JP2006158138A - 小型ブラシレスモータ構造 - Google Patents

Abstract

【課題】 小型で信頼性の高いブラシレスモータ構造を提供する。
【解決手段】 ハウジング内壁に、界磁コイルを配置固定し、前記界磁コイルのタップ線が引き出される側のハウジング端部に、エンドフランジを嵌め込み固定したインナーロータ型の小型ブラシレスモータにおいて、前記ハウジングのエンドフランジ側の端部より前記タップ線を露出させ、エンドフランジ外周面に配置固定した配線基板と前記タップ線を結線する構造を採用することによって、配線基板を折り曲げることなく結線でき、またその給電ランド面積を十分に確保することが可能なため、断線等が発生しにくく、信頼性の高い小型ブラシレスモータを構成することが可能となる。
【選択図】 図１

Description

本発明は、例えばマイクロマシンや精密医療機器などに使用される、極小サイズのブラシレスモータに関するものである。

従来、外径５ｍｍ前後の小型円筒モータは、分銅付きの振動モータとしてペイジャー・PHS・携帯電話等の移動体通信機器に、あるいは精密機器の駆動用モータとしてOA機器・光学機器・ラジコン模型等の各装置内部に数多く搭載され、実用化されてきた。更に近年では、内視鏡等の精密医療機器、あるいはハイテク産業機器への搭載を主目的とした超小型モータとしての需要が増え、極小径・極小尺化の要望が年々高まっている。

しかし、モータがより小型になればなるほど、電源部側からの給電配線等の取回し機構の構成が難しくなり、特に外径３ｍｍ以下の極小径のモータでは、前記給電配線の構造と各部品の設置箇所の最適化が小径化の重要なポイントとなる。

図６、図７に示すモータは、カップ式、あるいはベル式の複数相を一体化した界磁コイル１９の界磁コイルタップ線２０を、接続端子２１を介してフレキシブル基板２２の給電ランドとそれぞれ接続したものである。外径方向に突出する帯状のフレキシブル基板２２を折り曲げて、ハウジング１８の外周一端部に形成した切り欠き部２３内の凹部に収納することで、ハウジング外径方向に突出する部分が一切なくなり、極限まで小径化することが可能となる。特に外径２ｍｍ以下になった場合の効果は大きい（特許文献１）。

また、図８に示すように、界磁コイルタップ線２６を外部電源と接続するための給電ランドを有するフレキシブル基板２５を保持するための略円環状の固定基板２７を、界磁コイル２４の一端部に配置固定すると共に、前記固定基板２７の周囲に前記界磁コイルタップ線２６を接着保持するための凹部溝２８を形成したことにより、同固定基板２７が界磁コイルタップ線２６の保持及びフレキシブル基板２５との接続中継点として機能するため、断線等が発生しにくくなり、外部電源との接続作業を容易に行うことが可能となり、組立作業効率が向上する（特許文献２）。
特開２０００−１６６１５７ 特開２００３−２８４２７８

しかしながら、上記特許文献の場合、フレキシブル基板を折り曲げて給電経路部分を形成するため、折り曲げ部分で断線等が発生しやすく、また、その折り曲げ部分にR（コーナーR）が存在するため、組立ばらつきが生じやすく、他部品との間隙にRを考慮する必要もあり、モータの小型化にあたって障害となっていた。

また、従来のフレキシブル基板の配置では、モータ径断面の方向にフレキシブル基板の給電ランドを配置し、タップ線との結線を行っているため、モータの小径化に伴う径方向の断面積の減少により、給電ランドとして使用可能な面積も減少することから、組立等の作業が困難になる他、結線時の半田付けにおける半田量も、面積減少に伴い、少なくなるため、タップ線の固定強度が低下し、信頼性の低下を招いていた。

したがって、本発明は、上記の問題点を解決し、給電ランドの面積を十分に確保することができ、フレキシブル基板を折り曲げることなく、小型化が可能で、且つ、信頼性の高い小型モータを提供することを目的とする。

請求項１記載の発明では、ハウジング内壁に、界磁コイルを配置固定し、前記界磁コイルのタップ線が引き出される側のハウジング端部に、エンドフランジを嵌め込み固定したインナーロータ型の小型ブラシレスモータにおいて、前記ハウジングのエンドフランジ側の端部に切り欠き部を設け、前記切り欠き部より前記タップ線を露出させ、エンドフランジの外周面に配置固定した配線基板に結線する構造を特徴とする小型ブラシレスモータとしている。

請求項２記載の発明では、ハウジング内壁に、界磁コイルを配置固定し、前記界磁コイルのタップ線が引き出される側のハウジング端部に、エンドフランジを嵌め込み固定したインナーロータ型の小型ブラシレスモータにおいて、前記エンドフランジの外周面に平面部を設け、ハウジング端部よりタップ線を露出させ、前記平面部に配置固定した配線基板と前記タップ線を結線する構造を特徴とする小型ブラシレスモータとしている。

請求項３記載の発明では、ハウジング内壁に、界磁コイルを配置固定し、前記界磁コイルのタップ線が引き出される側のハウジング端部に、エンドフランジを嵌め込み固定したインナーロータ型の小型ブラシレスモータにおいて、前記ハウジングのエンドフランジ側の端部に切り欠き部を設け、前記切り欠き部より前記タップ線を露出させ、さらに前記エンドフランジの外周面に平面部を設け、前記平面部に配置固定した配線基板と前記タップ線を結線する構造を特徴とする小型ブラシレスモータとしている。

請求項４記載の発明では、請求項１乃至３のいずれか１項に記載の小型ブラシレスモータにおいて、前記界磁コイルの前記タップ線側に、電気絶縁性材料からなる、略円環状のタップ線ガイドを備えることを特徴とする小型ブラシレスモータとしている。

請求項５記載の発明では、請求項４記載の小型ブラシレスモータにおいて、前記タップ線ガイドの片端部に段部を設けたことを特徴とする小型ブラシレスモータとしている。

請求項６記載の発明では、請求項５記載の小型ブラシレスモータにおいて、前記タップ線ガイドの外周面に少なくとも１つ以上の溝部を設けたことを特徴とする小型ブラシレスモータとしている。

請求項７記載の発明では、請求項１乃至６のいずれか１項に記載の小型ブラシレスモータにおいて、前記界磁コイルをスター結線する際に、前記界磁コイルのタップ線のうち、中性点となる線を縒り合わせてから前記配線基板と結線する構造を特徴とする小型ブラシレスモータとしている。

請求項８記載の発明では、請求項１乃至７のいずれか１項に記載の小型ブラシレスモータにおいて、前記エンドフランジの外径を前記ハウジングの外径以下で構成することを特徴とする小型ブラシレスモータとしている。

請求項９記載の発明では、請求項１乃至８のいずれか１項に記載の小型ブラシレスモータにおいて、前記エンドフランジを嵌め込み固定した前記ハウジング端部の他端にフランジを嵌め込み固定するとともに、エンドフランジ又は／及びフランジが軸受を兼ねることを特徴とした小型ブラシレスモータとしている。

本発明の小型ブラシレスモータでは、請求項１乃至３に示すように、界磁コイルのタップ線をハウジングの切り欠き部またはハウジングのエンドフランジ側の端部より露出させ、タップ線と配線基板の結線をエンドフランジ外周面にて行うことにより、小径化の影響を受けずに配線基板の給電ランドの面積を十分に確保することが可能となり、面積確保により結線時の半田付けにおける半田量の減少を抑えることが可能となるため、十分な半田量による確実な結線が可能となる。よって、タップ線の給電ランドへの固定強度の低下による断線等の不具合の発生が抑えられ、信頼性の向上を図ることができる。

また、配線基板として、フレキシブル基板を用いた場合において、フレキシブル基板を折り曲げる必要がないため、折り曲げ部に生じやすい断線を防ぐことができ、さらには、折り曲げ部のRを考慮する必要が無く、Rによる組立ばらつきが無くなるため、他部品との間隙を小さくすることができ、さらなる小型化も可能となる。

また、請求項２及び３に示すように、エンドフランジの外周面に平面部を設け、前記平面部に配線基板を配置固定することにより、配線基板を曲面に沿わせて曲げることなくエンドフランジに密着させることができ、配線基板を曲げた場合に生じる曲げ応力による曲面からの剥離や、曲げることが困難な配線基板を曲面に固定する場合の、接触面積の減少による固定強度の低下を防ぐことができるため、信頼性が向上する。

本発明の小型ブラシレスモータでは、請求項４に示すように、界磁コイルのタップ線側にタップ線ガイドを備えることにより、タップ線ガイドをガイドとしてタップ線を配置することができるため、組立作業効率が向上し、さらに、タップ線ガイドとタップ線を接着剤等で固着することにより、断線の生じやすいタップ線引出し部分を補強することができるため、信頼性が向上する。

また請求項５に示すように、タップ線ガイドに段部を設けることにより、タップ線を配置する際の間隙を確保することができ、さらにこの間隙に接着剤等を充填し、タップ線ガイドとタップ線を固着することにより、タップ線に直接負荷がかからず、断線を防止することができるため、信頼性が向上する。さらに、段部がタップ線のタップ線ガイド内径及びその延長部分への進入を防止するため、タップ線と他部品との干渉を防止することができる。

また、請求項６に示すように、タップ線ガイドにさらに溝部を設けることにより、溝部にタップ線を収納することができ、さらにその溝部に接着剤等を充填し、固着することにより、タップ線の断線を防止することができるため、信頼性が向上する。

本発明の小型ブラシレスモータでは、請求項７に示すように、スター結線を行う際に、中性点のタップ線を１つに縒り合わせてから配線基板の給電ランドへ半田付け等にて結線を行うため、タップ線を個々に配線基板の給電ランドに結線する場合と比較し、給電ランドの数を低減することが可能となり、各々の給電ランドを広く設けることが可能となる。また、結線回数も低減することが可能であるため、作業効率の向上を図ることができる。

さらに、本発明の小型ブラシレスモータでは、請求項８に示すように、エンドフランジの外径をハウジングの外径以下で構成することにより、極限まで小径化することが可能となる。

さらに、本発明の小型モータでは、請求項９に示すように、エンドフランジを嵌め込み固定したハウジング端部の他端にフランジを嵌め込み固定するとともに、エンドフランジ又は／及びフランジが軸受を兼ねることで、モータの径方向に介在する部品を削減できるため、さらなる小型化が可能となる。

図１は本発明の小型３相ブラシレスモータ（以下、小型モータと表記）のステータ構造の実施の形態の一例を示す分解斜視図である。本ステータ構造は、ハウジング１と界磁コイル２とタップ線ガイド３とエンドフランジ４とフレキシブル基板１２、１３より構成される。前記ハウジング１には一端に切り欠き部５が備えられている。前記界磁コイル２はタップ線６を備える。また、前記タップ線ガイド３には３箇所の溝部７及び段部８を備える。尚、エンドフランジ４は、軸受を兼ねる形状となっており、また、外周面には平面部１０、１１が備えられている。さらに前記平面部１０、１１にそれぞれ前記フレキシブル基板１２、１３が同一構成で配置固定されている。

そして、図５に示すように、前記ハウジング１の内壁に前記界磁コイル２を配置固定すると共に、前記界磁コイル２の前記タップ線６側に前記タップ線ガイド３を配置する。さらに、マグネット１６とその中心を貫通するシャフト１５から構成されるローター部を、磁気ギャップを介して前記界磁コイル２の内部に挿置すると共に、前記ハウジング１の各端部に嵌め込み固定した軸受を兼ねるフランジ１７と前記エンドフランジ４とで回転可能に保持する。さらに、前記エンドフランジ４の前記平面部１０、１１には前記フレキシブル基板１２、１３をそれぞれ配置し、前記切り欠き部５に露出させたタップ線６を前記タップ線ガイド３の溝部７及び段部８により設けられた間隙を通して前記フレキシブル基板１２、１３に結線することにより、本発明の小型モータは、モータの外周面にて結線することが可能となる。

また、本実施例ではスター結線にて小型モータを構成するが、６本のタップ線６のうち、中性点となる３本のタップ線は、段部８をガイドとして１箇所にまとめ、縒り合わせてから、他の３本のタップ線と同様に、切り欠き部５に露出させ、前記エンドフランジ４の平面部１０、１１にそれぞれ配置した２枚のフレキシブル基板１２、１３の給電ランド１４に、半田付けにて結線することにより、小型モータを構成する。

このような構成とすることにより、モータの小径化に伴う径方向の断面積の減少の影響を受けずに給電ランド１４の面積を十分に確保することが可能となり、結線時の半田付けにおける半田量の減少を抑えることが可能となるため、タップ線の給電ランドへの固定強度の低下による断線等の不具合の発生が抑えられる。またフレキシブル基板１２、１３を折り曲げることなく構成できるため、折り曲げ部に生じやすい断線を防ぐことができ、さらには、折り曲げ部のRを考慮する必要がなくなる。

また、前記溝部７、段部８を接着剤９等にて充填し、さらにフレキシブル基板１２、１３の給電ランド１４とタップ線６とを半田付けにて結線した箇所も接着剤９等にて固着することにより、直接タップ線及び各結線箇所に過負荷がかからず断線を防ぐ構造となり、また固定強度も高められる。

尚、本発明において、上記の実施例が最良の形態であるが、その他の実施例におけるステータ構造を、図２、図３及び図４に示す。図２、図３の実施例は、ハウジング１の一端に切り欠き部５が設けられているのみ、もしくはエンドフランジ４の外周面に平面部１０が設けられているのみ、のいずれかに該当するステータ構造により、タップ線を露出させて、タップ線とフレキシブル基板との結線を行うステータ構造の形態である。また、図４の実施例は、エンドフランジ４の平面部１０、１１に配置固定されるフレキシブル基板１２、１３に設けた給電ランド１４ａにタップ線を結線し、同フレキシブル基板１２、１３に設けられた給電ランド１４ｂに電源側からのリード線を接続したステータ構造の形態である。これにより、電源側との接続にリード線を用いることが可能となる。本発明はこれら図２、図３及び図４に示すステータ構造を有する小型モータも含むものとする。

本発明の小型ブラシレスモータのステータ構造の実施の形態の一例を示す分解斜視図である。 本発明の小型ブラシレスモータのステータ構造の他の実施の形態の一例を示す分解斜視図である。 本発明の小型ブラシレスモータのステータ構造の他の実施の形態の一例を示す分解斜視図である。 本発明の小型ブラシレスモータのステータ構造の他の実施の形態の一例を示す分解斜視図である。 本発明の小型ブラシレスモータの断面図である。 従来の小型モータの断面図である。 従来の小型モータの接続端子給電部分の組込斜視図である。 従来の他の小型モータの界磁コイルを含むステータを示す概略斜視図である。

符号の説明

１，１８ ハウジング
２，１９，２４ 界磁コイル
３ タップ線ガイド
４ エンドフランジ
５，２３ 切り欠き部
６ タップ線
７ 溝部
８ 段部
９ 接着剤
１０，１１ 平面部
１４，１４ａ，１４ｂ 給電ランド
１２，１３，２２，２５ フレキシブル基板
１５ シャフト
１６ マグネット
１７ フランジ
２０，２６ 界磁コイルタップ線
２１ 接続端子
２７ 固定基板
２８ 凹部溝

Claims (9)

1. ハウジング内壁に、界磁コイルを配置固定し、前記界磁コイルのタップ線が引き出される側のハウジング端部に、エンドフランジを嵌め込み固定したインナーロータ型の小型ブラシレスモータにおいて、
   前記ハウジングのエンドフランジ側の端部に切り欠き部を設け、前記切り欠き部より前記タップ線を露出させ、エンドフランジの外周面に配置固定した配線基板に結線する構造を特徴とする小型ブラシレスモータ。
2. ハウジング内壁に、界磁コイルを配置固定し、前記界磁コイルのタップ線が引き出される側のハウジング端部に、エンドフランジを嵌め込み固定したインナーロータ型の小型ブラシレスモータにおいて、
   前記エンドフランジの外周面に平面部を設け、ハウジング端部よりタップ線を露出させ、前記平面部に配置固定した配線基板と前記タップ線を結線する構造を特徴とする小型ブラシレスモータ。
3. ハウジング内壁に、界磁コイルを配置固定し、前記界磁コイルのタップ線が引き出される側のハウジング端部に、エンドフランジを嵌め込み固定したインナーロータ型の小型ブラシレスモータにおいて、
   前記ハウジングのエンドフランジ側の端部に切り欠き部を設け、前記切り欠き部より前記タップ線を露出させ、さらに前記エンドフランジの外周面に平面部を設け、前記平面部に配置固定した配線基板と前記タップ線を結線する構造を特徴とする小型ブラシレスモータ。
4. 請求項１乃至３のいずれか１項に記載の小型ブラシレスモータにおいて、
   前記界磁コイルの前記タップ線側に、電気絶縁性材料からなる、略円環状のタップ線ガイドを備えることを特徴とする小型ブラシレスモータ。
5. 請求項４に記載の小型ブラシレスモータにおいて、
   前記タップ線ガイドの片端部に段部を設けたことを特徴とする小型ブラシレスモータ。
6. 請求項５に記載の小型ブラシレスモータにおいて、
   前記タップ線ガイドの外周面に少なくとも１つ以上の溝部を設けたことを特徴とする小型ブラシレスモータ。
7. 請求項１乃至６のいずれか１項に記載の小型ブラシレスモータにおいて、
   前記界磁コイルをスター結線する際に、前記界磁コイルのタップ線のうち、中性点となる線を縒り合わせてから前記配線基板と結線する構造を特徴とする小型ブラシレスモータ。
8. 請求項１乃至７のいずれか１項に記載の小型ブラシレスモータにおいて、
   前記エンドフランジの外径を前記ハウジングの外径以下で構成することを特徴とする小型ブラシレスモータ。
9. 請求項１乃至８のいずれか１項に記載の小型ブラシレスモータにおいて、
   前記エンドフランジを嵌め込み固定した前記ハウジング端部の他端にフランジを嵌め込み固定するとともに、エンドフランジ又は／及びフランジが軸受を兼ねることを特徴とした小型ブラシレスモータ。
   

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