JP2006161497A - 点検口ユニット、ならびに点検口ユニット用のねじりコイルバネ - Google Patents

点検口ユニット、ならびに点検口ユニット用のねじりコイルバネ Download PDF

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【課題】天井パネル1等に備える開口部1aに嵌合装着される平面視矩形状の外枠3と、この外枠3内に着脱可能に嵌め込まれかつ一方開口端に内向きに突出する受け部4cを有する内枠4と、この内枠4内に他方開口側から嵌め込まれて受け部4cで受け止められる板体5とを有する点検口ユニット2において、板体5を内枠4の受け部4c側へ押圧して内枠4に固定するための固定部材を、工具を用いずに簡単に取り付けできるものとし、点検口ユニット2の製造コストの低減を図る。
【解決手段】前記固定部材として、一本の線状体で屈曲形成されるねじりコイルバネ6を用いている。このねじりコイルバネ6は、その一端側が内枠4の外側で内枠4の片方の開口端側に係止されるとともに、他端側が内枠4の外側から内側へ乗り越えて板体5に当接されることにより板体5を押圧するばね力を発生するものである。
【選択図】図4

Description

本発明は、例えば建物の天井や軒下等に備える開口部に装着される点検口ユニット、ならびに点検口ユニットに用いるねじりコイルバネに関する。
従来の点検口は、天井や軒下等に備える開口部に外枠をはめ込み、この外枠内に内枠を揺動開閉可能にヒンジ結合し、この内枠内に天井パネル等の板体をはめ込んだ構造になっている。
従来では、内枠に板体を固定するために、内枠の壁部下端に内向きに張り出して形成される板部上に板体を載せて、内枠の壁部内面にL字形の押さえ部材をねじで取り付け、この押さえ部材と前記板部とで板体を挟むようにしていた。
このような押さえ部材を用いる場合、それを内枠にねじ回し工具等を用いてねじで取り付ける必要があって、面倒で手間がかかる等、作業しにくいことが指摘される。
これに対し、工具を用いずに、手作業で内枠に板体を固定できるようにした押さえ部材が考えられている(例えば、特許文献1参照。)。この押さえ部材は、金属板からなる板状部材に鋼線等からなる線状体を組み付けたツーピース構造になっている。
特開平11−287447号公報
上記従来例の押さえ部材は、板状部材に線状体を組み付けたツーピース構造になっており、金属板をプレス成形して板状部材を形成するとともに、鋼線を曲げ加工して線状体を形成したうえで、板状部材に線状体を非分離に組み付けるよう加締める必要がある等、製造コストを低減することが難しい構成になっている。
本発明は、天井や軒下等に備える開口部に装着される点検口ユニットにおいて、内枠に板体を固定するための構成部品を、工具を用いずに簡単に取り付けできるものとし、点検口ユニットの製造コストを低減することを目的としている。
本発明に係る点検口ユニットは、天井パネル等に備える開口部に嵌合装着される平面視矩形状の外枠と、この外枠内に着脱可能に嵌め込まれかつ一方開口端に内向きに突出する受け部を有する内枠と、この内枠内に他方開口側から嵌め込まれて前記受け部で受け止められる板体と、前記板体を前記内枠の受け部側へ押圧して前記内枠に固定する固定部材とを有するものであって、前記固定部材が、一本の線状体で屈曲形成されるねじりコイルバネからなり、かつ、その一端側が前記内枠の外側で前記内枠の片方の開口端側に係止されるとともに、他端側が前記内枠の外側から内側へ乗り越えて前記板体に当接されることにより前記板体を押圧するばね力を発生することを特徴としている。
この場合、ねじりコイルバネが一本の線状体を曲げ加工して製造されるワンピース構造であって、従来例のツーピース構造の押さえ部材に比べて部品点数ならびに製造工数が少なくて済み、その製造コストを低減できる。このように安価に製造できるとともに手作業で簡単に装着できるねじりコイルバネを、点検口ユニットに用いているので、点検口ユニットにおける構成部品のコスト低減を図ることができるとともに、点検口ユニットの組立効率つまり生産性を向上できるようになる。したがって、点検口ユニットを安価に提供できるようになる。
好ましくは、前記ねじりコイルバネは、前記内枠を構成する壁部の外側に配置されかつ前記内枠の片方の開口端に外向きに張り出し形成される外向き鍔部に受け止められるように配置される輪状巻回部と、この輪状巻回部の一端側から直線状に延びかつ前記内枠の残り片方の開口端に外向きに張り出し形成される外向き鍔部に受け止められるよう配置される第1延出部と、前記輪状巻回部の他端側から前記内枠を構成する壁部の内側に延びて前記板体を押圧するよう配置される第2延出部とを有し、前記輪状巻回部が、前記両延出部を引き離す向きに引っ張ったときに拡径または縮径して前記両延出部を近接させる向きに引き戻すよう弾性復元するためのばね力を発生する構成とすることができる。
この場合、輪状巻回部を拡径または縮径することに伴う弾性復元力を利用したうえで、第1延出部の自由端側を支点として第2延出部の自由端側を作用点として板体を押圧するようにしているので、ねじりコイルバネの両延出部をわずかに弾性変形させるだけで十分な板体の押圧荷重が得られるようになる。
好ましくは、前記輪状巻回部は、約一巻き、つまり約360度の巻き角を有する輪とされ、かつ、その前記第1延出部に対する連接部分と前記第2延出部に対する連接部分とが円周上の同一位相位置またはその近傍に設定されており、前記第2延出部は、前記輪状巻回部の他端側からその接線方向に延びる第1直線部と、この第1直線部と連接されかつ前記内枠の外側から内側へ乗り越えるよう斜め横向きに屈曲された乗り越え部と、この乗り越え部から斜め下向きに延びる第2直線部と、この第2直線部から略直角に横向きに屈曲されかつ全体的に板体上面に当接される第3直線部とを有する構成とすることができる。
このようなねじりコイルバネの場合、第1延出部から輪状巻回部までの屈曲部分と、第2延出部の第1直線部から乗り越え部までの屈曲部分と、乗り越え部から第2直線部までの屈曲部分と、第2直線部から第3直線部までの屈曲部分との合計四箇所を曲げ加工することにより製造することが可能になる。このような各屈曲部分を個別に曲げ加工するのではなく、例えば複数の屈曲部分の曲げ加工を連続的に行うようにすれば、製造効率を向上できてコスト削減を図ることが可能になる。
好ましくは、前記ねじりコイルバネは、前記内枠を構成する四つの壁部のうちの少なくとも一組の対向する壁部にそれぞれ設けられたものとすることができる。この場合、数少ないねじりコイルバネで確実に内枠と板体とを結合することが可能になる。
なお、前記点検口ユニットにおいて、内枠は、前記外枠を構成する四つの壁部のうちの一つに、ヒンジ結合されて揺動開閉可能とされたものとすることができる。この場合、点検口ユニットを使い勝手のよい構造にできる。
また、上記点検口ユニットに用いるねじりコイルバネにおける第1延出部と第2延出部とは、弾性変形させていない自然状態において、側方から見てV字形となるような姿勢とされたものとすることができる。この場合、ねじりコイルバネを弾性変形させるときに、第1延出部と第2延出部とを引き離す量を小さくすることが可能であり、ねじりコイルバネの取り付け作業が比較的簡単に行えるようになる。
本発明に係る点検口ユニット用のねじりコイルバネは、天井パネル等に備える開口部に嵌合装着される平面視矩形状の外枠と、この外枠内に着脱可能に嵌め込まれかつ一方開口端に内向きに突出する受け部を有する内枠と、この内枠内に他方開口側から嵌め込まれて前記受け部で受け止められる板体とを有する点検口ユニットにおいて前記板体を前記内枠の受け部側へ押圧して前記内枠に固定するねじりコイルバネであって、一本の線状体で屈曲形成されてなり、かつ、その一端側が前記内枠の外側で前記内枠の片方の開口端側に係止されるとともに、他端側が前記内枠の外側から内側へ乗り越えて前記板体に当接されることにより前記板体を押圧するばね力を発生することを特徴としている。
この場合、ねじりコイルバネが一本の線状体を曲げ加工して製造されるワンピース構造であるから、従来例のツーピース構造の押さえ部材に比べて部品点数ならびに製造工数が少なくて済み、その製造コストを低減できる。そして、輪状巻回部を拡径または縮径することに伴う弾性復元力を利用したうえで、第1延出部の自由端側を支点として第2延出部の自由端側を作用点として板体を押圧するようにしているので、ねじりコイルバネの両延出部をわずかに弾性変形させるだけで十分な板体の押圧荷重が得られるようになる。
本発明によれば、点検口ユニットを安価に提供できる。また、本発明によれば、工具を用いずに簡単に取り付けできて安価に製造できる点検口ユニット用のねじりコイルバネを提供できる。
以下、本発明の実施形態を図1から図9に示して説明する。
図2に示すように、点検口ユニット2は、例えば天井パネル1等に備える開口部1aに装着される。この点検口ユニット2は、図1に示すように、外枠3と、内枠4と、板体5と、複数個のねじりコイルバネ6・・・とを有している。
外枠3は、天井パネル1等の開口部1aに嵌合装着されるものであり、内枠4は、外枠3内に嵌め込まれるものである。外枠3および内枠4は、共に、例えばアルミニウム製の帯状板をコーナーピース(符号省略)で結合して平面視で正方形の四角い筒となるように組み立てられたものである。
板体5は、内枠4内に嵌め込まれて内枠4の下方開口を閉塞するものであり、平面視で正方形に形成されている。この板体5は、天井パネル1と同素材のパネルのみ、あるいは天井パネル1と同素材のパネルと耐燃性パネル(図示省略)とを重ねた積層体等とされる。
ねじりコイルバネ6は、板体5を内枠4に非分離に固定するものである。この実施形態では、図4に示すように、内枠4を構成する四つの壁部それぞれに二個ずつ装着される。
以下、各部を詳しく説明する。
外枠3において、上方開口端には外向きに張り出す上側外向き鍔部3aと内向きに張り出す上側内向き鍔部3bとが設けられており、また、下方開口端には外向きに張り出す下側外向き鍔部3cと内向きに張り出す下側内向き鍔部3dとが設けられている。
なお、これらの鍔部3a〜3dは、主として外枠3の強度アップのために設けられている。但し、下側外向き鍔部3cは、その張り出し寸法が他鍔部3a,3b,3dに比べて大きく設定されていて、天井パネル1の開口部1aへの嵌め込み深さを規制することにも利用されている。
内枠4において、上方開口端に外向きに張り出す上側外向き鍔部4aが、また、下方開口端には外向きに張り出す下側外向き鍔部4bがそれぞれ設けられており、さらに、下方開口端には内向きに張り出す受け部4cが設けられている。
なお、これらの鍔部4a,4bは、主として内枠4の強度アップのために設けられているが、後述するようにねじりコイルバネ6の係止部としても利用されている。受け部4cは、この実施形態において、内枠4を構成する各壁部の内面全周に連続して設けられる鍔形状とされているので、この受け部4cも内枠4の強度アップに貢献している。但し、受け部4cは、内枠4を構成する各壁部の内面の円周数ヶ所に設けられる突片であってもよい。
そして、上側外向き鍔部4aの外端には、下向きに屈曲する屈曲片4dが設けられており、この屈曲片4dと内枠4を構成する壁部とによって上側外向き鍔部4aの下面に上向きに凹む周溝が存在するようになっている。下側外向き鍔部4bの上面の所定位置には、上向きに突出する突条部4eが周方向に連続して設けられており、この突条部4eと内枠4を構成する壁部とによって下側外向き鍔部4bの上面に下向きに凹む周溝が存在するようになっている。これらの周溝が、後述するが、ねじりコイルバネ6の係止部となる。
ねじりコイルバネ6は、一本の線状体の中間部分を輪状に旋回するよう屈曲して形成されるものであり、輪状巻回部6aと、第1延出部6bと、第2延出部6cとを有している。
なお、ねじりコイルバネ6を構成する線状体は、例えばばね鋼等からなる適宜太さの金属線が用いられる。この線状体としては、要するに、折れにくく湾曲可能となるよう適度の可撓性を有するとともに、長期にわたって破断しにくい耐久性を有するものであればよく、その素材や太さは任意に設定することができる。
輪状巻回部6aは、約一巻き、つまり約360度の巻き角を有する輪からなり、内枠4を構成する壁部の外面に添う状態でその一部が内枠4の上側外向き鍔部4aの周溝内に係入された状態で受け止められるように配置される。
第1延出部6bは、輪状巻回部6aの一端側からその接線方向に直線状に延びた部分であり、その自由端側が内枠4の下側外向き鍔部4bの周溝内に係入された状態で受け止められるよう配置される。
第2延出部6cは、輪状巻回部6aの他端側から第1延出部6bと反対向きに延びた部分であり、その自由端側が内枠4の内側に嵌め込まれている板体5を押圧するよう配置される。
なお、輪状巻回部6aは、両延出部6b,6cを引き離す向きに引っ張ったときに拡径して両延出部6b,6cを近接させる向きに引き戻すよう弾性復元するためのばね力を発生する。つまり、この実施形態のねじりコイルバネ6は、輪状巻回部6aを弾性的に拡径させることに伴う弾性復元力でばね力を発生させるタイプである。
また、第2延出部6cは、輪状巻回部6aの他端側からその接線方向に延びる第1直線部6dと、この第1直線部6dに連接されかつ内枠4の外側から内側へ乗り越えるよう斜め横向きに屈曲された乗り越え部6eと、この乗り越え部6eから斜め下向きに延びる第2直線部6fと、この第2直線部6fから略直角に横向きに屈曲されかつ全体的に板体5上面に当接される第3直線部6gとを有している。
さらに、ねじりコイルバネ6は、図6に示すように、弾性変形させていない自然状態において、第1延出部6bと第2延出部6cの第2直線部6fとが、逆さV字形となるような姿勢とされているとともに、輪状巻回部6aの円周方向中央部と、第1延出部6bの自由端と、第2延出部6cの第3直線部6gとが、側方から見て略一直線(一点鎖線参照)上に並んで配置されている。
この第1延出部6bと第2延出部6cの第2直線部6fとの中心角θは、例えば60度以上180度未満、好ましくは、90度以上120度以下の範囲において任意に設定することができる。
このような形状のねじりコイルバネ6を製造するには、第1延出部6bから輪状巻回部6aまでの屈曲部分と、第2延出部6cの第1直線部6dから乗り越え部6eまでの屈曲部分と、乗り越え部6eから第2直線部6fまでの屈曲部分と、第2直線部6fから第3直線部6gまでの屈曲部分との合計四箇所を曲げ加工することにより製造することが可能になる。このような各屈曲部分を個別に曲げ加工するのではなく、例えば複数の屈曲部分の曲げ加工を連続的に行うようにすれば、製造効率を向上できてコスト削減を図ることが可能になる。
そして、この実施形態では、図3に示すように、内枠4は、外枠3を構成する四つの壁部のうちの一つの壁部に対しヒンジ結合されて揺動開閉可能とされている。つまり、内枠4の対向する二つの壁部の外面には、ヒンジピン7a,7aが設けられており、このヒンジピン7a,7aが係合するピン受け7b,7bが外枠3の対向する二つの壁部の内面に取り付けられている。
また、開閉操作部材8により内枠4を外枠3内に嵌入して固定する状態と内枠4を外枠3から取り出した状態とに切り替えできるようになっている。さらに、外枠3と内枠4とには、内枠4を外枠3内に嵌入して固定する状態で、内枠4の下面を外枠3の下面に略面一とするための一対の位置決め片3e,4fが設けられている。
開閉操作部材8は、回転操作軸8aと、回転操作軸8aを回転自在に支持する支持部材8bと、回転支持軸8aの一端に固定される係止片8cとを有している。
支持部材8bは、内枠4においてその揺動開閉支点となる壁部と対向する壁部の外面の長手方向略中央に取り付けられている。回転操作軸8aの操作部8dは、内枠4の下側外向き鍔部4bの下側に露呈され、また、係止片8cは、内枠4の上側外向き鍔部4aの上側に配置されている。
この開閉操作部材8では、まず、外枠3内に内枠4を嵌め込んで閉塞した状態において、回転操作軸8aの操作部8dを例えばいわゆるマイナスドライバー等の工具でもって一方向に回転させると、係止片8cが前記回転方向と同方向に回転されて、この係止片8cが外枠3の上側外向き鍔部4aに引っ掛けられることになり、外枠3に内枠4を非分離の状態にできる。一方、回転操作軸8aを前記と逆向きに回転させれば、係止片8cが外枠3の上側外向き鍔部4aに干渉しない領域に回転されるので、外枠3から内枠4を取り外し可能な状態になる。
このような点検口ユニット2において、内枠4に板体5を取り付けるときの手順を説明する。
まず、内枠4内にその上方開口側から板体5を嵌め込んで、板体5を内枠4の受け部4c上に載せる。この状態において、内枠4を構成する四つの壁部にねじりコイルバネ6をそれぞれ二個ずつ取り付ける。これにより、ねじりコイルバネ6のばね力でもって板体5が内枠4の受け部4cに押圧されるので、板体5が受け部4cとねじりコイルバネ6とで挟まれて非分離に固定されることになる。
次に、上記ねじりコイルバネ6の取り付け手順を説明する。
まず、図7の右側に記載しているねじりコイルバネ6を参照して、ねじりコイルバネ6の両延出部6b,6cを共に下向きとする姿勢にしておいて、第1延出部6bを内枠4の外側に、また、第2延出部6cを内枠4の内側にそれぞれ配置させるようにして、ねじりコイルバネ6を内枠4の適宜の壁部上側に配置させる。
このねじりコイルバネ6を図7の矢印10で示すように押し下げることにより、図8に示すように、第2延出部6cの第3直線部6gを板体5上に当接させるとともに、ねじりコイルバネ6の輪状巻回部6aを図9の矢印11で示すように押して内枠4の壁部外面に添わせる。
この後、輪状巻回部6aにおいて第1延出部6bとの連接部分を内枠4の上側外向き鍔部4aの周溝内に係入させるとともに、第1延出部6bを、図8および図9の矢印12で示すように持ち上げることによって第1延出部6bの中間部分を下向きに反らせるよう弾性変形させつつ、第1延出部6bの自由端部分を内枠4の下側外向き鍔部4bの周溝内に係入させる。
これにより、輪状巻回部6aが弾性的に拡径されることになり、その弾性復元力でもって輪状巻回部6aと第1延出部6bとが上側外向き鍔部4aと下側外向き鍔部4bとの間で突っ張る状態になって、内枠4の壁部外面に寄り添った状態で保持される。しかも、輪状巻回部6aの一部と第1延出部6bの自由端側とを、各外向き鍔部4a,4bの周溝内に係入しているので、ねじりコイルバネ6に多少の横向きの力が作用しても、外れ落ちないようになっている。その一方で、輪状巻回部6aの上記弾性復元力は、第2延出部6cを下向きに押し下げるように作用するので、この第2延出部6cの第3直線部6gが板体5を強く下向きに押圧することになる。
この状態で、ねじりコイルバネ6が内枠4に不動に取り付けられることになり、板体5が内枠4にがたつきの無い状態で非分離に固定されることになる。
以上の一連の作業は、作業者が工具を用いることなく、片手で簡単に行うことができる。そして、上記同様にして、内枠4の他の壁部に必要数のねじりコイルバネ6を順次取り付けて、作業を終了する。
ところで、上述した内枠4に対する板体5の取り付けは、外枠3を天井パネル1の開口部1aに取り付ける前に行ってもよいし、あるいは、取り付けた後で行ってもよい。いずれにしても、工具を用いることなく、簡単かつ迅速に作業できる。
また、使用する板体5の厚みは、点検口ユニット2の取り付け対象となる天井に使用する天井パネル1の厚みに応じていろいろ変わることがある。その他、板体5を、天井パネル1と同一の天井パネル1と耐燃性パネル(図示省略)とを積層した積層体とする場合には、板体5の厚みが上記実施形態で説明したものに比べて厚くなることがある。
ここで、仮に、図7の左側に記載しているねじりコイルバネ6の使用状態において、板体5に対する第1延出部6bの第2直線部6fの傾き角をα0として、板体5の厚みが上記実施形態で説明したものに比べて小さくなる場合における前記傾き角をα1とすると、α1>α0の関係になるとともに、乗り越え部6eが持ち上がった状態になり、この乗り越え部6eと内枠4の上側外向き鍔部4aとの間の隙間が大きくなる。
一方、板体5の厚みが上記実施形態で説明したものに比べて大きくなる場合における前記傾き角をα2とすると、α2<α0の関係になるとともに、乗り越え部6eが下がった状態になり、この乗り越え部6eと内枠4の上側外向き鍔部4aとの間の隙間が小さくなる。
上記いずれの場合も、ねじりコイルバネ6の第3直線部6gが板体5を受け部4cに押圧する弾発付勢力を発生するように、ねじりコイルバネ6が設計される。
但し、上記後者のように板体5の厚みが大きくなる場合の方が、板体5を受け部4cに押圧する弾発付勢力が増す傾向となるので、この点を考慮して、ねじりコイルバネ6の取り付け時に一般的な体力を有する人間が第1延出部6bを比較的容易に弾性変形させることが可能なように、ねじりコイルバネ6で発生させるばね力を適宜設定するのが好ましい。
このねじりコイルバネ6で発生するばね力は、輪状巻回部6aの直径寸法を大小変えることで調整することができる。ちなみに、輪状巻回部6aの直径寸法を小さくすればばね力を強くでき、逆に大きくすればばね力を弱くできる。
以上説明したように、本実施形態では、点検口ユニット2において内枠4に板体5を確実に固定するための固定部材として、工具を用いることなく、手作業で簡単かつ迅速に使用できるねじりコイルバネ6を用いている。
このねじりコイルバネ6は、一本の線状体を曲げ加工して製造されるワンピース構造であって、従来例に比べて部品点数ならびに製造工数が少なくて済むので、製造コストを低減できて、安価に提供できる。
このような安価に製造できるとともに手作業で簡単に使用できるねじりコイルバネ6を、点検口ユニット2に用いる場合、点検口ユニット2における構成部品のコスト低減を図ることができるとともに、点検口ユニット2の組立効率つまり生産性を向上できるようになるので、点検口ユニット2を安価に提供できるようになる。
以下、本発明の他の実施形態を説明する。
(1)外枠3および内枠4は、平面視で正方形としたが、例えば平面視で長方形等、任意の形状とすることができる。
(2)ねじりコイルバネ6は、内枠4を構成する四つの壁部それぞれに一個ずつ合計四個設けるようにしてもよい。その場合、例えば図10に示すように、各壁部において一方のコーナー側に片寄せた状態で使用するのが好ましい。
(3)ねじりコイルバネ6は、内枠4を構成する四つの壁部において少なくとも一組の対向する壁部にそれぞれ設けるようにしてもよい。その場合、例えば図11に示すように、ねじりコイルバネ6は、前記一組の壁部にそれぞれ二個ずつ設けるのが好ましく、また、図示していないが、一個ずつとしてもよい。
(4)ねじりコイルバネ6の形状は特に限定されない。その一例として、図12および図13に示すような形状のねじりコイルバネ6であってもよい。
図例のねじりコイルバネ6の場合、第1延出部6bは直線形状で上記実施形態と同様であるものの、輪状巻回部6aの巻き角が約450度つまり約5/4巻きと上記実施形態で説明したものに比べて大きくなっているとともに、第2延出部6bの屈曲形状が異なる。第2延出部6bは、輪状巻回部6aから上向きに立ち上がる第1直線部6dと、第1直線部6dから略直角に横向きに屈曲する乗り越え部6eと、乗り越え部6eから略直角に下向きに屈曲する第2直線部6fと、第2直線部6fから略直角に横向きに屈曲する第3直線部6gとを有している。
ここでのねじりコイルバネ6は、輪状巻回部6aを弾性的に縮径させることに伴う弾性復元力でばね力を発生させるタイプである。
このねじりコイルバネ6の取り付けは、基本的に、上記実施形態と略同様の手順でもって、工具を用いることなく、手作業で行うことができる。以下で簡単に説明する。
まず、図14の右側に記載しているねじりコイルバネ6を参照して、このねじりコイルバネ6の両延出部6b,6cを共に下向きとする姿勢にしておいて、第1延出部6bを内枠4の外側に、また、第2延出部6cを内枠4の内側にそれぞれ配置させるようにして、ねじりコイルバネ6を内枠4を構成する適宜の壁部上側に配置させる。
このねじりコイルバネ6を図14の矢印10で示すように押し下げることにより、図15に示すように、第2延出部6cの第3直線部6gを板体5上に当接させるとともに、ねじりコイルバネ6の輪状巻回部6aを図16の矢印11で示すように押して内枠4の壁部外面に添わせる。
この後、輪状巻回部6aの一部を内枠4の上側外向き鍔部4aの周溝内に係入させるとともに、第1延出部6bを、図15および図16の矢印12で示すように持ち上げることによって第1延出部6bの中間部分を下向きに反らせるよう弾性変形させつつ、第1延出部6bの自由端部分を内枠4の下側外向き鍔部4bの周溝内に係入させる。
これにより、輪状巻回部6aが弾性的に縮径されることになり、その弾性復元力でもって輪状巻回部6aと第1延出部6bとが上側外向き鍔部4aと下側外向き鍔部4bとの間で突っ張る状態になって、内枠4の壁部外面に寄り添った状態で保持される。しかも、輪状巻回部6aの一部と第1延出部6bの自由端側とを、各外向き鍔部4a,4bの周溝内に係入しているので、ねじりコイルバネ6に多少の横向きの力が作用しても、外れ落ちないようになっている。その一方で、輪状巻回部6aの上記弾性復元力は、第2延出部6cを下向きに押し下げるように作用するので、この第2延出部6cの第3直線部6gが板体5を強く下向きに押圧することになる。
但し、このようなタイプのねじりコイルバネ6の場合、上記実施形態で説明したタイプのねじりコイルバネ6に比べて、製造時に曲げ工程数が多くなるので、製造コストを低減するには上記実施形態のほうが有利である。
本発明に係る点検口ユニットの一実施形態を示す分解斜視図である。 図1の点検口ユニットおよび天井の開口を示す斜視図である。 図1の点検口ユニットの開状態と閉状態とを示す断面図である。 図1の点検口ユニットの内枠に板体をねじりコイルバネで固定した状態を示す斜視図である。 本発明に係るねじりコイルバネの一実施形態を示す斜視図である。 図5のねじりコイルバネの側面図である。 図4の内枠の壁部にねじりコイルバネを取り付けるときの様子を示す一部破断の正面図である。 図7の続きで一部を示す正面図である。 図8の続きで一部を示す斜視図である。 本発明に係る点検口ユニットの他の実施形態を示す斜視図である。 本発明に係る点検口ユニットのさらに他の実施形態を示す斜視図である。 本発明に係るねじりコイルバネの他の実施形態を示す斜視図である。 図12のねじりコイルバネの側面図である。 図12のねじりコイルバネを取り付けるときの様子を示しており、図7に対応する一部破断の正面図である。 図14の続きで一部を示しており、図8に対応する正面図である。 図15の続きで一部を示しており、図9に対応する斜視図である。
符号の説明
1 天井パネル
1a 天井パネルの開口部
2 点検口ユニット
3 外枠
4 内枠
4a 上側外向き鍔部
4b 下側外向き鍔部
4c 受け部
5 板体
6 ねじりコイルバネ
6a 輪状巻回部
6b 第1延出部
6c 第2延出部
6d 第1直線部
6e 乗り越え部
6f 第2直線部
6g 第3直線部

Claims (5)

  1. 天井パネル等に備える開口部に嵌合装着される平面視矩形状の外枠と、この外枠内に着脱可能に嵌め込まれかつ一方開口端に内向きに突出する受け部を有する内枠と、この内枠内に他方開口側から嵌め込まれて前記受け部で受け止められる板体と、前記板体を前記内枠の受け部側へ押圧して前記内枠に固定する固定部材とを有する点検口ユニットであって、
    前記固定部材が、一本の線状体で屈曲形成されるねじりコイルバネからなり、かつ、その一端側が前記内枠の外側で前記内枠の片方の開口端側に係止されるとともに、他端側が前記内枠の外側から内側へ乗り越えて前記板体に当接されることにより前記板体を押圧するばね力を発生することを特徴とする点検口ユニット。
  2. 前記ねじりコイルバネは、前記内枠を構成する壁部の外側に配置されかつ前記内枠の片方の開口端に外向きに張り出し形成される外向き鍔部に受け止められるように配置される輪状巻回部と、
    この輪状巻回部の一端側から直線状に延びかつ前記内枠の残り片方の開口端に外向きに張り出し形成される外向き鍔部に受け止められるよう配置される第1延出部と、
    前記輪状巻回部の他端側から前記内枠を構成する壁部の内側に延びて前記板体を押圧するよう配置される第2延出部とを有し、
    前記輪状巻回部が、前記両延出部を引き離す向きに引っ張ったときに拡径または縮径して前記両延出部を近接させる向きに引き戻すよう弾性復元するためのばね力を発生することを特徴とする請求項1に記載の点検口ユニット。
  3. 前記輪状巻回部は、約一巻き、つまり約360度の巻き角を有する輪とされ、かつ、その前記第1延出部に対する連接部分と前記第2延出部に対する連接部分とが円周上の同一位相位置またはその近傍に設定されており、
    前記第2延出部は、前記輪状巻回部の他端側からその接線方向に延びる第1直線部と、この第1直線部と連接されかつ前記内枠の外側から内側へ乗り越えるよう斜め横向きに屈曲された乗り越え部と、この乗り越え部から斜め下向きに延びる第2直線部と、この第2直線部から略直角に横向きに屈曲されかつ全体的に板体上面に当接される第3直線部とを有することを特徴とする請求項2に記載の点検口ユニット。
  4. 前記ねじりコイルバネは、前記内枠を構成する四つの壁部のうちの少なくとも一組の対向する壁部にそれぞれ設けられていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の点検口ユニット。
  5. 天井パネル等に備える開口部に嵌合装着される平面視矩形状の外枠と、この外枠内に着脱可能に嵌め込まれかつ一方開口端に内向きに突出する受け部を有する内枠と、この内枠内に他方開口側から嵌め込まれて前記受け部で受け止められる板体とを有する点検口ユニットにおいて前記板体を前記内枠の受け部側へ押圧して前記内枠に固定するねじりコイルバネであって、
    一本の線状体で屈曲形成されてなり、かつ、その一端側が前記内枠の外側で前記内枠の片方の開口端側に係止されるとともに、他端側が前記内枠の外側から内側へ乗り越えて前記板体に当接されることにより前記板体を押圧するばね力を発生することを特徴とする点検口ユニット用のねじりコイルバネ。
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