JP2006153243A - レンジ検出装置 - Google Patents

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    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H59/00Control inputs to control units of change-speed-, or reversing-gearings for conveying rotary motion
    • F16H59/02Selector apparatus
    • F16H59/08Range selector apparatus
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Abstract

【課題】 レンジ検出装置によるレンジの検出精度を高めると共にレンジ検出装置の作動不良を防止する。
【解決手段】 本発明のレンジ検出装置は、自動変速機内に開放される開放通路86を形成する通路形成体42と、自動変速機のレンジの選択に応じて開放通路86を往復移動する可動体44と、可動体44の移動位置に基づいてレンジを検出する検出手段70と、自動変速機の作動流体を開放通路86に圧送する圧送手段81,90〜92とを備えることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、自動変速機のレンジ検出装置に関する。
従来、自動変速機では、レンジセレクタの操作により選択されたレンジを検出するためにレンジ検出装置が用いられている。こうしたレンジ検出装置では、一般に、レンジの選択に応じて往復移動する可動体の移動位置に基づきレンジを検出するようにしている。例えば特許文献1等のレンジ検出装置では、可動体の移動通路を形成する通路形成体の案内部により可動体を摺動案内しつつ、センサの感知部により可動体の作用部からの物理的作用を受けて可動体の位置を感知し、その感知結果に基づいてレンジを検出している。
特開2002−175744号公報
しかし、従来のレンジ検出装置では、レンジの選択状態において当該選択レンジに対応した位置に可動体が定位することになるため、その定位時間が長くなると、可動体や通路形成体に粉塵が付着して堆積する。特に特許文献1の如く可動体の移動通路が自動変速機内に開放されるような場合、可動体の移動通路に作動流体が滞留するため、摩擦要素やギアの摩耗により発生して作動流体に混入した金属粉等の粉塵が可動体や通路形成体に付着し易い。可動体において、こうした粉塵の付着部位が作用部である場合、作用部から感知部に与えられる物理的作用が粉塵の付着量に応じて変動し、可動体位置の感知精度、ひいてはレンジの検出精度が悪化することになる。また、通路形成体において粉塵の付着部位が案内部である場合、当該粉塵が移動中の可動体と案内部との間に噛み込まれて可動体がスムーズに移動し得なくなるため、可動体や通路形成体等の破損が生じて装置の作動不良が招来される。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、レンジ検出装置によるレンジの検出精度を高めると共にレンジ検出装置の作動不良を防止することにある。
請求項1に記載の発明によると、自動変速機内に開放されて可動体が往復移動する開放通路には、自動変速機の作動流体が圧送手段によって圧送される。これにより、可動体が長時間定位しても開放通路にはその開放側へと向かって作動流体が流動するので、作動流体の滞留が抑制される。したがって、可動体や開放通路を形成する通路形成体には、検出精度の悪化や装置の作動不良をもたらす粉塵が付着し難くなる。
請求項2に記載の発明によると、圧送手段は、フィルタを通じて濾過された作動流体を開放通路に圧送するので、開放通路を流れる作動流体自体を清浄にすることができる。これにより、可動体及び通路形成体は清浄な作動流体に接することになるため、検出精度の悪化や装置の作動不良といった問題が生じ難い。
請求項3に記載の発明によると、可動体が長時間定位しても上述の如く開放通路においては作動流体の滞留が抑制されるので、可動体の作用部には粉塵が付着し難い。これにより、検出手段の感知部が作用部から受ける物理的作用は粉塵の存在によって変動することを抑制されるので、感知部による可動体位置の感知精度、ひいてはレンジの検出精度を高精度に保つことができる。
尚、感知部が作用部から受ける物理的作用としては、例えば作用部の形成磁界による磁気作用や、作用部と感知部との電気的接触作用等を挙げることができる。
また、感知部は、請求項4に記載の発明のように作用部に接触しないで可動体位置を感知するものであってもよいし、請求項5に記載の発明のように作用部に接触して可動体位置を感知するものであってもよい。
請求項6に記載の発明によると、開放通路において可動体は、その移動方向に沿って形成されて感知部を支持する通路形成体の支持部に対して隙間(以下、通路隙間という)をあけて配置される。そして圧送手段は、この通路隙間に作動流体を圧送するので、作動流体が通路隙間に滞留して当該流体中の粉塵が作用部から感知部への物理的作用に影響を及ぼすことを抑制できる。
ここで、可動体の移動方向の軸線と通路隙間の幅方向の軸線とに対して直交する方向を注目方向とする。
請求項7に記載の発明によると、通路形成体の案内部は可動体の注目方向の両端部を摺動案内するので、通路隙間は、通路形成体及び可動体によって挟まれた比較的狭幅の空間となる。これにより、通路隙間における作動流体の圧損を低減することができるので、通路隙間における作動流体の滞留抑制効果が向上する。しかも、可動体両端部と案内部との間の摺動クリアランスには、加圧状態の作動流体が通路隙間から流れ込むことになる。それ故、摺動クリアランスに粉塵が進入したとしても、摺動クリアランスに作動流体が流れ込むことによって、その進入粉塵は摺動クリアランス外へと排出され易い。したがって、可動体両端部と案内部との間への粉塵の噛込による破損、ひいては装置の作動不良が発生し難くなる。
請求項8に記載の発明によると、可動体の移動方向において可動体の全長は支持部の全長よりも長いので、通路形成体及び可動体によって挟まれる通路隙間を大きく形成することができる。これにより、通路隙間に圧送された作動流体の圧損低減効果を高めることが可能となる。
請求項9に記載の発明によると、通路形成体を貫通する圧送手段の噴孔は作用部に向かって作動流体を噴射するので、作用部の周辺では流体流れが発生し、それにより作用部には粉塵が付着し難くなる。また、仮に粉塵の付着があったとしても、噴射された作動流体の内圧によって粉塵が作用部から剥離され得る。したがって、感知部は作用部から物理的作用を正しく受けることができるので、レンジの検出精度がより高精度なものとなる。
請求項10に記載の発明によると、可動体は、開放通路に配置された払拭体に摺接することにより作用部を払拭される。したがって、作用部に粉塵が付着したとしても、可動体の移動時には可動体が払拭体により払拭されて作用部から粉塵が除去され得る。しかもこの除去粉塵は、作動流体の圧送によって生じた流体流れに乗って作用部から遠ざけられることとなる。以上より、感知部は作用部から物理的作用を正しく受けることができ、その結果としてレンジの検出精度がより高精度なものとなる。
請求項11に記載の発明によると、払拭体は、可動体の移動方向の軸線に対して直交する方向に延伸形成されるので、可動体を確実に払拭して粉塵の除去効果を高めることができる。しかも、圧送手段から開放通路に圧送された作動流体は、払拭体の脇を払拭体の延伸方向に沿って流動するので、払拭体による除去粉塵を払拭体から洗い流して払拭作用の低下を回避することができる。
請求項12に記載の発明によると、払拭体は、可動体の移動方向において感知部を挟む両側にそれぞれ配置されるので、感知部は、作用部の払拭体により払拭された部分から物理的作用を受けることができる。さらに、圧送手段から開放通路に圧送された作動流体は各払拭体の感知部とは反対側において流動するので、払拭体による除去粉塵を払拭体から洗い流して払拭作用の低下を回避することができる。しかも、圧送手段から開放通路に圧送された作動流体は各払拭体の間においても流動するので、各払拭体で挟まれた作用部及び感知部の間に作動流体が滞留して当該流体中の粉塵が作用部と感知部との間の物理的作用に影響を及ぼすことを防止できる。以上により、感知部は作用部から物理的作用を常に正しく受けることができるので、レンジの検出精度がより高精度なものとなる。
ここで、可動体がレンジの選択に応じて往復移動する領域を通常領域とし、可動体の移動方向において当該通常領域外に位置する領域を特別領域とする。
請求項13,14に記載の発明は、第一モードにおいて可動体をレンジの選択に応じて駆動し、第二モードにおいて可動体をレンジの選択とは無関係に駆動する駆動手段を備えている。そして特にこの駆動手段は、車両の走行禁止状態において第二モードの駆動を実行することにより可動体を払拭体に対して摺動させる。一般にレンジの切換頻度が少なく、それ故に可動体移動も少ない車両の走行禁止状態では、作用部に粉塵が付着して堆積し易くなるが、上述の如くレンジの選択とは無関係に可動体を駆動することで、可動体が払拭体に対して摺動し、その結果、作用部から粉塵が除去され得る。しかもその除去粉塵は、作動流体の圧送によって生じた流体流れに乗って開放通路の開放側へと導かれるため、作用部から遠ざけられることとなる。したがって、可動体移動が少ない車両の走行禁止状態において、作用部への粉塵の付着を防止することができる。そしてさらに第二モードにおいては車両の走行が禁止されているので、可動体が移動することで自動変速機のレンジが切り換わっても、車両が誤発進することはない。
尚、車両の走行禁止状態としては、例えば車両のブレーキが作動している状態や、車両の内燃機関、電動モータ等の動力装置が停止している状態等を挙げることができる。
また、請求項13に記載の発明によると、駆動手段は、車両の走行禁止状態において第二モードの駆動を実行することにより、通常領域に配置された払拭体に対して可動体を摺動させる。これにより、作用部の払拭に必要な可動体の可動範囲を可及的に小さくすることができるので、装置の小型化を図りつつ高いレンジ検出精度を達成することができる。
また一方、請求項14に記載の発明によると、駆動手段は、車両の走行禁止状態において第二モードの駆動を実行することにより、特別領域に配置された払拭体に対して可動体を摺動させる。これにより、作用部に付着した粉塵は、レンジの選択に応じて移動する通常領域から外れた特別領域において除去されるため、レンジの検出時に可動体位置の感知対象となる通常領域には作用部からの除去粉塵が到達し難くなる。したがって、通常領域を移動中の可動体に作用部からの除去粉塵が再付着してレンジ検出に影響を及ぼすことを防止できる。
請求項15に記載の発明によると、通路形成体の貫通孔は払拭体の下方において開口しているので、払拭体により作用部から除去された粉塵を重力作用により貫通孔内へと導いて排出することができる。またこのとき、開放通路に圧送された作動流体が貫通孔内に流れ込むことによって、貫通孔内への粉塵排出が促進される。しかも貫通孔は、払拭体下方の開口とは反対側端部において自動変速機内に開放されているので、開放通路からの作動流体が貫通孔内を通過するに伴って、貫通孔内への排出粉塵がさらに貫通孔外へと排出される。以上により、作用部から一度除去された粉塵が再び検出精度の悪化及び装置の作動不良の要因となる事態を回避することができる。
請求項16に記載の発明によると、開放通路に面する通路形成体の案内面は可動体を摺動案内するので、可動体と案内部との間の摺動クリアランスには、開放通路から加圧状態の作動流体が流れ込むことになる。そのため、摺動クリアランスに粉塵が進入したとしても、摺動クリアランスに作動流体が流れ込むことによって、その進入粉塵は摺動クリアランス外へと排出され易くなる。したがって、可動体と案内面との間への粉塵の噛込による破損、ひいては装置の作動不良が発生し難くなる。
請求項17に記載の発明によると、通路形成体の開放孔は案内面に開口しているので、案内面に粉塵が付着したとしても、可動体は案内面に摺動案内されつつ移動することで、案内面への付着粉塵を移動方向の前側端部で掻き寄せて開放孔内へと排出することができる。またこのとき、開放通路に圧送された作動流体が開放孔内に流れ込むことによって、開放孔内への粉塵排出が促進される。しかも開放孔は、案内面における開口とは反対側端部において自動変速機内に開放されているので、開放通路からの作動流体が開放孔内を通過するに伴って、開放孔内への排出粉塵がさらに開放孔外へと排出される。以上により、案内面から一度除去された粉塵が再び検出精度の悪化及び装置の作動不良の要因となる事態を回避することができる。
請求項18に記載の発明によると、案内面は上方を向けて配置されるので、案内面に開口する開放孔は上方に向かって開口することとなる。上方を向く案内面には、作動流体中の粉塵が重力作用によって落下して粉塵が付着し易くなるが、その付着粉塵は、可動体の移動に伴って掻き寄せられた後、上方を向く開放孔内に重力作用によって落下し易い。したがって、開放孔内への粉塵の排出がさらに促進される。
可動体によって掻き寄せられる粉塵は、その移動速度によっては可動体の移動方向前側端部に担持されることがあるが、可動体が停止することによってその前側端部から自然に剥離する。
そこで、請求項19に記載の発明によると、所定レンジの選択状態において可動体は、所定位置に達する直前の移動方向前側端部に接する仮想平面に対して開放孔が当該前側端部とは反対側から隣接する形態で、上記所定位置に定位する。また、請求項20に記載の発明によると、所定レンジの選択状態において可動体は、所定位置に達する直前の移動方向前側端部に接する仮想平面上に開放孔が位置する形態で、上記所定位置に定位する。このような請求項19,20に記載の発明によれば、可動体の移動方向前側端部に粉塵が担持されることがあっても、可動体が上記所定位置に達して定位することで可動体の移動方向前側端部から粉塵を自然に剥離させて開放内へと落下させることができる。したがって、開放孔を用いた粉塵の排出効率が向上する。
一般に駐車レンジ及び前進レンジは、選択頻度が高く、また選択状態が長時間維持され易い。そのため、可動体は、駐車レンジ又は前進レンジに対応する位置への移動頻度が高く、また当該対応位置での定位状態が長時間維持され易い。
そこで、請求項21に記載の発明によると、請求項19,20に記載の所定レンジは駐車レンジ及び前進レンジの少なくとも一方を含む。これにより、粉塵が移動中の可動体に担持されることがあっても、駐車レンジ又は前進レンジの対応位置への移動頻度が高い可動体は、当該対応位置に長時間定位して粉塵の自然剥離並びに開放孔内への落下を促進することができる。したがって、開放孔を用いた粉塵の排出効率がさらに向上する。
請求項22に記載の発明によると、圧送手段から開放通路に圧送された作動流体は、開放通路を可動体の移動方向に沿って流動する。そして開放孔の凹部は、上方を向く案内面に開口し開放通路における流体流れの下流側に向かうほど深度が増大しているので、開放通路に圧送された作動流体は凹部に流れ込んだ後、当該凹部の底面上を開放通路における流体流れに沿うように流動する。それ故、開放孔内に排出された粉塵は、凹部での流体流れに乗ることによって凹部の最深側端部へと導かれることとなる。ここで開放孔の連通部は、凹部の少なくとも最深側端部と自動変速機内との間を連通しているので、凹部の最深側端部に導かれた粉塵を連通部から開放孔外へと確実に排出することができる。したがって、開放孔を用いた粉塵の排出効率がさらに向上する。
尚、凹部については、請求項23に記載の発明のように流体流れの下流側に向かうほど深度が連続的に増大するものであってもよいし、請求項24に記載の発明のように流体流れの下流側に向かうほど深度が段階的に増大するものであってもよい。
請求項25に記載の発明によると、圧送手段から開放通路に圧送された作動流体は、開放通路を可動体の移動方向に沿って流動する。そして、可動体の移動方向に互いに離間して複数設けられる開放孔は、開放通路における流体流れの上流側に位置するものほど小さい内径を有しているので、開放通路から開放孔内に作動流体が流れ込むことによる圧損が流体流れの上流側に向かうほど小さくなる。これにより、開放通路の可動体移動方向に沿った広域で流体流れを確実に生じさせることができるので、複数の開放孔により粉塵の排出効率を高めつつ作動流体の滞留抑制効果を十分に確保することができる。
請求項26に記載の発明は、第一モードにおいて可動体をレンジの選択に応じて駆動し、第二モードにおいて可動体をレンジの選択とは無関係に駆動する駆動手段を備えている。そして特にこの駆動手段は、車両の走行禁止状態において第二モードの駆動を実行することにより、開放孔周囲の案内面に対して可動体を摺動させる。一般にレンジの切換頻度が少なく、それ故に可動体移動も少ない車両の走行禁止状態では、案内面に粉塵が付着して堆積し易くなるが、上述の如くレンジの選択とは無関係に可動体を駆動することで、可動体が案内面に対して摺動し、その結果、案内面から粉塵が除去され得る。しかもその除去粉塵は、作動流体の圧送によって生じた流体流れに乗って開放通路の開放側や開放孔内へと導かれるか、可動体の掻寄作用によって開放孔内へと導かれる。したがって、可動体移動が少ない車両の走行禁止状態において、案内面への粉塵の付着並びに堆積を防止することができる。そしてさらに第二モードにおいては車両の走行が禁止されているので、可動体が移動することで自動変速機のレンジが切り換わっても、車両が誤発進することはない。
請求項27に記載の発明によると、自動変速機の摩擦要素を流体圧により制御する制御装置が圧送手段として機能する。即ち、摩擦要素の流体圧制御と作動流体の圧送とが同じ制御装置によって実現されるので、コストの低減化を図ることができる。
尚、摩擦要素の制御装置とは別の装置によって圧送手段の機能を実現することも、勿論、可能である。
以下、本発明の複数の実施形態を図面に基づいて説明する。
(第一実施形態)
図2は、本発明の第一実施形態による自動変速機2を示している。自動変速機2は、ハウジング10、油圧制御装置20及びレンジ検出装置30を備えた所謂電子制御式の自動変速機であり、車両に搭載されて使用される。
ハウジング10は、変速機ケース12とオイルパン14とを組み合わせて構成されている。変速機ケース12内には、油圧制御装置20から供給される油圧に応じて係合又は解放される複数の摩擦要素が収容されており、各摩擦要素の係合及び解放の組み合わせに従ってレンジが切り換わるものである。本実施形態では自動変速機2のレンジとして、駐車(P)レンジ、後進(R)レンジ、中立(N)レンジ及び前進(D)レンジの四つが用意されている。オイルパン14は、自動変速機2で使用する作動油を内部に蓄える。このオイルパン14内には、油圧制御装置20及びレンジ検出装置30が収容されている。
図2〜図4に示すように油圧制御装置20は、マニュアルバルブ22、圧送制御バルブ80等の複数のバルブと、圧送流路81等の複数の流路とからなる油圧回路を有しており、オイルパン14内の作動油を用いて各摩擦要素の作動を制御する。
図5に示すようにマニュアルバルブ22は、他のバルブと共通のバルブボディ23にスプール24が嵌入されることにより構成されている。図3に示すように変速機ケース12に固定されたバルブボディ23には、スプール24を往復直線移動可能に支持するスプール孔25が形成されている。さらにバルブボディ23には、スプール孔25の一端部側から他端部側に向かって順にDレンジ圧ポート26、ライン圧ポート27、Rレンジ圧ポート28、ドレン圧ポート29が形成されている。ライン圧ポート27は、ライン圧を生成するポンプ又はバルブと接続された流路に連通している。Dレンジ圧ポート26は、Dレンジで係合する摩擦要素への供給油圧を調整するバルブと接続された流路に連通している。Rレンジ圧ポート28は、Rレンジで係合する摩擦要素への供給油圧を調整するバルブと接続された流路に連通している。尚、D及びRレンジ圧ポート26,28の各連通流路に接続されるバルブは、対応するポートからライン圧を供給されるとき当該ライン圧を元圧として油圧調整を行うものである。ドレン圧ポート29とスプール孔25のDレンジ圧ポート26側端部は、ドレンとしてのオイルパン14内に連通している。
各ポート26〜29はスプール24の移動位置に応じて開閉され、それにより自動変速機2のレンジが切り換わるようになっている。具体的には、スプール24が図6(a)に示す位置Pに移動して定位するときには、ライン圧ポート27が他のポート26,28,29に対し非連通となり、ライン圧がD及びRレンジ圧ポート26,28に供給されないことによって、Pレンジが実現される。スプール24が図6(b)に示す位置Rに移動して定位するときには、ライン圧ポート27がRレンジ圧ポート28と連通し、ライン圧がRレンジ圧ポート28に供給されることによって、Rレンジが実現される。スプール24が図6(c)に示す位置Nに移動して定位するときには、ライン圧ポート27が他のポート26,28,29に対し非連通となり、ライン圧がD及びRレンジ圧ポート26,28に供給されないことによって、Nレンジが実現される。スプール24が図6(d)に示す位置Dに移動して定位するときには、ライン圧ポート27がDレンジ圧ポート26と連通し、ライン圧がDレンジ圧ポート26に供給されることによって、Dレンジが実現される。このような本実施形態では、スプール24が方向Xlに移動するに従ってP,R,N,Dの各レンジがこの順で実現され、またスプール24が方向Ylに移動するに従ってP,R,N,Dの各レンジがこの逆順で実現される。
図4に示すように、圧送制御バルブ80はスプール移動式の圧力制御バルブで構成されており、圧送流路81の他、ライン圧を生成するポンプ又はバルブと接続された流路や、指令圧を生成するソレノイドバルブと接続された流路等に連通する複数のポートを有している。圧送制御バルブ80は、ライン圧を元圧にして圧送流路81への出力圧をソレノイドバルブの指示圧に従う油圧に調整する。
図1及び図4に示すように圧送流路81は、バルブボディ23と圧送ボディ82とを貫通する形態で形成されている。バルブボディ23に形成されている圧送流路81の上流側は、圧送制御バルブ80の出力ポートに連通している。また、圧送ボディ82に形成されている圧送流路81の下流側は、レンジ検出装置30の後述する噴孔90〜92に連通している。本実施形態において圧送流路81の中途部には、圧送流路81の流動油を濾過するフィルタ83が設けられているが、このようなフィルタ83については、圧送制御バルブ80の元圧側に設けてもよい。
図2及び図3に示すようにレンジ検出装置30は、ディテント機構31とインヒビタスイッチ40とを組み合わせて構成されている。
ディテント機構31は、ディテントプレート32及びディテントスプリング33を有している。平板状のディテントプレート32には、その板面に対し略垂直に延びる回動軸34が一体に設けられている。回動軸34はオイルパン14に軸支されており、これによりディテントプレート32は回動軸34の中心線周りに回動可能となっている。この回動軸34は、リンク機構35を介して車両のレンジセレクタ36に接続されている。尚、レンジセレクタ36は例えばセレクトレバー(図3参照)であり、P,R,N,Dの四つのレンジ位置がユーザによって選択可能に構成されている。
スプール24の移動方向の軸線Avに対し略平行に配置されたディテントプレート32には、その板面に対し略垂直に延びる出力軸37が一体に設けられている。出力軸37は、スプール孔25から露出したスプール24の一端部38に係合している。これによりディテントプレート32は、レンジセレクタ36によるレンジ位置の選択に応じて間欠回動することで、スプール24を往復駆動する。本実施形態では、レンジ位置P,R,N,Dがこの順で選択されるときには、ディテントプレート32が方向Xrに回動することでスプール24が方向Xlに移動し、またレンジ位置P,R,N,Dがこの逆順で選択されるときには、ディテントプレート32が方向Yrに回動することでスプール24が方向Ylに移動する。これによりスプール24は、レンジ位置Pの選択状態では位置Pに、レンジ位置Rの選択状態では位置Rに、レンジ位置Nの選択状態では位置Nに、レンジ位置Dの選択状態では位置Dにそれぞれ定位するようになっている。
ディテントプレート32の外周縁には、複数の溝39が形成されている。ディテントスプリング33は、ディテントプレート32の回動位置に応じていずれかの溝39に嵌合することで、レンジセレクタ36の非操作時にディテントプレート32が回動することを防止する。
図2、図3及び図5に示すようにインヒビタスイッチ40は、通路形成体42、可動体44、非接触式センサ46を有している。通路形成体42は、バルブボディ23を介して変速機ケース12に固定されている。図1及び図7に示すように通路形成体42は、一体形成されたベース48と案内レール49,50とからなる。平板状のベース48は、スプール24の移動方向の軸線Avに対し略平行に配置されている。本実施形態では、自動変速機2が搭載される車両が水平面上にある場合、ベース48の板面は水平面に対し略垂直となる。そこで、以下では、図1及び図7の上下方向が鉛直方向に略一致するものとして説明する。
上側案内レール49はベース48の上端部側に設けられ、下側案内レール50はベース48の下端部側に設けられている。各案内レール49,50はスプール24の移動方向の軸線Avに対し略平行に延伸しており、軸線Avに垂直な断面において互いの開口が向き合うU字状を呈している。これにより、案内レール49,50及びベース48で囲まれる部分には、軸線Avに沿う方向の両端部と案内レール49,50の側壁部84,85間の開口とによりオイルパン14内に開放される開放通路86が形成されている。尚、図7(b)では、開放通路86に二点鎖線ハッチングを付して模式的に示している。
上側案内レール49の天壁部87には、それを略鉛直方向に貫通する複数の噴孔90〜92が設けられている。各噴孔90〜92は断面円形の筒孔状に形成され、スプール24の移動方向軸線Avに沿う方向に互いに間隔をあけて並んでいる。各噴孔90〜92の下端部は、開放通路86に面する天壁部87の内壁面88に開口しており、それにより開放通路86の後述する隙間96と連通可能になっている。各噴孔90〜92の上端部は、圧送ボディ82と密着する天壁部87の外壁面89に開口しており、それにより圧送ボディ82の圧送流路81と連通している。
下側案内レール50の底壁部52には、それを略鉛直方向に貫通する複数の開放孔53〜60が設けられている。各開放孔53〜60は、互いに同じ大きさの断面矩形の筒孔状に形成され、スプール24の移動方向軸線Avに沿う方向に互いに間隔をあけて並んでいる。各開放孔53〜60の上端部は、上方を向き開放通路86に面する底壁部52の内壁面61に開口している。これにより各開放孔53〜60の上端部は上方に向かって開口し、開放通路86に連通している。内壁面61とは反対側となる各開放孔53〜60の下端部は、オイルパン14内に露出した底壁部52の外壁面62に開口している。これにより各開放孔53〜60の下端部は、オイルパン14内に開放されて連通している。
図3に示すように可動体44は、一体形成されたスライダ63と入力軸64とからなる。平板状のスライダ63は、スプール24の移動方向の軸線Avに略平行となる形態で開放通路86に配置されている。図1及び図7に示すように、スライダ63の上端部は上側案内レール49の凹所内に挿入され、スライダ63の下端部は下側案内レール50の凹所内に挿入されている。これによりスライダ63は、ベース48及び案内レール49,50の側壁部94,95に対し隙間96をあけた状態で案内レール49,50に支持されており、軸線Avに略平行に沿う軸線As(図3参照)上を往復移動可能となっている。したがって、可動体44が開放通路86を移動するときには、スライダ63の上端部が上側案内レール49の内壁面65により摺動案内され、またスライダ63の下端部が下側案内レール50のうち上記内壁面61を含む内壁面66により摺動案内される。尚、可動体44の移動方向の軸線Asに対する直交方向において、スライダ63の幅は各開放孔53〜60の内径(内法幅)よりも大きくされており、可動体44が各開放孔53〜60内に進入して移動不能となることが防止されている。
スライダ63には、それの移動方向の軸線Asに沿って延伸し鉛直方向に互いに間隔をあけて並ぶ三列の磁石パターンM1,M2,M3が埋設されて作用部67が形成されている。各磁石パターンM1,M2,M3は、ベース48側に形成される磁極(以下、単に磁極という)が可動体44の移動方向において図8の如く遷移するように形成されている。
図3に示すように、入力軸64はスライダ63の板面に対し略垂直に延伸し、出力軸37が係合するスプール24の一端部38に係合している。これにより可動体44は、レンジセレクタ36によるレンジ位置の選択に応じてスプール24と同期的に往復駆動される。本実施形態では、レンジ位置P,R,N,Dがこの順で選択されるときには、可動体44がスプール24と共に方向Xlに移動し、またレンジ位置P,R,N,Dがこの逆順で選択されるときには、可動体44がスプール24と共に方向Ylに移動する。これにより可動体44は、レンジ位置Pの選択状態では図9(a)に示す位置Pに、レンジ位置Rの選択状態では図9(b)に示す位置Rに、レンジ位置Nの選択状態では図9(c)に示す位置Nに、レンジ位置Dの選択状態では図9(d)に示す位置Dにそれぞれ定位するようになっている。
本実施形態において、図9(a)の如く可動体44が位置Pに定位するときには、スライダ63の両端部68,69に接する仮想平面K,Lに対し開放孔53,57がそれぞれ端部68,69とは反対側から隣接する形態となる。また、図9(b)の如く可動体44が位置Rに定位するときには、スライダ63の両端部68,69に接する仮想平面K,Lに対し開放孔54,58がそれぞれ端部68,69とは反対側から隣接する形態となる。さらに、図9(c)の如く可動体44が位置Nに定位するときには、スライダ63の両端部68,69に接する仮想平面K,Lに対し開放孔55,59がそれぞれ端部68,69とは反対側から隣接する形態となる。またさらに、図9(d)の如く可動体44が位置Dに定位するときには、スライダ63の両端部68,69に接する仮想平面K,Lに対し開放孔56,60がそれぞれ端部68,69とは反対側から隣接する形態となる。
図10に示すように非接触式センサ46は、互いに電気接続された感知部70と回路部71とからなる。図11に示すように、感知部70はベース48に埋設されて支持されており、可動体44とは直接接触せずに可動体44の移動位置を感知する。本実施形態において、この感知部70の上方には噴孔90が配置され、また可動体44の移動方向において感知部70を挟む箇所の上方には噴孔91,92がそれぞれ配置されている。
感知部70は、三つのホール素子H1,H2,H3を有している。各ホール素子H1,H2,H3は、可動体44の移動方向の軸線Asに対し略垂直となるように通路形成体42に固定して定義された仮想基準平面B上に配置され、鉛直方向に互いに間隔をあけて並んでいる。そして各ホール素子H1,H2,H3は、それぞれ磁石パターンM1,M2,M3と隙間96を介して相対している。これにより各ホール素子H1,H2,H3は、相対する磁石パターンM1,M2,M3の仮想基準平面B上における磁極がS極となるときその磁気作用を受けてオン電圧を出力し、また当該磁極がN極となるときその磁気作用を受けてオフ電圧を出力する。ここで本実施形態の磁石パターンM1,M2,M3は、図8に模式的に示すように、仮想基準平面B上における磁極の組み合わせが可動体44の移動位置に応じて変化するように形成されている。そのため、各ホール素子H1,H2,H3の出力の組み合わせは、図12に示すように、可動体44の移動位置に応じて変化する。したがって、各ホール素子H1,H2,H3の出力は可動体44の移動位置の感知結果を表していると考えることができる。
回路部71はマイクロコンピュータ等で構成されている。回路部71は、可動体44及びスプール24の移動位置に対応して実現されるレンジを各ホール素子H1,H2,H3の出力に基づいて特定する。上述したように本実施形態では、磁石パターンM1,M2,M3の仮想基準平面B上における磁極の組み合わせが可動体44の移動位置に応じて変化するので、回路部71は、当該組み合わせを監視することでレンジを特定することができる。
このような第一実施形態の自動変速機2では、例えば車両のイグニッションスイッチがオンされると、圧送制御バルブ80により加圧調整された作動油が圧送流路81に出力されて、各噴孔90〜91から開放通路86の隙間96に噴出される。こうして隙間96に圧送された作動油の一部は、可動体44の両端部68,69側に向かって流動した後、開放通路86の開放端部や案内レール49,50間の開口からオイルパン14内に流出する。ここで、可動体44の移動方向の軸線Asと隙間96の幅方向の軸線とに直交する方向においては、スライダ63の上下両端部が案内レール49,50に接触することで狭幅の隙間96が形成されているため、隙間96を流動する作動油の圧損が少ない。したがって、作用部67の磁石パターンM1,M2,M3と感知部70のホール素子H1,H2,H3とに挟まれた隙間96では、作動油の滞留が抑制される。しかも、隙間96に圧送される作動油は、フィルタ83を通じて濾過された清浄なものである。
以上により作用部67には、作動油に混入したコンタミナントとしての粉塵が付着し難くなっているので、作用部67から感知部70が受ける磁気作用が粉塵の存在によって変動することを抑制できる。したがって、第一実施形態によれば、感知部70による可動体位置の感知精度、ひいてはレンジの検出精度を高精度に保つことができる。
また、第一実施形態では、圧送制御バルブ80の作動によって隙間96に圧送された作動油の一部が、その内圧によって可動体44の上下両端部と案内レール49,50との間の摺動クリアランスに流れ込み、さらに開放孔53〜60内へと導かれる。そのため、摺動クリアランスに粉塵が進入したとしても、作動流体の流込によって粉塵が摺動クリアランス外へと排出され易い。
さらに第一実施形態においてレンジの切換時には、可動体44のスライダ63が下側案内レール50の内壁面61に摺動案内されつつ移動するため、イグニッションスイッチのオン前等に粉塵が内壁面61に付着していたとしても、その付着粉塵はスライダ63の移動方向前側の端部68又は69によって掻き寄せられる。ここでスライダ63は、切換先のレンジに対応する位置に到達すると、到達直前の前側端部68又は69に接する仮想平面K又はLに対して開放孔53〜60のいずれかが当該前側端部とは反対側から隣接する形態で、定位する。したがって、スライダ63により掻き寄せられた粉塵は、可動体44が切換先のレンジ対応位置に達して定位することで、上方に向かって開口する開放孔53〜60内のいずれかに重力作用によって落下する。また、スライダ63の高速移動時等に粉塵がスライダ63に担持されたとしても、スライダ63がレンジ対応位置で定位することで粉塵がスライダ63から自然に剥離し、その剥離した粉塵が開放孔53〜60内のいずれかに落下することとなる。しかも、こうした重力作用を利用した粉塵の排出は、隙間96に圧送された作動油がその内圧により開放孔53〜60内へと流れ込むことによって促進される。
以上により、可動体44と案内レール49,50との間に粉塵が噛み込まれて可動体44や案内レール49,50等が破損する事態を回避することができる。したがって、第一実施形態によれば、レンジ検出装置30の作動不良を防止することができる。
またさらに第一実施形態では、各開放孔53〜60の下端部がオイルパン14内に開放されているので、上述のようにして各開放孔53〜60内に排出された粉塵は、各開放孔53〜60内を隙間96からの作動油が通過するのに伴い、それら開放孔53〜60外へと排出される。その結果、各開放孔53〜60内には粉塵が蓄積され難くなるので、可動体44により掻き寄せられた粉塵が各開放孔53〜60内に進入し得なくなって再び検出精度の悪化及び装置の作動不良の要因となる事態を回避することができる。
加えて第一実施形態では、隙間96に作動油を圧送するために、自動変速機2の摩擦要素を油圧制御する油圧制御装置20を用いている。即ち、摩擦要素の油圧制御と作動油の圧送とを同じ油圧制御装置20によって実現しているので、コストを低減可能である。
以上、第一実施形態では、油圧制御装置20の圧送制御バルブ80、圧送流路81、フィルタ83及び噴孔90〜92が特許請求の範囲に記載の「圧送手段」に相当する。また、非接触式センサ46が特許請求の範囲に記載の「検出手段」に相当し、感知部70の各ホール素子H1,H2,H3が作用部67の各磁石パターンM1,M2,M3から受ける磁気作用が特許請求の範囲に記載の「物理的作用」に相当する。さらに、通路形成体42のベース48が特許請求の範囲に記載の「支持部」に相当し、通路形成体42の案内レール49,50が特許請求の範囲に記載の「案内部」に相当し、当該案内レール50の内壁面61が特許請求の範囲に記載の「案内面」に相当する。
(第二実施形態)
図13及び図14に示すように本発明の第二実施形態は第一実施形態の変形例であり、第一実施形態と実質的に同一の構成部分には同一の符号を付すことで説明を省略する。
第二実施形態の自動変速機100には、一対の払拭体110,111が追加されている。これら払拭体110,111は、弾性を有する樹脂又はゴムで形成された板状のスクレーパからなり、可動体44の移動方向において感知部70を挟む両側にそれぞれ配置されている。これにより、各払拭体110,111の感知部70とは反対側となる箇所の上方にはそれぞれ噴孔91,92が位置し、各払拭体110,111の間となる箇所の上方には噴孔90が位置し、各払拭体110,111の下方には開放孔56,57がそれぞれ位置している。本実施形態において各払拭体110,111は、基端部側を通路形成体42に固着されて支持されており、先端部に向かうほど感知部70とは反対側(即ち互いとは逆側)に傾斜している。さらに各払拭体110,111は、ベース48と各案内レール49,50の側壁部94,95とに跨る形態で、可動体44の移動方向軸線Asの直交方向となる略鉛直方向に互いに平行に延伸している。
図14及び図15に示すように各払拭体110,111の先端部は、可動体44の任意の移動位置において作用部67の表面120(以下、作用部表面120という)に接触する。したがって、可動体44が方向Xlに移動するときには、感知部70に対し可動体44の移動方向後側に位置する払拭体110が弾性変形しつつ作用部表面120に摺接して当該表面120を払拭する。また、可動体44がYlに移動するときには、感知部70に対し可動体44の移動方向後側に位置する払拭体111が弾性変形しつつ作用部表面120に摺接して当該表面120を払拭する。
このような第二実施形態では、レンジの切換が実施されると、その切換に応じた方向に可動体44が移動するため、払拭体110又は111によって作用部表面120が払拭される。したがって、イグニッションスイッチのオン前等に粉塵が作用部表面120に付着していたとしても、その付着粉塵は払拭体110又は111によって確実に掻き取られて除去されるので、感知部70が設けられた仮想基準平面B上には作用部表面120の当該粉塵除去部分が到達することになる。
また、第二実施形態では、噴孔91,92から噴出された作動油の一部が、各払拭体110,111の感知部70とは反対側の脇をそれら払拭体110,111の延伸方向に沿って流動する。そのため、各払拭体110,111による除去粉塵は、作動油の流れによって払拭体110,111から洗い流される。しかも、払拭体110,111から洗い流された粉塵は、下方に位置する開放孔56,57内へ作動油と共に排出される。
さらに第二実施形態では、噴孔90から噴出された作動油が各払拭体110,111間を流動するので、隙間96のうち払拭体110,111と作用部67と感知部70とで囲まれた部分においては、作動油の滞留が抑制される。
以上により、作用部67と感知部70との間において粉塵のないクリーンな状態を確保することができるので、作用部67から感知部70に与えられる磁気作用が粉塵の存在によって変動することを防止できる。したがって、第二実施形態によれば、感知部70による可動体位置の感知精度、ひいてはレンジの検出精度をより高精度に保つことができる。
以上、第二実施形態では、開放孔56,57が特許請求の範囲に記載の「貫通孔」に相当する。
尚、第二実施形態においては、スクレーパからなる払拭体110,111に代えて、図16の変形例の如き刷毛状ブラシからなる払拭体130,131を設けてもよい。この場合、弾性を有する樹脂又はゴムから払拭体130,131を形成することで、払拭体130,131を作用部表面120に沿って柔軟に弾性変形させることができるので、払拭体130,131の摺動による作用部表面120の損傷が防止される。
(第三実施形態)
図17に示すように本発明の第三実施形態は第一実施形態の変形例であり、第一実施形態と実質的に同一の構成部分には同一の符号を付すことで説明を省略する。
第三実施形態による自動変速機150において可動体152のスライダ154には、第一実施形態の磁石パターンM1,M2,M3が埋設される代わりに、作用部156を形成する四つのターミナルT1,T2,T3,T4が装着されている。図18に示すように各ターミナルT1,T2,T3,T4は、通路形成体160のベース162と向き合うスライダ154の板面に基端部側を固着されており、鉛直方向に互いに間隔をあけて並んでいる。各ターミナルT1,T2,T3,T4の先端部は、スライダ154の移動方向の軸線Asに対し略垂直となるように可動体152に固定して定義された仮想基準平面B上に位置している。
自動変速機150ではさらに、第一実施形態の非接触式センサ46に代えて、図19に示す如き接触式センサ170が設けられている。この接触式センサ170は、互いに電気接続された感知部172と回路部174とからなる。
図17及び図20に示すように、感知部172はベース162に埋設されて支持されており、作用部156に直接接触して可動体152の移動位置を感知する。そして本実施形態では、かかる感知部172の上方に噴孔90〜92が配置されている。
接触式センサ170の感知部172は、四つの電極パターンE1,E2,E3,E4を有している。各電極パターンE1,E2,E3,E4は、可動体152の移動方向の軸線Asに沿って延伸し、鉛直方向に互いに間隔をあけて並んでいる。ここで電極パターンE1,E2,E3は、導通部Cと絶縁部Iとから構成され、可動体152の移動方向における各部C,Iの長さ及び位置について図20の如く設定されている。また一方、電極パターンE4は導通部Cのみから構成され、図20の如く可動体152の移動方向において連続的に延びている。
図17に示すように、可動体152の任意の移動位置において各電極パターンE1,E2,E3,E4は、ターミナルT1,T2,T3,T4の先端部にそれぞれ機械的且つ電気的に接触する。即ち各ターミナルT1,T2,T3,T4は、スライダ154に固定して定義された仮想基準平面B上において電極パターンE1,E2,E3,E4の表面に接触するようになっている。このような接触作用により電極パターンE1,E2,E3,E4の各出力は、対応するターミナルT1,T2,T3,T4が導通部Cに接触するときオン電圧となる。また、電極パターンE1,E2,E3の各出力は、対応するターミナルT1,T2,T3が絶縁部Iに接触するときオフ電圧となる。ここで本実施形態の電極パターンE1,E2,E3,E4は、図20に模式的に示すように、仮想基準平面B上における部C,Iの組み合わせが可動体152の移動位置に応じて変化するように形成されている。そのため、各電極パターンE1,E2,E3,E4の出力の組み合わせは、図21に示すように、可動体152の移動位置に応じて変化する。したがって、各電極パターンE1,E2,E3,E4の出力は可動体152の移動位置の検出結果を表していると考えることができる。
回路部174は、可動体152及びスプール24の移動位置に対応して実現されるレンジを各電極パターンE1,E2,E3,E4の出力に基づいて特定する。上述したように本実施形態では、電極パターンE1,E2,E3,E4の仮想基準平面B上における部C,Iの組み合わせが可動体152の移動位置に応じて変化するので、回路部174は、当組み合わせを監視することでレンジを特定することができる。
このような第三実施形態では、作用部156のターミナルT1,T2,T3,T4と感知部172の電極パターンE1,E2,E3,E4とが露出する開放通路86の隙間96に作動油が圧送されるため、当該隙間96では作動油の滞留が抑制される。したがって、作用部156には、作動油に混入した粉塵が付着し難くなるので、当該作用部156から電気的接触作用を受ける感知部172では、可動体位置の感知精度が向上する。よって、第三実施形態によってもレンジの検出精度を高精度に保つことができる。
以上、第三実施形態では、接触式センサ170が特許請求の範囲に記載の「検出手段」に相当し、感知部172の各電極パターンE1,E2,E3,E4が作用部156の各ターミナルT1,T2,T3,T4から受ける電気的接触作用が特許請求の範囲に記載の「物理的作用」に相当し、通路形成体160のベース162が特許請求の範囲に記載の「支持部」に相当する。
(第四実施形態)
図22に示すように本発明の第四実施形態は第一実施形態の変形例であり、第一実施形態と実質的に同一の構成部分には同一の符号を付すことで説明を省略する。
第四実施形態による自動変速機200の通路形成体210において下側案内レール211の底壁部212には、第一実施形態の開放孔53〜60とは異なる間隔で開放孔213〜220が設けられている。これにより本実施形態では、図22(a)の如く可動体44が位置Pに定位するとき、スライダ63の両端部68,69に接する仮想平面K,L上に開放孔213,217がそれぞれ位置する形態となる。また、図22(b)の如く可動体44が位置Rに定位するときには、スライダ63の両端部68,69に接する仮想平面K,L上に開放孔214,218がそれぞれ位置する形態となる。さらに、図22(c)の如く可動体44が位置Nに定位するときには、スライダ63の両端部68,69に接する仮想平面K,L上に開放孔215,219がそれぞれ位置する形態となる。またさらに、図22(d)の如く可動体44が位置Dに定位するときには、スライダ63の両端部68,69に接する仮想平面K,L上に開放孔216,220がそれぞれ位置する形態となる。尚、開放孔213〜220は、その配設間隔以外の点については第一実施形態の開放孔53〜60と同様に構成されている。
このような第四実施形態において可動体44のスライダ63は、切換先のレンジに対応する位置に到達すると、到達直前の移動方向前側端部68又は69に接する仮想平面K又はL上に開放孔213〜220のいずれかが位置する形態で、定位する。そのため、スライダ63により掻き寄せられた粉塵は、スライダ63による担持の有無に拘わらず、開放孔213〜220内のいずれかへと落下して排出される。したがって、第四実施形態によってもレンジ検出装置30の作動不良を防止することができる。
さらに第四実施形態では、各開放孔213〜220の下端部が開放されてオイルパン14内に連通しているので、粉塵が各開放孔213〜220内に進入し得なくなって再び検出精度の悪化及び装置の作動不良の要因となる事態を回避することができる。
以上、第四実施形態では、通路形成体210の案内レール49,211が特許請求の範囲に記載の「案内部」に相当する。
(第五実施形態)
図23及び図24に示すように本発明の第五実施形態は第一実施形態の変形例であり、第一実施形態と実質的に同一の構成部分には同一の符号を付すことで説明を省略する。
第五実施形態による自動変速機250では、第一実施形態の噴孔90〜92に代えて、通路形成体260のベース262を略水平方向に貫通する噴孔270〜275が設けられている。各噴孔270〜275は断面円形の筒孔状に形成され、可動体44の移動方向において感知部70を挟む両脇にそれぞれ三つずつ、略鉛直方向に並ぶ形態で配置されている。これにより、噴孔270,271の間にホール素子H1が位置し、噴孔272,273の間にホール素子H2が位置し、噴孔274,275の間にホール素子H3が位置している。各噴孔270〜275の一端部は、感知部70を支持し開放通路86に面するベース262の内壁面264に開口しており、それにより開放通路86の隙間96と連通する。また、各噴孔270〜275の他端部は、圧送ボディ280と密着するベース262の外壁面266に開口しており、それにより圧送ボディ280の圧送流路81と連通している。そして本実施形態では、各噴孔270〜275が開放通路86側に向かうほど感知部70側に傾斜している。
このような第五実施形態の自動変速機250では、例えば車両のイグニッションスイッチがオンされると、圧送制御バルブ80の作動により作動油が各噴孔270〜275を通じて開放通路86の隙間96に圧送される。このとき、作用部67の表面290のうち隙間96を介して感知部70と対向して仮想基準平面B上に位置する部分292(図24参照)には、各噴孔270〜275からの清浄な作動油が噴射されるため、当該部分292では、粉塵の付着が確実に防止される。また、仮に粉塵の付着があったとしても、噴射された作動油の内圧によって粉塵が部分292から剥離され得る。したがって、作用部67と感知部70との間では粉塵のないクリーンな状態を確保することができるので、作用部67から感知部70に与えられる磁気作用が粉塵の存在によって変動することを防止できる。したがって、第五実施形態によれば、感知部70による可動体位置の感知精度、ひいてはレンジの検出精度をより高精度に保つことができる。
以上、第五実施形態では、噴孔270〜275、油圧制御装置20の圧送制御バルブ80、圧送流路81及びフィルタ83が特許請求の範囲に記載の「圧送手段」に相当し、通路形成体260のベース262が特許請求の範囲に記載の「支持部」に相当する。
(第六実施形態)
図25及び図26に示すように本発明の第六実施形態は第一実施形態の変形例であり、第一実施形態と実質的に同一の構成部分には同一の符号を付すことで説明を省略する。
第六実施形態による自動変速機300では、第一実施形態の噴孔90〜92に代えて、通路形成体310のベース312を略水平方向に貫通する噴孔320〜328が設けられている。各噴孔320〜328は断面円形の筒孔状に形成され、感知部70から方向Xl側に所定距離ずつ離れた三箇所において、各箇所三つずつ略鉛直方向に並ぶ形態で配置されている。各噴孔320〜328の一端部は、感知部70を支持し開放通路86に面するベース312の内壁面314に開口しており、それにより開放通路86の後述する隙間344と連通している。また、各噴孔320〜328の他端部は、圧送ボディ330と密着するベース312の外壁面316に開口しており、それにより圧送ボディ330の圧送流路81と連通している。そして本実施形態では、各噴孔320〜328が開放通路86側に向かうほど感知部70側(即ち方向Yl側)に傾斜している。
さらに第六実施形態の自動変速機300では、可動体340の移動方向においてスライダ342の全長が、ベース312を含む通路形成体310の全長よりも長くされている。これにより、ベース312及び案内レール49,50の側壁部94,95とスライダ342とに挟まれる狭幅の隙間344が可動体340の移動方向に大きく拡張されている。したがって、例えば車両のイグニッションスイッチがオンされて、圧送制御バルブ80の作動により作動油が各噴孔320〜328を通じて開放通路86の隙間344に圧送された場合に、ベース312の方向Yl側の端部313に向かって隙間344を流動する作動油の圧損が十分に小さくなる。これにより隙間344では、作動油の滞留抑制効果が向上するので、作用部67から感知部70に与えられる磁気作用が粉塵の存在によって変動することを防止できる。したがって、第六実施形態によれば、感知部70による可動体位置の感知精度、ひいてはレンジの検出精度をより高精度に保つことができる
以上、第六実施形態では、噴孔320〜328、油圧制御装置20の圧送制御バルブ80、圧送流路81及びフィルタ83が特許請求の範囲に記載の「圧送手段」に相当し、通路形成体310のベース312が特許請求の範囲に記載の「支持部」に相当する。
(第七実施形態)
図27に示すように本発明の第七実施形態は第六実施形態の変形例であり、第六実施形態と実質的に同一の構成部分には同一の符号を付すことで説明を省略する。
第七実施形態による自動変速機350の通路形成体360において下側案内レール361の底壁部362には、互いに同じ大きさとされた第一実施形態の開放孔53〜60に代わり、互いに異なる大きさの開放孔363〜370が設けられている。
具体的に、各開放孔363〜370は可動体340の移動方向に互いに離間して配置され、底壁部362を略鉛直方向に貫通している。これにより、各開放孔363〜370の上端部は底壁部362の内壁面61に開口して上方を向いており、また各開放孔363〜370の下端部は底壁部362の外壁面62に開口してオイルパン14内に開放されている。そして本実施形態の各開放孔363〜370は、作動油がYl方向に流動する開放通路86の隙間344においてその作動油流れの上流側に位置するものほど小さい内径(内法幅)を有している。この内径設定により第七実施形態では、隙間344に圧送された作動油が可動体340と案内レール49,361との間の摺動クリアランスを通じて開放孔363〜370に流れ込むことによる圧損を、作動油流れの上流側に向かうほど小さくすることができる。そのため、作動油流れを隙間344の可動体移動方向に沿った広域で確実に生じさせることができるので、複数の開放孔363〜370によって粉塵の排出効率を高めつつ作動油の滞留抑制効果を十分に確保することができる。
尚、第七実施形態においても、可動体340の移動方向軸線Asに対する直交方向において開放孔363〜370の内径がいずれも可動体340の幅よりも小さくされている。したがって、可動体340が開放孔363〜370内に進入して移動不能となることを防止できる。
以上、第七実施形態では、通路形成体360の案内レール49,361が特許請求の範囲に記載の「案内部」に相当する。
(第八実施形態)
図28に示すように本発明の第八実施形態は第六実施形態の変形例であり、第八実施形態と実質的に同一の構成部分には同一の符号を付すことで説明を省略する。
第八実施形態による自動変速機400の通路形成体410において下側案内レール411の底壁部412には、第一実施形態の開放孔53〜60に代えて、開放孔420が設けられている。この開放孔420は、凹部421とそれに連通する連通部423〜430とからなる。
凹部421は底壁部412の内壁面61に開口して上方を向いており、可動体340の移動方向に沿って下側案内レール411の両端部間を連続して延伸する長孔状に形成されている。そして、かかる凹部421の深度は、作動油がYl方向に流動する開放通路86の隙間344における下流側に向かうほど連続的に増大している。即ち凹部421の底面422は、隙間344における作動油流れの下流側に向かうほど下方に傾斜している。また、可動体340の移動方向軸線Asに対する直交方向において凹部421の内法幅は可動体340の幅よりも小さくされており、可動体340が開放孔420内に進入して移動不能となることが防止されている。
各連通部423〜430は、底壁部412を略鉛直方向に貫く断面矩形の筒孔状に形成されており、可動体340の移動方向に互いに離間して配置されている。かかる各連通部423〜430の上端部は凹部421の底面422に開口しており、また各連通部423〜430の下端部は底壁部412の外壁面62に開口してオイルパン14内に開放されている。これにより、凹部421において最深側端部を含む複数箇所とオイルパン14内との間が各連通部423〜430を通じて連通している。
このような第八実施形態では、開放通路86の隙間344に圧送された作動油が可動体340と案内レール49,411との間の摺動クリアランスを通じて凹部421に流れ込んだ後、当該凹部421の底面422上を隙間344での作動油流れに沿って流動する。そのため、作動油と共に開放孔420内へと排出される粉塵は、凹部421での作動油流れに乗ることによって凹部421の最深側へと導かれつつ、各連通部423〜430内のいずれかに落下して開放孔420外へと排出される。したがって、第八実施形態によれば、開口の広い凹部421によって開放孔420内への粉塵排出の効率を高めつつ、傾斜する凹部底面422とそれに開口する連通部423〜430とによって開放孔420外への粉塵排出の効率を高めることができる。
以上、第八実施形態では、通路形成体410の案内レール49,411が特許請求の範囲に記載の「案内部」に相当する。
尚、第八実施形態においては、作動油流れの下流側に向かうほど連続的に増大する凹部421に代えて、図29の変形例の如く下流側に向かうほど段階的に増大する凹部440を設けてもよい。この場合にも、凹部421を設けた場合と同様な効果を享受することができる。
(第九実施形態)
図30に示すように本発明の第九実施形態は第一実施形態の変形例であり、第一実施形態と実質的に同一の構成部分には同一の符号を付すことで説明を省略する。
第九実施形態による自動変速機450においてレンジセレクタ36とディテントプレート32とは、第一実施形態の如き機械的なリンク機構35ではなく、電気的なシフトバイワイヤシステム452を介して接続されている。
シフトバイワイヤシステム452は、セレクタセンサ454とシフトアクチュエータ456とを組み合わせて構成されている。セレクタセンサ454はレンジセレクタ36に付設され、ユーザによって選択されたレンジ位置を検出する。セレクタセンサ454はシフトアクチュエータ456と電気接続されており、レンジ位置の検出結果を表す信号をシフトアクチュエータ456に出力する。シフトアクチュエータ456は、モータ及びそれを制御する制御回路等から構成され、セレクタセンサ454の出力信号が表すレンジ位置に応じてディテントプレート32を間欠回転駆動する。したがって、ディテントプレート32と共に駆動されるスプール24及び可動体44は、第一実施形態と同様にして、レンジ位置Pの選択状態では位置Pに、レンジ位置Rの選択状態では位置Rに、レンジ位置Nの選択状態では位置Nに、レンジ位置Dの選択状態では位置Dにそれぞれ定位することとなる。
このようにシフトバイワイヤシステム452を用いた第九実施形態によっても、圧送制御バルブ80及び可動体44の作動によって第一実施形態と同様な効果を享受することができる。
(第十実施形態)
図31及び図32に示すように本発明の第十実施形態は、第二及び第九実施形態の変形例であり、第二及び第九実施形態と実質的に同一の構成部分には同一の符号を付すことで説明を省略する。
第十実施形態による自動変速機500には、第二実施形態と同一構成の払拭体110,111が設けられている。
また、自動変速機500においてシフトアクチュエータ510は、非接触式センサ46の回路部71に直接的に又は他の電気回路を介して間接的に電気接続されており、レンジの検出結果を表す信号を回路部71から受信する。そして、このシフトアクチュエータ510には、要素32,24,44をレンジの選択に応じて駆動する第一モードと、要素32,24,44をレンジの選択とは無関係に駆動する第二モードとが用意されている。ここで第一モードは、レンジセレクタ36におけるレンジ位置の検出信号がセレクタセンサ454から出力されると開始され、それにより可動体44が移動した結果、当該レンジ位置に対応するレンジの検出信号が回路部71から出力されると終了する。また、第二モードは、パーキングブレーキがオンの状態においてイグニッションスイッチがオン、オフされた直後に開始され、その結果、可動体44が駆動されて作用部表面120の払拭作動が完了すると終了する。
以下、第二モードにおける作用部表面120の払拭作動についてさらに詳しく説明する。
第二モードの開始直前においては、いずれかのレンジが選択されているため、その選択レンジに対応した位置に可動体44が定位している。そしてこの状態から第二モードが開始されると、シフトアクチュエータ510は、図32(a)のように可動体44の全体が払拭体111の感知部70とは反対側に達するまで、可動体44を方向Xlに駆動する(作動1)。これにより、作用部表面120が払拭体110によって払拭される。続いてシフトアクチュエータ510は、図32(b)のように可動体44の全体が払拭体110の感知部70とは反対側に達するまで、可動体44を方向Ylに駆動する(作動2)。これにより、作用部表面120が払拭体111によって払拭される。この後、シフトアクチュエータ510は、可動体44を方向Xlに駆動して第二モード開始時点の定位位置へと戻す(作動3)。尚、この一連の払拭作動については、作動1,2を交互に複数回実施した後、作動3を実施するようにしてもよい。
このような第十実施形態では、第一及び第二モードにおいて可動体44が駆動されることで、作用部表面120が払拭されると共に内壁面61上の粉塵が掻き寄せられ、またそのときには噴孔90〜92からの噴出油と開放孔53〜60とによる作用が同時に奏される。したがって、第一及び第二モードの双方において第二実施形態と同様な効果を享受することができる。尚、パーキングブレーキのオンにより車両の走行が禁止されている状態では、一般にレンジの切換頻度が少なく、それ故に可動体44の移動も少ないため、イグニションスイッチのオン前等には、粉塵が作用部表面120や内壁面61に付着して堆積し易くなる。しかし、第十実施形態では、イグニションスイッチのオンに伴い第二モードが開始されて作用部表面120と内壁面61から粉塵が除去されるので、噴孔90〜92からの噴出油による作用と相俟って作用部表面120と内壁面61への粉塵の堆積を防止することができる。
さらに第二モードでは、可動体44が移動することにより自動変速機500のレンジが切り換わっても、車両の走行が禁止されているので、車両が誤発進することがない。
しかも、第一及び第二モードにおいて可動体44は、レンジの選択に応じて移動する領域で駆動されるため、可動体44の移動方向における通路形成体42の全長を拡張する必要がなく、したがってインヒビタスイッチ40の小型化が図られる。
以上、第十実施形態では、シフトアクチュエータ510が特許請求の範囲に記載の「駆動手段」に相当する。
(第十一実施形態)
図33に示すように本発明の第十一実施形態は第十実施形態の変形例であり、第十実施形態と実質的に同一の構成部分には同一の符号を付すことで説明を省略する。
第十一実施形態による自動変速機550では、可動体44の移動方向において通路形成体552の全長が拡張されている。これより通路形成体552には、図34に示すように、レンジの選択に応じて可動体44が往復移動する通常領域Fnと、レンジの選択とは無関係に可動体44が往復移動する特別領域Feとが、可動体44の移動方向に並んで設定されている。ここで、通路形成体552の通常領域Fnを形成する部分は、噴孔90〜92及び払拭体110,111が設けられないことを除いて第十実施形態の通路形成体42と同一に構成されている。また、通路形成体552の特別領域Feを形成する部分には、払拭体560、貫通孔562,563及び噴孔570が設けられている。
具体的に特別領域Feの払拭体560は、弾性を有する樹脂又はゴムで形成された板状のスクレーパからなり、図34及び図35に示すように基端部側を通路形成体552に固着されて支持されている。この払拭体560は、先端部に向かうほど通常領域Fnとは反対側(即ちXl方向)に傾斜しており、ベース48と各案内レール49,50の側壁部94,95とに跨る形態で略鉛直方向に延伸している。
特別領域Feの各貫通孔562,563は断面矩形の筒孔状を呈し、下側案内レール554の底壁部555を略鉛直方向に貫通している。これにより、各貫通孔562,563の上端部は底壁部555の内壁面61に開口して上方を向いており、また各貫通孔562,563の下端部は底壁部555の外壁面62に開口してオイルパン14内に開放されている。そして本実施形態では、可動体44の移動方向において払拭体560を挟む箇所の下方にそれぞれ各貫通孔562,563が配置されている。
特別領域Feの噴孔570は断面円形の筒孔状を呈し、上側案内レール556の天壁部557を略鉛直方向に貫通している。これにより、噴孔570の下端部は天壁部557の内壁面88に開口して開放通路86の隙間96と連通可能になっており、また噴孔570の上端部は天壁部557の外壁面89に開口して圧送ボディ82の圧送流路81と連通している。そして本実施形態では、払拭体560の通常領域Fnとは反対側となる箇所の上方に噴孔570が配置されている。
図33に示す自動変速機550のシフトアクチュエータ580は、第二モードにおける作用部表面120の払拭作動を除いて、第十実施形態のシフトアクチュエータ510と同一に構成されている。以下では、シフトアクチュエータ580による第二モードでの払拭作動について詳しく説明する。
第二モードが開始されるとシフトアクチュエータ580は、図36(a)のように可動体44の全体が払拭体560の通常領域Fnとは反対側に達するまで、可動体44を方向Xlに駆動する。続いてシフトアクチュエータ580は、可動体44を方向Ylに駆動して例えば図36(b)のように第二モード開始時点の定位位置へと戻す。これにより、作用部表面120の全体が払拭体560によって払拭される。またこのとき、噴孔570から噴出された作動油の一部が、払拭体560の通常領域Fnとは反対側の脇を当該払拭体560の延伸方向に沿って流動する。そのため、払拭体560による除去粉塵は、作動油の流れによって払拭体560から洗い流され、さらにその洗い流された粉塵は貫通孔562,563内へ作動油と共に排出される。
このような第十一実施形態では、第二モードにおいて可動体44が駆動されることにより作用部表面120が払拭され、またそのときには噴孔570からの噴出油と貫通孔562,563とによる作用が同時に奏される。さらに第一モードにおいては、開放孔53〜60による作用が奏される。したがって、第十一実施形態によれば、噴孔90〜92からの噴出油及び払拭体110,111による効果並びに小型化効果を除いて第十実施形態と同様な効果を享受することができる。
また、第二モードの可動体駆動に連続して第一モードの可動体駆動が実行されるような場合には、第二モードにおいて粉塵の除去された作用部67から感知部70が磁気作用を受けることによって、第一モード開始時点でのレンジ検出が実現される。したがって、この場合には、第一モードの開始直後から高精度にレンジを検出することが可能である。
以上、第十一実施形態では、噴孔570、油圧制御装置20の圧送制御バルブ80、圧送流路81及びフィルタ83が特許請求の範囲に記載の「圧送手段」に相当し、通路形成体552の案内レール554,556が特許請求の範囲に記載の「案内部」に相当し、シフトアクチュエータ580が特許請求の範囲に記載の「駆動手段」に相当する。
尚、上述においては本発明の複数の実施形態について説明してきたが、本発明はそれらの実施形態に限定して解釈されるものではない。
例えば第一〜第十一実施形態においては、開放孔53〜60,213〜220,363〜370,420や貫通孔562,563を通じてオイルパン14内に排出される粉塵を濾過する濾過装置や、当該粉塵中の金属成分を吸着捕集する磁石をオイルパン14内に配置するようにしてもよい。これらの場合、一度除去された粉塵がオイルパン14内に排出された後、作用部67,156等に再付着することを防ぐことができる。
また、第一〜第五、第九〜第十一実施形態においては、孔部53,60の少なくとも一方のみ、又は開放孔213,220の少なくとも一方のみを設けるようにしてもよい。これは、可動体44,152がP又はDレンジに対応する位置への移動頻度が高く、また当該対応位置での定位状態が長時間維持され易いため、P又はDレンジへの切換時に移動方向前側端部に接する仮想平面K又Lに対し上述の位置関係となる開放孔を設ければ、レンジ検出装置30の作動不良の防止効果がある程度得られるからである。
さらに第一、第二、第四〜第十一実施形態においては、可動体44,340の移動位置を検出する非接触式センサ46として、ホール素子の代わりに磁気抵抗素子を有する非接触式センサを使用するように変更してもよい。
またさらに第三〜第九実施形態においては、第二実施形態又はその変形例に準じて、移動する可動体44,152,340に摺接することで作用部67,156を払拭する払拭体を適宜な箇所に設けてもよい。
さらにまた、第四〜第十一実施形態においては、非接触式センサ46の代わりに、第三実施形態の接触式センサ170を使用するように変更してもよい。
加えて第五、第九〜第十一実施形態においては、開放孔53〜60の代わりに、第四実施形態の開放孔213〜220を設けるようにしてもよい。
また加えて第五実施形態においては、噴孔270〜275とは別に、第一実施形態の噴孔90〜92を設けるようにしてもよい。
さらに加えて第十実施形態においては、払拭体110,111を設けないようにしてもよい。
またさらに加えて第十一実施形態においては、複数の払拭体560を特別領域Feに設けるようにしてもよい。また、第十一実施形態においては、特別領域Feの払拭体560とは別に、第二実施形態の払拭体110,111を通常領域Fnに設けるようにしてもよい。この場合、第一モードにおいて第二実施形態と同様な効果を享受することができる。また、第十一実施形態においては、特別領域Feの噴孔562,563とは別に、第一実施形態の噴孔90〜92を通常領域Fnに設けるようにしてもよい。この場合、第一モードにおいて第一実施形態と同様な効果を享受することができる。
第一実施形態によるインヒビタスイッチを示す断面図である。 第一実施形態による自動変速機を示す断面図である。 第一実施形態による自動変速機を示す図であって、図2のIII−III断面図である。 第一実施形態による自動変速機を示す図であって、図2のIV−IV断面図である。 第一実施形態による自動変速機の分解斜視図である。 第一実施形態によるマニュアルバルブの作動を説明するための断面図である。 第一実施形態によるインヒビタスイッチを示す図であって、図1のVII−VII断面図(a)及び図1のVII’−VII’断面図(b)である。 第一実施形態による可動体を示す断面図である。 第一実施形態によるインヒビタスイッチの作動を説明するための断面図である。 第一実施形態による非接触式センサを示すブロック図である。 第一実施形態によるインヒビタスイッチを示す部分断面図である。 第一実施形態によるインヒビタスイッチの作動を説明するための特性図である。 第二実施形態によるインヒビタスイッチを示す部分断面図である。 第二実施形態によるインヒビタスイッチを示す図であって、図13のXIV−XIV断面図である。 第二実施形態によるインヒビタスイッチの作動を説明するための断面図である。 第二実施形態の変形例によるインヒビタスイッチを示す部分断面図である。 第三実施形態によるインヒビタスイッチを示す断面図である。 第三実施形態による可動体を示す背面図(a)及び(a)のXVIII−XVIII断面図である。 第三実施形態による接触式センサを示すブロック図である。 第三実施形態によるインヒビタスイッチを示す部分断面図である。 第三実施形態によるインヒビタスイッチの作動を説明するための特性図である。 第四実施形態によるインヒビタスイッチの作動を説明するための断面図である。 第五実施形態によるインヒビタスイッチを示す断面図である。 第五実施形態によるインヒビタスイッチを示す図であって、図23のXXIV−XXIV断面図である。 第六実施形態によるインヒビタスイッチを示す断面図である。 第六実施形態によるインヒビタスイッチを示す図であって、図25のXXVI−XXVI断面図である。 第七実施形態によるインヒビタスイッチを示す断面図である。 第八実施形態によるインヒビタスイッチを示す断面図である。 第八実施形態の変形例によるインヒビタスイッチを示す断面図である。 第九実施形態による自動変速機を示す断面図である。 第十実施形態によるシフトバイワイヤシステムを示すブロック図である。 第十実施形態によるインヒビタスイッチの作動を説明するための断面図である。 第十一実施形態による自動変速機を示す断面図である。 第十一実施形態によるインヒビタスイッチを示す断面図である。 第十一実施形態によるインヒビタスイッチを示す図であって、図34のXXXV−XXXV断面図である。 第十一実施形態によるインヒビタスイッチの作動を説明するための断面図である。
符号の説明
2,100,150,200,250,300,350,400,450,500,550 自動変速機、14 オイルパン、20 油圧制御装置、22 マニュアルバルブ、30 レンジ検出装置、31 ディテント機構、35 リンク機構、36 レンジセレクタ、40 インヒビタスイッチ、42,160,210,260,310,360,410、552 通路形成体、44,152,340 可動体、46 非接触式センサ(検出手段)、48,162,262,312 ベース(支持部)、49,556 上側案内レール(案内部)、50,211,361,411,554 下側案内レール(案内部)、53,54,58,59,60,213,214,215,216,217,218,219,220,363,364,365,366,367,368,369,370,420 開放孔、56,57 開放孔(貫通孔)、61 内壁面(案内面)、63,154,342 スライダ、67,156 作用部、68,69 端部、70,172 感知部、71,174 回路部、80 圧送制御バルブ(圧送手段)、81 圧送流路(圧送手段)、82,280,330 圧送ボディ、83 フィルタ(圧送手段)、86 開放通路、90,91,92,270,271,272,273,274,275,320,321,322,323,324,325,326,327,328,570 噴孔(圧送手段)、96,344 隙間、110,111,130,131,560 払拭体、170 接触式センサ(検出手段)、421,440 凹部、422 底面、423,424,425,426,427,428,429,430 連通部、452 シフトバイワイヤシステム、454 セレクタセンサ、456 シフトアクチュエータ、510,580 シフトアクチュエータ(駆動手段)、562,563 貫通孔、H1,H2,H3 ホール素子、M1,M2,M3 磁石パターン、E1,E2,E3,E4 電極パターン、T1,T2,T3,T4 ターミナル、Fn 通常領域、Fe 特別領域

Claims (27)

  1. 自動変速機内に開放される開放通路を形成する通路形成体と、
    前記自動変速機のレンジの選択に応じて前記開放通路を往復移動する可動体と、
    前記可動体の移動位置に基づいてレンジを検出する検出手段と、
    前記自動変速機の作動流体を前記開放通路に圧送する圧送手段と、
    を備えることを特徴とするレンジ検出装置。
  2. 前記圧送手段は、フィルタを通じて濾過された前記作動流体を前記開放通路に圧送することを特徴とする請求項1に記載のレンジ検出装置。
  3. 前記可動体は作用部を有し、
    前記検出手段は、前記作用部から物理的作用を受けることにより前記可動体の位置を感知する感知部を有し、当該感知部の感知結果に基づいてレンジを検出することを特徴とする請求項1又は2に記載のレンジ検出装置。
  4. 前記感知部は、前記作用部に接触しないで前記可動体の位置を感知することを特徴とする請求項3に記載のレンジ検出装置。
  5. 前記感知部は、前記作用部に接触して前記可動体の位置を感知することを特徴とする請求項3に記載のレンジ検出装置。
  6. 前記通路形成体は、前記可動体の移動方向に沿って形成されて前記感知部を支持する支持部を有し、
    前記開放通路において前記可動体は、前記支持部に対して隙間をあけて配置され、
    前記圧送手段は、前記作動流体を前記隙間に圧送することを特徴とする請求項3〜5のいずれか一項に記載のレンジ検出装置。
  7. 前記可動体の移動方向の軸線と前記隙間の幅方向の軸線とに対して直交する方向を注目方向とすると、
    前記通路形成体は、前記可動体の前記注目方向の両端部を摺動案内する案内部を有することを特徴とする請求項6に記載のレンジ検出装置。
  8. 前記可動体の移動方向において前記可動体の全長は前記支持部の全長よりも長いことを特徴とする請求項7に記載のレンジ検出装置。
  9. 前記圧送手段は、前記通路形成体を貫通し前記作用部に向かって前記作動流体を噴射する噴孔を有することを特徴とする請求項3〜8のいずれか一項に記載のレンジ検出装置。
  10. 前記開放通路に配置され前記可動体が摺接することにより前記作用部を払拭する払拭体を備えることを特徴とする請求項3〜9のいずれか一項に記載のレンジ検出装置。
  11. 前記払拭体は、前記可動体の移動方向の軸線に対して直交する方向に延伸形成され、
    前記圧送手段から前記開放通路に圧送された前記作動流体は、前記払拭体の脇を前記払拭体の延伸方向に沿って流動することを特徴とする請求項10に記載のレンジ検出装置。
  12. 前記払拭体は、前記可動体の移動方向において前記感知部を挟む両側にそれぞれ配置され、
    前記圧送手段から前記開放通路に圧送された前記作動流体は、前記各払拭体の前記感知部とは反対側及び前記各払拭体の間において流動することを特徴とする請求項10又は11に記載のレンジ検出装置。
  13. 第一モードにおいて前記可動体をレンジの選択に応じて駆動し、第二モードにおいて前記可動体をレンジの選択とは無関係に駆動する駆動手段を備え、
    前記可動体がレンジの選択に応じて往復移動する領域を通常領域とすると、
    前記駆動手段は、車両の走行禁止状態において前記第二モードの駆動を実行することにより、前記通常領域に配置された前記払拭体に対して前記可動体を摺動させることを特徴とする請求項10〜12のいずれか一項に記載のレンジ検出装置。
  14. 第一モードにおいて前記可動体をレンジの選択に応じて駆動し、第二モードにおいて前記可動体をレンジの選択とは無関係に駆動する駆動手段を備え、
    前記可動体の移動方向において、前記可動体がレンジの選択に応じて往復移動する領域外に位置する領域を特別領域とすると、
    前記駆動手段は、車両の走行禁止状態において前記第二モードの駆動を実行することにより、前記特別領域に配置された前記払拭体に対して前記可動体を摺動させることを特徴とする請求項10又は11に記載のレンジ検出装置。
  15. 前記通路形成体は、前記払拭体の下方において開口し当該開口とは反対側端部において前記自動変速機内に開放される貫通孔を有することを特徴とする請求項10〜14のいずれか一項に記載のレンジ検出装置。
  16. 前記通路形成体は、前記開放通路に面し前記可動体を摺動案内する案内面を有することを特徴とする請求項1〜15のいずれか一項に記載のレンジ検出装置。
  17. 前記通路形成体は、前記案内面に開口し当該開口とは反対側端部において前記自動変速機内に開放される開放孔を有することを特徴とする請求項16に記載のレンジ検出装置。
  18. 前記案内面は、上方を向けて配置されることを特徴とする請求項17に記載のレンジ検出装置。
  19. 所定レンジの選択状態において前記可動体は、所定位置に達する直前の移動方向の前側端部に接する仮想平面に対して前記開放孔が前記前側端部とは反対側から隣接する形態で、前記所定位置に定位することを特徴とする請求項18に記載のレンジ検出装置。
  20. 所定レンジの選択状態において前記可動体は、所定位置に達する直前の移動方向の前側端部に接する仮想平面上に前記開放孔が位置する形態で、前記所定位置に定位することを特徴とする請求項18に記載のレンジ検出装置。
  21. 前記所定レンジは、駐車レンジ及び前進レンジの少なくとも一方を含むことを特徴とする請求項19又は20に記載のレンジ検出装置。
  22. 前記圧送手段から前記開放通路に圧送された前記作動流体は、前記開放通路を前記可動体の移動方向に沿って流動し、
    前記開放孔は、前記案内面に開口し前記開放通路における流体流れの下流側に向かうほど深度が増大する凹部と、前記凹部の少なくとも最深側端部と前記自動変速機内との間を連通する連通部とを有することを特徴とする請求項18〜21のいずれか一項に記載のレンジ検出装置。
  23. 前記凹部の深度は連続的に増大することを特徴とする請求項22に記載のレンジ検出装置。
  24. 前記凹部の深度は段階的に増大することを特徴とする請求項22に記載のレンジ検出装置。
  25. 前記圧送手段から圧送された前記作動流体は、前記開放通路を前記可動体の移動方向に沿って流動し、
    前記開放孔は、前記可動体の移動方向に互いに離間して複数設けられ、それら複数の開放孔は、前記開放通路における流体流れの上流側に位置するものほど小さい内径を有することを特徴とする請求項17〜21のいずれか一項に記載のレンジ検出装置。
  26. 第一モードにおいて前記可動体をレンジの選択に応じて駆動し、第二モードにおいて前記可動体をレンジの選択とは無関係に駆動する駆動手段を備え、
    前記駆動手段は、車両の走行禁止状態において前記第二モードの駆動を実行することにより、前記開放孔周囲の前記案内面に対して前記可動体を摺動させることを特徴とする請求項17〜25のいずれか一項に記載のレンジ検出装置。
  27. 前記自動変速機の摩擦要素を流体圧により制御する制御装置が前記圧送手段として機能することを特徴とする請求項1〜26のいずれか一項に記載のレンジ検出装置。
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