JP2006159539A - 樹脂含浸装置とその装置を用いた樹脂含浸方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 短時間で効率よく、繊維基材中の気泡を除去し、低コストで繊維基材に対する液状樹脂の含浸率を向上させることが可能な樹脂含浸方法及び樹脂含浸装置を提供する。
【解決手段】 繊維基材を供給する供給ロールと、繊維基材を巻き出す送り装置と、巻き出された繊維基材に液状樹脂を含浸させる含浸ロールと、含浸ロールで液状樹脂に含浸させる前に、予め繊維基材に液状樹脂を滴下する滴下装置と、繊維基材に滴下した液状樹脂を強制含浸させる加圧ロールとを有する樹脂含浸装置。
【選択図】 図1
【解決手段】 繊維基材を供給する供給ロールと、繊維基材を巻き出す送り装置と、巻き出された繊維基材に液状樹脂を含浸させる含浸ロールと、含浸ロールで液状樹脂に含浸させる前に、予め繊維基材に液状樹脂を滴下する滴下装置と、繊維基材に滴下した液状樹脂を強制含浸させる加圧ロールとを有する樹脂含浸装置。
【選択図】 図1
Description
本発明は、樹脂含浸装置とその装置を用いた樹脂含浸方法に関するものである。
プリント配線板などに用いられるプリプレグは、紙、ガラス布、合成繊維または天然繊維などの繊布や不繊布などの繊維基材に、フェノール、エポキシ、ポリエステル、ポリイミドなどを必要により通常、溶剤を用いて液状のワニスとした液状の熱硬化性樹脂(以下、液状樹脂という)を含浸させ、この液状樹脂の付着量をスクイズロールなどで調整し、熱乾燥により液状樹脂を半硬化状態にしている。
ところで、プリプレグ中に気泡が残ると、硬化後にプリプレグの表面が平滑にならず、凹凸面が形成されてしまい、耐熱性などに劣り性能的に安定したプリプレグが得られない問題がある。このため、繊維基材への液状樹脂の含浸性を向上させるのに、繊維基材に二段階で含浸を行なったり、液状樹脂に浸漬させる時間や距離を長く設定したり、塗工速度を遅く設定したりしている(例えば特許文献1参照)。
しかし、このような方法では、生産性が低く、気泡除去の効果も不十分で、プリプレグ表面の平滑性も困難であると共に、粘度を低下するため溶剤を多くしなければならず、コスト高になるなどの問題がある。本発明は、このような事情に基づいてなされたものであり、その目的とするところは、気泡の低減された低コストで、繊維基材への液状樹脂の含浸性を向上させることが可能な樹脂含浸方法及び樹脂含浸装置を提供することにある。
本発明は,次のものに関する。
(1)繊維基材を供給する供給ロールと、繊維基材を巻き出す送り装置と、巻き出された繊維基材に液状樹脂を含浸させる含浸ロールと、含浸ロールで液状樹脂に接触させる前に、予め繊維基材に液状樹脂を滴下する滴下装置と、繊維基材に滴下した液状樹脂を強制含浸させる加圧ロールとを有する樹脂含浸装置。
(2)繊維基材に滴下した液状樹脂を強制含浸させる加圧ロールと、液状樹脂を滴下した繊維基材の進行方向の角度が、90°未満である項(1)に記載の樹脂含浸装置。
(3)繊維基材を供給する供給ロールから、送り装置によって繊維基材を巻き出しながら、繊維基材に液状樹脂を滴下し、繊維基材と加圧ロールを接触させて繊維基材に滴下した液状樹脂を強制含浸させ、その後繊維基材を液状樹脂を貯めた槽に設けた含浸ロールの下をくぐらせて繊維基材に液状樹脂を含浸させることを特徴とする樹脂含浸方法。
(1)繊維基材を供給する供給ロールと、繊維基材を巻き出す送り装置と、巻き出された繊維基材に液状樹脂を含浸させる含浸ロールと、含浸ロールで液状樹脂に接触させる前に、予め繊維基材に液状樹脂を滴下する滴下装置と、繊維基材に滴下した液状樹脂を強制含浸させる加圧ロールとを有する樹脂含浸装置。
(2)繊維基材に滴下した液状樹脂を強制含浸させる加圧ロールと、液状樹脂を滴下した繊維基材の進行方向の角度が、90°未満である項(1)に記載の樹脂含浸装置。
(3)繊維基材を供給する供給ロールから、送り装置によって繊維基材を巻き出しながら、繊維基材に液状樹脂を滴下し、繊維基材と加圧ロールを接触させて繊維基材に滴下した液状樹脂を強制含浸させ、その後繊維基材を液状樹脂を貯めた槽に設けた含浸ロールの下をくぐらせて繊維基材に液状樹脂を含浸させることを特徴とする樹脂含浸方法。
本発明によれば,短時間で効率よく、繊維基材中の気泡を除去し、低コストで繊維基材に対する液状樹脂の含浸率を向上させることが可能な樹脂含浸方法及び樹脂含浸装置を提供することができる。
本発明の樹脂含浸装置は、図1に示したように、繊維基材1を供給する供給ロール8と、繊維基材1を巻き出す送り装置(不図示)と、巻き出された繊維基材1に液状樹脂4を含浸させる含浸ロール9と、含浸ロール9で液状樹脂4に接触させる前に、予め繊維基材1上面に液状樹脂を滴下する滴下装置2と、繊維基材1上面に滴下した液状樹脂を強制含浸させる加圧ロール3とを有している。含浸ロール9で液状樹脂4に接触させる前に、滴下装置2は、1つ以上あれば良く、また加圧ロール3も滴下装置2の後、少なくとも1つあれば良い。
本発明における液状樹脂とは、前記のようにプリント配線板や積層板などに一般的に用いられる樹脂であればよく、前記した熱硬化性樹脂を含め特に限定しないが、繊維基材に含浸可能なワニス状であればよい。また本発明における繊維基材も、プリント配線板や積層板のプリプレグなどに一般的に用いられる繊維基材であればよく、特に限定しないが、紙、ガラス布、合成繊維または天然繊維などの繊布や不繊布などが挙げられる。滴下装置2により滴下する液状樹脂と、含浸ロール9で接触させる液状樹脂4は、同一組成同一粘度の液状樹脂でもよく、また必要に応じ、粘度、組成等を変えてもよいが、滴下装置2により滴下する液状樹脂の粘度は、含浸ロール9で接触させる液状樹脂4の粘度より、小さいことが好ましく、また30℃で10〜200mPa・sであることが好ましく、10〜50mPa・sであることがより好ましい。
本発明の樹脂含浸方法によれば、繊維基材上面に液状樹脂を滴下した後、その上を加圧ロールで加圧することで繊維基材表裏に圧力差が生じ、液状樹脂が繊維基材を通り抜けようとする。これにより液状樹脂を繊維基材に含浸させることができる。また繊維基材の上面から含浸させることで繊維基材の下面より繊維基材内の空気が抜け易く効率良く液状樹脂を含浸させることが出来る。なお滴下装置により滴下する液状樹脂の量は、加圧ロールにより繊維基材表面に、まんべんなく、均一にいきわたる量であればよい。
また、加圧ロールで加圧する時間を長くすること、繊維基材を加圧ロールに押しつけ加圧ロールの加圧力を大きくすること、さらに滴下・加圧の回数を多くすることで液状樹脂の含浸性を上げることが出来る。従って、含浸ロール9で液状樹脂4に接触、含浸させる前に、滴下装置2は、1つ以上あれば良いが、3〜10個あることが好ましい。また送り装置によって繊維基材を巻き出す速度は、作業効率が低下しない程度で、あれば良く、5〜15m/分が好ましい。また加圧ロールの繊維基材に対する加圧力は、作業効率が低下しない程度で、あれば良い。
また、図2に示したように、加圧ロール3と繊維基材1の進行方向に適切な角度10(以下、進行角という)をつけることで繊維基材内に含浸した液状樹脂を流動させ、繊維基材1の撚糸内に残留した気泡を効率よく排出することが出来る。角度(進行角)10は、図2に示したように、加圧ロール3の中心11を通る垂直な線と、進行方向の繊維基材1に平行な線とで表される。角度(進行角)10は、90°未満であることが好ましく、10〜80°であることがより好ましく、50〜70°であることが特に好ましい。90°では、あまり圧力がかからない。また繊維基材1の進行方向が、加圧ロール3の中心11を通る線と平行、すなわち垂直方向でもよい。
次に実施例により本発明を具体的に説明するが,本発明は,これらに限定されるものではない。
(実施例1)
樹脂含浸装置としては、図1に概略を示すように、繊維基材1の供給ロール8と、液状樹脂4を貯める含浸槽5と含浸ロール9、液状樹脂の滴下装置2、加圧ロール3と液状樹脂4を含浸した繊維基材1を乾燥させる乾燥炉6とからなるものであって、さらに直径150mmの加圧ロール3を間隔1000mm、高さ1000mmで設置し、加圧ロール3と繊維基材1との進行角10は60°とした。送り装置としては、乾燥炉の出口側に巻き取りロール(図示せず)を設けて巻き取ることとし、その巻き取り速度を10m/分とした。なお滴下装置2と加圧ロール3は、各3個設置されている。
(実施例1)
樹脂含浸装置としては、図1に概略を示すように、繊維基材1の供給ロール8と、液状樹脂4を貯める含浸槽5と含浸ロール9、液状樹脂の滴下装置2、加圧ロール3と液状樹脂4を含浸した繊維基材1を乾燥させる乾燥炉6とからなるものであって、さらに直径150mmの加圧ロール3を間隔1000mm、高さ1000mmで設置し、加圧ロール3と繊維基材1との進行角10は60°とした。送り装置としては、乾燥炉の出口側に巻き取りロール(図示せず)を設けて巻き取ることとし、その巻き取り速度を10m/分とした。なお滴下装置2と加圧ロール3は、各3個設置されている。
液状樹脂4には、ブロム化ビスフェノールA型エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業株式会社製、DER−518(商品名)を使用した)100重量部及びジシアンジアミド3重量部をエチレングリコールモノメチルエーテル20重量部に溶解してワニスA(液状樹脂)とした。このワニスA(液状樹脂)の30℃における粘度は100mPa・sであった。このワニスA(液状樹脂)を含浸槽5に注入した。さらにワニスA(液状樹脂)を30mPa・s(30℃)に粘度を調整したワニスB(液状樹脂)を作製し、滴下装置2に注入した。繊維基材1として、厚さ200μmのガラス布(日東紡績株式会社製)を用いた。前記の樹脂含浸装置により、繊維基材1に、滴下装置2からワニスB(液状樹脂)を滴下し、加圧ロール3で、ワニスB(液状樹脂)を含浸させ、更に含浸槽5中のワニスA(液状樹脂)を含浸ロール9で、含浸させ、更に乾燥炉6で、乾燥し、プリプレグを作製した。これにより得られたプリプレグは、上面から見た際の単位面積当たりに占める気泡の割合、つまりプリプレグの気泡面積率は28%であった。
(比較例1)
実施例1に用いた樹脂含浸装置の代わりに、滴下装置及び加圧ロールを使用しない樹脂含浸装置を用いた以外は、実施例1と同じ条件でプリプレグを製造した。その結果、得られたプリプレグの気泡面積率は48%であった。
実施例1に用いた樹脂含浸装置の代わりに、滴下装置及び加圧ロールを使用しない樹脂含浸装置を用いた以外は、実施例1と同じ条件でプリプレグを製造した。その結果、得られたプリプレグの気泡面積率は48%であった。
実施例1のプリプレグの気泡面積率は、比較例1のプリプレグの気泡面積率より小さいことから明らかなように、本発明に係わる樹脂含浸装置及び樹脂含浸方法により、繊維基材に対する液状樹脂の含浸率が高まっていることが確認できた。
1.繊維基材
2.滴下装置
3.加圧ロール
4.液状樹脂
5.含浸槽
6.乾燥炉
7.受け皿
8.供給ロール
9.含浸ロール
10.角度(進行角)
11.加圧ロールの中心
2.滴下装置
3.加圧ロール
4.液状樹脂
5.含浸槽
6.乾燥炉
7.受け皿
8.供給ロール
9.含浸ロール
10.角度(進行角)
11.加圧ロールの中心
Claims (3)
- 繊維基材を供給する供給ロールと、繊維基材を巻き出す送り装置と、巻き出された繊維基材に液状樹脂を含浸させる含浸ロールと、含浸ロールで液状樹脂に接触させる前に、予め繊維基材に液状樹脂を滴下する滴下装置と、繊維基材に滴下した液状樹脂を強制含浸させる加圧ロールとを有する樹脂含浸装置。
- 繊維基材に滴下した液状樹脂を強制含浸させる加圧ロールと、液状樹脂を滴下した繊維基材の進行方向の角度が、90°未満である請求項1に記載の樹脂含浸装置。
- 繊維基材を供給する供給ロールから、送り装置によって繊維基材を巻き出しながら、繊維基材に液状樹脂を滴下し、繊維基材と加圧ロールを接触させて繊維基材に滴下した液状樹脂を強制含浸させ、その後繊維基材を液状樹脂を貯めた槽に設けた含浸ロールの下をくぐらせて繊維基材に液状樹脂を含浸させることを特徴とする樹脂含浸方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004352601A JP2006159539A (ja) | 2004-12-06 | 2004-12-06 | 樹脂含浸装置とその装置を用いた樹脂含浸方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
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JP2004352601A Pending JP2006159539A (ja) | 2004-12-06 | 2004-12-06 | 樹脂含浸装置とその装置を用いた樹脂含浸方法 |
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2004
- 2004-12-06 JP JP2004352601A patent/JP2006159539A/ja active Pending
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