JP2006153030A - 電磁クラッチ - Google Patents

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Abstract

【課題】クラッチギアと一体に筒状軸を回転させたときに異音が発生する。
【解決手段】動力伝達の出力対象となる出力回転軸を内挿可能であるとともに、当該内挿状態で出力回転軸に回転力を伝達するための回り止め部5Bを有する筒状軸5と、筒状軸5の外周側でかつ筒状軸5の軸方向の一端側に回転自在に取り付けられたクラッチギア10とを備える電磁クラッチ1の構成として、筒状軸5の軸方向において、筒状軸5の中心位置よりもクラッチギア10寄りの位置で、且つクラッチギア10の取付位置の近くに回り止め部5Bを設けることにより、回転中に筒状軸5が瞬間移動することを抑制する。
【選択図】図1

Description

本発明は、回転方向の動力伝達を制御する際に用いられる電磁クラッチに関する。
回転方向の動力伝達を選択に行える動力伝達装置として電磁クラッチが広く用いられている。電磁クラッチは、電磁石の磁気的な作用を利用して動力の伝達(クラッチオン)と遮断(クラッチオフ)を行うものである。従来の電磁クラッチとしては、例えば下記特許文献1に記載されたものが知られている。
図9は従来の電磁クラッチの構成例を示す断面図である。図示した電磁クラッチ1は、大きくは、フィールドコア2と、電磁コイル3と、ボビン4と、筒状軸5と、スリーブ6と、ロータ7と、弾性部材8と、アーマチュア9と、クラッチギア10とを備えた構成となっている。このうち、スリーブ6及びロータ7は、筒状軸5と一体に回転可能に取り付けらている。また、アーマチュア9及びクラッチギア10は、筒状軸5に対して回転自在に取り付けられている。
かかる構成の電磁クラッチ1において、電磁コイル3に通電すると、ロータ7とアーマチュア9間の隙間Gに磁気吸引力が作用し、この磁気吸引力によってアーマチュア9が弾性部材8の弾性力に抗してロータ7に引き付けられる。その結果、ロータ7とアーマチュア9が接続した状態、つまりクラッチがつながった状態(クラッチオンした状態)となるため、クラッチギア10に伝達された動力が筒状軸5に伝達されるようになる。
これに対して、電磁コイル3への通電を停止すると、上記磁気吸引力が消滅するとともに、アーマチュア9が弾性部材8の弾性力によってロータ7から引き離される。その結果、ロータ7とアーマチュア9の接続が解除された状態、つまりクラッチがはずれた状態(クラッチオフした状態)となるため、クラッチギア10に伝達された動力が筒状軸5に伝達されなくなる。以上のことから、電磁コイル3への通電を制御(オン、オフ)することにより、クラッチギア10に伝達された動力を選択的(断続的に)に筒状軸5に伝達することができる。
上記構成の電磁クラッチ1を実際に動力伝達装置として利用する場合は、モータ等の回転駆動源の出力軸に取り付けられた原動ギアや、当該原動ギアに直接的又は間接的に噛合する従動ギアを上記クラッチギア10に噛み合わせる一方、動力伝達の出力対象となる出力回転軸を筒状軸5に内挿する。内挿とは、内側に挿入することを意味する。その際、筒状軸5の端部に断面D字形を孔形状をなす回り止め部5Aを設けるとともに、出力回転軸の一部に断面D字形の軸形状をなす切欠軸部を設け、この切欠軸部を回り止め部5Aに嵌合させることにより、筒状軸5から出力回転軸への動力伝達を可能とする。
特開2001−3956号公報
しかしながら、上記従来の電磁クラッチ1においては、電磁コイル3を通電状態にしてクラッチギア10と一体に筒状軸5を回転させ、その動力を筒状軸5から出力回転軸へと伝達しているときに異音が発生するという問題があった。
そこで本発明者らは、異音の発生状況とその原因について調べてみたところ、次のような事実が判明した。まず、電磁クラッチの異音には周期性(規則性)があり、出力回転軸が1回転する間に異音が1回発生することが分かった。また、切欠軸部を有する出力回転軸が、回転方向で一定の角度(向き)になるときに異音が発生することが分かった。
そこで、図10(A),(B)に示すように、回り止め部5Aの断面形状(D字形)に対応(相似)した切欠軸部20Aを有する出力回転軸20を電磁クラッチ1に取り付けるとともに、この出力回転軸20の両端を軸受け部材21,22で回転自在に支持し、この状態で駆動源側のギアとの噛み合わせによりクラッチギア10をCCW方向に回転させて動力伝達を行ったときに、動力入力側と動力出力側で、それぞれ筒状軸5の径方向中心位置の移動軌跡をピックアップによる変位測定で調べたところ、図11のような結果が得られた。
ちなみに、回転角度は、切欠軸部20Aの切欠部分が真上を向いた状態(図示した状態)を0°と規定している。また、ギア同士を噛み合わせて回転させると、それらの噛み合わせ部分で駆動源側のギアからクラッチギア10に接線方向の力Fが作用する。この力Fは、クラッチギア10の回転角度に関係なく、ほぼ一定の向きで作用する。
また、動力入力側とは、筒状軸5の軸方向において回転駆動力が入力される側をいい、動力出力側とは、筒状軸5の軸方向において回転駆動力が出力される側をいう。上記構成の電磁クラッチ1の場合は、クラッチギア10を介して回転駆動力が入力される構成となっているため、クラッチギア10が設けられている側が動力入力側となる。また、筒状軸5の軸方向では、回り止め部5Aと切欠軸部20Aとの嵌合部分で筒状軸5から出力回転軸20に回転駆動力が伝達(出力)される構成となっているため、回り止め部5Aが設けられている側が動力出力側となる。
上記図11の調査結果から分かるように、図中(A)に示す動力出力側では、筒状軸5の径方向中心位置がそれほど大きく移動することがないものの、図中(B)に示す動力入力側では、回転角度がある角度(図例では170°から180°)に変化するときに筒状軸5の径方向中心位置が瞬間的に大きく移動し、この移動の瞬間に異音が発生していることが判明した。
この調査結果に基づいて異音の発生メカニズムを詳細に調べたところ、次のような事実も判明した。まず、筒状軸5の回り止め部5Aと出力回転軸20の切欠軸部20Aとの嵌合部分では、上記図10(B)に示すように、筒状軸5の回転方向(図の反時計廻り方向)に対して、接触点P1と接触点P2の2点で筒状軸5と出力回転軸20が互いに接触し且つロックした状態となる。したがって、動力出力側では、径方向への筒状軸5の動きが抑制される。これに対して、動力入力側では、筒状軸5と出力回転軸20との間に両者の嵌合をスムーズにするための寸法的なガタが設けられ、このガタの範囲内で径方向への筒状軸5の動きが許容される。
そうした場合、図12に示すように、ギア同士の噛み合わせによって筒状軸5がクラッチギア10から受ける力Fの方向に対して、筒状軸5と出力回転軸20の回転方向の向きが、図中(A)の状態(回転角度=0°の状態)にあるときは、出力回転軸20の中心軸に対して筒状軸5の中心軸がほぼ平行な状態となるものの、図中(B)の状態(回転角度=180°の状態)にあるときは、出力回転軸20の中心軸に対して筒状軸6の中心軸が両者の接触点P1,P2(図10参照)を支点にして斜めに傾いた状態となる。こうした状態変化を伴う動力入力側での筒状軸5の移動は、クラッチギア10から受ける力Fの方向に対して、接触点P1,P2を結ぶ直線軸の方向(向き)が、筒状軸5の回転にしたがって徐々に変化していく過程で瞬間的に起こり、この瞬間移動による筒状軸5と出力回転軸20の衝突音が異音となって現れる。
こうした技術的な検証を基に考察した結果、筒状軸5の軸方向において、動力の入力が行われる部分(クラッチギア10の取付部位)と動力の出力が行われる部分(回り止め部5Aと切欠軸部20Aの嵌合部分)の距離が、異音の発生に大きな影響を与える、との結論に達した。
そこで、本発明に係る電磁クラッチでは、動力伝達の出力対象となる出力回転軸を内挿可能であるとともに、当該内挿状態で出力回転軸に回転力を伝達するための回り止め部を有する筒状軸と、この筒状軸の外周側でかつ当該筒状軸の軸方向の一端側に回転自在に取り付けられた回転駆動入力部材とを備え、筒状軸の軸方向において、当該筒状軸の中心位置よりも回転駆動入力部材寄りの位置に回り止め部を設けた構成を採用している。
本発明に係る電磁クラッチにおいては、筒状軸の軸方向において、当該筒状軸の中心位置よりも回転駆動入力部材寄りの位置に回り止め部を設けたことにより、回転駆動力の入力と出力が従来よりも近い位置(近距離)で行われるようになる。これにより、筒状軸と出力回転軸が回転方向でロック(2点接触)する位置の近くに、回転駆動入力部材からの力が作用するようになるため、径方向に対する筒状軸の動きが効果的に抑制される。
本発明の電磁クラッチによれば、回転中に筒状軸が瞬間移動することがなくなるため、これに起因した異音の発生を確実に防止することができる。
以下、本発明の具体的な実施の形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は本発明の第1実施形態に係る電磁クラッチの構成を示す断面図である。図示した電磁クラッチ1は、大きくは、フィールドコア2と、電磁コイル3と、ボビン4と、筒状軸5と、スリーブ6と、ロータ7と、弾性部材8と、アーマチュア9と、クラッチギア10とを備えた構成となっている。このうち、スリーブ6及びロータ7は、筒状軸5と一体に回転可能に取り付けらている。また、アーマチュア9及びクラッチギア10は、筒状軸5に対して回転自在に取り付けられている。
フィールドコア2は、電磁コイル3、ボビン4、スリーブ6及びロータ7を収容する略円筒状のケーシング部材である。フィールドコア2の内部には、電磁コイル3が巻き付けられたボビン4が、例えば圧入、接着等により固定状態で組み込まれている。電磁コイル3は、電磁クラッチ1において動力の伝達と遮断を行うための電磁力を発生させるものである。電磁コイル3は、ボビン4の胴部に巻き付けられている。また、フィールドコア2には、通電用のリード線(不図示)を電磁コイル3から引き出すための切欠部2Aが設けられている。
筒状軸5は、例えば金属により構成されるもので、回り止め部5Bを一体に有している。回り止め部5Bは、筒状軸5の軸方向において、当該筒状軸5の外周壁の一部をパンチング加工等により内側に凹ませた状態で形成されている。回り止め部5Bは、筒状軸5の外周側から見ると凹んでおり、筒状軸5の内周側から見ると突出している。筒状軸5は、この回り止め部5Bを除いて、ほぼストレート(同径)の孔形状を有している。
スリーブ6は、例えば金属により構成されるもので、筒状軸5の外周側に同軸状に取り付けられている。スリーブ6は、例えば筒状軸5との嵌合部を多角形や段付き構造とすることにより、筒状軸5と常に一体に回転するものである。このスリーブ6の外周側には上記ボビン4が嵌挿されている。ボビン4とスリーブ6は、互いに回転フリーの状態でフィールドコア2内に収容されている。また、スリーブ6の構成材料に鉄系の金属やフェライト等の磁性材料を用いることにより、スリーブ6はコイル鉄心としての機能を有するものとなる。その場合、電磁コイル3が発生する電磁力はスリーブ6によって強化される。
ロータ7は、筒状軸5及びスリーブ6と常に一体に回転するもので、スリーブ6と同様に筒状軸5の外周側に同軸状に取り付けられている。ロータ7は、筒状軸5の軸方向でスリーブ6と部分的に重なり合った状態で、スリーブ6及びボビン4と隣り合う位置に嵌め込まれている。また、スリーブ6とロータ7の重なり部分では、ロータ7がスリーブ6によって筒状軸5に押さえ付けられた構造になっている。
弾性部材8は、例えばステンレス鋼等の金属材料を正面視略リング状の薄板状に形成したもので、板厚方向に適度な弾性(バネ性)を有している。弾性部材8は、筒状軸5の軸方向でアーマチュア9に係合されるとともに、同方向でブッシング11に片当て状態で係止されている。弾性部材8は、ブッシング11及びアーマチュア9と一体に回転するとともに、筒状軸5の軸方向でアーマチュア9をロータ7から引き離す方向に付勢するものである。
アーマチュア9は、筒状軸5の軸方向において、ロータ7との間に微小な隙間Gを介在させた状態で、ロータ7と対向する状態に取り付けられている。アーマチュア9は、ロータ7と隣り合う位置で筒状軸5に回転自在に嵌合されたブッシング11に嵌合固定されている。ブッシング11の軸方向(筒状軸5の軸方向と同一方向)の一端部はロータ7に当接している。
クラッチギア10は、モータ等の回転駆動源によって発生させた回転駆動力が入力される回転駆動入力部材となるもので、筒状軸5の軸方向の一端側に取り付けられている。回転駆動入力部材としては、回転方向の駆動力を入力し得るものであれば、ギア以外のもの(例えば、プーリーなど)であってもよい。クラッチギア10は、筒状軸5の軸方向において、ロータ7及びブッシング11と隣接する位置に取り付けられている。
また、クラッチギア10は、最外周部に円周方向で連続した歯10Aを有するもので、筒状軸5の外周側に回転自在に嵌合されている。クラッチギア10は、ブッシング11及びアーマチュア9と一体に回転するものである。クラッチギア10の軸方向(筒状軸5の軸方向と同一方向)の一端部はブッシング11及びアーマチュア9に当接している。また、クラッチギア10の軸方向の他端側にはシム12が当接し、このシム12と隣接する位置に抜け止め用のリング部材13が装着されている。シム12の取付枚数は必要に応じて設定される。シム12及びリング部材13は、クラッチギア10の一側面部に設けられた凹み部13Bで、それぞれ筒状軸5に嵌合されている。
上記構成の電磁クラッチ1においては、フィールドコア2内に組み込まれた電磁コイル3に通電することにより、磁気的吸引力によってアーマチュア9が弾性部材8の弾性作用(付勢力)に抗してロータ7の片面に吸着される。これにより、アーマチュア9とロータ7とが接続した状態(クラッチオンした状態)となるため、クラッチギア10に伝達された回転方向の動力(回転駆動力)が筒状軸5へと伝達される。他方、電磁コイル3への通電を停止すると、弾性部材8の弾性作用によってアーマチュア9がロータ7から離れる。これにより、アーマチュア9とロータ7との接続が解除された状態(クラッチオフした状態)となるため、クラッチギア10からの動力は筒状軸5に伝達されなくなる。このように電磁コイル3への通電を制御することにより、クラッチギア10に伝達された動力を選択的に筒状軸5に伝達することが可能になる。
図2は本発明の第1実施形態に係る電磁クラッチ1で用いた筒状軸5の構造を示すもので、図中(A)は筒状軸5の斜視図、(B)は筒状軸5を軸方向から見た図である。図示のように筒状軸5には上記の回り止め部5Bが形成されている。回り止め部5Bは、筒状軸5の軸方向において、筒状軸5の一方端の近傍に設けられている。また、回り止め部5Bが形成された箇所では、筒状軸5の孔形状(内周側断面形状)が断面略D字形(非円形)となっている。
ここで、上記図1に示すように、筒状軸5の軸方向において、筒状軸5の一端部から他端部までの長さを“L”とすると、上記回り止め部5Bは、筒状軸5の各端部から“L/2”の長さで規定される筒状軸5の中心位置よりもクラッチギア10寄りの位置に設けられている。さらに詳述すると、筒状軸5の回り止め部5Bは、筒状軸5の軸方向において、クラッチギア10と嵌合する部分に設けられている。また、回り止め部5Bは、ブッシング11とクラッチギア10の境界部(当接部)を跨ぐ状態に配置されている。
本実施形態では、筒状軸5の長さLを用いて、筒状軸5の軸方向の中心位置(軸端からL/2の位置)を規定しているが、例えば筒状軸5の軸方向において、筒状軸5の一端部や他端部がそれぞれフィールドコア2やクラッチギア10などのクラッチ構成部品から大きく外側に突き出した構造となっている場合は、それらの突き出し寸法を筒状軸5の長さLに含まずに上記中心位置を規定するものとする。つまり、筒状軸5の長さLは、電磁クラッチの構成部品が実装された範囲内で規定するものとし、この長さLを用いて筒状軸5の軸方向の中心位置を規定するものとする。
このような位置関係で筒状軸5の回り止め部5Bを設けることにより、図3に示すように、筒状軸5に出力回転軸20を内挿した状態では、回転駆動力の入力が行われるクラッチギア10の嵌合部分の近傍で、筒状軸5から出力回転軸20への動力伝達が行われるようになる。より具体的に記述すると、出力回転軸20の軸方向の一部に断面D字形の軸形状をなす切欠軸部20Bを設け、筒状軸5に出力回転軸20を内挿したときに切欠軸部20Bを回り止め部5Bに嵌合させることにより、実際に電磁コイル3に通電して動力伝達を行った場合は、筒状軸5の回転方向に対して、筒状軸5の回り止め部5Bと出力回転軸20の切欠軸部20Bが互いに2点で接触し且つロックした状態となるため、クラッチギア10の取付位置の近傍で、筒状軸5から出力回転軸20への動力伝達が行われるようになる。
したがって、この電磁クラッチ1においては、クラッチギア10を用いた動力の入力と筒状軸5を用いた動力の出力が、筒状軸5の軸方向でほぼ同じ位置で行われることになる。そのため、筒状軸5に出力回転軸20を内挿したときに両者の嵌合状態に若干のガタがあっても、筒状軸5の回転中は、上記ロック状態のもとで径方向への筒状軸5の動きが抑制される。したがって、ギア同士の噛み合わせによる一方向の力(図10,図12に示す力F)がクラッチギア10から筒状軸5に作用しても、この力が作用する部分では、筒状軸5と出力回転軸20が常に接触(2点接触)し且つロックした状態に保持されるため、回転中に筒状軸5が瞬間的に大きく移動することがなくなる。そのため、電磁クラッチ1における異音の発生を有効に防止することができる。
図4は上記図3に示すように電磁クラッチ1に出力回転軸20を取り付けて、この出力回転軸20の両端を軸受け部材21,22で回転自在に支持し、この状態でクラッチギア10を回転させて動力伝達を行ったときに、筒状軸5の軸方向の一端側(動力の入出力側)と他端側で、それぞれ筒状軸5の径方向中心位置の移動軌跡をピックアップによる変位測定で調べた結果を示すものである。この調査結果から分かるように、図中(A)に示す筒状軸5の他端側と図中(B)に示す筒状軸5の一端側の双方で、いずれも筒状軸5の径方向中心位置が大きく移動することなく(つまり異音を発生することなく)安定した挙動を示し、特に、クラッチギア10が取り付けられる一端側(動力の入出力側)では筒状軸5の径方向中心位置の移動が非常に小さく抑えられている。
図5は本発明の第1実施形態に係る電磁クラッチに用いて好適な筒状軸5の構造例を示す斜視図である。この筒状軸5においては、その軸方向の一端側に回り止め部5Bが設けられている。筒状軸5の軸方向における回り止め部5Bの配置条件については、上記第1実施形態の場合と同様である。この回り止め部5Bの断面形状は内周側と外周側で異なるものとなっている。すなわち、回り止め部5Bの内周側断面形状は略D字形(非円形)となっているのに対し、回り止め部5Bの外周側断面形状は円形となっている。つまり、筒状軸5の外周面は、当該筒状軸5の軸方向で一様に径が等しい円形となっている。
このような構造の筒状軸5を用いた場合は、次のような効果が得られる。まず、電磁コイル3を非通電状態(ロータ7とアーマチュア9を離間させた状態)にしてクラッチギア10を回転させると、回転停止状態の筒状軸5に対してクラッチギア10が空回りする。このとき、筒状軸5の外周面に対してクラッチギア10の内周面が擦れ合うものの、筒状軸5の外周面が回り止め部5Bの形成部位を含めて一様に凹凸のない滑らかな曲面をなしているため、クラッチギア10の内周面が筒状軸5との摺動によって摩耗する度合いが非常に小さくなる。
図6は本発明の第1実施形態に係る電磁クラッチに用いて好適な筒状軸5の他の構造例を示す断面図である。この筒状軸5においては、上述したように筒状軸5の外周壁の一部をパンチング加工等により内側に凹ませた状態で回り止め部5Bを形成するにあたり、回り止め部5Bの外周側の縁部をR形状に形成したものとなっている。ここで記述するR形状とは丸みをつけた形状をいう。回り止め部5Bの縁部に適用するR形状は、筒状軸5の外周径を規定する輪郭部分からはみ出さないものとする。また、図示のように筒状軸5の円周方向(回転方向)に直交する向きの縁部に加えて、筒状軸5の円周方向に沿う向きの縁部(不図示)もR形状としてもよい。
このような構造の筒状軸5を用いた場合は、上述のように回転停止状態の筒状軸5に対してクラッチギア10が空回りしても、回り止め部5Bの外周側の縁部をR形状としておくことにより、筒状軸5との摺動によるクラッチギア10内周面の摩耗を効果的に抑えることができる。また、筒状軸5の軸方向の一部にパンチング加工等によって回り止め部5Bを容易に形成することができるため、筒状軸5を安価に製造することができる。
図7は本発明の第2実施形態に係る電磁クラッチの構成を示す断面図である。図示した電磁クラッチ1は、上記第1実施形態のクラッチ構成と比較して、筒状軸5の軸方向における回り止め部5Bの形成位置が異なり、それ以外の構成は同様のものとなっている。すなわち、この第2実施形態においては、筒状軸5の軸方向において、筒状軸5に対するクラッチギア10の取付幅(嵌合幅)W内に収まるように回り止め部5Bの凹み部分5Cを配置した構成となっている。ちなみに、上記第1実施形態においては、回り止め部5Bの凹み部分を、クラッチギア10の嵌合幅から一部はみ出した状態で配置した構成となっている。
この第2実施形態に係る電磁クラッチ1においては、上述のように回転停止状態の筒状軸5に対してクラッチギア10が空回りしたときに、回り止め部5Bの凹み部分5C全体をギア内周面で常に覆う状態でクラッチギア10が摺動・回転するため、クラッチギア10の端部が回り止め部5Bの凹み部分5Cに引っ掛かって摩耗することがない。
図8は本発明の第3実施形態に係る電磁クラッチの構成を示す断面図である。図示した電磁クラッチ1は、上記第1実施形態のクラッチ構成と比較して、筒状軸5の軸方向における回り止め部5Bの形成位置が異なり、それ以外の構成は同様のものとなっている。すなわち、この第3実施形態においては、筒状軸5の軸方向において、筒状軸5に対するクラッチギア10の取付幅(嵌合幅)W外に回り止め部5Bの凹み部分5Cを配置した構成となっている。より具体的に記述すると、筒状軸5と常に一体に回転する部材の取付範囲内で、且つ、クラッチギア10の取付位置(嵌合位置)に最も近い位置に、回り止め部5Bの凹み部分5Cを配置した構成となっている。
この場合、筒状軸5と常に一体に回転する部材とは、スリーブ6やロータ7などの回転部材をいう。また、そうした回転部材の取付範囲内で、且つ、クラッチギア10の取付位置に最も近い位置とは、筒状軸5と常に一体に回転する部材の一つであるロータ7と、クラッチをつないだときだけ筒状軸5と一体に回転する部材の一つであるブッシング11とが隣接する位置(両者の境界位置)に対して、凹み部分5Cの一方(クラッチギア10に近い側)の縁部が沿う位置をいう。
この第3実施形態に係る電磁クラッチ1においては、上述のように回転停止状態の筒状軸5に対してクラッチギア10が空回りしたときでも、クラッチギア10の取付幅Wを外れたところ回り止め部5Bの凹み部分5Cを配置しているため、筒状軸5とクラッチギア10との間で擦れが発生しない。そのため、筒状軸5との擦れによるクラッチギア10の摩耗を回避することができる。また、ロータ7とブッシング11との隣接位置に沿うように回り止め部5Bの凹み部分5Cを配置することにより、クラッチギア10だけでなく、クラッチギア10と一体に回転する他の部材(本例ではブッシング11)が回り止め部5Bの凹み部分5Cに引っ掛かって摩耗することもない。
ちなみに、上記第3実施形態のように、筒状軸5の回り止め部5Bをクラッチギア10の取付位置から軸方向にずらして配置すると、クラッチギア10からの動力伝達により筒状軸5を回転させたときに、筒状軸5の瞬間移動を抑制する力が若干弱まるものの、上記第1実施形態で記述したように筒状軸5の中心位置よりもクラッチギア10寄りの位置に回り止め部5Bを配置すれば、従来の電磁クラッチ(図9参照)に比較して、回転駆動力の入力と出力が軸方向でより近い位置で行われ、これによって径方向への筒状軸5の動きが規制されるため、異音の発生に関しては十分な防止効果が得られる。
本発明の第1実施形態に係る電磁クラッチの構成を示す断面図である。 本発明の第1実施形態に係る電磁クラッチで用いた筒状軸の構造を示す図である。 本発明の第1実施形態に係る電磁クラッチに出力回転軸を取り付けて動作させたときの状態を示す図である。 本発明の第1実施形態に係る電磁クラッチで筒状軸の径方向中心位置の移動軌跡を測定した結果を示す図である。 本発明の第1実施形態に係る電磁クラッチに用いて好適な筒状軸5の構造例を示す斜視図である。 本発明の第1実施形態に係る電磁クラッチに用いて好適な筒状軸5の他の構造例を示す断面図である。 本発明の第2実施形態に係る電磁クラッチの構成を示す断面図である。 本発明の第3実施形態に係る電磁クラッチの構成を示す断面図である。 従来の電磁クラッチの構成例を示す断面図である。 従来の電磁クラッチに出力回転軸を取り付けて動作させたときの状態を示す図である。 従来の電磁クラッチで筒状軸の径方向中心位置の移動軌跡を測定した結果を示す図である。 回転角度の違いによる筒状軸の動きを説明する図である。
符号の説明
1…電磁クラッチ、2…電磁コイル、5…筒状軸、5A,5B…回り止め部、5C…凹み部分、7…ロータ、8…弾性部材、9…アーマチュア、10…クラッチギア、20…出力回転軸、20A,20B…切欠軸部

Claims (6)

  1. 動力伝達の出力対象となる出力回転軸を内挿可能であるとともに、当該内挿状態で前記出力回転軸に回転力を伝達するための回り止め部を有する筒状軸と、
    前記筒状軸の外周側でかつ当該筒状軸の軸方向の一端側に回転自在に取り付けられた回転駆動入力部材とを備え、
    前記筒状軸の軸方向において、当該筒状軸の中心位置よりも前記回転駆動入力部材寄りの位置に前記回り止め部を設けてなる
    ことを特徴とする電磁クラッチ。
  2. 前記回り止め部の内周側断面形状を非円形、外周側断面形状を円形としてなる
    ことを特徴とする請求項1記載の電磁クラッチ。
  3. 前記筒状軸の外周壁の一部を内側に凹ませた状態で前記回り止め部を形成するとともに、前記回り止め部の外周側の縁部をR形状に形成してなる
    ことを特徴とする請求項1記載の電磁クラッチ。
  4. 前記筒状軸の外周壁の一部を内側に凹ませた状態で前記回り止め部を形成するとともに、前記筒状軸に対する前記回転駆動入力部材の取付幅内に前記回り止め部の凹み部分を配置してなる
    ことを特徴とする請求項1記載の電磁クラッチ。
  5. 前記筒状軸の外周壁の一部を内側に凹ませた状態で前記回り止め部を形成するとともに、前記筒状軸に対する前記回転駆動入力部材の取付幅外に前記回り止め部の凹み部分を配置してなる
    ことを特徴とする請求項1記載の電磁クラッチ。
  6. 前記筒状軸と常に一体に回転する部材の取付範囲内で、且つ、前記回転駆動入力部材の取付位置に最も近い位置に、前記回り止め部の凹み部分を配置してなる
    ことを特徴とする請求項5記載の電磁クラッチ。
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