JP2006153315A - 減圧乾燥装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 基板面上に均一な厚さの膜を形成することができる減圧乾燥装置を提供する。
【解決手段】 基板を収容し気密に閉鎖可能なチャンバが載置台と上下動可能な蓋体によって形成される。載置台の下部には、排気管24が設けられ、チャンバ内を減圧可能にする。載置台には基板を収容する基板収容部32が載置され、基板収容部32を構成する各面には、複数の排気口32a、32b、32cが形成されている。基板収容部32の上面の四隅に対向させて吸気口36aが、基板収容部32の下面の四隅に対向させて吸気口38aが形成されており、吸気口36aは上面排気チューブ36bに、吸気口38aは下面排気チューブ38bに接続されている。上面排気チューブ36bの径は、下面排気チューブ38bの径よりも太くなっており、基板収容部32内の雰囲気を上面と下面の両面から均一な排気速度により排気する。
【選択図】 図3
【解決手段】 基板を収容し気密に閉鎖可能なチャンバが載置台と上下動可能な蓋体によって形成される。載置台の下部には、排気管24が設けられ、チャンバ内を減圧可能にする。載置台には基板を収容する基板収容部32が載置され、基板収容部32を構成する各面には、複数の排気口32a、32b、32cが形成されている。基板収容部32の上面の四隅に対向させて吸気口36aが、基板収容部32の下面の四隅に対向させて吸気口38aが形成されており、吸気口36aは上面排気チューブ36bに、吸気口38aは下面排気チューブ38bに接続されている。上面排気チューブ36bの径は、下面排気チューブ38bの径よりも太くなっており、基板収容部32内の雰囲気を上面と下面の両面から均一な排気速度により排気する。
【選択図】 図3
Description
この発明は、表面に所定の溶液等が塗布されている基板に減圧乾燥処理を施す減圧乾燥装置に関するものである。
従来、半導体素子の製造工程等において、レジスト溶液等を基板の表面に塗布した後、レジスト溶液に含まれる溶媒成分を乾燥させることによって、所定の膜(例えば、レジスト膜)を形成していた。ここで、乾燥処理を施す場合、形成される膜の厚さを均一に保つ必要があるため、所定のチャンバを有し、チャンバ内を排気しながら減圧し、その際に形成された気流によりレジスト溶液を平坦化する減圧乾燥を施すことによって、均一な厚さのレジスト膜が形成されていた。
なお、均一な厚さのレジスト膜を形成するために、整流板を用いて均一な気流を形成する基板の処理装置が存在する(特許文献1参照)。この基板の処理装置は、整流板を基板の載置台に対して平行になるように支持し、整流板と基板との間に流れる気流の速度が基板面において均一になるように保つことによって、均一な厚さのレジスト膜を形成している。
ところで、基板上には、通常、均一な状態で溶液が塗布されるが、基板上の中央部と外周部とでは溶液の乾燥速度が異なることから、均一に溶液を塗布することによって、逆に形成される膜厚が不均一になり、膜ムラが発生するという問題がある。即ち、上述の特許文献1記載の基板の処理装置におけるように、整流板を用いて基板面において均一な気流を形成している場合、基板上の中央部と外周部とでの乾燥速度の違いから、基板上に塗布されている溶液の溶媒濃度が異なってしまい、形成される膜の厚さが不均一になる膜ムラが生じていた。
この発明の課題は、表面に所定の溶液等が塗布されている基板において、基板面上での溶液の乾燥速度を同一にすることにより、均一な厚さの膜を形成することができる減圧乾燥装置を提供することである。
この発明に係る減圧乾燥装置は、気密な処理室を形成するチャンバと、前記チャンバ内で基板を収容する基板収容部と、前記基板収容部の少なくとも上面及び下面に形成された複数の排気口と、前記排気口を介して前記基板収容部内の雰囲気を前記チャンバから排気して前記処理室内を減圧する排気部とを備え、前記排気部により前記排気口を介して前記基板収容部内の雰囲気を前記チャンバから排気する際の排気速度が、前記基板収容部の上面に形成された排気口と、前記基板収容部の下面に形成された排気口とで略同一であることを特徴とする。
この減圧乾燥装置によれば、チャンバ内において基板を収容する基板収容部の少なくとも上面及び下面に形成された複数の排気口からの排気速度を、上面と下面とで略同一としている。即ち、基板上に塗布された所定の溶液が乾燥する際の中央部と外周部の乾燥速度に違いが有る場合には膜ムラが発生する。従って、基板収容部の上面に形成された複数の排気口と、下面に形成された複数の排気口とから、それぞれ略同一の排気速度で排気を行うことにより、中央部と外周部の乾燥速度を同一にして、膜ムラの発生を防止する。
また、この発明に係る減圧乾燥装置は、前記排気部が、前記基板収容部の上面に形成された排気口を介して前記基板収容部内の雰囲気を前記チャンバから排気する上面排気チューブと、前記基板収容部の下面に形成された排気口を介して前記基板収容部内の雰囲気を前記チャンバから排気する下面排気チューブと、前記チャンバ内の雰囲気を吸引する吸引ポンプとを備え、前記上面排気チューブと前記下面排気チューブの内、前記吸引ポンプからの距離が遠い前記基板収容部の面に形成された排気口を介して排気する排気チューブの径は、前記吸引ポンプからの距離が近い前記基板収容部の面に形成された排気口を介して排気する排気チューブの径に比べて太いことを特徴とする。
この減圧乾燥装置によれば、吸引ポンプからの距離が遠い基板収容部の面に形成された排気口を介して排気する排気チューブの径を、吸引ポンプからの距離が近い基板収容部の面に形成された排気口を介して排気する排気チューブの径よりも太くしている。例えば、吸引ポンプがチャンバの下部に位置するように、即ち、基板収容部の下部に位置するように吸引ポンプが設置されている場合に、同一径の排気チューブを用いて排気を行うと、基板収容部の上面側と基板収容部の下面側とでは、吸引ポンプとの距離が近い下面側の方が、吸引ポンプとの距離が遠い上面側より速い排気速度で排気が行われる。従って、基板収容部の上面に形成された排気口を介して排気を行う上面排気チューブの径を、基板収容部の下面に形成された排気口を介して排気を行う下面排気チューブの径よりも太くすることにより、基板収容部の上面に形成された排気口からの排気速度と、基板収容部の下面に形成された排気口からの排気速度とを均一にすることができる。
また、この発明に係る減圧乾燥装置は、前記上面排気チューブが複数の吸気口を備え、前記基板収容部の上面に対向させて配置された前記吸気口の各々から吸気することにより、前記排気口を介して該基板収容部内の雰囲気を前記チャンバから排気し、前記下面排気チューブは複数の吸気口を備え、前記基板収容部の下面に対向させて配置された前記吸気口の各々から吸気することにより、前記排気口を介して該基板収容部内の雰囲気を前記チャンバから排気することを特徴とする。
また、この発明に係る減圧乾燥装置は、前記上面排気チューブが少なくとも4つの前記吸気口に接続されており、該吸気口は、前記基板収容部の上面の四隅に対向させてそれぞれ配置され、前記下面排気チューブは、少なくとも4つの前記吸気口に接続されており、該吸気口は、前記基板収容部の下面の四隅に対向させてそれぞれ配置されていることを特徴とする。
これらの減圧乾燥装置によれば、基板収容部の上面に、例えば、上面の四隅にそれぞれ対向させて配置された吸気口に上面排気チューブが接続され、基板収容部の下面に、例えば、下面の四隅にそれぞれ対向させて配置された吸気口に下面排気チューブが接続されている。従って、複数の排気口及び複数の吸気口を介して基板収容部の上面及び下面から排気が行われるため、基板収容部の全体から均一に基板収容部内の雰囲気を排気することができる。
以下、図面を参照して、この発明の実施の形態に係る減圧乾燥装置について説明する。図1は、実施の形態に係る減圧乾燥装置の構成図である。減圧乾燥装置2は、基板を収容して気密に閉鎖可能な処理室を形成するチャンバ10を有している。チャンバ10は、基板を収容する基板収容部32と、基板収容部32を載置する矩形の載置台12と、載置台12の上方に位置し、下面に矩形上の開口を有する蓋体14とで構成されている。
蓋体14には、蓋体14を上下動させる昇降機構18が設けられている。昇降機構18は、例えばモータによって蓋体14を昇降させる駆動部20と、当該駆動部20を制御する制御部22とを有している。これによって、蓋体14が上下方向に移動可能となり、蓋体14を下降させて、載置台12と一体となって処理室を形成する。
チャンバ10の載置台12には、基板収容部32内の雰囲気を排気する排気部としての排気管24が設けられている。排気管24は、処理室内の雰囲気を所定の圧力で吸引する吸引ポンプ26に連通されており、当該吸引ポンプ26は、ポンプ制御部28によってその吸引力が制御されている。かかる構成によって、吸引ポンプ26が作動され、排気管24から基板収容部32内の雰囲気を含むチャンバ10内の雰囲気を吸引して排気し、チャンバ10内を減圧する。また、蓋体14の下端面には、処理室の気密性を確保するためのOリング30が設けられている。なお、基板収容部32は、図1に示すように、所定の支持部材、例えば、載置台12に設けられたプロキシティピン40上に載置されている。
図2は、この実施の形態に係る基板収容部32の概略を示す図である。基板収容部32には、図2(a)に示すように、上面に複数の排気口32aが、側面(図中手前右側の面)に複数の排気口32bが、正面(図中手前左側の面)に複数の排気口32dがそれぞれ形成されている。また、図2(b)に示すように、排気口32dが形成された面は、開閉可能な構造、即ち、扉部34となっており、この扉部34を蓋体14の上下方向への移動に連動して開閉させることによって基板を基板収容部32内に収容することができる。
また、図2(b)に示すように、基板収容部32の下面、即ち、複数の排気口32aが形成された面と対向する面には、複数の排気口32cが形成されている。また、複数の排気口32bが形成されている面と対向する面、複数の排気口32dが形成されている面(扉部34)と対向する面にも、それぞれ複数の排気口が形成されている(図示省略)。即ち、基板収容部32を構成する面の各々に、それぞれ複数の排気口が形成されている。なお、基板収容部32の各面に形成されている排気口の大きさは同一の大きさであり、各排気口の径は同一の径となっている。
図3は、この実施の形態に係る減圧乾燥装置2による排気の処理を説明するための図である。図3においては、基板収容部32の底面(下面)に基板を載置するための基板支持部が設けられている場合を示しており、基板収容部32の内部を示すために扉部34を省略している。なお、基板支持部は、基板収容部32の底面(下面)に直接基板が載置されることを防止するために設けられている板状の部材である。
この減圧乾燥装置2による基板収容部32内の雰囲気の排気は、基板収容部32の各々の面に設けられた複数の排気口を介して行われる。即ち、図3に示すように、基板収容部32の上面(排気口32aが形成されている面)の四隅に対向させ所定の間隔を空けて吸気口36aが設けられており、基板収容部32の下面(排気口32cが形成されている面)にも、四隅に対向させ所定の間隔を空けて吸気口38aが設けられている。また、吸気口36aには上面排気チューブ36bが、吸気口38aには下面排気チューブ38bがそれぞれ接続されており、上面排気チューブ36b及び下面排気チューブ38bはそれぞれ排気管24に接続されている。従って、複数の排気口32aから吸気口36a、上面排気チューブ36b及び排気管24を介して吸引ポンプ26により吸引され、同時に、複数の排気口32cから吸気口38a、下面排気チューブ38b及び排気管24を介して吸引ポンプにより吸引されることにより、基板収容部32内の雰囲気が排気される。
ここで、基板収容部32には、図2及び図3に示すように、基板収容部32を構成する面の各々に複数の排気口が形成されている。そのため、例えば、チャンバの上部や、チャンバの下部のみに排気口が形成されている場合と異なり、基板収容部32の全面から、即ち、前後、上下、左右の全ての面から基板収容部32内の雰囲気を排気することができる。
また、図3に示すように、上面排気チューブ36bは、下面排気チューブ38bに比べて径が太くなっている。即ち、この実施の形態に係る減圧乾燥装置2においては、基板収容部32の下部に位置するように吸引ポンプ26が配置されている。この場合、同一径の排気チューブを用いて排気を行うと、基板収容部32の上面に形成された排気口32aから基板収容部32内の雰囲気を排気する際の排気速度よりも、基板収容部32の下面に形成された排気口32cから基板収容部32内の雰囲気を排気する際の排気速度の方が速くなる。即ち、吸引ポンプ26に近い方が吸引力が強く、吸引ポンプ26からの距離が遠くなればなる程、吸引力が弱くなり排気速度が遅くなる。従って、吸引ポンプ26からの距離が近い排気口32cに接続されている下面排気チューブ38bの径よりも、吸引ポンプ26からの距離が遠い排気口32aに接続されている上面排気チューブ36bの径を太くし、吸気口36a及び吸気口38aにおいて同一の速度で吸気を行い、基板収容部32の上面及び下面からの排気速度を同一にしている。
次に、減圧乾燥装置2における乾燥処理について説明する。なお、以下においては、液晶表示装置を製造する液晶表示装置製造ライン100に減圧乾燥装置2が組み込まれている場合を例として説明する。
図4は、この発明の実施の形態に係る減圧乾燥装置2を含む液晶表示装置製造ラインの構成の一例を示す図である。図4に示すように、液晶表示装置製造ライン100は、各工程においてそれぞれ用いられる洗浄装置112、吐出装置114、減圧乾燥装置2、焼成装置116、ラビング装置118、各装置を接続するベルトコンベアBC、ベルトコンベアBCを駆動させる駆動装置122及び液晶表示装置製造ライン100全体の制御を行う制御装置120により構成されている。また、洗浄装置112、吐出装置114、減圧乾燥装置2、焼成装置116及びラビング装置118は、ベルトコンベアBCに沿って所定の間隔で一列に配置されている。
制御装置120は、洗浄装置112、吐出装置114、減圧乾燥装置2、焼成装置116、ラビング装置118及び駆動装置122に接続されている。駆動装置122は、制御装置120からの制御信号に基づいてベルトコンベアBCを駆動させ、液晶表示装置の基板(以下、単に「基板」とする。)を洗浄装置112、吐出装置114、減圧乾燥装置2、焼成装置116及びラビング装置118に搬送する。洗浄装置112においては基板を洗浄する処理が行われ、吐出装置114においては基板上に配向膜材料を塗布する処理、即ち、基板上に配向膜材料を含む液滴を吐出する処理が行われ、減圧乾燥装置2においては配向膜材料を仮乾燥させる処理が行われる。また、焼成装置116においては仮乾燥させた配向膜材料を焼成させる処理が行われ、ラビング装置118においては配向膜のラビング処理が行われる。なお、吐出装置114には、例えば、インクジェット式の液滴吐出装置が用いられる。
次に、図5のフローチャートを参照して、実施の形態に係る減圧乾燥装置を用いた液晶表示装置製造ラインにおける液晶表示装置の製造処理について説明する。
まず、配向膜を形成する基板を洗浄する(ステップS10)。例えば、セグメント電極が形成された基板をベルトコンベアBCにより洗浄装置112まで搬送する。ベルトコンベアBCにより搬送された基板が洗浄装置112内に取り込まれ、アルカリ系洗剤、純水等を用いて基板が洗浄された後、所定の温度及び時間、例えば、80〜90℃で5〜10分間乾燥させる処理が行われる。なお、洗浄及び乾燥が行われた基板は、ベルトコンベアBCにより吐出装置114まで搬送される。
次に、ステップS10において洗浄された基板上に配向膜材料を塗布する(ステップS11)。即ち、まず、ベルトコンベアBCにより吐出装置114まで搬送された基板を吐出装置114内に取り込む。吐出装置114内においては、タンク内に収容されている配向膜材料をノズルを介して吐出し、基板上に配向膜材料を塗布する。次に、基板は、吐出装置114において、水平に保持された状態で、例えば、1分間放置され、レベリングが行われる。その後、吐出装置114からベルトコンベアBCへと移され、ベルトコンベアBCにより減圧乾燥装置2へと搬送される。
次に、基板に塗布された配向膜材料を仮乾燥させる処理が行われる(ステップS12)。即ち、ベルトコンベアBCにより減圧乾燥装置2まで搬送された基板が載置台12上に載置されている基板収容部32内に収容され、減圧乾燥装置2内に取り込まれる。
ここで、減圧乾燥装置2における乾燥処理について説明する。まず、基板は、吐出装置114からベルトコンベアBCを介して搬送され、載置台12の上方まで移動される。このとき、蓋体14は、図6に示すように昇降機構18によって上昇する。また、蓋体14の上昇に伴って、基板収容部32の扉部34が開き、基板が基板収容部32の前まで移動される。そして、基板収容部32の前まで移動された基板が基板収容部32内に収容された後、蓋体14が下降され、蓋体14の下端部が載置台12に密着して、気密な処理室が形成される。
次に、吸引ポンプ26が作動され、処理室内の雰囲気が排気管24を介して所定の圧力で吸引され始める。これに伴い処理室内に気流が形成される。当該気流は、各排気口32a、32b、32c、32dに向かって形成され、基板収容部32内の雰囲気は、各排気口32a、32b、32c、32d、吸気口36a、38a、上面排気チューブ36b、下面排気チューブ38b及び排気管24を介して吸引される。この時、基板収容部32の上面に対向して配置された吸気口36aに接続されている上面排気チューブ36bの径は、基板収容部32の下面に対向して配置された吸気口38aに接続されている下面排気チューブ38bの径よりも太くなっており、基板収容部32の上面と下面とで同一の排気速度で排気が行われるため、基板上の乾燥速度を均一に保ちながら乾燥が行われる。
そして、所定時間乾燥が行われた後、吸引ポンプ26が停止され、処理室内の減圧が停止される。次いで、蓋体14が昇降機構18によって上昇され(図6参照)、チャンバ10により形成されていた処理室内が開放される。そして、搬入時と同様にして、基板収容部32からベルトコンベアBCに基板が受け渡される。ベルトコンベアBCに受け渡された基板は、減圧乾燥装置2から搬出され、焼成装置116に搬送される。
次に、仮乾燥が行われた配向膜材料を焼成する処理が行われる(ステップS13)。即ち、ベルトコンベアBCにより焼成装置116まで搬送された基板を焼成装置116内に取り込み、例えば、180〜250℃で焼成する。なお、焼成が行われ配向膜が形成された基板は、ベルトコンベアBCへと移され、ベルトコンベアBCによりラビング装置118へと搬送される。
次に、基板上に形成された配向膜をラビングする処理が行われる(ステップS14)。即ち、ベルトコンベアBCによりラビング装置118まで搬送された基板をラビング装置118内に取り込み、例えば、布を用いて基板上に形成されている配向膜を擦ることによりラビング処理を施す。なお、配向膜にラビング処理が施された後、基板は、ベルトコンベアBCへと移され、ベルトコンベアBCにより、図示しない基板収容カセット等に収容される。また、図示しない基板収容カセット等に収容された基板は、図示しない組立装置において、カラーフィルタ、ブラックマトリクス、オーバーコート膜、コモン電極及び配向膜が形成された他の基板と貼り合わせられる。そして、貼り合わせられた基板間に液晶が注入されることにより、液晶表示装置が製造される。
この発明の実施の形態に係る減圧乾燥装置は、チャンバ内に設置された基板収容部において、基板収容部を構成する各面に複数の排気口が形成されている。即ち、基板上に所定の溶液が均一に塗布された際に、例えば、チャンバの上部又は下部のみに設けられた排気口から雰囲気を吸引し排気を行った場合、中央部と外周部とでは乾燥速度が異なっており、膜ムラが発生し不均一な膜が形成されてしまう。従って、基板を収容している基板収容部を構成する各面に形成された複数の排気口を介して基板収容部内の雰囲気を吸引し排気を行うことにより膜ムラの発生を防止し、形成される膜の厚さを均一にすることができる。
また、この発明の実施の形態に係る減圧乾燥装置は、上面排気チューブの径が、下面排気チューブの径よりも太くなっている。ここで、一般的に、吸引ポンプからの距離が遠くなるほど、吸引力が弱くなり排気速度が遅くなる。例えば、基板収容部の下部に位置するように吸引ポンプが設置されている場合、同一径の排気チューブを用いて排気を行うと、基板収容部の下面に形成された排気口からの排気速度は、基板収容部の上面に形成された排気口からの排気速度よりも速くなる。従って、基板収容部の下面に形成された排気口から吸引する吸気口に接続された下面排気チューブの径よりも、基板収容部の上面に形成された排気口から吸引する吸気口に接続された上面排気チューブの径を太くすることにより排気速度を均一にしている。そのため、形成される膜の厚さを均一にすることができる。
また、この発明の実施の形態に係る減圧乾燥装置は、基板収容部の上面の四隅と下面の四隅にそれぞれ対向させて吸気口が設けられている。即ち、複数の吸気口により複数の排気口を介して基板収容部内の雰囲気を吸引し排気を行っている。従って、基板収容部に収容されている基板上に塗布された溶液の乾燥速度を均一に保ち、形成される膜の厚さを均一にすることができる。
また、この発明の実施の形態に係る減圧乾燥装置は、例えば、インクジェット式の液滴吐出装置を用いて所定の溶液を基板上に均一に塗布された場合に、該基板上に形成される膜の厚さを均一にすることができる。従って、インクジェット式の液滴吐出装置を用いることによる材料使用量の削減、製造工程数の削減等を適切に実現した上で、高い精度で均一な厚さを有する膜を作成することができる。
なお、上述の実施の形態に係る減圧乾燥装置においては、液晶表示装置を製造する場合を例として説明したが、その他のものを製造する際に用いるようにしてもよい。例えば、カラーフィルタ、オーバーコート、有機EL、半導体素子等の製造工程において用いるようにしてもよい。
また、上述の実施の形態に係る減圧乾燥装置においては、基板収容部の下部に位置するように吸引ポンプが設置されている場合を例としているが、吸引ポンプは基板収容部の上部(チャンバの上部)に設置されていてもよい。この場合に、同一径の排気チューブを用いて排気を行うと、基板収容部の上面に形成された排気口から基板収容部内の雰囲気を排気する際の排気速度の方が、基板収容部の下面に形成された排気口から基板収容部内の雰囲気を排気する際の排気速度よりも速くなる。従って、吸引ポンプからの距離が近い基板収容部の上面に形成された排気口に接続されている上面排気チューブの径よりも、吸引ポンプからの距離が遠い基板収容部の下面に形成された排気口に接続されている下面排気チューブの径を太くし、基板収容部の上面及び下面からの排気速度を同一にする。
また、上述の実施の形態に係る減圧乾燥装置においては、基板収容部の上面及び下面からの排気速度を同一にしているが、排気速度は厳密に同一の速度である必要はなく、略同一の排気速度であればよい。
また、上述の実施の形態に係る減圧乾燥装置においては、基板収容部の上面及び下面にそれぞれ4つの吸気口が設置されている場合を例としているが、吸気口の数は複数であればよい。例えば、基板収容部の上面及び下面にそれぞれ2つの吸気口が、即ち、右半分の中央部と左半分の中央部に吸気口が設置されていてもよい。また、基板収容部の上面及び下面のそれぞれにおいて、3つの吸気口が等間隔で設置されていたり、四隅と中央部に対向するように5つの吸気口が設置されていてもよく、6つの吸気口や8つの吸気口が形成されていてもよい。なお、この場合においても、吸引ポンプがチャンバの上部に設置されている場合には、基板収容部の上面側がチャンバからの距離が近くなり、下面側がチャンバからの距離が遠くなる。従って、この場合には、基板収容部の上面側に設置されている吸気口に接続された上面排気チューブの径よりも、基板収容部の下面側に設置されている吸気口に接続された下面排気チューブの径を太くする。同様に、チャンバの下部に吸引ポンプが設置されている場合には、下面排気チューブの径よりも、上面排気チューブの径を太くする。
2…減圧乾燥装置、10…チャンバ、12…載置台、14…蓋体、32a、32b、32c、32d…排気口、34…扉部、36a、38a…吸気口、36b…上面排気チューブ、38b…下面排気チューブ、100…液晶表示装置製造ライン、112…洗浄装置、114…吐出装置、116…焼成装置、118…ラビング装置、120…制御装置、122…駆動装置。
Claims (4)
- 気密な処理室を形成するチャンバと、
前記チャンバ内で基板を収容する基板収容部と、
前記基板収容部の少なくとも上面及び下面に形成された複数の排気口と、
前記排気口を介して前記基板収容部内の雰囲気を前記チャンバから排気して前記処理室内を減圧する排気部とを備え、
前記排気部により前記排気口を介して前記基板収容部内の雰囲気を前記チャンバから排気する際の排気速度が、前記基板収容部の上面に形成された排気口と、前記基板収容部の下面に形成された排気口とで略同一であることを特徴とする減圧乾燥装置。 - 前記排気部は、
前記基板収容部の上面に形成された排気口を介して前記基板収容部内の雰囲気を前記チャンバから排気する上面排気チューブと、
前記基板収容部の下面に形成された排気口を介して前記基板収容部内の雰囲気を前記チャンバから排気する下面排気チューブと、
前記チャンバ内の雰囲気を吸引する吸引ポンプとを備え、
前記上面排気チューブと前記下面排気チューブの内、前記吸引ポンプからの距離が遠い前記基板収容部の面に形成された排気口を介して排気する排気チューブの径は、前記吸引ポンプからの距離が近い前記基板収容部の面に形成された排気口を介して排気する排気チューブの径に比べて太いことを特徴とする請求項1記載の減圧乾燥装置。 - 前記上面排気チューブは、複数の吸気口を備え、
前記基板収容部の上面に対向させて配置された前記吸気口の各々から吸気することにより、前記排気口を介して該基板収容部内の雰囲気を前記チャンバから排気し、
前記下面排気チューブは、複数の吸気口を備え、
前記基板収容部の下面に対向させて配置された前記吸気口の各々から吸気することにより、前記排気口を介して該基板収容部内の雰囲気を前記チャンバから排気することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の減圧乾燥装置。 - 前記上面排気チューブは、少なくとも4つの前記吸気口に接続されており、該吸気口は、前記基板収容部の上面の四隅に対向させてそれぞれ配置され、
前記下面排気チューブは、少なくとも4つの前記吸気口に接続されており、該吸気口は、前記基板収容部の下面の四隅に対向させてそれぞれ配置されていることを特徴とする請求項3記載の減圧乾燥装置。
Priority Applications (1)
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JP2004341592A JP2006153315A (ja) | 2004-11-26 | 2004-11-26 | 減圧乾燥装置 |
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JP2004341592A JP2006153315A (ja) | 2004-11-26 | 2004-11-26 | 減圧乾燥装置 |
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010123409A (ja) * | 2008-11-20 | 2010-06-03 | Seiko Epson Corp | 成膜装置 |
JP2011086807A (ja) * | 2009-10-16 | 2011-04-28 | Tokyo Electron Ltd | 減圧乾燥装置 |
WO2011068013A1 (ja) * | 2009-12-02 | 2011-06-09 | シャープ株式会社 | インク乾燥装置 |
WO2018113090A1 (zh) * | 2016-12-19 | 2018-06-28 | 惠科股份有限公司 | 基板烘烤机台及其烘烤作业方法 |
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2004
- 2004-11-26 JP JP2004341592A patent/JP2006153315A/ja not_active Withdrawn
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