JP2006160051A - 車輌の制動力制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】車輌の制動減速に伴う車輌前後方向の荷重移動量の変動を考慮して制動力の前後輪配分比を制御することにより、前後輪の制動力配分を一層適正に制御する。
【解決手段】運転者により制動操作が行われているとき又は自動制動が必要であるときには(S40又は50)、車輌の目標減速度Gxbt、即ち車輌全体に要求される制動力が演算され(S60)、車輌の減速度Gbxが高いほど前輪の目標制動力配分比Kbfが大きくなると共に後輪の目標制動力配分比Kbrが小さくなるよう、車輌の減速度Gbxに基づき目標制動力配分比Kbf及びKbrが演算され(S70)、目標減速度Gxbt及び目標制動力配分比Kbf、Kbrに基づき前輪及び後輪の目標制動圧Pbft、Pbrtが演算され(S80)、前輪の制動圧Pfl、Pfr及び後輪の制動圧Prl、Prrがそれぞれ目標制動圧Pbft、Pbrtになるよう制御される(S90)。
【選択図】図2
【解決手段】運転者により制動操作が行われているとき又は自動制動が必要であるときには(S40又は50)、車輌の目標減速度Gxbt、即ち車輌全体に要求される制動力が演算され(S60)、車輌の減速度Gbxが高いほど前輪の目標制動力配分比Kbfが大きくなると共に後輪の目標制動力配分比Kbrが小さくなるよう、車輌の減速度Gbxに基づき目標制動力配分比Kbf及びKbrが演算され(S70)、目標減速度Gxbt及び目標制動力配分比Kbf、Kbrに基づき前輪及び後輪の目標制動圧Pbft、Pbrtが演算され(S80)、前輪の制動圧Pfl、Pfr及び後輪の制動圧Prl、Prrがそれぞれ目標制動圧Pbft、Pbrtになるよう制御される(S90)。
【選択図】図2
Description
本発明は、車輌の制動力制御装置に係り、更に詳細には前後輪の制動力配分制御を行う制動力制御装置に係る。
自動車等の車輌に於いて、車輌の制動時に後輪の制動力が過剰になって車輌の安定性が低下することを防止すべく、車輌の運転状態が所定の状態になると後輪の制動力の上昇を抑制する前後輪制動力配分制御を行う制動力制御装置の一つとして、例えば本願出願人の出願にかかる下記の特許文献1に記載されている如く、前後輪制動力配分制御が行われているときには後輪の制動力の上昇抑制量に応じて前輪の制動力を増加させる制動力制御装置が既に知られており、下記の特許文献1には車輌の前後加速度に応じて前後輪制動力配分制御開始時の後輪の保持制動力を可変設定することも開示されている。
特開2003−160039号公報
一般に、車輌を制動により安定的に減速させるためには、各車輪の制動力は接地荷重に応じて制御されることが好ましい。しかるに上述の如き従来の制動力制御装置に於いては、前後輪制動力配分制御開始時の後輪の保持制動力が車輌の前後加速度に応じて可変設定されるだけであり、車輌の制動減速に伴う車輪の接地荷重の変動、即ち車輌前後方向の荷重移動量の変化については考慮されておらず、前後輪の制動力配分を一層適正に制御する上で改善の余地がある。
本発明は、前後輪の制動力配分制御を行う従来の制動力制御装置、特に車輌の前後加速度に応じて前後輪制動力配分制御開始時の後輪の保持制動力を可変設定するよう構成された従来の制動力制御装置に於ける上述の如き問題に鑑みてなされたものであり、本発明の主要な課題は、車輌の制動減速に伴う車輌前後方向の荷重移動量の変動を考慮して制動力の前後輪配分比を制御することにより、前後輪の制動力配分を一層適正に制御することである。
上述の主要な課題は、本発明によれば、請求項1の構成、即ち前輪及び後輪に相互に独立に制動力を付与する制動力付与手段と、前後輪の目標制動力比を決定する目標制動力比決定手段と、車輌に要求される制動力及び前記目標制動力比に基づいて前記制動力付与手段を制御する制御手段とを有する車輌の制動力制御装置に於いて、前記目標制動力比決定手段は後輪側より前輪側への荷重移動量が大きいときには前記荷重移動量が小さいときに比して後輪の制動力に対する前輪の制動力の比が大きくなるよう前記目標制動力比を決定することを特徴とする車輌の制動力制御装置によって達成される。
また本発明によれば、上述の主要な課題を効果的に達成すべく、上記請求項1の構成に於いて、前記目標制動力比決定手段は前記荷重移動量が第一の基準値以下であるときには前記荷重移動量に拘らず前記目標制動力比を第一の一定の値に決定するよう構成される(請求項2の構成)。
また本発明によれば、上述の主要な課題を効果的に達成すべく、上記請求項1又は2の構成に於いて、前記目標制動力比決定手段は前記荷重移動量が第二の基準値以上であるときには前記荷重移動量に拘らず前記目標制動力比を第二の一定の値に決定するよう構成される(請求項3の構成)。
また本発明によれば、上述の主要な課題を効果的に達成すべく、上記請求項1乃至3の構成に於いて、前記目標制動力比決定手段は車輌の減速度若しくは車輪速度の変化率若しくは車輌に要求される制動力に基づいて前記荷重移動量を判定するよう構成される(請求項4の構成)。
上記請求項1の構成によれば、後輪側より前輪側への荷重移動量が大きいときには荷重移動量が小さいときに比して後輪の制動力に対する前輪の制動力の比が大きくなるよう前後輪の目標制動力比が決定されるので、制動減速に伴う前輪の接地荷重の増大及び後輪の接地荷重の減少に応じて後輪の制動力に対する前輪の制動力の比を制御することができ、これにより前後輪の制動力配分を一層適正に制御することができ、従って前後輪の制動力配分制御を行う従来の制動力制御装置の場合に比して、制動フィーリングを向上させると共に前後輪の制動効率を向上させることができる。
また上記請求項2の構成によれば、後輪側より前輪側への荷重移動量が第一の基準値以下であるときには荷重移動量に拘らず前後輪の目標制動力比が第一の一定の値に決定されるので、後輪側より前輪側への荷重移動量が第一の基準値以下であるときにも後輪の制動力に対する前輪の制動力の比が大きくなるよう荷重移動量に応じて目標制動力比が決定される場合に比して、前輪に制動力を付与する制動力付与手段の負荷を低減し、その耐久性を向上させることができ、また車体のピッチングによる荷重移動量に基づいて不必要な前後輪の制動力配分の制御が行われることを防止することができる。
また上記請求項3の構成によれば、後輪側より前輪側への荷重移動量が第二の基準値以上であるときには荷重移動量に拘らず前後輪の目標制動力比が第二の一定の値に決定されるので、後輪側より前輪側への荷重移動量が第二の基準値以上であるときにも後輪の制動力に対する前輪の制動力の比が大きくなるよう荷重移動量に応じて目標制動力比が決定される場合に比して、前輪に制動力を付与する制動力付与手段に過剰の負荷が作用する虞れを低減し、その耐久性を向上させることができる。
また上記請求項4の構成によれば、車輌の減速度若しくは車輪速度の変化率若しくは車輌に要求される制動力に基づいて後輪側より前輪側への荷重移動量が判定されるので、後輪側より前輪側への荷重移動量を確実に判定することができる。
[課題解決手段の好ましい態様]
本発明の一つの好ましい態様によれば、上記請求項1乃至4の構成に於いて、目標制動力比決定手段は後輪側より前輪側への荷重移動量が大きいほど後輪の制動力に対する前輪の制動力の比が大きくなるよう目標制動力比を決定するよう構成される(好ましい態様1)。
本発明の一つの好ましい態様によれば、上記請求項1乃至4の構成に於いて、目標制動力比決定手段は後輪側より前輪側への荷重移動量が大きいほど後輪の制動力に対する前輪の制動力の比が大きくなるよう目標制動力比を決定するよう構成される(好ましい態様1)。
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項1乃至4の構成に於いて、目標制動力比決定手段は荷重移動量に拘らず後輪の制動力に対する前輪の制動力の比が1以上であるよう目標制動力比を決定するよう構成される(好ましい態様2)。
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項2の構成に於いて、第一の一定の値は後輪の制動力に対する前輪の制動力の比が1よりも大きい値であるよう構成される(好ましい態様3)。
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項2の構成に於いて、第一の一定の値は後輪の制動力に対する前輪の制動力の比が1よりも大きい値であるよう構成される(好ましい態様4)。
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項4の構成に於いて、目標制動力比決定手段は全ての車輪の車輪速度の変化率のうち減速方向に最も大きい値に基づいて荷重移動量を判定するよう構成される(好ましい態様5)。
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項4の構成に於いて、運転者により制動操作が行われているときには、目標制動力比決定手段は運転者の制動操作量に基づいて荷重移動量を判定するよう構成される(好ましい態様6)。
以下に添付の図を参照しつつ、本発明を好ましい実施例について詳細に説明する。
図1は本発明による車輌の制動力制御装置の一つの好ましい実施例を示す概略構成図である。
図1に於いて、10FL及び10FRはそれぞれ車輌12の左右の前輪を示し、10RL及び10RRはそれぞれ車輌の駆動輪である左右の後輪を示している。従動輪であり操舵輪でもある左右の前輪10FL及び10FRは運転者によるステアリングホイール14の転舵に応答して駆動されるラック・アンド・ピニオン式のパワーステアリング装置16によりタイロッド18L及び18Rを介して操舵される。
各車輪の制動力は制動装置20の油圧回路22によりホイールシリンダ24FR、24FL、24RR、24RLの制動圧が制御されることによって制御されるようになっている。図には示されていないが、油圧回路22はオイルリザーバ、オイルポンプ、種々の弁装置等を含み、各ホイールシリンダの制動圧は通常時には運転者によるブレーキペダル26の踏み込み操作に応じて駆動されるマスタシリンダ28により制御され、また必要に応じて後に詳細に説明する如く電子制御装置30により制御される。
ステアリングシャフト32には操舵角θを検出する操舵角センサ34が設けられ、マスタシリンダ28にはマスタシリンダ圧力Pmを検出する圧力センサ36が設けられ、ホイールシリンダ24FR〜24RLには対応するホイールシリンダ内の圧力を制動圧Piとして検出する圧力センサ38FL〜38RRが設けられている。これらのセンサにより検出された操舵角θ、マスタシリンダ圧力Pm、制動圧Pi(i=fl、fr、rl、rr)を示す信号は電子制御装置30に入力される。
また電子制御装置30には前後加速度センサ40により検出された車輌の横加速度Gyを示す信号、横加速度センサ42により検出された車輌の横加速度Gyを示す信号、ヨーレートセンサ44により検出された車輌のヨーレートγを示す信号、車速センサ46により検出された車速Vを示す信号、レーダ48により検出された車輌前方の障害物までの相対距離を示す信号等も入力される。
尚図には詳細に示されていないが、電子制御装置30は例えばCPUとROMとRAMと入出力ポート装置とを有し、これらが双方向性のコモンバスにより互いに接続された一般的な構成のマイクロコンピュータを含んでいる。
電子制御装置30は、図2に示されたフローチャートに従い、運転者により制動操作が行われているときには、運転者の制動操作量を示すマスタシリンダ圧力Pmに基づき車輌の目標減速度Gxbtを演算し、運転者により制動操作が行われていないが、車輌前方に障害物が存在し、衝突回避又は先行車輌の間に安全な車間距離を確保するために自動制動により車輌を減速させる必要があるときには、衝突回避又は安全な車間距離を確保するための車輌の目標減速度Gxbtを演算する。
そして電子制御装置30は、車輌の減速度Gbx(=−Gx)に基づき前輪及び後輪の目標制動力配分比Kbf及びKbrを演算し、目標減速度Gxbt及び目標制動力配分比Kbf及びKbrに基づき前輪及び後輪の目標制動圧Pbft及びPbrtを演算し、前輪の制動圧Pfl、Pfr及び後輪の制動圧Prl、Prrがそれぞれ目標制動圧Pbft及びPbrtになるよう制御する。
この場合電子制御装置30は、後に詳細に説明する如く、車輌の減速度Gbxが高いほど前輪の目標制動力配分比Kbfが大きくなると共に後輪の目標制動力配分比Kbrが小さくなるよう、車輌の減速度Gbxに応じて目標制動力配分比Kbf及びKbrを可変設定し、これにより後輪側より前輪側への荷重移動量が高いほど後輪の制動力に対する前輪の制動力の比を大きくする。
次に図2に示されたフローチャートを参照して図示の実施例に於ける制動力の制御について説明する。尚図2に示されたフローチャートによる制御は図には示されていないイグニッションスイッチの閉成により開始され、所定の時間毎に繰返し実行される。
まずステップ10に於いては圧力センサ36により検出されたマスタシリンダ圧力Pmを示す信号等の読み込みが行われ、ステップ20に於いては各車輪の制動力の制御による挙動制御が必要な状況であるか否かの判別、即ち当技術分野に於いて公知の挙動制御の開始条件が成立し且つその終了条件が終了していないか否かの判別が行われ、否定判別が行われたときにはステップ40へ進み、肯定判別が行われたときにはステップ30に於いて当技術分野に於いて公知の要領にて車輌の挙動を安定化させるための各車輪の目標制動圧Pti(i=fl、fr、rl、rr)が演算され、しかる後ステップ90へ進む。
ステップ40に於いては例えばマスタシリンダ圧力Pmに基づき運転者により制動操作が行われているか否かの判別が行われ、肯定判別が行われたときにはステップ60へ進み、否定判別が行われたときにはステップ50へ進む。
ステップ50に於いては自動制動が必要であるか否かの判別が行われ、否定判別が行われたときには図2に示されたフローチャートによる制御が一旦終了され、肯定判別が行われたときにはステップ60に於いてマスタシリンダ圧力Pm又は車輌前方障害物までの相対距離及び相対速度に基づき当技術分野に於いて公知の要領にて車輌の目標減速度Gxbtが演算される。
ステップ70に於いては車輌の減速度Gbxに基づき図3に於いて実線にて示されたグラフに対応するマップより前輪の目標制動力配分比Kbf及び後輪の目標制動力配分比Kbrが演算される。
ステップ80に於いては前輪及び後輪の減速度より制動圧への変換係数をそれぞれKgf、Kgrとして、目標減速度Gxbt及び目標制動力配分比Kbf及びKbrに基づき下記の式1及び2に従って前輪の目標制動圧Pbft及び後輪の目標制動圧Pbrtが演算され、ステップ90に於いては前輪の制動圧Pfl、Pfr及び後輪の制動圧Prl、Prrがそれぞれ目標制動圧Pbft及びPbrtになるよう制動装置20が制御される。
Pbft=Kgf・Kbf・Gxbt/2 ……(1)
Pbrt=Kgr・Kbr・Gxbt/2 ……(2)
Pbft=Kgf・Kbf・Gxbt/2 ……(1)
Pbrt=Kgr・Kbr・Gxbt/2 ……(2)
かくして図示の実施例によれば、運転者により制動操作が行われているとき又は自動制動が必要であるときには、ステップ40又は50に於いて肯定判別が行われ、ステップ60に於いて車輌の目標減速度Gxbt、即ち車輌全体に要求される制動力が演算され、ステップ70に於いて車輌の減速度Gbxに基づき前輪の目標制動力配分比Kbf及び後輪の目標制動力配分比Kbrが演算され、ステップ80に於いて目標減速度Gxbt及び目標制動力配分比Kbf及びKbrに基づき前輪の目標制動圧Pbft及び後輪の目標制動圧Pbrtが演算され、ステップ90に於いて前輪の制動圧Pfl、Pfr及び後輪の制動圧Prl、Prrがそれぞれ目標制動圧Pbft及びPbrtになるよう制動装置20が制御される。
この場合車輌の減速度Gbxが高いほど前輪の目標制動力配分比Kbfが大きくなると共に後輪の目標制動力配分比Kbrが小さくなるよう、車輌の減速度Gbxに応じて目標制動力配分比Kbf及びKbrが可変設定されるので、制動減速に伴う後輪側より前輪側への荷重移動量が高いほど後輪の制動力に対する前輪の制動力の比を大きくすることができ、これにより制動減速中に於ける前後輪の制動力配分を一層適正に制御することができ、従って従来の制動力制御装置の場合に比して、制動フィーリングを向上させると共に前後輪の制動効率を向上させることができる。
特に図示の実施例によれば、車輌の減速度Gbxが第一の基準値Gbx1以下であるときには、車輌の減速度Gbxに拘らず目標制動力配分比Kbf及びKbrは一定であるので、車輌の減速度Gbxが第一の基準値Gbx1以下であるときにも後輪の制動力に対する前輪の制動力の比が大きくなるよう車輌の減速度Gbxに応じて目標制動力比Kbf及びKbrが決定される場合に比して、制動装置20の前輪のブレーキパッド等の負荷を低減し、その耐久性を向上させることができ、また車体のピッチングに起因する車輌の減速度Gbxに基づいて不必要な前後輪の制動力配分の制御が行われることを防止することができる。
また図示の実施例によれば、車輌の減速度Gbxが第二の基準値Gbx2以上であるときにも、車輌の減速度Gbxに拘らず目標制動力配分比Kbf及びKbrは一定であるので、車輌の減速度Gbxが第二の基準値Gbx2以上であるときにも後輪の制動力に対する前輪の制動力の比が大きくなるよう車輌の減速度Gbxに応じて目標制動力比Kbf及びKbrが決定される場合に比して、制動装置20の前輪のブレーキパッド等に過剰の負荷が作用しフェード等の問題が発生する虞れを低減することができる。
また図示の実施例によれば、自動制動時にも車輌の減速度Gbxが高いほど前輪の目標制動力配分比Kbfが大きくなると共に後輪の目標制動力配分比Kbrが小さくなるよう、車輌の減速度Gbxに応じて目標制動力配分比Kbf及びKbrが可変設定されるので、自動制動による車輌の減速を効率的に達成することができる。
また図示の実施例によれば、各車輪の制動力の制御による挙動制御が必要な状況であるときにはステップ40〜80は実行されず、各車輪の制動圧は車輌の挙動を安定化させるための各車輪の目標制動圧Ptiになるよう制御され、前後輪の制動力配分制御の制約を受けないので、車輌の挙動を確実に安定化させることができる。
以上に於いては本発明を特定の実施例について詳細に説明したが、本発明は上述の実施例に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施例が可能であることは当業者にとって明らかであろう。
例えば上述の実施例に於いては、車輌の減速度Gbxが第一の基準値Gbx1以上で第二の基準値Gbx2以下であるときには、車輌の減速度Gbxが高くなるにつれて前輪の目標制動力配分比Kbfが大きくなると共に後輪の目標制動力配分比Kbrが小さくなるよう、車輌の減速度Gbxに応じて目標制動力配分比Kbf及びKbrが一定の増大率にて可変設定されるようになっているが、図3に於いて破線にて示されている如く、車輌の減速度Gbxが高くなるにつれて前輪の目標制動力配分比Kbfの増大率及び後輪の目標制動力配分比Kbrの低下率が漸次大きくなるよう、車輌の減速度Gbxに応じて目標制動力配分比Kbf及びKbrが可変設定されてもよい。
また図3に於いて一点鎖線にて示されている如く、車輌の減速度Gbxが高くなるにつれて前輪の目標制動力配分比Kbfの増大率及び後輪の目標制動力配分比Kbrの低下率が多段階に大きくなるよう、車輌の減速度Gbxに応じて目標制動力配分比Kbf及びKbrが可変設定されてもよく、図3に於いて二点鎖線にて示されている如く、車輌の減速度Gbxの増大に伴う前輪の目標制動力配分比Kbfの増大率及び後輪の目標制動力配分比Kbrの低下率が小さい場合には、車輌の減速度Gbxが大きい領域に於いても車輌の減速度Gbxが高くなるにつれて前輪の目標制動力配分比Kbfが大きくなると共に後輪の目標制動力配分比Kbrが小さくなるよう修正されてよく、更には車輌の減速度Gbxが小さい領域に於いても車輌の減速度Gbxが高くなるにつれて前輪の目標制動力配分比Kbfが大きくなると共に後輪の目標制動力配分比Kbrが小さくなるよう修正されてよい。
また上述の実施例に於いては、車輌の減速度Gbxは車輌の加速度Gxに基づいて判定されるようになっているが、四つの車輪10FL〜10RRの車輪速度の減速方向の変化率の最大値又は平均値に基づいて判定されてもよく、運転者の制動操作量としてのマスタシリンダ圧力Pmや運転者によるブレーキペダル26の踏み込み操作量(踏力若しくは踏み込みストローク)に基づく車輌に要求される制動力に基づいて判定されてもよい。
また上述の実施例に於いては、自動制動は衝突回避又は先行車輌の間に安全な車間距離を確保するための自動制動であるが、車輌を一定の車速にて走行させる所謂オートクルーズ制御のための自動制動の如く、運転者の制動操作に関係なく車輌を制動減速させる当技術分野に於いて公知の任意の自動制動であってよい。
更に上述の実施例に於いては、各車輪の制動力の制御による挙動制御が行われることにより車輌の挙動が安定化されるようになっているが、本発明の制動力制御装置は制動力の制御による挙動制御が行われない車輌に適用されてもよく、また衝突回避又は先行車輌の間に安全な車間距離を確保するための自動制動が行われるようになっているが、本発明の制動力制御装置は自動制動が行われない車輌に適用されてもよい。
20 制動装置
28 マスタシリンダ
30 電子制御装置
34 圧力センサ
40 前後加速度センサ
28 マスタシリンダ
30 電子制御装置
34 圧力センサ
40 前後加速度センサ
Claims (4)
- 前輪及び後輪に相互に独立に制動力を付与する制動力付与手段と、前後輪の目標制動力比を決定する目標制動力比決定手段と、車輌に要求される制動力及び前記目標制動力比に基づいて前記制動力付与手段を制御する制御手段とを有する車輌の制動力制御装置に於いて、前記目標制動力比決定手段は後輪側より前輪側への荷重移動量が大きいときには前記荷重移動量が小さいときに比して後輪の制動力に対する前輪の制動力の比が大きくなるよう前記目標制動力比を決定することを特徴とする車輌の制動力制御装置。
- 前記目標制動力比決定手段は前記荷重移動量が第一の基準値以下であるときには前記荷重移動量に拘らず前記目標制動力比を第一の一定の値に決定することを特徴とする請求項1に記載の車輌の制動力制御装置。
- 前記目標制動力比決定手段は前記荷重移動量が第二の基準値以上であるときには前記荷重移動量に拘らず前記目標制動力比を第二の一定の値に決定することを特徴とする請求項1又は2に記載の車輌の制動力制御装置。
- 前記目標制動力比決定手段は車輌の減速度若しくは車輪速度の変化率若しくは車輌に要求される制動力に基づいて前記荷重移動量を判定することを特徴とする請求項1乃至3に記載の車輌の制動力制御装置。
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