JP2006164427A - 光ディスク用パターンシートの製造方法および製造装置、光ディスク用記録層シートの製造方法、および光ディスクの製造方法 - Google Patents

光ディスク用パターンシートの製造方法および製造装置、光ディスク用記録層シートの製造方法、および光ディスクの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 反りを発生させることなく、微細な凹凸パターンを高精度にかつ安定して転写することができる光ディスク用パターンシートの製造方法および製造装置;反りがなく、高品質な光ディスクを生産性よく得ることができる光ディスクの製造方法を提供する。
【解決手段】 表面に凹凸パターン部を有するロールスタンパ70と基材フィルム61上の樹脂層62とを接触させ、樹脂層62に放射線を照射して放射線硬化性樹脂の一部を硬化させ、ロールスタンパ70と樹脂層62とが分離した後、樹脂層62に放射線を照射して放射線硬化性樹脂をさらに硬化させるパターンシート60の製造方法;パターンシート60上に、少なくとも光反射層を設ける記録層シートの製造方法;記録層シートと光ディスク基板とを貼り合わせる光ディスクの製造方法により解決される。
【選択図】 図6

Description

本発明は、光ディスク用パターンシートの製造方法および製造装置、光ディスク用記録層シートの製造方法、および光ディスクの製造方法に関する。
光ディスクの記録層は、通常、以下のようにして形成される。
まず、ガラス板にフォトリソ法などによってピットおよび/またはトラック(ランド/グルーブ)からなる微細な凹凸パターンを形成し、ガラス原盤を得る。このガラス原盤をもとに、電鋳法によってニッケルなどからなる光ディスク原盤を作製する。
ついで、この光ディスク原盤、または電鋳法によってさらに複製された光ディスク原盤を、射出成形機の金型内にセットする。この金型内に熱可塑性樹脂を射出し、光ディスク基板を成形すると同時に、光ディスク基板の表面に光ディスク原盤の凹凸パターンを転写する。再生専用型の光ディスクの場合、光ディスク基板の凹凸パターン面に光反射層を形成し、記録層とする。追記型または書き換え型の場合、光ディスク基板の凹凸パターン面に光反射層を形成し、さらに有機色素からなる着色膜または無機相変化型材料薄膜層を形成し、記録層とする。
光ディスク基板を射出成形すると同時に、光ディスク基板の表面に光ディスク原盤の凹凸パターンを転写する方法では、1回の射出で1枚の光ディスク基板しか得られないため、生産性が低いという問題がある。また、最近の光ディスクの高密度化に伴い、凹凸パターンがさらに微細化されてきているが、この方法では、凹凸パターンの再現性が困難になりつつある。
そこで、凹凸パターンを有する複数のスタンパを、ロール本体の周面に等間隔をあけて配設したロールスタンパと、光ディスク基板となる樹脂シート上に塗布された紫外線硬化性樹脂からなる樹脂層とを接触させ、スタンパの凹凸パターンを樹脂シート上の樹脂層に転写する方法が提案されている(特許文献1)。
しかしながら、この方法では、紫外線の照射をロールスタンパの周面に樹脂シートが沿った状態で、紫外線を照射し、紫外線硬化性樹脂を完全に硬化させているので、ロールスタンパから樹脂シートを剥離しにくく、無理に剥離させると、凹凸パターンが損傷してしまうという問題がある。また、紫外線の照射をロールスタンパの周面に樹脂シートが沿った状態で、紫外線を照射し、紫外線硬化性樹脂を完全に硬化させているので、ロールスタンパの曲面と同じ形状に樹脂シートが反ってしまう。そのため、この樹脂シートから得られる光ディスクにも、光ディスクとして致命的な「反り」が発生する。
また、このロールスタンパにおいては、複数のスタンパが、ロール本体の周面に等間隔をあけて配設されているため、スタンパとロール本体との間で段差が生じる。このため、ロールスタンパを樹脂シートが通過する際、スタンパによって押し出された余分な紫外線硬化性樹脂による盛り上がりが段差部分に形成される。
ところで、上記のように光ディスク基板の表面に記録層を直接形成するのではなく、記録層が形成されたシート(以下、記録層シートと記す)と、光ディスク基板と別々に作製し、これらを貼り合わせることを想定した場合、記録層シートの基材フィルムはかなり薄いものとなる。この基材フィルムを、上記樹脂シートの代わりに用いた場合、紫外線硬化性樹脂の盛り上がりによって、凹凸パターンが転写された基材フィルムを巻き取った際に、基材フィルム、さらには凹凸パターンが、変形または破損してしまう問題も生じる。
特開平11−345436号公報
よって、本発明の目的は、反りを発生させることなく、基材フィルム上の樹脂層に微細な凹凸パターンを高精度にかつ安定して転写することができる光ディスク用パターンシートの製造方法;反りがなく、かつ光ディスク原盤の凹凸パターンが正確に再現された凹凸パターンを有する高品質な光ディスク用記録層シートを得ることができる光ディスク用記録層シート製造方法;および反りがなく、かつ光ディスク原盤の凹凸パターンが正確に再現された凹凸パターンを有する高品質な光ディスクを生産性よく得ることができる光ディスクの製造方法を提供することにある。
本発明の光ディスク用パターンシートの製造方法は、基材フィルム上に放射線硬化性樹脂からなる樹脂層を設ける工程と;表面に凹凸パターン部を1つ以上有するロールスタンパを回転させながら、ロールスタンパと樹脂層とが接触した状態で樹脂層に放射線を照射して放射線硬化性樹脂の一部を硬化させて、ロールスタンパの凹凸パターン部を樹脂層に転写する工程と;ロールスタンパと樹脂層とが分離した後、樹脂層に放射線を照射して放射線硬化性樹脂をさらに硬化させる工程とを有することを特徴とする。
該製造方法においては、1回目の放射線の照射時の積算光量と、2回目の放射線の照射時の積算光量とが異なっていてもよい。
また、本発明の光ディスク用パターンシートの製造方法は、基材フィルム上に放射線硬化性樹脂からなる樹脂層を設ける工程と;表面に凹凸パターン部を1つ以上有するロールスタンパを回転させながら、ロールスタンパと樹脂層とが接触した状態で、放射線の照射領域が基材フィルムの進行方向に交差する方向に延びるライン状となるように、放射線を樹脂層に照射して放射線硬化性樹脂を硬化させて、ロールスタンパの凹凸パターン部を樹脂層に転写する工程とを有することを特徴とする。
また、本発明の光ディスク用パターンシートの製造方法は、基材フィルム上に放射線硬化性樹脂からなる樹脂層を設ける工程と;表面に凹凸パターン部を1つ以上有するロールスタンパを回転させながら、ロールスタンパと樹脂層とが接触した状態で、ビーム状の放射線を基材フィルムの進行方向に交差する方向に走査しながら樹脂層に照射して、放射線硬化性樹脂を硬化させて、ロールスタンパの凹凸パターン部を樹脂層に転写する工程とを有することを特徴とする。
ここで、前記ロールスタンパは、ロール本体と、ロール本体の外周面を覆うようにロール本体に巻き付けられているスタンパとを具備するものであることが望ましい。
また、前記ロールスタンパの凹凸パターン部は、その周囲よりも3〜100μm高くされていることが望ましい。
また、未硬化の放射線硬化性樹脂の粘度は、50〜5000cpsであることが望ましい。
また、ロールスタンパの外径は、500mm以下であることが望ましい。
また、ロールスタンパの外径は、50mm以上であることが望ましい。
また、樹脂層の厚さは、基材フィルムの厚さの1/2以下であることが望ましい。
また、本発明の光ディスク用記録層シートの製造方法は、本発明の光ディスク用パターンシートの製造方法で得られた光ディスク用パターンシート上に、少なくとも光反射層を設ける工程を有することを特徴とする。
そして、本発明の光ディスクの製造方法は、本発明の光ディスク用記録層シートの製造方法で得られた記録層シートと光ディスク基板とを貼り合わせる工程を有することを特徴とする。
本発明の光ディスク用パターンシートの製造装置は、基材フィルム上に放射線硬化性樹脂からなる樹脂層を設ける手段と、回転自在に設けられた、表面に凹凸パターン部を1つ以上有するロールスタンパと、ロールスタンパと樹脂層とが接触した状態で樹脂層に放射線を照射して放射線硬化性樹脂の一部を硬化させる手段と、ロールスタンパと樹脂層とが分離した後、樹脂層に放射線を照射して放射線硬化性樹脂をさらに硬化させる手段とを有することを特徴とするものである。
本発明の光ディスク用パターンシートの製造装置は、基材フィルム上に放射線硬化性樹脂からなる樹脂層を設ける手段と、回転自在に設けられた、表面に凹凸パターン部を1つ以上有するロールスタンパと、ロールスタンパと樹脂層とが接触した状態で、放射線の照射領域が基材フィルムの進行方向に交差する方向に延びるライン状となるように、放射線を樹脂層に照射して放射線硬化性樹脂を硬化させる手段とを有することを特徴とするものである。
本発明の光ディスク用パターンシートの製造装置は、基材フィルム上に放射線硬化性樹脂からなる樹脂層を設ける手段と、回転自在に設けられた、表面に凹凸パターン部を1つ以上有するロールスタンパと、ロールスタンパと樹脂層とが接触した状態で、ビーム状の放射線を基材フィルムの進行方向に交差する方向に走査しながら樹脂層に照射して、放射線硬化性樹脂を硬化させる手段とを有することを特徴とするものである。
本発明の光ディスク用パターンシートの製造方法および製造装置によれば、得られる光ディスク用記録層シートに反りを発生させることなく、基材フィルム上の樹脂層に微細な凹凸パターンを高精度にかつ安定して転写することができる。
また、本発明の光ディスク用記録層シートの製造方法によれば、反りがなく、光ディスク原盤の凹凸パターンが正確に再現された凹凸パターンを有する高品質な光ディスク用記録層シートを得ることができる
また、本発明の光ディスクの製造方法によれば、反りがなく、かつ光ディスク原盤の凹凸パターンが正確に再現された凹凸パターンを有する高品質な光ディスクを生産性よく得ることができる。
<<光ディスク>>
図1は、光ディスクの一例を示す概略断面図である。この光ディスク10は、光ディスク基板11と、光ディスク基板11の一方の面に粘着層(図示略)を介して貼合された記録層12と、記録層12上に粘着層(図示略)を介して貼合された保護層13と、光ディスク基板11の他方の面に粘着層(図示略)を介して貼合された保護層14とを有して概略構成されるものである。
<光ディスク基板>
光ディスク基板11の材質としては、例えば、ポリカーボネート、ポリオレフィン、アクリル樹脂、エポキシ樹脂等の樹脂;ポリ乳酸等の生分解性樹脂;樹脂で表面が被覆された紙等が挙げられる。
<記録層>
記録層12は、情報が記録された層および/または情報を記録可能な層であり、光を照射することによって情報を記録および/または読み取りできるものである。
記録層12は、光ディスクの製造の際にあらかじめ情報を記録しておくものと、製造後に情報を記録できるものとがあり、通常、(1)光ディスクの製造時にあらかじめ情報を記録しておき、製造後には情報を記録できないもの(再生専用型);(2)光ディスクの製造時に情報を記録せず、製造後に情報を記録できるもの(追記型);(3)記録された情報を消去でき、かつ再度情報を記録することができるもの(書き換え型)の3種類に分類できる。
以下、各種類の記録層について具体的に説明する。
(再生専用型)
図2は、再生専用型の記録層の一例を示す断面図である。この記録層12は、記録層基材21と、記録層基材21表面に形成された表面に凹凸パターンを有する情報ピット形成層22と、情報ピット形成層22の凹凸パターンを覆う光反射層23とを有して概略構成されるものであり、記録層基材21側が光ディスク基板11(図示略)に接し、光反射層23側が粘着層(図示略)を介して保護層13に接している。
記録層基材21は、記録層12の支持体となるものである。記録層基材21としては、通常、樹脂フィルムが用いられる。樹脂フィルムとしては、例えば、ポリカーボネートフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンフィルム、環状ポリオレフィンフィルムなどが挙げられる。
情報ピット形成層22は、表面に凹凸パターンを有し、この凹凸パターンによりトラックと情報ピットを表現している。情報ピット形成層22は、例えば、ウレタンアクリレートオリゴマー、ポリエステルアクリレートオリゴマー、低粘度アクリルモノマー等のオリゴマーまたはモノマーと、光開始剤との組み合わせた紫外線硬化性樹脂;ウレタン変性アクリレート樹脂、アクリル変性ポリエステル樹脂等の電子線硬化性樹脂、などを硬化させたものである。
光反射層23は、情報ピット形成層22の凹凸パターンに沿って設けられ、照射された光を反射するものである。光反射層23は、例えば、真空蒸着、スパッタリング等によって形成された、アルミニウム、アルミニウム合金、銀、銀合金等の金属からなる薄膜である。
(追記型)
図3は、追記型の記録層の一例を示す断面図である。この記録層12は、記録層基材31と、記録層基材31表面に形成された表面に凹凸パターンを有する情報トラック形成層32と、情報トラック形成層32の凹凸パターンを覆う光反射層33と、光反射層33表面に形成された情報ピット記録層34とを有して概略構成されるものであり、記録層基材31側が光ディスク基板11(図示略)に接し、情報ピット記録層34側が粘着層(図示略)を介して保護層13に接している。
記録層基材31は、記録層12の支持体となるものである。記録層基材31としては、例えば、上述の記録層基材21と同じ樹脂フィルムを用いることができる。
情報トラック形成層32は、表面に溝深さ50〜110nmの凹凸パターンを有し、この凹凸パターンによりトラックを表現している。ただし、再生専用型と異なり、情報ピットは形成されていない。情報トラック形成層32は、例えば、上述の情報ピット形成層22と同じく、紫外線硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂などを硬化させたものである。
光反射層33は、情報トラック形成層32の凹凸に沿って設けられ、照射された光を反射するものである。光反射層33は、例えば、上述の光反射層23と同じく、真空蒸着、スパッタリング等によって形成された金属薄膜である。
情報ピット記録層34は、例えば、有機色素等からなる着色膜であり、情報記録用のレーザー光を照射することによって、照射部位の有機色素に分子構造の変化が生じ、物理的に変化(破壊)することによりこの部分が情報ピットとなり、情報信号が記録される。物理変化を生じた部位は光透過率が低下するため、読み取り用の光を照射すると、光反射層33からの反射光量も低下し、結果的に凹凸ピットが形成された場合と同様に情報信号が検出可能となる。
有機色素としては、例えば、フタロシアニン系色素、ナフタロシアニン系色素、ナフトキノン系色素、などが挙げられる。
(書き換え型)
図4は、書き換え型の記録層の一例を示す断面図である。この記録層12は、記録層基材41と、記録層基材41表面に形成された表面に凹凸パターンを有する情報トラック形成層42と、情報トラック形成層42の凹凸パターンを覆う光反射層43と、光反射層43表面に形成された情報ピット記録層44とを有して概略構成されるものであり、記録層基材41側が光ディスク基板11(図示略)に接し、情報ピット記録層44側が粘着層を介して保護層13に接している。
記録層基材41は、記録層12の支持体となるものである。記録層基材41としては、例えば、上述の記録層基材21と同じ樹脂フィルムを用いることができる。
情報トラック形成層42は、表面に溝深さ50〜110nmの凹凸パターンを有し、この凹凸パターンによりトラックを表現している。ただし、再生専用型と異なり、情報ピットは形成されていない。情報トラック形成層42は、例えば、上述の情報ピット形成層22と同じく、紫外線硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂などを硬化させたものである。
光反射層43は、情報トラック形成層42の凹凸に沿って設けられ、照射された光を反射するものである。光反射層43は、例えば、上述の光反射層23と同じく、真空蒸着、スパッタリング等によって形成された金属薄膜である。
情報ピット記録層44は、無機相変化型材料薄膜層であり、例えば、SiO2 膜、GeSbTe膜、SiO2 膜の3層を一組とする透明誘電体膜であり、図示例のものは、SiO2 膜51、GeSbTe膜52、SiO2 膜53、GeSbTe膜54、SiO2 膜55の順に積層した、2層構造の情報ピット記録層である。
情報ピット記録層44による情報の記録、消去および読み取りは、以下のように行われる。
レーザー光をGeSbTe膜に集光してこの膜を加熱し、ついで急冷してGeSbTe膜を多結晶化又は非結晶化して情報を記録する。そして、GeSbTe膜に影響しない程度の弱いレーザー光を照射し、多結晶化又は非結晶化したGeSbTe膜を透過して光反射層で反射した光を受光し、GeSbTe膜の結晶化の有無により情報を読み出す。他方、より低強度のレーザー光を多結晶化又は非結晶化したGeSbTe膜に集光してゆっくり加熱することにより、GeSbTe膜を結晶化して情報を消去する。この記録/消去は可逆的であり、記録を消去した後、再度別の情報を記録することができる。
SiO2 膜の代わりに、ZnS―SiO2 膜、Ta25膜、SiN膜、AlN膜を使用することもできる。また、GeSbTe膜の代わりに、AgInSbTe膜を用いることもできる。
これら各膜は、スパッタリング、真空蒸着などで形成することができる。
各膜の厚みは、およそ10〜300nmであり、層の種類、数によって適宜設定すればよい。例えば、情報ピット記録層44の各膜の厚さは、SiO2 膜(220nm)/GeSbTe膜(13nm)/SiO2 膜(25nm)/GeSbTe膜(40nm)/SiO2 膜(95nm)である。
<保護層>
保護層13は、記録層12の表面の保護して、記録層12の傷付きを防止するものである。
保護層13としては、光ディスクに照射された光を記録層12へ透過させる必要があることから、光透過性が高い樹脂フィルムが好ましい。
保護層13、14の厚さは、通常、0.03〜1.0mm、好ましくは0.1〜0.6mmである。
<<光ディスクの製造方法>>
光ディスク10は、ロールスタンパの凹凸パターン部を、基材フィルム上の樹脂層に転写して凹凸パターン部が転写された光ディスク用パターンシート(以下、単にパターンシートと記す)を製造し;該パターンシートに、光反射層等を設けて光ディスク用記録層シート(以下、単に記録層シートと記す)を製造し;該記録層シートと光ディスク基板11とを貼り合わせることによって製造される。
<パターンシート>
図5は、本発明におけるパターンシートの一例を示す概略断面図である。パターンシート60は、基材フィルム61と、基材フィルム61上に設けられた放射線硬化性樹脂からなる樹脂層62とを有するものである。
樹脂層62には、窪みの底面に凹凸パターン63が形成された凹凸パターン部64が形成されている。
本発明における「凹凸パターン」とは、光ディスクの記録層において、情報を記録するための小さな窪みであるピット;凹部(グルーブ)および凸部(ランド)からなるトラック(ランド/グルーブ);これらピットおよびトラックの凹凸を反転させた、原盤またはスタンパ表面に形成される凹凸、等を意味する。また、「凹凸パターン部」とは、前記凹凸パターンが形成された、光ディスクと同じ形状の領域を意味する。
基材フィルム61は、光ディスク10の記録層12の記録層基材21、31、41となるものである。
基材フィルム61としては、例えば、ポリカーボネートフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンフィルム、環状ポリオレフィンフィルム等の樹脂フィルムが用いられる。
基材フィルム61の厚さは、30〜200μmが好ましく、50〜100μmがより好ましい。基材フィルム61の厚さを30μm以上とすることにより、パターンシート60の破損、放射線硬化性樹脂の硬化に伴う樹脂層62の収縮によるパターンシート60の反りを抑えることができる。基材フィルム61の厚さを200μm以下とすることにより、基材フィルムとは異なる材料(例えば、紙など)からなる光ディスク基板との貼り合わせによる光ディスクの製造に適したものとなる。
樹脂層62は、光ディスク10の記録層12の情報ピット形成層22、情報トラック形成層32、42となるものである。
樹脂層62のとしては、ウレタンアクリレートオリゴマー、ポリエステルアクリレートオリゴマー、低粘度アクリルモノマー等のオリゴマーまたはモノマーと、光開始剤との組み合わせた紫外線硬化性樹脂;ウレタン変性アクリレート樹脂、アクリル変性ポリエステル樹脂等の電子線硬化性樹脂が用いられる。
放射線硬化性樹脂の粘度は、未硬化状態で50〜5000cpsであることが好ましい。放射線硬化性樹脂の粘度を50cps以上とすることにより、厚さのばらつきの少ない、膜厚な樹脂層62を形成することができる。放射線硬化性樹脂の粘度を5000cps以下とすることにより、ロールスタンパの凹凸パターン部を樹脂層62に精度よく転写でき、また、取扱性もよい。ここで、放射線硬化性樹脂の粘度は、JIS K−5600、回転粘度計にて計測される粘度である(25℃環境)。
樹脂層62の厚さは、基材フィルム61の厚さの1/2以下が好ましい。樹脂層62の厚さを、基材フィルム61の厚さの1/2以下とすることにより、厚さのばらつきの少ない樹脂層62を形成することができ、また、放射線硬化性樹脂の硬化に伴う樹脂層62の収縮によるパターンシート60の反りを抑えることができる。また、樹脂層62の厚さは、後述のスタンパ90の凹凸パターン部91の高さhよりも厚ければよく、3μm以上が好ましい。
<パターンシートの製造装置(I)>
図6は、本発明の光ディスク用パターンシートの製造装置の一例を示す概略図である。この光ディスク用パターンシートの製造装置は、基材フィルム61上に放射線硬化性樹脂からなる樹脂層62を設ける手段(以下、樹脂層形成手段)(図示略)と、回転自在に設けられた、表面に凹凸パターン部を1つ以上有するロールスタンパ70と、ロールスタンパ70と樹脂層62とが接触した状態で樹脂層62に放射線を照射して放射線硬化性樹脂の一部を硬化させる第1の放射線ランプ122と、ロールスタンパ70と樹脂層62とが分離した後、樹脂層62に放射線を照射して放射線硬化性樹脂をさらに硬化させる第2の放射線ランプ123とを有するものである。
樹脂層形成手段としては、塗布によって樹脂層62を設ける場合は、グラビアコーター、マイクログラビアコーター、ダイコーター、コンマコーター、エアナイフコーター、ロールコーター等が挙げられる。
<パターンシートの製造方法(I)>
パターンシート60は、例えば、基材フィルム61上に放射線硬化性樹脂からなる樹脂層62を設ける工程(樹脂層形成工程)と;表面に凹凸パターン部を1つ以上有するロールスタンパ70を回転させながら、該ロールスタンパ70と基材フィルム61上の樹脂層62とを接触させ、ロールスタンパ70と樹脂層62とが接触した状態で樹脂層62に放射線を照射して放射線硬化性樹脂の一部を硬化させて、ロールスタンパ70の凹凸パターン部を樹脂層62に転写する工程(プレ硬化工程)と;ロールスタンパ70と樹脂層62とが分離した後、樹脂層62に放射線を照射して放射線硬化性樹脂をさらに硬化させる工程(二次硬化工程)とを有する製造方法によって製造される。
(樹脂層形成工程)
一定方向に移動する帯状の基材フィルム61に、液状の放射線硬化性樹脂を塗布して樹脂層62を設ける。または、一定方向に移動する帯状の基材フィルム61と、半硬化状態の放射線硬化性樹脂からなるフィルムとを貼り合わせて基材フィルム61上に樹脂層62を設ける。
塗布方法としては、グラビアコート、マイクログラビアコート、ダイコート、コンマコート、エアナイフコート、ロールコート等が挙げられる。
(プレ硬化工程)
図6に示すように、表面に凹凸パターン部を1つ以上有するロールスタンパ70を回転させながら、ロールスタンパ70に基材フィルム61の樹脂層62側を押さえロール121で押し付け、ロールスタンパ70と樹脂層62とが接触した状態で、第1の放射線ランプ122からの放射線を、基材フィルム61側から樹脂層62に照射して放射線硬化性樹脂の一部を硬化させて、ロールスタンパ70の表面の凹凸パターン部を樹脂層62に転写する。
ロールスタンパ70については、パターンシートの製造方法の説明の最後で詳しく説明する。
放射線ランプ122としては、例えば、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ、マグネトロンランプ等の紫外線ランプ;フェラメント型の電子線チャンバー等が挙げられる。
放射線の照射は、放射線硬化性樹脂の一部が硬化し、全部が硬化しないように、照射面の積算光量が50〜200mJ/cm2 となるように行うことが好ましい。ここで、「放射線」とは、紫外線、可視光、赤外線等の光;電子線等を意味する。
(二次硬化工程)
図6に示すように、ロールスタンパ70と樹脂層62とを分離した後、第2の放射線ランプ123からの放射線を、基材フィルム61側から樹脂層62に照射して放射線硬化性樹脂をさらに硬化させて、ロールスタンパ70の表面の凹凸パターン部が樹脂層62に転写されたパターンシート60を得る。
放射線ランプ123としては、例えば、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ、マグネトロンランプ等の紫外線ランプ;フェラメント型の電子線チャンバー等が挙げられる。
放射線の照射は、放射線硬化性樹脂が完全に硬化するように、照射面の積算光量が500〜1000mJ/cm2 となるように行うことが好ましい。
<パターンシートの製造装置(II)>
図7は、本発明の光ディスク用パターンシートの製造装置の一例を示す概略図である。この光ディスク用パターンシートの製造装置は、基材フィルム61上に放射線硬化性樹脂からなる樹脂層62を設ける樹脂層形成手段(図示略)と、回転自在に設けられた、表面に凹凸パターン部を1つ以上有するロールスタンパ70と、ロールスタンパ70と樹脂層62とが接触した状態で、放射線を樹脂層62に照射して放射線硬化性樹脂を硬化させる第1の放射線ランプ122と、放射線の照射領域が基材フィルム61の進行方向に交差する方向に延びるライン状とするスリット125が形成された遮蔽板126とを有するものである。
<パターンシートの製造方法(II)>
パターンシート60の他の製造方法としては、例えば、前記樹脂層形成工程と;表面に凹凸パターン部を有するロールスタンパ70を回転させながら、該ロールスタンパ70と基材フィルム61上の樹脂層62とを接触させ、ロールスタンパ70と樹脂層62とが接触した状態で、放射線の照射領域が基材フィルム61の進行方向に交差する方向に延びるライン状となるように、放射線を樹脂層62に照射して放射線硬化性樹脂を硬化させて、ロールスタンパ70の凹凸パターン部を樹脂層62に転写する工程(硬化工程)とを有する製造方法が挙げられる。
(硬化工程)
図7に示すように、表面に凹凸パターン部を1つ以上有するロールスタンパ70を回転させながら、ロールスタンパ70に基材フィルム61の樹脂層62側を押さえロール121で押し付け、ロールスタンパ70と樹脂層62とが接触した状態で、第1の放射線ランプ122からの放射線を、基材フィルム61側から樹脂層62に照射して放射線硬化性樹脂を硬化させて、ロールスタンパ70と樹脂層62とを分離することによって、図5に示すような、ロールスタンパ70の表面の凹凸パターン部が樹脂層62に転写されたパターンシート60を得る。
放射線の照射は、図8に示すように、放射線の照射領域124が基材フィルム61の進行方向に交差する方向に延びるライン状となるように行う。このとき、照射面の積算光量が500〜1000mJ/cm2 となるように行うことが好ましい。
また、基材フィルム61の進行方向と、ライン状の照射領域124の長手方向とがなす角度は、基材フィルム61の進行方向を0゜としたとき、45〜90゜が好ましく、70〜90゜がより好ましく、90゜が最も好ましい。
基材フィルム61の進行方向に交差する方向の照射領域124の長さaは、照射領域124の両端が基材フィルム61の両側よりも外側となる長さであることが好ましく、基材フィルム61の進行方向の照射領域124の長さb(太さ)は、5〜10mmとすることが好ましい。
放射線の照射領域124を、基材フィルム61の進行方向に交差する方向に延びるライン状とする方法としては、第1の放射線ランプ122の前面に、スリット125が形成された遮蔽板126を配置する方法などが挙げられる。
また、ロールスタンパ70と樹脂層62とを分離した後に、第2の放射線ランプ123からの放射線を、基材フィルム61側から樹脂層62に照射して放射線硬化性樹脂をさらに硬化させてもよい。このとき、第1の放射線ランプ122からの放射線の照射は、放射線硬化性樹脂の一部が硬化し、全部が硬化しないように、照射面の積算光量が50〜200mJ/cm2 となるように行い、第2の放射線ランプ123からの放射線の照射は、照射面の積算光量が500〜1000mJ/cm2 となるように行うことが好ましい。
<パターンシートの製造装置(III)>
図9は、本発明の光ディスク用パターンシートの製造装置の一例を示す概略図である。この光ディスク用パターンシートの製造装置は、基材フィルム61上に放射線硬化性樹脂からなる樹脂層62を設ける樹脂層形成手段(図示略)と、回転自在に設けられた、表面に凹凸パターン部を1つ以上有するロールスタンパ70と、ロールスタンパ70と樹脂層62とが接触した状態で、ビーム状の放射線を基材フィルム61の進行方向に交差する方向に走査しながら樹脂層62に照射して、放射線硬化性樹脂を硬化させるビーム光源127とを有するものである。
<パターンシートの製造方法(III)>
パターンシート60の他の製造方法としては、例えば、前記樹脂層形成工程と;表面に凹凸パターン部を1つ以上有するロールスタンパ70を回転させながら、該ロールスタンパ70と基材フィルム61上の樹脂層62とを接触させ、ロールスタンパ70と樹脂層62とが接触した状態で、ビーム状の放射線を基材フィルム61の進行方向に交差する方向に走査しながら樹脂層62に照射して、放射線硬化性樹脂を硬化させて、ロールスタンパ70の凹凸パターン部を樹脂層62に転写する工程(硬化工程)とを有する製造方法が挙げられる。
(硬化工程)
図9に示すように、表面に凹凸パターン部を有するロールスタンパ70を回転させながら、ロールスタンパ70に基材フィルム61の樹脂層62側を押さえロール121で押し付け、ロールスタンパ70と樹脂層62とが接触した状態で、ビーム光源127からのビーム状の放射線を、基材フィルム61の進行方向に交差する方向に走査しながら基材フィルム61側から樹脂層62に照射して放射線硬化性樹脂を硬化させて、ロールスタンパ70と樹脂層62とを分離することによって、図5に示すような、ロールスタンパ70の表面の凹凸パターン部が樹脂層62に転写されたパターンシート60を得る。
ビーム光源127としては、例えば、Krレーザー、He−Cdレーザー、Arレーザー、Nd−YAGレーザー等が挙げられる。
放射線の照射は、照射面の積算光量が500〜1000mJ/cm2 となるように行うことが好ましい。
また、基材フィルム61の進行方向と、ビーム状の放射線の走査方向とがなす角度は、基材フィルム61の進行方向を0゜としたとき、45〜90゜が好ましく、70〜90゜がより好ましく、90゜が最も好ましい。
また、ロールスタンパ70と樹脂層62とを分離した後に、第2の放射線ランプ123からの放射線を、基材フィルム61側から樹脂層62に照射して放射線硬化性樹脂をさらに硬化させてもよい。このとき、ビーム光源127からの放射線の照射は、放射線硬化性樹脂の一部が硬化し、全部が硬化しないように、照射面の積算光量が50〜200mJ/cm2 となるように行い、第2の放射線ランプ123からの放射線の照射は、照射面の積算光量が500〜1000mJ/cm2 となるように行うことが好ましい。
<ロールスタンパ>
パターンシート60の製造に用いられるロールスタンパ70は、図10および図11に示すように、ロール本体80と、ロール本体80の外周面を覆うようにロール本体80に巻き付けられ、その両端がロール本体80の折り込み固定部81に固定されたスタンパ90とを具備して概略構成されるものである。本発明における「ロール本体の外周面を覆う」とは、スタンパの両端を固定するための固定部がある場合は、この固定部を除いたロール本体の全周にわたって、スタンパがロール本体に巻き付けられている状態を意味する。
ロールスタンパ70の外径は、500mm以下であることが好ましい。ロールスタンパ70の外径が大きすぎると、ロールスタンパ70からパターンシート60を剥離する際の剥離角が小さくなり、剥離性が悪くなる。また、大型のスタンパ90を用意する必要があり、コスト高となる。ロールスタンパ70の外径を500mm以下とすることにより、ロールスタンパ70と樹脂層62とを容易に分離することができ、凹凸パターン63が損傷することがない。
また、ロールスタンパ70の外径は、50mm以上であることが好ましい。ロールスタンパ70の外径を50mm以上とすることにより、パターンシート60の反りが抑えられる。
(ロール本体)
ロール本体80は、円筒体または円柱体であり、その外周面には、溝状の折り込み固定部81が、ロール本体80の中心軸に平行に設けられている。
ロール本体80は、外周面が平滑であればよく、その材質は特に限定されない。ロール本体80の外径は、50mm以上であることが好ましい。外径を50mm以上とすることで、スタンパ90の割れ、クラック等が発生することがなく、また、巻き付けられたスタンパ90の平面性が確保される。ロール本体80の外径は、100〜500mmが好ましい。
(スタンパ)
スタンパ90は、図12に示すように、ロール本体80の外周面とほぼ同じ寸法の長方形の平板であり、その表面に光ディスクの記録層の凹凸パターンに対応した凹凸パターンが形成された凹凸パターン部91を複数有するものである。
スタンパ90としては、光ディスク原盤の凹凸パターンが転写された凹凸パターン部を複数有する樹脂スタンパ;樹脂スタンパをもとに複製された、樹脂スタンパの凹凸パターン部に対応する凹凸パターン部を有する金属スタンパ等が挙げられる。また、光ディスク原盤に複数の凹凸パターン部が形成されている場合には、光ディスク原盤をスタンパ90として用いてもよい。ただし、スタンパ90は消耗品であり、かつ光ディスク原盤は作製に手間およびコストがかかることから、光ディスク原盤の凹凸パターンを転写した樹脂スタンパ、または樹脂スタンパを複製した金属スタンパをスタンパ90として用いることが好ましい。また、寸法安定性、耐摩耗性、離型性に優れることから、金属スタンパをスタンパ90として用いることがより好ましい。
金属スタンパの厚さは、50〜500μmが好ましく、100〜300μmがより好ましい。金属スタンパの厚さが50μm未満では、金属スタンパをロール本体80に巻き付ける際、局所的な凹み等が発生しやすくなり、金属スタンパの厚さが500μmを超えると、金属スタンパをロール本体80に巻き付ける際、ロール状に曲げにくくなる。
また、金属スタンパの表面には、耐摩耗性、離型性の向上のために、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)からなる薄膜を形成してもよい。
スタンパ90の凹凸パターン部91は、図13に示すように、その周囲よりも3μm以上高くされていることが好ましい。ここで、凹凸パターン部91の高さhは、凹凸パターン部91の周囲の面から、凹凸パターン部91に形成された凹凸パターン92の凹部の最も深い部分までの高さを意味する。
凹凸パターン部91が、その周囲よりも3μm以上高くされることによって、図5に示すように、凹凸パターン部91を、被転写体である基材フィルム61上の放射線硬化性樹脂からなる樹脂層62に転写した際、凹凸パターン63が、凹凸パターン部91の高さhに応じた窪み(凹凸パターン部64、深さh)の底面に形成される。これにより、接触による損傷または変形から、凹凸パターン63が保護される。
一方、凹凸パターン部91が高くなりすぎると、基材フィルム61上の樹脂層62の膜厚を厚くする必要があり、また、凹凸パターン部91の転写後における、転写部の膜厚と非転写部の膜厚との差が大きくなりすぎるため、凹凸パターン部91の高さhは、100μm以下が好ましい。凹凸パターン部91の高さhは、3〜50μmがより好ましい。
(ロールスタンパの製造方法)
ロールスタンパ70の製造方法について、スタンパ90が金属スタンパである場合を例にとって説明する。
ロールスタンパ70は、樹脂スタンパを製造する工程(以下、樹脂スタンパ製造工程と記す)と、該樹脂スタンパをもとに金属スタンパを複製する工程(以下、金属スタンパ製造工程と記す)と、該金属スタンパをロール本体に巻き付ける工程(以下、巻き付け工程と記す)とを経て製造される。
(樹脂スタンパ製造工程)
図14に示すように、スタンパ基材101上の放射線硬化性樹脂からなる樹脂層102に、光ディスク原盤110の凹凸パターン111が形成された面(凹凸パターン面)を押し込み、光ディスク原盤110の外径と同じ大きさの孔103が設けられたマスキング部材104をスタンパ基材101の裏面に配置し、スタンパ基材101の裏面側から光ディスク原盤110の凹凸パターン面が接触した部分の放射線硬化性樹脂に放射線を照射し、放射線硬化性樹脂を硬化させた後、光ディスク原盤110を樹脂層102から分離し、光ディスク原盤110の凹凸パターン111を樹脂層102に転写する(転写工程)。
この転写工程を繰り返し、所望の数の凹凸パターン部を形成した後、樹脂層102全体に放射線を照射して、樹脂層102全体を硬化させることによって、光ディスク原盤110の凹凸パターン111が転写された凹凸パターン部を複数有する樹脂スタンパが得られる。
スタンパ基材101としては、放射線を透過する材料、例えば、アクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリオレフィン等の樹脂からなるフィルム、シート、板等が挙げられる。また、光ディスク原盤110の凹凸パターン111を転写した後、樹脂層102を剥離して、該樹脂層102を樹脂スタンパとして用いる場合は、スタンパ基材101として、樹脂以外のガラス板等を用いてもよい。
樹脂層102は、例えば、液状の放射線硬化性樹脂をスタンパ基材101上に塗布して形成された層、半硬化状態の放射線硬化性樹脂からなるフィルムをスタンパ基材101上に貼り合わせて形成された層、などである。樹脂層102の膜厚は、後述の光ディスク原盤110を樹脂層102に押し込む深さHより厚くすればよく、例えば、5〜100μmである。
放射線硬化性樹脂としては、例えば、ウレタンアクリレートオリゴマー、ポリエステルアクリレートオリゴマー、低粘度アクリルモノマー等のオリゴマーまたはモノマーと、光開始剤との組み合わせた紫外線硬化性樹脂;ウレタン変性アクリレート樹脂、アクリル変性ポリエステル樹脂等の電子線硬化性樹脂が挙げられる。
塗布方法としては、グラビアコート、マイクログラビアコート、ダイコート、コンマコート、エアナイフコート、ロールコート等が挙げられる。
マスキング部材104は、放射線を透過しない材質からなるフィルム、シート、板等に、放射線を透過させるための孔103が設けられたものである。
光ディスク原盤110は、例えば、以下のようにして作製される。
ガラス板にフォトリソ法などによってピットおよび/またはトラック(ランド/グルーブ)からなる凹凸パターンを形成し、ガラス原盤を得る。このガラス原盤をもとに、電鋳法によってニッケルなどからなる金属盤を複製し、これを光ディスク原盤とする。
光ディスク原盤110を樹脂層102に押し込む深さHは、樹脂スタンパから複製される金属スタンパ(スタンパ90)の凹凸パターン部91がその周囲よりも3〜100μm高くなうように、3〜100μmとすることが好ましい。ここで、押し込む深さHとは、樹脂層102の表面から、凹凸パターン111の凹部の最も深い部分までの深さを意味する。
(金属スタンパ製造工程)
金属スタンパは、樹脂スタンパをもとにした電鋳法等の複製方法によって製造される。電鋳法とは、電気メッキの技術を利用し、原形(樹脂スタンパ)の表面に電気分解による電着によって金属を所望の厚さまで析出させ、鋳型で鋳物を作るように原形(樹脂スタンパ)と同じものを精密に複製する方法をいう。
具体的には、樹脂スタンパのパターン面に、スパッタリング、真空蒸着等によってニッケルなどの金属からなる導電層を形成し、この上に、ニッケル等の金属を所望の厚さまで電鋳して、図13に示すような、樹脂スタンパの凹凸パターン部に対応する凹凸パターン部91を有する金属スタンパ(スタンパ90)を複製する。
電鋳に用いられる金属材料としては、ニッケル、ニッケル合金、ニッケル化合物の他、銅、銀、金、クロム、チタン、鉄、亜鉛のいずれか一種からなる金属、これら二種以上からなる合金、これらのうち少なくとも一種を含む化合物等が挙げられる。これらの中でも、電鋳適性、離型性を考慮すると、ニッケル、ニッケル・コバルト合金が好ましい。
(巻き付け工程)
金属スタンパ(スタンパ90)の一端をロール本体80の折り込み固定部81に固定し、他端を引っ張って金属スタンパに張力を加えながら、外周面を覆うようにロール本体80に金属スタンパを巻き付け、金属スタンパに張力を加えた状態で、金属スタンパの他端をロール本体80の折り込み固定部81に固定する。
ロール本体80の折り込み固定部81への金属スタンパの固定は、例えば、金属スタンパの端部を折り曲げ、折り曲げ部分を折り込み固定部81に差し込み、長尺の金属板を折り曲げ部分の上に当てた状態で、金属スタンパの折り曲げ部分ごと、金属板を折り込み固定部81にネジ止めすることにより行われる。また、接着剤、粘着剤等を用いて金属スタンパをロール本体80に貼り付けてもよい。ただし、ロール本体80の再利用、固定のやり直しなどを考えた場合、ネジ止め等の着脱可能な固定が好ましい。
(他の製造方法)
樹脂スタンパをスタンパ90とする場合は、光ディスク原盤110の凹凸パターンを反転させた凹凸パターンを有し、かつ該凹凸パターンがスタンパ90の凹凸パターン部91に対応した窪みの底に形成された光ディスク原盤を用意し、上記樹脂スタンパ製造工程および巻き付け工程と同じ操作を行えばよい。
<記録層シートの製造方法>
記録層シートは、光ディスク10の記録層12となるものである。
記録層シートは、パターンシート60の樹脂層62上に、少なくとも光反射層を設けて得られる。記録層シートの製造は、再生専用型、追記型、書き換え型で異なる。
以下、各種類の記録層シートの製造方法について具体的に説明する。
(再生専用型)
パターンシート60の樹脂層62(情報ピット形成層22に相当)上に、真空蒸着、スパッタリング等によって金属薄膜からなる光反射層23を形成し、再生専用型の記録層シートを得る。
(追記型)
光反射層33の形成は、再生専用型の光反射層23と同様にして行う。
ついで、光反射層33上に、有機色素を塗布し、有機色素の着色膜からなる情報ピット記録層34を形成する。塗布方法としては、グラビアコート、マイクログラビアコート、ダイコート、コンマコート、エアナイフコート、ロールコート等が挙げられる。
(書き換え型)
光反射層43の形成は、追記型と同様にして行う。
ついで、光反射層43上に、スパッタリング、真空蒸着等によって、SiO2 膜51、GeSbTe膜52、SiO2 膜53、GeSbTe膜54、SiO2 膜55を順次、形成する。
<光ディスクの製造>
光ディスクは、このようにして得られた記録層シートと光ディスク基板11とを貼り合わせることによって得られる。
記録層シートと光ディスク基板11とを貼り合わせは、(i)帯状の記録層シート上に保護層13を設けた後、記録層シートをディスク状に打ち抜き、このディスク状の記録層シートと、裏面に保護層14が設けられたディスク状の光ディスク基板11とを粘着剤等を介して貼り合わせる方法;(ii)帯状の記録層シート上に保護層13を設け、この帯状の記録層シートと、裏面に保護層14が設けられた帯状の光ディスク基板11とを粘着剤等を介して貼り合わせた後、記録層シートと光ディスク基板11との積層シートをディスク状に打ち抜く方法;等により行われる。
<作用>
以上説明したパターンシートの製造方法にあっては、ロールスタンパ70と放射線硬化性樹脂からなる樹脂層62とを接触させて、ロールスタンパ70の凹凸パターン部91を樹脂層62に転写しているため、ロールスタンパ70の凹凸パターン部91を樹脂層62に精度よく転写できる。
また、以上説明したパターンシートの製造方法(I)にあっては、ロールスタンパ70と樹脂層62とが接触した状態で樹脂層62に放射線を照射して放射線硬化性樹脂の一部を硬化させ、放射線硬化性樹脂を完全に硬化させていないため、樹脂層62に柔軟性が残っており、ロールスタンパ70からパターンシート60を剥離しやすく、凹凸パターン63が損傷してしまうことがない。また、ロールスタンパ70と樹脂層62とが接触した状態で樹脂層62に放射線を照射して放射線硬化性樹脂の一部を硬化させ、ロールスタンパ70と樹脂層62とが分離した後、樹脂層62に放射線を照射して放射線硬化性樹脂をさらに硬化させているため、パターンシート60が平坦な状態で樹脂層62の放射線硬化性樹脂の硬化を完了でき、パターンシート60の反りが抑えられる。また、段階的に樹脂層62の放射線硬化性樹脂を硬化させているので、急激な硬化に伴う樹脂層62の収縮、およびパターンシート60の変形(反り)が抑えられる。
また、パターンシートの製造方法(II)にあっては、ロールスタンパ70と樹脂層62とが接触した状態で、放射線の照射領域124が基材フィルム61の進行方向に交差する方向に延びるライン状となるように、放射線を樹脂層62に照射して、ライン状に放射線硬化性樹脂を硬化させているため、広範囲に放射線を照射し、広範囲を同時に硬化させる場合に比べ、ロールスタンパ70の曲面と同じ形状にパターンシート60が反ってしまうことが抑えられる。
また、パターンシートの製造方法(III)にあっては、ロールスタンパ70と樹脂層62とが接触した状態で、ビーム状の放射線を基材フィルム61の進行方向に交差する方向に走査しながら樹脂層62に照射して、放射線硬化性樹脂を硬化させているため、パターンシートの製造方法(II)と同様に、広範囲に放射線を照射し、広範囲を同時に硬化させる場合に比べ、パターンシート60の反りが抑えられる。
また、スタンパ90がロール本体80の外周面を覆うようにロール本体80に巻き付けられたロールスタンパ70を用いているので、ロール本体80とスタンパ90との間に段差がない。よって、樹脂層62が設けられた基材フィルム61がロールスタンパ70を通過する際、スタンパ90によって押し出された余分な放射線硬化性樹脂による盛り上がりが形成されることがなく、スタンパ90の凹凸パターン部91が転写されたパターンシート60を巻き取った際に、この盛り上がりによって、基材フィルム61、さらには樹脂層62の凹凸パターン63が、変形または破損してしまうことがない。したがって、基材フィルム61上の樹脂層62に微細な凹凸パターンを高精度にかつ安定して転写することができる。
また、スタンパ90の凹凸パターン部91が、その周囲よりも3〜100μm高くされることによって、凹凸パターン部91を基材フィルム61の樹脂層62に転写した際、凹凸パターン63が、凹凸パターン部91の高さに応じた窪みの底面に形成される。これにより、接触による損傷または変形から、凹凸パターン63が保護される。
また、以上説明した記録層シートの製造方法にあっては、反りがなく、樹脂層62に微細な凹凸パターンが高精度にかつ安定して転写されたパターンシート60上に、少なくとも光反射層を設けているので、反りがなく、かつ光ディスク原盤の凹凸パターンが正確に再現された凹凸パターンを有する高品質な記録層シートを得ることができる。
また、以上説明した光ディスクの製造方法にあっては、このような記録層シートと光ディスク基板とを貼り合わせているので、反りがなく、かつ光ディスク原盤の凹凸パターンが正確に再現された凹凸パターンを有する高品質な光ディスクを生産性よく得ることができる。
なお、本発明の光ディスク用パターンシートの製造方法に用いられるロールスタンパは、図10に示すロールスタンパ70に限定はされず、スタンパ90が、ロール本体80の全周にわたって巻き付けられていればどのようなものでも構わない。例えば、図15に示すように、スタンパ93の幅が、ロール本体80の中心軸方向の長さよりも短くされ、スタンパ93の両縁よりも外側でロール本体80の外周面が露出しているロールスタンパ71であっても構わない。
また、スタンパは、図示例のスタンパ90に限定はされず、例えば、スタンパに形成される凹凸パターン部は、1つであっても構わない。ただし、光ディスクの生産性の観点から、スタンパに形成される凹凸パターン部は、複数であることが好ましい。
また、本発明のロールスタンパとして、グラビア印刷版の製版などで用いられるエッチング法または機械彫刻法によって、ロール上に凹凸パターン部が直接形成されたものを用いてもよい。
また、本発明の光ディスク用パターンシートの製造方法における二次硬化工程は、図示例のような1段に限定されず、複数の放射線ランプを並べて多段で行ってもよい。
以下に本発明の実施例を示す。
[実施例1]
(樹脂スタンパの製造)
トラック(ランド/グルーブ)およびピットからなる再生専用の凹凸パターン(トラックピッチ0.32μm、最小ピット長0.138μm)が形成された、外径120mmのガラス原盤から電鋳法にてニッケルからなる光ディスク原盤を作製した。
幅300mm、長さ600mm、厚さ1mmのアクリル板(三菱レイヨン(株)製、アクリライトEX)に液状の紫外線硬化性樹脂(新中村化学工業(株)製、U−201HA)を10μm厚となるように塗布して樹脂層を設けた。樹脂層に、光ディスク原盤の凹凸パターン面を押し込み、光ディスク原盤の外径と同じ大きさの孔が設けられたマスキング部材をアクリル板の裏面に配置し、アクリル板の裏面側から光ディスク原盤の凹凸パターン面が接触した部分の紫外線硬化樹脂に紫外線(80W/cm)を照射し、放射線硬化性樹脂を硬化させた後、光ディスク原盤を樹脂層から分離し、光ディスク原盤の凹凸パターンを樹脂層に転写した。この操作を繰り返し、最後に全面に紫外線を照射して、8つの凹凸パターン部を有する樹脂スタンパを作製した。樹脂層の表面から、凹凸パターンの凸部の頂点までの深さは3.0μmであった。
(金属スタンパの製造)
この樹脂スタンパのパターン面に、真空蒸着法にてニッケルを蒸着させ、0.1μmのニッケルからなる導電層を形成し、この上に、電鋳法にてニッケルを析出させ、樹脂スタンパの凹凸パターン部に対応する凹凸パターン部を有する厚さ180μmの金属スタンパを複製した。金属スタンパの凹凸パターンをAFM(SII社製、原子間力顕微鏡)で計測したところ、光ディスク原盤と同じトラックおよびピットが再現されていることが確認された。また、凹凸パターン部の高さhは、3.0μmであった。
(ロールスタンパの製造)
得られた金属スタンパを外径150mmの鉄製ロールに、凹凸パターン部を外側に向けた状態で、ロールの外周面を覆うように巻き付け、両端をロールの溝(折り込み固定部)にプレートのネジ止めで固定し、ロールスタンパを得た。
(パターンシートの製造)
10m/sで一定方向に移動する、幅350mm、厚さ75μmの帯状のポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(帝人デュポン社製、テイジンテトロンフィルムHPE)に、コンマコーターを用いて、液状の放射線硬化性樹脂(新中村化学工業(株)製、U−601LPA、粘度1650cps)を10μm厚となるように塗布して樹脂層を設けた。
図6に示す製造装置にロールスタンパを装着し、ロールスタンパを回転させながら、ロールスタンパにPETフィルムの樹脂層側を押さえロールで押し付け、ロールスタンパと樹脂層とが接触した状態で、高圧水銀ランプ(ジャテック社製、80w/cm、照射距離10cm)からの紫外線を、PETフィルム側から樹脂層に照射して(積算光量100mJ/cm2 )紫外線硬化性樹脂の一部を硬化させて、その後、ロールスタンパと樹脂層とを分離し、パターンシートが平坦になったところで、さらに、高圧水銀ランプ(ジャテック社製、160w/cm、照射距離5cm)からの紫外線を、PETフィルム側から樹脂層に照射して(積算光量800mJ/cm2 )紫外線硬化性樹脂を完全に硬化させすることによって、金属スタンパの凹凸パターン部が転写されたパターンシートを得た。
得られたパターンシートの凹凸パターン部をディスク状に打ち抜き、試験シートを得て、これを平坦面に置き、周縁の浮きを確認したところ、浮きは見られなかった。また、樹脂層の厚さのばらつきは±1μm以内であった。
(記録層シートの製造)
パターンシートの樹脂層上に、真空蒸着法によってアルミニウムを蒸着させ、厚さ60nmの光反射層を形成し、再生専用型の記録層シートを得た。転写された凹凸パターン部の真円度は±5μm以内であり、凹凸パターンをAFMで計測したところ、光ディスク原盤と同じトラックおよびピットが再現されていることが確認された。また、凹凸パターン部の深さhは、3.0μmであった。
(光ディスクの製造)
記録層シートの光反射層上に、保護層として、厚さ80μmのポリカーボネートフィルムに厚さ20μmの粘着剤があらかじめラミネートされたものを貼り合わせた後、記録層フィルムの凹凸パターン部をディスク状に打ち抜き、このディスク状の記録層シートのPETフィルム面を、ポリカーボネートからなる厚さ1.0mmのディスク状の光ディスク基板に貼り付け、光ディスクを得た。パルステック工業(株)製の光ディスクドライブ装置(製品名:DDU−1000)を用い、光ディスクに記録された情報を読み取ったところ、問題なく読み取ることができた。また、光ディスクを平坦面に置き、周縁の浮きを確認したところ、浮きは見られなかった。
[実施例2]
(パターンシートの製造)
10m/sで一定方向に移動する、幅350mm、厚さ75μmの帯状のポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(帝人デュポン社製、テイジンテトロンフィルムHPE)に、ロールコーターを用いて、液状の放射線硬化性樹脂(新中村化学工業(株)製、U−601LPA、粘度1650cps)を10μm厚となるように塗布して樹脂層を設けた。
図7に示すスタンパ装置に実施例1で用いたロールスタンパを装着し、ロールスタンパを回転させながら、ロールスタンパにPETフィルムの樹脂層側を押さえロールで押し付け、ロールスタンパと樹脂層とが接触した状態で、高圧水銀ランプ(ジャテック社製、160w/cm、照射距離5cm)からの紫外線を、スリットが形成された遮蔽板を用いて紫外線の照射領域が基材フィルム61の進行方向に交差する方向に延びるライン状(太さb:10mm)となるように、PETフィルム側から樹脂層に照射して(積算光量1000mJ/cm2 )紫外線硬化性樹脂を硬化させることによって、金属スタンパの凹凸パターン部が転写されたパターンシートを得た。
得られたパターンシートの凹凸パターン部をディスク状に打ち抜き、試験シートを得て、これを平坦面に置き、周縁の浮きを確認したところ、浮きは見られなかった。また、樹脂層の厚さのばらつきは±1μm以内であった。
(記録層シートの製造)
実施例1と同様にして、再生専用型の記録層シートを得た。転写された凹凸パターン部の真円度は±5μm以内であり、凹凸パターンをAFMで計測したところ、光ディスク原盤と同じトラックおよびピットが再現されていることが確認された。また、凹凸パターン部の深さhは、3.0μmであった。
(光ディスクの製造)
実施例1と同様にして、光ディスクを得た。パルステック工業(株)製の光ディスクドライブ装置(製品名:DDU−1000)を用い、光ディスクに記録された情報を読み取ったところ、問題なく読み取ることができた。また、光ディスクを平坦面に置き、周縁の浮きを確認したところ、浮きは見られなかった。
本発明の光ディスク用パターンシートの製造方法、光ディスク用記録層シートの製造方法、および光ディスクの製造方法によれば、高品質な光ディスクを生産性よく得ることができ、光ディスクの製造コストを大幅に削減できる。
光ディスクの一例を示す概略断面図である。 光ディスクの記録層の一例を示す概略断面図である。 光ディスクの記録層の他の例を示す概略断面図である。 光ディスクの記録層の他の例を示す概略断面図である。 図3のスタンパによって被転写体に形成される転写された凹凸パターンを示す概略断面図である。 本発明の光ディスク用パターンシートの製造装置の一例を示す概略図である。 本発明の光ディスク用パターンシートの製造装置の他の例を示す概略図である。 図7の製造装置の第1の放射線ランプから照射される放射線の照射領域を示す概略図である。 本発明の光ディスク用パターンシートの製造装置の他の例を示す概略図である。 ロールスタンパの一例を示す概略斜視図である。 図10のロールスタンパの概略端面図である。 ロールスタンパを構成するスタンパの一例を示す概略上面図である。 図12のスタンパの凹凸パターン部を示す概略断面図である。 光ディスク原盤の凹凸パターンを転写して樹脂スタンパを製造する様子を示す概略断面図である。 ロールスタンパの他の例を示す概略斜視図である。
符号の説明
10 光ディスク
11 光ディスク基板
12 記録層
23 光反射層
33 光反射層
43 光反射層
60 パターンシート
61 基材フィルム
62 樹脂層
70 ロールスタンパ
71 ロールスタンパ
80 ロール本体
90 スタンパ
91 凹凸パターン部
92 凹凸パターン
93 スタンパ
122 第1の放射線ランプ
123 第2の放射線ランプ
126 遮蔽板
127 ビーム光源

Claims (15)

  1. 基材フィルム上に放射線硬化性樹脂からなる樹脂層を設ける工程と、
    表面に凹凸パターン部を1つ以上有するロールスタンパを回転させながら、ロールスタンパと樹脂層とが接触した状態で樹脂層に放射線を照射して放射線硬化性樹脂の一部を硬化させて、ロールスタンパの凹凸パターン部を樹脂層に転写する工程と、
    ロールスタンパと樹脂層とが分離した後、樹脂層に放射線を照射して放射線硬化性樹脂をさらに硬化させる工程と
    を有することを特徴とする光ディスク用パターンシートの製造方法。
  2. 基材フィルム上に放射線硬化性樹脂からなる樹脂層を設ける工程と、
    表面に凹凸パターン部を1つ以上有するロールスタンパを回転させながら、ロールスタンパと樹脂層とが接触した状態で、放射線の照射領域が基材フィルムの進行方向に交差する方向に延びるライン状となるように、放射線を樹脂層に照射して放射線硬化性樹脂を硬化させて、ロールスタンパの凹凸パターン部を樹脂層に転写する工程と
    を有することを特徴とする光ディスク用パターンシートの製造方法。
  3. 基材フィルム上に放射線硬化性樹脂からなる樹脂層を設ける工程と、
    表面に凹凸パターン部を1つ以上有するロールスタンパを回転させながら、ロールスタンパと樹脂層とが接触した状態で、ビーム状の放射線を基材フィルムの進行方向に交差する方向に走査しながら樹脂層に照射して、放射線硬化性樹脂を硬化させて、ロールスタンパの凹凸パターン部を樹脂層に転写する工程と
    を有することを特徴とする光ディスク用パターンシートの製造方法。
  4. 前記ロールスタンパが、ロール本体と、ロール本体の外周面を覆うようにロール本体に巻き付けられているスタンパとを具備するものであることを特徴とする請求項1ないし3いずれか一項に記載の光ディスク用パターンシートの製造方法。
  5. 前記ロールスタンパの凹凸パターン部が、その周囲よりも3〜100μm高くされていることを特徴とする請求項1ないし4いずれか一項に記載の光ディスク用パターンシートの製造方法。
  6. 未硬化の放射線硬化性樹脂の粘度が、50〜5000cpsであることを特徴とする請求項1ないし5いずれか一項に記載の光ディスク用パターンシートの製造方法。
  7. ロールスタンパの外径が500mm以下であることを特徴とする請求項1ないし6いずれか一項に記載の光ディスク用パターンシートの製造方法。
  8. ロールスタンパの外径が50mm以上であることを特徴とする請求項1ないし7いずれか一項に記載の光ディスク用パターンシートの製造方法。
  9. 樹脂層の厚さが、基材フィルムの厚さの1/2以下であることを特徴とする請求項1ないし8いずれか一項に記載の光ディスク用パターンシートの製造方法。
  10. 1回目の放射線の照射時の積算光量と、2回目の放射線の照射時の積算光量とが異なることを特徴とする請求項1記載の光ディスク用パターンシートの製造方法。
  11. 請求項1ないし10いずれか一項に記載の光ディスク用パターンシートの製造方法で得られた光ディスク用パターンシート上に、少なくとも光反射層を設ける工程を有することを特徴とする光ディスク用記録層シートの製造方法。
  12. 請求項11に記載の光ディスク用記録層シートの製造方法で得られた記録層シートと光ディスク基板とを貼り合わせる工程を有することを特徴とする光ディスクの製造方法。
  13. 基材フィルム上に放射線硬化性樹脂からなる樹脂層を設ける手段と、
    回転自在に設けられた、表面に凹凸パターン部を1つ以上有するロールスタンパと、
    ロールスタンパと樹脂層とが接触した状態で樹脂層に放射線を照射して放射線硬化性樹脂の一部を硬化させる手段と、
    ロールスタンパと樹脂層とが分離した後、樹脂層に放射線を照射して放射線硬化性樹脂をさらに硬化させる手段と
    を有することを特徴とする光ディスク用パターンシートの製造装置。
  14. 基材フィルム上に放射線硬化性樹脂からなる樹脂層を設ける手段と、
    回転自在に設けられた、表面に凹凸パターン部を1つ以上有するロールスタンパと、
    ロールスタンパと樹脂層とが接触した状態で、放射線の照射領域が基材フィルムの進行方向に交差する方向に延びるライン状となるように、放射線を樹脂層に照射して放射線硬化性樹脂を硬化させる手段と
    を有することを特徴とする光ディスク用パターンシートの製造装置。
  15. 基材フィルム上に放射線硬化性樹脂からなる樹脂層を設ける手段と、
    回転自在に設けられた、表面に凹凸パターン部を1つ以上有するロールスタンパと、
    ロールスタンパと樹脂層とが接触した状態で、ビーム状の放射線を基材フィルムの進行方向に交差する方向に走査しながら樹脂層に照射して、放射線硬化性樹脂を硬化させる手段と
    を有することを特徴とする光ディスク用パターンシートの製造装置。
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