JP2006156661A - 薄膜磁気抵抗素子及びその製造方法並びに薄膜磁気抵抗素子を用いた磁気センサ - Google Patents

薄膜磁気抵抗素子及びその製造方法並びに薄膜磁気抵抗素子を用いた磁気センサ Download PDF

Info

Publication number
JP2006156661A
JP2006156661A JP2004344430A JP2004344430A JP2006156661A JP 2006156661 A JP2006156661 A JP 2006156661A JP 2004344430 A JP2004344430 A JP 2004344430A JP 2004344430 A JP2004344430 A JP 2004344430A JP 2006156661 A JP2006156661 A JP 2006156661A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
soft magnetic
thin film
giant magnetoresistive
magnetic film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2004344430A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4953569B2 (ja
JP2006156661A5 (ja
Inventor
Hiroko Takahashi
裕子 高橋
Hirofumi Fukui
洋文 福井
Takashi Hatauchi
隆史 畑内
Takuo Ito
卓雄 伊藤
Nobukiyo Kobayashi
伸聖 小林
Kiwamu Shirakawa
究 白川
Susumu Murakami
進 村上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Alps Alpine Co Ltd
Research Institute for Electromagnetic Materials
Original Assignee
Alps Electric Co Ltd
Research Institute for Electromagnetic Materials
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Alps Electric Co Ltd, Research Institute for Electromagnetic Materials filed Critical Alps Electric Co Ltd
Priority to JP2004344430A priority Critical patent/JP4953569B2/ja
Priority to PCT/JP2005/021767 priority patent/WO2006057379A1/ja
Publication of JP2006156661A publication Critical patent/JP2006156661A/ja
Publication of JP2006156661A5 publication Critical patent/JP2006156661A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4953569B2 publication Critical patent/JP4953569B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01RMEASURING ELECTRIC VARIABLES; MEASURING MAGNETIC VARIABLES
    • G01R33/00Arrangements or instruments for measuring magnetic variables
    • G01R33/02Measuring direction or magnitude of magnetic fields or magnetic flux
    • G01R33/06Measuring direction or magnitude of magnetic fields or magnetic flux using galvano-magnetic devices
    • G01R33/09Magnetoresistive devices
    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B5/00Recording by magnetisation or demagnetisation of a record carrier; Reproducing by magnetic means; Record carriers therefor
    • G11B5/127Structure or manufacture of heads, e.g. inductive
    • G11B5/33Structure or manufacture of flux-sensitive heads, i.e. for reproduction only; Combination of such heads with means for recording or erasing only
    • G11B5/39Structure or manufacture of flux-sensitive heads, i.e. for reproduction only; Combination of such heads with means for recording or erasing only using magneto-resistive devices or effects
    • G11B5/3903Structure or manufacture of flux-sensitive heads, i.e. for reproduction only; Combination of such heads with means for recording or erasing only using magneto-resistive devices or effects using magnetic thin film layers or their effects, the films being part of integrated structures
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10NELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10N50/00Galvanomagnetic devices
    • H10N50/10Magnetoresistive devices

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Condensed Matter Physics & Semiconductors (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Hall/Mr Elements (AREA)
  • Measuring Magnetic Variables (AREA)
  • Magnetic Heads (AREA)
  • Thin Magnetic Films (AREA)

Abstract

【課題】高い磁界感度を有し、かつその直線性が良好な薄膜磁気抵抗素子を提供すること、かかる薄膜磁気抵抗素子を安価且つ容易に製造する方法を提供すること、前記薄膜磁気抵抗素子を用いた実用的な磁気センサを提供すること。
【解決手段】薄膜磁気抵抗素子1Aを、絶縁基板2と、絶縁基板2上に形成され、一端が所要のギャップgを介して対向に配置された帯状の第1軟磁性膜3及び第2軟磁性膜4と、第1軟磁性膜3の上面のギャップg寄りの部分及び第2軟磁性膜4の上面のギャップg寄りの部分にそれぞれ形成された非磁性絶縁膜5と、ギャップg内の絶縁基板2上、ギャップgを臨む第1及び第2の軟磁性膜3,4の端面、並びにこれに続く非磁性絶縁膜5の端面と上面の一部に形成された巨大磁気抵抗薄膜6とから構成する。
【選択図】図2

Description

本発明は、軟磁性膜のギャップ部に巨大磁気抵抗薄膜を備えてなる薄膜磁気抵抗素子及びその製造方法並びに薄膜磁気抵抗素子を用いた磁気センサに関する。
従来より、パーマロイ合金等を用いたものよりも格段に大きな磁気抵抗効果を有し且つ磁界感度が高い薄膜磁気抵抗素子として、図18に示すように、同一平面内に第1及び第2の軟磁性膜101,102が所要のギャップ103を介して対向に配置され、当該ギャップ103内及びこれに続く軟磁性膜101,102の上面の一部に例えばナノグラニュラー合金薄膜等の巨大磁気抵抗薄膜104を形成したものが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
この薄膜磁気抵抗素子は、ギャップ長Lgを軟磁性膜101,102の膜厚の20倍以下にすることにより、軟磁性膜101,102が磁化したときにギャップ103内に配置された巨大磁気抵抗薄膜104に軟磁性膜101,102の磁化に相当する磁界を作用させることができるので、巨大磁気抵抗薄膜104の磁気抵抗効果(MR比)を小さな外部磁界で飽和させることができ、磁界感度を著しく大きくすることができる。
かように、この薄膜磁気抵抗素子は、MR比のみならず磁界感度を非常に大きくすることができるので、高速・高密度記録の磁気記録を可能にする磁気ヘッド(MRヘッド)や、高分解能の信号検出を可能にするサーボモータ又はロータリエンコーダ等における磁気センサ(MRセンサ)に応用することができる。
特許第3466470号公報
ところで、上記のような効果を得るには、軟磁性膜101,102から流れる磁界を、巨大磁気抵抗薄膜104に有効に作用させる必要がある。即ち、この巨大磁気抵抗薄膜104の電気抵抗は、軟磁性膜101,102の電気抵抗と比較して十分に大きい(1×10μΩ・cm〜1×10μΩ・cm)ため、この素子の電流は、ギャップ103間の巨大磁気抵抗薄膜104を流れる。したがって、ギャップ103間の巨大磁気抵抗薄膜104に、有効に磁界を作用させる必要がある。
しかしながら、前記構成の薄膜磁気抵抗素子は、巨大磁気抵抗薄膜104が、ギャップ103内のみならず、軟磁性膜101,102の上面の一部にまで形成されているので、巨大磁気抵抗薄膜104を介して軟磁性膜101から軟磁性膜102に至る電路及び磁路が、図12に示すように、軟磁性膜101の端面からギャップ103内に形成された巨大磁気抵抗薄膜104を通って軟磁性膜102の端面に至る経路と、軟磁性膜101の上面からギャップ103外に形成された巨大磁気抵抗薄膜104を通って軟磁性膜102の上面に至る経路とに分散される。
このため、前記構成の薄膜磁気抵抗素子は、巨大磁気抵抗薄膜104を通る磁束の磁束密度が低下すると共にその経路長が不均一になり、単一の磁束経路を有する薄膜磁気抵抗素子に比べて磁界感度が低下する。また、薄膜磁気抵抗素子の磁界感度が、各経路における局部的な磁界感度の合成値になるので、単一の磁束経路を有する薄膜磁気抵抗素子に比べて磁界感度の直線性が劣化する。したがって、電流の大部分が流れるギャップ103に有効に磁界が掛からないため、特に弱い磁界の時のMR効果の度合いが低下する。
本発明は、かかる従来技術の問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、高い磁界感度を有し、かつその直線性が良好な薄膜磁気抵抗素子を提供すること、及びかかる薄膜磁気抵抗素子を安価且つ容易に製造する方法を提供すること、並びに前記薄膜磁気抵抗素子を用いた実用的な磁気センサを提供することにある。
本発明は、前記の課題を解決するため、巨大磁気抵抗薄膜と、当該巨大磁気抵抗薄膜を介して一端が電気的及び磁気的に接続された第1及び第2の軟磁性膜と、前記第1軟磁性膜及び前記第2軟磁性膜のうちの少なくとも一方と前記巨大磁気抵抗薄膜との間に介在する非磁性絶縁膜とを有し、前記非磁性絶縁膜は、前記巨大磁気抵抗薄膜と対面する前記軟磁性膜との接触面積を狭める位置にあって、前記巨大磁気抵抗薄膜を介して前記第1軟磁性膜から前記第2軟磁性膜に至る電路及び磁路を一方向に規制しており、前記第1及び第2の軟磁性膜に信号検出用の端子部を有するという構成にした。
このように、第1及び第2の軟磁性膜と巨大磁気抵抗薄膜との間の所要の部分に非磁性絶縁膜を介在させ、巨大磁気抵抗薄膜を介して第1軟磁性膜から第2軟磁性膜に至る電路及び磁路を一方向に規制すると、磁束の分散及び磁束経路長の不均一を抑制することができるので、磁界感度の向上及びその直線性の向上を図ることができる。また、磁束の経路と電流の経路が一致するため、弱い磁界においてもMR効果を有効に発現させることができる。
また、本発明は、前記構成の薄膜磁気抵抗素子において、前記第1及び第2の軟磁性膜の端面を所要のギャップを介して対向に配置し、かつ前記第1及び第2の軟磁性膜の上面にそれぞれ非磁性絶縁膜を形成すると共に、前記ギャップ内及びその周辺部分に前記巨大磁気抵抗薄膜を形成し、前記非磁性絶縁膜により前記巨大磁気抵抗薄膜を介して前記第1軟磁性膜から前記第2軟磁性膜に至る電路及び磁路を前記第1軟磁性膜と前記第2軟磁性膜の配列方向にのみ規制するという構成にした。
かかる構成によると、第1及び第2の軟磁性膜の上面にそれぞれ非磁性絶縁膜を形成することにより、第1軟磁性膜の上面から巨大磁気抵抗薄膜を介して第2軟磁性膜の上面に至る電路及び磁路を遮断することができるので、第1軟磁性膜から巨大磁気抵抗薄膜を介して第2軟磁性膜に至る電路及び磁路を第1軟磁性膜と第2軟磁性膜の配列方向にのみ規制することができる。
また、本発明は、前記構成の薄膜磁気抵抗素子において、前記巨大磁気抵抗薄膜上に前記非磁性絶縁膜が端面を揃えて積層され、前記第1軟磁性膜が一方の前記端面と前記非磁性絶縁膜の一部を覆って形成され、前記第2軟磁性膜が他方の前記端面と前記非磁性絶縁膜の一部を覆って形成され、前記非磁性絶縁膜により、前記巨大磁気抵抗薄膜を介して前記第1軟磁性膜から前記第2軟磁性膜に至る電路及び磁路を、前記巨大磁気抵抗薄膜の積層面方向にのみ規制するという構成にした。
かかる構成によっても、巨大磁気抵抗薄膜上に積層された非磁性絶縁膜により、第1軟磁性膜から巨大磁気抵抗薄膜を介して第2軟磁性膜に至る電路及び磁路を巨大磁気抵抗薄膜の端面方向にのみ規制することができる。
また、本発明は、前記構成の薄膜磁気抵抗素子において、前記第1軟磁性膜の上面に前記非磁性絶縁膜を形成し、当該非磁性絶縁膜の上面及び端面並びに前記第1軟磁性膜の端面に前記巨大磁気抵抗薄膜を形成すると共に、一端が前記非磁性絶縁膜の端面及び前記第1軟磁性膜の端面に形成された前記巨大磁気抵抗薄膜と接するように前記第2軟磁性膜を形成し、前記非磁性絶縁膜により前記巨大磁気抵抗薄膜を介して前記第1軟磁性膜から前記第2軟磁性膜に至る電路及び磁路を前記第1軟磁性膜と前記第2軟磁性膜の配列方向にのみ規制するという構成にした。
かかる構成によると、第1軟磁性膜の上面に非磁性絶縁膜を形成し、かつ巨大磁気抵抗薄膜を介して第1軟磁性膜の端面側に第2軟磁性膜を形成することにより、第1軟磁性膜の上面から巨大磁気抵抗薄膜を介して第2軟磁性膜に至る電路及び磁路を遮断することができるので、第1軟磁性膜から巨大磁気抵抗薄膜を介して第2軟磁性膜に至る電路及び磁路を第1軟磁性膜と第2軟磁性膜の配列方向にのみ規制することができる。
また、本発明は、前記構成の薄膜磁気抵抗素子において、前記第2軟磁性膜が、一端が前記巨大磁気抵抗薄膜に接するように形成された前記非磁性絶縁膜の上に積層されているという構成にした。
かかる構成によると、第2軟磁性膜を非磁性絶縁膜の上に積層することにより、第1軟磁性膜の端面と第2軟磁性膜の端面とを巨大磁気抵抗薄膜を介して対向に配置することができるので、第1軟磁性膜から巨大磁気抵抗薄膜を介して第2軟磁性膜に至る電路及び磁路を巨大磁気抵抗薄膜の膜厚方向にのみ規制することができる。
また、本発明は、前記構成の薄膜磁気抵抗素子において、前記第1軟磁性膜の上面の一部に前記巨大磁気抵抗薄膜を形成し、前記第1軟磁性膜の上面及び端面並びに前記巨大磁気抵抗薄膜の上面の外周部分及び端面に前記非磁性絶縁膜を形成すると共に、一端部の下面が前記非磁性絶縁膜より露出された前記巨大磁気抵抗薄膜と接するように前記第2軟磁性膜を形成し、前記非磁性絶縁膜により前記巨大磁気抵抗薄膜を介して前記第1軟磁性膜から前記第2軟磁性膜に至る電路及び磁路を前記巨大磁気抵抗薄膜の膜厚方向にのみ規制するという構成にした。
かかる構成によると、第1軟磁性膜の上面に巨大磁気抵抗薄膜を介して第2軟磁性膜の一端部を積層し、かつ第1軟磁性膜の端面と第2軟磁性膜の端面との間及び巨大磁気抵抗薄膜の端面と第2軟磁性膜の端面との間に非磁性絶縁膜を介在させることにより、第1軟磁性膜の端面から第2軟磁性膜の端面に至る電路及び磁路並びに第1軟磁性膜の上面から巨大磁気抵抗薄膜を介して第2軟磁性膜の端面に至る電路及び磁路を遮断することができるので、第1軟磁性膜から巨大磁気抵抗薄膜を介して第2軟磁性膜に至る電路及び磁路を巨大磁気抵抗薄膜の膜厚方向にのみ規制することができる。
また、本発明は、前記構成の薄膜磁気抵抗素子において、前記巨大磁気抵抗薄膜が、絶縁体マトリクス中に強磁性微粒子を分散してなるグラニュラー磁性膜をもって形成されているという構成にした。
グラニュラー磁性膜は、パーマロイ合金等の合金系の巨大磁気抵抗薄膜に比べて格段に大きなMR比を有するので、巨大磁気抵抗薄膜としてグラニュラー磁性膜を用いることによって、磁気ヘッド及び磁気センサの出力信号強度を高めることができる。また、グラニュラー磁性膜は、1層で大きなMR比が得られるので、多層構造の巨大磁気抵抗薄膜を用いる場合に比べて、薄膜磁気抵抗素子の製造を容易化することができる。
また、本発明は、前記構成の薄膜磁気抵抗素子において、前記第1軟磁性膜と前記第2軟磁性膜との間に形成される前記巨大磁気抵抗薄膜の膜厚が0.05μm以上1.0μm未満であるという構成にした。
本願発明者等の研究によると、基板上に形成された軟磁性膜にイオンビームエッチング等によってギャップを形成し、しかる後に、形成されたギャップ内に巨大磁気抵抗薄膜をスパッタリングする場合、ギャップ長が1μm以下になると、ギャップ内への巨大磁気抵抗薄膜の回り込みが不十分になって、均一な巨大磁気抵抗薄膜の成膜が困難になる。これに対して、薄膜磁気抵抗素子を、第1及び第2の軟磁性膜と巨大磁気抵抗薄膜と非磁性絶縁膜との積層体をもって構成する場合には、ギャップ長に製造上の制限がなく、第1軟磁性膜と第2軟磁性膜との間に形成される巨大磁気抵抗薄膜の膜厚を0.05μm以上1.0μm未満に形成することができる。したがって、薄膜磁気抵抗素子のギャップ長を実質的に小さくすることができ、薄膜磁気抵抗素子の磁界感度を高めることができる。
また、本発明は、前記の課題を解決するため、薄膜磁気抵抗素子の製造方法については、以下の各構成にした。
(1)絶縁基板上に第1軟磁性膜と第2軟磁性膜とを所要のギャップを介して対向に形成する工程と、前記第1軟磁性膜の上面及び前記第2軟磁性膜の上面にそれぞれ非磁性絶縁膜を形成する工程と、前記ギャップ内並びに前記非磁性絶縁膜の上面及び端面に巨大磁気抵抗薄膜を形成する工程とを含んで薄膜磁気抵抗素子を製造する。これにより、請求項2に係る薄膜磁気抵抗素子が得られる。
(2)絶縁基板上に第1軟磁性膜を形成する工程と、前記第1軟磁性膜の上面に非磁性絶縁膜を形成する工程と、前記第1軟磁性膜の一端面並びにこれに続く前記非磁性絶縁膜の一端面及び上面並びに前記第1軟磁性膜の一端面に続く前記絶縁基板上に巨大磁気抵抗薄膜を形成する工程と、前記絶縁基板上に一端が前記非磁性絶縁膜の端面及び前記第1軟磁性膜の端面並びに前記絶縁基板上に形成された前記巨大磁気抵抗薄膜と接する第2軟磁性膜を形成する工程とを含んで薄膜磁気抵抗素子を製造する。これにより、請求項3に係る薄膜磁気抵抗素子が得られる。
(3)絶縁基板上に第1軟磁性膜を形成する工程と、前記第1軟磁性膜の上面の一端寄りに巨大磁気抵抗薄膜を形成する工程と、前記第1軟磁性膜の上面並びにこれに続く前記巨大磁気抵抗薄膜の端面及び上面の一部並びに前記第1軟磁性膜の一端面に非磁性絶縁膜を形成する工程と、前記絶縁基板上に一端が前記非磁性絶縁膜より露出された前記巨大磁気抵抗薄膜と接する第2軟磁性膜を形成する工程とを含んで薄膜磁気抵抗素子を製造する。これにより、請求項4に係る薄膜磁気抵抗素子が得られる。
また、本発明は、前記の課題を解決するため、磁気センサについては、巨大磁気抵抗薄膜と、当該巨大磁気抵抗薄膜を介して一端が電気的及び磁気的に接続された第1及び第2の軟磁性膜と、少なくとも前記第1軟磁性膜の表面及び前記第2軟磁性膜の表面のいずれか一方に形成され、前記巨大磁気抵抗薄膜を介して前記第1軟磁性膜から前記第2軟磁性膜に至る電路及び磁路を一方向に規制する非磁性絶縁膜とを備え、前記第1及び第2の軟磁性膜に信号検出用の端子部を有する2個の薄膜磁気抵抗素子を対向する2辺に備え、他の対向する2辺に固定抵抗素子を備えたブリッジ回路からなるという構成にした。
このように、非磁性絶縁膜により巨大磁気抵抗薄膜を介して第1軟磁性膜から第2軟磁性膜に至る電路及び磁路が一方向に規制された薄膜磁気抵抗素子を備えると、磁束の分散及び磁束経路長の不均一を抑制することができるので、磁界感度が高く、かつその直線性に優れた磁気センサが得られる。また、2個の薄膜磁気抵抗素子を対向する2辺に備え、他の対向する2辺に固定抵抗素子を備えたブリッジ回路をもって磁気センサを構成すると、零位法によって薄膜磁気抵抗素子に作用する磁界の変動を検出することができ、電源電圧の変動それに検出器の入力インピーダンスや非直線性などの影響を除去できるので、高精度の磁界検出を行うことができる。
本発明の薄膜磁気抵抗素子は、第1及び第2の軟磁性膜と巨大磁気抵抗薄膜との間の所要の部分に非磁性絶縁膜を介在させ、巨大磁気抵抗薄膜を介して第1軟磁性膜から第2軟磁性膜に至る電路及び磁路を一方向に規制するので、磁束の分散及び磁束経路長の不均一を抑制することができ、磁界感度及びその直線性を高めることができる。また、磁束の経路と電流の経路が一致するため、弱い磁界においてもMR効果を有効に発現させることができる。
本発明の薄膜磁気抵抗素子の製造方法は、第1軟磁性膜と巨大磁気抵抗薄膜との間、第2軟磁性膜と巨大磁気抵抗薄膜との間、及び第1軟磁性膜と第2軟磁性膜との間の所要の部分に非磁性絶縁膜を形成する工程を含むので、巨大磁気抵抗薄膜を介して第1軟磁性膜から第2軟磁性膜に至る電路及び磁路が一方向に規制された薄膜磁気抵抗素子を製造することができる。
本発明の磁気センサは、非磁性絶縁膜により巨大磁気抵抗薄膜を介して第1軟磁性膜から第2軟磁性膜に至る電路及び磁路が一方向に規制された薄膜磁気抵抗素子を備えるので、磁束の分散及び磁束経路長の不均一を抑制することができ、磁界感度が高く、かつその直線性に優れた磁気センサが得られる。また、2個の薄膜磁気抵抗素子を対向する2辺に備え、他の対向する2辺に固定抵抗素子を備えたブリッジ回路をもって磁気センサを構成すると、零位法によって薄膜磁気抵抗素子に作用する磁界の変動を検出することができ、電源電圧の変動それに検出器の入力インピーダンスや非直線性などの影響を除去できるので、高精度の磁界検出を行うことができる。
本発明に係る薄膜磁気抵抗素子の第1実施形態例を図1及び図2に基づいて説明する。図1は第1実施形態例に係る薄膜磁気抵抗素子の平面図、図2は図1のA−A断面図である。
図1及び図2(a)に示すように、本例の薄膜磁気抵抗素子1Aは、絶縁基板2と、絶縁基板2上に形成され、一端が所要のギャップgを介して対向に配置された帯状の第1軟磁性膜3及び第2軟磁性膜4と、第1軟磁性膜3の上面のギャップg寄りの部分及び第2軟磁性膜4の上面のギャップg寄りの部分にそれぞれ形成された非磁性絶縁膜5と、ギャップg内の絶縁基板2上、ギャップgを臨む第1及び第2の軟磁性膜3,4の端面、並びにこれに続く非磁性絶縁膜5の端面と上面の一部に形成された巨大磁気抵抗薄膜6とから構成されている。
絶縁基板2は、無機誘電体、プラスチックス又は非磁性セラミクスなどの高剛性非磁性絶縁体をもって所要の形状及びサイズに形成される。
第1軟磁性膜3は、図1に示すように、所要のギャップ幅Wgを有する細幅部3aと、当該ギャップ幅Wgよりも幅広の幅広部3bと、これらの両部3a,3bをつなぐテーパ部3cとからなる。また、第2軟磁性膜4は、図1に示すように、所要のギャップ幅Wgを有する細幅部4aと、当該ギャップ幅Wgよりも幅広の幅広部4bと、これらの両部4a,4bをつなぐテーパ部4cとからなる。これら第1及び第2の軟磁性膜3,4は、Co77FeSi合金やパーマロイ合金(Fe65Ni35)などの飽和磁束密度が高い軟磁性体を絶縁基板2上にスパッタリングすることによって形成され、これら第1及び第2の軟磁性膜3,4の間には、ギャップ長がLgのギャップgが設けられる。なお、前記細幅部3a,4aの端面は、絶縁基板2に対して垂直に形成することもできるが、当該端面に対する均一厚みの巨大磁気抵抗薄膜6の形成を容易にし、かつ当該端面に形成される巨大磁気抵抗薄膜6の特性変化を抑制するため、絶縁基板2に立てられた垂線Mに対して20度乃至45度の傾斜角θtで傾斜させることが望ましい。
非磁性絶縁膜5は、第1軟磁性膜3の上面と巨大磁気抵抗薄膜6との間及び第2軟磁性膜4と巨大磁気抵抗薄膜6との間を電気的に絶縁するものであって、SiOやAlなどの無機誘電体を第1軟磁性膜3上にスパッタリングすることにより形成される。
巨大磁気抵抗薄膜6としては、パーマロイ合金等の合金系の巨大磁気抵抗薄膜に比べて格段に大きなMR比を有し、かつ1層で大きなMR比が得られることから、絶縁体マトリクス中に強磁性微粒子を分散してなるグラニュラー磁性膜が形成される。グラニュラー磁性膜としては、32vol%のCoFe−MgFやCo38.614.047.4などを挙げることができる。なお、図2(a)の例では、巨大磁気抵抗薄膜6が、ギャップg内の絶縁基板2上、ギャップgを臨む第1及び第2の軟磁性膜3,4の端面、並びにこれに続く非磁性絶縁膜5の端面と上面の一部に形成されているが、少なくとも第1軟磁性膜3及び第2軟磁性膜4の端面に形成されていれば足りる。また、巨大磁気抵抗薄膜6を最初に形成し、ギャップgを開け、しかる後に非磁性絶縁膜5と第1及び第2の軟磁性膜3,4を形成しても良い。
本例の薄膜磁気抵抗素子1Aは、図1に示すように、第1軟磁性膜3の幅広部3b及び第2軟磁性膜4の幅広部4bの非磁性絶縁膜5を有しない端部が信号検出用の端子部となっており、巨大磁気抵抗薄膜6を介して第1軟磁性膜3から第2軟磁性膜4に至る方向、又はその逆方向の磁気信号を検出する。
本例の薄膜磁気抵抗素子1Aは、第1及び第2の軟磁性膜3,4の上面にそれぞれ非磁性絶縁膜5を形成したので、第1軟磁性膜3の上面から巨大磁気抵抗薄膜6を介して第2軟磁性膜4の上面に至る電路及び磁路を遮断することができ、図2(a)に矢印で示すように、第1軟磁性膜3から巨大磁気抵抗薄膜6を介して第2軟磁性膜4に至る電路及び磁路を第1軟磁性膜3と第2軟磁性膜4の配列方向にのみ規制することができる。よって、磁束の分散及び磁束経路長の不均一を抑制することができ、磁界感度の向上及びその直線性の向上を図ることができる。また、図2(b)の形態は、巨大磁気抵抗薄膜6上に非磁性絶縁膜5を形成したものである。この場合も、図中に矢印で示すように、電路及び磁路が規制され、同様の効果を得ることができる。
以下、第1実施形態例に係る薄膜磁気抵抗素子1Aの製造方法を図3に基づいて説明する。図3は薄膜磁気抵抗素子1Aの製造手順を示すフロー図である。
まず、絶縁基板2の片面に、第1軟磁性膜3及び第2軟磁性膜4の元になる軟磁性膜をめっきやスパッタリングなどによって均一な厚さに形成する(手順S1)。次いで、軟磁性膜上にフォトレジスト層を均一に形成し、露光工程及び現像工程を経て、第1軟磁性膜及び第2軟磁性膜形成用のマスクを形成する(手順S2)。次いで、軟磁性膜のフォトレジスト層にて覆われていない部分をエッチングやイオンミリングなどによって除去し、しかる後に、残存フォトレジスト層を除去する(手順S3)。これにより、絶縁基板2の片面に所要のギャップgを介して一端が対向に配置された第1軟磁性膜3及び第2軟磁性膜4が形成される。次いで、非磁性絶縁膜5をスパッタリングにより形成し(手順S4)、第1軟磁性膜3及び第2軟磁性膜4の上面を含む絶縁基板2の上面全体に再度フォトレジスト層を均一に形成し、露光工程及び現像工程を経て、非磁性絶縁膜形成用のマスクを形成する(手順S5)。次いで、フォトレジスト層で覆われていない部分の酸化膜をエッチングもしくはイオンミリングで除去し、しかる後に、残存フォトレジスト層を除去する(手順S6)。これにより、第1軟磁性膜3の上面及び第2軟磁性膜4の上面にそれぞれ非磁性絶縁膜5が積層される。次いで、巨大磁気抵抗薄膜6をスパッタリングにより成膜し(手順S7)、次いで当該巨大磁気抵抗薄膜6上にフォトレジスト層を均一に形成した後、露光工程及び現像工程を経て、巨大磁気抵抗薄膜6のマスクを形成する(手順S8)。次いで、フォトレジスト層で覆われていない部分の酸化膜をエッチングもしくはイオンミリングで除去し、しかる後に、残存フォトレジスト層を除去する(手順S9)。これにより、ギャップgに巨大磁気抵抗薄膜6を有する図1及び図2に示した第1実施形態例に係る薄膜磁気抵抗素子1Aが得られる。
本例の製造方法によると、第1軟磁性膜3の上面と巨大磁気抵抗薄膜6との間及び第2軟磁性膜4の上面と巨大磁気抵抗薄膜6との間に非磁性絶縁膜5を形成する工程を含むので、第1軟磁性膜3の上面と巨大磁気抵抗薄膜6との間の電路及び磁路並びに第2軟磁性膜4の上面と巨大磁気抵抗薄膜6との間の電路及び磁路が遮断され、巨大磁気抵抗薄膜6を介して第1軟磁性膜3から第2軟磁性膜4に至る電路及び磁路が第1軟磁性膜3と第2軟磁性膜4の配列方向にのみ規制された薄膜磁気抵抗素子1Aを製造することができる。
次に、本発明に係る薄膜磁気抵抗素子の第2実施形態例を図4乃至図8に基づいて説明する。図4は第2実施形態例に係る薄膜磁気抵抗素子の平面図、図5(a)は図4のB−B断面図、図6は比較例に係る薄膜磁気抵抗素子の断面図、図7は第2実施形態例に係る薄膜磁気抵抗素子と比較例に係る薄膜磁気抵抗素子の諸元を示す表図、図8は第2実施形態例に係る薄膜磁気抵抗素子の効果を比較例との比較で示すグラフ図である。
図4及び図5(a)に示すように、本例の薄膜磁気抵抗素子1Bは、絶縁基板2と、絶縁基板2上に形成された帯状の第1軟磁性膜3と、第1軟磁性膜3の一端寄りの上面に形成された非磁性絶縁膜5と、非磁性絶縁膜5の上面の一部から非磁性絶縁膜5の一端面及び第1軟磁性膜3の一端面を通って絶縁基板1の上面の一部にわたる部分に形成された巨大磁気抵抗薄膜6と、長さ方向の一端が第1軟磁性膜3の一端面に形成された巨大磁気抵抗薄膜6と接するように形成された帯状の第2軟磁性膜4とから構成されている。
巨大磁気抵抗薄膜6の膜厚tgは、第1実施形態例に係る薄膜磁気抵抗素子1Aのギャップ長Lgと等価であり、必要に応じて任意の大きさにすることができるが、特に、0.05μm以上1.0μm未満とすることにより、ギャップ長Lgが0.05μm以上1.0μm未満の薄膜磁気抵抗素子1Bを実現することができる。なお、図5の例では、巨大磁気抵抗薄膜6が、非磁性絶縁膜5の上面の一部から非磁性絶縁膜5及び第1軟磁性膜3の一端面を通って絶縁基板2の上面の一部にわたる部分に形成されているが、少なくとも第1軟磁性膜3の端面に形成されていれば足りる。
第2軟磁性膜4は、第1軟磁性膜3と同質の軟磁性体をスパッタリングすることによって形成される。
その他については、第1実施形態例に係る薄膜磁気抵抗素子1Aと同じであるので、対応する部分に同一の符号を付して説明を省略する。
本例の薄膜磁気抵抗素子1Bは、第1軟磁性膜3の上面に非磁性絶縁膜5を形成すると共に、巨大磁気抵抗薄膜6を介して第1軟磁性膜3の端面側に第2軟磁性膜4を形成したので、第1軟磁性膜3の上面から巨大磁気抵抗薄膜6を介して第2軟磁性膜4に至る電路及び磁路を遮断することができ、第1軟磁性膜3から巨大磁気抵抗薄膜6を介して第2軟磁性膜4に至る電路及び磁路を第1軟磁性膜3と第2軟磁性膜4の配列方向にのみ規制することができる。したがって、磁束の分散及び磁束経路長の不均一を抑制することができ、磁界感度の向上及びその直線性の向上を図ることができる。また、巨大磁気抵抗薄膜が軟磁性膜に比べて十分に薄い場合、例えば1/5以下である場合、図5(b)に示すように、第1軟磁性膜3と第2軟磁性膜4の端面の高さが一致していなくても、同様の効果が得られる。
また、本例の薄膜磁気抵抗素子1Bは、図5に示すように、第1軟磁性膜3に形成された幅広部3bの一端及び第2軟磁性膜4に形成された幅広部6bの一端に信号検出用の端子部を有しており、巨大磁気抵抗薄膜6を厚み方向に横断する方向の磁気信号を検出する。したがって、本例の薄膜磁気抵抗素子1Bは、巨大磁気抵抗薄膜6の膜厚tgをもって第1軟磁性膜3と第2軟磁性膜4との間のギャップ長Lgを規制することができるので、軟磁性膜に形成されたスリット状のギャップ部内に巨大磁気抵抗薄膜を成膜する場合のようにギャップ長に製造上の制限がなく、ギャップ長の減少による磁界感度の向上を図ることができる。
即ち、図6に示すように、基板201上に形成された軟磁性膜202の中央部にイオンビームエッチングなどの微細加工技術を応用してスリット状のギャップ部203を形成した後、当該ギャップ部203内に巨大磁気抵抗薄膜204がスパッタリングにより形成される薄膜磁気抵抗素子200(比較例に係る薄膜磁気抵抗素子)は、スパッタリング条件を最適化した場合にも、ギャップ部202内への均質な巨大磁気抵抗薄膜203の形成が困難になるため、ギャップ長を0.5μm以下にすることが困難である。これに対して、本例の薄膜磁気抵抗素子1Bは、巨大磁気抵抗薄膜6の膜厚tgをもって第1軟磁性膜3と第2軟磁性膜4との間のギャップ長Lgを規制することができるので、巨大磁気抵抗薄膜6の膜厚tgを制御することによって、0.5μm以下のギャップ長を有する薄膜磁気抵抗素子を製造することができる。
そこで、本願発明者等は、図7に示すように、巨大磁気抵抗薄膜203の膜厚tgが0.25μmでギャップ長Lgが0.5μmの比較例に係る薄膜磁気抵抗素子200と、巨大磁気抵抗薄膜5の膜厚tgが0.25μmでギャップ長Lgが0.1μmの第2実施形態例に係る薄膜磁気抵抗素子1Bとを作製し、それぞれの磁界感度を比較した。なお、図7から明らかなように、他の諸元については同一とした。
外部磁界Hexの大きさを種々変更しつつギャップ中心部における磁場の強度を測定したところ、図8に示すように、第2実施形態例に係る薄膜磁気抵抗素子1Bの外部磁界Hexの変化に対するギャップ中心部における磁場の強度の変化率は、比較例に係る薄膜磁気抵抗素子200の2倍近くになっており、第2実施形態例に係る薄膜磁気抵抗素子1Bの磁界感度が上昇していることが実証された。
また、本例の薄膜磁気抵抗素子1Bは、前述のように巨大磁気抵抗薄膜6の膜厚tgをもってギャップ長Lgが規制されるので、ギャップ部の形成手段として微細加工技術を適用する必要がなく、薄膜磁気抵抗素子の製造工程を簡略化できて、薄膜磁気抵抗素子の低コスト化を図ることができる。
以下、第2実施形態例中の図5(a)に係る薄膜磁気抵抗素子1Bの製造方法を図9に基づいて説明する。図9は薄膜磁気抵抗素子1Bの製造手順を示すフロー図である。
まず、絶縁基板2の片面に、第1軟磁性膜3の元になる軟磁性膜をめっきやスパッタリングなどによって均一な厚さに形成する(手順S11)。次いで、軟磁性膜上にフォトレジスト層を均一に形成し、露光工程及び現像工程を経て、第1軟磁性膜形成用のマスクを形成する(手順S12)。次いで、軟磁性膜のフォトレジスト層にて覆われていない部分をエッチングやイオンミリングなどによって除去し、しかる後に、残存フォトレジスト層を除去する(手順S13)。これにより、絶縁基板2の片面に所要の第1軟磁性膜3が形成される。次いで、非磁性絶縁膜5をスパッタリングにより形成し(手順S14)、第1軟磁性膜3の上面を含む絶縁基板2の上面全体に再度フォトレジスト層を均一に形成し、露光工程及び現像工程を経て、非磁性絶縁膜形成用のマスクを形成する(手順S15)。次いで、フォトレジスト層で覆われていない部分の酸化膜をエッチングもしくはイオンミリングで除去し、しかる後に、残存フォトレジスト層を除去する(手順S16)。これにより、第1軟磁性膜3の上面に非磁性絶縁膜5が積層される。次いで、巨大磁気抵抗薄膜6をスパッタリングにより成膜し(手順S17)、次いで当該巨大磁気抵抗薄膜6上にフォトレジスト層を均一に形成した後、露光工程及び現像工程を経て、巨大磁気抵抗薄膜6のマスクを形成する(手順S18)。次いで、フォトレジスト層で覆われていない部分をエッチングもしくはイオンミリングで除去し、しかる後に、残存フォトレジスト層を除去する(手順S19)。これにより、第1軟磁性膜3の端面及び非磁性絶縁膜5の端面に巨大磁気抵抗薄膜6が形成される。次いで、絶縁基板2上に非磁性絶縁膜7をスパッタリングにより形成し(手順S20)、フォトレジスト層で覆われていない部分の酸化膜をエッチングもしくはイオンミリングで除去し、しかる後に、残存フォトレジスト層を除去する(手順S21)。これにより、絶縁基板2上の巨大磁気抵抗薄膜6の端面と接する部分に非磁性絶縁膜7が積層される。次いで、非磁性絶縁膜7上に第2軟磁性膜3の元になる軟磁性膜をめっきやスパッタリングなどによって均一な厚さに形成し(手順S22)、当該軟磁性膜上にフォトレジスト層を均一に形成し、露光工程及び現像工程を経て、第2軟磁性膜形成用のマスクを形成する(手順S23)。次いで、軟磁性膜のフォトレジスト層にて覆われていない部分をエッチングやイオンミリングなどによって除去し、しかる後に、残存フォトレジスト層を除去する(手順S24)。これにより、図4及び図5に示した第2実施形態例に係る薄膜磁気抵抗素子1Bが得られる。
本例の製造方法によると、第1軟磁性膜3の上面と巨大磁気抵抗薄膜6との間に非磁性絶縁膜5を形成する工程を含むので、第1軟磁性膜3の上面から巨大磁気抵抗薄膜6を介して第2軟磁性膜4に至る電路及び磁路が遮断され、巨大磁気抵抗薄膜6を介して第1軟磁性膜3から第2軟磁性膜4に至る電路及び磁路が第1軟磁性膜3と第2軟磁性膜4の配列方向にのみ規制された薄膜磁気抵抗素子1Bを製造することができる。
次に、本発明に係る薄膜磁気抵抗素子の第3実施形態例を図10乃至図11に基づいて説明する。図10は第3実施形態例に係る薄膜磁気抵抗素子の平面図、図11は図10のC−C断面図である。
図10及び図11に示すように、本例の薄膜磁気抵抗素子1Cは、絶縁基板2と、絶縁基板2上に形成された帯状の第1軟磁性膜3と、第1軟磁性膜3の一端寄りの上面に形成された巨大磁気抵抗薄膜6と、第1軟磁性膜3の上面及び端面並びに巨大磁気抵抗薄膜6の上面の外周部分及び端面に形成された非磁性絶縁膜5と、一端部の下面が非磁性絶縁膜5より露出された巨大磁気抵抗薄膜6と接するように形成された帯状の第2軟磁性膜4とから構成されている。
各部の構成については、各膜3〜6の積層構造を除いて第2実施形態例に係る薄膜磁気抵抗素子1Bと同じであるので、対応する部分に同一の符号を付して説明を省略する。
本例の薄膜磁気抵抗素子1Cは、第1軟磁性膜3の上面に巨大磁気抵抗薄膜6を形成すると共に、第1軟磁性膜3の端面と第2軟磁性膜4の端面との間に非磁性絶縁膜5を介在させたので、第1軟磁性膜3の端面から第2軟磁性膜4の端面に至る電路及び磁路を遮断することができ、第1軟磁性膜3から巨大磁気抵抗薄膜6を介して第2軟磁性膜4に至る電路及び磁路を巨大磁気抵抗薄膜6の膜厚方向にのみ規制することができる。したがって、磁束の分散及び磁束経路長の不均一を抑制することができ、磁界感度の向上及びその直線性の向上を図ることができる。また、本例の薄膜磁気抵抗素子1Cは、第1軟磁性膜3の上面に巨大磁気抵抗薄膜6を形成するので、第1軟磁性膜3の端面に巨大磁気抵抗薄膜6を形成する場合に比べて巨大磁気抵抗薄膜6の膜厚の制御が容易になり、この点からも磁界感度の向上を図ることができる。さらに、本例の薄膜磁気抵抗素子1Cは、巨大磁気抵抗薄膜6の膜厚tgをもって第1軟磁性膜3と第2軟磁性膜4との間のギャップ長Lgを規制することができるので、軟磁性膜に形成されたスリット状のギャップ部内に巨大磁気抵抗薄膜を成膜する場合のようにギャップ長に製造上の制限がなく、ギャップ長の減少による磁界感度の向上を図ることができる。
以下、第3実施形態例に係る薄膜磁気抵抗素子1Cの製造方法を図12に基づいて説明する。図12は薄膜磁気抵抗素子1Cの製造手順を示すフロー図である。
まず、片面に第1軟磁性膜3の元になる軟磁性膜がめっきなどによって均一な厚さに形成された絶縁基板2を用意する(手順S21)。次いで、軟磁性膜上にフォトレジスト層を均一に形成し、露光工程及び現像工程を経て、第1軟磁性膜形成用のマスクを形成する(手順S22)。次いで、軟磁性膜のフォトレジスト層にて覆われていない部分をエッチングやイオンミリングなどによって除去し、しかる後に、残存フォトレジスト層を除去する(手順S23)。これにより、絶縁基板2の片面に所要の第1軟磁性膜3が形成される。次いで、巨大磁気抵抗薄膜6をスパッタリングにより成膜し(手順S24)、次いで当該巨大磁気抵抗薄膜6上にフォトレジスト層を均一に形成した後、露光工程及び現像工程を経て、巨大磁気抵抗薄膜6のマスクを形成する(手順S25)。次いで、フォトレジスト層で覆われていない部分をエッチングもしくはイオンミリングで除去し、しかる後に、残存フォトレジスト層を除去する(手順S26)。これにより、第1軟磁性膜3の上面に巨大磁気抵抗薄膜6が積層される。次いで、第1軟磁性膜3の上面及び巨大磁気抵抗薄膜6の上面を含む絶縁基板2の上面全体にフォトレジスト層を均一に形成し、露光工程及び現像工程を経て、巨大磁気抵抗薄膜6の上面の外周部分からこれに続く巨大磁気抵抗薄膜6の端面及び第1軟磁性膜3の上面の一部並びに第1軟磁性膜3の端面部分と対向する部分にのみ開口部が形成された非磁性絶縁膜形成用のマスクを形成する(手順S27)。次いで、フォトレジスト層の開口部に非磁性絶縁膜5をスパッタリングにより成膜し(手順S28)、しかる後に、残存フォトレジスト層を除去する(手順S29)。これにより、第1軟磁性膜3及び巨大磁気抵抗薄膜6並びに絶縁基板2の所要の部分に非磁性絶縁膜5が形成される。次いで、第2軟磁性膜4をスパッタリングにより成膜し(手順S30)、しかる後に、イオンミリングやエッチング等で軟磁性膜を除去し、残存フォトレジスト層を除去する(手順S31)。次いで、フォトレジスト層を均一に形成し、露光工程及び現像工程を経て、第2軟磁性膜用のマスクを形成する(手順S32)。これにより、図10及び図11に示した第3実施形態例に係る薄膜磁気抵抗素子1Cが得られる。
本例の製造方法によると、巨大磁気抵抗薄膜6の上面と第2軟磁性膜4の下面との間及び第1軟磁性膜3の端面と第2軟磁性膜4の端面の間に非磁性絶縁膜5を形成する工程を含むので、第1軟磁性膜3の上面から巨大磁気抵抗薄膜6を介して第2軟磁性膜4に至る電路及び磁路並びに第1軟磁性膜3の端面から直接第2軟磁性膜4に至る電路及び磁路が遮断され、巨大磁気抵抗薄膜6を介して第1軟磁性膜3から第2軟磁性膜4に至る電路及び磁路が巨大磁気抵抗薄膜6の膜厚方向にのみ規制された薄膜磁気抵抗素子1Cを製造することができる。
図13に本発明の第4実施形態例に係る薄膜磁気抵抗素子1Dを示す。図13は第4実施形態例に係る薄膜磁気抵抗素子1Dの要部断面図である。
図13に示すように、本例の薄膜磁気抵抗素子1Dは、第1及び第2の軟磁性膜3,4を所要のギャップgを隔てて絶縁基板2上に形成すると共に、第1及び第2の軟磁性膜3,4の上面にそれぞれ非磁性絶縁膜5を積層し、これら第1及び第2の軟磁性膜3,4の端面及び非磁性絶縁膜5の端面に巨大磁気抵抗薄膜6を介して第3の軟磁性膜11を形成したことを特徴とする。
かかる構成によっても、第1実施形態例に係る薄膜磁気抵抗素子1Aと同様の効果を発揮することができる。また、第3の軟磁性膜11に代えて硬磁性膜を形成すれば、バイアス効果を期待することもできる。
図14に本発明の第5実施形態例に係る薄膜磁気抵抗素子1Eを示す。図14は第5実施形態例に係る薄膜磁気抵抗素子1Eの要部平面図である。
図14に示すように、本例の薄膜磁気抵抗素子1Eは、第2軟磁性膜5を十文字状に形成し、当該第2軟磁性膜5を中心として互いに直交する方向に巨大磁気抵抗薄膜6(図示省略)と非磁性絶縁膜5と第1軟磁性膜3(図示省略)とを形成したことを特徴とする。なお、第1軟磁性膜3、非磁性絶縁膜5、巨大磁気抵抗薄膜6及び第2軟磁性膜4の積層構造については、第1乃至第3実施形態例に係る薄膜磁気抵抗素子1A,1B,1Cのいずれかと同じである。
本例の薄膜磁気抵抗素子1Eは、直交する2方向の磁場を同時に検出することができるので、一般的な磁気センサとして利用できるほか、コンパスなどの特殊用途の磁気センサとしても利用することができる。
以下、本発明に係る磁気センサの一実施形態例を図15乃至図17に基づいて説明する。図15は実施形態例に係る磁気センサの平面図、図16は実施形態例に係る磁気センサに適用される固定抵抗素子の要部断面図、図17は実施形態例に係る磁気センサの等価回路図である。
図15に示すように、本例の磁気センサ21は、2つの第1実施形態例に係る薄膜磁気抵抗素子1Aを対向する2辺に備え、他の対向する2辺に固定抵抗素子22を備えたブリッジ回路からなり、薄膜磁気抵抗素子1Aを構成する各軟磁性膜3,4の端部に端子23を形成したことを特徴とする。
固定抵抗素子22は、図16に示すように、絶縁基板24と、絶縁基板24上に形成された帯状の第1非磁性金属膜25と、第1非磁性金属膜25の一端寄りの上面に形成された非磁性絶縁膜26と、非磁性絶縁膜26の上面の一部から第1非磁性金属膜25及び非磁性絶縁膜26の一端面を通って基板24の上面の一部にわたる部分に形成された巨大磁気抵抗薄膜27と、長さ方向の一端が巨大磁気抵抗薄膜27を覆い且つ第1非磁性金属膜25と接触しないように形成された帯状の第2非磁性金属膜28とからなる。
本例の磁気センサ21は、薄膜磁気抵抗素子として第1実施形態例に係る薄膜磁気抵抗素子1Aを用いたので、磁界感度が高く、かつその直線性に優れる。また、本例の磁気センサ21は、対向する2辺に備えられた2個の薄膜磁気抵抗素子1Aと他の対向する2辺に備えられた固定抵抗素子22とをもってブリッジ回路を構成してなるので、電源電圧の変動それに検出器の入力インピーダンスや非直線性などに依存しない零位法による高精度の磁界検出を行うことができる。
即ち、図17に示すように、2つの薄膜磁気抵抗素子1Aの抵抗値をそれぞれR,Rとし、2つの固定抵抗素子22の抵抗値をそれぞれR,Rとした場合、入力電圧Vinに対する出力電圧Voutは、下式で表される。
Figure 2006156661


この式から明らかなように、ブリッジ回路の出力電圧Voutは、各素子の抵抗値R,R,R,Rと入力電圧Vinとによってのみ定まり、且つ平衡状態においては出力電圧Voutが零になるので、電源電圧の変動それに検出器の入力インピーダンスや非直線性などに依存しない高精度の磁界検出が可能になり、実用性の高い磁気センサとすることができる。
なお、前記実施例においては、薄膜磁気抵抗素子として第1実施形態例に係る薄膜磁気抵抗素子1Aを用いたが、これに代えて、第2実施形態例に係る薄膜磁気抵抗素子1B又は第3実施形態例に係る薄膜磁気抵抗素子1Cを用いることもできる。また、前記実施形態例においては、固定抵抗素子21として第1非磁性金属膜25、非磁性絶縁膜26、巨大磁気抵抗薄膜27及び第2非磁性金属膜28とを有するものを用いたが、他の構成の固定抵抗素子を用いることもできる。
第1実施形態例に係る薄膜磁気抵抗素子の平面図である。 図1のA−A断面図である。 第1実施形態例に係る薄膜磁気抵抗素子の製造方法を示すフロー図である。 第2実施形態例に係る薄膜磁気抵抗素子の平面図である。 第2実施形態例に係る薄膜磁気抵抗素子の断面図である。 比較例に係る薄膜磁気抵抗素子の断面図である。 第2実施形態例に係る薄膜磁気抵抗素子と比較例に係る薄膜磁気抵抗素子の諸元を示す表図である。 第2実施形態例に係る薄膜磁気抵抗素子の効果を比較例との比較で示すグラフ図である。 第2実施形態例に係る薄膜磁気抵抗素子の製造方法を示すフロー図である。 第3実施形態例に係る薄膜磁気抵抗素子の平面図である。 図10のC−C断面図である。 第3実施形態例に係る薄膜磁気抵抗素子の製造方法を示すフロー図である。 第4実施形態例に係る薄膜磁気抵抗素子の要部断面図である。 第5実施形態例に係る薄膜磁気抵抗素子の要部断面図である。 実施形態例に係る磁気センサの平面図である。 実施形態例に係る磁気センサに適用される固定抵抗素子の要部断面図である。 実施形態例に係る磁気センサの等価回路図である。 従来例に係る薄膜磁気抵抗素子の要部断面図である。
符号の説明
1A〜1E 薄膜磁気抵抗素子
2 絶縁基板
3 第1軟磁性膜
4 第1軟磁性膜
5 非磁性絶縁膜
6 巨大磁気抵抗薄膜
11 第3の軟磁性膜
21 磁気センサ
22 固定抵抗素子
23 端子

Claims (12)

  1. 巨大磁気抵抗薄膜と、当該巨大磁気抵抗薄膜を介して一端が電気的及び磁気的に接続された第1及び第2の軟磁性膜と、前記第1軟磁性膜及び前記第2軟磁性膜のうちの少なくとも一方と前記巨大磁気抵抗薄膜との間に介在する非磁性絶縁膜とを有し、前記非磁性絶縁膜は、前記巨大磁気抵抗薄膜と対面する前記軟磁性膜との接触面積を狭める位置にあって、前記巨大磁気抵抗薄膜を介して前記第1軟磁性膜から前記第2軟磁性膜に至る電路及び磁路を一方向に規制しており、前記第1及び第2の軟磁性膜に信号検出用の端子部を有することを特徴とする薄膜磁気抵抗素子。
  2. 前記第1及び第2の軟磁性膜の端面を所要のギャップを介して対向に配置し、かつ前記第1及び第2の軟磁性膜の上面にそれぞれ非磁性絶縁膜を形成すると共に、前記ギャップ内及びその周辺部分に前記巨大磁気抵抗薄膜を形成し、前記非磁性絶縁膜により前記巨大磁気抵抗薄膜を介して前記第1軟磁性膜から前記第2軟磁性膜に至る電路及び磁路を前記第1軟磁性膜と前記第2軟磁性膜の配列方向にのみ規制したことを特徴とする請求項1に記載の薄膜磁気抵抗素子。
  3. 前記巨大磁気抵抗薄膜上に前記非磁性絶縁膜が端面を揃えて積層され、前記第1軟磁性膜が一方の前記端面と前記非磁性絶縁膜の一部を覆って形成され、前記第2軟磁性膜が他方の前記端面と前記非磁性絶縁膜の一部を覆って形成され、前記非磁性絶縁膜により、前記巨大磁気抵抗薄膜を介して前記第1軟磁性膜から前記第2軟磁性膜に至る電路及び磁路を、前記巨大磁気抵抗薄膜の積層面方向にのみ規制したことを特徴とする請求項1に記載の薄膜磁気抵抗素子。
  4. 前記第1軟磁性膜の上面に前記非磁性絶縁膜を形成し、当該非磁性絶縁膜の上面及び端面並びに前記第1軟磁性膜の端面に前記巨大磁気抵抗薄膜を形成すると共に、一端が前記非磁性絶縁膜の端面及び前記第1軟磁性膜の端面に形成された前記巨大磁気抵抗薄膜と接するように前記第2軟磁性膜を形成し、前記非磁性絶縁膜により前記巨大磁気抵抗薄膜を介して前記第1軟磁性膜から前記第2軟磁性膜に至る電路及び磁路を前記第1軟磁性膜と前記第2軟磁性膜の配列方向にのみ規制したことを特徴とする請求項1に記載の薄膜磁気抵抗素子。
  5. 前記第2軟磁性膜が、一端が前記巨大磁気抵抗薄膜に接するように形成された前記非磁性絶縁膜の上に積層されていることを特徴とする請求項4に記載の薄膜磁気抵抗素子。
  6. 前記第1軟磁性膜の上面の一部に前記巨大磁気抵抗薄膜を形成し、前記第1軟磁性膜の上面及び端面並びに前記巨大磁気抵抗薄膜の上面の外周部分及び端面に前記非磁性絶縁膜を形成すると共に、一端部の下面が前記非磁性絶縁膜より露出された前記巨大磁気抵抗薄膜と接するように前記第2軟磁性膜を形成し、前記非磁性絶縁膜により前記巨大磁気抵抗薄膜を介して前記第1軟磁性膜から前記第2軟磁性膜に至る電路及び磁路を前記巨大磁気抵抗薄膜の膜厚方向にのみ規制したことを特徴とする請求項1に記載の薄膜磁気抵抗素子。
  7. 前記巨大磁気抵抗薄膜が、絶縁体マトリクス中に強磁性微粒子を分散してなるグラニュラー磁性膜をもって形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の薄膜磁気抵抗素子。
  8. 前記第1軟磁性膜と前記第2軟磁性膜との間に形成される前記巨大磁気抵抗薄膜の膜厚が0.05μm以上1.0μm未満であることを特徴とする薄膜磁気抵抗素子。
  9. 絶縁基板上に第1軟磁性膜と第2軟磁性膜とを所要のギャップを介して対向に形成する工程と、
    前記第1軟磁性膜の上面及び前記第2軟磁性膜の上面にそれぞれ非磁性絶縁膜を形成する工程と、
    前記ギャップ内並びに前記非磁性絶縁膜の上面及び端面に巨大磁気抵抗薄膜を形成する工程とを含むことを特徴とする薄膜磁気抵抗素子の製造方法。
  10. 絶縁基板上に第1軟磁性膜を形成する工程と、
    前記第1軟磁性膜の上面に非磁性絶縁膜を形成する工程と、
    前記第1軟磁性膜の一端面並びにこれに続く前記非磁性絶縁膜の一端面及び上面並びに前記第1軟磁性膜の一端面に続く前記絶縁基板上に巨大磁気抵抗薄膜を形成する工程と、
    前記絶縁基板上に、一端が前記非磁性絶縁膜の端面及び前記第1軟磁性膜の端面並びに前記絶縁基板上に形成された前記巨大磁気抵抗薄膜と接する第2軟磁性膜を形成する工程とを含むことを特徴とする薄膜磁気抵抗素子の製造方法。
  11. 絶縁基板上に第1軟磁性膜を形成する工程と、
    前記第1軟磁性膜の上面の一端寄りに巨大磁気抵抗薄膜を形成する工程と、
    前記第1軟磁性膜の上面並びにこれに続く前記巨大磁気抵抗薄膜の端面及び上面の一部並びに前記第1軟磁性膜の一端面に非磁性絶縁膜を形成する工程と、
    前記絶縁基板上に、一端が前記非磁性絶縁膜より露出された前記巨大磁気抵抗薄膜と接する第2軟磁性膜を形成する工程とを含むことを特徴とする薄膜磁気抵抗素子の製造方法。
  12. 巨大磁気抵抗薄膜と、当該巨大磁気抵抗薄膜を介して一端が電気的及び磁気的に接続された第1及び第2の軟磁性膜と、少なくとも前記第1軟磁性膜の表面及び前記第2軟磁性膜の表面のいずれか一方に形成され、前記巨大磁気抵抗薄膜を介して前記第1軟磁性膜から前記第2軟磁性膜に至る電路及び磁路を一方向に規制する非磁性絶縁膜とを備え、前記第1及び第2の軟磁性膜に信号検出用の端子部を有する2個の薄膜磁気抵抗素子を対向する2辺に備え、他の対向する2辺に固定抵抗素子を備えたブリッジ回路からなることを特徴とする薄膜磁気抵抗素子を用いた磁気センサ。
JP2004344430A 2004-11-29 2004-11-29 薄膜磁気抵抗素子並びに薄膜磁気抵抗素子を用いた磁気センサ Expired - Fee Related JP4953569B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004344430A JP4953569B2 (ja) 2004-11-29 2004-11-29 薄膜磁気抵抗素子並びに薄膜磁気抵抗素子を用いた磁気センサ
PCT/JP2005/021767 WO2006057379A1 (ja) 2004-11-29 2005-11-28 薄膜磁気抵抗素子及びその製造方法並びに薄膜磁気抵抗素子を用いた磁気センサ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004344430A JP4953569B2 (ja) 2004-11-29 2004-11-29 薄膜磁気抵抗素子並びに薄膜磁気抵抗素子を用いた磁気センサ

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2006156661A true JP2006156661A (ja) 2006-06-15
JP2006156661A5 JP2006156661A5 (ja) 2007-03-08
JP4953569B2 JP4953569B2 (ja) 2012-06-13

Family

ID=36498112

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004344430A Expired - Fee Related JP4953569B2 (ja) 2004-11-29 2004-11-29 薄膜磁気抵抗素子並びに薄膜磁気抵抗素子を用いた磁気センサ

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP4953569B2 (ja)
WO (1) WO2006057379A1 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008108387A1 (ja) * 2007-03-06 2008-09-12 Alps Electric Co., Ltd. 多感度軸を持つ磁気センサ装置
WO2009048018A1 (ja) * 2007-10-11 2009-04-16 Alps Electric Co., Ltd. 磁気検出装置
WO2010035873A1 (ja) * 2008-09-29 2010-04-01 オムロン株式会社 磁界検出素子および信号伝達素子
WO2011089978A1 (ja) * 2010-01-20 2011-07-28 アルプス電気株式会社 磁気センサ
JP2020118469A (ja) * 2019-01-18 2020-08-06 艾礼富▲電▼子(深▲セン▼)有限公司Aleph Electronics(Shenzhen)Co.,Ltd ホール素子又はホールicを用いた磁界検出装置及び磁界検出装置を用いた近接センサ

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6418268B2 (ja) * 2017-03-27 2018-11-07 Tdk株式会社 磁場検出装置
US11782104B2 (en) 2017-03-27 2023-10-10 Tdk Corporation Magnetic field detection device

Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10308313A (ja) * 1997-05-09 1998-11-17 Toshiba Corp 磁気素子とそれを用いた磁気ヘッドおよび磁気記憶装置
JPH11274599A (ja) * 1998-03-18 1999-10-08 Res Inst Electric Magnetic Alloys 薄膜磁気抵抗素子
JP2000156531A (ja) * 1998-09-14 2000-06-06 Toshiba Corp 磁気素子、磁気メモリ装置、磁気抵抗効果ヘッド、磁気ヘッドジンバルアッセンブリ、及び磁気記録システム
JP2001101626A (ja) * 1999-09-29 2001-04-13 Sony Corp 磁気抵抗効果素子及びその製造方法
JP2001155314A (ja) * 2000-09-29 2001-06-08 Hitachi Ltd 磁気抵抗効果型薄膜磁気ヘッド
JP2002245607A (ja) * 2000-12-14 2002-08-30 Hitachi Ltd 磁気抵抗効果型ヘッド
JP2002359412A (ja) * 2001-05-30 2002-12-13 Sony Corp 磁気抵抗効果素子、磁気抵抗効果型磁気センサ、磁気抵抗効果型磁気ヘッド、および磁気メモリ
JP2003179283A (ja) * 2001-12-12 2003-06-27 Tokai Rika Co Ltd 磁気センサ
JP2003198000A (ja) * 2001-12-21 2003-07-11 Tdk Corp 磁気抵抗効果素子、薄膜磁気ヘッド、磁気ヘッド装置及び磁気記録再生装置

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH03263385A (ja) * 1990-03-13 1991-11-22 Sankyo Seiki Mfg Co Ltd 磁気センサ
JP3640230B2 (ja) * 1997-09-04 2005-04-20 財団法人電気磁気材料研究所 薄膜磁界センサ
JP3937388B2 (ja) * 2001-08-10 2007-06-27 富士通株式会社 磁気センサ及び磁気ヘッド

Patent Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10308313A (ja) * 1997-05-09 1998-11-17 Toshiba Corp 磁気素子とそれを用いた磁気ヘッドおよび磁気記憶装置
JPH11274599A (ja) * 1998-03-18 1999-10-08 Res Inst Electric Magnetic Alloys 薄膜磁気抵抗素子
JP2000156531A (ja) * 1998-09-14 2000-06-06 Toshiba Corp 磁気素子、磁気メモリ装置、磁気抵抗効果ヘッド、磁気ヘッドジンバルアッセンブリ、及び磁気記録システム
JP2001101626A (ja) * 1999-09-29 2001-04-13 Sony Corp 磁気抵抗効果素子及びその製造方法
JP2001155314A (ja) * 2000-09-29 2001-06-08 Hitachi Ltd 磁気抵抗効果型薄膜磁気ヘッド
JP2002245607A (ja) * 2000-12-14 2002-08-30 Hitachi Ltd 磁気抵抗効果型ヘッド
JP2002359412A (ja) * 2001-05-30 2002-12-13 Sony Corp 磁気抵抗効果素子、磁気抵抗効果型磁気センサ、磁気抵抗効果型磁気ヘッド、および磁気メモリ
JP2003179283A (ja) * 2001-12-12 2003-06-27 Tokai Rika Co Ltd 磁気センサ
JP2003198000A (ja) * 2001-12-21 2003-07-11 Tdk Corp 磁気抵抗効果素子、薄膜磁気ヘッド、磁気ヘッド装置及び磁気記録再生装置

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008108387A1 (ja) * 2007-03-06 2008-09-12 Alps Electric Co., Ltd. 多感度軸を持つ磁気センサ装置
WO2009048018A1 (ja) * 2007-10-11 2009-04-16 Alps Electric Co., Ltd. 磁気検出装置
JP5066576B2 (ja) * 2007-10-11 2012-11-07 アルプス電気株式会社 磁気検出装置
WO2010035873A1 (ja) * 2008-09-29 2010-04-01 オムロン株式会社 磁界検出素子および信号伝達素子
US8963544B2 (en) 2008-09-29 2015-02-24 The Research Institute For Electric And Magnetic Materials Signal transmission device
WO2011089978A1 (ja) * 2010-01-20 2011-07-28 アルプス電気株式会社 磁気センサ
JP5297539B2 (ja) * 2010-01-20 2013-09-25 アルプス電気株式会社 磁気センサ
JP2020118469A (ja) * 2019-01-18 2020-08-06 艾礼富▲電▼子(深▲セン▼)有限公司Aleph Electronics(Shenzhen)Co.,Ltd ホール素子又はホールicを用いた磁界検出装置及び磁界検出装置を用いた近接センサ

Also Published As

Publication number Publication date
JP4953569B2 (ja) 2012-06-13
WO2006057379A1 (ja) 2006-06-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100687513B1 (ko) 박막자계센서
JP4224483B2 (ja) 電流センサ
US20030070497A1 (en) Rotation angle sensor capable of accurately detecting rotation angle
JP6984792B2 (ja) 磁気センサ、磁気センサアレイ、磁場分布測定装置、および位置特定装置
US20080211490A1 (en) Magnetic detector and method for making the same
JP3596600B2 (ja) 磁気センサ及び同磁気センサの製造方法
JP2008197089A (ja) 磁気センサ素子及びその製造方法
JPWO2008072610A1 (ja) 磁気センサ及びそれを用いた磁気エンコーダ
US6621666B2 (en) Magnetoresistive-effect element having electrode layers oppositely disposed on main surfaces of a magnetoresistive-effect thin film having hard magnetic bias layers with a particular resistivity
JP2010286236A (ja) 原点検出装置
JP2017072375A (ja) 磁気センサ
JP2015219227A (ja) 磁気センサ
WO2006057379A1 (ja) 薄膜磁気抵抗素子及びその製造方法並びに薄膜磁気抵抗素子を用いた磁気センサ
JP2007024598A (ja) 磁気センサ
JP2014149268A (ja) 磁気検出装置
US11002806B2 (en) Magnetic field detection device
JP2000180524A (ja) 磁界センサ
JP2000193407A (ja) 磁気式位置検出装置
JP2012063232A (ja) 磁界検出装置の製造方法および磁界検出装置
JP2002131407A (ja) 薄膜磁界センサ
WO2015125699A1 (ja) 磁気センサ
JP2004117367A (ja) 磁気センサ及び同磁気センサの製造方法
KR100196654B1 (ko) 자기신호 검출장치
US5822158A (en) Giant magnetoresistance effect device with magnetically sensitive portion of a size large than playback track width
JP4890401B2 (ja) 原点検出装置

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070115

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070115

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20101005

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20101206

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20101217

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20101217

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110705

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110905

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120306

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120313

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4953569

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150323

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees