JP2006161326A - 既存壁の改修方法及び改修壁 - Google Patents
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Abstract
【課題】不陸調整された美麗な改修仕上りとすることができる既存壁の改修方法と、この方法によって改修された壁を提供する。
【解決手段】既存サイディング5を高圧水吹付等によって汚れ除去処理し、乾燥させた後、その表面にプライマー7を塗布する。次いで、パテなどの不陸調整剤8を塗って、前面を均等に平坦にして不陸調整を行う。次いで、下塗り材9を塗り、その上に上塗り材10を塗って仕上げる。不陸調整剤8としては、アクリル樹脂系パテ等の樹脂系塗り材が好適である。下塗り材9及び上塗り材10は、いずれも変性シリコン系あるいはエポキシウレタン系などの弾性接着剤をベースとし、これに必要に応じ顔料やフィラーを添加したものが好適である。
【選択図】図1
【解決手段】既存サイディング5を高圧水吹付等によって汚れ除去処理し、乾燥させた後、その表面にプライマー7を塗布する。次いで、パテなどの不陸調整剤8を塗って、前面を均等に平坦にして不陸調整を行う。次いで、下塗り材9を塗り、その上に上塗り材10を塗って仕上げる。不陸調整剤8としては、アクリル樹脂系パテ等の樹脂系塗り材が好適である。下塗り材9及び上塗り材10は、いずれも変性シリコン系あるいはエポキシウレタン系などの弾性接着剤をベースとし、これに必要に応じ顔料やフィラーを添加したものが好適である。
【選択図】図1
Description
本発明は、既存壁を改修する方法と、この方法により改修された壁に関する。
外壁がモルタルの吹付け仕上げやサイディング材などによって仕上げられたものである場合、経年的に表面が劣化し、美観が損なわれてくることがある。例えば、吹き付けたモルタル層が部分的に浮き上がったり、サイディング表面の塗装が部分的に剥れてくることがある。
このような場合、劣化した既存サイディング材を取り除き、新規サイディング材を取り付けることがあるが、大掛りな工事になると共に、除去作業時に大量に塵埃が発生する。
劣化部分を除去することなく外壁をタイル張りにタイル張りする方法として、外壁に胴縁を取り付け、その上にタイルパネルを留め付ける工法がある。
この胴縁及びタイルパネルを用いるタイル張り工法にあっては、胴縁及びタイルパネルの基板により仕上り厚みがかなり大きくなる。また、部分的にタイル張りタイル張りする場合には不向きである。また、胴縁及びタイルパネルが外壁に剛に固定されるため、外壁の動き(伸縮)が直接的にタイルに影響し、タイルに亀裂が入る可能性がある。
別の工法として、特開2000−169810号公報に、塗り仕上げ材を塗布する改修方法が記載されている。
特開2000−169810号公報
上記特開2000−169810号公報の改修方法では、既存壁に不陸があった場合に不陸がそのまま仕上げ面に現われることになる。
本発明は、不陸調整された美麗な改修仕上りとすることができる既存壁の改修方法と、この方法によって改修された壁を提供することを目的とする。
本発明(請求項1)の既存壁の改修方法は、既存壁の少なくとも一部を塗り仕上げして改修する方法において、該既存壁にプライマーを塗布するプライマー塗布工程と、次いで樹脂系塗り材を塗って不陸を調整する不陸調整工程と、その後、塗り仕上げ材を塗って塗り仕上げする塗り仕上げ工程とを有することを特徴とするものである。
請求項2の既存壁の改修方法は、請求項1において、該塗り仕上げ材は弾性接着剤をベースとしたものであることを特徴とするものである。
請求項3の既存壁の改修方法は、請求項1又は2において、プライマーは、アクリルシリコン溶液にシランカップリング剤を混合したものであることを特徴とするものである。
請求項4の既存壁の改修方法は、請求項1ないし3のいずれか1項において、既存壁を塗り仕上げする部分とそれに隣接する部分をタイル張りする改修方法であって、既存壁の上に前記塗り仕上げ材として弾性接着剤を塗って弾性接着剤層を形成し、この弾性接着剤層にタイルを張り付けることを特徴とするものである。
請求項5の既存壁の改修方法は、請求項4において、前記塗り仕上げ材として下塗り材と上塗り材とを用いる方法であって、塗り仕上げ部分及びタイル張り仕上げ部分に連続して該下塗り材を塗った後、タイル張り仕上げ部分について、該下塗り材にタイルを押し付けてタイル張りし、塗り仕上げ部分について、該下塗り材の上に上塗り材を塗って塗り仕上げすることを特徴とするものである。
本発明(請求項6)の改修壁は、請求項1ないし5のいずれか1項に記載の工法により既存壁が改修されてなるものである。
本発明の改修方法及び改修壁によると、既存壁の不陸が調整されて塗り仕上げされた美麗な改修壁とすることができる。
請求項2の改修方法によると、防水性、耐候性が高く、割れに対する安全性が高い改修壁とすることができる。
請求項3の改修方法によると、既存塗装の種類や劣化の程度にかかわりなく、塗り仕上げ材、不陸調整剤の接着性を向上させることができる。
請求項4の改修方法によると、美麗な塗り仕上げ及びタイル張りが施された改修壁を容易に形成することができる。
請求項5の既存壁の改修方法では、塗り仕上げ部分からタイル張り部分にかけて弾性接着剤よりなる下塗り材層が連続して形成されるので、改修壁の防水性が良好なものとなる。
以下、図面を参照して実施の形態について説明する。図1(a)は改修される既存壁の斜視図、図1(b)は改修された改修壁の厚み方向の断面図である。
図1(a)の通り、柱1の前面に透湿防水シート2が張り渡され、その上から縦胴縁3が該柱1に対し釘等により留めつけられている。この縦胴縁3の前面に、バックアップ材4を介して複数のサイディング(既存サイディング)5が留め付けられ、該サイディング5,5同士の間にコーキング材6が充填されている。
この既存壁を改修するに際しては、必要に応じ既存サイディング5を高圧水吹付等によって汚れ除去処理し、乾燥させた後、その表面にプライマー7を塗布する。次いで、パテなどの不陸調整剤8を塗って、前面を均等に平坦にして不陸調整を行う。次いで、下塗り材9を塗り、その上に上塗り材10を塗って仕上げる。
このように、不陸調整剤8を塗って不陸調整するため、上塗り材10の塗り仕上り面は面精度が良好で美麗なものとなる。
なお、上記のようにプライマーを塗ることにより、不陸調整剤の付着が強固となる。プライマーとしては、アクリルシリコン溶液にシランカップリング剤を混入した溶剤型のものが好適である。その理由としては、シランカップリング剤は、分子中に2個以上の異なった反応基を有する有機珪素化合物であり、これらの反応基は、無機質と化学結合するものと、有機材料(各種の合成樹脂)と化学結合するものとの双方を含んでいるため、既存塗装の種類にかかわりなく、接着性を向上させることができるからである。
また、プライマーとしては、キシレン、トルエン等を含んだ溶剤型ものが、チョーキング(白亜化)した既存塗膜を健全化するので好ましい。
不陸調整剤8としては、アクリル樹脂系エマルジョン等の樹脂系塗り材が好適である。
下塗り材9及び上塗り材10は、いずれも変性シリコン系あるいはエポキシウレタン系などの弾性接着剤をベースとし、これに必要に応じ顔料やフィラーを添加したものが好適である。
なお、サイディング5,5同士の間の目地部(板間)については、図2のように、不陸調整後、板間を跨ぐようにガラス繊維よりなるネット(以下、ガラスネットという。)11を固着するのが好適である。この実施の形態では該ネット11はガラス繊維よりなるが、ネットの材質はこれに限定されるものではない。ガラス繊維以外の材質としては、ナイロン、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)等が好ましい。
このガラスネット11を固着させるには、例えば、変性シリコンシーリング12を塗布した後、ガラスネット11を押し当て、その上から再度変性シリコンシーリング12を塗布してガラスネット11を塗り込めるようにして付着させる。その後、下塗り材9及び上塗り材10を順次に塗って仕上げる。このガラスネット11を板間に跨って設けることにより、板間が拡張するようにサイディング5が変位した場合に塗り仕上げ材9,10に亀裂が入ることが防止される。
図3は、既存壁の一部を塗り仕上げし、他の部分をタイル張り仕上げする方法を示す斜視図である。この実施の形態では、サイディング前面の上部を塗り仕上げし、下部をタイル張りとしている。ただし、塗り仕上げとタイル張りの区分けはこれに限定されるものではない。
前記図1の場合と同様に、既存サイディング5の表面を必要に応じ、高圧水吹き付け等によって汚れ除去し、乾燥させる。塗り仕上げ部分では、このサイディング5の表面にプライマー7を塗布した後、不陸調整剤8を塗って不陸調整し、次いで板間にガラスネット11をシリコンシーリングによって塗り込めるようにして付着させる。
一方、タイル張り仕上げ部分では、隣り合うサイディング5,5同士の継ぎ目に跨ってジョイントテープ20を貼り付ける。この実施の形態では、該ジョイントテープ20は、帯状の不織布の一方の面に粘着材料としてブチルゴムを付着ないし含浸させた片面粘着テープであり、厚み方向及び面方向の双方に弾力性(クッション性)を有している。
次に、サイディング5の前面に両面粘着テープ(図示略)を付着させる。この両面粘着テープは、帯状の不織布の両面に粘着材料としてブチルゴムを付着ないし含浸させてなるものである。その後、合成繊維製のネット21をサイディング5に重ね合わせ、該両面粘着テープに付着させる。次いで、ワッシャ22及び皿ビス23によって該ネット21をサイディング5に固定する。
このネット21の目開きは5〜20mm程度が好適である。
ワッシャ22は、このネット21の目開きよりも大きい直径を有した略円盤形状のものである。
次に、塗り仕上げ部分では、不陸調整剤8の上に、またタイル仕上げ部分では該ネット21を塗り込めるようにして、それぞれ弾性接着剤よりなる下塗り材9を塗る。
その後、塗り仕上げ部分ではこの下塗り材9の上に上塗り材10を塗る。また、タイル仕上げ部分では、下塗り材9をタイル接着用弾性接着剤として利用し、これにタイル25を押し付けてタイル張りし、その後、必要に応じ目地詰めする。
この仕上げ処理によると、塗り仕上げ部分からタイル仕上げ部分にまで一連に連なった下塗り材9の層が形成されるので、改修壁の防水性が向上する。
この実施の形態では、隣り合うサイディング5,5の継ぎ目に跨ってクッション性を有するジョイントテープ20が設けられているので、温度変化等により各サイディング5が膨張・収縮し、隣り合うサイディング5,5同士がずれた場合でも、タイル25に加えられる応力が該ジョイントテープ20によって吸収されるため、タイル25の割れや剥離等を防止することができる。
また、このジョイントテープ20を介してネット21を仮留めしておくこともできるので、ビス留め作業性が大幅に向上する。
5 既存サイディング
7 プライマー
8 不陸調整剤
9 下塗り材
10 上塗り材
11 ガラスネット
20 ジョイントテープ
21 ネット
25 タイル
7 プライマー
8 不陸調整剤
9 下塗り材
10 上塗り材
11 ガラスネット
20 ジョイントテープ
21 ネット
25 タイル
Claims (6)
- 既存壁の少なくとも一部を塗り仕上げして改修する方法において、
該既存壁にプライマーを塗布するプライマー塗布工程と、
次いで樹脂系塗り材を塗って不陸を調整する不陸調整工程と、
その後、塗り仕上げ材を塗って塗り仕上げする塗り仕上げ工程と
を有することを特徴とする既存壁の改修方法。 - 請求項1において、該塗り仕上げ材は弾性接着剤をベースとしたものであることを特徴とする既存壁の改修方法。
- 請求項1又は2において、プライマーは、アクリルシリコン溶液にシランカップリング剤を混合したものであることを特徴とする既存壁の改修方法。
- 請求項1ないし3のいずれか1項において、既存壁を塗り仕上げする部分とそれに隣接する部分をタイル張りする改修方法であって、既存壁の上に前記塗り仕上げ材として弾性接着剤を塗って弾性接着剤層を形成し、
この弾性接着剤層にタイルを張り付けることを特徴とする既存壁の改修方法。 - 請求項4において、前記塗り仕上げ材として下塗り材と上塗り材とを用いる方法であって、
塗り仕上げ部分及びタイル張り仕上げ部分に連続して該下塗り材を塗った後、
タイル張り仕上げ部分について、該下塗り材にタイルを押し付けてタイル張りし、
塗り仕上げ部分について、該下塗り材の上に上塗り材を塗って塗り仕上げすることを特徴とする既存壁の改修方法。 - 請求項1ないし5のいずれか1項に記載の工法により既存壁が改修されてなる改修壁。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004351443A JP2006161326A (ja) | 2004-12-03 | 2004-12-03 | 既存壁の改修方法及び改修壁 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
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JP2004351443A Abandoned JP2006161326A (ja) | 2004-12-03 | 2004-12-03 | 既存壁の改修方法及び改修壁 |
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JP (1) | JP2006161326A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN105201166A (zh) * | 2015-10-23 | 2015-12-30 | 北京艺高世纪科技股份有限公司 | 一种弹性厚质仿大理石涂层及其刷涂工艺 |
JP2021001467A (ja) * | 2019-06-21 | 2021-01-07 | エイチ・アール・ディー・シンガポール プライベート リミテッド | 住宅の耐水害構造及びこの構造を用いた耐水害住宅 |
-
2004
- 2004-12-03 JP JP2004351443A patent/JP2006161326A/ja not_active Abandoned
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2021001467A (ja) * | 2019-06-21 | 2021-01-07 | エイチ・アール・ディー・シンガポール プライベート リミテッド | 住宅の耐水害構造及びこの構造を用いた耐水害住宅 |
JP7349273B2 (ja) | 2019-06-21 | 2023-09-22 | エイチ・アール・ディー・シンガポール プライベート リミテッド | 住宅の耐水害構造及びこの構造を用いた耐水害住宅 |
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