JP2006156377A - 両極型パルス電源によって駆動される電界放出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】電界放出型バックライト装置を提供する。
【解決手段】本発明の電界放出型バックライト装置の駆動方式は、陰極を接地とした状態でゲートに(+),(−)のバイポーラ型パルス電源を印加する。パルス電源は、一定デューティー比を有し、ゲートに(+)電圧が印加されたときには、陰極電極上の炭素ナノチューブから構成されたエミッターからゲートへ電子が放出され、(−)電圧が印加されたときには、ゲート上部面の炭素ナノチューブから陰極電極へ電子が放出されるようにする。ゲート及び陰極電極から電子が両側で交代に放出される間陽極に高電圧を印加して放出された電子が加速されるようにし、加速された電子が陽極電極の上部面に塗布された蛍光体を打って発光させる。本発明は、陰極及びゲート両側で交代に電子が放出されるようにするので、全体基板面積のうちエミッターの有効面積を二倍に広めて発光領域を広くする効果を得ることができるだけではなく、炭素ナノチューブエミッターの寿命を長くしてやり、面発光装置の効率を向上させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、電界放出装置に関するものであり、より詳しくは、ゲートとエミッターとの間にバイポーラ型パルス電源を印加する3極管型電界放出装置に関するものである。
一般に、液晶表示素子は重さが軽く、消費電力も少ないという長所を有していて、コンピュータ又はテレビジョン分野のディスプレイ装置に広く普及されている。しかしながら、液晶表示素子はそれ自体が発光して画像を形成することができず後方で均一な光を受けてこそ画像を形成できる。こうした光を提供するバックライトとして、最近では電界放出型バックライトについての研究が活発に進行されている。
電界放出型バックライトは、大面積化、高輝度化及び低消費電力化などその特性は優秀であるが、マイクロチップの製造時半導体物質の蒸着及びエッチングなどのような複雑な工程を反復しなければならないため、コストが非常に高くてまだ実用化されていない。これを克服するために、電界放出ディスプレイの電子放出源としてマイクロチップを使用せず、炭素ナノチューブを用いる技術が開発されている。
炭素ナノチューブを用いた電界放出型バックライトは、その構造によって電子放出源として炭素ナノチューブが備えている陰極と蛍光体が設けられた陽極から構成された2極管型と、陰極と陽極との間にゲート電極(すなわち、グリッド)が設けられている3極管型方式がある。
2極管型は絶縁層やゲート電極のような3極構造の積層が備えられる必要がないため低コストに容易に製作できるが、単純な2極構造としては電子放出を制御しにくくて均一な発光特性を得ることができず、電界放出型バックライトとして長所である高効率化を成すことができない問題がある。
特許文献1には、グリッド方式の3極管型バックライトが開示されている。このバックライトは、陰極上部に一定した距離を置いてエミッター付近に穴が空いたゲートが設けられるグリッド(grid)型ゲートを有する方式である。大面積バックライト製作時グリッドの加工が容易ではなく、陰極との均一な距離を維持しにくくて実質的な3極管型バックライト自体を製作しにくい問題を有している。一方、特許文献2にはラテラルゲート(Lateral Gate)方式の3極管型電界放出型バックライトが開示されている。グリッド型ゲートに比べては製造しやすく、コストが低廉であるなどの長所があるが、ゲート電極が陰極電極の側面に設けられる関係なので全体の基板面積のうちエミッターの有効面積が狭くなって発光効率に不利な側面がある。
韓国公開特許第2003−62739号 韓国公開特許第2004−44101号
本発明の技術的課題は、同一な電力でも高輝度の効率を有する電界放出装置を提供するところにある。
本発明は、電界放出装置を開示する。本発明に従う電界放出装置の駆動方式は、陰極を接地とした状態でゲートに(+),(−)のバイポーラ(bipolar)型パルス電源を印加する。パルス電源は、一定デューティー比を有し、ゲートに(+)電圧が印加されたときには、陰極電極上の炭素ナノチューブから構成されたエミッターからゲートへ電子が放出され、(−)電圧が印加されたときには、ゲート上部面の炭素ナノチューブから陰極電極へ電子が放出されるようにする。ゲート及び陰極電極から電子が両側で交代に放出される間陽極に高電圧を印加して放出された電子が加速されるようにし、加速された電子が陽極電極の上部面に塗布された蛍光体を打って発光させる。
本発明は、陰極及びゲート両側で交代に電子が放出されるようにするので、全体基板面積のうちエミッターの有効面積を二倍に広めて発光領域を広くする効果を得ることができるだけではなく、炭素ナノチューブエミッターの寿命を長くしてやり、面発光装置の効率を向上させる。
前述した技術的課題を達成するための本発明は、支持部材と、支持部材上に備えられた陰極電極と、陰極電極の電界放出を制御するためのゲートと、支持部材に対向されるように透明導電層から構成され、蛍光体が塗布された陽極電極と、を含む電界放出装置に関するものである。ゲートと陰極電極との間には、バイポーラ型のパルス電源が印加されることを特徴とする。
また、陰極電極及びゲート上には、それぞれ第1及び第2のエミッターが配置され、第1及び第2のエミッターは、炭素ナノチューブを含んで構成されることを特徴とする。
また、ゲートは、それぞれが離隔されて配置された複数のストライプから構成され、エミッターは複数のストライプの間に少なくとも一つが配置されることを特徴とする。
パルス電源のデューティー比は、0.1%〜10%であることを特徴とし、好ましくは、パルス電源の周波数は、0.5kHz〜100kHzである。より好ましくは、パルス電源の周波数は、5kHz〜50kHzであることを特徴とする。
本発明では、電界放出型バックライトを例を挙げて説明するが、これに限定されず電界放出を用いる全ての装置に応用できることは自明である。すなわち、電界放出型ディスプレイ(Field Emission Display;FED)で一つの画素に本発明に従う電界放出装置が対応されるように配置し、FEDを実現できる。
本発明の電界放出装置によれば、消費電力対比電界放出効率に優れ、エミッターとして使用された炭素ナノチューブの寿命を大きく向上させ、有効発光面積を広げる効果があってより効率的な発光装置を作ることが可能である。
以下、添付した図面を参照して本発明の好適な実施形態を詳細に説明する。実施形態は、本発明の権利範囲を限定することではなく、単に例示として提示されたことである。
図1は、本発明に従うストライプ形状の陰極電極及びゲート電極を有する電界放出装置の断面図であり、図2は本発明に従う電界放出装置の平面図である。図1は、図2のA−A線に沿う断面図である。
図1に示されたように、本発明の一実施形態による電界放出型面発光装置は、下部基板11の表面にストライプ形状のゲート電極12が形成されており、ストライプ形状のゲート電極の間には交代に同一な形態の陰極電極13が配置されて構成される。ゲート電極12及び陰極電極13の上部面には、炭素ナノチューブから構成されたエミッター12a,13aが備えられる。下部基板11に対向して上部基板21が配置され、上部基板21の下部基板側へは、蛍光体層23及び陽極電極22が付着される。上部基板の上部面には、拡散フィルム(図示せず)を備えることができる。下部基板と上部基板は、スペーサSを挟んで一定した間隔で対面しており、その空間には、電子が放出できるように真空が形成される。
下部基板11及び上部基板21は、絶縁性基板として、ガラス、アルミナ、石英、シリコンウェーハなどが可能であるが、製作される装置の工程及び大面積化を考慮してガラス基板を使用することが好ましい。ゲート電極12及び陰極電極13は、絶縁性素材である下部基板11の上部面にストライプ形状から構成され、Ag,Cr,Al,Ni,Co,Pt,Au,Ti,W,Zn,ITOなどの金属より成った群から選択されたことであるか、或いはこれらの合金で形成される。ストライプの線幅は、50μm〜500μm、陰極電極とゲート電極の間隔は、10μm〜200μm、厚さは5μm〜30μmが可能である。好ましくは、それぞれ200μm,50μm,10mμである。
ゲート電極12及び陰極電極13の上部面には、炭素ナノチューブから構成されたエミッター層12a,13aが形成され、その線幅は、50μm〜500μm、厚さは5μm〜50μmが可能である。好ましくは、それぞれ100μm,10μmである。
陽極電極22は、ITO(Indium Tin Oxide)のような透明導電層で形成され、RGB蛍光体が一定比率に混合された白色蛍光体層23が10μm〜20μm程度の厚さに塗布される。蛍光体層23は、ブラウン管などで一般に使用される5kV〜10kVの高電圧に加速された電子を衝突させることによって発光する周知の酸化物蛍光体や硫化物蛍光体が使用される。
図3は、本発明に従う3極管型電界放出装置の駆動方法を示すためのバイポーラ型パルス電源の波形を示したことである。陰極電極が接地である状態でゲートに一定幅Wを有する(+)電圧と(−)電圧が一定周期Tに供給される。
このような駆動方法によれば、陰極及びゲート両側で交代に電子が放出されるようにするので、陰極とゲート全てをエミッターとして使用できる。従って、エミッターの有効面積を二倍に広めて発光領域を増加させることができる効果がある。一方、従来のように陰極電極上のエミッターから電子が放出し続けば、エミッターとして使用される炭素ナノチューブが損傷を受ける疲労現象を経験する。しかしながら、本発明のように陰極及びゲート全てをエミッターとして使用すれば、両方向に交代に電子が放出できるため、炭素ナノチューブエミッターの寿命を増加させうる。
一方、こうした駆動方法による電界放出装置は、ゲートに印加される電源の周波数及びデューティー比によってその効率に差異がある。パルス電源が点いている間には、無数に多い量の電子が放出されて蛍光体を励起させて発光し、その後には漸次的に発光強度が縮小される。電子によって励起されて発光する蛍光体の残光時間は電子によって最大に励起されて発光した後10%減少することにかかる時間を示し、一般に数μsから数msまでへ多様である。残光時間中には、さらに他の電子が蛍光体に当たっても発光には大きく役に立つことができない。
従って、同一なエミッターで一つの電子が放出されて蛍光体を励起させて発光させ、蛍光体の残光時間が経った後、さらに他の電子が放出されるようにパルス電源を制御してこそ最も効率が高い電界放出装置を得ることができる。しかしながら、このように電子一つ一つを制御できるパルス電源は実質的な製作が難しい問題がある。それでゲートの駆動方式としてはゲートに電源を供給しなくても蛍光体を発光できる残光効果を単位時間内に多く発生させることができなければならず、そのようにするためには、高周波数の電源を使用しなければならない。また、パルス電源が点いている時間、すなわちパルス幅は可能であれば短くして蛍光体の発光に役に立つことができない電子の放出を縮小してやらなければならない。
ゲートに印加されるパルス電源の周波数及びデューティー(duty)比による発光効率についての測定結果を説明する。パルス電源の周期Tが残光時間に対応される時間である10μs〜2000μsになることができるように、周波数(1/T)を0.2kHz〜500kHzになるようにする。パルス幅Wは、0.02μs〜200μs、デューティー比は0.1%〜10%になるようにした。
再び、図1及び図2を参照して、感光性シルバーペーストを用いて陰極電極及びゲート電極を200μmの幅を有するようにストライプ形状に70μmの間隔を有し、交代に配置されるように形成させ、それぞれの電極上に炭素ナノチューブエミッター層を電極の中央部にストライプ形状に幅が100μm、厚さ7μmになるようにしてペーストスクリーンプリンティングに塗布した。この際エミッターとゲート電極との距離は、約120μmになる。この際使用された炭素ナノチューブは、CVD法に合成されたmultiwall炭素ナノチューブであった。プリンティングされた炭素ナノチューブペーストは、80℃〜150℃で5分間〜30分間乾燥した後、300℃〜500℃で焼成して有機物を全て除去した。その後、ペーストのうちの無機物の透き間に埋められている炭素ナノチューブを現して電界放出効果を高めるために典型的な通常の方法であるビニールテープを用いた表面後処理を施行する。この際、電界放出が起こる有効面積は80mm×80mmであった。このように作られた下部基板上に上部基板がスペーサを媒介として5mm間隔をおいて付着される。上部基板には、ITO電極と高電圧用RGB混合白色蛍光体が塗布される。
表1は、以上のような方法によって製造された電界放出装置に印加されたバイポーラ型パルス電源の周波数及びデューティー比による電界放出効率を整理したものである。パルス電源の駆動電圧は、400Vであり、陽極電極に印加される電圧は8kVである。
Figure 2006156377
パルス電源の周波数は、5kHz〜100kHz、パルス幅は、0.1μs〜5μsである場合、効率が一番良好な結果を示す。パルス電源の周波数が0.5kHz以下では蛍光体での残光効果を十分に発揮できなかった。100kHz以上では、蛍光体の残光効果によって優秀な電界放出効率を示したが、陽極電極とゲートとの間の過度な充放電電力消耗によってむしろ全体的な効率が低下されることが示された。
また、パルス幅が0.1μs以下である場合は、優秀な電界放出効率を示すが、十分な輝度を発揮できず、パルス幅が200μs以上である場合は蛍光体での残光効果を十分に発揮できなかった。
このような本発明の電界放出装置によれば、エミッターとして使用された炭素ナノチューブの寿命を大きく向上させ、有効発光面積を広めてやる効果があってより効率的な面発光装置を作ることが可能である。
以上の実施形態では、ゲート及び陰極電極がストライプ形状に配列された面発光装置のための構造のみを説明したが、本発明の範囲はこれに限定されない。すなわち、行方向と列方向に配列されたデータラインDx,Dyにそれぞれ連結された複数の陰極とゲートが下部基板上に配置される。そして、下部基板に対向して蛍光体層と陽極電極が付着された上部基板が配置される構造のFEDが他の一つの例になることができる。こうしたFEDの構造は、当業者によく知られている技術であるため、詳細な内容は省略する。但し、ゲート及び陰極上には本発明の炭素ナノチューブが配置でき、陰極とゲートに連結されたデータラインにはそれぞれ本発明に従う両方向型パルス電源を印加させる。
これにより、エミッターとして使用された炭素ナノチューブの寿命を大きく向上させることができ、有効発光面積を広めてやる効果があってより発光効率に優れたFED素子を作ることが可能である。
本発明に従う電界放出装置の断面図である。 本発明に従う電界放出装置の平面図である。 本発明に従う3極管型電界放出装置の駆動方法を示した概念図である。
符号の説明
11:下部基板
12:ゲート電極
12a,13a:エミッター
13:陰極電極
21:上部基板
22:陽極電極
23:蛍光体層

Claims (8)

  1. 支持部材と、前記支持部材上に備えられた陰極電極と、前記陰極電極の電界放出を制御するためのゲートと、前記支持部材に対向されるように透明導電層から構成され、蛍光体が塗布された陽極電極と、を含む電界放出装置であって、
    前記ゲートと陰極電極との間には、バイポーラ型のパルス電源が印加されることを特徴とする電界放出装置。
  2. 前記陰極電極及びゲート上には、それぞれ第1及び第2のエミッターが配置され、
    前記第1及び第2のエミッターは、炭素ナノチューブを含んで構成されることを特徴とする請求項1に記載の電界放出装置。
  3. 前記ゲートは、それぞれが離隔されて配置された複数のストライプから構成され、前記エミッターは前記複数のストライプの間に少なくとも一つが配置されることを特徴とする請求項1に記載の電界放出装置。
  4. 前記パルス電源のデューティー比は、0.1%〜10%であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のうちいずれか一つの項に記載の電界放出装置。
  5. 前記パルス電源の周波数は、0.5kHz〜500kHzであることを特徴とする請求項4に記載の電界放出装置。
  6. 前記パルス電源の周波数は、5kHz〜100kHzであることを特徴とする請求項5に記載の電界放出装置。
  7. 前記パルスの幅は、0.02μs〜200μsであることを特徴とする請求項4に記載の電界放出装置。
  8. 前記パルスの幅は、0.1μs〜5μsであることを特徴とする請求項7に記載の電界放出装置。
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