JP2006161238A - 耐熱クッション材及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 ガラス基板を汚染等すること無く、耐収縮性に優れ、経済性に富んだ耐熱クッション材及びその製造方法を提供する。
【解決手段】 耐熱性の有機繊維でなる不織布03にフッ素樹脂シート05をラミネート加工して構成される耐熱クッション材であって、前記不織布03が、延伸処理された耐熱性の有機繊維で織られた基布02に、前記有機繊維で構成されるカードラップをニードリング処理して構成される。
【選択図】 図1
【解決手段】 耐熱性の有機繊維でなる不織布03にフッ素樹脂シート05をラミネート加工して構成される耐熱クッション材であって、前記不織布03が、延伸処理された耐熱性の有機繊維で織られた基布02に、前記有機繊維で構成されるカードラップをニードリング処理して構成される。
【選択図】 図1
Description
本発明は、耐熱性の有機繊維でなる不織布にフッ素樹脂シートをラミネート加工して構成される耐熱クッション材及びその製造方法に関する。
対向面にスイッチング素子や透明電極、配向膜等からなる表示領域が形成された二枚のガラス基板を、スペーサ等を介して所定間隔で配置し、前記表示領域の周縁部に印刷或いは描画塗布された熱硬化性の接着剤により互いに貼り合せる液晶セルの製造工程において、前記対向配置されたガラス基板間に塗布されている前記接着剤は、加熱雰囲気中で加圧処理して樹脂硬化される。この時、プレス機のベッド上に二枚1組のガラス基板(液晶セル)を多数枚重ねて加圧する加熱・加圧処理として行なわれるが、各ガラス基板への局部的な応力の集中を回避し、各組のガラス基板の微細な間隔(セル厚)を安定保持するための緩衝材として、各液晶セルの間にクッション材を介在させている。
従来、上述のクッション材として、PTFE繊維100パーセントの薄い不織布や、耐熱ゴム発泡シートの両面に耐熱樹脂フィルムが接着されたクッション材、さらには、未延伸の耐熱不織布等で構成されるクッション材が使用されていた。
特開平08−169074号公報
特開平10−193194号公報
しかし、上述の従来のクッション材は、何れも液晶セルの加熱・加圧処理工程で緩衝材として用いた場合、著しい収縮現象が発生するため、複数回の使用に耐えず、経済性が劣るという問題があった。また、基材に耐熱ゴム発泡シートを使用するものでは、加熱・加圧処理により加硫材が染み出してガラス基板表面を汚染するという問題があり、耐熱不織布等で構成されるクッション材を使用する場合には、繊維くずが静電気によりガラス基板表面に付着するという問題もあった。
本発明は、上述の従来欠点に鑑み、ガラス基板を汚染等すること無く、耐収縮性に優れ、経済性に富んだ耐熱クッション材及びその製造方法を提供する点にある。
上述の目的を達成するため、本発明による耐熱クッション材の第一の特徴構成は、特許請求の範囲の書類の請求項1に記載した通り、耐熱性の有機繊維でなる不織布にフッ素樹脂シートをラミネート加工して構成される耐熱クッション材であって、前記不織布が、延伸処理された耐熱性の有機繊維で織られた基布に、前記有機繊維で構成されるカードラップをニードリング処理して構成されたものである点にある。
上述の構成では、基布が延伸処理された耐熱性の有機繊維で織られているため、加熱・加圧処理による収縮現象の発生を抑えることができる。つまり、基布を構成する有機繊維が延伸処理されることで高張力繊維となり耐熱性が発揮されるため、有機繊維自体の収縮現象の発生を抑えることができ、更に織り込まれることにより、より一層の収縮現象の発生を抑えることができるのである。また、基布の収縮現象の発生を抑えることにより、耐熱クッション材全体としての収縮現象の発生を抑えることが可能となるのである。よって、複数回加熱・加圧処理を行っても収縮現象の発生がなく、繰り返し使用可能な経済性に富んだ耐熱クッション材を提供することが可能となるのである。
同第二の特徴構成は、同請求項2に記載した通り、上述の第一特徴構成に加えて、前記不織布は、イミド系樹脂繊維に対してフッ素樹脂繊維が30〜40重量パーセント混入されたものである点にある。
上述の構成では、耐熱クッション材が柔軟性に富んだ状態となり、加熱・加圧処理の緩衝材として用いた場合、加熱・加圧処理の対象基板表面、例えば、液晶セルの貼り合せ工程では、ガラス表面の緩やかなうねり或いは凹凸に柔軟に密着することで、各ガラス基板への局部的な応力の集中を回避し、液晶セルのセル厚を安定保持することが可能となるのである。また、その構成要素がイミド系樹脂繊維とフッ素樹脂繊維とからなり、加硫材等の使用を行なっていないため、加熱処理により加硫材が染み出してガラス基板を汚染することもないのである。よって、液晶セルの貼り合せ等の工程のような加熱・加圧処理で緩衝材として使用されても、十分に緩衝材としての効果を達成でき、且つ、ガラス等の基板表面を汚染させることのない耐熱クッション材を提供することが可能となるのである。
同第三の特徴構成は、同請求項3に記載した通り、上述の第一または第二特徴構成に加えて、前記不織布は、イミド系樹脂繊維に対して炭素繊維が10〜20重量パーセント混入されたものである点にある。
上述の構成では、熱伝導率の高い炭素繊維を加えているため、耐熱クッション材の熱伝導率を高めることができ、前記耐熱クッション材の温度を周囲環境での雰囲気温度と同じ温度に早く安定させることが可能となるのである。つまり、液晶セルの貼り合せ時の加熱・加圧処理等に緩衝材として用いた場合、加熱時には早く加熱され、また、冷却時には早く冷却されるため、当該工程のスループットを向上させることが可能となるのである。また更には、前記耐熱クッション材の温度ムラを抑制することができるため、液晶セルの温度ムラをも抑制でき、熱硬化性の接着剤を面内でより均一に硬化することができる。つまり、熱硬化性の接着材の硬化ムラによる歪から発生するセル厚ムラを抑制することができる。よって、液晶セルの貼り合せ工程における加熱・加圧処理時に緩衝材として用いることにより、当該工程のスループットを向上させ、且つ、品質の高い液晶セルを製造することのできる耐熱クッション材を提供することが可能となるのである。
同第四の特徴構成は、同請求項4に記載した通り、上述の第一から第三の何れかの特徴構成に加えて、前記フッ素樹脂シートが除電加工されたものである点にある。
上述の構成では、耐熱クッション材をアースに接地することにより、当該耐熱クッション材に発生する静電気を速やかに除去すること可能となるのである。つまり、液晶セルの貼り合せ工程における加熱・加圧処理時において、緩衝材と液晶セルとを重ねる時に発生する接触帯電や、緩衝材と液晶セルとを引き離すときに発生する剥離帯電によるガラス表面への異物の付着、或いは、液晶セルを構成するスイッチング素子や諸配線間の絶縁破壊といった不具合を防止することができるのである。よって、液晶セルの貼り合せ工程における加熱・加圧処理時に緩衝材として用いることにより、品質が高く、良品率の高い液晶セルを製造することのできる耐熱クッション材を提供することが可能となるのである。
本発明による耐熱クッション材の製造方法の第一の特徴構成は、同請求項5に記載した通り、耐熱性の有機繊維で構成されるカードラップを、延伸処理された耐熱性の有機繊維で織られた基布に対してニードリング処理して不織布を生成し、前記不織布にフッ素樹脂シートをラミネート加工する点にある。
同第二の特徴構成は、同請求項6に記載した通り、上述の第一特徴構成に加えて、前記カードラップは、イミド系樹脂繊維に対してフッ素樹脂繊維が30〜40重量パーセント混入されたものである点にある。
同第三の特徴構成は、同請求項7に記載した通り、上述の第一または第二特徴構成に加えて、前記カードラップは、イミド系樹脂繊維に対して炭素繊維が10〜20重量パーセント混入されたものである点にある。
同第四の特徴構成は、同請求項8に記載した通り、上述の第一から第三の何れかの特徴構成に加えて、前記フッ素樹脂シートが除電加工されている点にある。
以上説明した通り、本発明によれば、ガラス基板を汚染等すること無く、耐収縮性に優れ、経済性に富んだ耐熱クッション材及びその製造方法を提供することができるようになった。
以下に本発明による耐熱クッション材及びその製造方法の第一の実施形態について説明する。本発明の耐熱クッション材01の構成は、図1のように延伸処理された耐熱性の有機繊維で織られた基布からなる基布層02と、前記基布層02に耐熱性の有機繊維で構成されるカードラップをニードリング処理して得られた不織布からなる不織布層03と、第一のフッ素樹脂シートをラミネート加工して得られた第一のフッ素樹脂からなる第一フッ素樹脂層04と、第二のフッ素樹脂シートをラミネート加工して得られた第二のフッ素樹脂からなる第二フッ素樹脂層05とからなる。
前記基布層02は、耐収縮性を向上するための耐収縮性向上層であり、延伸処理された耐熱性の有機繊維で織られた基布から構成される。前記基布は平織布であり、縦糸と横糸とを格子状に交差させて、その交点を融着している。また、前記有機繊維は、延伸処理されることにより高張力繊維となったもので、凡そ2DTEXの繊維が150〜250本束ねられた300〜500DTEXのマルチフィラメントとすることで耐収縮性に優れた構造となっている。
また、前記有機繊維は、例えば、ポリイミドアミド繊維、ポリエステル繊維、メタフェニレンイソフタルアミド繊維、パラフェニレンテレフタルアミド繊維、炭素繊維、ガラス繊維、セラミック繊維等を用いることができる。
不織布層03は、柔軟性を高めるための柔軟性向上層であり、前記基布層02に耐熱性の有機繊維で構成されるカードラップをニードリング処理して得られた不織布から構成され、前記基布層02の上層と下層に形成される。前記耐熱性の有機繊維は、無融点或いは融点250℃以上の有機繊維が好ましく、例えば、ポリイミドアミド繊維、PTFE繊維、PPS繊維、ポリ四フッ化エチレン繊維、メタフェニレンイソフタルアミド繊維、ポリエーテルエーテルケトン繊維、66ナイロン繊維、ポリエステル繊維、ヘテロ環繊維、ポリイミド繊維、パラフェニレンテレフタルアミド繊維、パラベンズアミド繊維、共重合アラミド繊維、耐炎繊維、レーヨン等を用いることができる。また、これらの繊維は複合繊維や混合繊維の態様としてもよい。
更には、イミド系樹脂繊維に対してフッ素樹脂繊維が30〜40重量パーセント混入されていることが好ましい。柔軟性の最も高い不織布層とすることができる。前記イミド系樹脂繊維と前記フッ素樹脂繊維は、上述した繊維の例等を適宜用いることができる。
また、イミド系樹脂繊維に対して炭素繊維を10〜20重量パーセント混入してもよい。柔軟性を損なわず熱伝導率を高めることができる。前記イミド系樹脂繊維は、上述した繊維の例等を適宜用いることができる。
不織布層03の層厚は、柔軟性に適した構造するために夫々0.2mm〜1.0mmとすることが好ましいが、これに限定するものではない。
前記第一フッ素樹脂層04は、前記不織布層03と前記第二フッ素樹脂層05とを接着するための接着層であり、前記不織布層03の外層に第一のフッ素樹脂により構成されている。また、前記第二フッ素樹脂層05は、前記不織布層03を保護するための保護層であり、前記第一フッ素樹脂層04の外層に第二のフッ素樹脂により構成されている。
前記第一フッ素樹脂層04を構成する第一のフッ素樹脂は、前記不織布層03を構成する不織布の融点と、前記第二フッ素樹脂層05を構成する第二のフッ素樹脂の融点よりも、低い融点を有するフッ素樹脂により構成されている。つまり、不織布の融点温度と第二のフッ素樹脂の融点温度とで低い方の融点温度以下で、且つ、第一のフッ素樹脂の融点温度以上の温度で加熱圧着することにより、前記第一のフッ素樹脂のみが溶融し、前記不織布層03と前記第二フッ素樹脂層05とを接着する構成となっている。また、加熱圧着の際、前記不織布層03を構成する不織布は溶融しないため、前記不織布の柔軟性に変化を生じさせることなく加熱融着すること可能となっている。
前記第一のフッ素樹脂には、例えば、FEP(融点245〜280℃)を用い、前記第二のフッ素樹脂には、例えば、PTFE(融点327℃)を用いると、上述した条件温度の範囲を広く設定することが可能となり、加熱圧着条件に対して有利となり好ましい。また、前記第二のフッ素樹脂に、PTFEを用いる場合には未焼成PTFEを用いることが好ましい。
前記第一のフッ素樹脂層は、その層厚が5μm〜15μmであれば十分に接着層としての機能を果たすことができ好ましい。薄すぎると接着層として成立せず好ましくはない。また、厚すぎると前記不織布層03の柔軟性向上層としての機能を十分に得ることができなくなり好ましくはない。
前記第二のフッ素樹脂層05は、10〜50μmであれば、十分に保護層としての機能を果たし好ましい。薄すぎると保護層として成立せず好ましくはない。また、厚すぎると前記不織布層03の柔軟性向上層としての機能を十分に得ることができなくなり好ましくはない。
本発明による耐熱クッション材01の製造方法は図2のように、前記不織布層03となる長さ10〜50mm程度の耐熱性の有機繊維11をカードまたはエアランダム機10で薄いシート12にし、目的の厚さとなるように前記シートを複数枚重ねることでカードラップ21を作成する。
前記カードラップ21と前記基布層となる基布13とを重ね、ニードリング20によりニードリング処理を行なうことで、前記カードラップ12を不織布として編み込みながら基布13と一体化させ、フェルトシート14を作成する。
前記フェルトシート14は、図3のようにラミネータローラー15により前記第一フッ素樹脂層04となる第一フッ素樹脂シート、例えば、FEP18でラミネートされ、更にラミネータローラー16により前記第二フッ素樹脂層05となる第二フッ素樹脂シート、例えば、未焼成PTFE19でラミネートされる。また、前記FEP18は、加熱ローラー18により溶融された後冷却することで、前記フェルトシート14とPTFE19とを接着することで前記耐熱クッション材01を作成することができる。尚、前記耐熱クッション材01は、カッター等により任意のサイズに加工することが可能である。
以下別の実施形態について説明する。上述した第一の実施形態において、前記第一或いは第二のフッ素樹脂層に除電加工を施した第二の実施形態について説明する。
第二の実施形態における、耐熱クッション材51の構成は、図4のように延伸処理された耐熱性の有機繊維で織られた基布からなる基布層52と、前記基布層52に耐熱性の有機繊維で構成されるカードラップをニードリング処理して得られた不織布からなる不織布層53と、第一のフッ素樹脂シートをラミネート加工して得られた第一のフッ素樹脂からなる第一フッ素樹脂層54と、第二のフッ素樹脂シートをラミネート加工して得られた第二のフッ素樹脂からなる第二フッ素樹脂層55と、第二フッ素樹脂層55に埋め込まれた導電性繊維からなる除電加工部80とからなる。
前記基布層52は、前述した第一の実施形態と同様に、耐収縮性を向上するための耐収縮性向上層であり、延伸処理された耐熱性の有機繊維で織られた基布から構成される。前記基布は平織布であり、縦糸と横糸とを格子状に交差させて、その交点を融着している。また、前記有機繊維は、延伸処理されることにより高張力繊維となったもので、凡そ2DTEXの繊維が150〜250本束ねられた300〜500DTEXのマルチフィラメントとすることで耐収縮性に優れた構造となっている。
また、前記有機繊維は、例えば、ポリイミドアミド繊維、ポリエステル繊維、メタフェニレンイソフタルアミド繊維、パラフェニレンテレフタルアミド繊維、炭素繊維、ガラス繊維、セラミック繊維等を用いることができる。
不織布層53は、前述した第一の実施形態と同様に、柔軟性を高めるための柔軟性向上層であり、前記基布層52に耐熱性の有機繊維で構成されるカードラップをニードリング処理して得られた不織布から構成され、前記基布層52の上層と下層に形成される。前記耐熱性の有機繊維は、無融点或いは融点250℃以上の有機繊維が好ましく、例えば、ポリイミドアミド繊維、PTFE繊維、PPS繊維、ポリ四フッ化エチレン繊維、メタフェニレンイソフタルアミド繊維、ポリエーテルエーテルケトン繊維、66ナイロン繊維、ポリエステル繊維、ヘテロ環繊維、ポリイミド繊維、パラフェニレンテレフタルアミド繊維、パラベンズアミド繊維、共重合アラミド繊維、耐炎繊維、レーヨン等を用いることができる。また、これらの繊維は複合繊維や混合繊維の態様としてもよい。
更には、イミド系樹脂繊維に対してフッ素樹脂繊維が30〜40重量パーセント混入されていることが好ましい。柔軟性の最も高い不織布層とすることができる。前記イミド系樹脂繊維と前記フッ素樹脂繊維は、上述した繊維の例等を適宜用いることができる。
また、イミド系樹脂繊維に対して炭素繊維を10〜20重量パーセント混入してもよい。柔軟性を損なわず熱伝導率を高めることができる。前記イミド系樹脂繊維は、上述した繊維の例等を適宜用いることができる。
不織布層53の層厚は、柔軟性に適した構造するために夫々0.2mm〜1.0mmとすることが好ましいが、これに限定するものではない。
前記第一フッ素樹脂層54は、前述した第一の実施形態と同様に、前記不織布層53と前記第二フッ素樹脂層55とを接着するための接着層であり、前記不織布層53の外層に第一のフッ素樹脂により構成されている。また、前記第二フッ素樹脂層55は、前述した第一の実施形態と同様に、前記不織布層53を保護するための保護層であり、前記第一フッ素樹脂層04の外層に第二のフッ素樹脂により構成されている。
前記第一フッ素樹脂層54を構成する第一のフッ素樹脂は、前記不織布層53を構成する不織布の融点と、前記第二フッ素樹脂層55を構成する第二のフッ素樹脂の融点よりも、低い融点を有するフッ素樹脂により構成されている。つまり、不織布の融点と第二のフッ素樹脂の融点とで低い方の融点と、第一のフッ素樹脂の融点以上の温度で加熱圧着することにより、前記前記第一フッ素樹脂層54が前記不織布層53と前記第二フッ素樹脂層55との接着層となる構成となっている。また、加熱圧着の際、前記不織布層53を構成する不織布は溶融しないため、前記不織布の柔軟性に変化を生じさせることなく加熱融着すること可能となっている。
前記第一のフッ素樹脂には、例えば、FEP(融点245〜280℃)を用い、前記第二のフッ素樹脂には、例えば、PTFE(融点327℃)を用いると、上述した条件温度の範囲を広く設定することが可能となり、加熱圧着条件に対して有利となり好ましい。また、前記第二のフッ素樹脂に、PTFEを用いる場合には未焼成PTFEを用いることが好ましい。
前記第一フッ素樹脂層54は、その層厚が5μm〜15μmであれば十分に接着層としての機能を果たすことができ好ましい。薄すぎると接着層として成立せず好ましくはない。また、厚すぎると前記不織布層53の柔軟性向上層としての機能を十分に得ることができなくなり好ましくはない。
前記第二フッ素樹脂層55は、10〜50μmであれば、十分に保護層としての機能を果たし好ましい。薄すぎると保護層として成立せず好ましくはない。また、厚すぎると前記不織布層53の柔軟性向上層としての機能を十分に得ることができなくなり好ましくはない。
前記除電加工部80は、前記前記第二フッ素樹脂層55の表面をアースに接続することで、前記前記第二フッ素樹脂層55表面に発生した電荷を除去するより除電する除電部であり、前記第二フッ素樹脂層55の表面に導電性繊維が埋め込まれた構成となっている。
前記導電性繊維は、例えば炭素繊維や、銅、SUS、銀等の金属繊維を用いることができる。前記導電性繊維は、前記第二フッ素樹脂層55の層厚の10%〜80%の太さが好ましく、凡そ40〜50%が好適である。前記導電性繊維は、細くても十分な除電効果を有するが、前記第二フッ素樹脂層55の層厚よりも太いと、前記第二フッ素樹脂層55内に収まらず種々の不都合を生じるためである。また、前記導電性繊維は、単線で配置され、前記第二フッ素樹脂層55内で互いに交差しない構造となっている。交差することにより、前記第二フッ素樹脂層55内に収まらないことを防止するためである。ただし、前述したように、前記導電性繊維の太さを前記第二フッ素樹脂層55の層厚の40〜50%とすることで、1回の交差までであれば許容できる構成となっている。
以下本発明による耐熱クッション材51の製造方法は、前述した第一の実施形態と同様に、フェルトシート61を作成する。前記フェルトシート61は、図5のようにラミネータローラー62により前記第一フッ素樹脂層54となる第一フッ素樹脂シート、例えば、FEP63でラミネートされ、更にラミネータローラー64により前記第二フッ素樹脂層55となる第二フッ素樹脂シート、例えば、未焼成PTFE65でラミネートされる。また、前記導電性繊維68が加圧ローラー67により前記第一フッ素樹脂層54内に完全に埋め込まれる。更に、前記FEP63は、加熱ローラー66により溶融された後冷却することで、前記フェルトシート61とPTFE65とを接着し前記耐熱クッション材51を作成することができる。尚、前記耐熱クッション材51は、カッター等により任意のサイズに加工することが可能である。
以下に本発明における耐熱クッション材を液晶セルの貼り合せ工程における加熱・加圧処理に用いた場合について説明する。図6に示すように、対向面にスイッチング素子(不図示)や透明電極(不図示)、配向膜等(不図示)からなる表示領域が形成された二枚のガラス基板101、102を、スペーサ(不図示)等を介して所定間隔で配置すると共に、前記二枚のガラス基板101、102を接着するために、前記表示領域の周縁部に印刷或いは描画塗布されたエポキシ樹脂等からなる熱硬化性の接着材103を形成した。
図7に示すように、前記二枚のガラス基板101、102が貼り合せられた1組のガラス基板104と、本発明による耐熱クッション材01とを交互に積層し、プレス機のベッド105間に設置し、200℃の雰囲気中で6時間の加熱・加圧処理を行い、前記熱硬化性の接着材103の硬化を行なった。
前記加熱・加圧処理後の耐熱クッション材01は何ら収縮することなく繰り返し同様の加熱・加圧処理を行なうことが可能であった。また、ガラス表面の緩やかなうねり或いは凹凸に柔軟に密着させ、各ガラス基板への局部的な応力の集中を回避することができたため、均一なセル厚が確保された高品質な液晶セルを作成することができ、また、前記液晶セル表面への汚染の発生もなかった。
前記不織布層02において、イミド系樹脂繊維に対してフッ素樹脂繊維を30〜40重量パーセント混入させた不織布としたものを前記耐熱クッション01に用いた場合、特に顕著に、ガラス表面の緩やかなうねり或いは凹凸に柔軟に密着させることができたため、各ガラス基板への局部的な応力の集中を回避することでき、結果として、均一なセル厚を確保した高品質な液晶セルを作成することができた。
前記不織布層02において、イミド系樹脂繊維に対して炭素繊維を10〜20重量パーセント混入させた不織布としたものを前記耐熱クッション01に用いた場合、前記耐熱クッション材の温度を周囲環境での雰囲気温度と同じ温度に早く安定させることができ、液晶セルを加熱時には早く加熱させることが、また、冷却時には早く冷却させることができ、結果として、加熱・加圧処理のスループットを向上させることができた。また、前記耐熱クッション材01の温度ムラを抑制することができたため、液晶セルの温度ムラをも抑制でき、熱硬化性の接着剤を面内でより均一に硬化させることができた。つまり、熱硬化性の接着材の硬化ムラによる歪から発生するセル厚ムラを抑制することができ、品質の高い液晶セルを製造することができた。
同様にして、前記耐熱クッション材51を用いて加熱・加圧処理を行なった場合、前記加熱・加圧処理後の耐熱クッション材51は何ら収縮することなく繰り返し同様の加熱・加圧処理を行なうことが可能であった。また、ガラス表面の緩やかなうねり或いは凹凸に柔軟に密着させ、各ガラス基板への局部的な応力の集中を回避することができたため、均一なセル厚が確保された高品質な液晶セルを作成することができ、また、前記液晶セル表面への汚染の発生もなかった。
更に、前記耐クッション材51をアースに接地することにより、前記耐熱クッション材51に発生した静電気を速やかに除去することできたため、前記耐熱クッション材51と前記各1組のガラス基板104とを重ねる時に発生する接触帯電や、前記耐熱クッション材51と液晶セルとを引き離すときに発生する剥離帯電によるガラス表面への異物の付着、或いは、液晶セルを構成するスイッチング素子や諸配線間の絶縁破壊といった不具合を防止することができ、結果として、品質が高く、良品率の高い液晶セルを製造することができた。
本発明の耐熱クッション材は、前述した液晶セルの貼り合せ工程の他、化粧板、銅張り積層板、多層配線板等、緩衝材を介して複数積層し、加熱・加圧して製造されるものに対して前記緩衝材として用いることができる。
01、51:耐熱クッション材
02、52:基布層
03、53:不織布層
04、54:第一フッ素樹脂層
05、55:第二フッ素樹脂層
80:除電加工部
02、52:基布層
03、53:不織布層
04、54:第一フッ素樹脂層
05、55:第二フッ素樹脂層
80:除電加工部
Claims (9)
- 耐熱性の有機繊維でなる不織布にフッ素樹脂シートをラミネート加工して構成される耐熱クッション材であって、
前記不織布が、延伸処理された耐熱性の有機繊維で織られた基布に、前記有機繊維で構成されるカードラップをニードリング処理して構成されたものである耐熱クッション材。 - 前記不織布は、イミド系樹脂繊維に対してフッ素樹脂繊維が30〜40重量パーセント混入されたものである請求項1記載の耐熱クッション材。
- 前記不織布は、イミド系樹脂繊維に対して炭素繊維が10〜20重量パーセント混入されたものである請求項1または2記載の耐熱クッション材。
- 前記フッ素樹脂シートが除電加工されたものである請求項1から3の何れかに記載の耐熱クッション材。
- 耐熱性の有機繊維で構成されるカードラップを、延伸処理された耐熱性の有機繊維で織られた基布に対してニードリング処理して不織布を生成し、前記不織布にフッ素樹脂シートをラミネート加工する耐熱クッション材の製造方法。
- 前記カードラップは、イミド系樹脂繊維に対してフッ素樹脂繊維が30〜40重量パーセント混入されたものである請求項5記載の耐熱クッション材の製造方法。
- 前記カードラップは、イミド系樹脂繊維に対して炭素繊維が10〜20重量パーセント混入されたものである請求項5または6記載の耐熱クッション材の製造方法。
- 前記フッ素樹脂シートが除電加工されている請求項5から7の何れかに記載の耐熱クッション材の製造方法。
- 内周部に接着剤が塗布された一対のガラス基板を対向配置した液晶セルを請求項1から4の何れかに記載のクッション材を介在させて上下に積層し、加熱下で加圧処理する耐熱クッション材の使用方法。
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---|---|---|---|---|
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-
2004
- 2004-12-10 JP JP2004357890A patent/JP2006161238A/ja active Pending
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