JP2006160175A - 匍匐移動機構、匍匐移動装置及び匍匐移動方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 シュラウドサポートレグの裏側と原子炉圧力容器側との狭隘部における溶接部の点検、検査、予防保全、補修等の各種補修作業を円滑にする。
【解決手段】 匍匐移動機構1は、複数段からなり壁面に吸着する吸着機構51a、51b、51c、51dと、吸着機構51a、51b、51c、51dに設けられ横移動できる匍匐駆動部2と、吸着機構51a、51b、51c、51dに設けられ上下移動できる昇降機構11と、吸着機構51a、51b、51c、51dにより壁面へ吸着した状態で吸着機構の移動を可能とする吸着状態移動手段(例えば、エアシリンダ5a、5b、5c、5d)と、を有する。
【選択図】 図1
【解決手段】 匍匐移動機構1は、複数段からなり壁面に吸着する吸着機構51a、51b、51c、51dと、吸着機構51a、51b、51c、51dに設けられ横移動できる匍匐駆動部2と、吸着機構51a、51b、51c、51dに設けられ上下移動できる昇降機構11と、吸着機構51a、51b、51c、51dにより壁面へ吸着した状態で吸着機構の移動を可能とする吸着状態移動手段(例えば、エアシリンダ5a、5b、5c、5d)と、を有する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、原子炉圧力容器内や炉内構造物等の人が容易に近づけない構造物の点検、検査、予防保全、補修を行う匍匐移動機構、匍匐移動装置及び匍匐移動方法に関する。
沸騰水型原子力発電プラントにおける原子炉圧力容器内や炉内構造物の点検、検査、予防保全、補修等を行うための匍匐移動機構として原子炉補修ロボットがある。この原子炉補修ロボットは、小型、薄型で炉心シュラウド外面のように、ジェットポンプが全周に配置された狭隘な環境状態の場所に対してアクセスできるものである(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−161797号公報
しかしながら、上述した従来の原子炉補修ロボットにおいては、吸着しながら匍匐移動する機能を有しないために、検査補修装置を移動させ位置決めした後で、吸着させて検査補修作業を行っている。その後、隣接する箇所を検査補修する場合は、吸着状態を解除し、再度、原子炉補修装置を移動させ位置決めした後で、吸着させて検査補修作業を行っている。このように、吸着しながら匍匐移動することができないために、検査補修装置による検査補修工程が多岐にわたり、精度の良い移動と位置決めが困難であるという課題があった。
このため、原子炉底部のアクセス困難なシュラウドサポートレグの裏側と原子炉圧力容器との狭隘部における溶接部の点検、検査、予防保全、補修等の各種補修作業を行うことが難しいという課題があった。
本発明は上記課題を解決するためになされたもので、水平でない壁面に吸着しながら匍匐移動する機能を持たせて、精度の良い移動と位置決めを可能とすることにより、アクセス困難な狭隘部における溶接部の点検、検査、予防保全、補修等の各種補修作業を円滑にすることのできる匍匐移動機構、匍匐移動装置及び匍匐移動方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の匍匐移動機構は、複数からなり水平でない壁面に吸着する吸着機構と、この吸着機構に設けられ壁面に沿って水平に移動できる匍匐駆動部と、 前記吸着機構に設けられ壁面に沿って上下に移動できる昇降機構と、前記吸着機構により壁面へ吸着した状態で吸着機構の移動を可能とする吸着状態移動手段と、を有することを特徴とするものである。
また、上記目的を達成するため、本発明の匍匐移動装置は、複数からなり水平でない壁面に吸着する吸着機構と、この吸着機構に設けられ壁面に沿って水平に移動できる匍匐駆動部と、前記吸着機構に設けられ壁面に沿って上下に移動できる昇降機構と、前記吸着機構により壁面へ吸着した状態で吸着機構の移動を可能とする吸着状態移動手段と、原子炉圧力容器の炉底部に立設された制御棒駆動機構ハウジングの上面に載置される移動装置と、この移動装置に収納され伸展されて前記匍匐駆動部を着脱する多関節アームと、を有することを特徴とするものである。
また、上記目的を達成するため、本発明の匍匐移動方法は、原子炉圧力容器の炉底部に立設された制御棒駆動機構ハウジングの上面に載置された移動装置に収納され伸展される多関節アームにより匍匐駆動部を移送する移送ステップと、この移送された匍匐駆動部を前記移動装置に設けられたアーム昇降機構により昇降させる昇降ステップと、この位置決めされた吸着機構のノズルに加圧された水を供給することにより吸着パッド内を負圧にして壁面に吸着する吸着ステップと、この吸着機構により壁面へ吸着した状態で前記吸着機構の移動を可能とする吸着状態移動ステップと、を有することを特徴とするものである。
本発明によれば、匍匐移動機構は、狭隘部の壁面に吸着しながら匍匐移動する機能を持ち、精度の良い移動と位置決めを可能とすることにより、アクセス困難な狭隘部における溶接部の点検、検査、予防保全、補修等の各種補修作業を円滑にすることができる。
以下、本発明に係る匍匐移動機構、匍匐移動装置及び匍匐移動方法の実施の形態について、図1乃至図8を参照して説明する。ここで、同一又は類似の部分には共通の符号を付すことにより、重複説明を省略する。
図1は、本発明の実施形態の匍匐移動機構の全体構成を示す正面図であり、図2は、図1のA−A矢印方向から見た側面図である。
図1及び図2に示すように、本実施形態の匍匐移動機構1は、中央部には本体として、匍匐駆動部2が構成されている。この匍匐駆動部2の下面には、プレート3a、3bが壁面52に沿って平行に設けられている。この壁面52は、例えば、原子炉圧力容器の炉底部に設けられたシュラウドサポートレグのように、水中において鉛直方向に立設された壁面又は斜面状態の壁面をいう。
このプレート3a、3bの上下部には、4個の吸着機構51a、51b、51c、51dが設けられている。これらの吸着機構51a、51b、51c、51dは、それぞれ4個のエゼクタ4a、4b、4c、4d、4個の吸着パッド6a、6b、6c、6dより構成される。エゼクタについては図3を参照して後述する。
また、これらの吸着機構51a、51b、51c、51dの4個のエゼクタ4a、4b、4c、4dには、水ホース9a、9b、9c、9d及びホース継ぎ手10a、10b、10c、10dを経由して高圧水が供給される。これらのエゼクタ4a、4b、4c、4dに高圧水を注入し、4個の吸着パッド6a、6b、6c、6dの内部を負圧にすることによって吸着力を得て、匍匐移動機構1は壁面52に押し付けられる構造となっている。
4個のエゼクタ4a、4b、4c、4dの横には、壁面52との距離が測定できる4個の測定手段である渦電流式変位計7a、7b、7c、7dが設けられている。この渦電流式変位計7a、7b、7c、7dは、吸着機構51a、51b、51c、51dの吸着状態を監視するためもので、信号ケーブル8a、8b、8c、8dを経由して制御装置39(図7も参照)に信号が送られ匍匐移動機構1の吸着状態を確認することができる。
また、これらの吸着機構51a、51b、51c、51dには、吸着状態移動手段53a、53b、53c、53dが付属されている。この吸着状態移動手段53a、53b、53c、53dは、4個のエアシリンダ5a、5b、5c、5dにより構成される。吸着機構については図3を参照して後述する。
プレート3bには、昇降機構11が昇降機構支持棒18を介して取り付けられている。この昇降機構11は、シャフト11a及び可動子11bより構成されモータ(図示せず)で駆動される。昇降機構11の移動する部分である可動子11bには、測定手段であるリニアセンサ12が設けられている。この可動子11bの上下移動量は、コード12aを介して制御装置39に送られて昇降機構11の制御に使用される。また、昇降機構11の可動子11bには、補修装置48(図8も参照)が取り付けられるようにプレート13が設けられている。
匍匐駆動部2は、上下部に設けられた2本のリニアガイドレール15aから構成される。このリニアガイドレール15aには、リニアガイドベアリング15bが移動可能なように設けられている。リニアガイドベアリング15bは、支持板15cを介してプレート3aに支持されている。
一方、匍匐駆動部2の内部には、レゾルバ付き電動モータ16が配置されている。このレゾルバ付き電動モータ16の回転トルクは、プーリ(図示せず)とタイミングベルト(図示せず)を介して回転駆動するボールネジ17に伝達される。このボールネジ17の回転トルクは、ボールネジナット17に伝達される。このボールネジナット17の動きは、ボールネジナット17が付属されたプレート18aを介して、リニアガイドベアリング15bに伝達されて、匍匐駆動部2は横移動する。
また、ボールネジ17に沿って移動するボールネジナット17aには、横移動量を測定するためのリニアセンサ18bが取り付けられている。
上述のとおり、プレート3bには、2個のエゼクタ4c、4d、2個のエアシリンダ5c、5d及び2個の吸着パッド6c、6dが設けられ、吸着機構51c、51dを構成し、吸着状態移動手段53a、53b、53c、53dを構成している。また、プレート3bには、昇降機構支持棒18を介して昇降機構11が配設されている。
なお、上述のプレート3aには、リニアガイドレール15aが取り付けられた筐体(図示せず)がリニアガイドベアリング15bを介して配設されている。
このように構成された本実施の形態において、匍匐駆動部2の吸着機構51a、51b、51c、51dを構成するエゼクタ4a、4b、4c、4dに、水ホース9a、9b、9c、9dを介して高圧水を供給する。この高圧水が供給されたエゼクタ4a、4b、4c、4dにより吸着パッド6a、6b、6c、6d内に負圧を発生させ、匍匐移動機構1は壁面52に押し付けられる。
次に、匍匐駆動部2のレゾルバ付き電動モータ16を回転することにより、ボールネジ17のナット17aを回転移動させることにより、壁面52に吸着パッド6a、6b、6c、6dが吸着した状態で、匍匐駆動部2は匍匐移動する。
匍匐駆動部2に設けられた渦電流式変位計7a、7b、7c、7dにより
壁面52との距離が計測され匍匐移動機構1の吸着状態を監視することが可能である。また、昇降機構11の移動する部分である可動子11bに設けられたリニアセンサ12により、この可動子11bの上下移動量が計測され、昇降機構11の制御に使用される。さらに、ボールネジ17に沿って移動するボールネジナット17aに設けられたリニアセンサ18bにより、匍匐駆動部2の横移動量が測定される。
壁面52との距離が計測され匍匐移動機構1の吸着状態を監視することが可能である。また、昇降機構11の移動する部分である可動子11bに設けられたリニアセンサ12により、この可動子11bの上下移動量が計測され、昇降機構11の制御に使用される。さらに、ボールネジ17に沿って移動するボールネジナット17aに設けられたリニアセンサ18bにより、匍匐駆動部2の横移動量が測定される。
本実施の形態によれば、狭隘な個所の壁面においても、匍匐移動機構1が壁面52に押し付けられた状態で検査作業及び補修作業を行うことが可能である。
また、各駆動部に設けた渦電流式変位計7a、7b、7c、7d、リニアセンサ12、18bにより、吸着状態の遠隔監視が可能であり、また検査作業及び補修作業における遠隔操作が可能である。さらに、匍匐移動機構1に匍匐駆動部2及び昇降機構11を設けることにより、各種作業毎に必要とされる各機構の駆動部を選択でき、不必要な機構の駆動を停止し信頼性の向上を図ることができる。
上述のように、狭隘部の壁面に吸着しながら匍匐移動する機能を持たせて、精度の良い移動と位置決めを可能とすることにより、狭隘部における溶接部の点検、検査、予防保全、補修等の各種補修作業を円滑にすることができる。
図3は、図1に示す吸着機構の代表例51aの構成を示す縦断面図である。
図3に示すように、吸着パッド6aにはエアシリンダ5aがボルト等(図示せず)で固定されている。
このエアシリンダ5aは吸着状態移動手段53aを構成する。エアシリンダ5aのシャフト19の先端には、ローラガイド20を介してローラ21が設けられている。吸着パッド6aで吸着した状態で匍匐移動するときに、このローラ21は、エアシリンダ5aで壁面52まで押し出され、吸着パッド6aの移動時に発生する動摩擦力を軽減するために使用される。この吸着パッド6aにはエゼクタ4aがボルト等(図示せず)で固定されている。エゼクタ4aはノズル22及びこれに接続するノズル23より構成される。
このように構成された本実施の形態において、ノズル22の開口部から高圧水25aをノズル23の開口部へ供給することにより、吸着パッド6a内の水25bが矢印の方向に流れ出て吸着パッド6aの内部が負圧になり吸着ができる構造となっている。
図4は、図3の吸着機構の変形例を示す縦断面図であり、図3と同一又は類似の部分には共通の符号を付すことにより、重複説明を省略する。
図4に示すように、吸着源であるエゼクタ4aはノズル24及びノズル25を組み立てて構成したものである。ノズル24の底部と上部の角を無くし滑らかな加工を施した。また、ノズル25は底部の角を無くし滑らかな加工を施すと共に先端部はラッパのような形状とし、角を滑らかに加工した。
このように構成された本実施の形態において、ノズル24の開口部から高圧水25cをノズル25の開口部へ供給することにより、吸着パッド6a内の水25dがノズル24とノズル25との間を矢印の方向に流れ出て吸着パッド6aの内部が負圧になり吸着ができる構造となる。
このように構成された本実施の形態によれば、匍匐移動時に発生する摩擦力が軽減されるため駆動用のモータの負荷が大幅に抑えられる。また、吸着源であるエゼクタ4a内部の圧力損失を軽減し、精度の高い吸着源が得られる。また、駆動用モータのトルクを低く抑えることにより、モータの小型化ができ、エゼクタ4a内部の圧力損失が軽減できるので、従来複数台必要としたポンプが1台の水中ポンプで全作業を賄うことができる。
図5は、本発明の他の実施形態の匍匐移動機構及び原子炉内での作用を説明する概略縦断面図であり、図6は、図5のB部を拡大して示す縦断面図である。
図5及び図6に示すように、原子炉圧力容器26の内部には、円筒状のシュラウド胴27が設置されている。このシュラウド胴27には、燃料集合体(図示せず)を支えるための四角の形状を有する上部格子板28と制御棒(図示せず)を収納できる筒状の制御棒案内管(図示せず)を支持する炉心支持板29が設けられている。また、原子炉圧力容器26の底部には、制御棒駆動機構(図示せず)を装着できる制御棒駆動機構ハウジング32が原子炉圧力容器26の底部を貫通し林立した状態で据え付けられている。シュラウド胴27の内部から検査又は補修作業を行う場合は、上述の燃料集合体(図示せず)や制御棒案内管(図示せず)の1部をシュラウド胴27内から取り外して行う。
図5に示す移動装置33は、上述の上部格子板28及び炉心支持板29を通過してシュラウドサポートレグ31に接近した位置に有る制御棒駆動機構ハウジング32を利用して設置する。この設置した移動装置33は、オペレーションフロア38(図7参照)上から遠隔操作で吊り下ろされる匍匐移動機構1を受け入れる姿勢で待機させる。次に、匍匐移動機構1をオペレーションフロア38上から遠隔操作で吊り下ろし上述の上部格子板28及び炉心支持板29を通過してシュラウドサポートレグ31の付近で匍匐移動機構1を受け取る姿勢で待機させた移動装置33に接近させる。
次に、図6に示すように、匍匐移動機構1に取り付けられた着脱機構14を移動装置33より伸展する多関節アーム37で受け取る。この多関節アーム37の動作により、匍匐移動機構1は、シュラウドサポートレグ31とバッフルプレート36と原子炉圧力容器26で囲まれた狭隘部に移送される。この狭隘部に移送された匍匐移動機構1は、構成する吸着機構51a、51b、51b、51cの吸着力によりシュラウドサポートレグ31の壁面52に吸着される。
このように構成された本実施の形態において、匍匐移動機構1は、原子炉圧力容器26の底部に別置された移動装置33より伸展する多関節アーム37で受け取られる。この多関節アーム37の動作によりシュラウドサポートレグ31まで移動され壁面52に吸着される。このため、匍匐移動機構1は水中を移動する機構を必要としないので、匍匐移動機構の重量の軽減化を図ることができる。また、匍匐移動機構1は、移動装置33の多関節アーム37でシュラウドサポートレグ31に接近させた後に、匍匐移動機構1の上下方向の調整は、移動装置33のアーム昇降機構(図示せず)により行うことができる。このため、匍匐移動機構1は、上下方向の調整機構を不要とし、さらに単独でシュラウドサポートレグ31の壁面52に吸着しながら移動できるために、移動装置33の多関節アーム37に作用するモーメントを大幅に軽減できる。
本実施の形態によれば、匍匐移動機構1は、水中を移動する機構を不要とし小型にすることにより、原子炉圧力容器26の底部における狭隘な部分にも容易にアクセスすることができる。さらに、移動装置33の多関節アーム37の動作により、シュラウドサポートレグ31の裏側へ匍匐移動機構1を容易に移動させ溶接部の検査及び補修をすることができるという効果もある。
上述のように、原子炉底部へ吊り下ろされた匍匐移動機構は、別置きした移動装置から伸展する多関節アームでシュラウドサポートレグの裏側と原子炉圧力容器側との狭隘部に移送され装着される。シュラウドサポートレグの壁面に吸着しながら匍匐移動する機能を持たせて、精度の良い移動と位置決めを可能とすることにより、原子炉底部のアクセス困難なシュラウドサポートレグの裏側と原子炉圧力容器との狭隘部における溶接部の点検、検査、予防保全、補修等の各種補修作業を円滑にすることができる。
図7は、本発明の他の実施形態の匍匐移動機構及び原子炉内での作用を示す全体図である。図7は、沸騰水型原子炉圧力容器26の内部及びオペレーションフロア38の配置を示している。オペレーションフロア38上には、匍匐移動機構1を制御する制御装置39、圧縮空気を制御するエアコントロール制御装置40及びエゼクタ4a、4b、4c、4d(図1も参照)の高圧水を制御するエゼクタ流量コントロール装置43が配置されている。また、水中の浅い箇所には、匍匐移動機構1へ高圧水を供給する水中ポンプ41が吊り下げられている。
制御装置39は、前述の匍匐駆動部2及び昇降機構11のモータ用ドライバー(図示せず)、渦電流式変位計7a、7b、7c、7dとリニアセンサ12、18bの各アンプ(図示せず)、エアコントロール装置40の電磁弁、エゼクタ流量コントロール装置43の電磁弁を制御するリレー回路(図示せず)及び統括制御するコンピュータ(図示せず)等により構成されている。
また、制御装置39からの信号、電源、エアはケーブル・エアーホース35により匍匐移動機構1まで供給がなされている。また、前述の水中ポンプ41へは水中ポンプケーブル42により電源の供給がなされている。次に、吸着機構51a、51b、51c、51dの吸着源である高圧水は、水中ポンプ41からホース41aにて流量計44aを介して、4系統に配置した電磁弁45a、45bと手動弁46a、46bに分離され、さらに2系統に配置した流量計44b、44cを経由して匍匐移動機構1の前述のエゼクタエゼクタ4a、4b、4c、4dに供給がなされる。
このように構成された本実施の形態において、制御装置39によって、エアコントロール装置40、水中ポンプ41及びエゼクタ流量コントロール装置43の制御並びに匍匐移動機構1の匍匐駆動部2及び昇降機構11を制御することにより、匍匐移動機構1の遠隔操作が可能となる。また、エゼクタ流量コントロール装置43の電磁弁45a、45b及び手動弁46a、46bを流れる流量を調整することにより、エゼクタ4a、4b、4c、4dの吸着力を遠隔でコントロールすることが可能となる。
本実施の形態によれば、前述の移動装置33により壁面52に移送された匍匐移動機構1は、制御装置39により遠隔自動運転が可能となる。匍匐移動機構1に設けた渦電流式変位計7a、7b、7c、7dとリニアセンサ12、18bにより、匍匐移動機構1の状況が制御装置39で確認できる。また、エゼクタエゼクタ4a、4b、4c、4dの吸着力を遠隔でコントロールできるため、吸着パッド6a、6b、6c、6dを吸着した状態でも壁面との摩擦力を調整できるため精度の高い位置制御ができる。
図8は、本発明の他の実施形態の匍匐移動機構及び原子炉内での作用を示す全体図である。
図8に示すように、沸騰水型原子力圧力容器26内部の炉底部であるシュラウドサポートレグ31の壁面52には、匍匐移動機構1が吸着した状態で設定されている。
匍匐移動機構1の昇降機構11の可動部分である可動子11bに設置したプレート13にはブラケット47を介して補修装置48が装着されている。例えば、この補修装置48がレーザピーニングを行う装置の場合には、オペレーションフロア38からファイバーケーブル(図示せず)を介してレーザ光の供給がなされ補修施工が行われる。
このように構成された本実施の形態において、補修装置48を使用して補修施工をするときには、施工に必要な送り駆動49及び走査駆動50は、匍匐移動機構1に配設した匍匐駆動部2及び昇降機構11を稼動することにより行うことができる。また、ブラケット47を交換することにより、別の補修装置や検査装置が装着できる。
このように、1台の匍匐移動機構1を使用して原子力圧力容器26の炉底部の検査及び補修ができる効果がある。また、移動装置33を使用することにより、補修装置や検査装置の駆動部を削減できるために、匍匐移動機構1の小型化を図ることができる。
1…匍匐移動機構、2…匍匐駆動部、3a、3b…プレート、4a、4b、4c、4d…エゼクタ、5a、5b、5c、5d…エアシリンダ、6a、6b、6c、6d…吸着パッド、7a、7b、7c、7d…渦電流式変位計、8a、8b、8c、8d…信号ケーブル、9a、9b、9c、9d…水ホース、10a、10b、10c、10d…ホース継ぎ手、11…昇降機構、11a…シャフト、11b…可動子、11c…ケーブル、12…リニアセンサ、12a…ケーブル、13…プレート、14…着脱機構、15a…リニアガイドレール、15b…リニアガイドベアリング、16…電動モータ、17…ボールネジ、17a…ナット、18a…プレート、18b…リニアセンサ、19…シャフト、20…ローラガイド、21…ローラガイド、22…ノズル、23…ノズル、24…ノズル、25…ノズル、25a…高圧水、25b…パット内部の水の流れ、25c…高圧水、25d…パット内部の水の流れ、26…原子炉圧力容器、27…シュラウド、28…上部格子板、29…炉心支持板、30…シュラウドサポートシリンダー、31…シュラウドサポートレグ、32…制御棒駆動機構ハウジング、33…移動装置、34…ワイヤーロープ、35…ケーブ、ホース、36…バッフルプレート、37…多関節アーム、38…オペレーションフロア、39…制御装置、40…エアコントロール装置、41…水中ポンプ、42…水中ポンプケーブル、43…エゼクタ流量コントロール装置、44a、44b、44c…流量計、45a、45b…電磁弁、46a、46b…手動バルブ、47…ブラケット、48…補修装置、49…送り駆動、50…走査駆動。
Claims (12)
- 複数からなり水平でない壁面に吸着する吸着機構と、
この吸着機構に設けられ壁面に沿って水平に移動できる匍匐駆動部と、
前記吸着機構に設けられ壁面に沿って上下に移動できる昇降機構と、
前記吸着機構により壁面へ吸着した状態で吸着機構の移動を可能とする吸着状態移動手段と、
を有することを特徴とする匍匐移動機構。 - 前記吸着機構は、ノズルに加圧された水を供給することにより壁面に吸着する吸着パッド内を負圧にして吸着することを、を特徴とする請求項1記載の匍匐移動機構。
- 前記吸着機構は、水中ポンプにより加圧された水を前記ノズルに供給すること、を特徴とする請求項1又は2記載の匍匐移動機構。
- 前記吸着機構は、前記吸着機構と壁面との距離を測定できる測定手段を具備すること、を特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の匍匐移動機構。
- 前記匍匐駆動部は、前記匍匐駆動部の横移動量を測定できる測定手段を具備すること、を特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の匍匐移動機構。
- 前記昇降機構は、前記昇降機構の上下移動量を測定できる測定手段を具備すること、を特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の匍匐移動機構。
- 前記昇降機構は、補修装置及び検査装置の少なくとも1つを搭載すること、を特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の匍匐移動機構。
- 前記吸着状態移動手段は、壁面に垂直方向に移動可能なシャフトの一端に取り付けられシャフトが壁面方向に移動した状態で壁面を走行するローラを含むこと、を特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の匍匐移動機構。
- 複数からなり水平でない壁面に吸着する吸着機構と、
この吸着機構に設けられ壁面に沿って水平に移動できる匍匐駆動部と、
前記吸着機構に設けられ壁面に沿って上下に移動できる昇降機構と、
前記吸着機構により壁面へ吸着した状態で吸着機構の移動を可能とする吸着状態移動手段と、
原子炉圧力容器の炉底部に立設された制御棒駆動機構ハウジングの上面に載置される移動装置と、
この移動装置に収納され伸展されて前記匍匐駆動部を着脱する多関節アームと、
を有することを特徴とする匍匐移動装置。 - 前記移動装置は、多関節アームを昇降するアーム昇降機構を具備すること、を特徴とする請求項9記載の匍匐移動装置。
- 前記多関節アームは、前記匍匐駆動部を水中で着脱できる着脱機構を具備すること、を特徴とする請求項9又は10記載の匍匐移動装置。
- 原子炉圧力容器の炉底部に立設された制御棒駆動機構ハウジングの上面に載置された移動装置に収納され伸展される多関節アームにより匍匐駆動部を移送する移送ステップと、
この移送された匍匐駆動部を前記移動装置に設けられたアーム昇降機構により昇降させる昇降ステップと、
この位置決めされた吸着機構のノズルに加圧された水を供給することにより吸着パッド内を負圧にして壁面に吸着する吸着ステップと、
この吸着機構により壁面へ吸着した状態で前記吸着機構の移動を可能とする吸着状態移動ステップと、
を有することを特徴とする匍匐移動方法。
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JP2004357818A JP2006160175A (ja) | 2004-12-10 | 2004-12-10 | 匍匐移動機構、匍匐移動装置及び匍匐移動方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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- 2004-12-10 JP JP2004357818A patent/JP2006160175A/ja active Pending
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