JP2006163119A5 - - Google Patents

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電子楽器
本発明は、電子楽器に関し、特に一つの鍵域を複数の鍵域に分割することができる電子楽器に関する。
従来、一つの鍵域を複数の鍵域に分割し、それぞれの鍵域において演奏される楽音の音高や音色をそれぞれ設定することができるいわゆるスプリットという機能を有する電子楽器が知られている。
特開2000−20063号公報(特許文献1)には、一つの鍵盤を2人で合奏演奏する連弾モードを設定することができる電子楽器が開示されている。この連弾モードでは、それぞれの鍵域で演奏される楽音の音域や音色などの楽音の特性が設定される。
特開2000−20063号公報
しかしながら、特許文献1に開示されている電子楽器は、連弾を行うことを目的としたもので、一つの鍵盤を複数の人がそれぞれ独立して使用することは、考慮されていない。よって、複数の人がそれぞれ独立して演奏練習を行うような場合には、他の人が隣の鍵域を使用して演奏する楽音が邪魔になり適切に演奏できないという問題点があった。
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、一つの鍵域を複数に分割してそれぞれの鍵域で複数の人が演奏を行う場合に好適な電子楽器を提供することを目的とする。
この目的を達成するために、請求項1記載の電子楽器は、複数の鍵により構成される一つの鍵域に所定の特性の楽音が割り当てられる通常モードと、前記鍵域を複数の鍵域に分割しそれぞれの鍵域に異なる特性の楽音が割り当てられる分割モードとを選択するモード選択手段と、いずれかの鍵が操作された場合、前記モード選択手段により選択されているモードに応じ、その鍵の鍵域に割り当てられた特性の楽音を発生する楽音発生手段とを備えたものであって、前記楽音発生手段により発生された楽音を第1のヘッドホンへ出力する第1の出力手段と、前記楽音発生手段により発生された楽音を第2のヘッドホンへ出力する第2の出力手段と、前記モード選択手段により通常モードが選択されている場合は、前記楽音発生手段により発生された楽音を第1の出力手段および・または第2の出力手段に供給し、分割モードが選択されている場合は、一の鍵域により演奏された楽音を前記第1の出力手段に供給し、他の鍵域により演奏された楽音を第2の出力手段に供給する供給手段とを備えている。なお、ヘッドホンは、耳に装着して楽音を聴取することができる音声変換器であって、イヤホンのように、耳部に挿入して装着するものも含むものである。
請求項2記載の電子楽器は、請求項1記載の電子楽器において、前記楽音発生手段は、左右チャンネルの信号をそれぞれ発生するものであり、前記第1の出力手段は、前記楽音発生手段により発生された左右チャンネルの信号をそれぞれ第1のヘッドホンへ出力し、前記第2の出力手段は、前記楽音発生手段により発生された左右チャンネルの信号をそれぞれ第2のヘッドホンへ出力するものである。
請求項1記載の電子楽器によれば、楽音発生手段により発生された楽音は、第1の出力手段により第1のヘッドホンへ出力されるとともに、第2の出力手段により第2の出力手段により第2のヘッドホンへ出力される。分割モード選択手段により通常モードが選択されている場合は、供給手段により楽音発生手段により発生された楽音を第1の出力手段および・または第2の出力手段に供給され、分割モードが選択されている場合は、一の鍵域により演奏された楽音を前記第1の出力手段に供給し、他の鍵域により演奏された楽音を第2の出力手段に供給される。よって、通常モードでは、演奏された楽音を第1のヘッドホンと第2のヘッドホンとで聴取することができ、分割モードでは、一の鍵域で演奏された楽音は、第1のヘッドホンにより聴取され、他の鍵域で演奏された楽音は、第2のヘッドホンで聴取することができる。よって、分割モードでは、一の鍵域で演奏を行う演奏者は、他の鍵域で演奏された楽音に邪魔されることがなく一つの鍵域を複数に分割してそれぞれの鍵域で複数の人が演奏を行う場合に好適であるという効果がある。
請求項2記載の電子楽器によれば、請求項1記載の電子楽器の奏する効果に加え、楽音発生手段は、左右チャンネルの信号をそれぞれ発生するものであり、第1の出力手段は、楽音発生手段により発生された左右チャンネルの信号をそれぞれ第1のヘッドホンへ出力し、第2の出力手段は、楽音発生手段により発生された左右チャンネルの信号をそれぞれ第2のヘッドホンへ出力するので、第1の出力手段により出力された楽音を聴取する演奏者は、第1のヘッドホンで左右チャンネルの信号をそれぞれ聴取し、第2の出力手段により出力された楽音を聴取する演奏者は、第2のヘッドホンで左右チャンネルの信号をそれぞれ聴取することができる。よって、左右チャンネルがステレオ信号であった場合には、それぞれの演奏者は、本来の定位感が損なわれることなく音質が良好な状態で聴取しながら演奏することができるという効果がある。
以下、本発明の好ましい実施例について、添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態である電子楽器1の電気的構成を示したブロック図である。
電子楽器1は、CPU2と、ROM3と、RAM4と、鍵盤5と、操作パネル6と、ペダル7と、音源8とを備え、これらはバスラインにより相互に接続して構成される。音源8の出力は、D/A変換器9に接続され、D/A変換器9の出力は、アンプ10および、2つのヘッドホン回路1,2に接続され、アンプ10は、スピーカ11に接続されている。
CPU2は演算処理装置であり、ROM3には、このCPU2により実行される各種の制御プログラムやその実行の際に参照される固定値データが記憶される。固定値データとしては、後述するシフトテーブルが記憶される。RAM4は、モードを示すモードフラグ、モードスイッチ6d(図2参照)が押されていることを示すモードボタンフラグ、モードの変更を行うかを示すモードチェンジフラグやROM3等に記憶される制御プログラムの実行に当たって各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであり書き換え可能に構成される。
鍵盤5は、複数の白鍵および黒鍵を有し演奏者が押鍵、離鍵することにより音高および押鍵速度、離鍵速度を出力する。
操作パネル6は、鍵盤5の近傍に配置され各種ボリュームやスイッチなどを有し、ユーザにより手で操作されモードや楽音のパラメータなどが設定される。ペダル7は、鍵盤5の下方であって、演奏者の足下に配置され、演奏者が足で踏み込むことにより操作を行うものである。
音源8は、鍵盤5による押鍵、離鍵の演奏操作に応じて、鍵に対応する音高の楽音の発生、停止を行うもので、操作パネル6に備えられた音色選択スイッチ6a,6b,6c(図2参照)により選択された音色の楽音を発生する。音源8は、これらの音色の楽音の左チャンネルおよび右チャンネルのそれぞれの波形を記憶し、楽音の発生を行う場合には、これらの記憶された波形を読出し鍵により指定される音高と押鍵速度に対応する振幅エンベロープを有する楽音を形成する。
音源8は、デジタルの楽音信号を出力するものであり、D/A変換器9によりアナログの楽音信号に変換される。D/A変換器9により変換されたアナログ楽音信号は、アンプ10およびヘッドホン回路1,2に供給される。ヘッドホン回路1,2は、ヘッドホンを駆動するヘッドホンアンプとヘッドホンアンプの出力にヘッドホンを接続する接続端子を備えている。ヘッドホン回路1,2の両方の接続端子にヘッドホンが接続されていない場合は、スピーカ11から楽音が放音され、ヘッドホン回路1,2のいずれかの接続端子にヘッドホンが接続された場合は、スピーカからは楽音が放音されず、接続されたヘッドホンから楽音が放音される。
次に、図2を参照して電子楽器1の操作パネル6およびペダル7について説明する。図2(a)は、電子楽器1の操作パネル6を示す操作パネル図である。操作パネル6には、音色を選択する音色選択スイッチ6a,6b,6cと、鍵盤を全域で使用する通常モードと、鍵盤を2つの領域に分割して使用する分割モード(ツインピアノモード)との切り替え設定を行うモードスイッチ6dと、設定されているモードなどを表示する表示器6eとを備えている。
音色選択スイッチ6aは、ピアノ、音色選択スイッチ6bは、電気ピアノ、音色選択スイッチ6cは、ストリングスの音色をそれぞれ選択するスイッチである。モードスイッチ6dは、通常モードと分割モードとを切り替えるとともに、鍵域を上鍵域と下鍵域の2つの鍵域に分割するスプリットポイント(分割位置)を設定するものである。詳細に説明すると、電子楽器1が通常モードに設定されている場合に、モードスイッチ6dが操作されると分割モードに設定され、電子楽器1が分割モードに設定されている場合に、モードスイッチ6dが操作されると通常モードに設定される。RAM4に記憶されるモードフラグは、通常モードの場合0に、分割モードの場合1に設定される。
電子楽器1が通常モードまたは分割モードのいずれかに設定されている場合に、モードスイッチ6dを押下しながら鍵盤5のいずれかの鍵を押下すると、その鍵がスプリットポイントとして設定されるとともに分割モードに設定される。なお、スプリットポイントは、上鍵域の最も低い鍵である。例えば、モードスイッチ6dを押下しながら音高C4の鍵を押下すると、C4がスプリットポイントに設定され、最低鍵からB4までが下鍵域であり、C4から最高鍵までが上鍵域として設定される。表示器6eは、LCDなどにより構成され、設定されているモードの名称やスプリットポイントが表示される。
図2(b)は、電子楽器1のペダル7を示すペダル図である。ペダル7は、足で踏み込まれることにより操作されるもので、第1のペダル7aと第2のペダル7bとを有する。これらのペダル7a,7bには、それぞれ可変抵抗器が備えられ、足により踏み込まれた操作位置に対応する電圧がA/D変換器(図示なし)により検出される。電子楽器1が、通常モードに設定されている場合には、第1のペダル7aは、ソフトペダルとして機能し、第2のペダル7bは、ダンパーペダルとして機能する。
一方、電子楽器1が分割モードに設定されている場合には、第1のペダル7aは、下鍵域に対するダンパーペダルとして機能し、第2のペダル7bは、上鍵域に対するダンパーペダルとして機能する。
次に、図3を参照して、音源8を構成する発音チャンネルについて説明する。図3は、一つの発音チャンネルの構成を概略的に示す回路図である。音源8は、デジタル回路で構成され、同時に複数(例えば、64)の楽音を形成することができ、個々の楽音を形成する構成を発音チャンネルという。音源8の回路構成は、種々の処理を行う演算回路を有し、この演算回路により複数の発音チャンネルの楽音が時分割で形成されるものである。
図3は、説明を分かりやすくするために発音チャンネルを一つのボックスとして表している。各発音チャンネルは、左チャンネル出力Lと右チャンネル出力Rとを有する。左チャンネル出力Lは、VR−L1を係数とする乗算器を介してヘッドホン回路1の左チャンネルと、VR−L2を係数とする乗算器を介してヘッドホン回路2の左チャンネルとに接続されている。右チャンネル出力Rは、VR−R1を係数とする乗算器を介してヘッドホン回路1の右チャンネルと、VR−R2を係数とする乗算器を介してヘッドホン回路2の右チャンネルとに接続されている。これらの係数VR−L1,VR−L2,VR−R1,VR−R2は、0から1までの値をとり、係数が0の場合は、出力されず、係数が1の場合は、入力値がそのまま出力される。
乗算器により係数VR−L1,VR−L2,VR−R1,VR−R2が乗算された出力L1,L2,R1、R2は、全ての発音チャンネルのL1,L2,R1、R2とそれぞれ合成され、合成された出力L1、R1は、ヘッドホン回路1へ、L2,R2は、ヘッドホン回路2へそれぞれ出力される。
電子楽器1が、通常モードに設定されている場合は、係数VR−L1,VR−L2,VR−R1,VR−R2は、全て1に設定され、分割モードに設定されている場合には、発音チャンネルが割り当てられる音高が属する鍵域により変化する。
発音チャンネルが、上鍵域に属する音高に割り当てられた場合は、VR−L1とVR−R1とは、1に設定され、VR−L2とVR−R2とは、0に設定される。従って、発音チャンネルに上鍵域に属する音高が割り当てられた場合は、その発音チャンネルが発生した楽音はヘッドホン回路1へ出力され、ヘッドホン回路2へは出力されない。
一方、発音チャンネルが、下鍵域に属する音高に割り当てられた場合は、係数VR−L1とVR−R1とは、0に設定され、VR−L2とVR−R2とは、1に設定される。従って、発音チャンネルに下鍵域に属する音高が割り当てられた場合は、その発音チャンネルが発生した楽音はヘッドホン回路2へ出力され、ヘッドホン回路1へは出力されない。
次に、図4、図5および図6を参照して、電子楽器1に備えられるCPU2により実行される処理について説明する。
図4は、電子楽器1のCPU2により実行されるメイン処理を示すフローチャートであり、電子楽器1の電源が投入されてから遮断されるまで継続して実行されるものである。まず、初期設定が行われる(S1)。この初期設定としては、モードフラグを0(通常モード)に、モードボタンフラグおよびモードチェンジフラグを0に設定し、ペダル7の操作を検出するタイマインタラプトを設定する処理などが行われる。
次に、音色選択スイッチ6a,6b,6cのいずれかが操作されたか否かを判断する(S2)。いずれかの音色選択スイッチが操作されたと判断した場合は(S2:Yes)、その選択された音色に対応する波形を読出すように設定する音色設定処理を行う(S3)。
音色選択スイッチが操作されていないと判断した場合、またはS3の音色設定処理が終了した場合は、次にモードスイッチ6dが押されたか(離されている状態から押されている状態へ変化したか)否かを判断する(S4)。モードスイッチ6dが、押されたと判断した場合は(S4:Yes)、モードボタンフラグを1に、モードチェンジフラグを1に設定する(S5)。
モードスイッチ6dが押されたのではないと判断した場合(S4:No)、またはS5の処理でモードボタンフラグとモードチェンジフラグをセットした場合は、次に、モードスイッチ6dが、離されたか(押されている状態から離された状態へ変化したか)否かを判断する(S6)。
モードスイッチ6dが離されたと判断した場合は(S6:Yes)、モードボタンフラグを0に設定し(S7)、モードチェンジフラグが1に設定されているか否かを判断する(S8)。モードチェンジフラグが1に設定されていると判断した場合は(S8:Yes)、モードを反転する(S9)。すなわち、現在モードフラグが0(通常モード)に設定されている場合には、1(分割モード)に設定し、モードフラグが1(分割モード)に設定されている場合には、0(通常モード)に設定する。
S6の処理でモードスイッチ6dが離されたと判断されなかった場合(S6:No)、またはS8の処理でモードチェンジフラグが1に設定されていると判断されなかった場合(S8:No)、またはS9のモードを反転する処理が終了した場合は、次に鍵盤5のいずれかの鍵が押下されたか否かを判断する(S10)。
いずれかの鍵が押下されたと判断した場合(S10:Yes)は、モードチェンジフラグが1に設定されているか否かを判断する(S11)。モードチェンジフラグが1に設定されていると判断した場合は(S11:Yes)、その鍵の通常モードにおいて対応する音高をスプリットポイントとしてRAM4に記憶し、表示器6eにそのスプリットポイントを表示する(S12:スプリットポイント設定)。次にモードフラグを1(分割モード)に設定し(S13)、モードチェンジフラグを0に設定する(S14)。S13の処理により、現在のモードが、通常モードであっても、分割モードであっても、スプリットポイントが設定された後は、分割モードに設定される。
S11の処理で、モードボタンフラグが、1に設定されていないと判断した場合は(S11:No)、後述する発音処理を行う(S15)。
S10の処理で、鍵が押下されていないと判断した場合、S14のモードチェンジフラグを0に設定する処理、またはS15の発音処理が終了した場合は、次に鍵盤5のいずれかの鍵が離されたか否かを判断する(S16)。いずれかの鍵が離された場合は(S16:Yes)、その鍵が押下されたことに応じて発生している楽音の停止を行うなどの離鍵処理を行う(S17)。この離鍵処理は、RAM4に、押鍵された時にいずれの発音チャンネルに割り当てたかを示すキーマップが記憶されているので、このキーマップを参照して、対応する発音チャンネルに楽音の発生の停止を指示するものである。
S16の処理で、いずれの鍵も離されたのではないと判断した場合(S16:No)、またはS17の離鍵処理が終了した場合は、次にその他の処理を行い(S18)、S2の処理へ戻る。その他の処理としては、音量を調節するツマミ(図示なし)などが操作されたか否かを検出し、操作された場合は、音量を制御するなどの処理を行う。
次に、図5を参照して、発音処理の詳細について説明する。図5は、発音処理を示すフローチャートである。まず、モードフラグが1(分割モード)に設定されているか否かを判断する(S21)。モードフラグが1に設定されている場合(S21:Yes)は、押下された鍵の音高Kに応じて、押鍵速度をベロシティ値に変換する(S22)。鍵盤5の鍵は、アコースティックピアノに近似するように音高が低い鍵は、音高が高い鍵に比べ鍵を押下する負荷が大きく形成されている。したがって、鍵盤を2つの鍵域に分割して、それぞれの鍵域で演奏を行う場合に、同じ大きさの音量の楽音を発生するために、下鍵域で演奏するには、上鍵域で演奏する場合に比べ、鍵を押下するのに大きな力を要する。そこで、分割モードに設定された場合には、低域の鍵のベロシティの値が少し大きくなるように補正する。
次に、押下された鍵の音高Kが、RAM4に記憶されているスプリットポイントより低いか否かを判断する(S23)。なお、音高Kおよびスプリットポイントは、MIDI規格により定められる半音を1とするノートナンバで表されるものである。
音高Kが、スプリットポイントより低い(ノートナンバが小さい)場合は(S23:Yes)、押下された鍵は、下鍵域に属するので、ROM3に記憶されたシフトテーブル(図7に示す)を参照し、音高KをOctShiftLだけ加算する(S24)。図7は、ROM3に記憶されるシフトテーブルを示すものである。このシフトテーブルには、スプリットポイントに応じて、下鍵域のノートナンバに加算するシフト値であるOctShiftLと、上鍵域のノートナンバに加算するシフト値であるOctShiftRとが記憶されている。例えば、スプリットポイントが、C4に設定されている場合に、押下された鍵のノートナンバをNとし、そのノートナンバが下鍵域に属する場合は、ノートナンバNは、N+12に変換され、上鍵域に属する場合は、N−24に変更される。
このようにして、変更されたノートナンバとベロシティ値を音源8の空き発音チャンネルに割り当て、その発音チャンネルにより形成された楽音がヘッドホン回路2に出力されるように、その発音チャンネルの係数VR−L1とVR−R1とを0に設定し、VR−L2とVR−R2とを1に設定する。
S23の処理で、音高Kがスプリットポイントより低くない(ノートナンバが小さくない)場合は(S23:No)、押下された鍵は、上鍵域に属するので、ROM3に記憶されたシフトテーブルを参照し、音高KをOctShiftRだけ加算する(S27)。このようにして、変更されたノートナンバとベロシティ値を音源8の空いている発音チャンネルに割り当て、その発音チャンネルにより形成された楽音がヘッドホン回路1に出力されるように、その発音チャンネルの係数VR−L1とVR−R1とを1に設定し、VR−L2とVR−R2とを0に設定する(S28)。
S21の処理で、モードフラグが1(分割モード)に設定されていないと判断した場合(S21:No)は、押鍵速度をベロシティ値に変換し(S29)、押下された鍵のノートナンバと、その変換されたベロシティ値とを音源8の空いている発音チャンネルに割り当てる(S30)。
S25,S28、またはS30の処理において、発音チャンネルへの割り当てが終了すると、今回の押鍵をいずれの発音チャンネルに割り当てたかを記憶するキーマップに記憶し(S31)この発音処理を終了してメイン処理へ戻る。
次に、図6を参照して、ペダル操作処理について説明する。図6は、所定時間(例えば10msec)間隔のタイマ割り込みにより起動されるペダル操作処理を示すフローチャートである。まず、発音チャンネル毎に処理を行うための変数Vを0とする(S41)。この変数Vは、発音チャンネルの総数が64であるので、0から63の整数値をとるものである。次に、発音チャンネル(V)は、発音中か否かを判断する(S42)。RAM4には、発音チャンネル毎に、発音中であるか否かを示すフラグを記憶し、CPU2により発音を開始する音高が割り当てられた際に、フラグをセットし、離鍵により発音が停止された場合にリセットする。
発音チャンネル(V)が、発音中である場合は(S42:Yes)、モードフラグが1(分割モード)であるか否かを判断する(S43)。モードフラグが1である場合は(S43:Yes)、発音チャンネル(V)に割り当てられている音高Kがスプリットポイントより低いか否かを判断する(S44)。音高Kがスプリットポイントより低い場合は(S44:Yes)、第1のペダル7aの操作状態に応じてダンパー処理を行い(S45)、音高Kがスプリットポイントより低くない場合は(S44:No)、第2のペダル7bの操作状態に応じてダンパー処理を行う(S46)。ダンパー処理は、ダンパーが操作されていない(踏まれていない)状態で鍵が離された場合は、楽音の振幅を急激に減衰し、ダンパーが操作されている(踏まれている)状態で鍵が離された場合は、楽音の振幅を維持する、またはゆっくり減衰させる処理である。
一方、S43の処理で、モードフラグが1ではなく通常モードであると判断した場合は(S43:No)、第1のペダル7aの操作状態に応じてソフト処理を行い(S47)、第2のペダル7bの操作状態に応じて、ダンパー処理を行う(S48)。ソフト処理とは、ペダルが操作されていない場合は、通常の音量とし、ペダルが操作されている場合には、音量を通常の音量の半分程度に小さくする処理である。
S42の処理において、発音チャンネル(V)が発音中ではないと判断した場合、または、S45,S46、S48の処理のつぎに、変数Vを1だけ進め(S49)、Vの値がと64と等しいか大きいかを判断する(S50)。変数Vの値が、64より小さい場合は(S50:No)、S42の処理へ戻り、変数Vの値が64と等しいか大きい場合は(S50:Yes)、この割り込み処理を終了して、メイン処理に戻る。
以上説明したように、本実施形態の電子楽器1によれば、音源8により発生された楽音は、2つのヘッドホンへ出力することができ、鍵盤を一つの鍵域として使用する通常モードでは、2つのヘッドホンには、同じ楽音が供給され、鍵盤を2つの鍵域に分割する分割モードでは、各鍵域で演奏された楽音が、それぞれの鍵域に対応するヘッドホンに供給される。したがって、一つの鍵盤を分割してそれぞれの鍵域で独立した演奏を行う場合に、隣の鍵域で演奏された楽音が聞こえないので邪魔されることがなく、それぞれの鍵域で適切に演奏を行うことができる。
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
例えば、上記実施形態では、電子楽器1は、鍵盤5を内蔵するものとしたが鍵盤装置を別体とし、その鍵盤装置から電子楽器1へMIDI規格に従う通信方式により演奏データを送信するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、電子楽器1は、2つのヘッドホンを有し、演奏を行う2人の人がそれぞれヘッドホンを使用して、自分が演奏した楽音を聞くように構成したが、一人は、ヘッドホンを使用して自分の演奏を聞き、もう一人は、スピーカから自分の演奏を聞くようにしてもよい。
また、上記実施形態では、発音チャンネルが上鍵域に属する音高に割り当てられた場合は、VR−L1とVR−R1とを1に設定し、VR−L2とVR−R2とを0に設定したが、VR−L2とVR−R2とを、例えば0.3のような値に設定し、下鍵域で演奏を行っている人に小さい音量で聞こえるように設定してもよい。例えば、下鍵域で、先生、または親が演奏練習を行い、上鍵域で子供が演奏を行っている場合に、自分の演奏と同時に、子供の演奏を聞くことができ、適切に指導を行うことができる。
本発明の実施形態における電子楽器の電気的な構成を示すブロック図である。 (a)は、電子楽器の操作パネルを、(b)は電子楽器のペダルをそれぞれ示す図である。 発音チャンネルを示す回路図である。 CPUが実行するメイン処理を示すフローチャートである。 CPUが実行する発音処理を示すフローチャートである。 CPUが実行するペダル処理を示すフローチャートである。 分割モードにおいてノートナンバをシフトする値を示すシフトテーブルである。
符号の説明
1 電子楽器
2 CPU
6d モード選択スイッチ(モード選択手段)
8 音源(楽音発生手段および供給手段の一部)
9 D/A変換器(供給手段の一部)
10 アンプ
11 スピーカ
12,13 ヘッドホン回路

Claims (2)

  1. 複数の鍵により構成される一つの鍵域に所定の特性の楽音が割り当てられる通常モードと、前記鍵域を複数の鍵域に分割しそれぞれの鍵域に異なる特性の楽音が割り当てられる分割モードとを選択するモード選択手段と、いずれかの鍵が操作された場合、前記モード選択手段により選択されているモードに応じ、その鍵の鍵域に割り当てられた特性の楽音を発生する楽音発生手段とを備えた電子楽器において、
    前記楽音発生手段により発生された楽音を第1のヘッドホンへ出力する第1の出力手段と、
    前記楽音発生手段により発生された楽音を第2のヘッドホンへ出力する第2の出力手段と、
    前記モード選択手段により通常モードが選択されている場合は、前記楽音発生手段により発生された楽音を第1の出力手段および・または第2の出力手段に供給し、分割モードが選択されている場合は、一の鍵域により演奏された楽音を前記第1の出力手段に供給し、他の鍵域により演奏された楽音を第2の出力手段に供給する供給手段とを備えていることを特徴とする電子楽器。
  2. 前記楽音発生手段は、左右チャンネルの信号をそれぞれ発生するものであり、前記第1の出力手段は、前記楽音発生手段により発生された左右チャンネルの信号をそれぞれ第1のヘッドホンへ出力し、前記第2の出力手段は、前記楽音発生手段により発生された左右チャンネルの信号をそれぞれ第2のヘッドホンへ出力するものであることを特徴とする請求項1記載の電子楽器。
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