JP2006152834A - 始動燃料供給装置付きガソリンエンジン及びその組立方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 構造が簡単かつ部品点数が低減されて低コスト化されるとともに、小さい作動抵抗で以って作動精度が向上せしめられた始動燃料供給装置付きガソリンエンジンを提供する。
【解決手段】 始動時に気化器の吸気通路に始動用燃料を供給して低温始動性を向上したガソリンエンジンにおいて、始動用燃料を吸気通路に供給する始動用燃料通路を設けるとともに、該始動用燃料通路の吸気通路への開口部を開閉する開閉弁を備えて、エンジンの吸気通路の吸気負圧が一定値以下のとき開閉弁の開弁により始動用燃料通路内の始動用燃料を吸気通路に供給可能とし、吸気負圧が一定値を超えたとき開閉弁の閉弁により始動用燃料通路と吸気通路とを遮断せしめる始動燃料供給装置を有してなることを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】 始動時に気化器の吸気通路に始動用燃料を供給して低温始動性を向上したガソリンエンジンにおいて、始動用燃料を吸気通路に供給する始動用燃料通路を設けるとともに、該始動用燃料通路の吸気通路への開口部を開閉する開閉弁を備えて、エンジンの吸気通路の吸気負圧が一定値以下のとき開閉弁の開弁により始動用燃料通路内の始動用燃料を吸気通路に供給可能とし、吸気負圧が一定値を超えたとき開閉弁の閉弁により始動用燃料通路と吸気通路とを遮断せしめる始動燃料供給装置を有してなることを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
本発明は、気化器付き汎用ガソリンエンジンに適用され、始動時に気化器の吸気通路に始動用燃料を供給して低温始動性を向上した始動燃料供給装置付きガソリンエンジン及びその組立方法に関する。
図11は、汎用ガソリンエンジンに用いられる気化器の要部断面図である。図において、1は気化器本体、6は該気化器本体1の下部に形成された燃料室、5は該燃料室6内に浮設されたフロート、13は前記気化器本体1の上部に形成された吸気通路である。
3はベンチュリー、2は該ベンチュリー3の上流の空気通路を絞るチョーク弁、8は前記吸気通路13に設置されてエンジンへの吸気量を制御するスロットル弁、9は前記ベンチュリー3に開口するメインノズル、7は前記燃料室6とメインノズル9との間に設けられたメインジェット、11はフロート室固定ボルトである。
かかるガソリンエンジンにおいては、常温以下の低温時には前記チョーク弁2を絞って、前記メインジェット7からメインノズル9を通してベンチュリー3に噴出される燃料と、チョーク弁2を通ってくる空気との割合を燃料リッチの状態にして、リコイルスタータによる手動起動でエンジンを始動している。
3はベンチュリー、2は該ベンチュリー3の上流の空気通路を絞るチョーク弁、8は前記吸気通路13に設置されてエンジンへの吸気量を制御するスロットル弁、9は前記ベンチュリー3に開口するメインノズル、7は前記燃料室6とメインノズル9との間に設けられたメインジェット、11はフロート室固定ボルトである。
かかるガソリンエンジンにおいては、常温以下の低温時には前記チョーク弁2を絞って、前記メインジェット7からメインノズル9を通してベンチュリー3に噴出される燃料と、チョーク弁2を通ってくる空気との割合を燃料リッチの状態にして、リコイルスタータによる手動起動でエンジンを始動している。
かかる汎用ガソリンエンジンにおいて、始動時にチョーク弁を操作することなく燃料を増量してリコイルスタータによる手動起動を行い、エンジン回転数が一定回転数を超えると自動的に燃料増量状態から通常の燃料量に戻すようにした手段の一つに、特許文献1(特開平9−242612号公報)の技術がある。
かかる技術においては、気化器に設けたアクチュエータと始動燃料供給手段とをリンク機構で連結し、エンジンの始動時には吸気圧力によって前記アクチュエータを動作させるとともに、該アクチュエータにより前記リンク機構を介して前記始動燃料供給手段を動作させ、該始動燃料供給手段から始動燃料を所定の供給時間だけ吸気系に供給するように構成している。
かかる技術においては、気化器に設けたアクチュエータと始動燃料供給手段とをリンク機構で連結し、エンジンの始動時には吸気圧力によって前記アクチュエータを動作させるとともに、該アクチュエータにより前記リンク機構を介して前記始動燃料供給手段を動作させ、該始動燃料供給手段から始動燃料を所定の供給時間だけ吸気系に供給するように構成している。
図15には、図11に示す従来の汎用ガソリンエンジンにおける、エンジン温度とリコイルスタータによる始動回数及びチョーク持続時間との関係についての実験結果が示されている。図において、Aはチョーク状態(チョーク弁(2)を作動させた状態)の始動回数、Bはノーチョーク状態(チョーク弁(2)を開いた状態)の始動回数、Cはチョーク持続時間を示す。
図のように、エンジン温度が10℃以下の低温時には、Bに示すノーチョーク状態では始動回数及びCに示すチョーク持続時間Cが増大し、チョーク状態での始動が必須となる。
またチョーク状態での始動においては、エンジン温度0℃以上では1回始動であるが、エンジン温度が30℃を超えると燃料過濃となってエンジンが停止するので、チョーク弁(2)を開いて再度始動することを要する。
図のように、エンジン温度が10℃以下の低温時には、Bに示すノーチョーク状態では始動回数及びCに示すチョーク持続時間Cが増大し、チョーク状態での始動が必須となる。
またチョーク状態での始動においては、エンジン温度0℃以上では1回始動であるが、エンジン温度が30℃を超えると燃料過濃となってエンジンが停止するので、チョーク弁(2)を開いて再度始動することを要する。
然るに、前記特許文献1(特開平9−242612号公報)の技術においては、エンジンの始動時に吸気圧力によって気化器に設けたアクチュエータを動作させるとともに、該アクチュエータによりリンク機構を介して始動燃料供給手段を動作させ、該始動燃料供給手段から始動燃料を所定の供給時間だけ吸気系に供給するように構成しているため、エンジン温度の低温時に始動燃料を増量し、始動時以外には自動的に燃料増量状態から通常運転の燃料量に戻されるので、前記のような問題は解消される。
しかしながら、特許文献1の技術にあっては、気化器に設けたアクチュエータと始動燃料供給手段とを連結するリンク機構の構造が複雑で部品点数も多くコスト高となる。また、リンク機構の途中にカム山によるスライド、係止機能部分等があるため、作動が不確実になり易く、かつ作動時におけるリンク機構の摩擦抵抗が大きい。
等の問題点を有している。
しかしながら、特許文献1の技術にあっては、気化器に設けたアクチュエータと始動燃料供給手段とを連結するリンク機構の構造が複雑で部品点数も多くコスト高となる。また、リンク機構の途中にカム山によるスライド、係止機能部分等があるため、作動が不確実になり易く、かつ作動時におけるリンク機構の摩擦抵抗が大きい。
等の問題点を有している。
本発明はかかる従来技術の課題に鑑み、構造が簡単かつ部品点数が低減されて低コスト化されるとともに、小さい作動抵抗で以って作動精度が向上せしめられた始動燃料供給装置付きガソリンエンジンを提供することを目的とする。
本発明はかかる目的を達成するもので、始動時に気化器の吸気通路に始動用燃料を供給して低温始動性を向上したガソリンエンジンにおいて、前記気化器の燃料室と前記吸気通路とを接続して前記始動用燃料を前記吸気通路に供給する始動用燃料通路を設けるとともに、該始動用燃料通路の前記吸気通路への開口部を開閉する開閉弁を備えて、前記エンジンの始動時を含む前記吸気通路の吸気負圧が一定値以下のとき前記開閉弁の開弁により前記始動用燃料通路内の始動用燃料を前記吸気通路に供給可能とし、前記吸気負圧が前記一定値を超えたとき前記開閉弁の閉弁により前記始動用燃料通路と吸気通路とを遮断せしめる始動燃料供給装置を有してなることを特徴とする。
かかる発明において、前記始動燃料供給装置を、具体的には次のように構成する。
(1)前記始動燃料供給装置は、前記開閉弁を、前記吸気負圧により変形可能な薄膜状の可撓性材料からなり該吸気負圧の変化により前記始動用燃料通路の前記吸気通路への開口部を開閉するダイヤフラム弁で構成される。
(2)前記始動燃料供給装置は、前記開閉弁を、前記吸気負圧により弾性変形可能な薄板材を片持支持してなり該吸気負圧の変化により前記始動用燃料通路の前記吸気通路への開口部を開閉するリーフ弁で構成される。
(3)前記始動燃料供給装置は、前記開閉弁を薄板材からなる板弁で構成するとともに、該板弁の開弁方向に付勢され前記吸気負圧が一定値以下のとき付勢力により前記板弁を開弁せしめ前記吸気負圧が前記一定値を超えたとき該吸気負圧により収縮して前記板弁を閉弁せしめるばねを備える。
(1)前記始動燃料供給装置は、前記開閉弁を、前記吸気負圧により変形可能な薄膜状の可撓性材料からなり該吸気負圧の変化により前記始動用燃料通路の前記吸気通路への開口部を開閉するダイヤフラム弁で構成される。
(2)前記始動燃料供給装置は、前記開閉弁を、前記吸気負圧により弾性変形可能な薄板材を片持支持してなり該吸気負圧の変化により前記始動用燃料通路の前記吸気通路への開口部を開閉するリーフ弁で構成される。
(3)前記始動燃料供給装置は、前記開閉弁を薄板材からなる板弁で構成するとともに、該板弁の開弁方向に付勢され前記吸気負圧が一定値以下のとき付勢力により前記板弁を開弁せしめ前記吸気負圧が前記一定値を超えたとき該吸気負圧により収縮して前記板弁を閉弁せしめるばねを備える。
かかる発明によれば、気化器の燃料室に接続される始動用燃料通路の吸気通路への開口部を吸気負圧の大きさによって開閉する開閉弁を備えた始動燃料供給装置の作動により、始動時を含む吸気負圧が一定値以下のとき前記開閉弁が開弁して始動用燃料通路から吸気通路に始動用燃料を供給するので、低温時においても、従来技術のようにチョーク弁を操作することなく、リコイルスタータによる1回の始動操作での始動が可能となって低温時の始動性が向上する。
また吸気負圧が前記一定値を超えると、吸気負圧により作動する前記始動燃料供給装置の開閉弁が閉弁して前記始動用燃料通路と吸気通路とを遮断するので、前記始動時の燃料増量状態から通常運転の燃料量に戻され、前記始動燃料供給装置の作動に伴う燃料過濃の発生が回避される。
また吸気負圧が前記一定値を超えると、吸気負圧により作動する前記始動燃料供給装置の開閉弁が閉弁して前記始動用燃料通路と吸気通路とを遮断するので、前記始動時の燃料増量状態から通常運転の燃料量に戻され、前記始動燃料供給装置の作動に伴う燃料過濃の発生が回避される。
そして、かかる発明によれば、前記始動燃料供給装置を、前記(1)の吸気負圧により変形可能な薄膜状の可撓性材料からなるダイヤフラム弁、あるいは前記(2)の吸気負圧により弾性変形可能な薄板材を片持支持してなるリーフ弁、あるいは前記(3)の薄板材からなる板弁で構成された開閉弁及び吸気負圧との共働によって該板弁の開閉を行うばね、というきわめて簡単な構造で構成したので、前記特許文献1(特開平9−242612号公報)のような従来技術に比べて、構造が簡単化されて部品点数が少なく低コストの装置で以って、前記のような低温時の始動性向上と通常運転時の燃料過濃の防止とを実現できる。
また、かかる発明によれば、前記始動燃料供給装置を、前記(1)のダイヤフラム弁、あるいは前記(2)のリーフ弁、あるいは前記(3)の板弁及びばねで構成したので、前記特許文献1のようなスライド、係止機能部分を有するリンク機構がなく、かかる従来技術に比べて作動抵抗が小さく始動燃料供給手段の作動精度が向上する。
また、かかる発明によれば、前記始動燃料供給装置を、前記(1)のダイヤフラム弁、あるいは前記(2)のリーフ弁、あるいは前記(3)の板弁及びばねで構成したので、前記特許文献1のようなスライド、係止機能部分を有するリンク機構がなく、かかる従来技術に比べて作動抵抗が小さく始動燃料供給手段の作動精度が向上する。
かかる発明において好ましくは、前記始動燃料供給装置は、気化器出口の吸気通路を形成するインシュレータに装着されてなる。
このように構成すれば、気化器本体に着脱可能なインシュレータに前記始動燃料供給装置を組み込むので、始動燃料供給装置を既存の気化器に組み付ける際にはインシュレータのみを交換すればよく、該始動燃料供給装置の組立、分解が簡単化され、組立作業性及びメインテナンス性が良好となる。
このように構成すれば、気化器本体に着脱可能なインシュレータに前記始動燃料供給装置を組み込むので、始動燃料供給装置を既存の気化器に組み付ける際にはインシュレータのみを交換すればよく、該始動燃料供給装置の組立、分解が簡単化され、組立作業性及びメインテナンス性が良好となる。
また、かかる発明において好ましくは、前記始動燃料供給装置は、気化器本体内に設けられてなる。
このように構成すれば、気化器本体内に始動燃料供給装置を組み込むので、装置がコンパクトになるとともに、燃料洩れの発生懸念も少なくなる。
このように構成すれば、気化器本体内に始動燃料供給装置を組み込むので、装置がコンパクトになるとともに、燃料洩れの発生懸念も少なくなる。
また本発明は、前記ガソリンエンジンにおいて、前記始動用燃料通路は、前記気化器本体の下部に装着されたコネクタと、前記開閉弁と前記コネクタとを接続する燃料管とによりなり、前記気化器のメインノズルへの燃料通路内の燃料を前記コネクタ及び燃料管を通して前記開閉弁に導くように構成されてなる。
また、前記始動用燃料通路を含む始動燃料供給装置の組立方法として、気化器出口の吸気通路を形成するインシュレータに、始動用燃料を前記吸気通路に供給するための始動用燃料通路の前記吸気通路への開口部を開閉する開閉弁を組み付け、前記気化器本体の下部に装着されたフロート室固定ボルトを取り外して燃料管を接続可能なコネクタを組み付け、次いで前記インシュレータの開閉弁入口端と前記コネクタとを燃料管で接続することを特徴とする組立方法を提案する。
また、前記始動用燃料通路を含む始動燃料供給装置の組立方法として、気化器出口の吸気通路を形成するインシュレータに、始動用燃料を前記吸気通路に供給するための始動用燃料通路の前記吸気通路への開口部を開閉する開閉弁を組み付け、前記気化器本体の下部に装着されたフロート室固定ボルトを取り外して燃料管を接続可能なコネクタを組み付け、次いで前記インシュレータの開閉弁入口端と前記コネクタとを燃料管で接続することを特徴とする組立方法を提案する。
かかる発明によれば、気化器本体の下部に装着されたフロート室固定ボルトを取り外してコネクタを組み付け、該コネクタとインシュレータに組み付けた始動燃料供給装置とを
燃料管で接続するので、既存の気化器に対しても、フロート室固定ボルトと燃料管接続用のコネクタとを組み替え、始動燃料供給装置を組み付けたインシュレータを交換すればよく、気化器のセッティングを変えることなく始動燃料供給手段の交換を簡単に行うことができる。
燃料管で接続するので、既存の気化器に対しても、フロート室固定ボルトと燃料管接続用のコネクタとを組み替え、始動燃料供給装置を組み付けたインシュレータを交換すればよく、気化器のセッティングを変えることなく始動燃料供給手段の交換を簡単に行うことができる。
また本発明は、前記ガソリンエンジンにおいて、前記始動用燃料通路は、前記気化器本体の下部に設けられているドレン孔に装着されたコネクタと、前記開閉弁と前記コネクタとを接続する燃料管とによりなり、前記気化器の燃料室内の燃料を前記ドレン孔、前記コネクタ及び前記燃料管を通して前記開閉弁に導くように構成されてなる。
また、前記始動用燃料通路を含む始動燃料供給装置の組立方法として、気化器出口の吸気通路を形成するインシュレータに、始動用燃料を前記吸気通路に供給するための始動用燃料通路の前記吸気通路への開口部を開閉する開閉弁を組み付け、前記気化器本体の下部に装着されたドレン孔に燃料管の一端を接続し、該燃料管の他端を前記インシュレータの開閉弁入口端に接続することを特徴とする組立方法を提案する。
また、前記始動用燃料通路を含む始動燃料供給装置の組立方法として、気化器出口の吸気通路を形成するインシュレータに、始動用燃料を前記吸気通路に供給するための始動用燃料通路の前記吸気通路への開口部を開閉する開閉弁を組み付け、前記気化器本体の下部に装着されたドレン孔に燃料管の一端を接続し、該燃料管の他端を前記インシュレータの開閉弁入口端に接続することを特徴とする組立方法を提案する。
かかる発明によれば、気化器本体の下部に装着されたドレンプラグを取り外してコネクタを組み付け、該コネクタあるいはドレン孔用のボスとインシュレータに組み付けた始動燃料供給装置とを燃料管で接続するので、既存の気化器に対しても、既に気化器に設けられているドレン孔を利用して燃料管接続用のコネクタを組み付け可能となる上に、始動燃料供給装置を組み付けたインシュレータを交換することにより、前記発明よりもさらに簡単に、かつ気化器のセッティングを変えることなく始動燃料供給手段の交換を行うことができる。
本発明によれば、始動燃料供給装置の開閉弁により、始動時を含む吸気負圧が一定値以下のとき始動用燃料通路の吸気通路への開口部を吸気通路に始動用燃料を供給し、吸気負圧が前記一定値を超えると前記始動用燃料通路と吸気通路とを遮断するので、低温時においても、チョーク弁を操作することなく、リコイルスタータによる1回の始動操作での始動が可能となって低温時の始動性が向上するとともに、通常運転時には始動時の燃料増量状態から自動的に通常運転の燃料量に戻されることにより始動燃料供給装置の作動に伴う燃料過濃の発生を回避できる。
そして、本発明によれば、前記始動燃料供給装置を、吸気負圧により変形可能な薄膜状の可撓性材料からなるダイヤフラム弁、あるいは吸気負圧により弾性変形可能な薄板材を片持支持してなるリーフ弁、あるいは薄板材からなる板弁で構成された開閉弁及び吸気負圧との共働によって該板弁の開閉を行うばね、というきわめて簡単な構造で構成したので、従来技術に比べて、構造が簡単化されて部品点数が少なく低コストの装置で以って、前記のような低温時の始動性向上と通常運転時の燃料過濃の防止とを実現できる。
さらには、前記始動燃料供給装置を、前記ダイヤフラム弁、あるいは前記リーフ弁、あるいは板弁及びばねで構成したので、スライド、係止機能部分を有するリンク機構がなく、作動抵抗が小さく始動燃料供給手段の作動精度を向上できる。
そして、本発明によれば、前記始動燃料供給装置を、吸気負圧により変形可能な薄膜状の可撓性材料からなるダイヤフラム弁、あるいは吸気負圧により弾性変形可能な薄板材を片持支持してなるリーフ弁、あるいは薄板材からなる板弁で構成された開閉弁及び吸気負圧との共働によって該板弁の開閉を行うばね、というきわめて簡単な構造で構成したので、従来技術に比べて、構造が簡単化されて部品点数が少なく低コストの装置で以って、前記のような低温時の始動性向上と通常運転時の燃料過濃の防止とを実現できる。
さらには、前記始動燃料供給装置を、前記ダイヤフラム弁、あるいは前記リーフ弁、あるいは板弁及びばねで構成したので、スライド、係止機能部分を有するリンク機構がなく、作動抵抗が小さく始動燃料供給手段の作動精度を向上できる。
また本発明によれば、気化器本体の下部に装着されたフロート室固定ボルトを取り外してコネクタを組み付け、あるいは既に気化器に設けられているドレン孔を利用して燃料管接続用のコネクタを組み付け、該コネクタとインシュレータに組み付けた始動燃料供給装置とを燃料管で接続することが可能となり、既存の気化器に対しても、フロート室固定ボルトを前記コネクタに組み替えあるいは既存のドレン孔を利用して前記コネクタを組み付け、始動燃料供給装置を組み付けたインシュレータを交換すればよく、気化器のセッティングを変えることなく始動燃料供給手段の交換を簡単に行うことができる。
以下、本発明を図に示した実施例を用いて詳細に説明する。但し、この実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは特に特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
図1は本発明の第1実施例に係る汎用ガソリンエンジン用気化器100の要部断面図である。
図において、1は気化器本体、6は該気化器本体1の下部に形成された燃料室、5は該燃料室6内に浮設されたフロートである。13は前記気化器本体1の上部に形成された吸気通路である。12は前記気化器本体1にボルト12a(図2参照)により固定されたインシュレータで、該インシュレータ12内に前記吸気通路13の下流部(エンジン側)が形成されている。3は前記吸気通路13に形成されたベンチュリー、2は該ベンチュリー3の上流の空気通路を絞るチョーク弁、8は前記吸気通路13に設置されてエンジンへの吸気量を制御するスロットル弁、9は前記ベンチュリー3に開口するメインノズル、7は前記燃料室6とメインノズル9との間に設けられたメインジェットである。
図において、1は気化器本体、6は該気化器本体1の下部に形成された燃料室、5は該燃料室6内に浮設されたフロートである。13は前記気化器本体1の上部に形成された吸気通路である。12は前記気化器本体1にボルト12a(図2参照)により固定されたインシュレータで、該インシュレータ12内に前記吸気通路13の下流部(エンジン側)が形成されている。3は前記吸気通路13に形成されたベンチュリー、2は該ベンチュリー3の上流の空気通路を絞るチョーク弁、8は前記吸気通路13に設置されてエンジンへの吸気量を制御するスロットル弁、9は前記ベンチュリー3に開口するメインノズル、7は前記燃料室6とメインノズル9との間に設けられたメインジェットである。
以上の基本構成は図11に示す従来の気化器と同様である。
21は燃料入口が前記気化器の燃料室6に開口された始動用燃料通路で、後述する始動燃料供給装置20側の始動燃料溜め26a(図2参照)に接続されている。22は該始動用燃料通路21の入口近傍に配置された始動ジェットである。
20は始動燃料供給装置で、次のように構成されている。
21は燃料入口が前記気化器の燃料室6に開口された始動用燃料通路で、後述する始動燃料供給装置20側の始動燃料溜め26a(図2参照)に接続されている。22は該始動用燃料通路21の入口近傍に配置された始動ジェットである。
20は始動燃料供給装置で、次のように構成されている。
図2は該始動燃料供給装置の詳細を示す図1のA−A矢視図であり、図において、13は前記インシュレータ12内に形成された吸気通路、12aは該インシュレータ12を前記気化器本体1に締着するためのボルトである。
26は前記吸気通路13に開口する始動ノズル、26aは前記始動用燃料通路21に接続される始動燃料溜めで、前記始動用燃料通路21を通して前記燃料室6内の燃料(始動用燃料)が供給されている。
23はダイヤフラムで、前記吸気通路13の吸気負圧により変形可能な薄膜状の可撓性材料からなり、該吸気負圧の変化により変形して前記始動燃料溜め26aと始動ノズル26との間を開閉するものである。24は該ダイヤフラム23のカバーで、図示しないボルトによって前記インシュレータ12の下面に固定されて、前記ダイヤフラム23の外周部を固定支持している。
26は前記吸気通路13に開口する始動ノズル、26aは前記始動用燃料通路21に接続される始動燃料溜めで、前記始動用燃料通路21を通して前記燃料室6内の燃料(始動用燃料)が供給されている。
23はダイヤフラムで、前記吸気通路13の吸気負圧により変形可能な薄膜状の可撓性材料からなり、該吸気負圧の変化により変形して前記始動燃料溜め26aと始動ノズル26との間を開閉するものである。24は該ダイヤフラム23のカバーで、図示しないボルトによって前記インシュレータ12の下面に固定されて、前記ダイヤフラム23の外周部を固定支持している。
25は前記ダイヤフラム23の戻し用のばねで、前記ダイヤフラム23は、前記始動ノズル26を通して作用する前記吸気通路13内の吸気負圧と前記ばね25のばね力との差によって前記始動ノズル26つまり吸気通路13と始動燃料溜め26aとの間を開閉するようになっている。27は前記ダイヤフラム23が着座するシート部である。
即ち、該ダイヤフラム23は前記吸気負圧が一定値以下つまり前記ばね25のばね力以下のときは、図2のように該ばね力によって前記カバー24側に押し下げられて開弁し、前記始動燃料溜め26aと始動ノズル26及び吸気通路13とを連通せしめる。
また、前記吸気負圧が前記一定値を超えたときつまり前記ばね力を超えたときには、該ダイヤフラム23は吸気負圧によって吸引されて前記シート部27に着座し、前記始動燃料溜め26aと始動ノズル26及び吸気通路13との連通を遮断する。
即ち、該ダイヤフラム23は前記吸気負圧が一定値以下つまり前記ばね25のばね力以下のときは、図2のように該ばね力によって前記カバー24側に押し下げられて開弁し、前記始動燃料溜め26aと始動ノズル26及び吸気通路13とを連通せしめる。
また、前記吸気負圧が前記一定値を超えたときつまり前記ばね力を超えたときには、該ダイヤフラム23は吸気負圧によって吸引されて前記シート部27に着座し、前記始動燃料溜め26aと始動ノズル26及び吸気通路13との連通を遮断する。
かかる第1実施例において、エンジンの始動時においては、吸気負圧が前記ばね25のばね力以下であるため、前記ダイヤフラム23は図2のように該ばね力によって前記カバー24側に押し下げられて開弁し、前記始動燃料溜め26aと始動ノズル26及び吸気通路13とが連通される。該ダイヤフラム23の開弁によって、前記燃料室6内の燃料(始動用燃料)が始動ジェット22から始動用燃料通路21、始動燃料溜め26aを経てダイヤフラム23を通り、始動ノズル26から吸気通路13内に噴出される。かかる吸気通路13内への始動用燃料の供給により、低温時においても、従来技術のようにチョーク弁を操作することなく、リコイルスタータによる1回の始動操作での始動が可能となって低温時の始動性が向上する。
図12はエンジン温度と始動回数とを比較した実験値である。図のように、本発明の装置Aは従来技術Bよりもエンジン温度の低温時に始動性が著しく改善されている。
図12はエンジン温度と始動回数とを比較した実験値である。図のように、本発明の装置Aは従来技術Bよりもエンジン温度の低温時に始動性が著しく改善されている。
エンジンの始動後、エンジン出力及びエンジン回転数の増大によって図13のように吸気負圧の平均値が大きくなり、図14のように吸入行程で吸気負圧が増加すると該吸気負圧が前記ばね力を超え、該ダイヤフラム23は吸気負圧によって吸引されて前記シート部27に着座し、かかるダイヤフラム23の閉弁によって前記始動燃料溜め26aと始動ノズル26及び吸気通路13との連通が遮断され、前記吸気通路13への始動用燃料の供給つまり始動時の燃料増量が遮断される。
従って、エンジンは前記始動時の燃料増量状態から通常運転の燃料量に戻され、前記始動燃料供給装置20の作動に伴う燃料過濃の発生が回避される。
また、かかる実施例によれば、前記始動燃料供給装置20を、吸気負圧により変形可能な薄膜状の可撓性材料からなるダイヤフラム23とばね25とを組み合わせるというきわめて簡単な構造で構成でき、部品点数が少なく低コストの装置となる。
従って、エンジンは前記始動時の燃料増量状態から通常運転の燃料量に戻され、前記始動燃料供給装置20の作動に伴う燃料過濃の発生が回避される。
また、かかる実施例によれば、前記始動燃料供給装置20を、吸気負圧により変形可能な薄膜状の可撓性材料からなるダイヤフラム23とばね25とを組み合わせるというきわめて簡単な構造で構成でき、部品点数が少なく低コストの装置となる。
また前記のように、始動燃料供給装置20をダイヤフラム23とばね25との組み合わせで構成したので、従来技術のようなスライド、係止機能部分を有するリンク機構がなくなり、かかる従来技術に比べて作動抵抗が小さく始動燃料供給手段の作動精度が向上する。
さらには、気化器本体1に着脱可能なインシュレータ12に前記始動燃料供給装置20を組み込むので、該始動燃料供給装置20を既存の気化器に組み付ける際にはインシュレータ12のみを交換すればよく、該始動燃料供給装置20の組立、分解が簡単化され、組立作業性及びメインテナンス性が良好となる。
さらには、気化器本体1に着脱可能なインシュレータ12に前記始動燃料供給装置20を組み込むので、該始動燃料供給装置20を既存の気化器に組み付ける際にはインシュレータ12のみを交換すればよく、該始動燃料供給装置20の組立、分解が簡単化され、組立作業性及びメインテナンス性が良好となる。
図3は本発明の第2実施例を示す図1対応図、図4は始動燃料供給装置の詳細を示す図2のB−B矢視図である。
かかる第2実施例においては、図4に示される前記始動燃料供給装置20を気化器本体1内に組み込んでいる。前記始動燃料供給装置20自体の構造は、図2に示す第1実施例と同様である。また、前記気化器本体1内における始動用燃料通路21及び該始動用燃料通路21に設置された始動ジェット22の構造及び配置も図1に示される第1実施例と同様である。
かかる第2実施例においては、気化器本体1内に始動燃料供給装置20を組み込むので、該始動燃料供給装置20周辺の装置がコンパクトになるとともに、燃料洩れの発生懸念も少なくなる。
その他の構成は前記第1実施例と同様であり、これと同一の部材は同一の符号で示す。
かかる第2実施例においては、図4に示される前記始動燃料供給装置20を気化器本体1内に組み込んでいる。前記始動燃料供給装置20自体の構造は、図2に示す第1実施例と同様である。また、前記気化器本体1内における始動用燃料通路21及び該始動用燃料通路21に設置された始動ジェット22の構造及び配置も図1に示される第1実施例と同様である。
かかる第2実施例においては、気化器本体1内に始動燃料供給装置20を組み込むので、該始動燃料供給装置20周辺の装置がコンパクトになるとともに、燃料洩れの発生懸念も少なくなる。
その他の構成は前記第1実施例と同様であり、これと同一の部材は同一の符号で示す。
図5は本発明の第3実施例を示し、(A)は図1対応図、(B)は(A)におけるZ部拡大図で弁開時、(C)はZ部拡大図で弁閉時を示す。
かかる第3実施例においては、前記始動燃料供給装置20を、リーフ弁で構成している。
即ち図5(A)、(B)、(C)において、前記始動燃料供給装置20は次のように構成されている。
31はリーフ弁で、前記吸気負圧により弾性変形可能な薄板材からなり、根元部を前記
インシュレータ12にボルト35により固定された片持支持にて該インシュレータ12に
装着されている。21は前記気化器内の燃料室6に連通される始動用燃料通路、33は前記リーフ弁31が臨みカバー33aにより区画形成された始動燃料溜め、32は該始動燃料溜め33から前記吸気通路13に開口される始動ノズルであり、前記リーフ弁31は該始動燃料溜め33と始動ノズル32との間を開閉するようになっている。
かかる第3実施例においては、前記始動燃料供給装置20を、リーフ弁で構成している。
即ち図5(A)、(B)、(C)において、前記始動燃料供給装置20は次のように構成されている。
31はリーフ弁で、前記吸気負圧により弾性変形可能な薄板材からなり、根元部を前記
インシュレータ12にボルト35により固定された片持支持にて該インシュレータ12に
装着されている。21は前記気化器内の燃料室6に連通される始動用燃料通路、33は前記リーフ弁31が臨みカバー33aにより区画形成された始動燃料溜め、32は該始動燃料溜め33から前記吸気通路13に開口される始動ノズルであり、前記リーフ弁31は該始動燃料溜め33と始動ノズル32との間を開閉するようになっている。
かかる第3実施例において、エンジンの始動時の吸気負圧がリーフ弁31のばね定数よりも小さいときには、図5(B)のように、前記リーフ弁31が開弁して前記始動ノズル32と始動燃料溜め33とが連通される。
これにより、前記燃料室6内の燃料(始動用燃料)が始動ジェット22から始動用燃料通路21、始動燃料溜め33を経てリーフ弁31を通り、始動ノズル32から吸気通路13内に噴出され、始動時における燃料の増量がなされ、低温時の始動性が向上する。
また、エンジン出力及びエンジン回転数の上昇により前記吸気負圧が前記リーフ弁31のばね定数を超えたときには、図5(C)のように、該リーフ弁31は吸気負圧によって吸引されて前記インシュレータ12のシート部34に着座し、前記始動燃料溜め33と始動ノズル32及び吸気通路13との連通を遮断する。
これにより、エンジンは前記始動時の燃料増量状態から通常運転の燃料量に戻され、前記始動燃料供給装置20の作動に伴う燃料過濃の発生が回避される。
これにより、前記燃料室6内の燃料(始動用燃料)が始動ジェット22から始動用燃料通路21、始動燃料溜め33を経てリーフ弁31を通り、始動ノズル32から吸気通路13内に噴出され、始動時における燃料の増量がなされ、低温時の始動性が向上する。
また、エンジン出力及びエンジン回転数の上昇により前記吸気負圧が前記リーフ弁31のばね定数を超えたときには、図5(C)のように、該リーフ弁31は吸気負圧によって吸引されて前記インシュレータ12のシート部34に着座し、前記始動燃料溜め33と始動ノズル32及び吸気通路13との連通を遮断する。
これにより、エンジンは前記始動時の燃料増量状態から通常運転の燃料量に戻され、前記始動燃料供給装置20の作動に伴う燃料過濃の発生が回避される。
図6は本発明の第4実施例を示す図5のZ部拡大対応図で、(A)は弁開時、(B)は弁閉時を示す。
かかる第4実施例においては、前記始動燃料供給装置20を、薄板材からなる板弁及びばねで構成している。
即ち図6(A)、(B)において、前記始動燃料供給装置20は次のように構成されている。
51は前記インシュレータ12内に往復動可能に嵌合された薄板材からなる板弁、53は該板弁51の開弁方向に付勢されたばねである。21は前記気化器内の燃料室6に連通される始動用燃料通路、54は前記板弁51が臨みカバー52aにより区画形成された始動燃料溜め、26は該始動燃料溜め54から前記吸気通路13に開口される始動ノズルであり、前記板弁51は該始動燃料溜め54と始動ノズル26との間を開閉するようになっている。52は前記カバー52aの上面に突設されたストッパーで、前記板弁51の全開位置を規制するものである。
かかる第4実施例においては、前記始動燃料供給装置20を、薄板材からなる板弁及びばねで構成している。
即ち図6(A)、(B)において、前記始動燃料供給装置20は次のように構成されている。
51は前記インシュレータ12内に往復動可能に嵌合された薄板材からなる板弁、53は該板弁51の開弁方向に付勢されたばねである。21は前記気化器内の燃料室6に連通される始動用燃料通路、54は前記板弁51が臨みカバー52aにより区画形成された始動燃料溜め、26は該始動燃料溜め54から前記吸気通路13に開口される始動ノズルであり、前記板弁51は該始動燃料溜め54と始動ノズル26との間を開閉するようになっている。52は前記カバー52aの上面に突設されたストッパーで、前記板弁51の全開位置を規制するものである。
かかる第4実施例において、エンジンの始動時の吸気負圧がばね53のばね力よりも小さいときには、図5(A)のように、前記ばね53によって板弁51がストッパー52に当たるまで押し下げられて開弁し、前記始動ノズル26と始動燃料溜め54とが連通される。
これにより、前記燃料室6内の燃料(始動用燃料)が始動ジェット22から始動用燃料通路21、始動燃料溜め54を経て板弁51を通り、始動ノズル26から吸気通路13内に噴出され、始動時における燃料の増量がなされ、低温時の始動性が向上する。
また、エンジン出力及びエンジン回転数の上昇により前記吸気負圧が前記ばね力よりも大きくなったときには、図5(B)のように、該板弁51は吸気負圧によって吸引されて前記インシュレータ12のシート部12aに着座し、前記始動燃料溜め54と始動ノズル26及び吸気通路13との連通を遮断する。
これにより、エンジンは前記始動時の燃料増量状態から通常運転の燃料量に戻され、前記始動燃料供給装置20の作動に伴う燃料過濃の発生が回避される。
これにより、前記燃料室6内の燃料(始動用燃料)が始動ジェット22から始動用燃料通路21、始動燃料溜め54を経て板弁51を通り、始動ノズル26から吸気通路13内に噴出され、始動時における燃料の増量がなされ、低温時の始動性が向上する。
また、エンジン出力及びエンジン回転数の上昇により前記吸気負圧が前記ばね力よりも大きくなったときには、図5(B)のように、該板弁51は吸気負圧によって吸引されて前記インシュレータ12のシート部12aに着座し、前記始動燃料溜め54と始動ノズル26及び吸気通路13との連通を遮断する。
これにより、エンジンは前記始動時の燃料増量状態から通常運転の燃料量に戻され、前記始動燃料供給装置20の作動に伴う燃料過濃の発生が回避される。
図7は本発明の第5実施例を示す図1対応図、図9は図7のB−B矢視図である。
かかる第5実施例においては、気化器出口の吸気通路13を形成するインシュレータ12に、始動用燃料を前記吸気通路13に供給するための始動用燃料通路21の前記吸気通路13への開口部即ち始動ノズル26を開閉する始動燃料供給装置20を組み付け、前記気化器本体1の下部に装着されたフロート室固定ボルト11(図11参照)を取り外してコネクタ46を組み付け、該コネクタ46と前記始動燃料供給装置20のコネクタ40とを燃料ホース44で接続している。
図9において、41は前記燃料ホース44と始動燃料供給装置20の始動燃料溜め26aとを接続する始動用燃料通路、43は該始動用燃料通路41の入口部に設置された始動ジェットである。
かかる第5実施例においては、前記始動燃料供給装置20への始動用燃料を前記気化器本体1の下部に組み替えられたコネクタ46及び燃料ホース44を通して供給する以外は、図1〜図2に示される第1実施例と同様であり、該第1実施例と同一の部材は同一の符号で示す。
かかる第5実施例においては、気化器出口の吸気通路13を形成するインシュレータ12に、始動用燃料を前記吸気通路13に供給するための始動用燃料通路21の前記吸気通路13への開口部即ち始動ノズル26を開閉する始動燃料供給装置20を組み付け、前記気化器本体1の下部に装着されたフロート室固定ボルト11(図11参照)を取り外してコネクタ46を組み付け、該コネクタ46と前記始動燃料供給装置20のコネクタ40とを燃料ホース44で接続している。
図9において、41は前記燃料ホース44と始動燃料供給装置20の始動燃料溜め26aとを接続する始動用燃料通路、43は該始動用燃料通路41の入口部に設置された始動ジェットである。
かかる第5実施例においては、前記始動燃料供給装置20への始動用燃料を前記気化器本体1の下部に組み替えられたコネクタ46及び燃料ホース44を通して供給する以外は、図1〜図2に示される第1実施例と同様であり、該第1実施例と同一の部材は同一の符号で示す。
かかる第5実施例によれば、気化器本体1の下部に装着されたフロート室固定ボルト11を取り外してコネクタ46を組み付け、該コネクタ46とインシュレータ12に組み付けた始動燃料供給装置20とを燃料ホース44で接続するので、既存の気化器に対しても、フロート室固定ボルト11と燃料ホース44接続用のコネクタ40とを組み替え、始動燃料供給装置20を組み付けたインシュレータ12を交換すればよく、気化器のセッティングを変えることなく始動燃料供給手段の交換を簡単に行うことができる。
図8は本発明の第6実施例を示し、(A)は図1対応図、(B)は燃料管接続部の第2例を示すドレン孔近傍((A)のY部)の要部断面図である。また図9は図8のC−C矢視図である。
かかる第6実施例においては、気化器出口の吸気通路13を形成するインシュレータ12に、始動用燃料を前記吸気通路13に供給するための始動用燃料通路21の前記吸気通路13への開口部即ち始動ノズル26を開閉する始動燃料供給装置20を組み付け、前記気化器本体1の下部に設けられたドレン孔47aを有するドレンボス47と前記始動燃料供給装置20のコネクタ40とを燃料ホース44で接続している。
また、図8(B)のように、前記ドレンボス47の代わりにドレンプラグが装着されている場合は、該ドレンプラグ取り外して、始動用燃料通路61を有し前記燃料ホース44に接続可能なコネクタ60を組み込み、該コネクタ60に燃料ホース44を接続する。
前記始動燃料供給装置20は図9に示す前記第5実施例の始動燃料供給装置と同様である。
その他の構成は図7に示す第6実施例と同様でありこれと同一の部材は同一の符号で示す。
かかる第6実施例においては、気化器出口の吸気通路13を形成するインシュレータ12に、始動用燃料を前記吸気通路13に供給するための始動用燃料通路21の前記吸気通路13への開口部即ち始動ノズル26を開閉する始動燃料供給装置20を組み付け、前記気化器本体1の下部に設けられたドレン孔47aを有するドレンボス47と前記始動燃料供給装置20のコネクタ40とを燃料ホース44で接続している。
また、図8(B)のように、前記ドレンボス47の代わりにドレンプラグが装着されている場合は、該ドレンプラグ取り外して、始動用燃料通路61を有し前記燃料ホース44に接続可能なコネクタ60を組み込み、該コネクタ60に燃料ホース44を接続する。
前記始動燃料供給装置20は図9に示す前記第5実施例の始動燃料供給装置と同様である。
その他の構成は図7に示す第6実施例と同様でありこれと同一の部材は同一の符号で示す。
かかる第6実施例によれば、気化器本体1の下部に装着されたドレン孔47aを利用し、ドレンボス47に直接燃料ホース44を接続し、あるいはドレンプラグを取り外してコネクタを組み付け、該ドレン孔47a側とインシュレータに組み付けた始動燃料供給装置20とを燃料ホース44で接続するので、既存の気化器に対しても、既に気化器に設けられているドレン孔47aを利用して、燃料管接続用のコネクタを組み付け可能あるいはドレンボス47に直接燃料ホース44を接続できる上に、始動燃料供給装置20を組み付けたインシュレータ12を交換することにより、前記第5実施例よりもさらに簡単に、かつ気化器のセッティングを変えることなく始動燃料供給手段の交換を行うことができる。
図10は本発明の第7実施例を示す図9対応図である。
この第7実施例においては、インシュレータ12に、図5(A)、(B)、(C)の第3実施例におけるリーフ弁31を備えた始動燃料供給装置20を組み付け、始動燃料溜め33を覆い始動用燃料通路41を有するカバー50に前記燃料ホース44を接続している。12aはインシュレータ12の取付ボルトである。
前記始動燃料供給装置20の構成は図5(B)、(C)に示す第3実施例と同様であり、これと同一の部材は同一の符号で示す。
この第7実施例においては、インシュレータ12に、図5(A)、(B)、(C)の第3実施例におけるリーフ弁31を備えた始動燃料供給装置20を組み付け、始動燃料溜め33を覆い始動用燃料通路41を有するカバー50に前記燃料ホース44を接続している。12aはインシュレータ12の取付ボルトである。
前記始動燃料供給装置20の構成は図5(B)、(C)に示す第3実施例と同様であり、これと同一の部材は同一の符号で示す。
本発明によれば、構造が簡単かつ部品点数が低減されて低コスト化されるとともに、小さい作動抵抗で以って作動精度が向上せしめられた始動燃料供給装置付きガソリンエンジンを提供できる。
1 気化器本体
2 チョーク弁
3 ベンチュリー
6 燃料室
8 スロットル弁
9 メインノズル
11 フロート室固定ボルト
12 インシュレータ
13 吸気通路
20 始動燃料供給装置
21、41 始動用燃料通路
22、43 始動ジェット
23 ダイヤフラム
25 ばね
26、32 始動ノズル
26a、33、54 始動燃料溜め
31 リーフ弁
40、46 コネクタ
44 燃料ホース
47 ドレンボス
47a ドレン孔
51 板弁
52 ストッパー
53 ばね
2 チョーク弁
3 ベンチュリー
6 燃料室
8 スロットル弁
9 メインノズル
11 フロート室固定ボルト
12 インシュレータ
13 吸気通路
20 始動燃料供給装置
21、41 始動用燃料通路
22、43 始動ジェット
23 ダイヤフラム
25 ばね
26、32 始動ノズル
26a、33、54 始動燃料溜め
31 リーフ弁
40、46 コネクタ
44 燃料ホース
47 ドレンボス
47a ドレン孔
51 板弁
52 ストッパー
53 ばね
Claims (10)
- 始動時に気化器の吸気通路に始動用燃料を供給して低温始動性を向上したガソリンエンジンにおいて、前記気化器の燃料室と前記吸気通路とを接続して前記始動用燃料を前記吸気通路に供給する始動用燃料通路を設けるとともに、該始動用燃料通路の前記吸気通路への開口部を開閉する開閉弁を備えて、前記エンジンの始動時を含む前記吸気通路の吸気負圧が一定値以下のとき前記開閉弁の開弁により前記始動用燃料通路内の始動用燃料を前記吸気通路に供給可能とし、前記吸気負圧が前記一定値を超えたとき前記開閉弁の閉弁により前記始動用燃料通路と吸気通路とを遮断せしめる始動燃料供給装置を有してなることを特徴とする始動燃料供給装置付きガソリンエンジン。
- 前記始動燃料供給装置は、気化器出口の吸気通路を形成するインシュレータに装着されてなることを特徴とする請求項1記載の始動燃料供給装置付きガソリンエンジン。
- 前記始動燃料供給装置は、気化器本体内に設けられてなることを特徴とする請求項1記載の始動燃料供給装置付きガソリンエンジン。
- 前記始動燃料供給装置は、前記開閉弁を、前記吸気負圧により変形可能な薄膜状の可撓性材料からなり該吸気負圧の変化により前記始動用燃料通路の前記吸気通路への開口部を開閉するダイヤフラム弁で構成したことを特徴とする請求項1記載の始動燃料供給装置付きガソリンエンジン。
- 前記始動燃料供給装置は、前記開閉弁を、前記吸気負圧により弾性変形可能な薄板材を片持支持してなり該吸気負圧の変化により前記始動用燃料通路の前記吸気通路への開口部を開閉するリーフ弁で構成したことを特徴とする請求項1記載の始動燃料供給装置付きガソリンエンジン。
- 前記始動燃料供給装置は、前記開閉弁を薄板材からなる板弁で構成するとともに、該板弁の開弁方向に付勢され前記吸気負圧が一定値以下のとき付勢力により前記板弁を開弁せしめ前記吸気負圧が前記一定値を超えたとき該吸気負圧により収縮して前記板弁を閉弁せしめるばねを備えたことを特徴とする請求項1記載の始動燃料供給装置付きガソリンエンジン。
- 前記始動用燃料通路は、前記気化器本体の下部に装着されたコネクタと、前記開閉弁と前記コネクタとを接続する燃料管とによりなり、前記気化器のメインノズルへの燃料通路内の燃料を前記コネクタ及び燃料管を通して前記開閉弁に導くように構成されてなることを特徴とする請求項1記載の始動燃料供給装置付きガソリンエンジン。
- 前記始動用燃料通路は、前記気化器本体の下部に設けられているドレン孔に装着されたコネクタと、前記開閉弁と前記コネクタとを接続する燃料管とによりなり、前記気化器の燃料室内の燃料を前記ドレン孔、前記コネクタ及び前記燃料管を通して前記開閉弁に導くように構成されてなることを特徴とする請求項1記載の始動燃料供給装置付きガソリンエンジン。
- 始動時に気化器の吸気通路に始動用燃料を供給して低温始動性を向上したガソリンエンジンにおける始動燃料供給装置の組立方法において、気化器出口の吸気通路を形成するインシュレータに、始動用燃料を前記吸気通路に供給するための始動用燃料通路の前記吸気通路への開口部を開閉する開閉弁を組み付け、前記気化器本体の下部に装着されたフロート室固定ボルトを取り外して燃料管を接続可能なコネクタを組み付け、次いで前記インシュレータの開閉弁入口端と前記コネクタとを燃料管で接続することを特徴とするガソリンエンジンにおける始動燃料供給装置の組立方法。
- 始動時に気化器の吸気通路に始動用燃料を供給して低温始動性を向上したガソリンエンジンにおける始動燃料供給装置の組立方法において、気化器出口の吸気通路を形成するインシュレータに、始動用燃料を前記吸気通路に供給するための始動用燃料通路の前記吸気通路への開口部を開閉する開閉弁を組み付け、前記気化器本体の下部に装着されたドレン孔に燃料管の一端を接続し、該燃料管の他端を前記インシュレータの開閉弁入口端に接続することを特徴とするガソリンエンジンにおける始動燃料供給装置の組立方法。
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JP2004341005A JP2006152834A (ja) | 2004-11-25 | 2004-11-25 | 始動燃料供給装置付きガソリンエンジン及びその組立方法 |
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Publications (1)
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN107905899A (zh) * | 2017-12-18 | 2018-04-13 | 中科合肥微小型燃气轮机研究院有限责任公司 | 一种燃气轮机燃油供应系统及其控制方法 |
-
2004
- 2004-11-25 JP JP2004341005A patent/JP2006152834A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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