクリーン板上を通過する時間を調整することができる。
また、従来例3の技術には、傾斜して配置された濾過膜上を下方から上方に移動するへらを備えた装置が開示されている。この装置では、濾過膜上に汚泥を溜めておき、へらによって汚泥を掻き上げて移動させることができ、へらによって掻き上げている間に汚泥を濃縮脱水することができる。
また、従来例3の技術では、濾過膜上に溜められた汚泥をへらによって掻き上げているから濃縮されない汚泥がそのまま脱水装置に供給されてしまうことはないが、濾過膜上に直接汚泥を供給しているため、装置に供給された汚泥は、スクレーパによってすぐに脱水装置に向って移動されてしまう。このため、従来例3の技術も、汚泥を投入してから脱水装置に移動するまでの時間はスクレーパの移動速度だけで決定されてしまうから、汚泥の処理速度の向上と汚泥の濃縮割合の向上を両立させることはできない。
第2発明の汚泥濃縮装置は、第1発明において、前記汚泥受入部が、前記処理槽の投入口から前記脱水部に向かって下傾した汚泥流動面を備えていることを特徴とする。
第3発明の汚泥濃縮装置は、第1発明において、前記脱水部が、その上面に水を透過する透過部材を備えており、該透過部材は、その上面が、前記処理槽底部から該処理槽の上部に設けられた汚泥を排出する排出口に向って上傾するように配設されており、前記排出手段が、先端を前記透過部材の上面に接触させた状態で、前記透過部材の上面下端から上面上端に向かって移動するスクレーパを備えていることを特徴とする。
第4発明の汚泥濃縮装置は、第3発明において、前記排出手段が、前記スクレーパの基端が取り付けられ、かつ該スクレーパを透過部材の上面に沿って移動させるコンベアを備えており、該コンベアが、一対の回転軸を備えており、この一対の回転軸の中心軸を通過する平面が、前記脱水部における透過部材の上面と略平行となるように配設されており、前記一対の回転軸のうち、上方に位置する回転軸を揺動軸として、上下に揺動可能に前記処理槽に取り付けられていることを特徴とする。
第5発明の汚泥濃縮装置は、第4発明において、前記処理槽内に、前記コンベアにおける下方に位置する回転軸の軸方向両端部が載せられる一対の支持プレートが設けられており、該一対の支持プレートが樹脂材料によって形成されていることを特徴とする。
第6発明の汚泥濃縮装置を備えた汚泥脱水機は、汚泥を脱水濃縮するための脱水機であって、該脱水機が、汚泥を濃縮脱水する濃縮装置と、該濃縮装置によって濃縮脱水された汚泥を加圧脱水する脱水装置とからなり、前記濃縮装置が、請求項1、2、3、4または5記載の汚泥濃縮装置であることを特徴とする。
第2発明によれば、投入口から投入された汚泥は、自重によって脱水部に向けて移動さするが、汚泥に含まれる水分は、固形分よりも早く脱水部まで移動するから、脱水部だけでなく、汚泥投入部においても汚泥の濃縮脱水が進行する。よって、脱水部の状態に係わらず、汚泥の濃縮脱水時間を長くすることができるから、汚泥の濃縮率を高くすることができる。そして、排出手段による汚泥の排出速度を高くしても、汚泥投入部における脱水時間を長くすれば、汚泥の処理速度を速くしても、汚泥の濃縮率を高くすることができる。
第3発明によれば、スクレーパがその先端を透過部材の上面に接触させたまま透過部材の下端から上端まで移動するから、透過部材の上面に載せられた汚泥を排出口に移動させることができる。しかも、透過部材の上面が排出口に向って上傾しており、汚泥が自重だけで排出口に向って流れることができないので、透過部材の上面に載せられた汚泥が濃縮処理されないまま排出口から流出することを防ぐことができる。
第4発明によれば、一対の回転軸の中心軸を通過する平面が脱水部の透過部材の上面と略平行であるから、スクレーパをその先端が透過部材の上面と接触させたまま移動させることができる。よって、汚泥を確実に排出口までかき上げることができる。しかも、コンベアが揺動可能であるから、透過部材をメンテナンスするときにコンベアを透過部材上から移動させておくことができる。よって、透過部材のメンテナンス性を向上させることができる。
第5発明によれば、コンベアの他方の回転軸が支持プレートに載せられているだけであるから、コンベアの揺動を容易にすることができ、処理槽内の構造も簡単にすることができる。また、コンベアの重量は支持プレートとスクレーパによって支持することになるが、スクレーパが磨耗して長さが短くなると支持プレートに加わる重量が大きくなるから、支持プレートは、スクレーパの先端が透過部材の表面に接触するまで変形する。言い換えれば、支持プレートの変形によりスクレーパの先端が透過部材の表面に接触するように、他方の回転軸の位置が自動調整される。よって、定期的に他方の回転軸の位置を調整しなくても、スクレーパの先端を透過部材の表面に接触させておくことができるから、長期間安定した状態で運転させることができる。
第6発明によれば、濃縮装置と脱水装置の両方で、汚泥の濃縮脱水を行うことができるから、汚泥の濃縮率を向上することができる。しかも、第1、2、3、4または第5発明の濃縮装置を採用しているから、脱水装置に投入される汚泥の含水率を低くすることができる。よって、脱水装置の性能をそれほど高くしなくても、汚泥を所望の含水率まで濃縮脱水することができる。
図1は本実施形態の汚泥脱水機1の概略説明図である。同図において、符号2は、本実施形態の汚泥脱水機1の脱水装置を示している。この脱水装置2は、例えば、複数本の加圧ローラ3を備えており、この加圧ローラ3によって、汚泥供給口2aから供給される汚泥を加圧脱水し、汚泥排出口2bから外部に排出するものである。
なお、脱水装置は上記のごとき構造に限られず、汚泥を加圧脱水するものであれば、公知の脱水装置を採用することができる。
しかも、脱水装置2に投入される汚泥は、汚泥濃縮装置10によって濃縮脱水され含水率が低下しているから、脱水装置2に加わる負荷を小さくすることができ、しかも、脱水装置2の性能をそれほど高くしなくても、汚泥を所望の含水率まで濃縮脱水することができるのである。
そして、脱水装置2が加圧ローラ3により汚泥を脱水するものであれば、加圧ローラ3の本数を少なくしても、所望の含水率(例えば、85%以下)に汚泥を脱水濃縮できるので、汚泥脱水機1をコンパクトにすることができる。
本明細書では、汚泥濃縮装置10は汚泥脱水機1に設けられているが、汚泥濃縮装置10は単独で使用することも可能であるし、脱水装置2に着脱可能としておけば、別な脱水装置2に取り付けて使用することが可能であるのは、言うまでもない。
この処理槽11において、壁面11aには、図示しない反応槽から汚泥が供給される投入口10aが設けられており、壁面11bにおいて内底面11cより上方の位置には、濃縮脱水された汚泥を脱水装置2に排出する排出口10bが形成されている。そして、処理槽11の内底面11cは前記投入口10aが設けられている壁面11aから前記排出口10bが設けられている壁面11bに向かって下傾した傾斜面となるように構成されている。
このため、投入口10aから処理槽11内に供給された汚泥は、壁面11a近傍の内底面11c上に落下し、内底面11c上を壁面11aから壁面11bに向かって流れるのである(図4(A)参照)。
このため、内底面11c上を壁面11bに向かって流れた汚泥は脱水部12の透過部材13によって止められ、内底面11cとスクリーン13との交差部分Aに滞留し、滞留している間にスクリーン13によって汚泥の固形分と水分とに分離され濃縮されるのである。そして、汚泥から分離された水分は排水部14の排水空間14h,排水口14aを通って外部に排水されるから、分離された水分と汚泥の固形分が再接触し、濃縮された汚泥の含水率が再び高くなることを防ぐことができる。
また、このコンベア15の一対の回転軸16a,16bにはチェーン17が巻き掛けられており、このチェーン17には、所定の間隔をあけて、複数のスクレーパ18が取り付けられている。このスクレーパ18は柔軟性を有するゴム板や樹脂板等によって形成されており、その幅方向の両端部が処理槽11の側面に接触した状態となるように形成されている。またスクレーパ18は、その先端が前記透過部材13の上面に接触するようにチェーン17に固定されたステー17aに固定されている。しかも、コンベア15は、スクレーパ18の先端が透過部材13の上面にその下端から上端まで接触したまま移動できるように、一対の回転軸16a,16bが配置されている。
しかも、スクレーパ18によって掻き上げられる汚泥は透過部材13上を移動するから、交差部分Aに滞留している間だけでなく透過部材13上を移動している間も脱水濃縮されるる。よって、脱水装置2に供給される汚泥の含水率をより確実に低くすることができる。
さらになお、スクレーパ18を移動させる機構はコンベア機構に限られず、スクレーパ18を透過部材13に沿って移動させることができるものであれば、とくに限定はない。
さらになお、スクレーパ18は透過部材13の上面に沿って汚泥を掻き上げることができるものであればその素材は限定されないが、ゴム等とすれば透過部材13の上面との密着性が高くなるから、汚泥を透過部材13の上面に沿って確実に掻き上げることができる。そして、ブラシ状のスクレーパを、何本かに1本の割合で設けておけば、コンベア15を駆動させるだけで、透過部材13上面の清掃も行うことができるので、好適である。
なお、投入量が排出量より多い状態が続いた場合、コンベア15による汚泥の排出や脱水部12による汚泥の脱水に問題が生じたり、汚泥が排出口10bに直接流入する可能性があるが、処理槽11内に処理槽11内の汚泥の量を計測するセンサや水位を計測する水位計等を設けておき、処理槽11内の汚泥の量が所定の量を越えた場合には、汚泥の投入を停止するような非常停止部を備えておけば、上記のごとき問題が生じることを防ぐことができる。
上記の処理槽11において、壁面11aと交差部分Aの間の部分Bが特許請求の範囲にいう汚泥受入部であり、処理槽11の部分Bに位置する内底面11cが特許請求の範囲にいう汚泥流動面である。
なお、脱水部12の排水部14における排水空間14h内に、透過部材13の下面(裏面)に水等を吹き付ける洗浄ノズル14bを設けておけば、透過部材13の目詰まり等を抑制することができ、透過部材13をメンテナンスする回数を少なくすることができるので、好適である。
よって、定期的に下方の回転軸16aの位置を調整しなくても、スクレーパ18の先端を透過部材の表面に接触させておくことができるから、長期間安定した状態で運転させることができる。
2 脱水装置
10 汚泥濃縮装置
10a 投入口
10b 排水口
11 処理槽
12 脱水部
13 透過部材
15 コンベア
16a 回転軸
16b 回転軸
18 スクレーパ
20 支持プレート
Claims (6)
- 汚泥を脱水濃縮するための装置であって、
汚泥が投入される処理槽と、
該処理槽の底部に設けられ、上面に載せられた汚泥を脱水濃縮する脱水部と、
該脱水部の上面に載せられた汚泥を、外部に排出する排出手段とを備えており、
前記処理槽内において、該処理槽内に汚泥を投入する投入口と前記脱水部との間に、投入口から投入された汚泥を一時的に保持し、保持した汚泥を前記脱水部に供給する汚泥受入部が設けられている
ことを特徴とする汚泥濃縮装置。 - 前記汚泥受入部が、前記処理槽の投入口から前記脱水部に向かって下傾した汚泥流動面を備えている
ことを特徴とする請求項1記載の汚泥濃縮装置。 - 前記脱水部が、その上面に水を透過する透過部材を備えており、
該透過部材は、その上面が、前記処理槽底部から該処理槽の上部に設けられた汚泥を排出する排出口に向って上傾するように配設されており、
前記排出手段が、先端を前記透過部材の上面に接触させた状態で、前記透過部材の上面下端から上面上端に向かって移動するスクレーパを備えている
ことを特徴とする請求項1記載の汚泥濃縮装置。 - 前記排出手段が、前記スクレーパの基端が取り付けられ、かつ該スクレーパを透過部材の上面に沿って移動させるコンベアを備えており、
該コンベアが、
一対の回転軸を備えており、この一対の回転軸の中心軸を通過する平面が、前記脱水部における透過部材の上面と略平行となるように配設されており、
前記一対の回転軸のうち、上方に位置する回転軸を揺動軸として、上下に揺動可能に前記処理槽に取り付けられている
ことを特徴とする請求項3記載の汚泥濃縮装置。 - 前記処理槽内に、前記コンベアにおける下方に位置する回転軸の軸方向両端部が載せられる一対の支持プレートが設けられており、
該一対の支持プレートが樹脂材料によって形成されている
ことを特徴とする請求項4記載の汚泥濃縮装置。 - 汚泥を脱水濃縮するための脱水機であって、
該脱水機が、
汚泥を濃縮脱水する濃縮装置と、該濃縮装置によって濃縮脱水された汚泥を加圧脱水する脱水装置とからなり、
前記濃縮装置が、請求項1、2、3、4または5記載の汚泥濃縮装置である
ことを特徴とする汚泥濃縮装置を備えた汚泥脱水機。
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US11219849B2 (en) | 2016-03-09 | 2022-01-11 | Tsurumi Manufacturing Co., Ltd. | Solid-liquid separator and solid-liquid separation system |
-
2004
- 2004-12-20 JP JP2004367817A patent/JP4459801B2/ja active Active
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