近年、薄型カラーテレビや携帯型パーソナルコンピュータの普及に伴い、カラー液晶ディスプレイの需要が急増している。しかしながら、液晶ディスプレイは高価であるため、さらなる普及のためにはコストダウンが必要であり、特に部品価格構成比の大きいカラーフィルタのコストダウンは大きな課題となっている。
従来から、カラーフィルタの要求特性を満足しつつコストダウンを図るべく、種々の方法が試みられていたが、従来の方法の欠点を補うべく、近年インクジェット方式を利用したカラーフィルタの製造が検討されている。
例えば、特許文献1、特許文献2、あるいは特許文献3等に、その具体例が公開されている。インクジェット方式を利用した方法は、製造プロセスが簡単で低コストであるという利点がある。
インクジェット方式を利用したカラーフィルタの製造においては、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の各色毎に、ノズルを直線状に配列したインクジェットヘッドを備えた製造装置を用い、インクジェットヘッドを基板に対して相対的に走査させながら、ノズルよりインク液滴を基板に飛着させ、各色毎に複数の着色部を同時に着色する。従って、このような製造装置においては、インクジェットヘッドから吐出されるインクの目詰まりや飛滴方向ずれ、液量の変化、吐出速度の変化等、吐出状態に関することが最重要課題であった。
つまり、従来の紙用のプリンタでなされてきたように、経験的に定期的なインクジェットヘッドのメンテナンスを施しても、インク吐出に関し不具合が生じることが多く、実際に基板上にインク液滴を吐出してカラーフィルタを形成しても、その後の検査で上記の不具合が発生することが多かった。
このカラーフィルタの形成から検査までには、ある程度の時間を要するため、検査結果のカラーフィルタ形成工程へのフィードバックにはそれ以上の時間を要し、その間に不良品が製造され続ける課題があった。また、簡便な検査で異常を観察した際には、正確な検査では不良となるカラーフィルタを既にかなりの数量製造してしまっていることが多く、歩留まりを低下させやすい。また、インクジェットヘッドをオフライン状態で設置し、ノズルからのインク液滴の吐出速度等を測定しても、これをカラーフィルタ製造装置に取り付けた状態でのそれは分からず、多くのトラブルが発生していた。
このため、カラーフィルタ製造装置に搭載した状態で、インクジェットヘッドのインク吐出状況を事前に予測して、不良品を生じそうな場合には、予め不良品の発生を防ぐような処理ができるインクジェット装置が望まれていた。
特許文献4には、インクジェットヘッドから吐出されるインク液滴の飛滴状態を光学的検知装置で検出し、その状態が許容値の範囲外であれば、インクの吹き付けを中止してインクジェットヘッドをクリーニングするカラーフィルタの製造方法や、基板の表示領域に吹き付けする直前にインクのダミー吐出を行い、光学的にインク液滴の飛滴状態を検出し、許容値の範囲外であれば、インクジェットヘッドのクリーニングを行うカラーフィルタの製造方法が提案されている。
また、特許文献5には、インク吐出開始時にインクをインクジェットヘッド内に吸引し、その後インクジェットヘッドのノズル部分をカメラで監視し、ノズル部分に付着したインクに異常が見られた場合には、インクを再度インクジェットヘッド内に吸引した後、インクを吐出してカラーフィルタを製造する方法や、ノズル部分にインクの泡状の残存物を検知した場合には、インクを再度インクジェットヘッド内に吸引した後、インクを吐出してカラーフィルタを製造する方法や、ノズル部分にインクの汚れを検知した場合には、インクジェットヘッド内へのインクの吸引またはノズルの清掃を行い、その後インクを吐出してカラーフィルタを製造する方法が提案されている。
なお、インクジェット法以外のカラーフィルタの製造方法としては、例えば以下のような方法がある。
第1の方法は染色法である。染色法は、まず基板上に染色用の材料である水溶性の高分子材料層を形成し、これをフォトリソグラフィ工程により所望の形状にパターニングした後、得られたパターンを染色浴に浸漬して着色されたパターンを得る。この工程を3回繰り返すことにより、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の3色の着色部からなる着色層を形成する。
第2の方法は顔料分散法であり、近年最も盛んに採用されている。この方法は、まず基板上に顔料を分散した感光性樹脂層を形成し、これをパターニングすることにより単色のパターンを得る。この工程を3回繰り返すことにより、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の3色の着色部からなる着色層を形成する。
第3の方法は電着法である。この方法は、まず基板上に透明電極をパターニングし、顔料、樹脂、電解液等の入った電着塗装液に浸漬して第1の色を電着する。この工程を3回繰り返すことにより、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の3色の着色部からなる着色層を形成し、最後に焼成する。
第4の方法は、熱硬化性の樹脂に顔料を分散し、印刷を3回繰り返すことにより、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の3色を塗り分けた後、樹脂を熱硬化させることにより、着色層を形成するものである。いずれの方法においても、着色層の上に保護層を形成するのが一般的である。
これらの方法に共通する点は、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の3色を着色するために同一の工程を3回繰り返す必要があり、コスト高になることである。また、工程数が多い程、歩留まりが低下するという問題も有している。さらに電着法においては、形成可能なパターン形状が限定されるため、現状の技術ではTFT型の液晶ディスプレイの構成には適用困難である。また印刷法は解像度が悪いため、ファインピッチのパターン形成には不向きである。
特開昭59−75205号公報(昭和59(1984)年4月27日公開)
特開昭63−235901号公報(昭和63(1988)年9月30日公開)
特開平1−217320号公報(平成元(1989)年8月30日公開)
特開平10−206624号公報(平成10(1998)年8月7日公開)
特開平10−268127号公報(平成10(1998)年10月9日公開)
しかしながら、上記特許文献4に記載のカラーフィルタの製造方法および製造装置によれば、実際に基板上にインク吐出している最中に、すなわちIn−situでインク液滴の飛滴状態を検出することは困難であり、インクジェットヘッドが基板領域外に位置しているときに飛滴状態を検出せざるを得ず、カラーフィルタの製造タクトタイムが増加するという問題があった。
なお、補足すれば、上記特許文献4に記載の図1等によれば、装置の構造上はIn−situでインク液滴の飛滴状態を検出することが可能と思われるが、実際のインク吐出時には、インク飛滴の着弾精度を向上させるため、基板とインクジェットヘッド間のギャップ間距離は概ね0.5mm以下に設定されるため、In−situでインク液滴の飛滴状態を検出することは困難であった。
また、上記特許文献5に記載のカラーフィルタの製造方法および製造装置によれば、実際に基板上にインク吐出している最中に、すなわちIn−situでノズル部分の状態を検出することはできず、インクジェットヘッドが基板領域外に位置し、かつインクを吐出していないときに飛滴状態を検出せざるを得ず、カラーフィルタの製造タクトタイムが増加するという問題があった。
本発明は、上記の問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、In−situでインク液滴の飛滴状態が観察できるとともに、インクジェットヘッドをクリーニングあるいはキャッピングすることができ、製造タクトタイムを増加することなく、しかも信頼性の高いカラーフィルタを製造可能なカラーフィルタ製造装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明に係るカラーフィルタ製造装置は、基板にインクを吐出するインクジェットヘッドと、当該インクジェットヘッドから基板へ吐出されるインクを観察する観察手段とを備えており、上記観察手段は、上記基板に飛着したインク液滴を観察可能とするように、その観察方向とインクジェットヘッドのインクの吐出方向とが同じ方向に設定されていることを特徴としている。
ここで、上記観察手段は、特許文献4に記載された発明のように、インクジェットヘッドのインク吐出方向に対して直角方向に光軸を有するものではない。特許文献4に記載の発明は、図9に記載するように、上記直角方向の光軸を有するため、基板上に着弾したインク液滴ではなく、インクジェットヘッドから基板へ着弾するまでの間にインク液滴を観察することになる。
しかしながら、基板とインクジェットヘッドの間のギャップ間距離は概ね0.5mm以下に設定されるため、実際にはインクジェットヘッドから基板へ着弾するまでの間にインク液滴を観察するには間隔が狭すぎ、In−situでインク液滴の飛滴状態を検出することは困難である。
したがって、インクジェットヘッドが基板領域外に位置しているときでなければ、インクの飛滴状態を観察することはできない。
本発明に係るカラーフィルタ製造装置では、上述のように、観察手段は、基板に飛着したインク液滴を観察可能とするように、その観察方向とインクジェットヘッドのインクの吐出方向とを同じ方向に設定しているため、基板上に着弾したインク液滴を着弾後即時に観察することができる。また、観察手段は基板上に着弾したインク液滴を上から観察するため、例えば上記ギャップ間距離が0.5mm以下であっても、ギャップ間距離に関わらずインク液滴を観察することができる。
そのため、インクジェットヘッドが基板領域外に位置しているときに限らず、In−situでインク液滴の飛滴状態を観察することができる。したがって、カラーフィルタの製造タクトタイムを大幅に減少させることができるとともに、検査結果をカラーフィルタの製造工程にフィードバックする時間を短縮することができる。
また、カラーフィルタの検査を製造と並行して短時間で行うことができるため、不良品の発生が長時間継続することがなく、カラーフィルタの製造工程を減少させることもできる。したがって、不良品数を減少させることができるとともに、カラーフィルタの製造コストを低減することができる。
また、本発明に係るカラーフィルタ製造装置では、上記観察手段に含まれる光学系の光軸は、インクジェットヘッドのインクの吐出方向に対して平行となっていることが好ましい。
上記構成によれば、インクの吐出方向と、観察手段の観察方向とのずれをなくすことができる。したがって、より正確にインクの飛滴状態を観察することができる。
また、本発明に係るカラーフィルタ製造装置では、上記観察手段は、インクジェットヘッドと対を成すように設けられており、一つの観察手段により観察対象となるインクジェットヘッドが特定されていることが好ましい。
上記構成によれば、一つの観察手段によって、同じ行にアライメントされたインクジェットヘッドの描画領域の全てを観察することが可能になる。したがって、より効率的にインクの飛滴状態を観察することができ、カラーフィルタの製造タクトタイムをさらに減少させることができる。
また、本発明に係るカラーフィルタ製造装置では、さらに制御手段を備えており、該制御手段では、上記観察手段の観察結果に基づいて、インクジェットヘッドによるインクの吐出が正常に行われているか否かを判定することが好ましい。
上記構成によれば、上記観察手段のIn−Situでの観察結果に基づいて、インクジェットヘッドのクリーニングを行うか、キャッピングを行うかを決定することができる。したがって、迅速にインクジェットヘッドを最適な状態に調整することができ、効率良くカラーフィルタを描画することができる。
また、本発明に係るカラーフィルタ製造装置では、さらに、上記インクジェットヘッドをクリーニングするクリーニング手段を備えており、上記制御手段は、上記観察手段により上記インクジェットヘッドが正常にインクを吐出できないことが観察された場合には、上記クリーニング手段によりインクジェットヘッドをクリーニングすることが好ましい。
上記構成によれば、インクジェットヘッドが正常にインクを吐出できない場合、すなわち、インクジェットヘッド中に、インクの詰まりを生じたノズルが存在することが観察された場合でも、次のカラーフィルタの製造工程に入るまでに、ノズルの詰まりを解消し、インクの正常な吐出が可能な状態に回復することができる。したがって、カラーフィルタの製造タクトタイムをさらに減少させることができる。
また、本発明に係るカラーフィルタ製造装置では、さらに、上記インクジェットヘッドをキャッピングして保護するキャッピング手段を備えており、上記制御手段は、上記観察手段により上記インクジェットヘッドの全部が正常にインクを吐出できることが観察された場合には、上記キャッピング手段により上記インクジェットヘッドをキャッピングすることが好ましい。
上記構成によれば、正常にインクを吐出できる状態にあるインクジェットヘッドを、次のカラーフィルタを描画するまでの間保護し、正常な状態に保つことができる。したがって、カラーフィルタの製造を安定的に継続することができ、カラーフィルタの製造タクトタイムをさらに減少させることができる。
また、本発明に係るカラーフィルタ製造方法は、インクジェットヘッドが基板にインクを吐出してカラーフィルタを描画するカラーフィルタ描画ステップと、その観察方向がインクジェットヘッドのインクの吐出方向と同じ方向に設定されている観察手段が、上記基板に飛着したインク液滴を観察する観察ステップと、を備えることを特徴としている。
上記構成によれば、上記観察手段は、その観察方向とインクジェットヘッドのインクの吐出方向とを同じ方向に設定しているため、基板上に着弾したインク液滴を観察することができる。また、上記ギャップ間距離に関わらず、インク液滴の観察が可能である。そのため、インクジェットヘッドが基板領域外に位置しているときに限らず、In−situでインク液滴の飛滴状態を観察することができる。したがって、カラーフィルタの製造タクトタイムを大幅に減少させることができる。
また、本発明に係るカラーフィルタ製造方法では、上記観察手段に含まれる光学系の光軸は、インクジェットヘッドのインクの吐出方向に対して平行となっていることが好ましい。
上記構成によれば、インクの吐出方向と、観察手段の観察方向とのずれをなくすことができる。したがって、より正確にインクの飛滴状態を観察することができる。
また、本発明に係るカラーフィルタ製造方法では、上記観察手段は、インクジェットヘッドと対を成すように設けられており、一つの観察手段により観察対象となるインクジェットヘッドが特定されていることが好ましい。
上記構成によれば、一つの観察手段によって、同じ行にアライメントされたインクジェットヘッドの描画領域の全てを観察することが可能になる。したがって、より効率的にインクの飛滴状態を観察することができ、カラーフィルタの製造タクトタイムをさらに減少させることができる。
また、本発明に係るカラーフィルタ製造方法では、さらに、制御手段が、上記観察手段の観察結果に基づいて、インクジェットヘッドによるインクの吐出が正常に行われているか否かを判定する判定ステップを備えることが好ましい。
上記構成によれば、上記観察手段の観察結果に基づいて、インクジェットヘッドのクリーニングを行うか、キャッピングを行うかを決定することができる。したがって、迅速にインクジェットヘッドを最適な状態に調整することができ、効率良くカラーフィルタを描画することができる。
また、本発明に係るカラーフィルタ製造方法では、上記制御手段は、上記観察手段により上記インクジェットヘッドが正常にインクを吐出できないことが観察された場合には、クリーニング手段によって上記インクジェットヘッドをクリーニングするクリーニングステップを備えることが好ましい。
上記構成によれば、インクジェットヘッドが正常にインクを吐出できない場合、すなわち、インクジェットヘッド中に、インクの詰まりを生じたノズルが存在することが観察された場合でも、次のカラーフィルタの製造工程に入るまでに、ノズルの詰まりを解消し、インクの正常な吐出が可能な状態にすることができる。したがって、カラーフィルタの製造タクトタイムをさらに減少させることができる。
また、本発明に係るカラーフィルタ製造方法では、上記制御手段は、上記観察手段により上記インクジェットヘッドの全てが正常にインクを吐出できることを観察された場合には、キャッピング手段によって上記インクジェットヘッドをキャッピングするキャッピングステップを備えることが好ましい。
上記構成によれば、正常にインクを吐出できる状態にあるインクジェットヘッドを、次のカラーフィルタを描画するまでの間保護し、正常な状態に保つことができる。したがって、安定なカラーフィルタの製造を継続することができ、カラーフィルタの製造タクトタイムをさらに減少させることができる。
また、本発明に係るカラーフィルタ製造方法では、上記クリーニングステップまたはキャッピングステップは、インク飛着の終わったn枚目の基板(nは1以上の自然数)を上記カラーフィルタ製造装置から搬出するステップ、n+1枚目の基板を上記カラーフィルタ製造装置に搬入するステップ、上記n+1枚目の基板を上記カラーフィルタ製造装置上でアライメントするステップ、またはその全ステップのいずれかにおいて行われることを特徴としている。
上記構成によれば、基板がインクジェットヘッドの直下から完全に退避した状態でクリーニングまたはキャッピングを行うことができる。したがって、基板を汚すことなく、インクジェットヘッドのクリーニングまたはキャッピングを行うことができる。
以上のように、本発明に係るカラーフィルタ製造装置は、インクジェットヘッドと観察手段とを備える構成である。それゆえ、インクジェットヘッドが基板領域外に位置しているときに限らず、In−situでインク液滴の飛滴状態を観察することができる。したがって、カラーフィルタの製造タクトタイムを大幅に減少させることができるという効果を奏する。
本発明の一実施の形態について図1〜図9に基づいて説明すれば、以下のとおりである。
[カラーフィルタ製造装置]
図1および図3は、本発明に係るカラーフィルタ製造装置の好ましい一実施形態を示す平面模式図であり、図2は図1をA−A断面で切断した側面断面模式図、図4は、図3をB−B断面で切断した側面断面模式図である。
図1から図4に示すように、カラーフィルタ製造装置100は、本体定盤1、サーマルチャンバー2、Yステージの静圧ガイド3、モータ4、基板吸着ステージ5、基板アライメントカメラ7、赤色(R)のインクを吐出するインクジェットヘッド9、緑色(G)のインクを吐出するインクジェットヘッド10、青色(B)のインクを吐出するインクジェットヘッド11、観察カメラ(観察手段)12、支柱13、メンテナンスユニット(クリーニング手段およびキャッピング手段)14、Yステージ15、赤色(R)のインクが充填されたインクタンク16、緑色(G)のインクが充填されたインクタンク18(図示せず)、青色(B)のインクが充填されたインクタンク20、HEPAフィルタ17、除振台19、Yステージ21、スケール22、制御部(制御手段)30を備えて構成されている。カラーフィルタを形成する基板6は、基板吸着ステージ5上に載置される。またYステージ21にはモータ4の可動子(図示せず)が内蔵されている。
なお、図1及び図2は、基板6をカラーフィルタ製造装置100に搬入または搬出する工程における状態を示している。このとき、メンテナンスユニット14及びYステージ15はインクジェットヘッド9の直下に位置している。
また、図3及び図4は、基板6にインクを吐出してカラーフィルタを描画する工程における状態を示している。このとき、インクジェットヘッド9、10、11は基板6の直上に位置しており、メンテナンスユニット14及びYステージ15はインクジェットヘッド9、10、11から離れた位置に退避している。また、インクジェットヘッド9、10、11および観察カメラ12は、Xステージ(図示せず)に搭載されており、X方向に移動案内される構成になっている。
本実施形態において、インクジェットヘッド9,10,11は、それぞれ、インクタンク16,18,20とチューブでつながれており、赤色(R)のインク、緑色(G)のインク、青色(B)のインクを基板6に吐出する。
インクジェットヘッド9,10,11の仕様としては、特に限定されるものではなく、必要な粒径のインク液滴を吐出できるものであればよい。例えば、バブルジェット(登録商標)方式、正式にはMFDT(Micro Fine Droplet Technology(登録商標))ヘッドであっても、ピエゾ(圧電素子)方式、正式にはMLP(Multi−Layer Piezo(登録商標))またはMLChips(Multi Layer Ceramic with Hyper Integrated Piezo Segment(登録商標))型MACH(Multi−Layer Actuator Head(登録商標))ヘッド等、いずれのタイプのインクジェットヘッドであってもよい。
また、インクジェットヘッド9,10,11が有するインク吐出用のノズルの数は、特に限定されるものではなく、単数であっても複数であってもよい。
図1および図3に示した一実施形態においては、インクジェットヘッド9,10,11は、カラーフィルタ製造装置100に搭載される前に、カラーフィルタの赤色(R)、緑色(G)、青色(B)のセルパターンに応じてノズルのアライメントが行われている。図1および図3においては、向かって左からY方向に赤色、緑色、青色の順でインクジェットヘッド9,10,11が配列されているが、これに限られるものではなく、例えば、青色、緑色、赤色の順に並んでいても構わない。また、赤色、緑色、青色以外の色のインクを吐出するインクジェットヘッドをさらに備えていてもよい。
図1および図3に示した一実施形態においては、インクジェットヘッド9,10,11は、隣接するインクジェットヘッド同士の境界部にはインクジェットヘッドが存在し得ないため、それぞれが一個飛ばしに一列(X方向)に並べられている。そのため、描画においてはYステージ21が往路走査後に、隣接ヘッドとのピッチの2分の1だけ、すべてのインクジェットヘッド9,10,11をX方向に移動し復路走査を行う。すなわち往路で2分の1のセルを描画し、復路で残りの2分の1のセルを描画する。
なお、この場合は1往復で全セルを描画するようにしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、インクジェットヘッドの数と走査回数の積が同じであればどのような組み合わせであってもよい。すなわち、カラーフィルタのX方向の画素数をL,インクジェットヘッドの数をM,走査回数をNとすると、L=M×Nとなり、画素数Lが等しければ、インクジェットヘッドの数Mと走査回数Nの組み合わせは任意である。
例えば、インクジェットヘッド9,10,11をそれぞれX方向に2列に千鳥配列に並べることによって、上記の2倍の数のインクジェットヘッド9,10,11を搭載し、1走査で描画を完了することができる。なお、インクジェットヘッド9,10,11には、通常、それぞれに複数個のノズルが配置されている。例えば、図1に記載したインクジェットヘッド9,10,11は、それぞれ3つのノズルを有している。ただし、必ずしもこれに限定されるものではなく、インクジェットヘッド9,10,11は単数のノズルを有していてもよい。
上記観察カメラ12は、インクジェットヘッド9,10,11から吐出され、基板6に飛着したインク液滴を観察するものである。
ここで、上記観察カメラ12は、その観察方向とインクジェットヘッド9,10,11のインク吐出方向とを同じ方向に設定しているものであり、好ましくは、上記観察カメラ12に含まれる光学系の光軸が、インクジェットヘッド9,10,11のインクの吐出方向に対して平行となっているものである。
すなわち、図8に示す特許文献4に記載された発明のように、インクジェットヘッド9,10,11のインク吐出方向に対して直角方向の光軸を有するものではないため、基板6上に着弾したインク液滴を着弾後即時に観察することができる。また、上記観察カメラ12は基板6の上に着弾したインク液滴を上から観察するため、基板6とインクジェットヘッド9,10,11の間のギャップ間距離に関わらずインク液滴を観察することができる。
そのため、インクジェットヘッド9,10,11が基板6の領域外に位置しているときに限らず、In−situでインク液滴の飛滴状態を観察することができ、カラーフィルタの製造タクトタイムを大幅に減少させることができる。
なお、図9において、201はインクジェットヘッド、202はストロボ、203はカメラ、204はインクジェットヘッドが動くガイドレール、205は基板、206は基板を載せて動かすスライドテーブル、207はスライドテーブルが載っている基台、208はクリーニング装置である。
図1、図3および図4において、観察カメラ12は、インクジェットヘッド11とY方向に1対1に対を成すように、インクジェットヘッド11と同数だけ設置されており、1台の観察カメラ12で、向かい合うインクジェットヘッド11の描画領域(X方向)すべてを観察可能にしてある。また、1台の観察カメラ12は、同じ行(Y方向)にアライメントされたインクジェットヘッド9、10の描画領域(X方向)すべてを観察可能にしてある。
まず、基板6がY方向に移動してインクジェットヘッド9,10,11の下を通過する際に、基板6が着色され、着色された基板6が観察カメラ12の下を通過する際に観察カメラ12が基板6を観察する。このように、インクジェットヘッド9、10、11が往路描画した直後を、In−situで基板6に飛着したインク液適を観察する。この場合は、上述のように、Yステージ21が往路走査後に、隣接ヘッドとのピッチの2分の1だけ、すべてのインクジェットヘッド9,10,11をX方向に移動し復路走査を行う。すなわち、往路で2分の1のセルを描画し、復路で残りの2分の1のセルを描画する。
ただし、観察カメラ12の数は、観察カメラ12がその観察方向とインクジェットヘッド9,10,11のインクの吐出方向とを同じ方向に設定しており、基板6に着弾したインク液滴を観察できるものであれば、特に限定されるものではない。例えば、観察カメラ12をインクジェットヘッド11の2倍の数搭載し、復路でも観察するようにしてもよい。
また、観察カメラ12の位置も、観察カメラ12がその観察方向とインクジェットヘッド9,10,11のインクの吐出方向とを同じ方向に設定しており、基板6に着弾したインク液滴を観察できるものであれば、特に限定されるものではない。例えば、観察カメラ12を、インクジェットヘッド9とY方向に1対1に対を成すように設置しても構わない。
また、例えば、観察カメラ12をインクジェットヘッド9,10,11とX方向に1対1に対を成すように設置してもよい。この場合は、インクジェットヘッド9,10,11が基板6の上をX方向に移動する際に、基板6が着色され、観察カメラ12が着色された基板6の上を通過する際に基板6を観察する。
観察カメラ12の種類は、特に限定されるものではなく、基板6に着弾したインク液滴を観察できるものであれば構わない。例えば、エリアセンサカメラやラインセンサカメラ等を用いることができる。
メンテナンスユニット14は、インクジェットヘッド9、10、11をクリーニングまたはキャッピングするためのものである。図5および図6は、メンテナンスユニット14の好ましい一実施形態の断面模式図を示す。図5は、観察カメラ12の観察結果に基づいて、制御部30によりインクを正常に吐出できないと判断されたインクジェットヘッド102をメンテナンスユニット14がクリーニングする状態を示している。
メンテナンスユニット14は、内部にクリーニングユニット103を配設しており、クリーニングユニット103は、インクをクリーニングするためのブレード104を備えている。102はインクジェットヘッド、101はインクジェットヘッド102を保持するヘッドホルダである。
クリーニングユニット103は、メンテナンスユニット14の内部で上下方向及び左右方向に移動案内される構成になっている。インクジェットヘッド102をクリーニングする場合は、まずクリーニングユニット103を上昇させ、ブレード104をインクジェットヘッド102に当接させた後、クリーニングユニット103を左右に移動させ(図5では左に移動させる)、インクジェットヘッド102のノズル面に付着したインク等をクリーニングする。ただし、クリーニングの方法はこれに限定されるものではなく、例えば、洗浄液による洗浄、インクの高圧吐出、インクの加熱溶融等の方法を適用することも可能である。
図6は、観察カメラ12の観察結果に基づいて、制御部30によりインクを正常に吐出できると判断されたインクジェットヘッド102をメンテナンスユニット14がキャッピングした状態を示している。メンテナンスユニット14は、内部にキャッピングユニット105を配設している。102はインクジェットヘッド、101はインクジェットヘッド102を保持するヘッドホルダである。キャッピングユニット105は、メンテナンスユニット14の内部で上下方向に移動案内される構成になっている。
なお、キャッピングユニット105の材質および形状は、特に限定されるものではなく、インクジェットヘッド102を覆うことができるものであれば構わない。また、メンテナンスユニット14におけるクリーニングユニット103とキャッピングユニット105の配置は、特に限定されるものではない。例えば、キャッピングユニット105の中にクリーニングユニット103が内蔵されており、通常はクリーニングユニット103がキャッピングユニット105よりも下部に位置し、インクジェットヘッド102をクリーニングする際にクリーニングユニット103がキャッピングユニット105より上部に上がってくるという配置を挙げることができる。
Yステージ15は、メンテナンスユニット14を載置し、Y方向に移動案内するためのものであり、その材質および形状は、メンテナンスユニット14を載置できるものであれば、特に限定されるものではない。Yステージ15は、Yステージの静圧ガイド3に沿って、本体定盤1上をYステージ21とは独立してY方向に移動可能な構成になっているため、メンテナンスユニット14をインクジェットヘッド9,10,11の下部に移動させ、インクジェットヘッド9,10,11のクリーニングまたはキャッピングをさせることができる。
Yステージ21は、基板吸着ステージ5をY方向に移動案内するためのものであり、基板吸着ステージ5は、基板6を載置するためのものである。Yステージ21の材質および形状は、基板吸着ステージ5を載置できるものであれば、特に限定されるものではない。同様に、基板吸着ステージ5の材質および形状は、基板6を載置できるものであれば、特に限定されるものではない。基板6は、カラーフィルタの成膜が行われる部材であり、基板材料としては特に限定されるものではないが、ガラス、セラミックス、プラスチック等を用いることができる。
基板アライメントカメラ7は、基板6を基板吸着ステージ5に載置する際の目標位置に対する位置ズレ量を測定するものである。基板アライメントカメラ7の種類は特に限定されるものではなく、例えば、ラインセンサカメラやエリアセンサカメラを用いることができる。支柱8は、基板アライメントカメラ7を保持するものであり、基板アライメントカメラ7を保持でき、基板アライメントカメラ7が上記位置ズレ量を測定できるものであれば、その材質および形状は特に限定されるものではない。
Yステージ21は、Yステージの静圧ガイド3に沿って、本体定盤1上をYステージ15とは独立してY方向に移動可能な構成になっている。そのため、Yステージ21が移動することにより、基板6がインクジェットヘッド9,10,11の下部を通過し、インクジェットヘッド9,10,11がカラーフィルタを描画することができる。
ここで、Yステージの静圧ガイド3は、Yステージ15およびYステージ21をY方向に移動させるためのレールの役目を果たし、その材質は特に限定されるものではない。モータ4は、Yステージ15およびYステージ21を駆動することにより、Yステージ15およびYステージ21がY方向へ移動することを可能とする。なお、図示しないが、本実施形態においては、インクジェットヘッド9,10,11および観察カメラ12のX方向への移動も、モータによって行われる。
ただし、Yステージ15およびYステージ21またはインクジェットヘッド9,10,11および観察カメラ12を移動させる手段はモータに限られるものではなく、例えば手動で行ってもよい。また、モータの種類は限定されるものではなく、Yステージ15およびYステージ21またはインクジェットヘッド9,10,11および観察カメラ12を駆動することができるものであればよい。例えば、リニアモータを用いることができる。
スケール22は、Yステージ15およびYステージ21を位置決めするためのものである。これにより、Yステージ15およびYステージ21をカラーフィルタを描画するために必要な任意の位置に設置することができるため、適切な描画を行うことができる。スケール22の材質としては、特に限定されるものではないが、例えばガラスを好適に用いることができる。
本体定盤1は、Yステージ15およびYステージ21を載置するものであり、その材質および形状は、Yステージ15およびYステージ21を載置することができるものであれば、特に限定されるものではない。上述のように、Yステージ15およびYステージ21は、本体定盤1上において、Yステージの静圧ガイド3に沿ってY方向に互いに独立して移動することができる。
また、本体定盤1は、支柱13を固定する。支柱13は、インクジェットヘッド9、10、11、および観察カメラ12を保持するためのものであり、材質および形状は、特に限定されるものではない。インクジェットヘッド9,10,11および観察カメラ12は、支柱13の面上をX方向に移動可能なように設置されている。これにより、インクジェットヘッド9,10,11および観察カメラ12が、基板6の全面を走査することができる。
サーマルチャンバー2は、カラーフィルタ製造装置100本体を恒温恒湿環境に維持するためのものである。サーマルチャンバー2は、カラーフィルタ製造装置100本体を恒温恒湿環境に維持できるものであればよく、その種類は特に限定されるものではない。例えば、水平強制再循環方式、垂直循環気流方式等を用いることができる。
HEPA(High Efficiency Particulate Air)フィルタ17は、サーマルチャンバー2の上部に配設されており、サーマルチャンバー2において循環させた空気をろ過して空気中の微粒子の密度を低下させることにより、カラーフィルタ製造中の空気を清浄に保つ。
除振台19は、基板6に伝わる外部振動を遮断するためのものである。当該外部振動を遮断することができるものであれば、その材質および大きさは特に限定されるものではない。
[カラーフィルタの製造装置の動作]
次に、本発明のカラーフィルタ製造装置100の動作を図7に基づいて説明する。図7は、本発明に係るカラーフィルタ製造装置100の動作を示すフローチャートである。
(1.基板搬入ステップ)
まず、カラーフィルタ製造装置100は、基板6をロボット(図示せず)等により基板の収納されたカセット(図示せず)から取り出し、基板吸着ステージ5に搬入し吸着する(S1)。
(2.基板アライメントステップ)
基板6の搬入終了後、カラーフィルタ製造装置100は、基板6を、Yステージ21により予め記憶されている目標位置に移動する。次に、基板アライメントカメラ7により、基板6上に配置されているアライメントマークを観察し、目標位置に対する位置ズレ量を測定する。次に上記位置ズレ量を基板吸着ステージ5を移動することにより位置補正し、目標位置に基板6をアライメントする(S2)。
(3.カラーフィルタ描画ステップ)
インクジェットヘッド9,10,11はカラーフィルタの赤色(R)、緑色(G)、青色(B)のセルパターンに応じて赤色(R)のインク、緑色(G)のインク、青色(B)のインクを基板6に吐出し、カラーフィルタを描画する(S4:カラーフィルタ描画ステップ)。
カラーフィルタの描画は、基板6をY方向に移動させ、基板6がインクジェットヘッド9,10,11の下を通過する際にインクを吐出することによって行ってもよいし、インクジェットヘッド9,10,11をX方向に移動させながら基板6の上にインクを吐出することによって行ってもよい。
(4.観察ステップ)
上述のように、観察カメラ12は、その観察方向とインクジェットヘッド9,10,11のインクの吐出方向とを同じ方向に設定しており、好ましくは上記観察カメラ12に含まれる光学系の光軸は、インクジェットヘッド9,10,11のインクの吐出方向に対して平行となっているため、基板6上に着弾したインク液滴を、上から着弾後即時に観察する(S5:観察ステップ)。そのため、インクジェットヘッド9,10,11が基板6の領域外に位置しているときに限らず、In−situでインク液滴の飛滴状態を観察することができる。
観察カメラ12による基板6の観察は、Y方向に移動してインクジェットヘッド9,10,11の下を通過する際に着色された基板6が観察カメラ12の下を通過する際に行ってもよいし、インクジェットヘッド9,10,11がX方向に移動して着色した基板6の上を観察カメラ12が通過する際に行ってもよい。
(5.クリーニングステップ)
観察カメラ12が基板6に飛着したインク液適を観察し、その観察結果を基にして、制御部30がインクジェットヘッド9,10,11がインクを正常に吐出しているか否かを判断する(S6:判定ステップ)。
図8は、制御部30が観察カメラ12からの観察結果に基づいてインクジェットヘッド9,10,11およびメンテナンスユニット14の動作を制御する様子を示したブロック図である。
制御部30は、観察カメラ12がインクの飛滴状態を観察した結果、上記インクジェットヘッド9,10,11が正常にインクを吐出できないことを確認した場合、すなわちインクジェットヘッド9,10,11中に、インクの詰まりを生じたノズルが少なくとも一つ存在することを確認した場合は、インクジェットヘッド9,10,11を制御してインク吐出を停止させるとともに、メンテナンスユニット14に不吐出ノズルに関する情報を伝達し、クリーニングユニット103によって不吐出ノズルを配設したインクジェットヘッド9,10,11をクリーニングする(S7:クリーニングステップ)。
クリーニングステップ(S7)は、基板6を汚すことを避けるため、基板6をインクジェットヘッド9、10、11の直下から完全に退避させ、かつメンテナンスユニット14及びYステージ15がインクジェットヘッド9、10、11のうちいずれかの直下に位置している状態で行う。
また、クリーニングステップ(S7)を行う時期は、必ずしも限定されるものではないが、基板6をインクジェットヘッド9、10、11の直下から完全に退避させ、かつメンテナンスユニット14及びYステージ15がインクジェットヘッド9、10、11のうちいずれかの直下に位置している状態にあるステップで行えばよい。
例えば、インク飛着の終わったn枚目の基板6(nは1以上の自然数)を上記カラーフィルタ製造装置100から搬出するステップ(S9)もしくはn+1枚目の基板6を上記カラーフィルタ製造装置100に搬入するステップ(S1)、もしくは上記n+1枚目の基板6を上記カラーフィルタ製造装置100上でアライメントするステップ(S2)、またはその全ステップにおいて行えばよく、上記n+1枚目の基板6を上記カラーフィルタ製造装置100上でアライメントするステップ(S2)が終了するまでに完了すればよいが、カラーフィルタの製造タクトタイムを減少させるため、可能な限り短時間で完了した方がよい。短時間で完了した場合は、続いて後述するキャッピング工程(S8)に移行してもよい。
また、例えば、制御部30が、Yステージ21が往路または復路を走査している間に上記インクジェットヘッド9,10,11が正常にインクを吐出できないことを確認した場合は、インクジェットヘッド9,10,11を制御してインクの吐出を中止させ、基板6をインクジェットヘッド9、10、11の直下から完全に退避させた上で、不吐出ノズルのクリーニングを行ってもよい。この場合は、より早い時期にインクジェットヘッド9,10,11を正常な状態に戻すことができるため、カラーフィルタの製造タクトタイムをより減少させることができる。
制御部30が、観察カメラ12の観察結果に基づき、上記インクジェットヘッド9,10,11の全てが正常にインクを吐出できることを確認した場合、すなわち、インクのつまりを生じたノズルが存在しない場合は、制御部30は、メンテナンスユニット14を制御し、キャッピングユニット105によってインクジェットヘッド9,10,11をキャッピングする(S8:キャッピングステップ)。
上記キャッピングステップを行う時期は、必ずしも限定されるものではないが、クリーニングステップ(S7)と同様に、基板6をインクジェットヘッド9、10、11の直下から完全に退避させ、かつメンテナンスユニット14及びYステージ15がインクジェットヘッド9、10、11のうちいずれかの直下に位置しているステップにおいて行えばよい。
また、上記キャッピングステップ(S8)は、上記インクジェットヘッド9,10,11の全てが正常にインクを吐出できる場合に、インクジェットヘッド9,10,11を次のカラーフィルタを描画するまでの間保護し、正常な状態に保つために行うものであるため、インク飛着の終わったn枚目の基板6(nは1以上の自然数)を上記カラーフィルタ製造装置100から搬出するステップ(S9)、n+1枚目の基板6を上記カラーフィルタ製造装置100に搬入するステップ(S1)、上記n+1枚目の基板6を上記カラーフィルタ製造装置100上でアライメントするステップ(S2)の各ステップが終了するまで継続することが好ましい。
キャッピングされたインクジェットヘッド9,10,11は、カラーフィルタ描画ステップ(S4)に移行する前にアンキャッピングステップ(S3)に入り、カラーフィルタ描画ステップ(S4)が開始される前にキャップを外してインクを吐出可能な状態とすれば、インクジェットヘッド9,10,11が、正常な状態に保たれているため、n+1枚目の基板6に良好にカラーフィルタを描画することができる。
本発明は、上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても、本発明の技術的範囲に含まれる。