JP2006158978A - バランス訓練装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】比較的簡単な構成を用いて馬の歩様のような揺動を与える。
【解決手段】人が着座する座席1を駆動装置3により揺動させる。座席1の移動は、駆動装置3によって、前後方向の直進往復移動と前後軸の回りの回転往復移動と左右軸の回りの回転往復移動との組み合わせに制限されている。駆動部3aは前後方向の直進往復移動と左右軸回りの回転往復移動とを可能とし、駆動部3bは前後軸回りの回転往復移動と可能とする。両駆動部3a,3bの制御方法を各種組み合わせることにより、複雑な揺動パターンで座席1を揺動させる。
【選択図】図1
【解決手段】人が着座する座席1を駆動装置3により揺動させる。座席1の移動は、駆動装置3によって、前後方向の直進往復移動と前後軸の回りの回転往復移動と左右軸の回りの回転往復移動との組み合わせに制限されている。駆動部3aは前後方向の直進往復移動と左右軸回りの回転往復移動とを可能とし、駆動部3bは前後軸回りの回転往復移動と可能とする。両駆動部3a,3bの制御方法を各種組み合わせることにより、複雑な揺動パターンで座席1を揺動させる。
【選択図】図1
Description
本発明は、身体の賦活、運動機能の訓練や回復などの目的でバランス機能を訓練するために用いられるバランス訓練装置に関するものである。
一般に、馬に乗った状態で落ちないようにバランスをとることはバランス保持の訓練になり、しかも腰背筋群の活性化を促して腰痛予防の訓練にもなることが知られている。しかしながら、馬に乗ることができる場所は限られているものである。そこで、場所や天候の制約を受けることなくバランス訓練を手軽に行うことができるように、馬に乗った状態と同様の動作を実現できる機械装置を用いることが考えられている。
この種の機械装置(バランス訓練装置)には、6個の駆動源を備え、馬形の乗り物を6自由度で駆動するものが提案されている(たとえば、特許文献1参照)。この構成では、乗り物を前後方向、左右方向、上下方向の直進往復移動と、前後軸、左右軸、上下軸の各軸回りの回転往復移動との6動作を組み合わせて揺動させることが可能であって、しかも6動作を個別に制御することができるようになっている。したがって、馬に乗った状態に近い揺動が可能になっている。
特公平6−65350号公報
しかしながら、上記公報に記載されたものは、6個の駆動源を備えるとともに、各駆動源を個別に制御するものであるから、各駆動源の動作のタイミング、速度、動作範囲などを個別に制御することになり、非常に複雑な制御を行う必要がある。また、6個の駆動源が設けられているものであるから、大型化しやすく、またコスト高になるという問題がある。この問題は上記公報に用いられている、いわゆる6自由度型シリアルロボットに限らず、構造が比較的簡単な6自由度型パラレルロボットを用いる場合も同様であって、6自由度型パラレルロボットでは構造が簡単ではあるものの構成部品が高コストであるから一層のコスト高を招くことになる。
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、比較的簡単な構成を用いて馬に乗った状態のような揺動を与えることを可能とし、馬に乗った状態と同程度のバランス訓練を可能としたバランス訓練装置を提供することにある。
請求項1の発明は、人が着座する座席と、座席の移動を前後方向の直進往復移動と前後軸の回りの回転往復移動と左右軸の回りの回転往復移動との組み合わせに制限して駆動する駆動装置と、座席を所望のパターンで揺動させるように駆動装置を制御する駆動制御部とを備え、前記駆動装置を前後方向の直進往復移動と左右軸の回りでの回転往復移動とを行う第1の駆動源を備えた第1の駆動部と、前後軸の回りでの回転往復移動を行う第2の駆動源を備えた第2の駆動部とで構成して成ることを特徴とする。
この構成によれば、座席の動作を3種類に制限しているから、従来のような6種類の動作を可能とする場合に比較すると構成が簡単になる。しかも、動作が3種類に制限されてはいるものの、動作の種類を前後方向の直進往復移動と前後軸の回りの回転往復移動と左右軸の回りの回転往復移動との組み合わせとしているので、バランス訓練(バランス保持の訓練、腰痛予防の訓練)に用いるに際しては6種類の動作が可能な装置と同程度の効果が得られる。すなわち、上述した3種類の動作を2つの駆動部を用いて実現することができる。
請求項2の発明は、人が着座する座席と、座席を前後方向に直進往復移動させかつ座席を左右軸の回りで回転往復移動させる第1の駆動部と、座席を前後軸回りで回転往復移動させる第2の駆動部と、座席の揺動として馬の常足と速歩との歩様を模擬した揺動が選択可能になるように第1および第2の駆動部の位相関係を調節可能とする駆動制御部とを備えることを特徴とする。
この構成によれば、座席の動作を3種類に制限しているから、従来のような6種類の動作を可能とする場合に比較すると構成が簡単になる。しかも、動作が3種類に制限されてはいるものの、動作の種類を前後方向の直進往復移動と前後軸の回りの回転往復移動と左右軸の回りの回転往復移動との組み合わせとしているので、バランス訓練(バランス保持の訓練、腰痛予防の訓練)に用いるに際しては6種類の動作が可能な装置と同程度の効果が得られる。すなわち、上述した3種類の動作を2つの駆動部を用いて実現することができ、しかも2つの駆動部を駆動制御部からの指示で各別に制御して位相関係を調節することにより、馬の常足と速歩との歩様から選択して模擬することができる。
請求項3の発明では、請求項1または請求項2の発明において、前記駆動制御部は、前記座席の揺動として馬の駆歩の歩様を模擬した揺動が選択可能となるように第1および第2の駆動部の位相関係と第1および第2の駆動部による往復移動の周期の比率とが調節可能であることを特徴とする。
この構成によれば、馬の駆歩の歩様を模擬することができるから、バランス訓練に必要と考えられるすべての歩様である常足、速歩、駆歩の3種類の歩様を模擬することができる。なお、馬の歩様には襲歩もあるがバランス訓練には不要である。
請求項4の発明では、請求項1ないし請求項3のいずれかの発明において、前記駆動制御部は、前記座席の揺動パターンを変更する移行期間に第1および第2の駆動部の動作を一旦停止させ、その後、駆動を再開させることを特徴とする。
この構成によれば、座席の揺動パターンを変更する際に揺動を一旦停止させるから、揺動パターンの変更を使用者に予告することができ、揺動パターンが急に変化することによって使用者が座席から落ちる危険性を低減することができる。
請求項5の発明では、請求項1ないし請求項3のいずれかの発明において、前記駆動制御部は、前記座席の揺動パターンを変更する移行期間に第1および第2の駆動部のうちの一方を揺動パターンの変更後の位相関係が得られるタイミングまで一旦停止させ、その後、変更後の揺動パターンが得られるように駆動を再開させることを特徴とする。
この構成によれば、座席の揺動パターンを変更する移行期間においても一方の駆動部が動作しているから、座席の揺動を継続しながらも揺動パターンを変更することができる。
請求項6の発明は、請求項1ないし請求項3のいずれかの発明において、前記駆動制御部は、前記座席の揺動パターンを変更する移行期間に、第1および第2の駆動部のうちの一方を揺動パターンの変更後の位相関係が得られるタイミングまで往復移動の周期を変化させ、その後、変更後の揺動パターンが得られるように駆動させることを特徴とする。
この構成によれば、座席の揺動パターンを変更する移行期間において両方の駆動部が動作しているから、座席の揺動を継続しながら揺動パターンを移行期間において滑らかに変更することができる。
請求項7の発明では、請求項1ないし請求項6のいずれかの発明において、座席の揺動パターンを決定する揺動パラメータと、座席の揺動パターンを変更する際の移行期間における駆動部の動作を決定する変更パラメータとを前記駆動制御部に与えるパラメータ入力手段を備えることを特徴とする。
この構成によれば、パラメータ入力手段によって揺動パターンの種類や揺動パターンを変更する移行期間での駆動部の動作を指定することができるから、座席の揺動を個人差に応じて変化させたり、単調さを低減させるように座席の揺動に変化を付けたりすることができる。
請求項8の発明では、請求項1の発明において、前記駆動制御部が、第1および第2の駆動源を往復回転運転させるとともに回転角度範囲を制御することにより前記駆動装置の各往復移動の振幅を調節することを特徴とする。
この構成によれば、駆動源を往復回転運転するとともに回転角度範囲を調節可能としているから、揺動パターンの振幅を制御することができ、運動効果の高い揺動パターンの生成が可能になる。
請求項9の発明は、請求項8の発明において、前記駆動制御部では、第1および第2の駆動源の往復回転運転の中心位置を調節可能としたことを特徴とする。
この構成によれば、往復回転運転の中心位置を適宜に設定することで前後や左右に傾きを付与した揺動が可能になる。つまり、上り坂や下り坂あるいは左右に曲がるのを模擬した動作が可能になる。このような傾きの付与を可能とすることで、使用者を飽きさせないように座席の揺動パターンに変化を与えることが可能になる。
請求項1の発明の構成によれば、座席の動作を3種類に制限しているから、従来のような6種類の動作を可能とする場合に比較すると構成が簡単になるという利点がある。しかも、動作が3種類に制限されてはいるものの、動作の種類を前後方向の直進往復移動と前後軸の回りの回転往復移動と左右軸の回りの回転往復移動との組み合わせとしているので、バランス訓練(バランス保持の訓練、腰痛予防の訓練)に用いるに際しては6種類の動作が可能な装置と同程度の効果が得られる。すなわち、上述した3種類の動作を2つの駆動部を用いて実現することができる。
また、請求項2の発明の構成によれば、請求項1の発明の効果に加えて、2つの駆動部を駆動制御部からの指示で各別に制御して位相関係を調節することにより、馬の常足と速歩との歩様から選択して模擬することができるという利点がある。
本実施形態は、図1(a)に示すように、人が着席する座席1をベース2に収納された駆動装置3(図1(b)参照)により揺動させるように構成される。座席は馬の鞍形に形成されており、人は座席1に跨る形で着座することになる。また、図5に示すように、駆動装置3はモータ駆動部4a,4bを介して演算制御部5により制御される。
駆動装置3は、図2ないし図4に示すように、直方体状のベース2を有し、ベース2に対して移動可能となるように保持された可動架台31を備える。ベース2は上面が開放されており、ベース2の上部には前後方向に走る左右一対のレール部21が形成されている。各レール部21は断面コ字状であって開口側を互いに対向させる形に形成されている。
可動架台31には左右方向の2本のシャフト32,33が前後に設けられ、前側のシャフト32の両端部にはシャフト32の軸心から偏心した位置でアーム34の一端部が取り付けられる。両アーム34はシャフト32に対して回動自在に軸着されており、両アーム34の回動中心は一直線上に位置する。両アーム34の他端部は座席1を保持する台座11の後端部に軸着されている。また、台座11の前端部は可動架台31の前方に配置された支持板35aに回動自在に軸着される。支持板35aは取付バー35に固定されており、取付バー35の両端部には取付板35bを介して各一対のランナ36が回動自在に軸着される。ランナ36は左右のレール部21に挿入され、レール部21の中で転動する。したがって、シャフト32が回転するとアーム34の上記他端部に結合された台座11の後端部が上下に移動するのであって、台座11の前端部の高さ位置は一定に保たれているから、台座11は左右軸の回りで前後に揺動(ピッチ)することになる。
後側のシャフト33の両端部にはシャフト33の軸心から偏心した一対のランナ37がシャフト33に対して回動自在に取り付けられる。両ランナ37は左右のレール部21にそれぞれ挿入されるが、中心軸が互いに異なるように設けられている。したがって、シャフト33が回転すると可動架台31は前後軸の回りで左右に揺動(ロール)することになる。
可動架台31の下面には回転軸38が突設され、回動軸38の軸心に対して偏心した位置でリンク39の一端部が軸着される。リンク39の他端部はベース2の前端部に軸着されており、回動軸38が回転すると可動架台31は前後に移動することになる。ベース2と可動架台31との関係を模式的に示すと図1(b)のようになる。
上述のように、シャフト32,33と回動軸38とをそれぞれ回転させることによって、前後軸の回りでの回転往復移動と左右軸の回りでの回転往復移動と前後方向の直進往復移動とが可能になり、3種類の動作を実現することができる。シャフト32,33および回動軸38を回転させるための駆動源は回転運転される2個のモータ30a,30bであって、本実施形態では、一方のモータ30aをシャフト33の回転用に用い、他方のモータ30bをシャフト32と回転軸38との回転用に用いている。したがって、左右方向(つまり前後軸の回り)の回転往復移動(ロール)はモータ30aによる動作になり、前後方向の直進往復移動と前後方向(つまり左右軸の回り)の回転往復移動(ピッチ)とはモータ30bによる動作になる。言い換えると、駆動装置3は2つの駆動部3a,3bからなり、各駆動部3a,3bはそれぞれモータ30b,30aを駆動源にしていることになる。ここに、各モータ30a,30bからシャフト32,33および回転軸38への回転力の伝達はかさ歯車30c(図3参照)を用いている。このように、前後と左右との往復移動が各別のモータ30a、30bでの動作になるから、一方の動きに変化を与えることによって、台座11に複雑な動きを与えることが可能になる。
たとえば、正常な人のバランス機能では、周期的な揺れに対しては2〜3秒程度で動きを予測するようになり、バランス機能を強化するためには周期的な揺れのみでは効果が少ないものであるが、2種類のモータ30a、30bを用いることにより揺れの動作に変化を与えることができ、人が予期していない動きや人を飽きさせない動きを与えることが可能になる。
両モータ30a,30bは、上述したモータ駆動部4a,4b(図5参照)を介して演算制御部5により制御される。演算制御部5はコンピュータ装置を用いて構成されたものであり、データ入力部6により与えられる制御情報に基づいてモータ30a,30bを制御する。データ入力部6の制御情報は馬の歩様を疑似した揺動を座席1に与えることができるように設定されている。また、制御情報は、座席1の揺動が単調にならないように、各モータ30a,30bの回転方法(連続回転あるいは往復回転)、往復回転の場合の回転角度や中心位置、回転速度、位相関係を変化させるように設定される。ここに、連続回転とはモータ30a,30bを一定方向に回転させることであり、往復回転とは正逆に交互に回転させることを意味する。このように、演算制御部5はデータ入力部6およびモータ駆動部4a,4bとともに駆動制御部を構成している。
ところで、モータ30a,30bが1回転する間における各方向の揺動の最大振幅はアーム34の取付位置の偏心量、ランナ37の偏心量、リンク39の偏心量によって決まる。つまり、モータ30a,30bを同じ向きに連続的に回転させたとすれば、座席1の揺動における振幅は一定になる。これに対して、往復回転させるとともに、図6に示すように、駆動源である各モータ30a,30bの回転角度範囲φ1,φ2を調節可能にすれば、座席1の揺動における振幅を変化させることができる。つまり、回転角度範囲φ1,φ2を設定するときは、モータ30a,30bを連続的に回転させるのではなく設定された回転角度範囲φ1,φ2において往復回転させる。図6(a)(b)における左側の図は、モータ30a,30bに連動して回転する回転軸30cと、回転軸30cの軸心に対して偏心して取り付けられている部材(つまり、アーム34、ランナ37、リンク39)30dとの位置関係を模式的に示したものである。図6では回転軸30cの中心を通る左右方向の直線を基準線として、モータ30a,30bが往復回転運転されたときに回転軸30cに対する部材30dの取付位置が基準線に対して上下に同じ幅で振れるように、往復回転運転の中心位置(つまり、往復移動の中心位置)を設定している。したがって、基準線の角度を0度とすれば、図6(a)(b)の右側に示しているように、0度を中心として座席1を揺動させることができる。ここに、基準線として設定した位置は、座席1の中立位置(つまり、座席1に前後左右の傾きや前後の位置ずれがない位置)に対応付けているものとする。
一方、モータ30a,30bの往復回転運転の際に、図7の左側に示すように、回転軸30cに対する部材30dの取付位置が基準線からずれるように中心位置を変更すれば、図7の右側に示すように、座席1の揺動の中心位置が中立位置からずれることになる。つまり、前後軸あるいは左右軸の回りでの往復回転移動につて言えば、左右の傾きあるいは前後の傾きを伴って揺動することになる。たとえば、前後に傾きを付与すれば、座席1に着座している人には坂を上ったり下ったりしているかのような感覚が得られ、左右に傾きを付与すれば、右や左に曲がっていくかのような感覚が得られることになる。このような傾きの変化を取り入れることで、使用者に飽きさせないような動きを与えることができる。なお、モータ30a,30bの往復回転運転の際の速度に変化を与えることによっても座席1の揺動パターンに変化を与えることが可能である。
本実施形態では、座席1の揺動パターンを馬の常足、速歩、駆歩を模擬するように制御するために、駆動部3a,3b(つまり、モータ30a,30bの回転)を以下のように制御する。なお、以下に説明する図8ないし図10において図中で丸付き数字は本文では括弧付き数字(例:(1))で表す。まず、馬の常足について考察すると、前後方向の直進往復移動は図8の(1)のようになり、左右軸回りおよび前後軸回りの回転往復移動は、それぞれ図8の(2)(3)のようになる。これらの関係から、前後軸回りの回転往復移動の周期に対して、前後方向の直進往復移動および左右軸回りの回転往復移動はほぼ半分の周期であることがわかる。このことから、前後軸回りの回転往復移動をモータ30aで行うとともに、前後方向の直進往復移動と左右軸回りの回転往復移動とをモータ30bで行うようにし、しかも周期の比率を2:1に設定しておけば、座席1の揺動パターンを常足に模擬したパターンとすることができるのである。ここに、各往復移動の位相差もほぼ一定の関係になるから、2つのモータ30a,30b(つまりは駆動部3a,3b)に所定の位相差を与えて制御すれば、馬の常足の歩様を模擬することができる。
一方、速歩について考察すると、前後方向の直進往復移動は図9の(1)のようになり、左右軸回りおよび前後軸回りの回転往復移動は、それぞれ図9の(2)(3)のようになる。つまり、速歩においても前後軸回りの回転往復移動の周期に対して、前後方向の直進往復移動および左右軸回りの回転往復移動はほぼ半分の周期になっている。したがって、前後軸回りの回転往復移動の周期と、前後方向の直進往復移動および左右軸回りの回転往復移動の周期との比率を2:1に設定しておけば、座席1の揺動パターンを速歩に模擬したパターンとすることが可能になる。ここで、常足と速歩とを比較すると、前後方向の直進往復移動と左右軸回りの回転往復移動とに関する位相差は大きな差は生じていないが、これらの往復移動と前後軸回りの回転往復移動との間の位相差には大きなずれがある。したがって、2つのモータ30a,30b(つまりは駆動部3a,3b)の位相差を調節することによって、常足と速歩との歩様を区別することが可能になる。
駆歩については、前後方向の直進往復移動は図9の(1)のようになり、左右軸回りおよび前後軸回りの回転往復移動は、それぞれ図10の(2)(3)のようになる。つまり、駆歩では前後軸回りの回転往復移動、前後方向の直進往復移動、左右軸回りの回転往復移動の各周期はほぼ等しくなる。したがって、前後軸回りの回転往復移動の周期と、前後方向の直進往復移動および左右軸回りの回転往復移動の周期との比率を1:1に設定しておけば、座席1の揺動パターンを駆歩に模擬したパターンとすることが可能になる。この場合も各往復移動について適宜の位相差を与えるようにモータ30a,30b(つまりは駆動部3a,3b)の位相差を調節することによって、駆歩の歩様を模擬することが可能になる。
これらの各種の揺動パターンに、上述したモータ30a,30bの往復回転運転に伴う振幅の変化や中心位置の変化も併せて与えることにより、座席1に複雑な揺動パターンを与えることができ、使用者を飽きさせないように座席1を揺動させることが可能になる。
ところで、座席1の揺動パターンを変更する際には、変更前の揺動パターンから変更後の揺動パターンに移行させるための移行期間を設ける。つまり、揺動パターンの変更前後で周期や位相差に変化が生じるのに対して、駆動装置3は位置を連続的に変化させることしかできないから、移行期間において駆動装置3の位置を調節するのである。移行期間において揺動パターンを変更するためのモータ30a,30bの制御方法には、以下の3種類の方法がある。
第1の方法では、図11に示すように、移行期間Tsの前に揺動パターンP1が得られるようにモータ30a,30bを制御していた状態から、両モータ30a,30bを一旦停止させる。ここで、所定の停止期間Taが経過した後に揺動パターンP2において周期の長いほうの駆動部3aの駆動を再開し、さらに、揺動パターンP1における駆動部3bの停止位置が、揺動パターンP2における駆動部3aに対する位相差(位相関係)に相当する位置に達するまでの位相調整期間Tbを待ってから駆動部3bの駆動を再開する。このような制御によって、揺動パターンP1から揺動パターンP2への移行が可能になる。
第2の方法は第1の方法から停止期間Taを省略したものであって、図12に示すように、移行期間Tsが位相調整期間Tbに一致する。つまり、駆動部3a,3bのうち変更後の周期の短いほうの駆動部3bのみを停止させ、この停止位置が揺動パターンP2における駆動部3aに対する位相差に相当する位置に達したときに駆動部3bの駆動を再開するのである。このような制御を行えば、移行期間Tsにおいても一方の駆動部3aは駆動されているから、座席1は揺動を継続することになる。
第3の方法は、図13に示すように、第2の方法における位相調整期間Tbにおいても駆動部3bを停止させず、移行期間Tsにおいて適宜周期で座席1を揺動させ続けることによって、両揺動パターンP1,P2の移行を行わせるようにしてある。このように移行期間Tsにおいても駆動部3a,3bを停止させないことにより、揺動パターンP1,P2を違和感が生じないように滑らかに移行させることができる。
なお、座席1の揺動パターンおよび揺動パターンを変更する際の移行期間における動作を指示するためにデータ入力部6はパラメータ入力手段としての機能を備える。揺動パターンは、モータ30aの回転数、回転比(モータ30bの回転数/モータ30aの回転数)、位相差を指定することによって制御することができる。また、移行期間の動作は、駆動部3bを停止させるかあるいは駆動部3bの周期を変更する時間(停止時間・変更時間)、つまりは上述した位相調整期間Tbの指定が必要である。また、駆動部3bの周期を変更する場合であれば位相調整期間Tbにおけるモータ30bの回転数を指定する必要がある。
そこで、データ入力部6には、図14に示すように、揺動パターンを決定する揺動パラメータ(回転数、回転比、位相差)と、座席1の揺動パターンを変更する際の移行期間における駆動部3a,3bの動作を決定する変更パラメータ(停止時間・変更時間と回転数)を入力可能とするパラメータ入力手段を設けてある。パラメータ入力手段は、コンピュータ装置のディスプレイ画面の表示とキーボードやマウスとの組み合わせによって実現される。
図14においてスタートボタンSW1およびストップボタンSW2は、駆動装置3の駆動開始と駆動停止とを指示するものであり、回転数、回転比、位相差、停止、変更時間、変更回転数にそれぞれ対応したフィールドF1〜F5に適宜数値を入力してスタートボタンSW1を選択操作すれば、入力されたデータに基づいて駆動装置3が駆動される。つまり、馬の歩様の常足、速歩、駆歩のいずれかに対応するデータをフィールドF1〜F3に入力すれば、常足、速歩、駆歩のいずれかを模擬した揺動パターンで座席1を揺動させることができる。
また、移行期間において上述した第1の方法のように一旦停止させる場合には、ストップボタンSW2で駆動装置3を停止させてから、次の揺動パターンのデータをフィールドF1〜F3に入力してスタートボタンSW1により駆動を再開させるようにすればよい。第2の方法のように一方の駆動源30bのみを停止させる場合には、停止、変更時間のフィールドF4に所要の時間を入力して変更回転数のフィールドF5に0を入力した後、変更開始ボタンSW3を選択操作すればよい。第3の方法のように一方の駆動源30bを停止させることなく回転数を変化させる場合には、停止、変更時間のフィールドF4に所要の時間を入力するとともに変更回転数のフィールドF5に所要の回転数を入力した後に、変更開始ボタンSW3を選択操作する。
上述のように適宜の数値を各フィールドF1〜F5に入力して各ボタンSW1〜SW3を選択操作すれば、座席1の揺動パターンを適宜に変更することができ、揺動パターンの単調さを緩和することができる。なお、図示していないが、モータ30a,30bを往復回転運転する際の回転角度範囲や中心位置についてもデータ入力部6において設定可能としてある。
1 座席
2 ベース
3 駆動装置
3a,3b 駆動部
4a,4b モータ駆動部
5 演算制御部
6 データ入力部
30b,30a モータ
2 ベース
3 駆動装置
3a,3b 駆動部
4a,4b モータ駆動部
5 演算制御部
6 データ入力部
30b,30a モータ
Claims (9)
- 人が着座する座席と、座席の移動を前後方向の直進往復移動と前後軸の回りの回転往復移動と左右軸の回りの回転往復移動との組み合わせに制限して駆動する駆動装置と、座席を所望のパターンで揺動させるように駆動装置を制御する駆動制御部とを備え、前記駆動装置を前後方向の直進往復移動と左右軸の回りでの回転往復移動とを行う第1の駆動源を備えた第1の駆動部と、前後軸の回りでの回転往復移動を行う第2の駆動源を備えた第2の駆動部とで構成して成ることを特徴とするバランス訓練装置。
- 人が着座する座席と、座席を前後方向に直進往復移動させかつ座席を左右軸の回りで回転往復移動させる第1の駆動部と、座席を前後軸回りで回転往復移動させる第2の駆動部と、座席の揺動として馬の常足と速歩との歩様を模擬した揺動が選択可能になるように第1および第2の駆動部の位相関係を調節可能とする駆動制御部とを備えることを特徴とするバランス訓練装置。
- 前記駆動制御部は、前記座席の揺動として馬の駆歩の歩様を模擬した揺動が選択可能となるように第1および第2の駆動部の位相関係と第1および第2の駆動部による往復移動の周期の比率とが調節可能であることを特徴とする請求項1または請求項2記載のバランス訓練装置。
- 前記駆動制御部は、前記座席の揺動パターンを変更する移行期間に第1および第2の駆動部の動作を一旦停止させ、その後、駆動を再開させることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のバランス訓練装置。
- 前記駆動制御部は、前記座席の揺動パターンを変更する移行期間に第1および第2の駆動部のうちの一方を揺動パターンの変更後の位相関係が得られるタイミングまで一旦停止させ、その後、変更後の揺動パターンが得られるように駆動を再開させることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のバランス訓練装置。
- 前記駆動制御部は、前記座席の揺動パターンを変更する移行期間に、第1および第2の駆動部のうちの一方を揺動パターンの変更後の位相関係が得られるタイミングまで往復移動の周期を変化させ、その後、変更後の揺動パターンが得られるように駆動させることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のバランス訓練装置。
- 座席の揺動パターンを決定する揺動パラメータと、座席の揺動パターンを変更する際の移行期間における駆動部の動作を決定する変更パラメータとを前記駆動制御部に与えるパラメータ入力手段を備えることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載のバランス訓練装置。
- 前記駆動制御部が、第1および第2の駆動源を往復回転運転させるとともに回転角度範囲を制御することにより前記駆動装置の各往復移動の振幅を調節することを特徴とする請求項1記載のバランス訓練装置。
- 前記駆動制御部では、第1および第2の駆動源の往復回転運転の中心位置を調節可能としたことを特徴とする請求項8記載のバランス訓練装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006007992A JP2006158978A (ja) | 1999-07-15 | 2006-01-16 | バランス訓練装置 |
Applications Claiming Priority (2)
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JP20192099 | 1999-07-15 | ||
JP2006007992A JP2006158978A (ja) | 1999-07-15 | 2006-01-16 | バランス訓練装置 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2000017595A Division JP3788159B2 (ja) | 1999-07-15 | 2000-01-26 | バランス訓練装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2006158978A true JP2006158978A (ja) | 2006-06-22 |
Family
ID=36661568
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2006007992A Pending JP2006158978A (ja) | 1999-07-15 | 2006-01-16 | バランス訓練装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2006158978A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101856977B1 (ko) * | 2017-05-26 | 2018-05-15 | 주식회사 에이엘로봇 | 승마용 운동장치 |
-
2006
- 2006-01-16 JP JP2006007992A patent/JP2006158978A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR101856977B1 (ko) * | 2017-05-26 | 2018-05-15 | 주식회사 에이엘로봇 | 승마용 운동장치 |
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