JP2006166508A - 左右一対の車輪を同時に電動駆動および制動する自動車 - Google Patents

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充孝 土田
Yoshinori Maeda
義紀 前田
Yoshio Uragami
芳男 浦上
Kansuke Yoshisue
監介 吉末
Kazuya Okumura
和也 奥村
Satoshi Ando
諭 安藤
Koji Sugiyama
幸慈 杉山
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Abstract

【課題】必要とされるバッテリの容量を可及的に小さくし、低コスト小重量にて自動車の操舵性能を高める。
【解決手段】一対の前輪と一対の後輪の少なくとも一方が一対の電動発電機により個々に駆動され或は制動され得るようになっている自動車に於いて、一対の電動発電機の一方を電動機として作動させると同時に他方を発電機として作動させることができる電動発電機制御手段を設け、操舵に合わせて一方の電動発電機を電動機として作動させると同時に他方の電動発電機を発電機として作動させる。
【選択図】図2

Description

本発明は、一対の前輪および後輪を備え、一対の前輪または一対の後輪の少なくとも一方によりに操舵される自動車に係る。
近年、大気に環境保全の観点から自動車の電動駆動が見直され、自動車の電動駆動に関する種々の発明が提案されている。その一環として、自動車の各車輪を電動機により個別に駆動することが考えられている。しかし、自動車の各車輪が電動機により個別に駆動される場合、左右の車輪に対する駆動力の間に差があると、自動車の走行が不安定となる。この点に鑑み、各車輪を電動機により個別に駆動し、自動車に要求される駆動力と自動車の走行状態に応じて各車輪にて発生すべき駆動力の配分が制御される自動車に於いて、各電動機を駆動力配分値に対応する出力を出すよう制御する駆動手段、駆動力検出手段、走行状態を検出する車輌状態検出手段、各車輪の駆動状態を検出する手段、要求される駆動力値と走行状態に応じて各車輪の駆動力の分配値を演算し車輌の走行状態または車輪の駆動状態が所定の範囲を超えた場合に駆動力の分配値を修正する駆動力演算手段を設け、旋回時の内外車輪の接地荷重の移動に応じて各車輪の駆動力の分配値を求め、旋回時のコーナリング力の低下や車輌挙動の不安定化を防ぎ、また左右輪のどちらかに不具合が生じた場合やスリップ、スピン等が発生した場合に走行状態の変化を修正し、安定走行を図ることが、下記の特許文献1に提案されている。
特開平5-328542
自動車の車輪を電動機により個別に駆動することには、駆動構造が簡単化され得るという利点がある反面、左右の車輪に対する駆動力に差が生じ易く、自動車の走行が不安定になりやすいという問題がある。そのため、自動車の車輪を電動機により個別に駆動することに関しては、従来、主として走行安定の観点から種々の発明がなされてきた。
しかし、自動車の車輪を電動機により個別に駆動することには、逆に、左右の車輪に対する駆動力に差を付けることにより、自動車の操舵を助けることができるという局面がある。本発明は、自動車のこの局面に於いて、更に、必要とされるバッテリの容量を可及的に小さくしてそのような電動機を作動させることにより、低コスト小重量にて自動車の操舵性能を高めることを課題としている。
上記の課題を解決するものとして、本発明は、一対の前輪と一対の後輪とを備え、前記一対の前輪と前記一対の後輪の少なくとも一方が一対の電動発電機により個々に駆動され或は制動され得るようになっている自動車にして、前記一対の電動発電機の一方を電動機として作動させると同時に他方を発電機として作動させることができる電動発電機制御手段を備えていることを特徴とする自動車を提案するものである。
前記電動発電機制御手段は、操舵角の絶対値が所定値以上であるとき、前記一対の電動発電機のうちの旋回内側の車輪に属するものを発電機として作動させ、旋回外側の車輪に属するものを電動機として作動させるようになっていてよい。
或は、前記電動発電機制御手段は、アクセルペダル踏込み量が所定値以上でなく、操舵角の絶対値が所定値以上であるとき、前記一対の電動発電機のうちの旋回内側の車輪に属するものを発電機として作動させ、旋回外側の車輪に属するものを電動機として作動させるようになっていてもよい。
更にまた、前記電動発電機制御手段は、前記一対の電動発電機を共に電動機として作動させることもでき、アクセルペダル踏込み量が所定値以上であるとき、前記一対の電動発電機を共に電動機として作動させるようになっていてもよい。
或はまた、前記電動発電機制御手段は、前記一対の電動発電機を共に電動機として作動させることもでき、自動車の発進時に、前記一対の電動発電機を共に電動機として作動させることができるようになっていてよい。この場合、前記電動発電機制御手段は、車輪に対する路面の摩擦係数が所定値以下であるとき、自動車の発進時に前記一対の電動発電機を共に電動機として作動させるようになっていてよい。自動車の発進時は、車速が0から始まって一度所定値を越える迄であってよい。
更にまた、前記電動発電機制御手段は、前記一対の電動発電機を共に電動機として作動させることもでき、車速が所定値以下であり、車輪に対する路面の摩擦係数が所定値以下であるとき、前記一対の電動発電機を共に電動機として作動させるようになっていてよい。
上記の如く、一対の前輪と一対の後輪とを備え、前記一対の前輪と前記一対の後輪の少なくとも一方が一対の電動発電機により個々に駆動され或は制動され得るようになっている自動車に於いて、前記一対の電動発電機の一方を電動機として作動させると同時に他方を発電機として作動させることができる電動発電機制御手段が設けられていれば、左右の車輪に対する駆動力に差を付けることにより自動車の操舵を助ける作用を、一対の電動発電機の一方を電動機として作動させることを他方の電動発電機を発電機として作動させることにより発生される電力を利用して行い、左右の車輪の一方に対する電動機にのみ電力を供給するに足る容量よりも更に小さい容量のバッテリを用いて得ることができる。
前記電動発電機制御手段が、操舵角の絶対値が所定値以上であるとき、前記一対の電動発電機のうちの旋回内側の車輪に属するものを発電機として作動させ、旋回外側の車輪に属するものを電動機として作動させるようになっていれば、一対の電動発電機のそれぞれを電動機および発電機として分けて作動させることにより自動車の操舵を助けるという明確な効果を得ることができ、しかもそれを一方の電動発電機により発生された電力を他方の電動発電機の駆動電力として有効に使用することにより達成することができる。
前記電動発電機制御手段が、アクセルペダル踏込み量が所定値以上でなく、操舵角の絶対値が所定値以上であるとき、前記一対の電動発電機のうちの旋回内側の車輪に属するものを発電機として作動させ、旋回外側の車輪に属するものを電動機として作動させるようになっていれば、アクセルペダル踏込み量が所定値以上であって自動車に大きな加速が求められている状況下で、一方の電動発電機が発電機として作動されることによる制動作用により自動車の加速が阻害されるような事態の発生を回避して、上記の有益な効果を得ることができる。
前記電動発電機制御手段が、前記一対の電動発電機を共に電動機として作動させることもでき、アクセルペダル踏込み量が所定値以上であるとき、前記一対の電動発電機を共に電動機として作動させるようになっていれば、アクセルペダル踏込み量が所定値以上であって自動車に大きな加速が求められている状況下では、一方の電動発電機が発電機として作動されることによる制動作用により自動車の加速が阻害されるような事態の発生を回避するだけでなく、更に進んで前記一対の電動発電機を共に電動機として作動させることにより、アクセルペダルの踏み込みに応えて一対の電動発電機により自動車の加速を助けることができる。
また前記電動発電機制御手段が、前記一対の電動発電機を共に電動機として作動させることもでき、自動車の発進時に、前記一対の電動発電機を共に電動機として作動させることができるようになっていれば、特に大きな駆動力が得られることが望まれる自動車の発進時に一対の電動発電機により自動車の発進時加速を助けることができる。この場合、車輪に対する路面の摩擦係数が所定値以下であるとき、前記電動発電機制御手段が自動車の発進時に前記一対の電動発電機を共に発電機として作動させるようになっていれば、車輪に対する路面の摩擦係数が所定値以下であるような路面に於いても、良好な発進性能を得ることができる。自動車の発進時が、車速が0から始まって一度所定値を越える迄とされることにより、自動車が一度十分な速度に達するまで発進した後には、その後車速が前記所定値以下に下がっても、もはや自動車には車速0から始まって加速されるときほどの駆動力は必要とされないことに鑑み、一対の電動発電機が不必要に共に発電機として作動させることを回避し、より小容量のバッテリによっても一対の電動発電機を有効に作動させる性能を確保することができる。
しかし、また、前記電動発電機制御手段は、前記一対の電動発電機を共に電動機として作動させることもでき、車速が所定値以下であり、車輪に対する路面の摩擦係数が所定値以下であるとき、前記一対の電動発電機を共に電動機として作動させるようになっていれば、自動車が発進後停車しないまでも、車速が前記所定値以下に下がった状態から再加速される場合に、良好な加速性能を得ることができる。
添付の図1は、本発明を従来の内燃機関による後輪駆動車に於いて実施した実施の形態を示す概略図である。尚、本発明の対象は、上記の通り、一対の前輪と一対の後輪とを備え、これら一対の前輪と一対の後輪の少なくとも一方が一対の電動発電機により個々に駆動され或は制動され得るようになっている自動車であるので、本発明を実施する自動車としては、この図1に示す如く内燃機関を主たる駆動源とする従来の自動車、内燃機関と電動機とを交互に或いは組み合わせて駆動源とする所謂ハイブリッド車、電動機のみにより車輌駆動を行う電気自動車のいずれもが含まれる。
図1に於いて、10は内燃機関であり、従来通り、変速装置12、プロペラシャフト14、差動装置16、一対の車軸18L,18Rを経て左後輪20Lおよび右後輪20Rが駆動されるようになっている。22L、22Rは左前輪、右前輪であり、図にて幾分解図的に示されている如く、従来通りステアリングホイール24よりステアリングギア26、タイロッド28L、28R、ナックルアーム30L,30Rを経て左右の操舵方向に偏向されるようになっている。
左前輪22Lおよび右前輪22Rは、更にそれぞれ電動発電機32Lおよび32Rにより個別に駆動され或いは制動され得るようになっている。既に説明した本発明の技術思想および以下に説明する実施の形態より明らかな通り、本発明による自動車は、一対の前輪と一対の後輪とを備え、これら一対の前輪と一対の後輪の少なくとも一方が一対の電動発電機により個々に駆動され或は制動され得るようになっている自動車であって、一対の電動発電機の一方を電動機として作動させると同時に他方を発電機として作動させることができる電動発電機制御手段を備えたものであり、本発明の対象となる一対の電動発電機は、その一方が電動機として作動し、他方が発電機として作動する作動態様をその主たる機能としている。従って、本発明による自動車は、一対の電動発電機のみによって常時駆動されるものではなく、他の一対の車輪は常時駆動のための別の原動機により駆動される必要があるものである。しかし、一対の電動発電機は、その作動態様の一つとして共に電動機として作動されることもあるので、本発明による自動車は4輪駆動車としての局面も備えている。
電動発電機32Lおよび32Rは、マイクロコンピュータを備えた自動車全体の電子式制御装置34により制御されるインバータ36を経てバッテリ38より電流を供給されて電動機として作動して対応する前輪を駆動し、或いはインバータ36を経てバッテリ38を充電する発電機として作動して対応する前輪を制御することができるようになっている。電子式制御装置34は、変速機12の出口に於ける車輪駆動軸回転速度を検出する車速センサー40より車速Vを示す信号、左前輪22Lおよび右前輪22Rの回転速度を検出する車輪速センサー42Lおよび42Rより左右の前輪の各回転速度Wfl,Wfrを示す信号、図には示されていないにアクセルペダルの踏込みに応じて変位するスロットル開度センサー44よりアクセルペダルの踏込み量φを示す信号、操舵角センサー46より操舵角θを示す信号、その他の車輌運転制御に関する信号を与えられ、そこに組み込まれた制御プログラムに従って制御演算を行い、以下に図2を参照して例示する本発明の実施のための制御演算を含む車輌運転制御のための制御演算を行い、それに基づいて、本発明に関しては、自動車の走行状態に応じて電動発電機32Lおよび32Rを選択的に電動機或いは発電機として作動させるようになっている。
図2は、電子式制御装置34により行われる本発明のための制御演算を一つの実施の形態について示すフローチャートである。この種のフローチャートに表される電子式制御装置による演算制御は、自動車の運転中数ミリ〜数100ミリセカンドの周期にて繰り返し実行されるものである。
制御が開始されると、ステップ10に於いて、各種信号の読込みが行われる。特に本発明に関与する信号としては、上記の各センサーから車速Vを示す信号、車輪速Wfl,Wfrを示す信号、アクセルペダル踏込み量φを示す信号、操舵角θを示す信号が読み込まれる。
次いで、制御はステップ20へ進み、読み込まれた車速Vが0であるか否かが判断される。答がイエス(Y)であるとき、即ち、自動車が停止にしているときには、制御はステップ30 へ進み、フラグFを0にリセットしてこの回の制御はそのまま終了する。当然のことながら、自動車の停止中には、電動発電機32L,32Rはいずれも電動機としても発電機としても作動されない。
自動車が動き始めると、ステップ20の答はイエスからノー(N)に転じ、制御はステップ40へ進むようになる。ステップ40に於いては、フラグFが0であるか否かが判断される。フラグFは後述のステップ90に於いて1にセットされるので、それ迄答はイエスであり、制御はステップ50へ進み、自動車が発進状態を脱したと判断される適当な車速Vs以下であるか否かが判断される。答がイエスである間、即ち、自動車が前進を開始したが、まだ前進し始めた状態にある適当な期間中は、制御はステップ60へ進み、操舵角θを考慮した上で車速Vと車輪速WflおよびWfrの対比から、車輪に対する路面の摩擦係数μが計算される。次いで、ステップ70に於いて、摩擦係数μがある所定のしきい値μs以下であるか否かが判断される。しきい値μsの値は、路面の摩擦係数がこれ以下であるような滑りやすい路面でなければ、本発明による制御は行わないとの判断の基準となる値である。答がイエスのときには制御はステップ80へ進む。
ステップ80に於いては、左前輪の電動発電機32Lおよび右前輪の電動発電機32Rが共に電動機として作動される(MGfl力行、MGfr力行)。換言すれば、路面の摩擦係数がμs以下であるような滑りやすい路面では、自動車の発進に際して電動発電機32Lおよび32Rが共に電動機として作動されることにより、滑りやすい路面上でも良好な発進性能が得られる。特に、図1に例示したように、一対の電動発電機が内燃機関により駆動される一対の車輪(後輪)とは別の一対の車輪(前輪)に対し作動するように設けられている場合には、これによって自動車は臨時に4輪駆動車となり、滑りやすい路面に於ける発進性能が大きく改善される。
自動車が発進状態を脱し、車速VがVs以上になると、ステップ50の答はイエスからノーに転ずるので、制御はステップ90へ進み、ここでフラグFが1にセットされ、これ以降ステップ40の答はノーとなるので、制御はステップ100へ進む。尚、車速Vが一度Vs以上になると、その後車速が低下しても、制御はステップ100へ進むようになる。
ステップ100に於いては、アクセルペダル踏込み量φが所定のしきい値φs以上であるか否かが判断される。このしきい値φsは、運転者が自動車にある程度以上の大きな加速を求めているときのアクセルペダルの踏込み量を表す値とされてよい。答がイエスであれば、制御はステップ80 へ進み、自動車の加速性能を高めるべく、左前輪の電動発電機32Lおよび右前輪の電動発電機32Rが共に電動機として作動される。
ステップ100の答がノーであれば、制御はステップ110へ進み、操舵角θが或る正のしきい値θs以上であるか否かが判断される。尚、ここでは、左方向への操舵の操舵角を正とし、右方向への操舵の操舵角を負としている。しきい値θsの値は、操舵がそれ以上の操舵角を呈する大きさでなされるとき、以下に説明される通り左右の前輪の電動発電機を、その一方が電動機としてまた他方が発電機として作動するよう、互いに逆モードに作動させるのが好ましいと判断される操舵角の値である。ステップ110の答がイエスであれば、制御はステップ120へ進み、左前輪の電動発電機32Lは発電機として作動され(MGfl回生)、右前輪の電動発電機32Rは電動機として作動される(MGfr力行)。
ステップ110の答がノーであるときには、制御はステップ130へ進み、操舵角θが−θs以下であるか否かが判断される。答がイエスであることは、右方向への操舵が絶対値としてθs以上の大きさにて行われていることを意味する。このとき制御はステップ140へ進み、左前輪の電動発電機32Lは電動機として作動され(MGfl力行)、右前輪の電動発電機32Rは発電機として作動される(MGfr回生)。
こうして自動車の旋回走行に於ける旋回内側の車輪の回転が発電機として作動する電動発電機により制動され、旋回走行に於ける旋回外側の車輪の回転が電動機として作動する電動発電機により駆動されることにより、自動車の操舵性能が高められる。
自動車の発進期間、即ち、車輌が停止状態から発進して車速が上記のステップ60に於けるVsまで上昇する期間は、通常、車輌の全運転時間のうちの極一部である。また上記のステップ100の答がイエスとなる運転期間、即ち、自動車に或る程度以上の大きな加速が求められる期間も、アクセルペダル踏込み量に関するしきい値φsが適当な値に定められれば、通常、車輌の全運転時間のうちの極一部である。一方、自動車の操舵は自動車の運転中始終行われる。従って、ステップ120または140が実行される頻度と持続時間とを掛け合わせた電動発電機の作動時間は、自動車の運転時間中のかなりの部分を占めるが、ステップ80が実行される頻度と持続時間とを掛け合わせた電動発電機の作動時間が自動車の運転時間中に占める割合は僅かである。
ステップ120または140に於いては、一対の電動発電機はその何れか一方が電動機として作動し、他方は発電機として作動するので、電動機として作動する電動発電機が消費する電力の大部分を発電機として作動する電動発電機の発電電力により賄うことができる。従って、本発明に係る一対の電動発電機の作動に関する限り、図1に38として示したバッテリの容量は、小さなものであってよい。換言すれば、本発明によれば、自動車のその他の運転性能を確保する観点から必要とされるバッテリの容量を殆ど増大することなく、一対の前輪と一対の後輪の少なくとも一方の各々に電動発電機を追加し、またその一方を電動機として作動させると同時に他方を発電機として作動させることができる電動発電機制御手段を追加することにより、自動車の操舵性能を大きく高めることができる。また、一対の電動発電機の一方を電動機として作動させると同時に他方を発電機として作動させることができる電動発電機制御手段であれば、そのような電動発電機制御手段は、ハードウエア的には当然に一対の電動発電機を共に電動機として作動させることも容易に可能であると考えられるので、上記の実施の形態に於いても例示した如く、本発明の主たる機能を達成する構成にさしたる追加を要することなく、自動車の発進時或いは格別の加速時には一対の電動発電機を共に電動機として作動させ、滑り易い路面上での自動車の発進性能や走行中特に大きな加速が要求された時の加速性能を向上させることができる。
図3は、左前輪の電動発電機32Lおよび右前輪の電動発電機32Rを共に電動機として作動させる図2のステップ80を、自動車の発進時だけでなく、自動車の走行中でも車速がVs以下に下がったとき、車輪に対する路面の摩擦係数が所定値以下であれば実行させるよう、図2の制御の一部を変更した同様のフローチャートである。図3に於いて、図2の各ステップに対応するステップは図2に於けると同じステップ番号により示されており、図2ついて説明した要領と同様に作動する。
以上に於いては本発明を一つの実施の形態およびその一部の変更例について詳細に説明したが、かかる実施の形態について本発明の範囲内にて種々の変更が可能であることは当業者にとって明らかであろう。
本発明を従来の内燃機関による後輪駆動車に於いて実施した実施の形態を示す概略図。 電子式制御装置により行われる本発明のための制御演算を一つの実施の形態について示すフローチャート。 図2に示すフローチャートによる制御の一部を変更した例を示す同様のフローチャート。
符号の説明
10…内燃機関、12…変速装置、14…プロペラシャフト、16…差動装置、18L,18R…車軸、20L…左後輪、20R…右後輪、22L…左前輪、22R…右前輪、24…ステアリングホイール、26…ステアリングギア、28L,28R…タイロッド、30L,30R…ナックルアーム、32L,32R…電動発電機、34…電子式制御装置、36…インバータ、38…バッテリ、40…車速センサー、42L,42R…車輪速センサー、44…スロットル開度センサー、46…操舵角センサー

Claims (8)

  1. 一対の前輪と一対の後輪とを備え、前記一対の前輪と前記一対の後輪の少なくとも一方が一対の電動発電機により個々に駆動され或は制動され得るようになっている自動車にして、前記一対の電動発電機の一方を電動機として作動させると同時に他方を発電機として作動させることができる電動発電機制御手段を備えていることを特徴とする自動車。
  2. 前記電動発電機制御手段は、操舵角の絶対値が所定値以上であるとき、前記一対の電動発電機のうちの旋回内側の車輪に属するものを発電機として作動させ、旋回外側の車輪に属するものを電動機として作動させるようになっていることを特徴とする請求項1に記載の自動車。
  3. 前記電動発電機制御手段は、アクセルペダル踏込み量が所定値以上でなく、操舵角の絶対値が所定値以上であるとき、前記一対の電動発電機のうちの旋回内側の車輪に属するものを発電機として作動させ、旋回外側の車輪に属するものを電動機として作動させるようになっていることを特徴とする請求項1に記載の自動車。
  4. 前記電動発電機制御手段は、前記一対の電動発電機を共に電動機として作動させることもでき、アクセルペダル踏込み量が前記所定値以上であるとき、前記一対の電動発電機を共に電動機として作動させるようになっていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の自動車。
  5. 前記電動発電機制御手段は、前記一対の電動発電機を共に電動機として作動させることもでき、自動車の発進時に、前記一対の電動発電機を共に電動機として作動させることができるようになっていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の自動車。
  6. 前記電動発電機制御手段は、車輪に対する路面の摩擦係数が所定値以下であるとき、自動車の発進時に前記一対の電動発電機を共に電動機として作動させるようになっていることを特徴とする請求項5に記載の自動車。
  7. 自動車の発進時は、車速が0から始まって一度所定値を越える迄であることを特徴とする請求項を5または6に記載の自動車。
  8. 前記電動発電機制御手段は、前記一対の電動発電機を共に電動機として作動させることもでき、車速が所定値以下であり、車輪に対する路面の摩擦係数が所定値以下であるとき、前記一対の電動発電機を共に電動機として作動させるようになっていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の自動車。
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