JP2006156485A - 磁場中成形方法、ラジアル異方性セグメント磁石の製造方法及び磁場中成形装置 - Google Patents

磁場中成形方法、ラジアル異方性セグメント磁石の製造方法及び磁場中成形装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 広角度のラジアル配向セグメント磁石において、端部も十分なラジアル異方性を有することにより、低コキング性と低コストの両方を兼ね備えた磁石を提供する。
【解決手段】 内径面及び外径面により所定の厚さを有し、磁性粉Pからなる円弧状集合体を得る工程(a)と、内径面に接触して配置されたヨークを介して、厚さの方向であってかつ放射状に円弧状集合体に対して磁場を印加しつつ、円弧状集合体を加圧成形する工程(b)と、を備え、円弧状集合体の内径面における曲率半径をrj、ヨークの中心から円弧状集合体の内径面までの距離をRjとすると、Rj>rjとなる位置に円弧状集合体を配置した状態で工程(b)を実行する。
【選択図】図6

Description

本発明は、希土類焼結磁石、特にネオジム鉄ボロン系焼結磁石からなるラジアル異方性を付与したセグメント磁石の製造方法に関する。
モータを構成するロータまたはステータの表面に磁石を貼り付けるタイプのモータでは、リング磁石を複数個に分割したセグメント磁石が使用される(例えば、特開平6−151159号公報(特許文献1)、特開平7−161512号公報(特許文献2))。一方、ラジアル異方性や表面多極異方性のリング磁石も用いられている。セグメント磁石を複数個用いる方法と、リング磁石を用いる方法を比較すると、一長一短があり、モータに要求される特性やコストに応じて、現在は使い分けられている。
セグメント磁石を用いる場合には、モータの極数と同じ数のセグメント磁石が用いられるが、この方法では、ロータまたはステータ表面に磁石を接着する位置精度が重要となる。円周方向に回転させて磁束分布を測定した場合の磁束波形の角度ずれや、回転時の重量バランスを決める重要な要素になるからである。しかし磁石の寸法は公差内でばらつきを持っており、磁石の接着時にその位置精度を厳密に確保することは、接着する磁石数が多いために困難である。また、上記磁束分布の波形は、理想的にはサインカーブであることが、モータのコギングを緩和させる上で重要となる。その目的のために、磁石の外径の中心と内径の中心をずらし、中央の肉厚を厚くし、短部の厚みを薄くする、図10に示すような、いわゆる偏芯タイプのセグメント磁石が用いられることが多い。この円弧状断面を有する磁石は、瓦型磁石又はC型磁石とも呼ばれている。
コギングを無くす方法として、N極からS極への変化を滑らかにするため、磁石にひねりを加えて、いわゆるスキュータイプのセグメント磁石が用いられることがあるが、磁石の形状が複雑であり、高特性のものを得ようとすると製造上困難なため、あまり使用されていないのが現状である。さらに内外径が同心で、ラジアル配向させたセグメント磁石をロータまたはステータに接着したあとに、スキューパターンに着磁する方法も行なわれている。この場合、中心角が80°以上の広角度のセグメント磁石では、端部がラジアル異方性を得ることが困難なため、コギング緩和効果が低くなる。
しかしセグメント磁石は次の利点がある。セグメント形状に成形後、焼結する際に整列させて、焼結の容器に密に詰め込むことができるため焼結の効率が良い。さらに、焼結後の加工は、内径面および外径面を、総型砥石を用いて研削でき、加工の効率も良い。したがって、低コストで磁石が製造可能である。
一方、リング磁石は一体物であるため、複数のセグメント磁石を用いるのに比べると、モータへの組み付けが容易であり、位置精度も高くできる。特にラジアル異方性のリング磁石では、波形の角度ずれ精度は着磁ヨークで決まり、一般に着磁ヨークは、精度数十μmで製作可能であるため、得られる磁石の波形の角度ずれは、複数のセグメント磁石を用いるのと比べると、容易に精度のよいものが得られる。さらに、着磁ヨークをスキュータイプにすることにより、容易にスキューパターンの波形が得られ、コギングの少ないモータが得られる。
このようにラジアル異方性リング磁石は非常に使いやすいが、反面次のような欠点がある。磁界中成形時に磁気回路上の制約があり、磁石径が小さくなるに従い、あるいは磁石長が長くなるに従い、配向磁界強度が弱くなり、高特性の磁石が得られなくなる。この原理を図11に基づいて説明する。なお、図11は、ラジアル異方性リングを製造する過程の磁場中成形を模式的に示しており、金型の中棒B及び金型ダイによって形成されるキャビティCを示している。
ラジアル異方性リング磁石の内径寸法を決定する金型の中棒Bには、飽和磁化(Js)の高い軟磁性金属を用いるが、その飽和磁化(Js)には上限がある。ラジアル配向させる磁界(配向磁界μ0H)は、この中棒Bを通る磁束を利用しており、以下の式(1)で求めることができる。
μ0H=k×2×Sp×Js/Sc
=k×Js×φB×(φB/φA)/2/L…(1)
φA:ダイの内径、
φB:中棒Bの外径、
L:ダイの長さ、
Sp:中棒Bの断面積、
Sc:ダイの内径面の面積、
Js:中棒Bの飽和磁化
k:比例定数
中棒Bの外径φBが小さくなる、すなわちラジアル異方性リング磁石の内径が小さくなるほど、中棒Bを通過する総磁束が小さくなって配向磁界μ0Hが小さくなる。したがって、得られるラジアル異方性リング磁石の配高度が下がり、その結果残留磁束密度Brが低下する。同様にダイの長さLが長くなるにつれ配向磁界が小さくなるため、長さLの小さいダイにて磁石長を得るためには、多段成形等の手段を用いる必要があり、成形コストが高くなる。さらにリング形状のため、焼結用の容器に成形体を密に整列させたとしても、焼結容器内に空隙部分が多く存在してしまう。そのため、焼結効率が極めて悪くなり焼結コストがかさむ。焼結後の加工工程での内周研削は、セグメント磁石のように連続加工ができないため、加工コストもかさむ。さらに、特に長さが長いものでは、リングの内径面に電気めっきが着きにくく、セグメントのような低コストのバレルめっきができず、樹脂コートや無電界めっきが必要となり、表面処理コストも高くなる。したがって、得られる磁石はセグメント磁石に比べて、きわめてコスト高となり、用途が限定される。
特開平6−151159号公報 特開平7−161512号公報
図12は、従来のラジアル異方性セグメント磁石を得るための磁場中成形方法の例を示している。この従来方法では、成形体Gの端部にいくにつれて、図12からも明らかなように、完全なラジアル異方性を得ることが難しくなり、平行配向とラジアル異方性の中間的な配向となる。特に、成形体Gの中心角が80°を超えると、端部のラジアル異方性化は困難となる。このようなセグメント磁石をモータのロータに用いた場合、図8に示すように、磁石のつなぎ目に近い部分の磁束波形が低下する。ラジアル異方性リング磁石を80〜180°の角度で切断したような、端部もラジアル異方性を維持し、且つラジアル異方性リング磁石より高配向のセグメント磁石の製造は困難であった。
本発明の課題は、広角度のラジアル配向セグメント磁石において、端部も十分なラジアル異方性を有することにより、低コギング性と、低コストの両方を兼ね備えた磁石を提供することにある。この磁石は、ラジアル異方性を有し且つ中心角が80〜180°の円弧状断面を有するセグメント磁石である。中心角が120°の場合は3個、180°の場合は2個の少ない点数の磁石を組み合わせて、ラジアル異方性リング磁石と同様にスキュー着磁が可能となる。また、端部がラジアル異方性を有していれば、磁石のつなぎ目における磁束波形の乱れを最小限度に抑えることができる。このようなラジアル異方性を有する円弧状のセグメント磁石を得ることを本発明は目的とする。
ラジアル異方性リング磁石を製造する際の成形原理をセグメント磁石に適用すれば、セグメント磁石の端部においてもラジアル異方性を確保することができる。例えば、図1(b)に示すように、円弧状のキャビティCを複数個(図1(b)では4個)設ければよい。この場合、キャビティCにて作製される成形体の曲率半径rは、ヨーク(又は中棒)Yの半径R1とほぼ一致する。しかし、これでは前述したことから明らかなように、高い配向磁界を得ることができない。ここで、セグメント磁石を得る場合には、キャビティCを図1(b)に示すような位置に配置する必要がない。つまり、図1(a)に示すようにヨークYの中心からキャビティCの内径までの距離R2をキャビティCの曲率半径rよりも大きくすることができる。そうすることにより、ヨークYの横断面積を大きくすることができるので、ラジアル異方性リング磁石の磁場中成形に比べて配向磁界を大きくすることができ、ひいては残留磁束密度(Br)の大きなセグメント磁石を得ることができる。
本発明は以上の知見に基づくものであり、内径面及び外径面により所定の厚さを有し、磁性粉からなる円弧状集合体を得る工程(a)と、内径面に接触して配置されたヨークを介して、厚さの方向であってかつ放射状に円弧状集合体に対して磁場を印加しつつ、円弧状集合体を加圧成形する工程(b)と、を備え、円弧状集合体の内径面における曲率半径をr、ヨークの中心から円弧状集合体の内径面までの距離をRとすると、R>rとなる位置に円弧状集合体を配置した状態で工程(b)を実行することを特徴とする磁場中成形方法である。
本発明は、1つの円弧状集合体に対して適用することができるが、一度に複数の円弧状集合体を、R>rとなる位置に配置して実施することが好ましい。生産効率の観点のみならず、本発明を実施する磁場中成形装置を考えた場合、複数の円弧状集合体を対称の位置に配置する。これは、パンチ等の加圧手段に圧力の偏りを発生させないためである。複数の円弧状集合体は、ヨークの中心から略等距離に配置することができる。この場合、複数の円弧状集合体は、所定の間隔を隔てて円周上に配置させることができる。
本発明において、円弧状集合体の内径面における曲率半径r、ヨークの中心から円弧状集合体の内径面までの距離Rとの関係は、R>rであれば特に限定されないが、R=2×r〜6×rの範囲とすることが好ましい。Rを2r以上とすることにより十分な配向磁界強度を得ることができるが、Rが6Rを超えると磁場中成形装置が大きくなりすぎるためである。
本発明は中心角が80〜180°の範囲の円弧状集合体に適用することが好ましい。中心角が80°以上になると図12に示す従来の方法と比べて十分なラジアル配向を得ることができるからである。
本発明はラジアル異方性セグメント磁石の製造方法に適用することができる。すなわち本発明は、磁性粉からなる複数の円弧状成形対象物を略円周上に所定間隔隔てて配置された状態でラジアル方向の磁場を印加して成形体を得る工程と、成形体を焼結する工程と、を備え、円弧状成形対象物を複数組み合わせることにより描かれる仮想円領域の面積をs、所定間隔隔てて配置された円弧状成形対象物によって取り囲まれる領域の面積をSとすると、S>sであるラジアル異方性セグメント磁石の製造方法を提供する。
図1についてこの発明を示すと以下の通りである。円弧状成形対象物を複数組み合わせることにより描かれる仮想円領域は、図1(b)の4つのキャビティCによって囲まれた領域である。この仮想円領域を、図1(a)に一点鎖線で示している。一方、所定間隔隔てて配置された円弧状成形対象物によって取り囲まれる領域は、図1(a)のヨークYの横断面となる。図1(a)、(b)より、S(図1(b)の4つのキャビティCによって囲まれた領域の面積)>s(図1(a)のヨークYの横断面積)となることが明らかである。
本発明において、円弧状成形対象物は内径面及び外径面を有し、内径面から外径面に向けて磁場を印加することにより、端部におけるラジアル配向性が高く、かつ残留磁束密度(Br)の高いラジアル異方性セグメント磁石を製造することができる。
本発明を実施する場合、複数の円弧状成形対象物を略均等間隔に配置することが好ましい。各円弧状成形対象物に対する加圧力を均等にすることができるからである。また、本発明を実施する場合、S=4×s〜36×sとすることが好ましい。Sを4s以上とすることにより配向磁界強度を大きくすることができるが、Sが36sを超えると磁場中成形装置が大きくなりすぎるためである。
本発明は、以上説明した磁場中成形を実施する以下の装置を提供する。この磁場中成形装置は、内周壁及び外周壁を有する円弧状キャビティに充填された磁性粉を加圧する加圧成形部と、円弧状キャビティに対してその内周壁側から外周壁側に向けてラジアル方向磁場を印加する磁場印加部と、を備え、磁場印加部は、互いに反発する磁場を発生する一対の電磁コイルと、電磁コイルから発生した該磁場を、円弧状キャビティに向けて誘導するヨークと、を備え、円弧状キャビティの内周壁における曲率半径を半径とし、かつヨークの中心を中心とする仮想円の外側に円弧状キャビティを配置することを特徴とする。
図1についてこの発明を示すと以下の通りである。本発明の磁場中成形装置における仮想円は、図1(a)に一点鎖線で示されている。そして、図1(a)から明らかなように、円弧状キャビティCは、当該仮想円の外側に配置されている。この磁場中成形装置は、仮想円の面積よりもヨークYの断面積が大きくなる。
本発明における磁場中成形装置は1つの円弧状キャビティを備えた装置として実現することができるし、複数の円弧状キャビティを備えた装置とすることができる。この場合、加圧成形部は、複数の円弧状キャビティを備え、複数の円弧状キャビティは、ヨークを中心として放射状に配置することが好ましい。また、複数の円弧状キャビティは、略同心円上に配置することが好ましい。本発明の磁場中成形装置において、加圧成形部は、円弧状キャビティを2〜12個備えることが現実的である。
本発明の磁場中成形装置において、加圧成形部は、複数の円弧状キャビティの間に非磁性領域を形成することが好ましい。円弧状キャビティへのラジアル方向磁場の印加を確実ならしめるためである。同様に、加圧成形部が円弧状キャビティの外周壁の外側に非磁性領域を形成することによっても、円弧状キャビティへのラジアル方向磁場の印加を確実ならしめることができる。
以上説明したように、本発明によれば、広角度の端部までラジアル異方性を呈し、配向度がラジアル異方性リング磁石よりも高く、残留磁束密度(Br)の高い円弧状磁石を得ることができる。また、焼結する際に整列させて、焼結の容器に密に詰め込むことができるため焼結の効率が良い。焼結後の加工は、内径面および外径面を、総型砥石を用いて研削でき、加工の効率も良い。さらに低コストのバレル電気めっきが可能で、低コストで磁石が製造可能である。この磁石を複数組み合わせてリング状にする場合、モータの極数と磁石の数を同一にする必要がなく、2個〜3個の少数の組み合わせでよい。着磁はラジアル異方性リングと同様にスキュー着磁が可能であり、低コギングのモータが得られる。
以下、本発明を実施の形態に基づいて詳細に説明する。
<第1実施形態>
図2及び図3に基づいて本発明による磁場中成形方法(第1実施形態)について説明する。なお、図2は磁場中成形装置10の構成を示す横断面図、図3は第1実施形態を実施する磁場中成形装置10の構成を示す縦断面図であり、図2は図3のA−A矢視断面、図3は図2のB−B矢視断面図である。
磁場中成形装置10は、軟磁性体で構成された略6角柱状の中棒11と、中棒11の外周に配置された上パンチ12、下パンチ13、並びに上パンチ12及び下パンチ13の外周に配置されたダイ14とを備えている。また、上パンチ12及び下パンチ13は図示しない駆動装置によって昇降可能であり、中棒11、上パンチ12、下パンチ13及びダイ14は同軸上に配置されている。中棒11はダイス鋼や電磁軟鉄を用いることが好ましいが、磁性粉と接する面は、硬質クロムめっきやダイクロン処理等の表面処理を施すか、あるいは非磁性や弱磁性の数mmの超硬合金を貼り付け、あるいは焼き嵌めして用いることが好ましい。
中棒11の外周には軟磁性体で構成されたダイ14が配置されている。ダイ14は、中棒11の外形と略相似形の中空部を有し、この中空部に上パンチ12及び下パンチ13が配置されている。ダイ14も中棒11と同様に、ダイス鋼や電磁軟鉄を用いることが好ましく、磁性粉と接する面は、硬質クロムめっきやダイクロン処理等の表面処理を施すか、あるいは非磁性や弱磁性の数mmの超硬合金を貼り付け、あるいは焼き嵌めして用いることが好ましい。中棒11は、キャビティCに磁性粉Pを充填する際に邪魔にならないように、その上部を上方に退避させる必要がある。そこで、本実施の形態においては、中棒11を上中棒11a及び下中棒11bから構成している。
中棒11、上パンチ12、下パンチ13及びダイ14との間にキャビティCが形成され、このキャビティCには、所定量の磁性粉Pが充填される。キャビティCに充填された磁性粉Pは円弧状の磁性粉集合体を構成する。この磁性粉集合体は、内径面Is及び外径面Osを有し、内径面Is及び外径面Osにより所定の厚さを規定する。各磁性粉集合体の内径面Isは中棒11の外周に接触している。また、磁性粉集合体の内径面Isが接触する面がキャビティCの内周壁、磁性粉集合体の外径面Osが接触する面がキャビティCの外周壁となる。
本形態の磁性粉集合体の中心角は120°であるが、前述したように、80〜180°の中心角を有するラジアル異方性セグメント磁石に本発明を適用することが好ましい。キャビティCは中棒11の周囲に放射状に6個配置されている。各キャビティCは、中棒11の中心から等距離に配置されており、中棒11の中心を基準として対称に配置されている。このように対称な位置に複数のキャビティCを配置することにより、加圧時の加圧バランスを各キャビティCにおいて均等にすることができる。
隣接するキャビティCの間には、非磁性体片18が配設されている。配向磁界をこの非磁性体片18を迂回させることにより、キャビティCへの配向磁界強度を向上するのに有効である。ただし、この非磁性体片18は、本発明において必須の要素ではない。
磁場中成形装置10は、磁性粉Pを加圧する上パンチ12及び下パンチ13を備えている。上パンチ12及び下パンチ13は、図示しない駆動装置によりキャビティC内・外を昇降可能である。また、上パンチ12及び下パンチ13は、キャビティCに対応する数だけ配設されている。ただし、上パンチ12はその上端部で一体化されていてもよいし、下パンチ13はその下端部で一体化されていてもよい。キャビティCの内周壁(磁性粉集合体の内周面)における曲率半径riは、中棒11の中心からキャビティCの内周壁までの
距離Riよりも大きく、例えばRi=2×ri〜6×riとすることができる。
以上の関係より、磁性粉集合体を組み合わせることにより描かれる仮想円は、半径riの円である。図2の状態で6個のキャビティCに取り囲まれる領域、換言すると中棒11の断面の面積は、この仮想円の面積より大きくなる。また、図2から明らかなように、中棒11の中心を中心とする当該仮想円(一点鎖線で示す)の外側に6個のキャビティCが配置されることになる。
ダイ14の上部及び下部には、上コイル16及び下コイル17を備えている。磁場中成形装置10は、ダイ14、上コイル16及び下コイル17を取り囲むようにヨーク15を備えている。上コイル16、下コイル17から反発方向に発生される磁場(反発磁場)は、いずれも軟磁性体で構成される、中棒11、ダイ14及びヨーク15を磁気回路として、各キャビティC内の磁性粉集合体の厚さ方向にラジアル配向磁界を付与する。つまり、磁場中成形装置10において、中棒11及びダイ14も、ヨークを構成し、中棒11は上コイル16及び下コイル17から発生した磁場をキャビティCに向けて誘導する。キャビティC内に充填された磁性粉Pは配向された状態で、上パンチ12及び下パンチ13を用いて加圧成形する。ヨーク15は漏洩磁束を防ぐ働きをし、その結果低いコイル印加電流で高い磁界を得ることができる。但し、ヨーク15は必須構成ではない。また、中棒11と同様に、キャビティCに磁性粉Pを充填する際に邪魔にならないように、その上部を上方に退避させる必要がある。そこで、本実施の形態においては、ヨーク15を上ヨーク15a及び下ヨーク15bから構成している。
本実施の形態において、中棒11の中心からキャビティCの内周までの距離Riが大き
いほど、つまり中棒11の断面積が大きいほど、中棒11を通過する総磁束が増加する。したがって、本実施の形態による磁場中成形装置10は、キャビティCに印加することのできるラジアル方向の配向磁界を大きくすることができる。磁場中成形装置10における磁気回路は、ラジアル異方性リング磁石成形のそれと似ている。しかし、中棒11の中心からキャビティCの内周までの距離Ri、つまり中棒11の断面積に制約がないため、必
要十分な配向磁界が得られ、結果として得られるセグメント磁石の残留磁束密度(Br)を高くすることができる。
通常、直径がφ20mm〜φ60mmのラジアル異方性リング磁石の残留磁束密度(Br)は、同じ材質の磁性粉を1.5Tの配向磁界強度にて垂直磁界成形を行って得た磁石の約79〜93%である。直径が小さい場合には、ヨークを構成する中棒11が飽和し、十分な配向磁界が得られないからである。これに対して本実施の形態では、中棒11(ヨーク)の断面積を任意に設定することが可能なため、同じ材質の磁性粉を1.5Tの配向磁界強度にて垂直磁界成形を行って得た磁石の94%以上の残留磁束密度(Br)を有するラジアル異方性のセグメント磁石を得ることができる。
<第2実施形態>
次に、図4及び図5に基づいて本発明による第2実施形態について説明する。第2実施形態は、第1実施形態よりもラジアル異方性を向上させることのできる手法を適用した磁場中成形装置20を開示するものである。なお、図4及び図5の構成の中で、図2及び図3と同様の部分については同一の符号を付して、その説明を省略する。
図4及び図5において、ダイ14の内部に非磁性体片19を埋設されている。非磁性体片19は、各キャビティCに対応してその外周側に配置されており、この非磁性体片19の存在によりラジアル異方性を向上することができる。すなわち、図4に矢印で示すように、キャビティCを通過した磁束は、非磁性体片19を迂回して軟磁性体で構成されるダイ14を通過しようとするために、キャビティCに対してよりラジアルに近い配向磁界を付与することができる。
なお、ラジアル異方性の向上のために、ここでは非磁性体片19を用いたが、ラジアル異方性を向上するために磁束の方向を制御する他の手段、例えば非磁性体19を配設した領域を空隙とすることもできる。
第1実施形態、第2実施形態では、キャビティCを略同心円上に配置して中棒11の中心からキャビティCの内周壁までの距離を一定にしている。しかし本発明はこの形態に限定されず、中棒11の中心から各キャビティCの内周までの距離を変えることを許容する。
<第3実施形態>
次に、図6及び図7に基づいて本発明による第3実施形態について説明する。第3実施形態は、第1実施形態、第2実施形態とはキャビティCの個数が相違する磁場中成形装置30を開示するものであり、ここでは第1実施形態、第2実施形態と相違する部分について説明する。なお、図6及び図7の構成の中で、図2及び図3と同様の部分については同一の符号を付している。
図6及び図7に示すように、第3実施形態による磁場中成形装置30は、キャビティCを2個有しており、同時に2つの成形体を得ることができる。得られる成形体の中心角は180°である。2つのキャビティCは、互いに対向する位置に配置される。また、2つのキャビティCの間に配設される中棒11は、断面が長円形状を有しており、その円弧部分にキャビティCが配設されている。キャビティCの曲率半径をrj、中棒11の中心からキャビティCの内周までの距離をRjとすると、Rj>2×rjの関係を有する。したがって、第3実施形態においても、高い残留磁束密度(Br)を有するラジアル異方性セグメント磁石を実現することができる。
第1実施形態、第2実施形態ではキャビティCの数を6、第3実施形態ではキャビティCの数を2としたが、本発明ではキャビティCの数を限定するものではなく、1以上の任意の数とすることができる。ただし、キャビティCの数が1個だと、磁場中成形装置の加圧中心軸に対しパンチ形状が対称でないため、加圧時に偏りが起きて、中棒11、ダイ14等の金型構成部材のカジリや破損が生じたり、短寿命となるおそれがある。したがって、キャビティCは2個以上とし、かつキャビティCを対称の位置に配置することが望ましい。また、キャビティCの数が12個より多いと、各キャビティCへの磁性粉Pの充填量のばらつきにより、成形体のクラックが発生しやすくなる。以上の理由によりキャビティCの個数は、2〜12個とすることが望ましい。
<磁石の製造工程説明>
以上、本発明の特徴部分である磁場中成形について説明したが、以下では磁場中成形を含めたラジアル異方性セグメント磁石の製造方法について言及する。なお、以下では永久磁石としてR−T−B系焼結磁石を例にして説明するが、本発明はこれ以外のSmCo系の希土類焼結磁石、フェライト磁石や各種異方性ボンド磁石に適用できることは言うまでもない。
<原料合金>
原料合金は、真空又は不活性ガス、望ましくはAr雰囲気中でストリップキャスト法、その他公知の溶解法により作製することができる。ストリップキャスト法は、原料金属をArガス雰囲気などの非酸化性雰囲気中で溶解して得た溶湯を回転するロールの表面に噴出させる。ロールで急冷された溶湯は、薄板または薄片(鱗片)状に急冷凝固される。この急冷凝固された合金は、結晶粒径が1〜50μmの均質な組織を有している。原料合金は、ストリップキャスト法に限らず、高周波誘導溶解等の溶解法によって得ることができる。なお、溶解後の偏析を防止するため、例えば水冷銅板に傾注して凝固させることができる。また、還元拡散法によって得られた合金を原料合金として用いることもできる。
<粉砕工程>
原料合金は粉砕工程に供される。粉砕工程には、粗粉砕工程と微粉砕工程とがある。まず、原料合金を、粒径数百μm程度になるまで粗粉砕する。粗粉砕は、スタンプミル、ジョークラッシャー、ブラウンミル等を用い、不活性ガス雰囲気中にて行なうことが望ましい。粗粉砕に先立って、原料合金に水素を吸蔵させた後に放出させることにより粉砕を行なうことが効果的である。水素放出処理は、希土類焼結磁石として不純物となる水素を減少させることを目的として行われる。水素放出のための加熱保持の温度は、200℃以上、望ましくは350℃以上とする。保持時間は、保持温度との関係、原料合金の厚さ等によって変わるが、少なくとも30分以上、望ましくは1時間以上とする。水素放出処理は、真空中又はArガスフローにて行う。なお、水素吸蔵処理、水素放出処理は必須の処理ではない。この水素粉砕を粗粉砕と位置付けて、機械的な粗粉砕を省略することもできる。
粗粉砕工程後、微粉砕工程に移る。微粉砕には主にジェットミルが用いられ、粒径数百μm程度の粗粉砕粉末を、平均粒径2.5〜6μm、望ましくは3〜5μmとする。ジェットミルは、高圧の不活性ガスを狭いノズルより開放して高速のガス流を発生させ、この高速のガス流により粗粉砕粉末を加速し、粗粉砕粉末同士の衝突やターゲットあるいは容器壁との衝突を発生させて粉砕する方法である。微粉砕前の粗紛末に潤滑剤を添加混合しても良く、微粉砕後あるいはその両方で潤滑剤を添加混合しても良い。
以上のようにして得られた微粉砕粉は前述した第1〜第3実施形態、あるいは本発明に包含される方法によって磁場中成形される。
磁場中成形における成形圧力は0.3〜3ton/cm2(30〜300MPa)の範囲とすればよい。成形圧力が低いほど配向性は良好となるが、成形圧力が低すぎると成形体の強度が不足してハンドリングに問題が生じるので、この点を考慮して上記範囲から成形圧力を選択する。磁場中成形で得られる成形体の最終的な相対密度は、50〜65%が好ましい。
本ラジアル成形にて印加する磁場は、2〜15kOe(160〜1200kA/m)程度とすればよい。印加する磁場は静磁場に限定されず、パルス状の磁場とすることもできる。また、静磁場とパルス状磁場を併用することもできる。
次いで、成形体を真空又は不活性ガス雰囲気中で焼結する。焼結温度は、組成、粉砕方法、平均粒径と粒度分布の違い等、諸条件により調整する必要があるが、1000〜1200℃で1〜10時間程度焼結すればよい。
焼結後、得られた焼結体に時効処理を施すことができる。この工程は、保磁力を制御する重要な工程である。時効処理を2段に分けて行なう場合には、800℃近傍、600℃近傍での所定時間の保持が有効である。800℃近傍での熱処理を焼結後に行なうと、保磁力が増大するため特に有効である。また、600℃近傍の熱処理で保磁力が大きく増加するため、時効処理を1段で行なう場合には、600℃近傍の時効処理を施すとよい。
次に本発明はR−T−B(Rは希土類元素の1種又は2種以上、TはFe又はFe及びCo)系焼結磁石について適用することが望ましい。
R−T−B系焼結磁石は、希土類元素(R)を25〜37wt%含有する。ここで、RはYを含む概念を有しており、したがってY、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb及びLuの1種又は2種以上から選択される。Rの量が25wt%未満であると、R−T−B系焼結磁石の主相となるR214B相の生成が十分ではなく軟磁性を持つα−Feなどが析出し、保磁力が著しく低下する。一方、Rが37wt%を超えると主相であるR214B相の体積比率が低下し、残留磁束密度が低下する。またRが酸素と反応し、含有する酸素量が増え、これに伴い保磁力発生に有効なRリッチ相が減少し、保磁力の低下を招く。したがって、Rの量は25〜37wt%とする。望ましいRの量は28〜35wt%である。
また、本発明が適用されるR−T−B系焼結磁石は、ホウ素(B)を0.5〜4.5wt%含有する。Bが0.5wt%未満の場合には高い保磁力を得ることができない。一方で、Bが4.5wt%を超えると残留磁束密度が低下する傾向がある。したがって、Bの上限を4.5wt%とする。望ましいBの量は0.5〜1.5wt%、さらに望ましいBの量は0.8〜1.2wt%である。
本発明が適用されるR−T−B系焼結磁石は、Coを5.0wt%以下(0を含まず)、望ましくは0.1〜3.0wt%含有することができる。CoはFeと同様の相を形成するが、キュリー温度の向上、粒界相の耐食性向上に効果がある。
本発明が適用されるR−T−B系焼結磁石は、他の元素の含有を許容する。例えば、Al、Cu、Zr、Ti、Bi、Sn、Ga、Nb、Ta、Si、V、Ag、Ge等の元素を適宜含有させることができる。一方で、酸素、窒素、炭素等の不純物元素を極力低減することが望ましい。特に磁気特性を害する酸素は、その量を7000ppm以下、さらには5000ppm以下とすることが望ましい。酸素量が多いと非磁性成分である希土類酸化物相が増大して、磁気特性を低下させるからである。
<第1実施例>
29.5wt%Nd−3.0wt%Dy−1.0wt%B−0.5wt%Co−Feの組成を有する薄帯状原料合金を、ストリップキャスト法で作製した。この薄帯状の合金に室温にて水素を吸蔵させた後、Ar雰囲気中で脱水素を行なうことにより粗粉末を得た。
ジェットミルを用いてこの粗粉末を微粉砕した。微粉砕は、ジェットミル内をN2ガスで置換した後に高圧N2ガス気流を用いて行った。得られた微粉末の平均粒径は4.0μmであった。
以上の微粉末を、図4及び図5に示す磁場中成形装置(本発明)又は図12に示す磁場中成形装置(従来法)を用いて磁場中成形した後、以下に示す条件で焼結、時効処理を行うことにより、表1に示すサイズのラジアル異方性セグメント磁石を作製した。得られたラジアル異方性セグメント磁石の磁気特性を測定した。測定は、ラジアル異方性セグメント磁石の端部から測定用試料(3mm×2mm×1mm(3mm方向が接線方向))を角形状に切り出し、振動式試料磁束計を用いた。磁気量から残留磁束密度(Br)への換算は、試料の重量と密度を測定した値を用いた。その結果を表1にあわせて示す。なお、表1の試料No.1は従来法によるラジアル異方性セグメント磁石、試料No.2が本発明によるラジアル異方性セグメント磁石と呼ぶ。
焼成:真空中において、1080℃で4時間焼結した。
時効処理:850℃×1時間と540℃×1時間(ともにAr雰囲気中)の2段時効処理。
Figure 2006156485
表1に示すように、図12に示す従来の磁場中成形装置を用いて得られたラジアル異方性セグメント磁石(試料No.1)と本発明により得られたラジアル異方性セグメント磁石(試料No.2)を比較すると、後者の残留磁束密度が格段に高いことがわかる。
試料No.1及び試料No.2のラジアル異方性セグメント磁石を各々4個用意し、図8(試料No.1)及び図9(試料No.2)に示すように円筒状に配置して表面磁束波形を測定した、その結果を図8及び図9に示す。試料No.1を用いた場合、端部が擬似ラジアル配向の為、接合部に極のピークが着磁された場合、波形の乱れが大きい。これに対して試料No.2を用いた場合、端部もラジアル配向になっている為、接合部に極のピークが着磁された場合でも波形の乱れが小さい。
以上のように、本発明によると、高磁気特性でかつ特性の均一性が高いラジアル異方性セグメント磁石を製造することができる。
本発明による磁場中成形方法の原理を説明するための図である。 本発明の第1実施形態を実施する磁場中成形装置の構成を示す縦断面図である。 本発明の第1実施形態を実施する磁場中成形装置の構成を示す横断面図である。 本発明の第2実施形態を実施する磁場中成形装置の構成を示す縦断面図である。 本発明の第2実施形態を実施する磁場中成形装置の構成を示す横断面図である。 本発明の第3実施形態を実施する磁場中成形装置の構成を示す縦断面図である。 本発明の第3実施形態を実施する磁場中成形装置の構成を示す横断面図である。 従来のラジアル異方性セグメント磁石の表面磁束分布の測定結果を示すグラフである。 本発明によるラジアル異方性セグメント磁石の表面磁束分布の測定結果を示すグラフである。 ラジアル異方性セグメント磁石を示す図である。 ラジアル異方性セグメント磁石の磁場中成形を示す図である。 従来のラジアル異方性リング磁石における磁場中成形方法を示す図である。
符号の説明
10,20,30…磁場中成形装置、11…中棒、11a…上中棒、11b…下中棒、12…上パンチ、13…下パンチ、14…ダイ、15…ヨーク、15a…上ヨーク、15b…下ヨーク、16…上コイル、17…下コイル、18,19…非磁性体片、B…中棒、C…キャビティ、P…磁性粉、Is…内径面、Os…外径面

Claims (16)

  1. 内径面及び外径面により所定の厚さを有し、磁性粉からなる円弧状集合体を得る工程(a)と、
    前記内径面に接触して配置されたヨークを介して、前記厚さの方向であってかつ放射状に前記円弧状集合体に対して磁場を印加しつつ、前記円弧状集合体を加圧成形する工程(b)と、
    を備え、
    前記円弧状集合体の前記内径面における曲率半径をr、
    前記ヨークの中心から前記円弧状集合体の前記内径面までの距離をRとすると、
    R>rとなる位置に前記円弧状集合体を配置した状態で前記工程(b)を実行することを特徴とする磁場中成形方法。
  2. 複数の前記円弧状集合体を、R>rとなる位置に配置することを特徴とする請求項1に記載の磁場中成形方法。
  3. 複数の前記円弧状集合体は、前記ヨークの中心から略等距離に配置されることを特徴とする請求項2に記載の磁場中成形方法。
  4. 前記R、前記rが、R=2×r〜6×rの関係を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の磁場中成形方法。
  5. 前記円弧状集合体の中心角は80〜180°であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の磁場中成形方法。
  6. 磁性粉からなる複数の円弧状成形対象物を略円周上に所定間隔隔てて配置された状態でラジアル方向の磁場を印加して成形体を得る工程と、
    前記成形体を焼結する工程と、
    を備え、
    前記円弧状成形対象物を複数組み合わせることにより描かれる仮想円領域の面積をs、
    所定間隔隔てて配置された前記円弧状成形対象物によって取り囲まれる領域の面積をSとすると、
    S>sであることを特徴とするラジアル異方性セグメント磁石の製造方法。
  7. 前記円弧状成形対象物は内径面及び外径面を有し、前記内径面から前記外径面に向けて磁場が印加されることを特徴とする請求項6に記載のラジアル異方性セグメント磁石の製造方法。
  8. 複数の前記円弧状成形対象物を略均等間隔に配置することを特徴とする請求項7に記載のラジアル異方性セグメント磁石の製造方法。
  9. 前記S及び前記sが、S=4×s〜36×sの関係を有することを特徴とする請求項6〜8のいずれかに記載のラジアル異方性セグメント磁石の製造方法。
  10. 内周壁及び外周壁を有する円弧状キャビティに充填された磁性粉を加圧する加圧成形部と、
    前記円弧状キャビティに対してその内周壁側から外周壁側に向けてラジアル方向磁場を印加する磁場印加部と、を備え、
    前記磁場印加部は、
    互いに反発する磁場を発生する一対の電磁コイルと、
    前記電磁コイルから発生した該磁場を、前記円弧状キャビティに向けて誘導するヨークと、を備え、
    前記円弧状キャビティの前記内周壁における曲率半径を半径とし、かつ前記ヨークの中心を中心とする仮想円よりも外側に前記円弧状キャビティを配置することを特徴とする磁場中成形装置。
  11. 前記加圧成形部は、複数の前記円弧状キャビティを備え、
    複数の前記円弧状キャビティは、前記ヨークを中心として放射状に配置されることを特徴とする請求項10に記載の磁場中成形装置。
  12. 複数の前記円弧状キャビティは、略同心円上に配置されることを特徴とする請求項11に記載の磁場中成形装置。
  13. 前記加圧成形部は、前記円弧状キャビティを2〜12個備えることを特徴とする請求項11又は12に記載の磁場中成形装置。
  14. 前記加圧成形部は、複数の前記円弧状キャビティの間に非磁性領域を形成することを特徴とする請求項11〜13のいずれかに記載の磁場中成形装置。
  15. 前記加圧成形部は、前記円弧状キャビティの前記外周壁の外側に非磁性領域を形成することを特徴とする請求項10〜14のいずれかに記載の磁場中成形装置。
  16. 前記仮想円の面積よりも前記ヨークの断面積が大きいことを特徴とする請求項10〜15のいずれかに記載の磁場中成形装置。
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