JP2006159097A - 炭化水素の燃焼・吸着触媒及び内燃機関の排ガス浄化装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】燃焼触媒の劣化を抑制し、長時間、活性化温度を低温に維持すること。
【解決手段】内燃機関排ガス中の炭化水素の浄化に用いる炭化水素の燃焼触媒機能と炭化水素の吸着機能を合わせもった炭化水素の燃焼・吸着触媒において、前記燃焼・吸着触媒の貴金属の担体は、Ce−Al緊密混合酸化物とCe−Zr複合酸化物との混合体であることを特徴とする炭化水素の燃焼・吸着触媒。特に、吸着触媒層上に酸化触媒層を積層した構造を有する。また、本発明は、三元触媒と上記燃焼・吸着触媒とを用いた内燃機関の排ガス浄化装置を開示する。
【選択図】図2
【解決手段】内燃機関排ガス中の炭化水素の浄化に用いる炭化水素の燃焼触媒機能と炭化水素の吸着機能を合わせもった炭化水素の燃焼・吸着触媒において、前記燃焼・吸着触媒の貴金属の担体は、Ce−Al緊密混合酸化物とCe−Zr複合酸化物との混合体であることを特徴とする炭化水素の燃焼・吸着触媒。特に、吸着触媒層上に酸化触媒層を積層した構造を有する。また、本発明は、三元触媒と上記燃焼・吸着触媒とを用いた内燃機関の排ガス浄化装置を開示する。
【選択図】図2
Description
本発明は、自動車排ガス中の炭化水素(HC)の浄化に使用される燃焼・吸着触媒及び内燃機関の排ガス浄化装置に関わり、特に低温でのHCを効率良く浄化するものである。
地球温暖化防止、環境改善を目的に、自動車排ガス中のCO(一酸化炭素)、NOx(窒素酸化物)、HC(炭化水素)の低減が求められている。このうち、前記HCはエンジン始動から3分程度に多く発生する。このエンジン始動初期に排出されるHCはコールドHCと呼ばれ、通常走行中に排出される全HC量の60−80%に相当する。乗用車の最も厳しい排気規制は、2004年から実施される米国のLEVII中に設定されているSULEV(Super Ultra Low Emission Vehicle、米国カリフォルニア州排ガス規制中の超々低排出ガス車)である。このHC排出規制値は、通常のLEV規制値の1/9であり、規制をクリアするにはコールドHCの浄化が必須である。
HCの大気放出を抑制する方法の一つとして、エンジン始動直後の低温時にはHCを吸着材に吸着し、排気ガスで触媒の温度が上昇したら吸着材からHCを脱離させて燃焼浄化する炭化水素の吸着機能一体化燃焼触媒(以下HC吸着燃焼触媒)が実用化されている。
HC吸着燃焼触媒の貴金属はアルミナ(Al2O3)、シリカ(SiO2)、チタニア(TiO2)、酸化ジルコニウム(ZrO2)及びこれらの複合酸化物に担持して用いられる。
HC吸着燃焼触媒は、HCを一旦吸着させ、温度上昇とともに脱離するHCを燃焼触媒で浄化するものである。しかし、HC吸着燃焼触媒を構成する燃焼触媒は長期の使用において貴金属の劣化、酸化セリウムの劣化などによって燃焼性能が低下する。その結果、燃焼触媒の活性化温度が高温化し、吸着材から脱離するHCを除去しきれなくなる。本発明で解決しようとする課題は、燃焼触媒の劣化を抑制し、長時間、活性化温度を低温に維持することのできる燃焼・吸着触媒を提供することである。
本発明は、燃焼触媒の担体にCe−Zr複合酸化物とCe−Al緊密混合酸化物との混合体を用いることで活性化温度を長時間、低温に維持することを特徴とする。
本発明は、従来に比べ、高いHC浄化率及び耐久性が得られるため、既存の吸着材と組み合わせることによって吸着したHCの浄化率を高めることができる方法を提供する。
本発明によれば、内燃機関排ガス中の炭化水素の浄化に用いる炭化水素の燃焼触媒機能と炭化水素の吸着機能を合わせ持った炭化水素の燃焼・吸着触媒において、前記燃焼・吸着触媒の貴金属の担体は、Ce−Al緊密混合酸化物とCe−Zr複合酸化物との混合体であることを特徴とする炭化水素の燃焼・吸着触媒が提供される。
上記燃焼・吸着触媒において、Ce−Zr複合酸化物とCe−Al緊密混合酸化物の混合体におけるCe−Zr複合酸化物とCe−Al緊密混合酸化物の比率が、重量比で10/90〜60/40であることが好ましい。本発明の担体は、Ce−Zr複合酸化物とCe−Al緊密混合酸化物以外の成分を含んでもよく、その場合は、Ce−Zr複合酸化物とCe−Al緊密混合酸化物以外の成分を除外したCe−Zr複合酸化物とCe−Al緊密混合酸化物の重量比が10/90〜60/40である。
また上記燃焼・吸着触媒において、触媒支持材に形成された吸着材に接している構造が好ましい。更に、上記燃焼・吸着触媒において、燃焼触媒が吸着機能を有する吸着材と、燃焼触媒機能を有する触媒層との2層構造となっていることが好ましい。
また、上記燃焼・吸着触媒において、Ce−Al緊密混合酸化物のCeとAlの比率はモル比で4/6以下であることが好ましい。
本発明は、内燃機関の排ガス流路に、上流側に三元触媒を、その下流側に燃焼触媒機能と炭化水素の吸着機能を合わせ持った炭化水素の燃焼・吸着触媒とを配置した、排ガス浄化装置において、前記燃焼・吸着触媒の貴金属の担体は、Ce−Al緊密混合酸化物とCe−Zr複合酸化物との混合体であることを特徴とする内燃機関の排ガス浄化装置を提供するものである。
本発明は、炭化水素の吸着機能と燃焼触媒機能とを合わせ持ったHC吸着燃焼触媒において、前記燃焼・吸着触媒は、Ce−Zr複合酸化物とCe−Al緊密混合酸化物との混合体を担体として用いることを特徴とする。
本発明による酸化・吸着触媒の構造の断面模式図を図7に示す。触媒の基材(たとえば、コージェライト)6上にアルミナ層7を介して吸着剤(たとえばゼオライト)層5を形成し、更に酸化触媒層4を形成する。酸化触媒層はCeZr複合酸化物とCe酸化物とAl2O3との緊密混合物との混合体からなる担体として、貴金属(白金など)を担持したものである。
本発明において、複合酸化物とは、X線回折によって、CeとZrとの化合物酸化物(複合酸化物)の結晶が検出されるものであり、一部又はCe酸化物とZr酸化物との混合物又は化合物の少なくとも一部が上記複合酸化物であるものを指す。また、緊密混合物とはX線回折によってもCe酸化物とAl酸化物の結晶構造が検出されないが、両者が緊密に混ざり合っている状態を指す。従って、この緊密混合物は酸化物粉末の混合では得られず、たとえばAl酸化物とCe酸化物の前駆体(硝酸塩化合物など)を共沈法、混練法などでCeとAl成分を緊密に混合したものを指す。
更に本発明の他の実施形態は、前記燃焼触媒が、吸着材に接していることを特徴とする。特に、燃焼触媒機能を有する触媒層と吸着材とが2層構造となっていることを特徴とする。
本発明は、燃焼触媒の担体にCe−Zr複合酸化物とCe−Al緊密混合酸化物の混合体を用いることで十分な機能を発揮する。燃焼触媒は、触媒支持材上にコートされた吸着材上に接していることを特徴とする。この場合の触媒支持材とは例えばコージェライトやメタルである。
本発明者は燃焼触媒の開発を行ってきた。燃焼触媒の耐久試験の結果、触媒性能の指標となるHC−T50(ガス中のHCの50vol%が浄化される温度)が250℃から350℃へ上昇した。劣化した触媒を詳細に調べた結果、貴金属粒径の増大とCeO2からの酸素放出量が減少していることが判明した。貴金属粒径の増大は担体の焼結収縮によると考えられる。酸素放出量の減少はCeO2の比表面積の低下や酸素放出能力の低下が考えられる。そのため、高比表面積かつ放出能力の高い材料を用いることが有利である。その結果、耐久試験後のHC−T50を改善することが出来た。
通常、燃焼触媒は、高比表面積のアルミナを担体とし、燃焼活性成分である貴金属、そして酸化セリウムを担持している。高比表面積のアルミナに貴金属を高分散させることで担体の焼結収縮、貴金属の凝集を抑制している。また、酸化セリウムは、酸素過剰状態ではガス中から酸化セリウム中に酸素を取り込み、酸素不足状態ではガスに酸素を放出することで、ガス組成を平準化し、貴金属上でのHCの燃焼を助ける。本発明では、アルミナに代えて、Ce−Zr複合酸化物とCe−Al緊密混合酸化物の混合体を使用した。
本発明で使用できるCe−Zr複合酸化物は、一般のCe−Zr複合酸化物である。CeとZrの割合は任意の値でよいが、OSC(oxygen strage capacity)能が高いものが望ましく、Ce/Zr=8/2または3/7が好ましい。
図2に耐久処理後のCe−Zr複合酸化物とCe−Al緊密混合酸化物の酸素放出量を示す。耐久処理は、自動車排ガスのストイキガス(空気/燃料比=14.7)とリーンガス(空気/燃料比=21)を模擬したガスを3分間隔で切替えたガスを触媒に流通しながら850℃で6時間処理した。酸素放出量測定の前処理は100%O2雰囲気で500℃に1時間保持した。100%He中で30℃まで冷却後、3%H2−Arの反応ガス中で10℃/minで800℃まで昇温した。酸素が放出されると1/2O2+H2→H2Oとなる。反応ガスのH2濃度変化をTCD(Thermal Conductivity Detector、熱伝導度検出器)で検出した。Ce−Zr複合酸化物はCe−Al緊密混合酸化物と比較して1.3から4.9倍のOSCを有することがわかる。Ce−Al緊密混合酸化物のCe−Zr複合酸化物の耐久処理後の比表面積を図3に示す。N2吸着法で測定した。Ceの割合が高くなると比表面積が低下する。Ce−Zr複合酸化物とCe−Alの緊密混合酸化物の混合体に用いるには、Ce−Alの特徴である高比表面積を利用することが望ましい。よって、Ce−Alの緊密混合酸化物は、Ce/Al=4/6以下が望ましい。
燃焼触媒において、高OSCはHC浄化性能の向上に寄与し、高比表面積は耐久性向上に寄与すると考える。そのため、耐久後のHC浄化性能は、高OSCを有するCe−Zr複合酸化物と高比表面積のCe−Al緊密混合酸化物との混合比率が重要になる。後述するライトオフ性能から、Ce−Zr複合酸化物とCe−Al緊密混合酸化物との混合比率が10/90から50/50の割合で性能が向上した。
前記、Ce−Zr複合酸化物とCe−Al緊密混合酸化物の混合体への貴金属の担持方法としては、含浸、及び混練方法を用いることができる。
また、Ce−Zr複合酸化物とCe−Alの緊密混合酸化物の混合体に耐熱性を高める金属酸化物を添加してもよい。耐熱性を高める金属酸化物をCe−Zr複合酸化物とCe−Alの緊密混合酸化物とを混合体に添加することで、酸化物の同士の焼結を抑制することができる。耐熱性を高める金属酸化物には、La、Pr、Mg、Ba、の酸化物や複合酸化物等を使用することができる。
排ガス浄化触媒の形状は、通常の粒状、押出し成型した柱状、プレス成型したペレット型、蜂の巣状のハニカム型のいずれも使用することができるが、圧損等の観点からハニカム型が好ましい。
燃焼触媒とともに使用する吸着材は、一般的なゼオライトである。例えば、ベータ、エリオナイト、X、Y、フェリオライト、A、L、ZSM−5、TS−1、モルデナイト、MCM−22等がある。ゼオライトの種類は対象とするHC種によって変えることができる。特に自動車排ガス中のHCについては、細孔径が5−10Åのゼオライトが好ましい。この細孔径では効率良くHCを吸着することができる。前記細孔径のゼオライトとしては、ZSM−5、モルデナイト、X、Y、ベータがある。ゼオライトは一般的に、SiO2とAl2O3の複合酸化物である。ゼオライトが吸着性能、触媒性能を示すのは、SiO2とAl2O3の比率が異なるためにできる格子欠陥によるものであり、SiO2とAl2O3のモル比が30−500のゼオライトが好ましい。
前記ゼオライトへはAg及びAg劣化抑制成分としてNi、Cu、Cr、Si、Zr、Al、Ti、Pd及びBを添加しても良い。また、ゼオライトにCeO2等のOSC(oxygen strage capacity)を有する金属酸化物を添加してもよい。OSCを有する金属酸化物を吸着材にコートすることで、燃焼触媒への酸素供給量を増加することができる。OSCを有する金属酸化物には、CeO2、CeO2とZrO2の混合物、複合酸化物、銅酸化物、コバルト酸化物、ニッケル酸化物等を使用することができる。
HC吸着燃焼触媒は、ハニカムに吸着材と燃焼材を多層に形成、ハニカムに吸着材と燃焼材を混合、吸着材を担持したハニカムと燃焼材を担持したハニカムを組み合わせて使うことができる。特に吸着材と燃焼触媒の位置は、二層型が好ましく、ガス流路側に燃焼触媒を配置することで吸着材からHCがガス流量に放出される際に効率よく燃焼させることができる。
二層型のHC吸着燃焼触媒の作製例を示す。コージェライトハニカムに吸着材層を形成後、燃焼触媒層を形成する。まず、吸着材層の作製方法を示す。βゼオライト、シリカゾル、そして精製水を混合したスラリーをコージェライトハニカムに流し込み、乾燥・焼成を行い吸着材層を形成した。Ag及びAg劣化抑制成分を水溶液にし、含浸法で吸着材層に担持した。CeO2などのOSCを有する酸化物を担持する場合は、硝酸塩など用い水溶液にして吸着材層に含浸した。または、吸着材層を形成するスラリーにあらかじめ混合してから、コージェライトハニカムに流し込み、OSCを有する酸化物を含む吸着材層を形成する方法でも良い。貴金属を担持するための担体(本発明では、Ce−Zr複合酸化物とCe−Al緊密混合酸化物の混合体)にPd、Pt、Rhなどの水溶液を含浸させた後、空気中600℃で焼成して、燃焼触媒粉末を得た。燃焼触媒粉末にシリカゾルと精製水を加えたスラリーを、吸着材層を形成したハニカムに流し込み燃焼触媒層を形成した。燃焼触媒層は、担持する貴金属種を変えて1〜3層形成しても良い。
本発明の排ガス浄化方法は、前記排ガス浄化触媒に排ガスを通し、エンジン起動時に排出される炭化水素を浄化させること、前記排ガス浄化触媒を通った排ガスは、その後、該排ガス浄化触媒の下流側に配置される三元触媒もしくはリーンNOx触媒を通ること、または前記排ガス浄化触媒を通った排ガスは、該排ガス浄化触媒の上流側に配置されるプリ触媒を既に通った排ガスであることを特徴としている。
さらに、本発明の排ガス浄化装置は、前記排ガス浄化触媒を有すること、前記排ガス浄化触媒の下流側には、三元触媒もしくはリーンNOx触媒が配置されていること、又は前記排ガス浄化触媒の上流側には、プリ触が配置されていることを特徴としている。
図1は、HC含有エンジン排ガスの後処理システムの一例である。構成としては、エンジン1の排ガス流路に三元触媒2が置かれ、その更に後段に本発明のHCの燃焼・吸着触媒機能を一体化した触媒3を置く。
以下に本発明の実施例を示すが、この例に限定されるものではない。実施例及び比較例の組成を表2に示す。HC吸着燃焼触媒では、吸着材、燃焼触媒の両者の性能が合わさって、吸着HCを浄化する。吸着材が同一性能の場合、燃焼触媒の性能が高いほど、吸着HCの浄化性能が高いといえる。本実施例では、燃焼触媒の性能を比較した。
(実施例1)
Ce−Zr複合酸化物は市販品(第一稀元素製、Ce/Zr=8/2、モル比)を使用した。図5のXRD回折パターンからCeとZrの複合酸化物であるのが確認された。Ce−Al緊密混合酸化物は、粉末を作製した。まず、アルミナの前駆体であるベーマイトと硝酸セリウム水溶液を、らいかい機で30分混練し、150℃で30分保持し乾燥させた。次に、空気中、500℃で2時間焼成しCe−Al緊密混合酸化物を得た。図6のXRD回折パターンからCeO2が同定された。Ce−Al緊密混合酸化物は、CeO2と非晶質のAl2O3から構成されており、結晶質のAl2O3とCeO2の混合体と比較して、CeとAlがより緊密な状態になっていると推測される。
(実施例1)
Ce−Zr複合酸化物は市販品(第一稀元素製、Ce/Zr=8/2、モル比)を使用した。図5のXRD回折パターンからCeとZrの複合酸化物であるのが確認された。Ce−Al緊密混合酸化物は、粉末を作製した。まず、アルミナの前駆体であるベーマイトと硝酸セリウム水溶液を、らいかい機で30分混練し、150℃で30分保持し乾燥させた。次に、空気中、500℃で2時間焼成しCe−Al緊密混合酸化物を得た。図6のXRD回折パターンからCeO2が同定された。Ce−Al緊密混合酸化物は、CeO2と非晶質のAl2O3から構成されており、結晶質のAl2O3とCeO2の混合体と比較して、CeとAlがより緊密な状態になっていると推測される。
実施例1触媒は次の手順で作製した。Ce−Zr複合酸化物とCe−Alの緊密混合酸化物の混合体を130g/L担持した時に所定のPd、Pt量になるように調製した。含浸法でCe−Al緊密混合酸化物にジニトロジアンミンPtとジニトロジアンミンPdの水溶液を用いPdを1.35g/L、Ptを0.27g/L担持した。含浸法でCe−Zr複合酸化物にジニトロジアンミンPtとジニトロジアンミンPdの水溶液を用いPdを0.15g/L、Ptを0.03g/L担持した。ハニカムに、Pd、Pt担持Ce−Al緊密混合酸化物と、Pd、Pt担持Ce−Zr複合酸化物が重量比で90:10の混合物をウオッシュコートで130g/L担持した。
触媒性能は耐久処理後に評価した。燃焼触媒のライトオフ性能を以下の試験で検証した。ガス組成を表1に、昇温パターンを図4に示す。試験前にO2:0.5%流通下で残存するHCを完全に燃焼除去した後、50℃から水蒸気10vol%流通下でストイキモデルガスを試料に流通した。その後、10℃/minで500℃まで昇温した。
比較例触媒は、ハニカム体積当たりの貴金属担持量を実施例と同じ、Pdが1.5g/L、Ptが0.3g/Lとした。比較例1はCe−Al緊密混合酸化物のみを担体とした場合、比較例2はCe−Zr複合酸化物のみを担体とした場合である。
(実施例2)
実施例2は、Pd、Pt担持Ce−Al緊密混合酸化物と、Pd、Pt担持Ce−Zr複合酸化物が重量比を60:40の混合物をウオッシュコートで130g/L担持した。複合酸化物に対する貴金属濃度は、Pd、Pt担持Ce−Al緊密混合酸化物と、Pd、Pt担持Ce−Zr複合酸化物が同濃度になるようにした。
(実施例3)
実施例3は、Pd、Pt担持Ce−Al緊密混合酸化物と、Pd、Pt担持Ce−Zr複合酸化物が重量比を50:50の混合物をウオッシュコートで130g/L担持した。複合酸化物に対する貴金属濃度は、Pd、Pt担持Ce−Al緊密混合酸化物と、Pd、Pt担持Ce−Zr複合酸化物が同濃度になるようにした。
(実施例4)
実施例4は、Pd、Pt担持Ce−Al緊密混合酸化物と、Pd、Pt担持Ce−Zr複合酸化物が重量比を40:60の混合物をウオッシュコートで130g/L担持した。複合酸化物に対する貴金属濃度は、Pd、Pt担持Ce−Al緊密混合酸化物と、Pd、Pt担持Ce−Zr複合酸化物が同濃度になるようにした。
実施例2は、Pd、Pt担持Ce−Al緊密混合酸化物と、Pd、Pt担持Ce−Zr複合酸化物が重量比を60:40の混合物をウオッシュコートで130g/L担持した。複合酸化物に対する貴金属濃度は、Pd、Pt担持Ce−Al緊密混合酸化物と、Pd、Pt担持Ce−Zr複合酸化物が同濃度になるようにした。
(実施例3)
実施例3は、Pd、Pt担持Ce−Al緊密混合酸化物と、Pd、Pt担持Ce−Zr複合酸化物が重量比を50:50の混合物をウオッシュコートで130g/L担持した。複合酸化物に対する貴金属濃度は、Pd、Pt担持Ce−Al緊密混合酸化物と、Pd、Pt担持Ce−Zr複合酸化物が同濃度になるようにした。
(実施例4)
実施例4は、Pd、Pt担持Ce−Al緊密混合酸化物と、Pd、Pt担持Ce−Zr複合酸化物が重量比を40:60の混合物をウオッシュコートで130g/L担持した。複合酸化物に対する貴金属濃度は、Pd、Pt担持Ce−Al緊密混合酸化物と、Pd、Pt担持Ce−Zr複合酸化物が同濃度になるようにした。
Ce−Al緊密混合酸化物とCe−Zr複合酸化物の混合割合とHC−T50を表2に示す。Ce−Al緊密混合酸化物とCe−Zr複合酸化物の混合体を貴金属の担体に用いると、単独の複合酸化物の場合よりHC−T50が5から10℃低下した。HC−T50改善効果は、Ce−Zr複合酸化物とCe−Al緊密混合酸化物との重量比が、10/90から50/50で確認された。高OSCのCe−Zr複合酸化物と高比表面積のCe−Al緊密混合酸化物を10/90から50/50の割合で混合した酸化物を貴金属の担体にすると耐久後の燃焼性能が改善される。
1…エンジン、2…三元触媒、3…燃焼・吸着触媒、4…酸化触媒層、5…吸着材層、6…基材。
Claims (10)
- 内燃機関排ガス中の炭化水素の浄化に用いる炭化水素の燃焼触媒機能と炭化水素の吸着機能を合わせ持った炭化水素の燃焼・吸着触媒において、前記燃焼・吸着触媒の貴金属の担体は、Ce−Al緊密混合酸化物とCe−Zr複合酸化物との混合体であることを特徴とする炭化水素の燃焼・吸着触媒。
- 請求項1において、Ce−Zr複合酸化物とCe−Al緊密混合酸化物の混合体におけるCe−Zr複合酸化物とCe−Al緊密混合酸化物の比率が、重量比で10/90〜60/40であることを特徴とする炭化水素の燃焼・吸着触媒。
- 請求項1において、触媒支持材に形成された吸着材に接していることを特徴とする炭化水素の燃焼・吸着触媒。
- 請求項1において、燃焼触媒が吸着機能を有する吸着材と、燃焼触媒機能を有する触媒層との2層構造となっていることを特徴とする炭化水素の燃焼・吸着触媒。
- 請求項1において、Ce−Al緊密混合酸化物のCeとAlの比率はモル比で4/6以下であることを特徴とする炭化水素の燃焼・吸着触媒。
- 内燃機関の排ガス流路に、上流側に三元触媒を、その下流側に燃焼触媒機能と炭化水素の吸着機能を合わせ持った炭化水素の燃焼・吸着触媒とを配置した、排ガス浄化装置において、前記燃焼・吸着触媒の貴金属の担体は、Ce−Al緊密混合酸化物とCe−Zr複合酸化物との混合体であることを特徴とする内燃機関の排ガス浄化装置。
- 請求項6において、Ce−Zr複合酸化物とCe−Al緊密混合酸化物の混合体におけるCe−Zr複合酸化物とCe−Al緊密混合酸化物の比率が、重量比で10/90〜60/40であることを特徴とする内燃機関の排ガス浄化装置。
- 請求項6において、触媒支持材に形成された吸着材に接していることを特徴とする内燃機関の排ガス浄化装置。
- 請求項6において、燃焼触媒が吸着機能を有する吸着材と、燃焼触媒機能を有する触媒層との2層構造となっていることを特徴とする内燃機関の排ガス浄化装置。
- 請求項6において、Ce−Al緊密混合酸化物のCeとAlの比率はモル比で4/6以下であることを特徴とする内燃機関の排ガス浄化装置。
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