JP2006165277A - 窒化物半導体レーザ素子 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】第1導電型窒化物半導体層11と、Inを含有する活性層12と、第2導電型窒化物半導体層13とをこの順に備えてなる窒化物半導体レーザ素子であって、第2導電型窒化物半導体層13内にIn含有層14を有し、かつ第2導電型窒化物半導体層13表面にストライプ状のリッジ15を備えており、少なくともリッジ15の側面においてIn含有層14が露出している窒化物半導体レーザ素子。
【選択図】 図1
Description
この窒化物半導体素子は、いわゆる、リッジ導波路構造の屈折率導波型のレーザ素子であり、基本的に、サファイア基板上に、部分的に形成されたSiO2膜を介して選択成長させたn型GaNからなる窒化物半導体基板の上に、レーザ素子構造となる窒化物半導体層が複数積層されて構成されている。
ビーム形状を安定化させる方法としては、活性層への投入電流の均一拡散が有効であり、そのためには、通常、リッジが形成されているp型窒化物半導体層における電流の均一拡散が要求される。
また、通常、レーザ素子を光ディスクシステムやレーザプリンタへ応用する場合、レーザ光を各光学系により補正・調整する。従って、レーザ素子から照射される光のアスペクト比が大きくなれば、その補正光学系が大規模になり、その設計、製造、またその光学系を経ることによる損失が大きな問題となる。
このようなことから、上述したレーザ素子を読み取り用又は書き込み用光源等のレーザ光源として応用するためには、レーザ素子のさらなる特性向上、特に光学的な特性の向上が必要となる。つまり、レーザ光のビーム形状のアスペクト比の最適化などが要求される。
リッジの側面において露出したIn含有層が絶縁性保護膜で被覆されていることが好ましい。
また、第2導電型窒化物半導体層が、少なくとも光ガイド層と、In含有層と、クラッド層とを備えることが好ましい。
第2導電型不純物含有層が、クラッド層又はコンタクト層として機能する層であることが好ましい。
さらに、第2導電型窒化物半導体層が、p型窒化物半導体層であることが好ましい。
また、In含有層の露出部分が絶縁性保護膜で被覆されていることにより、密度の高い電流がIn含有層に流れる場合においても、リッジ側面において露出したIn含有層からの電流リークを確実に防止することができ、信頼性の高いレーザ素子を得ることができる。
第2導電型窒化物半導体層が、p型窒化物半導体層からなることにより、一般に、p側における抵抗が高い窒化物半導体層を用いた場合でも、In含有層によりp型不純物の活性化率を上昇させ、低抵抗化を図ることができるために、電流の拡散を向上させ、リッジ幅に対応する電流を活性層にまで効率的に導入させることが可能となる。
本発明のレーザ素子を構成する第1及び第2導電型窒化物半導体層ならびに活性層は、例えば、InxAlyGa1-x-yN(0≦x、0≦y、x+y≦1)で表されるIII−V族窒化物半導体層により形成することができる。具体的には、AlN、GaN、AlGaN、AlInGaN、InN等が挙げられる。また、これら窒化物半導体の一部をB及び/又はPで置換したものであってもよい。これらの窒化物半導体層は、単層膜でもよいし、多層膜でもよいし、超格子構造のいずれであってもよい。これらは、MOVPE、MOCVD(有機金属化学気相成長法)、HVPE(ハライド気相成長法)、MBE(分子線気相成長法)等、当該分野で公知の方法によって形成することができる。
第1導電型窒化物半導体層は、特に限定されるものではなく、例えば、AlxGa1-xN(0<x<1)等の窒化ガリウム系化合物半導体層により形成される。また、多層膜によって構成されていることが好ましい。
例えば、第1の窒化物半導体層としてAlxGa1-xN(0<x≦0.5)、好ましくはAlxGa1-xN(0<x≦0.3)である。このAlを含有する第1の窒化物半導体層はラテラル成長させて形成することが好ましい。ラテラル成長させる方法は、後述するが、例えば、反応炉内での成長温度を1100℃以上、圧力を400Torr以下とすることにより実現することができる。また、第1の窒化物半導体層はクラッド層として機能させることもできる。膜厚は、例えば、0.5〜5μmである。
この第1導電型窒化物半導体層中には、さらに、InxAlyGa1-x-yN(0<x≦1、0≦y<1、0<x+y≦1)からなる中間層を介した構成としてもよい。このような中間層により、窒化物半導体層の表面又は内部に発生するクラックを低減させることができる。
活性層は、少なくともInを含有しているものであれば特に限定されないが、例えば、InxAlyGa1-x-yN(0<x≦1、0≦y<1、0<x+y≦1)が挙げられる。Al含有量を高くすることで紫外域の発光が可能となる。また長波長側の発光も可能であり、360nm〜580nmまでが発光可能となる。
活性層は、量子井戸構造(単一量子井戸、多重量子井戸)で形成することにより、発光効率を向上させることができる。ここで、井戸層の組成は、例えば、Inの混晶が0<x≦0.5である。井戸層の膜厚としては、例えば、30〜200オングストロームであり、障壁層の膜厚としては、20〜300オングストロームである。
第2導電型窒化物半導体層は、特に限定されるものではなく、例えば、3層又は4層構造の窒化物半導体層等が挙げられる。これらの第2導電型窒化物半導体層は、キャップ層(電子閉じ込め層)、光ガイド層、クラッド層、コンタクト層の1以上として機能させることができる。具体的には、第1の窒化物半導体層としては、AlxGa1-xN(0≦x≦0.5)が挙げられる。第2の窒化物半導体層としては、AlxGa1-xN(0≦x≦0.3)、第3の窒化物半導体層としては、AlxGa1-xN(0≦x≦0.5)、第4の窒化物半導体層としては、AlxGa1-xN(0≦x≦1)等が挙げられる。なお、これら第1〜第4の窒化物半導体層は、いずれを省略してもよい。
第2窒化物半導体層の表面にはストライプ状のリッジが形成されている。リッジは、導波路領域として機能するものであり、その幅は1.0μm〜100.0μm程度が適当である。共振器長の長さは100μm〜1000μm程度が好ましい。シングルモードのレーザ光とする場合のリッジ幅は、1.0μm〜3.0μmとするのが好ましい。また、リッジ幅を5μm以上とすれば、1W以上の出力が可能となる。
ただし、リッジは、In含有層がリッジの側面において露出する、つまり、In含有層の膜厚方向の全部又は一部がリッジを構成していることが必要であり(例えば、それぞれ図3及び図4参照)、この構成である限り、リッジの両側の、各窒化物半導体層と略水平な面(図4中、領域a)において、In含有層自体の表面が露出していてもよい。この場合、図5に示すように、In含有層は、リッジ側面に露出している膜の膜厚(d2)と、略水平な面上に配置する膜の膜厚(d1)とを有し、d1<d2、さらに4d1<d2の関係を満たすことが好ましい。これによって閾値の上昇を抑制することができ、リッジ幅を小さくしても、活性層への電流拡散幅を任意に調整、例えば、リッジ幅よりもより広い範囲に拡散させることが可能となる(図5中、D参照)。例えば、電流拡散幅は、1.0〜3.0μm程度が挙げられる。
なお、リッジは、共振器方向においてすべて同じ幅でなくてもよいし、その側面が垂直であっても、テーパー状であっても、逆テーパー状であってもよい。
リッジは、例えば、フォトリソグラフィ及びエッチング工程を利用して、第2導電型窒化物半導体層の部分的なエッチングにより形成することができる。エッチングは、例えば、RIE法により、Cl2、CCl4、BCl3及び/又はSiCl4ガス等を用いて行うことができる。
通常、リッジの側面は絶縁性保護膜(埋め込み膜)で保護されている。この膜は、例えば、半導体層よりも屈折率が小さな絶縁材料によって形成することができる。例えば、Zr、Si、V、Nb、Hf、Ta、Al等の酸化物及び窒化物等、具体的にはAlN、SiN等の単層又は複数層が挙げられる。なお、この膜は、少なくともリッジ側面のIn含有層を完全に被覆していればよく、リッジ側面以外に、第2導電型窒化物半導体層の表面(各窒化物半導体層と略水平な面)等を被覆していてもよい。
このように、リッジの側面を、好ましくはリッジの両側にわたって絶縁性保護膜が形成されていることにより、特に、リッジ基底部に位置するIn含有層近傍において、絶縁性保護膜の膜厚が厚膜状で形成されることとなるために、リッジ基底部におけるIn含有層の絶縁性をより確保することができ、リーク電流の発生を回避することができる。
リッジの上面(側面以外の面)には、通常、活性層への電流を供給するために電極が形成されている。この電極は、リッジの上面で電気的な接続が確保されていればよく、絶縁性保護膜上にわたって配置していてもよい。電極は、導電性材料の単層膜又は複数膜によって形成することができる。例えば、NiとAuとからなる2層構造の場合には、例えば、リッジ上面にNi(膜厚:50Å〜200Å)、その上にAu(膜厚:500Å〜3000Å)の積層構造とすることができる。3層構造とする場合には、Ni(リッジ側)/Au/Pt又はNi(リッジ側)/Au/Pdとすることができる。NiとAuは2層構造と同じ膜厚であればよく、Pt、Pd等は500Å〜5000Åとすることができる。
また、この電極には、パッド電極が電気的な接続されていることが好ましい。パッド電極はNi、Ti、Au、Pt、Pd、W等の金属からなる積層膜によって形成することができる。具体的には、パッド電極は電極側からW-Pd-Au又はNi-Ti-Auの構造とすることができる。膜厚は特に限定されないが、Auの膜厚を1000Å以上とすることが好ましい。
なお、電極は、CVD、スパッタ、蒸着等で形成することができる。
本発明の半導体レーザ素子は、通常、共振面の光反射側及び/又は光出射面に反射ミラーが形成されている。反射ミラーは、Si、Ti、Zr、Al、Nbから選ばれる少なくとも1つからなる酸化物の単層膜又は多層膜、具体的にはSiO2、ZrO2、TiO2、Al2O3、Nb2O5等単層膜又は多層膜によって形成することができる。なお、共振面が、窒化物半導体層の劈開によって形成されていれば、反射ミラーを再現性よく形成することができる。
本発明の半導体レーザ素子は、通常、上述した窒化物半導体層は、基板上に形成されて構成されている。
基板としては、特に限定されるものではなく、素子を構成する窒化物半導体層とは異なる半導体、つまり、窒化物半導体と異なる材質からなる異種基板を用いることができる。例えば、C面、R面及びA面のいずれかを主面とするサファイア、スピネル(MgAl2O4)、GaAs、SiO2、SiNのような基板、窒化物半導体と格子整合する酸化物基板、ZnS、ZnO、Si、SiC、AlN、GaN等の導電性基板等が挙げられる。好ましくは、異種基板上に結晶欠陥の少ない下地層(例えば、転位数が1×107個/cm2以下、好ましくは1×106個/cm2以下)を成長させた擬似基板であることが好ましい。また、これら擬似基板から異種基板を除去した半導体基板、窒化物半導体基板等であってもよい。異種基板は、例えば、研磨、研削、電磁波照射(エキシマレーザー照射等)又はCMP等により除去することができる。これら擬似基板の下地層、半導体基板又は窒化物半導体基板は、n型不純物を含有していることが好ましい。
凹凸の形状としては、例えば、平面形状がストライプ状、格子状、島状、円状、多角形状、矩形状、くし形状、メッシュ形状のテーパー形状、逆テーパー形状等が挙げられる。
このような基板を用いて窒化物半導体レーザ素子を形成することにより、各窒化物半導体層内にかかる応力を抑制することができ、例えば、劈開時におけるダメージに耐えることが可能となる。
なお、基板は、上記方法のほか、超臨界流体中で結晶育成させる水熱合成法、高圧法、フラックス法、溶融法等によって形成してもよい。
本発明のレーザ素子は、通常、まず、ウェハ上に窒化物半導体層、電極等を形成し、その後、各チップに分割されて形成される。例えば、電極を形成した後、電極に垂直な方向であって、窒化物半導体層の共振面を形成するために、ウェハがバー状に分割される。共振面は、例えば、M面(1−100)、A面(11−20)等とすることができる。
以下に本発明の窒化物半導体レーザ素子の実施例を示す。
本発明の窒化物半導体レーザ素子は、図1に示すように、オリフラ面がM面(1−100)の窒化物半導体基板10上にn型の窒化物半導体層11と、Inを含有する活性層12と、p型の窒化物半導体層13とがこの順に積層されて構成されている。
p型の窒化物半導体層の表面には、ストライプ状のリッジ15が形成されており、リッジ15の側面には埋め込み膜16が、リッジ上面にはp電極17が形成されている。
リッジの基底部には、In含有層14が配置しており、リッジ側面の根元部分にIn含有層14が露出している。
また、窒化物半導体層の積層構造の側面と、埋め込み膜16上及びp電極17の一部上を被覆するように保護膜18が形成されており、その上にさらにp電極17と電気的に接続されたpパッド電極19が形成されている。
窒化物半導体基板10の裏面には、n電極20が形成されている。
(窒化物半導体基板10)
まず、MOCVD反応装置内において、GaN、サファイア又はGaAsからなる支持基板を配置して、温度を500℃にする。次に、トリメチルガリウム(TMG)、アンモニア(NH3)を用い、GaNからなるバッファ層を200オングストロームの膜厚で成長させる。バッファ層を成長した後、温度を1050℃にして、同じくGaNからなる第1の窒化物半導体を4μmの膜厚で成長させる。
第1の窒化物半導体を成長した後、ウェハを反応容器から取り出し、この第1の窒化物半導体の表面に、ストライプ状のフォトマスクを形成し、CVD装置によりストライプ幅10〜300μm、ストライプ間隔(窓部)5〜300μmのSiO2からなる保護膜を形成する。
次に、MOCVD反応装置内において、GaN基板10上に第1のn側窒化物半導体層11を積層する。
1000℃〜1180℃でTMA(トリメチルアルミニウム)、TMG、アンモニア、シランガスを用い、Siを1×1018/cm3〜1×1019/cm3ドープしたAl0.03Ga0.97Nからなる層を膜厚2μmで成長させる。この第1のn側窒化物半導体層はクラッド層としても機能する。
続いて、シランガスを止め、1000℃〜1080℃でアンドープGaNからなる第2のn側窒化物半導体層を0.19μmの膜厚で成長させる。この第2のn側窒化物半導体層にn型不純物をドープしてもよい。
次に、温度を900℃以下にして、SiドープIn0.02Ga0.98Nからなる障壁層を140Åの膜厚で成長させ、続いて同一温度で、アンドープIn0.07Ga0.93Nからなる井戸層を70Åの膜厚で成長させる。障壁層と井戸層とを2回交互に積層し、最後に障壁層で終わり、総膜厚560Åの多重量子井戸構造(MQW)の活性層12を成長させる。
次に、成長温度を活性層と同温又は昇温し、TMG、TMA、アンモニア、Cp2Mg(シクロペンタジエニルマグネシウム)を用い、Mgを1×1019/cm3〜1×1020/cm3ドープしたp型Al0.25Ga0.75Nからなる第1のp側窒化物半導体層を100Åの膜厚で成長させる。この第1のp側窒化物半導体層は省略可能である。
続いてCp2Mg、TMAを止め、1000℃〜1050℃で、バンドギャップエネルギーが第1のp側窒化物半導体層よりも小さい、アンドープGaNからなる第2のp側窒化物半導体層を約0.125μmの膜厚で成長させる。
次に、900℃〜1000℃で、バンドギャップエネルギーが第1のp側窒化物半導体層よりも小さく、Mgを1×1019/cm3〜1×1020/cm3ドープしたIn0.02Ga0.98NからなるIn含有層14を約200Åの膜厚で成長させる。
続いて、1000℃〜1050℃でアンドープAl0.10Ga0.90Nからなる層を25Åの膜厚で成長させ、続いてTMAを止め、MgドープGaNからなる層を25Åの膜厚で成長させ、総膜厚0.45μmの超格子層からなる第3のp側窒化物半導体層を成長させる。この第3のp側窒化物半導体層はクラッド層として機能させる。
最後に、1000〜1050℃で、前記第3のp側窒化物半導体層の上に、Mgを1×1020/cm3ドープしたp型GaNからなる第4のp側窒化物半導体層を150Åの膜厚で成長させる。この第4のp側窒化物半導体層はp電極と接触するコンタクト層として機能する。
反応終了後、反応容器内において、ウェハを窒素雰囲気中、1050℃以下でアニーリングして、p側窒化物半導体を低抵抗化する。
続いて、リッジ15の側面をZrO2からなる埋め込み膜16で保護する。
その後、Si酸化膜(SiO2)からなる保護膜18を、p電極17の上及び埋め込み膜16の上及び半導体層の側面に、0.5μmの膜厚で、スパッタリング成膜により形成する。
続いて、保護膜18で覆われていない露出しているp電極17上に連続して、Ni(1000Å)-Ti(1000Å)-Au(8000Å)を形成し、pパッド電極19を形成する。
その後、窒化物半導体基板10の裏面に、V(100Å)-Pt(2000Å)-Au(3000Å)からなるn電極20を形成する。
共振器面に、SiO2と ZrO2又はSiO2とTiO2とからなる、出射端面側にはAl2O3又はNb2O3誘電体膜(図示せず)を形成する。これにより、寿命特性を向上させることができる。
なお、異なるウェハに同様に作製した複数の半導体レーザ素子について、同様の評価を行ったところ、ウェハごとのバラつきがなく、再現性よく大量の半導体レーザ素子を製造できる。
この実施例におけるレーザ素子は、In含有層と、第3のp側窒化物半導体層との間に、光ガイド層として、1000℃〜1050℃で、バンドギャップエネルギーが第2のp側窒化物半導体層よりも小さい、アンドープGaNからなる第5のp側窒化物半導体層を約0.125μmの膜厚で成長させる点、リッジ形成のエッチング工程において、In含有層にエッチングが差しかかった直後にエッチングをストップする点以外は、実質的に実施例1と同様に半導体レーザ素子を製造した。
得られた素子においては、リッジ15の幅にかかわらず、リッジ15形成領域外の領域aでのIn含有層34の膜厚を制御することによって、電流拡散幅Dを所望の範囲とすることができる。また、実施例1と同様の評価をしたところ、寿命、アスペクト比、再現性について、略同様の結果が得られる。
この実施例におけるレーザ素子は、In含有層をアンドープとした以外、実施例1と同様に半導体レーザ素子を製造した。
得られた素子について、実施例1と同様の評価をしたところ、寿命、アスペクト比、再現性について、略同様の結果が得られる。
この実施例におけるレーザ素子は、図2に示したように、第1のp側窒化物半導体層を80Åとした点、第4のp側窒化物半導体層であるコンタクト層21の側面及び上面の全面にp電極27を形成した点、従って、埋め込み膜26を第2導電型窒化物半導体層の上面及びコンタクト層表面以外のリッジ15側面にのみ配置した点以外、実施例1と同様に半導体レーザ素子を製造した。
得られた素子について、実施例1と同様の評価をしたところ、寿命、アスペクト比、再現性について、略同様の結果が得られる。
この実施例におけるレーザ素子は、図3に示したように、In含有層24が、リッジ15に完全に含まれ、リッジ15形成領域外の領域においては第2のp側窒化物半導体層の表面が露出している点以外、実施例1と同様に半導体レーザ素子を製造した。なお、第2のp側窒化物半導体層の総膜厚1250Åに対して、膜厚約1000Åがエッチングされずに残存している。
得られた素子について、実施例1と同様の評価をしたところ、寿命、アスペクト比、再現性について、略同様の結果が得られる。
この実施例におけるレーザ素子は、In含有層をIn0.01Ga0.99Nとした以外、実施例1と同様に半導体レーザ素子を製造した。
得られた素子について、実施例1と同様の評価をしたところ、寿命、アスペクト比、再現性について、略同様の結果が得られる。
なお、比較例として、リッジをIn含有層にまで達しない、第4及び第3のp側窒化物半導体層にのみ形成した以外、実施例1と同様に半導体レーザ素子を製造した。
また、別の例として、リッジの最上層にIn含有層を形成した以外、実施例1と同様に半導体レーザ素子を製造した。
前者の場合には、活性層より上部で、In含有層が活性層と略同じ幅で配置されているために、電流が広がりすぎて閾値の上昇が見られる。また、後者の場合には、In含有層が、成膜後の冷却時において分解し、レーザ素子と機能させることができない。
11 第1導電型窒化物半導体層
12 活性層
13 第2導電型窒化物半導体層
14、24、34 In含有層
15 リッジ
16、26 埋め込み膜
17、27 p電極
18、28 保護膜
19 pパッド電極
20 n電極
21 コンタクト層
a リッジ形成領域外の領域
Claims (7)
- 第1導電型窒化物半導体層と、Inを含有する活性層と、第2導電型窒化物半導体層とをこの順に備えてなる窒化物半導体レーザ素子であって、
前記第2導電型窒化物半導体層に、表面側から第2導電型不純物含有層とIn含有層とをこの順に有し、かつ前記第2導電型窒化物半導体層表面にストライプ状のリッジを備えており、少なくとも該リッジの側面において前記In含有層が露出していることを特徴とする窒化物半導体レーザ素子。 - リッジの側面において露出したIn含有層が前記リッジの基底部に配置してなる請求項1に記載の窒化物半導体レーザ素子。
- リッジの側面において露出したIn含有層が絶縁性保護膜で被覆されてなる請求項1又は2に記載の窒化物半導体レーザ素子。
- 第2導電型不純物含有層が、クラッド層又はコンタクト層として機能する層である請求項1〜3のいずれか1つに記載の窒化物半導体レーザ素子。
- 第1導電型窒化物半導体層と、Inを含有する活性層と、第2導電型窒化物半導体層とをこの順に備えてなる窒化物半導体レーザ素子であって、
前記第2導電型窒化物半導体層内にIn含有層を有し、かつ前記第2導電型窒化物半導体層表面にストライプ状のリッジを備えており、該リッジの側面と該リッジが形成されていない前記第2導電型窒化物半導体層表面との一部又は全部において前記In含有層が露出しており、該露出したIn含有層が絶縁性保護膜で被覆されてなることを特徴とする窒化物半導体レーザ素子。 - 第2導電型窒化物半導体層が、少なくとも光ガイド層と、In含有層と、クラッド層とを備える請求項1〜5のいずれか1つに記載の窒化物半導体レーザ素子。
- 第2導電型窒化物半導体層が、p型窒化物半導体層である請求項1〜6のいずれか1つに記載の窒化物半導体レーザ素子。
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