JP2006159608A - カラークリア塗装金属板 - Google Patents
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Abstract
【課題】 発色模様の特徴を活かしながら、更に発色模様に変化をつけたカラークリア塗装金属板を得る。
【解決手段】 直線状稜線11を境として互いに逆方向に傾斜した平面12R,12Lで形成される凹凸が金属板10に付けられており、鱗片状無機基質21aを金属酸化物皮膜21bで被覆した発色顔料21を分散させたクリア塗膜20が平面12R,12L上に設けられている。凹凸には、ストライプ状,三角錐状,四角錐状,六角錐状,截頭多角錐状等がある。
【選択図】 図1
【解決手段】 直線状稜線11を境として互いに逆方向に傾斜した平面12R,12Lで形成される凹凸が金属板10に付けられており、鱗片状無機基質21aを金属酸化物皮膜21bで被覆した発色顔料21を分散させたクリア塗膜20が平面12R,12L上に設けられている。凹凸には、ストライプ状,三角錐状,四角錐状,六角錐状,截頭多角錐状等がある。
【選択図】 図1
Description
本発明は、発色顔料を分散させたカラークリア塗膜の特徴を活かし、従来の塗装鋼板では得られない表面模様を付したカラークリア塗装金属板に関する。
家電製品,OA機器等の表装材として、クリア塗装を施した塗装金属板が使用され始めている。クリア塗装金属板は、金属光沢を活用した外観を呈することから、従来の着色塗装金属板では得られない雰囲気を醸し出す。クリア塗装金属板は、着色剤を配合したクリア塗料を塗装原板表面に塗布し、焼付け乾燥することによって製造される。着色剤に染料を使用すると焼付け時に変色しやすく色調が安定しないので、有機顔料を通常使用している。
有機顔料を配合したカラークリア塗膜では、有機顔料に吸収される波長成分を除く光が反射され、有機顔料に対応した色調が観察される。有機顔料に吸収される光量は塗膜の厚みによって異なり、発現する色調の膜厚依存性が高く、僅かな膜厚変動によっても色調が微妙に変動しやすい。色調の変動は、製造ロットの異なるクリア塗装金属板を突き合わせて施工する場合に色ムラとして強調される。しかも、有機顔料による色調付与は、下地金属板の金属光沢を損ない、L値が低く黒味がかった冷たい感じの色調を与えやすい。
そこで、本発明者等は、光の干渉作用によって発色する発色顔料をクリア塗膜に分散させることにより、色調安定性に優れたカラークリア塗装金属板を提案した(特許文献1)。提案したカラークリア塗装金属板では、金属光沢をもつ金属板表面に設けたクリア塗膜に、鱗片状無機基質を透明な金属酸化物で被覆した発色顔料を分散させている。塗膜に入射した光が発色顔料表面で反射するとき、鱗片状無機基質からの反射光と金属酸化物からの反射光との間に光路差が生じることによって、光路差に応じた干渉色の色調で発色した塗膜面が観察される。光の干渉で得られる色調は膜厚による影響が大幅に小さく、金属板特有の冷たい感触が和らげられ、色調がマイルドで安定した塗膜面を呈する。
特開2004-58273号公報
本発明者等は、光の干渉を利用して発色させたカラークリア塗装金属板について更に調査・検討を重ねた結果、光が金属板表面で反射した光と発色顔料表面で反射した光との間にできる光路差を金属板の表面部分で変えるとき、色相,彩度,明度等を調整できることを解明した。本発明は、かかる知見をベースとし、光の干渉による発色を活用しながら、従来の有機顔料で着色したカラークリア塗装金属板では得られないストライプ状,チェック状,亀甲状等の模様を付したカラークリア塗装金属板を提供することを目的とする。
本発明のカラークリア塗装金属板は、直線状稜線を境として互いに逆方向に傾斜した平面で構成される多数の凹凸が形成され金属光沢をもつ金属板を基材とし、鱗片状無機基質を透明の金属酸化物で被覆した透明又は半透明の発色顔料を基材表面のクリア塗膜に分散させている。
一方向に延びる多数の直線状稜線で凹凸をつけた金属板を使用すると、直線状稜線に沿ったストライプ模様が発現する。底辺を共有する多数の四角錐が配列した形状に成形した金属板では、チェック模様が発現する。底辺を共有する多数の六角錐が配列した形状の金属板では、亀甲模様が発現する。
一方向に延びる多数の直線状稜線で凹凸をつけた金属板を使用すると、直線状稜線に沿ったストライプ模様が発現する。底辺を共有する多数の四角錐が配列した形状に成形した金属板では、チェック模様が発現する。底辺を共有する多数の六角錐が配列した形状の金属板では、亀甲模様が発現する。
発色顔料が分散したクリア塗膜に入射する光は鱗片状無機基質,金属酸化物皮膜の双方表面で反射し、反射光の間に光路差が生じる。光路差により両反射光が相互に干渉し、光路差に応じた色調が発色する。色調を決定する光路差は、金属酸化物の膜厚や光の入射角度によって変わる。金属酸化物の膜厚が色調に及ぼす影響に関しては、たとえばマイカをTiO2で被覆した発色顔料を分散したクリア塗膜ではTiO2の厚膜化に従ってシルバー,ゴールド,レッド,カッパー,ライラック,ブルー,グリーンに色調が変わる。光の入射角が色調に及ぼす影響に関しては、ハイライトな角度である正反射光の近傍で色調が強く発現し、正反射光から離れるほど無彩色に近づく。
本発明では、金属板表面に凹凸をつけることにより光の入射角を部分的に変えることによって、干渉色に強弱をつけた模様を発現させている。具体的には、多数の直線状稜線11を境として互いに逆方向に傾斜した平面12R,12Lで構成される凹凸をつけた金属板10の表面に、鱗片状無機基質21aを金属酸化物皮膜21bで被覆した発色顔料21を分散させたクリア塗膜20を設けると、クリア塗膜20中で発色顔料21が金属板10の表面に沿って配向する(図1)。そのため、発色顔料21は、右傾斜平面12R,左傾斜平面12Lと平行,換言すれば直線状稜線11を境として逆方向に傾斜する。
入射光Linが発色顔料21の表面で反射するとき、鱗片状無機基質21aからの反射光L1と金属酸化物皮膜21bからの反射光L2に分かれる(図2)。金属酸化物皮膜21bの膜厚をd,入射角をθとするとき、反射光L1と反射光L2との間に光路差ΔL(2dcosθ)が生じる。膜厚dは使用する発色顔料21によって定まる値であるが、入射角θは金属板10の表面形状によって変えることができる。
直線状稜線11を境として逆方向に傾斜した平面12R,12Lをもつ金属板10のクリア塗膜20に分散した発色顔料21に対する入射光Linの入射角は、傾斜角αがついた左傾斜平面12Lでは傾斜角αの分だけ狭い入射角(θ−α)となり、逆方向の傾斜角βがついた右傾斜平面12Rでは傾斜角βの分だけ広い入射角(θ+β)となる(図3)。
入射角(θ−α),(θ+β)の相違は、平面12R,12Lからの反射光の光路差ΔLが異なることを意味し、それぞれ異なった色調に発色した平面12R,12Lが観察される。具体的には、正反射光に近い方で干渉色が強く発現し、正反射光から離れる方で無彩色の色調に近くなり、金属板10につけた凹凸がストライプ状の干渉模様として強調される。しかも、視射角によって発現する模様が変わるので、従来のクリア塗装金属板では得られない意匠模様をもつカラークリア塗装金属板となる。
入射角(θ−α),(θ+β)の相違は、平面12R,12Lからの反射光の光路差ΔLが異なることを意味し、それぞれ異なった色調に発色した平面12R,12Lが観察される。具体的には、正反射光に近い方で干渉色が強く発現し、正反射光から離れる方で無彩色の色調に近くなり、金属板10につけた凹凸がストライプ状の干渉模様として強調される。しかも、視射角によって発現する模様が変わるので、従来のクリア塗装金属板では得られない意匠模様をもつカラークリア塗装金属板となる。
基材である金属板10としては、光沢のある金属表面が観察される製品形態で使用されることから、ステンレス鋼,各種めっき鋼板,アルミニウム,アルミニウム合金,銅,銅合金,マグネシウム,マグネシウム合金等が使用される。金属光沢が活かされる限り、ヘアライン仕上げやマット仕上げした金属板も基材に使用できる。
金属板10は、ロール成形,プレス成形等により要求に応じて種々の凹凸をつけた形状に加工される。クリア塗膜20の形成前後の何れでもロール成形,プレス成形等で凹凸を付けることができるが、クリア塗膜20に分散させた発色顔料21が金属板10の表面に沿った配向している状態を維持する上では、クリア塗膜20形成後の金属板10を凹凸加工することが好ましい。
金属板10は、ロール成形,プレス成形等により要求に応じて種々の凹凸をつけた形状に加工される。クリア塗膜20の形成前後の何れでもロール成形,プレス成形等で凹凸を付けることができるが、クリア塗膜20に分散させた発色顔料21が金属板10の表面に沿った配向している状態を維持する上では、クリア塗膜20形成後の金属板10を凹凸加工することが好ましい。
クリア塗膜20の形成に先立って、脱脂・酸洗,クロメート処理,リン酸塩処理,クロムフリー処理等、適宜の塗装前処理が金属板10に施される。
クリア塗膜20形成用のクリア塗料には、塗料種に特段の制約が加わるものではないが、透明度の高いアクリル系,ポリエステル系,ウレタン系,ポリオレフィン系,フッ素系,エポキシ系,酢酸ビニル系,クロロプレン系等の有機樹脂や,或いはこれらの縮み模様を形成する樹脂や無機系ポリマーを配合した有機樹脂も使用できる。また、透明性を損なわない範囲で、防錆顔料,着色顔料,染料等を必要に応じて添加しても良い。
クリア塗膜20形成用のクリア塗料には、塗料種に特段の制約が加わるものではないが、透明度の高いアクリル系,ポリエステル系,ウレタン系,ポリオレフィン系,フッ素系,エポキシ系,酢酸ビニル系,クロロプレン系等の有機樹脂や,或いはこれらの縮み模様を形成する樹脂や無機系ポリマーを配合した有機樹脂も使用できる。また、透明性を損なわない範囲で、防錆顔料,着色顔料,染料等を必要に応じて添加しても良い。
発色顔料21を分散させたクリア塗膜20の形成に先立って、金属板10に対する密着性を改善するため発色顔料21を含まないプライマクリア塗膜を形成しても良い。プライマクリア塗料は、塗料種に特段の制約が加わるものではなく、エポキシ樹脂,エポキシ変性ポリエステル樹脂,ウレタン樹脂,ウレタン変性エポキシ樹脂等が使用され、クロメート処理等の塗装前処理を施した金属板10とクリア塗膜20との密着性が一層向上する。プライマクリア塗膜を形成する場合、膜厚:1〜10μmが好ましい。プライマクリア塗料には、透明感を損なわない範囲で防錆顔料,着色顔料,染料等を必要に応じて添加することも可能である。
クリア塗膜20を形成した後でクリア塗装金属板に凹凸をつける場合、金属板10に対する密着性,塗膜自体の柔軟性に富むことがクリア塗膜20に要求される。また、柔軟性に相反する機能として耐疵付き性が要求されることもある。このような目的に応じた特性を考慮してクリア塗料の樹脂系が選択され、たとえばメラミン,イソシアネート等の硬化剤を適宜配合してクリア塗膜20を形成することも可能である。
クリア塗料に配合される発色顔料21は、湿式法,CVD法,粉末スパッタリング法等によりマイカ,ガラスフレーク,アルミナフレーク,シリカフレーク等の鱗片状無機基質21aを金属酸化物皮膜21bの単層又は複層で被覆することにより製造される。金属板10の平面12R,12Lに沿った方向に鱗片状無機基質21aを配向させるほど発色顔料21の表面で入射光Linが反射する確率が高くなるので、鱗片状無機基質21aのアスペクト比(厚みに対する最大径の比率)が大きなものほど好ましい。具体的には、アスペクト比が60以上になると、大半の鱗片状無機基質21aが金属板10の平面12R,12Lと平行又はほぼ平行な配向性をもってクリア塗膜20に分散し、透明の金属酸化物皮膜21bの干渉色が強く発現して鮮やかな色調となり光輝感も強くなる。
マイカを鱗片状無機基質21aとして使用し、湿式法でTiO2被覆する場合、種々の方法を採用できる。たとえば、希薄なチタン酸水溶液にマイカを懸濁させて70〜100℃に加温し、チタン塩の加水分解生成物である水和酸化チタン粒子をマイカ表面に析出させた後、700〜1000℃で高温焼成することによりTiO2被覆が形成される。TiO2被覆の膜厚は、チタン塩の濃度,懸濁液の温度,処理時間等の処理条件によって制御できる。
粉末スパッタリング法で発色顔料21を製造する場合、マイカ,ガラスフレーク等の鱗片状無機基質21aを回転ドラムに入れ、Tiをターゲットとする反応性雰囲気下でスパッタリングすることにより、鱗片状無機基質21aの表面にTiO2被覆が形成される。
粉末スパッタリング法で発色顔料21を製造する場合、マイカ,ガラスフレーク等の鱗片状無機基質21aを回転ドラムに入れ、Tiをターゲットとする反応性雰囲気下でスパッタリングすることにより、鱗片状無機基質21aの表面にTiO2被覆が形成される。
屈折率が異なる複数の金属酸化物層を鱗片状無機基質21aの表面に設ける場合、一層目の金属酸化物層を形成した後、被覆原料を代えて一層目と同じ方法又は異なる方法で二層目の金属酸化物層を形成する。
たとえば、TiO2被覆にFe2O3被覆を積層する場合、TiO2被覆顔料を懸濁させた水溶液を70〜100℃に加温し、鉄塩水溶液を添加して水酸化鉄を析出させた後、150〜200℃で乾燥することによりTiO2被覆にFe2O3被覆が積層される。Fe2O3被覆の膜厚は、鉄塩水溶液の濃度,懸濁液の温度,処理時間等によって制御できる。
たとえば、TiO2被覆にFe2O3被覆を積層する場合、TiO2被覆顔料を懸濁させた水溶液を70〜100℃に加温し、鉄塩水溶液を添加して水酸化鉄を析出させた後、150〜200℃で乾燥することによりTiO2被覆にFe2O3被覆が積層される。Fe2O3被覆の膜厚は、鉄塩水溶液の濃度,懸濁液の温度,処理時間等によって制御できる。
透明な金属酸化物皮膜21bで鱗片状無機基質21aを被覆した発色顔料21は、そのままでクリア塗料用樹脂に添加することも可能であるが、必要に応じて適宜の表面処理を施すことができる。表面処理では、クロム酸系,リン酸系,アルミナ系,ジルコニア系,セリウム系等の無機質表面処理剤や各種シランカップリング剤,チタネートカップリング剤,有機モノマー系等の有機質表面処理剤が使用される。表面処理により、クリア塗料用樹脂に対する発色顔料21の分散性及び隣接樹脂層との層間密着性が改善される。
発色顔料21を配合したクリア塗料を塗装原板に塗布した後、クリア塗料の樹脂種や塗布量にもよるが200〜800℃で30〜120秒加熱することによってクリア塗膜20が金属板10に焼き付けられる。得られたクリア塗装金属板を観察すると、金属板10の金属光沢が活かされ、しかも無機質な冷たい感じを与える金属光沢がクリア塗膜20で和らげられているので、マイルドな色調の外観となる。安定した色調を得る上では、膜厚5〜20μmでクリア塗膜20を形成することが好ましい。
発色顔料21が分散したクリア塗膜20を設けた金属板10に凹凸をつける場合、塗装後のクリア塗装金属板をロール成形又はプレス成形する。ロール成形,プレス成形によっても発色顔料21の配向状態が変わらないので、平面12R,12L上のクリア塗膜20に分散している発色顔料21は右傾斜平面12R,左傾斜平面12Lの面内方向に沿って配向している。また、クリア塗装金属板をロール成形又はプレス成形するとき、ロール又はダイスと金属板10との間にあるクリア塗膜20が緩衝となって金属板10の金属光沢が損なわれない。
凹凸は、一方向に延びる直線状稜線11を境に平面12R,12Lが互いに逆方向に傾斜した形状(図4a)に金属板10をロール成形することにより付けられる。或いは、底辺を共有する多数の三角錐が配列された形状の凹凸(図4b),底辺を共有する多数の四角錐が配列された形状の凹凸(図4c),底辺を共有する多数の六角錐が配列された形状の凹凸(図4d)をプレス成形でつけることもできる。
凹凸は、金属板10の全面に、或いは金属板10の一部に付けても良い。更には、多角錐の頂部及び/又は底部を切り取り、フラットな頂面13及び/又は底面を設けた凹凸(図4e,f),複数の多角錐を組み合わせた凹凸等も採用できる。明瞭な干渉模様を発現させる上では、凹凸のピッチを0.5〜10.0mm,高さを0.05〜2.0mmにすることが好ましく、過度の高低差をつけた凹凸では明暗が過度に強調され却って意匠感が悪化する場合もある。
逆方向に傾斜した平面12R,12Lで凹凸が付けられているので、カラークリア塗装金属板を観察するとき、直線状稜線11を境として視野角が右傾斜平面12R,左傾斜平面12Lで大きく変化する。視野角の変化に伴い、光路差ΔL.ひいては発色顔料21で発現する色調が明確に異なり、凹凸パターンに応じた発色模様が観察される。因みに、サインカーブ状の凹凸を付けたカラークリア塗装金属板では、凹凸の頂点で視野角が連続的に変化するので、右傾斜面,左傾斜面の発色模様に明確な境界がなくなる。
板厚0.4mmのSUS430ステンレス鋼板を塗装原板に使用した。塗装原板を2%塩酸で酸洗し、酸系の表面処理を施した後、クロム換算付着量20mg/m2の塗布型クロメート処理を施した。
クリア塗料としては、高分子ポリエステル系クリア樹脂塗料(PM5000:日本ペイント株式会社製)に発色顔料21を4%配合することにより用意した。発色顔料21には、膜厚50〜140nmのTiO2被覆を形成したアスペクト比150,中心粒径30μmのマイカフレークを使用した。
クリア塗料としては、高分子ポリエステル系クリア樹脂塗料(PM5000:日本ペイント株式会社製)に発色顔料21を4%配合することにより用意した。発色顔料21には、膜厚50〜140nmのTiO2被覆を形成したアスペクト比150,中心粒径30μmのマイカフレークを使用した。
クリア塗料を塗装原板に塗布して乾燥した後、230℃に60秒加熱することにより塗装原板に焼き付け、膜厚10μmのクリア塗膜20を形成した。
次いで、クリア塗装金属板をロール成形装置に送り込み、板幅方向に延びる直線状稜線11を境に逆方向に傾斜した平面12R,12Lで構成される凹凸(図4a)をクリア塗装金属板に付けた。ロール成形では、ピッチ:2.0mm,高さ:0.2mmの凹凸が形成されるプロフィールをもつ成形ロールを使用した。
次いで、クリア塗装金属板をロール成形装置に送り込み、板幅方向に延びる直線状稜線11を境に逆方向に傾斜した平面12R,12Lで構成される凹凸(図4a)をクリア塗装金属板に付けた。ロール成形では、ピッチ:2.0mm,高さ:0.2mmの凹凸が形成されるプロフィールをもつ成形ロールを使用した。
ロール成形後のクリア塗装ステンレス鋼板について、マルチアングル分光測色計(X−Rite MA68II:X−Rite社製)を用い、右傾斜平面12Rに関し45度入射光に対する正反射光から15度,25度,45度,75度,110度と測色角度がずれたときの色調を測定した(図5a)。この条件下で左傾斜平面12Lに関する測色角度は、それぞれ27度,37度,57度,87度,127度であった。
直線状稜線11を境に右傾斜平面12R,左傾斜平面12Lを観察すると、右傾斜平面12Rでは正反射光に近いため干渉色が強く発現し、左傾斜平面12Lでは正反射光から離れるため無彩色に近い色調になる。右傾斜平面12R,左傾斜平面12Lで観察されるそれぞれの色調が直線状稜線を境として鮮明に切り替わることで独特の趣をもつ発色模様が得られる(図5b〜d)。更に、正反射光から離れて無彩色の色調に近くなった場合でも、クリア塗膜20に分散している発色顔料21による正反射光がクリア塗膜単体に比べて多くなっているので、L値(明度)が高くなり全体として金属板特有の冷たい感触が和らげられる(図5b)。
実施例1と同様に発色顔料21を分散させたクリア塗膜20を板厚:0.4mmの亜鉛めっき鋼板に設けた後、高さ:0.1mm,底辺一辺の長さ:4mmの三角錐を多数配列した凹凸(図4b),高さ:0.2mm,底辺一辺の長さ:3mmの四角錐を多数配列した凹凸(図4c),高さ:0.4mm,底辺一辺の長さ:2mmの六角錐を多数配列した凹凸(図4d)をプレス成形で付けた。
プレス成形後のカラークリア塗装金属板を目視観察したところ、三角錐状凸部をもつカラークリア塗装金属板では三角模様,四角錐状凸部をもつカラークリア塗装金属板ではチェック模様,六角錐状凸部をもつカラークリア塗装金属板では亀甲模様が明瞭に観察された。何れの発色模様も視野角によって色調や視認性が異なり、従来のカラークリア塗装金属板では得られない印象を与えた。
以上に説明したように、直線状稜線11を境として逆方向に傾斜した平面12R,12Lで形成される凹凸をカラークリア塗装金属板に付けると、クリア塗膜20に分散させた発色顔料21からの発色を右傾斜平面12R,左傾斜平面12Lで異ならせ、独特の趣をもつ発色模様が得られる。本発明のカラークリア塗装金属板は、このような意匠性の高い発色模様を活用し、家電製品や家具調度品の表装材,装飾性が要求される内装建材として使用される。金属板10の一部に凹凸をつけた場合でも、ポイントアクセントのある表装材や内装材として重宝される。
10:金属板 11:直線状稜線 12R:右傾斜平面 12L:左傾斜平面 13:頂平面
20:クリア塗膜 21:発色顔料 21a:鱗片状無機基質 21b:金属酸化物皮膜
20:クリア塗膜 21:発色顔料 21a:鱗片状無機基質 21b:金属酸化物皮膜
Claims (4)
- 直線状稜線を境として互いに逆方向に傾斜した平面をもつ多数の凹凸が形成され、金属光沢をもつ金属板を基材とし、基材表面に設けられたクリア塗膜に鱗片状無機基質を透明の金属酸化物で被覆した透明又は半透明の発色顔料が分散していることを特徴とするカラークリア塗装金属板。
- 金属板の一方向に多数の直線状稜線が延びており、クリア塗膜に透過反射した光の干渉作用でストライプ模様が発現する請求項1記載のカラークリア塗装金属板。
- 直線状稜線を境として互いに逆方向に傾斜した平面で構成され、底辺を共有する多数の四角錐状凸部が金属板に形成されており、クリア塗膜に透過反射した光の干渉作用でチェック模様が発現する請求項1記載のカラークリア塗装金属板。
- 直線状稜線を境として互いに逆方向に傾斜した平面で構成され、底辺を共有する多数の六角錐状凸部が金属板に形成されており、クリア塗膜に透過反射した光の干渉作用で亀甲模様が発現する請求項1記載のカラークリア塗装金属板。
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WO2017138706A1 (ko) * | 2016-02-12 | 2017-08-17 | 엘지전자 주식회사 | 고휘도 외관 구현을 위한 성형물 및 성형 방법 |
KR20190061619A (ko) * | 2017-11-28 | 2019-06-05 | 이현주 | 금속 발색 방법 |
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