JP2006158036A - 電動機駆動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】電動機の負荷要素に依存せず常に最適な速度制御系を構築し、安定した電動機の駆動を実現する。
【解決手段】電動機駆動装置3は、電動機4の固定子巻線に流れる電流を検出する電流検出部9と、電動機4の回転速度の変化率を検出する回転速度変化率検出部17と、検出された回転速度の変化率に基づいて予め設定された速度制御ゲインを補正する速度制御ゲイン補正部16と、補正された速度制御ゲインを用いて目標速度ω*と電動機4の回転速度ω1との速度誤差から電流指令値I*を作成する速度制御部11と、電流指令値I*と検出された電流値との電流誤差から電圧指令値V*を作成する電流制御部12とを備え、この速度制御ゲイン補正部16により、負荷要素に依存せず常に最適な速度制御系を構築でき、安定した電動機の駆動を実現できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、ブラシレスDCモータなどの電動機を任意の回転数で駆動する電動機駆動装置に関するものである。
近年、空気調和機における圧縮機などの電動機を駆動する装置においては、地球環境保護の観点から消費電力を低減する必要性が大きくなっている。その中で、省電力の技術の一つとして、ブラシレスDCモータのような効率の高い電動機を任意の周波数で駆動するインバータなどが広く一般に使用されている。さらに、駆動する技術としては、矩形波状の電流により駆動を行う矩形波駆動に対して、より効率が高く、騒音も低くすることが可能な正弦波駆動技術が注目されている。
空気調和機における圧縮機のような電動機を駆動する場合、電動機の回転子の位置を検出するセンサを取りつけることが困難であるため、回転子の位置を何らかの方法で推定しながら駆動を行う位置センサレス正弦波駆動の技術が考案されている。回転子の位置を推定する方法としては、電動機の固定子巻線に生ずる誘起電圧を推定することにより行う方法がある(例えば、特許文献1参照)。
図6に特許文献1の電動機駆動装置のシステム構成を示す。電動機駆動装置3は、複数のスイッチング素子5a〜5fと対をなす還流ダイオード6a〜6bからなるインバータ5と、速度制御部11と、電流制御部12と、PWM信号生成部13、誘起電圧推定部14と、回転子位置速度推定部15とを備える。
交流電源1からの入力電圧は整流回路2で直流に整流され、その直流電圧は交流直流変換部5により3相の交流電圧に変換され、それによりブラシレスDCモータである電動機4が駆動される。
電動機駆動装置3では、外部より与えられる目標速度を実現するべく、速度制御部11は目標速度ω*と現在の速度ω1(回転子磁極位置速度推定手段15により推定された推定速度の現在値)との速度誤差Δωがゼロとなるように比例積分制御(以下、PI制御という)により電流指令値I*を演算する。
電流制御部12は速度制御部11により演算された電流指令値I*に基づいて作成される固定子巻線の相電流指令値と、電流検出器7a、7bおよび電流検出部9から得られる電流検出値との電流誤差がゼロとなるようにPI制御により電圧指令値V*を演算する。
誘起電圧推定部14は電流検出器7a、7bおよび電流検出部9により検出された電動機4の電流検出値と、電圧指令値v*と、分圧抵抗8a、8bおよび直流電圧検出部10により検出されたインバータ5の直流電圧の情報とに基づいて、電動機4の固定子巻線の各相に生じた誘起電圧を推定する。
回転子位置速度推定手段15は、誘起電圧推定部14により推定された誘起電圧を用いて電動機4における回転子の磁極位置および速度を推定する。この推定された回転子磁極位置の情報に基づいて、電流制御部12では、インバータ5が電圧指令値V*を出力するために、スイッチング素子5a〜5fを駆動するための信号が生成され、その駆動信号はPWM信号生成部13により、スイッチング素子5a〜5fを電気的に駆動するためのドライブ信号に変換される。ドライブ信号により各スイッチング素子5a〜5fが動作する。
以上の構成によって、位置センサレス正弦波駆動を行っている。
特許第3419725号公報
しかしながら、前記従来の構成では、予め設定した速度制御部11のPI制御ゲインを電動機の回転速度の変化率に応じて補正する手段を備えておらず、速度制御部11のPI制御ゲインは電動機4の負荷要素の慣性モーメントなどから決定するものであり、電動機4の負荷要素が変化すると回転速度の応答性が変わることになり、予め設定したPI制御ゲインでは満足ゆく制御仕様が得られないだけでなく、PI制御ゲインの最適な調整を行うための設計工数が増えるという課題を有していた。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、電動機の負荷要素に依存せず常に最適な速度制御系を構築し、安定した電動機の駆動を実現するための電動機駆動装置を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明の電動機駆動装置は高圧側に配置された上アームスイッチング素子と低圧側に配置された下アームスイッチング素子からなるスイッチング素子対を複数有し、各スイッチング素子の動作により直流電圧を所望の周波数、電圧の交流電圧に変換し、複数相の電動機にその駆動電圧として供給するインバータと、外部から与えられる電動機の目標速度と電動機の回転速度との速度誤差から電動機の電流指令値を作成する速度制御手段と、電動機の固定子巻線に流れる電流を検出する電流検出手段と、電流指令値と電流検出手段により検出された電流検出値との電流誤差から電動機の電圧指令値を作成する電流制御手段と、電圧指令値に基づいて、インバータの各スイッチング素子の動作を制御するPWM信号を生成するPWM信号生成手段と、電動機の回転速度の変化率を検出する回転速度変化率検出手段と、回転速度変化率検出手段の出力値に基づいて、速度制御手段における速度制御ゲインを補正する速度制御ゲイン補正手段とを備えるものである。
この速度制御ゲイン補正手段によって、予め設定された速度制御ゲインを電動機の回転速度変化率に応じて補正する。
本発明の電動機駆動装置は、予め設定された速度制御ゲインを電動機の回転速度の変化率に応じて補正することで、電動機の負荷要素に依存せず常に最適な速度制御系を構築でき、安定した電動機の駆動を実現できる。
第1の発明は、高圧側に配置された上アームスイッチング素子と低圧側に配置された下アームスイッチング素子からなるスイッチング素子対を複数有し、各スイッチング素子の動作により直流電圧を所望の周波数、電圧の交流電圧に変換し、複数相の電動機にその駆動電圧として供給するインバータと、外部から与えられる電動機の目標速度と電動機の回転速度との速度誤差から電動機の電流指令値を作成する速度制御手段と、電動機の固定子巻線に流れる電流を検出する電流検出手段と、電流指令値と電流検出手段により検出された電流検出値との電流誤差から電動機の電圧指令値を作成する電流制御手段と、電圧指令値に基づいて、インバータの各スイッチング素子の動作を制御するPWM信号を生成するPWM信号生成手段と、電動機の回転速度の変化率を検出する回転速度変化率検出手段と、回転速度変化率検出手段の出力値に基づいて、速度制御手段における速度制御ゲインを補正する速度制御ゲイン補正手段とを備えることにより、予め設定された速度制御ゲインを電動機の回転速度の変化率に応じて補正することで、電動機の負荷要素に依存せず常に最適な速度制御系を構築でき、安定した電動機の駆動を実現できる。
さらに、回転速度変化率検出手段の出力値に比例して速度制御ゲインが小さくなるように補正することで、簡単な演算により速度制御ゲインの補正を実現し、マイコンなどの演算時間やメモリの増加を必要最小限に抑えることができる。
第2の発明は、特に、第1の発明の電動機駆動装置は、速度制御ゲインの補正値は、少なくとも予め設定された上限値もしくは下限値を有することにより、速度制御ゲインの過度な補正を防止することができ、ハンチングや乱調などの電動機の不安定動作を回避できる。
第3の発明は、特に、第1または第2の発明の電動機駆動装置は、回転速度変化率検出手段の出力値が、予め設定された基準値よりも小さい場合にのみ速度制御ゲインを補正し、基準値以上の場合には速度制御ゲインの補正をしないことにより、速度制御ゲインの補正の効果が大きい場合(予め設定された基準値よりも小さい場合)のみ速度制御ゲインを補正することで、マイコンなどの演算手段における演算量やメモリの低減が図れ、演算手段のコスト低減を実現できる。
第4の発明は、特に第3の発明の電動機駆動装置は、速度制御ゲインの補正のありなしの切り替え時に値が連続となるように補正の切り替えを行うことにより、速度制御ゲインの補正ありなしの切り替えに伴う制御安定性と信頼性の向上が図れ、ハンチングや乱調などの電動機の不安定動作を防止できる。
第5の発明は、特に第1〜第4の発明の電動機駆動装置は、速度制御ゲインの補正は、予め設定された所定時間(特に、電動機の負荷要素によって決まる機械系の応答遅れ時間よりも小さく設定された所定時間)毎に行うことにより、マイコンなどの演算手段における演算量やメモリの低減が図れ、演算手段のコスト低減を実現できる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態における電動機駆動装置のシステム構成図を示すものである。
図1において、電動機駆動装置3は、複数のスイッチング素子5a〜5fと対をなす還流ダイオード6a〜6bからなるインバータ5と、電圧検出部10と、速度制御部11と、電流制御部12と、PWM信号生成部13と、誘起電圧推定部14と、回転子位置速度推定部15と、速度制御ゲイン補正部16と、回転速度変化率検出部17とを備える。
交流電源1からの入力電圧は整流回路2で直流に整流され、その直流電圧は交流直流変換部5により3相の交流電圧に変換され、それによりブラシレスDCモータである電動機4が駆動される。
電動機駆動装置3では、まず速度制御ゲイン補正部16において、回転速度変化率検出部17により検出された電動機4の回転速度変化率に基づいて、予め設定された速度制御部11の速度制御ゲイン(PI制御ゲイン)を補正する。
速度制御部11は、外部より与えられる目標速度を実現するべく、目標速度ω*と現在の速度ω1(回転子磁極位置速度推定手段15により推定された推定速度の現在値)との速度誤差Δωがゼロとなるように、速度制御ゲイン補正部16により補正された速度制御ゲインを用いてPI制御により電流指令値I*を演算する。
電流制御部12は、速度制御部11により演算された電流指令値I*に基づいて作成される固定子巻線の相電流指令値と、電流検出器7a、7bおよび電流検出部9から得られる電流検出値との電流誤差がゼロとなるようにPI制御により電圧指令値V*を演算する。
誘起電圧推定部14は、電流検出器7a、7bおよび電流検出部9により検出された電動機4の電流検出値と、電圧指令値V*と、分圧抵抗8a、8bおよび直流電圧検出部10により検出されたインバータ5の直流電圧の情報とに基づいて、電動機4の固定子巻線の各相に生じた誘起電圧を推定する。
回転子位置速度推定手段15は、誘起電圧推定部14により推定された誘起電圧を用いて電動機4における回転子の磁極位置および速度を推定する。
この推定された回転子磁極位置の情報に基づいて、電流制御部12では、インバータ5が電圧指令値V*を出力するために、スイッチング素子5a〜5fを駆動するための信号が生成され、その駆動信号はPWM信号生成部13により、スイッチング素子5a〜5fを電気的に駆動するためのドライブ信号に変換される。ドライブ信号により各スイッチング素子5a〜5fが動作する。
なお、図1では電動機4の相電流を検出する2つの電流検出器7a、7bを備え、回転子の位置速度の推定に使用しているが、インバータ5の入力側の直流電流(インバータ5の母線電流)から電動機4の相電流を検出するなどの手段を用いても良いことは言うまでもない。
まず始めに、速度制御ゲインを補正する必要性について説明する。
図2は後程説明する速度制御部11の簡易的なブロック図を示した図であり、電動機の回転速度の応答性については、制御側のPI補償部の応答と負荷側の慣性モーメントによる機械応答によって決まる。
ここで、速度制御部の制御ゲイン(Kp,Ki)の最適値(Kpo,Kio)は、速度制御ループの応答性、安定性から慣性モーメントJと電動機のトルク定数Ktを用いて理論的に以下の式で表される。
Figure 2006158036
Figure 2006158036
ここで、ωcは速度制御の固有角周波数、ζは減衰係数である。
即ち、速度制御ゲイン(Kp,Ki)は、固有角周波数ωc、減衰係数ζ、トルク定数Ktを一定値とすると慣性モーメントJに比例の関係にある。
しかしながら、特定の負荷要素の慣性モーメントJ0に合わせて決定した速度制御ゲイン(Kp,Ki)を固定して慣性モーメントJを変化させた場合には、図3に示す電動機の負荷要素と回転速度変化率の関係のように電動機の回転速度の応答性が変わり(回転速度変化率がδ0から変化)、特に慣性モーメントJが大きい場合には、電動機の回転速度の応答性が悪化して満足のゆく制御仕様を得ることができなくなるため、負荷要素の慣性モーメントJに応じて速度制御ゲインを補正する必要がある。
具体的には、速度制御ゲイン補正手段16では、後程説明する回転速度変化率検出手段17の出力値である回転速度変化率δに基づいて、予め設定された速度制御ゲイン(KPW,KIW)を式(3)、式(4)で表される演算により補正する。
Figure 2006158036
Figure 2006158036
ここで、図4は本発明にかかる補正係数Ksの第1の実施形態における動作説明図で、予め設定された上限値Ks1および下限値Ks2を備え、式(5)のように表される。
Figure 2006158036
なお、補正係数Ksは、必ずしも図4のように上限値Ks1および下限値Ks2の両方を備える必要はなく、電動機駆動装置の使用環境や電動機の運転状況に応じてどちらか一方のみ備えても良い。
このように、本実施形態による補正係数は少なくとも予め設定された上限値もしくは下限値を備えているため、速度制御ゲインの過度な補正を防止することができ、ハンチングや乱調などの電動機の不安定動作を回避できる。
(実施の形態2)
また、本発明にかかる補正係数Ksの第2の実施の形態における動作説明図を図5に示す。
ここで、図4の補正係数Ksに対して回転速度変化率δが予め設定された基準値δ0よりも小さい場合にのみ速度制御ゲインを補正し、基準値δ0以上の場合には速度制御ゲインの補正をせず初期値Ks0を維持するものである。
なお、図5では速度制御ゲインの補正のありなしの切り替え時に値が連続となるように補正の切り替えを行っている。
具体的には、補正係数Ksは補正係数の初期値Ks0と上限値Ks1を用いて式(6)で導出することができる。
Figure 2006158036
即ち、図3において慣性モーメントJが慣性モーメントJ0よりも大きい場合のみ速度制御ゲインの補正を行うものである。
例えば、空気調和機などの圧縮機内部にある電動機の電動機駆動装置として適用する場合には、出力範囲が狭く慣性モーメントJが比較的小さい圧縮機に基づいて速度制御ゲインを予め設定しておき、出力範囲が広く慣性モーメントJが大きな圧縮機を駆動させる場合には、式(6)により自動的に速度制御ゲインが補正される。
以上により、速度制御ゲインの補正の効果が大きい場合(予め設定された基準値よりも小さい場合)のみ速度制御ゲインを補正することで、マイコンなどの演算手段における演算量やメモリの低減が図れ、演算手段のコスト低減を実現できる。
さらに、速度制御ゲインの補正のありなしの切り替え時に値が連続となるように補正の切り替えを行なうことで、速度制御ゲインの補正ありなしの切り替えに伴う制御安定性と信頼性の向上が図れ、ハンチングや乱調などの電動機の不安定動作を防止できる。
また、本発明にかかる速度制御ゲイン補正手段16は、予め設定された所定時間ΔT毎に速度制御ゲインの補正を行うものであり、具体的には電動機の負荷要素の慣性モーメントによって決まる機械系の応答遅れ時間よりも小さくなるように所定時間を設定して速度制御ゲインの補正の効果を損なわないようにしている。
以上により、マイコンなどの演算手段における演算量やメモリの低減が図れ、演算手段のコスト低減を実現できる。
次に、回転速度変化率検出手段17では、電動機4の回転速度ω1(回転子磁極位置速度推定手段15により推定された推定速度の現在値)を式(7)のように時間微分して得られる回転加速度を回転速度変化率δとしている。
Figure 2006158036
また、マイコンなどの演算手段における演算量やメモリの低減を図るため、式(8)のように所定時間ΔT毎の回転速度ω1の前歴値ω1[n−1]と現在値ω1[n]との偏差を回転速度変化率δとしても良い。
Figure 2006158036
次に速度制御部11では、外部から与えられる目標速度ω*と推定速度ω1との速度誤差Δω(=ω*−ω1/np)がゼロとなるように、速度制御ゲイン補正値(KPW’,KIW’)を用いて式(9)で表されるPI制御により電流指令値I*を演算する。
Figure 2006158036
ただし、目標速度ω*は機械角速度、推定速度ω1は電気角速度であるため、ω1を機械角速度とするために電動機4の極対数np(極数の1/2)で除算している。
次に、電流制御部12は、速度制御部11により演算された電流指令値I*と電流指令位相βTとを用いて式(10)、式(11)の演算によりdq軸電流指令値(id*、iq*)を求める。
Figure 2006158036
Figure 2006158036
また、固定子巻線の相電流指令値(iu*、iv*、iw*)は、dq軸電流指令値(id*、iq*)と現在の位置θ1(回転子磁極位置速度推定手段15により推定された推定位置の現在値)を用いて式(12)〜式(14)の演算により2相−3相変換を行うことで求める。
ただし、推定位置θ1は電気角度である。
なお、2相−3相変換については公知のため、その説明は省略する。
Figure 2006158036
Figure 2006158036
Figure 2006158036
そこで、相電流指令値(iu*、iv*、iw*)と電流検出器7a、7bおよび電流検出部9から得られる相電流検出値(iu、iv、iw)との電流誤差がゼロとなるように、電流制御ゲイン(KPKn、KIKn、n=1、2、3(3相分))を用いて式(15)〜式(17)で表されるPI制御により電圧指令値(vu*、vv*、vw*)を演算する。
Figure 2006158036
Figure 2006158036
Figure 2006158036
なお、相電流検出値(iu、iv、iw)を3相−2相変換してdq軸電流検出値(id、iq)を求め、dq軸電流指令値(id*、iq*)とdq軸電流検出値(id、iq)との電流誤差がゼロとなるようにPI制御によりdq軸電圧指令値(vd*、vq*)を求めてから、dq軸電圧指令値(vd*、vq*)を2相−3相変換して相電圧指令値(vu*、vv*、vw*)を求めても良い。
なお、3相−2相変換についても2相−3相変換と同様に公知のため、その説明は省略する。
具体的には、dq軸電流指令値(id、iq)は式(18)、式(19)の演算により求められる。
Figure 2006158036
Figure 2006158036
また、dq軸電圧指令値(vd*、vq*)は式(20)、式(21)の演算により求められる。
Figure 2006158036
Figure 2006158036
そこで、dq軸電圧指令値(vd*、vq*)を2相−3相変換することで相電圧指令値(vu*、vv*、vw*)は式(22)〜式(24)の演算により求められる。
Figure 2006158036
Figure 2006158036
Figure 2006158036
ここで、インバータ5が上述のように求められた相電圧指令値(vu*、vv*、vw*)を出力するために、スイッチング素子5a〜5fを駆動するための信号が生成される。
次に、本実施形態における電動機の誘起電圧の推定方法について説明する。
各相の巻線に誘起される誘起電圧値(eu、ev、ew)は、相電流検出値(iu、iv、iw)と、相電圧指令値(vu*、vv*、vw*)を用いて式(25)〜式(27)の演算により求められる。
Figure 2006158036
Figure 2006158036
Figure 2006158036
ここで、Rは電動機4の巻線一相あたりの抵抗、Lはそのインダクタンスである。また、d(iu)/dt、d(iv)/dt、d(iw)/dtはそれぞれiu、iv、iwの時間微分である。
また、式(25)〜式(27)を展開すると次式を得る。
Figure 2006158036
Figure 2006158036
Figure 2006158036
ここで、Rは巻線一相あたりの抵抗、laは巻線一相あたりの漏れインダクタンス、Laは巻線一相あたりの有効インダクタンスの平均値、Lasは巻線一相あたりの有効インダクタンスの振幅である。また、d(iu)/dt、d(iv)/dt、d(iw)/dtは、1次オイラー近似で求める。なお、u相電流iuは、v相電流ivとw相電流iwとの和の符号を変えたものとする。
さらに、式(26)〜式(28)を簡略化すると、以下に示す式(29)〜式(31)を得る。ここでは、相電流検出値(iu、iv、iw)が正弦波であると仮定し、電流指令振幅I*と電流指令位相βTとから相電流検出値(iu、iv、iw)を作成して簡略化した。
Figure 2006158036
Figure 2006158036
Figure 2006158036
本実施形態において、誘起電圧推定部14では、式(29)〜式(31)により誘起電圧推定値(eu、ev、ew)を求める。
次に、回転子位置速度推定部15では、誘起電圧推定値(eu、ev、ew)を用いて電動機4における回転子の磁極位置および速度を推定する。回転子位置速度推定部15は、電動機駆動装置3が認識している推定位置θ1を誘起電圧の誤差を用いて補正することにより、推定位置θ1を真値に収束させて求める。また、そこから、推定速度ω1を生成する。
まず、各相の誘起電圧基準値(eum、evm、ewm)を次式により求める。
Figure 2006158036
Figure 2006158036
Figure 2006158036
ここで、誘起電圧振幅値emは、eu、ev、ewの振幅値と一致させることにより求める。
このようにして求めた誘起電圧基準値esm(s=u、v、w(sは相を表す))と、誘起電圧推定値esとの偏差εを求める。
Figure 2006158036
この偏差εが0になれば推定位置θ1が真値になるので、偏差εを0に収斂させるように、推定位置θ1を、偏差εを用いたPI演算などを行って求める。また、推定位置θ1の変動値を演算することにより、推定速度ω1を求める。
最後に、PWM信号生成部13では、電流制御部12から得られる駆動信号に基づいて、スイッチング素子5a〜5fを電気的に駆動するためのドライブ信号に変換される。ドライブ信号により各スイッチング素子5a〜5fが動作する。
このように、本実施形態による電動機駆動装置3は、誘起電圧推定値と誘起電圧基準値との偏差εを用いて推定位置θ1を生成し、正弦波状の相電流を流すとともに、予め設定された速度制御ゲインを速度制御ゲイン補正部16により電動機4の回転速度変化率δに応じて補正することで、負荷要素に依存せず常に最適な速度制御系を構築でき、安定した電動機の駆動を実現できる。
以上のように、本発明にかかる電動機駆動装置は、予め設定された速度制御ゲインを電動機の回転速度の変化率に応じて補正することで、負荷要素に依存せず常に最適な速度制御系を構築でき、安定した電動機の駆動を実現できるため、空気調和機における圧縮機駆動用電動機などのようにエンコーダなどの位置センサを使用することができない場合に限らず、サーボドライブなどのように位置センサを具備することができる場合においても本発明は適用できる。
本発明の実施の形態1における電動機駆動装置のシステム構成図 同実施の形態における速度制御部の一例のブロック図 同実施の形態における電動機の負荷要素と回転速度の変化率との関係図 同実施の形態における補正係数の動作説明図 本発明の実施の形態2における補正係数の動作説明図 従来の電動機駆動装置のシステム構成図
符号の説明
1 交流電源
2 整流回路
3 電動機駆動装置
4 電動機
5 インバータ
5a〜5f スイッチング素子
6a〜6f 還流ダイオード
7a、7b 電流検出器
8a、8b 分圧抵抗
9 電流検出部
10 直流電圧検出部
11 速度制御部
12 電流制御部
13 PWM信号生成部
14 誘起電圧推定部
15 回転子位置速度推定部
16 速度制御ゲイン補正部
17 回転速度変化率検出部

Claims (9)

  1. 高圧側に配置された上アームスイッチング素子と低圧側に配置された下アームスイッチング素子からなるスイッチング素子対を複数有し、各スイッチング素子の動作により直流電圧を所望の周波数、電圧の交流電圧に変換し、複数相の電動機にその駆動電圧として供給するインバータと、外部から与えられる前記電動機の目標速度と前記電動機の回転速度との速度誤差から前記電動機の電流指令値を作成する速度制御手段と、前記電動機の固定子巻線に流れる電流を検出する電流検出手段と、前記電流指令値と前記電流検出手段により検出された電流検出値との電流誤差から前記電動機の電圧指令値を作成する電流制御手段と、前記電圧指令値に基づいて、前記インバータの各スイッチング素子の動作を制御するPWM信号を生成するPWM信号生成手段と、前記電動機の回転速度の変化率を検出する回転速度変化率検出手段と、前記回転速度変化率検出手段の出力値に基づいて、前記速度制御手段における速度制御ゲインを補正する速度制御ゲイン補正手段とを備えることを特徴とする電動機駆動装置。
  2. 速度制御ゲイン補正手段は、前記回転速度変化率検出手段の出力値に比例して前記速度制御ゲインが小さくなるように補正することを特徴とする、請求項1に記載の電動機駆動装置。
  3. 速度制御ゲインの補正値は、少なくとも予め設定された上限値もしくは下限値を有することを特徴とする、請求項1〜2のいずれかに記載の電動機駆動装置。
  4. 回転速度変化率検出手段の出力値が、予め設定された基準値よりも小さい場合にのみ前記速度制御ゲインを補正し、前記基準値以上の場合には前記速度制御ゲインの補正をしないことを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の電動機駆動装置。
  5. 速度制御ゲインの補正のありなしの切り替え時に値が連続となるように補正の切り替えを行うことを特徴とする、請求項4に記載の電動機駆動装置。
  6. 速度制御ゲインの補正は、予め設定された所定時間毎に行うことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の電動機駆動装置。
  7. 所定時間は、前記電動機の負荷要素によって決まる機械系の応答遅れ時間よりも小さく設定することを特徴とする、請求項6に記載の電動機駆動装置。
  8. 回転速度変化率検出手段の出力値は、前記電動機の回転速度を時間微分して得られる回転加速度であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の電動機駆動装置。
  9. 回転速度変化率検出手段の出力値は、前記所定時間毎の回転速度の前歴値と現在値との偏差であることを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の電動機駆動装置。
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